JP2003051382A - El素子用フィルム - Google Patents

El素子用フィルム

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JP2003051382A
JP2003051382A JP2001237655A JP2001237655A JP2003051382A JP 2003051382 A JP2003051382 A JP 2003051382A JP 2001237655 A JP2001237655 A JP 2001237655A JP 2001237655 A JP2001237655 A JP 2001237655A JP 2003051382 A JP2003051382 A JP 2003051382A
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organic
polymer
coating
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JP2001237655A
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English (en)
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Tomoji Oishi
知司 大石
Kozo Sakamoto
耕三 坂元
Hiroyuki Higuchi
浩之 樋口
誠一 ▲高▼岡
Seiichi Takaoka
Tatsuki Nagatsuka
辰樹 長塚
Keiko Toyosawa
圭子 豊澤
Yutaka Nakabayashi
豊 中林
Masahiro Yoshioka
昌宏 吉岡
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Hitachi Ltd
Nitto Denko Corp
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Hitachi Ltd
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスバリヤ性に優れ、かつ透明度の高いEL素
子用フィルムを提供すること。 【解決手段】高分子フィルムの表面に存在する被膜を有
するEL素子用フィルムであって、前記被膜がシリコ
ン、窒素、水素、酸素からなる無機ポリマーからなり、
この無機ポリマー被膜の上に重ねられる被膜は、少なく
ともフッ素基、シロキサン基、有機高分子鎖からなる有
機骨格部と無機骨格部の有機無機ハイブリッド化学構造
を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL装置に使
用されるEL素子用フィルム及びEL素子用フィルムを
使用した有機EL装置にかかわり、特にEL素子の耐劣
化に有効なガスバリア性を有するEL素子用フィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス(EL)素子
とは、固体蛍光性物質の電界発光またはEL発光と言わ
れる現象を利用した発光デバイスであり、現在無機系材
料を発光体として用いた無機EL素子が実用化され、液
晶ディスプレイのバックライトやフラットディスプレイ
等への応用展開が図られている。こうしたもとで、簡素
な行程で低コストで作製が可能と期待されている有機E
L素子の実用化を目指した研究が盛んに行われている。
【0003】ところが、有機EL素子に使用される発光
層(有機発光体)や正孔輸送層等の有機固体は一般に水
分や酸素に弱く、素子内に存在する水分や酸素により、
ダークスポットの成長や光透過度の低下を招く。従って
有機EL素子の信頼性を保証するためには、有機材料や
電極材料への水分及び酸素の進入を阻止すべく、EL素
子を封止しなければならない。
【0004】有機EL素子の封止方法については、これ
までに多数の提案がなされてきた。現在既に実用化され
ている方法としては、有機EL素子を吸湿材と共に金属
封止する方法、背面電極の外側にガラス板を設けて背面
電極とガラス板の間にシリコーンオイルを封入する方法
などがある。また、ガスバリア性に優れた有機フィルム
や無機酸化物蒸着膜を有するフィルムで有機EL素子を
封止する方法も多く提案されている。
【0005】有機EL素子を封止するフィルムとして
は、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等
の有機薄膜や、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)や、
プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気
相成長法等の化学気相成長法(CVD法)を利用して、
プラスチック基材上にSiO2,Al23,MgO等の
無機酸化物膜を形成した、透明なガスバリア性フィルム
が候補とされている。
【0006】一般の食品包装用として使用されている汎
用的な有機ポリマーの酸素透過度は数10から数100
cc/m2/day、水蒸気透過度は数10から数10
0g/m2/dayであり、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(PCTFE)等、特にガスバリア性を強化した
分子構造を有する有機ポリマーの酸素透過度は数cc/
2/day、水蒸気透過度は数g/m2/dayであ
る。
【0007】一方、PVD法やCVD法を利用して、プ
ラスチック基材上にSiO2,Al23,MgO等の無
機酸化物膜を形成したガスバリア性フィルムは緻密であ
り、例えば厚さ30μmのPET基材上に蒸着された厚
さ100nmのSiOx膜の酸素透過性は、良好な膜で
は1cc/m2/day、水蒸気透過性は1g/m2/d
ay程度である。特開平11−80934号公報ではプ
ラスチック基材表面に蒸着したAl23膜表面を酸素ガ
スでプラズマ処理した後に水酸基を導入することによ
り、簡素な行程で酸化アルミニウムと水酸化アルミニウ
ムの複合薄膜を設け、酸素透過度1.2cc/m2/d
ay、水蒸気透過度2.0g/m2/dayを実現して
いる。特開平11−332979号公報ではPET基材
表面を酸素ガスでプラズマ処理した後に無機酸化物の蒸
着膜を形成したフィルムにより、酸素透過度0.9cc
/m2/day、水蒸気透過度0.8g/m2/dayを
実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】有機EL素子を表示装
置として製品化する際に必要とされる封止材には、透明
性と同時に、従来の食品包装用のものと比較して格段に
高いガスバリア性が要求される。
【0009】しかしながら、上述したガスバリア性を有
する有機フィルムや無機蒸着膜に関しては、いずれの報
告例でも有機EL素子の封止用として有効なガスバリア
性は実現されていない。有機EL素子封止として用いら
れているものではない公知のガスバリア性フィルムの厚
みを厚くすることにより、有機EL素子封止に十分なガ
スバリア性を実現するためには、膜厚を10cm程度す
る必要がある。無機材料蒸着膜のガス透過性もまた膜厚
の増加に伴い減少するが、膜厚が100nm以上になる
とガス透過性は一定値となりそれ以上減少しなくなる。
このため、無機材料蒸着膜を厚くすることにより有機E
L素子封止に十分なガスバリア性を実現することもまた
困難である。
【0010】従って、単に膜厚を厚くしたり、従来のガ
スバリア性有機ポリマーや無機材料蒸着膜を有機EL装
置の封止用膜として利用することだけではガスバリアの
問題は解決できない。
【0011】また有機EL素子の封止方法についても様
々な提案がなされているが、素子の軽量化および薄型化
(ステンレスの金属板による封止構造に対して)に関し
て未だに有効な封止方法は確立されていない。
【0012】さらに特開平8−236274号公報に記
載されているEL素子の封止フィルムは、ベースのなる
フィルムにポリシラザン(SiNxHy)nの膜(但
し、x.yは整数である。)を形成したものである。S
i:シリコン、N:窒素、H:水素である。そして、そ
の膜を加湿処理(湿度(RH)80%〜100%)する
ことで、SiO2の被膜に化学変化する。Si:シリコ
ン、O:酸素である。この被膜はガラスのように硬くて
脆いため、割れ易く、ガスバリア性が良くないのであ
る。
【0013】本発明は、上記の問題に対処し、ガスバリ
ア性の良いEL素子封止用のフィルムを提供することで
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子フィル
ムの表面に存在する被膜を有するEL素子用フィルムで
あって、前記被膜がシリコン、窒素、水素、酸素からな
る無機ポリマーからなることを特徴とするものである。
この無機ポリマーで被覆されたEL素子用フィルムは、
ガスバリア性が良く、水分や酸素の進入がよく阻止され
るので、ダークスポットの成長や光透過度の低下を招く
ことがなく、有機EL素子の信頼性を保つことができ
る。
【0015】更に具体的に述べる。本発明者らは、上記
問題(課題)を解決すべく、EL素子封止について種々
の試行、検討を鋭意重ねた結果、シリコン、窒素、水
素、酸素からなる無機ポリマーの被膜が薄くてもガスバ
リア性に優れ、また、この被膜を多層の積層構造にする
ことにより、さらにガスバリア性能が向上することを突
き止め、本発明に至った。
【0016】本発明は、ポリシラザン溶液(シリコン、
窒素、水素)を高分子フィルムの表面に塗布加熱処理し
て被膜形成を行う際に大気中あるいは弱還元雰囲気で加
熱処理することにより形成されたシリコン、窒素、水
素、酸素を有する無機ポリマーからなる薄い被膜が、ガ
スバリア性に富む有機EL素子封止用のフィルムとして
優れたものであることを見い出したものである。
【0017】また、この薄い被膜が無機被膜上に形成さ
れていることを特徴とする有機EL素子用フィルムを提
供するものである。なお、下層になる無機膜は、SiO
2,ITO,Al23を主体とする膜を使用する。
【0018】また、フッ素基、シロキサン基、有機高分
子鎖からなる有機骨格部と無機骨格部の有機無機ハイブ
リッドを成す被膜を、既に形成されている無機ポリマー
からなる被膜の上に積重ねた積層構造のEL素子用フィ
ルムを提供するものである。
【0019】本発明の薄い被膜は、ポリシラザン溶液を
用いて形成するのであるが、この際に若干還元雰囲気の
もとで加熱処理を行うとシリコン、窒素、水素、酸素が
結合した無機ポリマーの被膜が得られる。この被膜は、
完全な無機質にならずポリマー性を有しており、膜厚を
厚くすることができる。また、ガスバリア性能も更に良
好になる。
【0020】なお、通常、このポリシラザン溶液を使用
した被膜は、被膜を完全なシリカの被膜にするために加
湿処理して形成される。この場合、被膜が厚くなると、
完全な無機質であるシリカ膜が形成されるため、高分子
フィルム上に形成された場合、熱膨張係数の差が顕著と
なり、被膜が極めて割れやすくなる。通常、2−300
0Å程度が限界である。このため、ガスバリア性能は低
下する。
【0021】本発明にあっては、シリカの被膜にならな
いため、高分子フィルム上へも厚く成膜することが可能
である。0.5から数ミクロン程度の膜厚も可能であ
る。また、無機ポリマーであり、ポリマー性を有してい
るため、フィルムとの整合性も良好である。この薄い被
膜を無機の蒸着膜と積層化すると無機蒸着膜の欠陥を補
償するためにガスバリア性能がさらに向上する。無機蒸
着膜としては、SiO2,ITO,Al23膜などが好
適である。
【0022】また、高分子フィルム上に形成した本発明
の膜上に有機骨格部と無機骨格部を有する有機無機ハイ
ブリッド材料から成り、その組成がフッ素基、シロキサ
ン基、有機高分子鎖からなる膜を溶液の塗布により成膜
し、加熱硬化させると単層よりもガスバリア性能が向上
する。これは、ポリシラザン膜と有機無機ハイブリッド
膜が界面付近で反応して、ガスバリア性に高める新たな
層が形成されるためではないかと考えられる。また、本
発明による被膜は塗布法で膜形成が可能なため、低コス
トな有機EL用フィルム作製技術として有効である。
【0023】このような本発明のEL素子用フィルム
は、有機EL装置の封止に用いられる。
【0024】すなわち、本発明のEL素子用フィルムで
有機EL装置を片面または両面から封止し、ガスバリア
性を有する接着剤や熱ラミネート法等の方法でEL素子
用フィルムを気密的に接合接着することで、EL素子が
水分や酸素により劣化させられることがなく、ダークス
ポットの成長が抑えられる。また、このEL素子用フィ
ルムを使用する有機EL装置は、ステンレスの金属板に
よる封止構造に比べ、軽量で薄型の有機EL装置を得る
ことができる。
【0025】さらに本発明のEL素子用フィルムはガス
バリア性に加え、透明性の上でも良好であるので、対向
基板を備えない有機EL装置の構造にすることも可能で
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に沿って本
発明を更に詳細に説明する。
【0027】シリコン、窒素、水素よりなるポリシラザ
ンのキシレン溶液(濃度20wt%,分子量800−1
000)をPET(ポリエチレンテレフタレート)基材
上(75ミクロン厚)(高分子フィルム)に塗布ギャッ
プ12.5ミクロンのアプリケータを用いて塗布した。
ついで、この塗布膜を160℃で30分ほど窒素中と大
気中で処理した。同様にカプトンフィルム(75ミクロ
ン厚)上へも膜形成を行った。
【0028】上記ポリシラザンは、下記の化学一般式
「化1」で示される。
【0029】
【化1】 高分子フィルムはTAC(トリアセチルセルロース)を
用いても良い。
【0030】同様な手法により、PET基材上にITO
(インジューム.錫酸化物)膜(膜厚1000Å)また
はSiO2(二酸化珪素)膜(膜厚500Å)を形成し
た基材上へも成膜した。
【0031】また、有機無機ハイブリッドの被膜を既に
形成されている無機ポリマーの被膜の上に積重ねた積層
構造のEL素子用フィルムを作製した。
【0032】有機無機ハイブリッド被膜の材料は、ま
ず、下記の化学式で示す方法により合成する。
【0033】.CF3−(CH2n−Si(OCH3
3 (n=1−10) .CH2=CH−Si(OCH33 .アルコキシ基含有アクリル樹脂 ..を、1:1:1のモル比でエタノールまたは
イソプロピルアルコール中で混合し、化学量論量のH2
O及び若干量の触媒として酸を添加し、アルコキシ基部
の加水分解、重縮合反応を進行させることで、シロキサ
ン結合、フッ素基、感光性基を含む有機無機ハイブリッ
ド溶液が作製される。合成された有機無機ハイブリッド
溶液は、濃度が4%のものである。
【0034】この有機無機ハイブリッド溶液を既に形成
されているポリシラザンの被膜の上にアプリケータを用
いて成膜し、365nm.10mW/cm2の紫外線を
10分間照射し、ついで160℃で30分間、加熱処理
を行って有機無機ハイブリッドの被膜が形成されるので
ある。
【0035】図2に示す実施例のEL素子用フィルム1
0は、PET(ポリエチレンテレフタレート)基材であ
る高分子フイルム11と、該高分子フイルム11の表面
にシリコン、窒素、水素よりなるポリシラザンのキシレ
ン溶液を塗布し、塗布膜を160℃で30分ほど窒素中
と大気中で処理して形成した無機ポリマーの被膜12を
有する。
【0036】無機ポリマーの被膜12は高分子フイルム
11の両面に存在するように設けられているが、片面に
設けるようにしても良い。高分子フイルム11の厚さT
1は75μm程度である。50μm〜500μmの範囲
でも良い。無機ポリマーの被膜12の厚さT2は3〜5
μm程度である。
【0037】図3に示す実施例のEL素子用フィルム2
0はPET(ポリエチレン・テレフタレート)基材であ
る高分子フイルム21と、上記と同様な無機ポリマーの
被膜22と高分子フイルム21との間にSiO2(二酸
化珪素)・TiO2(酸化チタン)・Al23(酸化アル
ミニューム)・ITOよりなる無機の被膜23を介在し
たものである。この無機の被膜23は蒸着やスパッタ法
により形成される。図示では片面であるが,両面に被膜
を設けても良い。
【0038】高分子フイルム21の厚さT1は75μm
程度である。50μm〜500μmの範囲でも良い。無
機ポリマーの被膜22の厚さT4は3〜5μm程度であ
る。無機の被膜23の厚さT3は0.02μm〜0.5
μm程度である。
【0039】図4に示す実施例のEL素子用フィルム3
0はPET(ポリエチレンテレフタラート)基材である
高分子フイルム31と、上記と同様な無機ポリマーの被
膜32と、この被膜32の上に重ねられた無機有機ハイ
ブリット化学構造の被膜33を有する。無機有機ハイブ
リッド化学構造は、下記の化学構造式「化2」に示され
る。
【0040】
【化2】 高分子フイルム31の厚さT1は75μm程度である。
50μm〜500μmの範囲でも良い。無機ポリマーの
被膜32の厚さT5は0.5μm程度である。無機有機
ハイブリット化学構造の被膜33の厚みT6は、1.2
μm〜2μm程度である。
【0041】次に「表1」に基づいて述べる。EL素子
用フィルムのガスバリア特性をまとめて示した。ガスバ
リア特性の測定条件は以下の通りである。またガスバリ
ア特性の比較検討をするために本発明以外のフィルムに
ついても測定結果を挙げた。 (1)酸素透過度の測定 上述のように作製したEL素子用フィルムを使用し、温
度30℃、湿度90%RHの条件で、米国モコン社(m
ocon)製の酸素透過度測定装置(Oxtran2/
20)を使用し、圧力差0.1MPaの条件で酸素透過
度を測定した。この酸素透過度測定装置の測定限界は
0.01cc/m2/dayである。 (2)水蒸気透過度の測定 上述のように作製したガスバリア性フィルムを使用し、
温度30℃、湿度90%RHの条件で、米国モコン社
(mocon)製の透湿度測定装置(Permatra
n2/20)を使用し、圧力差0.1MPaの条件で水
蒸気透過度を測定した。この透湿度測定装置の測定限界
は0.01g/m2/dayである。
【0042】
【表1】 番号2、3は、本発明に関するフィルムである。ほぼ同
じ厚さのPETでできているフィルム(番号1)よりも
本発明に関するフィルムが、ガス透過を阻止する性能が
良好である。
【0043】番号4〜7のものは本発明に間するフィル
ムよりもガス透過阻止性能が良いが、PETの上に金属
の酸化被膜を真空蒸着するもので高価になり、有機EL
素子用フィルムとして不向きである。なお、本発明と併
用することで、ガス透過阻止性能がより向上することが
理解できる。
【0044】このように本発明の有機EL素子用フィル
ムはガス透過阻止性能が良好である。ガス(水蒸気や酸
素)の有機EL装置への侵入は阻止されるので、有機発
光体の劣化もなく、信頼性の高い、高性能な有機EL装
置を提供できる。
【0045】図1は本発明のEL素子用フィルムを使用
した有機EL装置の概要を示すものである。
【0046】有機EL装置は、ガラス等の基板1と、有
機EL素子2と、EL素子用フィルム6を有する。有機
EL素子2は発光層3(発光体)と背面電極4と前面電
極5を有する。
【0047】EL素子用フィルムの周囲は、ガスバリア
性を有する接着剤や熱ラミネート法等の方法で気密的に
接合接着される。このような封止め構造により、ガス
(水蒸気や酸素)の有機EL装置への侵入は阻止される
のである。基板1を使用しないで、EL素子用フィルム
により発光層3(発光体)を両面からすっぽり包むよう
な構成にすることも可能である。
【0048】図1に示すように発光層3(発光体)で発
光した光は図示矢印のようにEL素子用フィルムを透過
する。本発明のEL素子用フィルムはガスバリア特性に
加え、光線透過性の面でも優れている。光線透過度は、
85%〜95%である。この種のフィルムは70%の透
過度を必要とするので、本発明のEL素子用フィルムは
必要な透過度を十分に越えるものである。
【0049】なお、上記では主に有機EL素子用フィル
ムについて述べたが、このフイルムは無機のEL装置に
も使用できるものである。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤ性に優れ、
かつ透明度の高いEL素子用フィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるもので、本発明に関
するEL素子用フィルムを使用した有機EL装置の概要
を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるもので、EL素子用
フィルムの構造を示す図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるもので、他のEL素
子用フィルムの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態にかかるもので、他のEL素
子用フィルムの構造を示す図である。
【符号の説明】
11…高分子フィルム、12…無機ポリマーの被膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:02 C08L 67:02 (72)発明者 坂元 耕三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 樋口 浩之 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 ▲高▼岡 誠一 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 長塚 辰樹 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 豊澤 圭子 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 中林 豊 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 吉岡 昌宏 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB11 AB13 BB00 CA01 DA01 DB03 EA01 EB00 FA02 4F006 AA35 AB39 BA15 CA08 EA05 4F100 AA00E AA01D AA19D AA20D AA33D AA40B AA40C AB11B AB11C AH00E AJ06 AK01A AK42 AK79B AK79C AK80E BA03 BA04 BA05 BA06 BA10B BA10C EJ41 EJ58 GB41 JD02 JM02B JM02C JM02D JM02E JN01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルムの表面に被膜を有するEL
    素子用フィルムであって、 前記被膜がシリコン、窒素、水素、酸素からなる無機ポ
    リマーからなることを特徴とするEL素子用フィルム。
  2. 【請求項2】高分子フィルムの内外両表面に被膜を有す
    るEL素子用フィルムであって、 前記被膜がシリコン、窒素、水素、酸素からなる無機ポ
    リマーからなることを特徴とするEL素子用フィルム。
  3. 【請求項3】高分子フィルムの表面に塗布される被膜を
    有するEL素子用フィルムであって、 前記被膜が少なくともシリコン、窒素、水素、酸素から
    なる無機ポリマーからなることを特徴とするEL素子用
    フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1から3に記載された何れか一つの
    EL素子用フィルムの形成方法において、 前記無機ポリマーの被膜は、少なくともシリコン、窒
    素、水素からなるポリシラザン溶液を大気中あるいは弱
    還元雰囲気で加熱処理することにより形成されることを
    特徴とするEL素子用フィルムの形成方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載したEL素子用フィルムの
    形成方法において、 前記大気中あるいは弱還元雰囲気での加熱処理は、塗布
    加熱処理による被膜の形成に際して行うことを特徴とす
    るEL素子用フィルムの形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1から3に記載された何れか一つの
    EL素子用フィルムにおいて、 前記無機ポリマーの被膜と前記高分子フィルムとの間に
    無機被膜を介在することを特徴とするEL素子用フィル
    ム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載されたEL素子用フィルム
    において、 無機被膜は、SiO2,ITOまたはAl23を主体と
    することを特徴とするEL素子用フィルム。
  8. 【請求項8】請求項1から3に記載された何れか一つの
    EL素子用フィルムにおいて、 前記無機ポリマーの被膜の上に重ねられる被膜は、少な
    くともフッ素基、シロキサン基、有機高分子鎖からなる
    有機骨格部と無機骨格部の有機無機ハイブリッド化学構
    造を有することを特徴とするEL素子用フィルム。
  9. 【請求項9】ガラス等の基板と、該基板に設けられEL
    素子の発光層と、該発光層と前記基板に介在する背面電
    極と、該背面電極とは反対側の前記発光層側面に備わる
    前面電極と、該前面電極の前側より前記発光層および前
    記背面電極を含めて封止し、かつ前記基板に気密的に接
    合されるEL素子用フィルムとを有するEL装置におい
    て、 前記EL素子用フィルムとして請求項1から3および請
    求項6から8に記載された何れか一つのEL素子用フィ
    ルムを用いたことを特徴とするEL装置。
  10. 【請求項10】ガラス等の基板と、該基板に設けられE
    L素子の発光層と、該発光層と前記基板に介在する背面
    電極と、該背面電極とは反対側の前記発光層側面に備わ
    る前面電極と、該前面電極の前側より前記発光層および
    前記背面電極を含めて封止し、かつ前記基板に気密的に
    接合されるEL素子用フィルムとを有するEL装置にお
    いて、 前記EL素子用フィルムとして請求項4または5に記載
    されたEL素子用フィルムを用いたことを特徴とするE
    L装置。
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