JP2003050534A - 光メモリ素子,光メモリ素子の記録方法及び光メモリ素子の再生方法 - Google Patents

光メモリ素子,光メモリ素子の記録方法及び光メモリ素子の再生方法

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JP2003050534A
JP2003050534A JP2001401287A JP2001401287A JP2003050534A JP 2003050534 A JP2003050534 A JP 2003050534A JP 2001401287 A JP2001401287 A JP 2001401287A JP 2001401287 A JP2001401287 A JP 2001401287A JP 2003050534 A JP2003050534 A JP 2003050534A
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Hiroshi Ishihara
啓 石原
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複製防止(特に、不正コピー防止)やソフト
ウエアの不正使用防止等の著作権保護に利用可能な情
報、シリアル番号等のような一枚一枚異なる情報等を書
き込めるようにし、また、アップデータに必要なデータ
や正誤表データのような情報等を本来のコンテンツデー
タとは別に追記できるようにする。 【解決手段】 樹脂製コア層2と、樹脂製コア層2の両
面に積層された樹脂製クラッド層3とからなり、樹脂製
コア層2と樹脂製クラッド層3との界面の少なくとも一
方に情報用凹凸部5を有する光導波部材を備える光メモ
リ素子10であって、記録可能な記録層20を積層して
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光メモリ素子,光
メモリ素子の記録方法及び光メモリ素子の再生方法に関
し、特に、光導波路デバイスを用いて構成される光メモ
リ素子を製造するのに用いて好適の、光メモリ素子,光
メモリ素子の記録方法及び光メモリ素子の再生方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、予め所定の散乱光を生じるように
パターンが刻まれた平面型(カード型)の光導波路中に
光を導入し、光導波面の外部に画像を結像させる技術が
提案されている(IEEE Photon.Technol.Lett.,vol.9,p
p.958-960,JULY1997 等参照)。即ち、例えば図11に
模式的に示すように、光導波路として機能するように屈
折率や膜厚を調整されたコア(層)101と、このコア
層101を挟む形でその両側(両面部)に設けられた
(第1,第2の)クラッド(層)102とをそなえて成
るカード型のスラブ型光導波路デバイス100におい
て、コア層101とクラッド層102との界面に微細な
凹凸が存在していた場合、コア層(光導波路)101に
レンズ103を介して光(レーザ光)を導入すると、導
入光の一部がその凹凸部分で散乱し、散乱光がクラッド
層102を通じて外部に出てくる。
【0003】従って、光導波面(光導波路101)から
所定距離に特定の画像が結像するような光の散乱強度と
位相とを計算し、その計算に応じた微細な凹凸パターン
を予めコア層101に刻み込んでおけば、光導波面の外
部に所望の画像を結像させることができる。つまり、コ
ア層101は情報の記録層として機能することになる。
【0004】そして、例えば、光導波面の外部に出てき
た散乱光を上記所定距離に設置したCCD受像機104
により受光して、結像画像を2次元のディジタルパター
ン〔例えば、明暗の2値のパターン、もしくは、明度
(グレイスケール)による多値のパターン等〕化してデ
ィジタル信号化すれば、既存のディジタル画像処理装置
(図示省略)で結像画像に対し所望の画像処理を実施す
ることができる。
【0005】また、例えば図12に模式的に示すよう
に、上記のクラッド層102とコア層101とを繰り返
し積層して、光導波路(記録層)101を複数個積層し
た場合、或る光導波路101で散乱した光は、別の光導
波路101を横切ることになるが、通常、コア層101
とクラッド層102の屈折率差が極めて小さいので、そ
の散乱光が別の光導波路101に形成された凹凸で再散
乱することは殆ど無く、結像画像が乱れることは無い。
従って、積層数に比例して数多くの画像やパターンを結
像できることになる。
【0006】つまり、光導波路デバイス100はその積
層数に比例した容量を有する光メモリ素子(ROM等の
記録媒体)として使用できるのである。なお、この光メ
モリ素子は、理論上では、1層で約1ギガバイト程度の
容量をもたせることができ、100層程度まで積層する
ことが可能であるといわれており、将来的には、動画像
の記録等に十分対応できる大容量ROMとして使用され
ることが有望視されている。
【0007】光導波路デバイス100のコア層101に
おける上記の微細な凹凸パターンは、例えば、次のよう
な手法で形成される。即ち、まず、図13(A)に模式
的に示すように、(第1の)クラッド層102となる平
板状のガラス等の上にフォトレジストを塗布し、光ある
いは電子線等の露光とその現像によりそのガラス(クラ
ッド層102)上に、結像させたい像に応じたピット
(凹凸パターン)を形成する。
【0008】その後、その凹凸パターン上にコア層10
1を形成する。これにより、凹凸パターンの形成された
コア層101が作製され、このコア層101上にさらに
第2のクラッド層102を形成することにより、1層分
の光導波路デバイス(光メモリ素子)が作製される。そ
して、上記と同様に、クラッド層102上に露光と現像
によって凹凸パターンを形成し、その上にコア層101
を形成することを繰り返し行なうことで、図13(B)
に模式的に示すように、多層構造の光メモリ素子(以
下、「多層光メモリ」ということがある)100aが作
製される。
【0009】しかしながら、このような露光と現像とを
用いた手法では、1層分の光メモリ素子100の作製に
非常に時間及びコストがかかってしまうので、大容量の
多層光メモリ100aを作製するには、膨大な時間とコ
ストがかかる。このため、コア層及びクラッド層を樹脂
製にすることで、上記の凹凸パターンを簡易に形成でき
るようにして、限られた体積でより大容量の情報を保持
できる光メモリ素子を容易、且つ、安価に実現できるよ
うにすることが提案されている(特願平11−1315
12号、特願平11−131513号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、同一のコン
テンツデータを光メモリ素子に書き込んで大量複製する
場合であっても、例えばシリアル番号等のような一枚一
枚異なる情報等はコンテンツデータとは別に書き込める
ようにしたい。また、複製防止(特に、不正コピー防
止)やソフトウエアの不正使用防止等の著作権保護に利
用可能な情報として、著作権情報,ID情報,暗号化に
際して用いられるキー情報等の情報を光メモリ素子に書
き込んで、保護管理することも要求される。
【0011】しかし、これらの情報をプリピットで記録
する場合には、スタンパ毎の管理となり、ユーザ毎の管
理を行うことができないため好ましくない。さらに、ア
プリケーションソフトをアップデートするためのデータ
(情報)や正誤表データのようなデータ(情報)は、ユ
ーザ側(例えば出荷先)で追記情報として書き込めるよ
うにしたい。
【0012】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、複製防止(特に、不正コピー防止)やソフト
ウエアの不正使用防止等の著作権保護に利用可能な情
報、シリアル番号等のような一枚一枚異なる情報等を書
き込めるようにし、また、アップデータに必要なデータ
や正誤表データのような情報等を本来のコンテンツデー
タとは別に追記できるようにした、光メモリ素子,光メ
モリ素子の記録方法及び光メモリ素子の再生方法を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
光メモリ素子は、樹脂製コア層と、樹脂製コア層の両面
に積層された樹脂製クラッド層とからなり、樹脂製コア
層と樹脂製クラッド層との界面の少なくとも一方に情報
用凹凸部を有する光導波部材を備える光メモリ素子であ
って、記録可能な記録層とを積層して構成されることを
特徴としている。
【0014】特に、光メモリ素子を構成する光導波部材
は、1又は複数個設けるのが好ましい。また、記録可能
な記録層も、1又は複数個設けるのが好ましい。また、
記録層が、光により記録可能な記録層であるのが好まし
い(請求項2)。さらに、記録層が、光により屈折率が
変化するフォトポリマーにより構成されるのが好ましい
(請求項3)。
【0015】また、記録層の両面に樹脂製クラッド層を
積層するのが好ましい(請求項4)。さらに、記録層
を、樹脂製コア層と、樹脂製コア層の両面に積層される
樹脂製クラッド層との間に積層されるように構成するの
が好ましい(請求項5)。また、記録層を、光により屈
折率,透過率のうちの少なくとも1つが変化する材料に
より構成し、この記録層に、記録層再生用コア層と記録
層再生用クラッド層とを積層し、記録層再生用コア層と
記録層再生用クラッド層との界面に再生光をほぼ均一に
散乱させうる記録層再生用凹凸部を設けるのが好ましい
(請求項6)。この場合、記録層再生用凹凸部は、全面
にわたってほぼ一様に設けるのが好ましい。
【0016】ここでは、記録層を、光により屈折率,透
過率のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成
しているが、一般に、透過率と吸収率とは連動するため
(即ち、透過率が上がれば吸収率が下がり、透過率が下
がれば吸収率が上がる)、記録層を、光により屈折率,
吸収率(又は屈折率,透過率,吸収率)のうちの少なく
とも1つが変化する材料により構成していると見ること
もできる。
【0017】さらに、記録層を、光により屈折率,透過
率のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成
し、この記録層に、記録層再生用コア層と、記録層再生
用コア層の両面部に積層された記録層再生用クラッド層
とからなり、記録層再生用コア層と記録層再生用クラッ
ド層との界面の少なくとも一方に再生光をほぼ均一に散
乱させうる記録層再生用凹凸部が設けられてなる記録層
再生用光導波部材を積層させるのが好ましい(請求項
7)。この場合、記録層再生用凹凸部は、全面にわたっ
てほぼ一様に設けるのが好ましい。
【0018】ここでは、記録層を、光により屈折率,透
過率のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成
しているが、一般に、透過率と吸収率とは連動するため
(即ち、透過率が上がれば吸収率が下がり、透過率が下
がれば吸収率が上がる)、記録層を、光により屈折率,
吸収率(又は屈折率,透過率,吸収率)のうちの少なく
とも1つが変化する材料により構成していると見ること
もできる。
【0019】また、記録層を、光により屈折率,透過率
のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成し、
この記録層に、記録層再生用コア層と記録層再生用クラ
ッド層とを積層し、記録層再生用コア層と記録層再生用
クラッド層との界面に再生光によりホログラム像を形成
しうる記録層再生用凹凸部を設けるのが好ましい(請求
項8)。
【0020】さらに、記録層を、光により屈折率,透過
率のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成
し、記録層に、記録層再生用コア層と、記録層再生用コ
ア層の両面部に積層された記録層再生用クラッド層とか
らなり、記録層再生用コア層と記録層再生用クラッド層
との界面の少なくとも一方に再生光によりホログラム像
を形成しうる記録層再生用凹凸部を設けられてなる記録
層再生用光導波部材を積層させるのが好ましい(請求項
9)。
【0021】さらに、記録層が、1層のみ設けられるの
が好ましい(請求項10)。さらに、記録層が、光導波
部材の最外層の外側に積層されるのが好ましい(請求項
11)。また、記録層が、ライトワンス型記録層である
のが好ましい(請求項12)。さらに、記録層に情報を
記録する際に除去しうる遮光部材によって覆われている
のが好ましい(請求項13)。
【0022】また、記録層に光メモリ素子のID情報を
記録するのが好ましい(請求項14)。請求項15記載
の本発明の光メモリ素子の記録方法は、請求項2〜14
のいずれか1項に記載の光メモリ素子の記録方法であっ
て、記録層にレーザ光を照射して情報を記録することを
特徴としている。
【0023】請求項16記載の本発明の光メモリ素子の
記録方法は、請求項2〜14のいずれか1項に記載の光
メモリ素子の記録方法であって、記録層に干渉縞により
情報を記録することを特徴としている。請求項17記載
の本発明の光メモリ素子の記録方法は、請求項3〜14
のいずれか1項に記載の光メモリ素子の記録方法であっ
て、記録層に情報を記録した後で不活性化処理を行なう
ことを特徴としている。
【0024】請求項18記載の本発明の光メモリ素子の
再生方法は、請求項6記載の光メモリ素子の再生方法で
あって、樹脂製クラッド層と記録層再生用クラッド層と
の間に挟まれている記録層及び記録層再生用コア層に再
生光を導波させ、記録層再生用凹凸部でほぼ均一に散乱
された散乱光を記録層を介して外部へ出射させることを
特徴としている。
【0025】請求項19記載の本発明の光メモリ素子の
再生方法は、請求項7記載の光メモリ素子の再生方法で
あって、記録層再生用クラッド層間に挟まれている記録
層再生用コア層に再生光を導波させ、記録層再生用凹凸
部でほぼ均一に散乱された散乱光を記録層を介して外部
へ出射させることを特徴としている。請求項20記載の
本発明の光メモリ素子の再生方法は、請求項8記載の光
メモリ素子の再生方法であって、樹脂製クラッド層と記
録層再生用クラッド層との間に挟まれている記録層及び
記録層再生用コア層に再生光を導波させ、記録層再生用
凹凸部で散乱された散乱光を記録層を介して外部へ出射
させてホログラム像を形成することを特徴としている。
【0026】請求項21記載の本発明の光メモリ素子の
再生方法は、請求項9記載の光メモリ素子の再生方法で
あって、記録層再生用クラッド層間に挟まれている記録
層再生用コア層に再生光を導波させ、記録層再生用凹凸
部で散乱された散乱光を記録層を介して外部へ出射させ
てホログラム像を形成することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかか
る光メモリ素子,光メモリ素子の記録方法及び光メモリ
素子の再生方法について、図面を参照しながら詳細に説
明する。 (第1実施形態の説明)まず、本発明の第1実施形態に
かかる光メモリ素子の構成及び光メモリ素子の記録方法
について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0028】本実施形態にかかる光メモリ素子は、図4
に示すように、樹脂製クラッド層3,樹脂製コア層2,
樹脂製クラッド層3からなる光導波部材323を複数個
積層した積層体を備えるものとして構成される。なお、
ここでは、樹脂フィルム4も貼り付けたものとしてい
る。ここで、光導波部材323は、樹脂製コア層2と、
樹脂製コア層2の両面に積層された樹脂製クラッド層3
とからなり、かつ、樹脂製コア層2と樹脂製クラッド層
3との界面の少なくとも一方に、再生像を得るための情
報を持つ凹凸部(情報用凹凸部)5を有する。
【0029】なお、凹凸部5は、強度,位相,角度など
に関する情報を含むものとして構成される。凹凸部5
は、例えば強度情報と位相情報とを含むものである場合
もあるし、強度情報と角度情報とを含むものである場合
もあるし、強度情報のみを含むものである場合もある。
また、再生像とは、このような凹凸部5からの散乱光に
よって形成される光の濃淡であれば良く、どのような像
であっても良い。
【0030】また、光導波部材323には、凹凸部5を
形成することによって、結像させたい画像に応じた情報
が記録されるため、再生専用となる。ここでは、光導波
部材323は、1つのコア層2を2つのクラッド層3で
挟み込んだ積層構造となっているため、これを再生専用
層ともいう。また、本実施形態では、光導波部材323
を複数個積層させて積層体とし、このような積層体を備
えるものとして光メモリ素子を構成するため、光メモリ
素子には複数の再生専用層が存在することになる。
【0031】以下、このような光メモリ素子10を構成
する積層体の製造方法について説明する。始めに、図3
(A)に示すように、表面に結像させたい画像(情報)
に応じた所望の凹凸パターン(凹凸形状;ピット)の刻
まれたスタンパ1上に、所定の膜厚となるようにコア材
(液状コア樹脂)2′を塗布する。このコア材2′に
は、本実施形態では、紫外線(UV光)を照射すること
により硬化する紫外線硬化性樹脂剤から成るものを使用
し、このようにスタンパ1へ塗布した後、紫外線を照射
して完全に硬化させることで樹脂製のコア層2′を形成
する。
【0032】次に、このようにコア材2′を完全硬化さ
せた後、図3(B)に示すように、その上に、コア層
2′よりも屈折率の小さい紫外線硬化性樹脂剤から成る
クラッド材(液状クラッド樹脂)3a′を塗布し、紫外
線照射により硬化させてコア層2′よりも屈折率の小さ
い樹脂製クラッド層3a′を形成する。その後、図3
(C)に示すように、上記のクラッド層3a′上に、ク
ラッド材3a′と同じクラッド材3b′を塗布し、その
上から支持体となる樹脂フィルム(樹脂製フィルム部
材)4を、例えばローラ等を用いて加圧しながら貼着
(ラミネート)していく。つまり、クラッド層3a′に
クラッド材3b′を介して樹脂フィルム4をラミネート
する。
【0033】かかる状態で、紫外線を照射してクラッド
材3b′を硬化させれば、クラッド層3a′と同じ材質
のクラッド層3b′が形成されると共に、樹脂フィルム
4の接着が行われる。ここで、クラッド層3a′,3
b′はいずれも同じクラッド材から成るので、1層分の
クラッド層3′として機能する。そして、図3(D)に
示すように、スタンパ1から、上記のコア層2′とクラ
ッド層3′(3a′,3b′)と樹脂フィルム4とから
なる部材2′3′4を一体に剥離(分離)する。
【0034】次に、図3(E)に示すように、次層の所
望の凹凸パターンが刻まれたスタンパ1″上に同様にコ
ア層2″,クラッド層3a″をそれぞれ塗布、紫外線照
射による硬化により形成する。その後、図3(F)に示
すように、上記クラッド層3a″上に、クラッド材3
a″と同じクラッド材3b″を塗布し、その上から、上
記部材2′3′4を貼着する。紫外線照射により、クラ
ッド材3b″を硬化した後、図3(G)に示すように、
スタンパ1″から、上記のコア層2″とクラッド層3″
(3a″、3b″)と部材2′3′4とを一体に剥離す
る。
【0035】以上のプロセスを繰り返すことにより、図
4に示すような、支持体としての樹脂フィルム4の少な
くとも一面に、樹脂製クラッド層3と樹脂製コア層2と
からなり、かつ、樹脂製クラッド層3と樹脂製コア層2
との界面に凹凸部5を有するクラッド/コア部材が、2
以上積層されて積層体が形成される。ここでは、図4に
示すように、クラッド/コア部材はもろいため、支持体
としての樹脂フィルム4上に2以上のクラッド/コア部
材を積層させているが、さらに樹脂フィルム4を接着し
て2枚の樹脂フィルム4で挟み込んだ構造としている。
なお、樹脂フィルムで挟み込んだ構造としなくても良
く、例えば一方の面のみに樹脂フィルムを貼着しても良
いし、樹脂フィルムを貼着しなくても良い。
【0036】なお、ここでは、樹脂製コア層2と、この
樹脂製コア層2の両面に積層された樹脂製クラッド層3
とを備え、これらの樹脂製コア層2と樹脂製クラッド層
3との界面の少なくとも一方に凹凸部5を設けられたス
ラブ型光導波路デバイス(光導波部材)323を、複数
個積層して積層体を形成していると見ることもできる。
【0037】この場合、積層される複数の光導波部材3
23は、隣接する2つの光導波部材間で1層のクラッド
層を兼用している。このため、例えばクラッド層/コア
層/クラッド層/コア層/クラッド層というようにクラ
ッド層及びコア層を5層積層した場合には、2つの光導
波部材323を積層して積層体を形成したことになる。
【0038】なお、本実施形態では、隣接するクラッド
層を1層として共通に使用しているが、これに限られる
ものではなく、クラッド層/コア層/クラッド層の3層
積層体(光導波部材)323を基本構成とし、複数の光
導波部材323を樹脂フィルム4等の支持体を挟んで又
は挟まずに積層することもできる。また、光導波部材同
士を接着剤により積層することもできる。ここで、接着
剤としては、例えば硬化後にクラッド層として機能する
クラッド材を使用することができる。さらに、支持体と
しての樹脂フィルム4の裏面側にも同様にクラッド/コ
ア部材を積層したり、他の樹脂層を設けることで、積層
体のカールを抑える構成とすることもできる。
【0039】また、本実施形態では、光メモリ素子10
を構成するのに、光導波部材323を複数個積層して積
層体としているが、これに限られるものではなく、1個
の光導波部材(クラッド層/コア層/クラッド層の3層
積層体)323のみで光メモリ素子10を構成しても良
い。以上の説明において、コア材2には、塗布時には液
体で、その後、硬化させることのできる樹脂であればど
のような樹脂を適用してもよいが、好適な物質として
は、例えば、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂や熱
硬化性樹脂等が挙げられる。ただし、上述のごとくスタ
ンパによる転写を行なう場合には、光硬化性樹脂を適用
するのが好ましく、例えば、アクリル系,エポキシ系,
チオール系の各樹脂などが好ましい。
【0040】また、上記のクラッド材3は、透明で屈折
率がコア材2よりも僅かに小さい物質(樹脂)であれば
何でも良いが、各種樹脂製のクラッド材3を塗布すると
簡便である。光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等から成るク
ラッド材3は樹脂フィルム4との接着性に優れ、好適で
ある。また、コア材2、クラッド材3の塗布方法には、
例えば、スピンコート法,ブレードコート法,グラビア
コート法,ダイコート法等があるが、塗布膜厚と均一性
を満足すればどのような塗布方法を用いてもよい。
【0041】ここで、光導波部材323を積層してなる
積層体の厚さは、強度を得るために約0.3mm以上と
するのが好ましい。より好ましくは約0.5mm以上で
ある。ただし、光カード等の光メモリ(情報記録媒体)
としての携帯性を考慮すると約5mm以下とするのが好
ましい。より好ましくは約3mm以下である。本実施形
態において、支持体は、積層体(光メモリ素子10)を
保持する支持体として機能しうる物質であれば樹脂,金
属など各種のものが用いられるが、製造工程上、貼着
(ラミネート)を行うなど柔軟性が要求される場合は、
樹脂製の支持体とするのが好ましい。各種の硬化性樹脂
を塗布後硬化させたり、樹脂を溶剤に溶かして塗布し乾
燥させたりして樹脂製支持体としてもよいが、樹脂フィ
ルム4を用いると、スタンパ1上への貼着、剥離を繰り
返して行ないやすく、生産性、作業性の点で好ましい。
【0042】樹脂フィルム4には、具体的には、ポリカ
ーボネート,アートン(JSR社製)などの非晶質ポリ
オレフィン,PET(ポリエチレンテレフタレート),
PEN(ポリエチレンナフタレート)等の光学特性に優
れる(PENはさらに耐熱性にも優れる)熱可塑性の樹
脂フィルムが好適(特に、上記のPETやPENはいず
れも均一な厚みのフィルムを得られやすいので好適)
で、これらのいずれかを熱延伸或いは溶媒キャスト等の
方法で、例えば100μm以下の厚さにしたものがよ
い。
【0043】また、一般に樹脂フィルム4は、その製造
工程で、無機粒子等の光学的には散乱体として機能する
ものがフィルム内に混入される。フィルム内の散乱体に
よる光の散乱が信号の読み取りに際し問題になる場合、
フィルムの片面にのみクラッド/コア部材が積層されて
いる態様であれば、フィルムとして遮光性フィルムを用
いるか、もしくはフィルムとクラッド/コア部材の間に
遮光膜を設けることが好ましい。これにより、樹脂フィ
ルム内への光の伝搬、もしくはフィルム内での散乱光の
信号光への干渉を防ぐことができる。
【0044】この場合、支持体そのものを遮光性とする
ことが、光メモリ素子10の小型化が図れ、製造工程も
簡素化できるためより好ましい。ここで、上記遮光性フ
ィルム及び遮光膜としては、例えばカーボンを樹脂中に
練りこんだり、色素を添加したりして作製したPETフ
ィルムなどが挙げられる。なお、該遮光フィルムまたは
該遮光膜が作用する波長域については、再生に用いる導
入光(入射光,再生光)の波長を遮光することができれ
ば十分であり、可視光域全てを遮光する必要はない。遮
光性能については、フィルム厚さ方向で、90%以上の
光を遮断することができればよいが、99%以上の光を
遮断することができればより望ましい。
【0045】なお、コア層2,クラッド層3の膜厚につ
いては、コア層2,クラッド層3が光導波路として機能
するだけの膜厚であればよく、例えば、使用光波長域が
可視光の波長域であれば、コア層2はおおよそ0.5〜
3.0μm程度になると考えられる。この場合、クラッ
ド層3の膜厚に関しては特に制限は無いが、全体の厚み
を薄くすることを考慮すれば、100μm以下にするの
が好ましい。あえて下限を規定するなら、0.1μm以
上になると思われる。
【0046】クラッド層3は上記説明のように2層に分
けて形成するのが、膜厚が安定して好ましいが、1層と
して形成してもよい。また、上記では、樹脂フィルム4
として、枚葉のフィルムを用いた方式を説明したが、連
続フィルムによる実施も可能である。フィルム上へのコ
ア、クラッド材のダイコーター、マイクログラビア、バ
ーコータ等による塗布、スタンパを加圧した状態でのコ
ア、クラッド材の硬化等のプロセスを組み合わせること
により、支持体上にクラッド/コア部材を積層した構造
体を作製することができる。また、スタンパとしてロー
ルに巻き取り可能な形に加工したロールスタンパを用い
ることにより、スタンパからの転写プロセスの生産性を
向上させることも可能である。
【0047】上述のごとく構成された光メモリ素子10
では、例えば、光導波路としてのコア層2に入射端面を
介して光を導入すると、その導入光が界面の凹凸部分で
散乱しながら伝播する。このときの散乱光は導入光に対
して上下方向(交差する方向)のそれぞれに伝搬(透
過)していき、最終的に光メモリ素子の両面部から外部
へ放出され、凹凸パターンに応じた画像が結像すること
になる。
【0048】以上のように、本実施形態によれば、積層
されたコア層2とクラッド層3とがいずれも樹脂製で、
しかも、凹凸の形成されるコア層(コア材)2に光や熱
等で硬化しうる硬化性樹脂を用いているので、従来のよ
うにフォトレジストの露光,現像処理等を用いなくて
も、スタンパからの転写によって、コア層2とクラッド
層3との界面に容易に所望形状の凹凸部5を形成するこ
とが可能になる。
【0049】また、クラッド層3の膜厚を例えば10μ
m程度にすることによって、100層積層時にも素子の
膜厚を1mm程度に抑えることが可能となり、多層構造
の実用的な光メモリ素子10を製造することが可能とな
る。従って、多層構造の光メモリ素子10の大量生産が
可能になり、光メモリ素子10を従来よりも容易に(短
期間で)、且つ、安価に提供することができる。
【0050】ところで、本実施形態では、図1に示すよ
うに、上述のようにして製造される光導波部材323を
積層させた積層体に、さらに、各種情報を記録可能な記
録層20を積層して、光メモリ素子10を構成してい
る。このように、記録可能な記録層20を設けているの
は、複製防止(特に、不正コピー防止)やソフトウエア
の不正使用防止等の著作権保護に利用可能な情報、シリ
アル番号等のような一枚一枚異なる情報等を書き込める
ようにし、また、アップデータに必要なデータや正誤表
データのような情報等を追記できるようにするためであ
る。
【0051】これにより、例えば同一のコンテンツデー
タを光メモリ素子10に書き込んで大量複製する場合で
あっても、例えばシリアル番号等のような一枚一枚異な
る情報はコンテンツデータとは別に書き込めるようにな
る。また、複製防止(特に、不正コピー防止)やソフト
ウエアの不正使用防止等の著作権保護に利用可能な情報
として、著作権情報,ID情報,暗号化に際して用いら
れるキー情報等の情報を光メモリ素子10に書き込ん
で、保護管理することができるようになる。
【0052】このような記録層20を設けることで、例
えば光メモリ素子10の製造後に記録層20にID情報
等の情報を書き込むことができるようになる。特に、光
メモリ素子10の製造後に記録層20にID情報を記録
すれば、一つ一つの光メモリ素子10を識別可能とな
る。なお、ID情報は一般に情報量が少ないので、記録
層20の記録可能密度が低くても記録することができ
る。
【0053】さらに、アプリケーションソフトをアップ
デートするためのデータ(情報)や正誤表データのよう
なデータ(情報)を、ユーザ側(例えば出荷先)で追記
情報として書き込めるようになる。具体的には、記録可
能な記録層20は、光により屈折率が変化する樹脂から
なる樹脂製記録層(光により記録可能な記録層)として
いる。
【0054】ここで、樹脂製記録層20は、記録前の屈
折率が光導波部材323のコア層2又はクラッド層3を
構成する樹脂(紫外線硬化性樹脂)の屈折率とほぼ同じ
屈折率の樹脂により構成するのが好ましい。また、樹脂
製記録層20を構成する樹脂の記録前後の屈折率の変化
は、約0.001〜約0.020(特に、約0.01
0)とするのが好ましい。なお、樹脂製記録層20を構
成する樹脂の記録後の屈折率は、コア層2又はクラッド
層3と同じでなくても良い。
【0055】ここでは、樹脂製記録層20を形成する光
により屈折率が変化する樹脂(光屈折率樹脂)として
は、例えばフィルム状のフォトポリマー(感光性樹脂,
感光性ポリマー)を用い、光により屈折率が変化する樹
脂層をフォトポリマー層(感光性樹脂層)として構成し
ている。ここで、フォトポリマーとしては、例えば「オ
プティカル・ホログラフィ("Optical Holography, pri
nciples, techniques, and applications, second edit
ion," P. Hariharan, 1996, Cambridge University Pre
ss)」に記載されているもの、即ち、Polaroid DMP,Du
Pont OmniDex,Polaroid DMP 128等の種々のフォトポ
リマーを用いることができる。なお、フォトポリマーは
これに限られるものではない。
【0056】このようにフォトポリマーを用いること
で、記録可能な記録層20を、情報を1度だけ書き込み
うる記録層(ライトワンス型記録層)として構成するこ
とができる。これにより、記録された情報が誤って消去
されたり、変更されてしまったりするのを防止できる。
また、記録された情報の改ざんを防ぐこともできるた
め、著作権情報,ID情報及び暗号化の際に使われるキ
ー情報等の情報の記録には特に好ましい。
【0057】ところで、フォトポリマーを用いる場合に
は、図1に示すように、光導波部材323を複数積層し
てなる積層体の最外層(最上層又は最下層)の樹脂製ク
ラッド層3上にフォトポリマーを塗布することにより、
積層体の最外層(最上層又は最下層)の樹脂製クラッド
層3上にフォトポリマー層20を積層させている。これ
は、通常、フォトポリマーはゲル状であるため、複数の
光導波部材間に挟み込んで積層させたり、光導波部材を
構成する樹脂製クラッド層3と樹脂製コア層2との間に
挟み込んで積層させたりするのは難しいためである。但
し、フォトポリマー層20の外側に、樹脂製クラッド層
や樹脂フィルムなどはあっても良い。
【0058】本実施形態では、光導波部材の樹脂製クラ
ッド層3上に、フォトポリマーを塗布してフォトポリマ
ー層20を形成する。次に、樹脂フィルム4A上に、上
述の光導波部材のクラッド材3と同一のクラッド材(紫
外線硬化性樹脂材,液状クラッド材)3Aを所定の膜厚
(例えば、完全硬化時に約15〜約20μm)となるよ
うに塗布した後、紫外線を照射して完全に硬化させて樹
脂製クラッド層3Aを形成し、これをフォトポリマー層
20上に貼着(ラミネート)する。
【0059】これにより、光導波部材の最外層(最上層
又は最下層)の樹脂製クラッド層3の外側(上側)に、
フォトポリマー層20、樹脂製クラッド層3Aが順に積
層され、光導波部材の樹脂製クラッド層3と樹脂製クラ
ッド層3Aとの間にフォトポリマー層20が挟み込まれ
ることになる。この場合、フォトポリマーは接着剤とし
ても機能することになる。
【0060】このように、フォトポリマー層20を樹脂
製クラッド層3,3Aで挟み込むことにより、光導波部
材の樹脂製クラッド層,フォトポリマー層及び樹脂製ク
ラッド層により記録部材(記録可能な記録層を含む記録
部材)30が構成され、この記録部材30が上述のクラ
ッド層3,コア層2,クラッド層3からなる光導波部材
と同様に機能しうるようにしている。
【0061】つまり、後述するようにしてフォトポリマ
ー層20にレーザ光を照射することでフォトポリマーの
屈折率を変化させて記録した記録マーク21の情報を再
生する際に、上述の光導波部材に記録された情報を再生
する場合と同様に、樹脂製クラッド層3,3Aに挟み込
まれたフォトポリマー層20に入射光を導入し、その導
入光がフォトポリマー層20の屈折率を変化させて記録
された記録マーク(記録部)21で散乱しながら伝播す
る[図2(B)参照]。
【0062】なお、本実施形態では、さらにクラッド層
3A上に支持体としての樹脂フィルム4を貼着し、樹脂
フィルム4上にクラッド層3やコア層2を積層して形成
された光導波部材と、この光導波部材に積層させた記録
部材30とを樹脂フィルム4で挟み込むようにしてい
る。そして、このときの散乱光が導入光に対して上下方
向(交差する方向)のそれぞれに伝播(透過)してい
き、最終的に光メモリ素子10の両面部から外部へ放出
され、記録マーク21に記録された情報に応じた画像が
結像するようになっている。
【0063】このように、記録部材30を光導波部材の
樹脂製クラッド層3,フォトポリマー層20及び樹脂製
クラッド層3Aにより構成し、上述の光導波部材323
と同様に構成することで、フォトポリマー層20に記録
マーク21によって記録された情報を再生するのに、上
述の光導波部材323において記録情報を再生するのに
用いる光学系を共用できるようにしている。
【0064】なお、本実施形態では、記録可能な記録層
20をフォトポリマーにより構成しているが、これに限
られるものではない。つまり、記録可能な記録層20
は、ユーザによって任意に情報を書き込みうる記録層で
あれば良く、例えば無機材料,光記録材料,色素等によ
り構成することもできる。また、記録可能な記録層(記
録可能型記録層)20は、一度だけ書き込みうる追記可
能な記録層(追記可能型記録層)として構成しても良い
し、記録・消去を繰り返し行ないうる書換可能な記録層
(書換可能型記録層)として構成しても良い。
【0065】このうち、追記可能型記録層としては、例
えば有機色素を含有する膜により構成される記録層があ
る。書換可能型記録層としては、低融点金属薄膜やGe
−Sb−Te膜等の相変化膜により構成しても良いし
(相変化型記録層)、TB−Fe−Co非晶質合金薄膜
等の磁気光学特性(カー効果やファラデー効果)を有す
る垂直磁化膜により構成しても良い。
【0066】また、記録可能な記録層20は、上述のよ
うに、光により記録可能な記録層に限られず、例えば電
子線やX線により記録可能な記録層として構成しても良
いし、磁気により記録可能な記録層として構成しても良
い。さらに、記録可能な記録層20は、複数層設けても
良いが、1層だけ設けるのが好ましい。これは、記録層
20を2層以上設けると、記録層毎に個別に記録できる
ようにするための工夫が必要であるし、S/Nが悪化す
るためである。
【0067】ところで、上述のように構成される光メモ
リ素子10には、図1に示すように、樹脂製コア層2と
樹脂製クラッド層3との両層の界面に設けられる凹凸部
5の情報を読み出すための入射光(再生光)を、光導波
部材323の樹脂製コア層2や記録部材30の記録層2
0へ導くための入射端面(入射光導入端面)11が形成
される。
【0068】ここでは、所望の大きさに切り出された個
々の光メモリ素子10の90度(光導波部材の表面との
なす角度が90度)の端面を入射端面(90度入射端
面)11としている。なお、入射光を樹脂製コア層2や
記録層20へ導くための入射端面11は、これに限られ
るものではなく、種々のものが考えられる。例えば、光
メモリ素子10の一方の端面を45度(光導波部材の表
面とのなす角度が45度)に切断し、必要に応じて反射
膜を形成してミラー端面(傾斜端面,マイクロミラー)
とし、このミラー端面を入射端面(45度入射端面)と
しても良い。この場合、光メモリ素子10の表面に対し
て垂直な方向から、この45度入射端面に向かって光を
入射させ、45度入射端面で反射させて入射光を樹脂製
コア層2や記録層20へと導くことになる。
【0069】なお、本実施形態にかかる光メモリ素子1
0は、上述のようにフォトポリマー層20を含むものと
して構成されるため、このフォトポリマー層20が、実
際に情報を記録する時以外の時(例えば搬送中等)に可
視光によって感光してしまわないように、光メモリ素子
10の全体を遮光部材で覆い、フォトポリマー層20へ
情報を記録する際に、この遮光部材を除去しうるように
構成するのが好ましい。
【0070】ここで、遮光部材は、例えば光メモリ素子
を収納するカートリッジやパッケージ等である。次に、
上述のように構成される光メモリ素子10のフォトポリ
マー層20への情報の記録方法(光メモリ素子の記録方
法)について説明する。本実施形態では、上述の光メモ
リ素子10のフォトポリマー層20の情報を記録すべき
部分に局所的にレーザ光(記録光)を照射して、その部
分のフォトポリマーの屈折率を変化させることによっ
て、屈折率の変化した記録マーク21として情報を記録
する。これは、フォトポリマー層20に情報を記録する
のに最も簡単な方法である。このように、フォトポリマ
ー層20の情報を記録すべき部分にレーザ光が局所的に
照射されると、その部分の屈折率が変化してフォトポリ
マー層20に記録マーク(記録部)21が形成されるこ
とになる。
【0071】また、フォトポリマー層20を複数層設け
る場合には、各フォトポリマー層20毎にレーザ光の焦
点の深さ(焦点深度)を変えながら情報を記録すること
になるが、各フォトポリマー層20の記録感度の立ち上
がりを急激にしておくことで、レーザ光のパワーが弱い
とき(即ち、焦点が合ってないとき)にはフォトポリマ
ーの屈折率が変化しないようにする。これにより、フォ
トポリマー層20を複数層設ける場合に、情報を記録し
たいフォトポリマー層20以外のフォトポリマー層20
には情報が記録されないようにすることができる。
【0072】また、フォトポリマー層20にレーザ光を
照射して情報を記録した後で、フォトポリマー層20に
対して不活性化処理(現像処理,定着処理)を行なっ
て、その後のフォトポリマー層20への情報の書き込み
を行なえないようにしている。これにより、フォトポリ
マー層20の更なる感光(記録)を防ぐことができ、フ
ォトポリマー層20に記録された情報を定着させること
ができる。また、このような不活性化処理を施しておく
ことで、フォトポリマー層20に記録された情報が誤っ
て消去されてしまったり、変更されてしまったりするの
を防止でき、改ざんもできなくなるので、著作権情報,
ID,キー情報を記録する場合にも好ましいものとな
る。
【0073】ここで、不活性化処理としては、例えば所
定量の紫外線を照射したり(UV処理)、所定量の熱を
加えたり(熱処理)することである。なお、フォトポリ
マー層20への情報の記録方法は、これに限られるもの
ではなく、波長の等しい2つの光(物体光と参照光)を干
渉させて物体光の波面を干渉縞としてフォトポリマー層
20に記録するようにしても良い。つまり、フォトポリ
マー層20に、記録したい情報(像)を形成しうる記録
光(物体光)を照射するとともに、フォトポリマー層2
0に記録された情報を再生する際に入射される導入光
(参照光)を照射することで、これらの記録光と導入光
を干渉させて干渉縞を生じさせ、この干渉縞をフォトポ
リマー層20に記録するようにしても良い。
【0074】この場合、このようにしてフォトポリマー
層20に記録されたホログラムに元の参照光(導入光)
と同一条件の光を当てることで、干渉縞による回折現象
を生じさせ、元の記録光(物体光)と同一の波面を再生
することができ、これにより、フォトポリマー層20に
記録された情報(像)を再生できることになる。このよ
うな記録方法によれば、フォトポリマー層20に情報を
記録する際に、フォトポリマー層20の全面を一度に照
射して情報を記録することができるため、短時間で大き
な面積に対して情報を記録できるようになり、効率的に
情報記録を行なえるようになる。
【0075】したがって、本実施形態にかかる光メモリ
素子及び光メモリ素子の記録方法によれば、複製防止
(特に、不正コピー防止)やソフトウエアの不正使用防
止等の著作権保護に利用可能な情報、シリアル番号等の
ような一枚一枚異なる情報等を書き込めるようになり、
また、アップデートに必要なデータや正誤表データのよ
うな情報等を本来のコンテンツデータとは別に追記でき
るようになるという利点がある。
【0076】また、本実施形態にかかる光メモリ素子1
0は、情報を凹凸部5として記録する光導波部材323
(再生専用層)に、記録可能な記録層(例えば追記可能
型記録層や書換可能型記録層等)20を積層させた積層
構造となっているため、ドライブ(再生装置,記録再生
装置)の構成を簡略化することができるという利点もあ
る。
【0077】例えば、光メモリ素子の記録領域を2次元
的に分けて、再生専用領域と、追記/書換可能領域とす
ると(これを並置構造という)、それぞれの領域に記録
されている情報を再生するために、ドライブに、例えば
それぞれの領域毎に別々の光学系を設けたり、一つの光
学系を水平方向へ移動させる移動機構を設けたりする必
要がある。これに対し、本実施形態にかかる光メモリ素
子10のように、積層構造になっていれば、それぞれの
領域毎に光学系を設ける必要はなく、また、光学系を移
動させる必要もなく、光学系の共通化(共用化)を図る
ことができるため、再生装置の構成を簡略化することが
できる。
【0078】なお、光学系の共通化を図るためには、再
生専用層と記録可能な記録層20とが共に光学的に再生
可能である必要があるが、両者が同じ原理で再生像を形
成するようになっていると、光学系の共通化を図りやす
く、好ましい。例えば、両者ともホログラム像を形成す
るものとして構成すれば、光学系の共通化を図りやす
い。
【0079】また、光メモリ素子の大きさ(広さ)は例
えば持ち運び等を考慮して所定の大きさとされるが、光
メモリ素子の記録領域を再生専用領域と追記/書換可能
領域との2つの領域に分けて並置構造とする場合、再生
専用領域を大きくすると、追記/書換可能領域が小さく
なってしまい、逆に、追記/書換可能領域を大きくする
と、再生専用領域が小さくなってしまうことになる。こ
のように並置構造とすると、それぞれの領域の大きさが
互いに制約を受けることになるため、それぞれの領域と
して必要な大きさを確保できない場合も起こりうる。ま
た、このように同一平面内に2つの領域を設ける場合に
は、光メモリ素子内での情報記録領域の配置の自由度が
小さくなる。
【0080】これに対し、本実施形態の光メモリ素子1
0のように、再生専用層と記録可能な記録層20とを積
層させて積層構造とすれば、再生専用層及び記録可能な
記録層20の情報を記録しうる領域(情報記録領域)
は、互いに制約を受けることなく、それぞれの層に記録
する情報量に応じて必要な大きさを確保することができ
るようになる。また、光メモリ素子内での情報記録領域
の配置の自由度も大きくなる。例えば、光メモリ素子を
ドライブ(再生装置等)内でクランプするためのクラン
プ領域の配置の自由度が高くなり、必要に応じて場所や
数を設定しやすくなる。 (第2実施形態の説明)次に、本発明の第2実施形態に
かかる光メモリ素子及び光メモリ素子の記録方法につい
て、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0081】本実施形態では、上述の第1実施形態のも
のと、記録部材に樹脂製コア層が備えられている点が異
なる。つまり、本実施形態では、図5に示すように、記
録部材30Aを、上述の第1実施形態の光メモリ素子1
0を構成する光導波部材323と同様に、樹脂製コア層
2Aと、樹脂製コア層2Aの両面側に積層された樹脂製
クラッド層3,3Aとを備えるものとし、さらに樹脂製
コア層2Aと樹脂製クラッド層3A(又は樹脂製クラッ
ド層3)との間の中間層として記録可能な記録層20A
を備えるものとして構成している。
【0082】ここで、本実施形態にかかる光メモリ素子
10Aを構成する光導波部材(積層体)の構成,製造方
法等は、上述の第1実施形態と同様である。また、中間
層として構成される記録可能な記録層20Aは、上述の
第1実施形態における記録可能な記録層20と同様に構
成される。つまり、記録可能な記録層20Aは、光によ
り屈折率が変化する樹脂からなる樹脂製記録層(光によ
り記録可能な記録層)としている。この樹脂製記録層の
膜厚は、約0.01〜約0.5μm(特に、約0.1μ
m程度)とするのが好ましい。
【0083】特に、本実施形態では、樹脂製記録層20
Aは、情報記録前の屈折率が樹脂製クラッド層3,3A
を構成する樹脂(紫外線硬化性樹脂)の屈折率とほぼ同
じ屈折率になるようにし、かつ、情報記録後の屈折率が
樹脂製コア層2Aを構成する樹脂(紫外線硬化性樹脂)
の屈折率とほぼ同じ屈折率になるような樹脂により構成
する。
【0084】ここでは、樹脂製記録層20Aを形成する
光により屈折率が変化する樹脂(光屈折率樹脂)として
は、例えば透明なフィルム状のフォトポリマー(感光性
樹脂,感光性ポリマー)を用い、光により屈折率が変化
する樹脂層をフォトポリマー層として構成する。具体的
には、本実施形態では、以下に示すように、光導波部材
323を積層してなる積層体に、さらに、上述のような
記録部材30Aを積層させて、光メモリ素子10Aを構
成している。
【0085】つまり、まず光導波部材323を積層させ
てなる積層体の樹脂製クラッド層3上に、所定の膜厚と
なるようにコア材(紫外線硬化性樹脂材,液状コア材)
2Aを塗布した後、紫外線を照射して完全に硬化させる
ことで樹脂製のコア層2Aを形成する。次に、この樹脂
製コア層2A上にフォトポリマーを塗布してフォトポリ
マー層20を形成する。次に、樹脂フィルム4A上に、
上述の光導波部材のクラッド材3と同一のクラッド材
(紫外線硬化性樹脂材,液状クラッド材)3Aを所定の
膜厚(例えば、完全硬化時に約15〜約20μm)とな
るように塗布した後、紫外線を照射して完全に硬化させ
て樹脂製クラッド層3Aを形成し、これをフォトポリマ
ー層20上に貼着(ラミネート)する。
【0086】これにより、積層体の最外層(最上層又は
最下層)の樹脂製クラッド層3上に、樹脂製コア層2
A,フォトポリマー層20A,樹脂製クラッド層3Aが
順に積層され、光導波部材323の樹脂製クラッド層3
と樹脂製クラッド層3Aとの間に樹脂製コア層2A及び
フォトポリマー層20Aが挟み込まれることになる。こ
の場合、フォトポリマーは接着剤としても機能すること
になる。
【0087】このように、樹脂製コア層2A及びフォト
ポリマー層20Aを樹脂製クラッド層3,3Aで挟み込
むことにより、光導波部材323の樹脂製クラッド層
3,樹脂製コア層2A,フォトポリマー層20A及び樹
脂製クラッド層3Aにより記録部材(記録可能な記録層
を含む記録部材)30Aを構成し、この記録部材30A
が上述のクラッド層3,コア層2,クラッド層3からな
る光導波部材323と同様に機能しうるようにしてい
る。
【0088】つまり、本実施形態では、フォトポリマー
層20Aの情報を記録された部分(記録マーク)21A
の屈折率は樹脂製コア層2Aの屈折率とほぼ同一となる
が、フォトポリマー層20Aの記録マーク21A以外の
部分の屈折率は樹脂製クラッド層3,3Aの屈折率とほ
ぼ同一のままとなる。これにより、図6(B)に示すよ
うに、情報記録後には、フォトポリマー層20Aの記録
マーク21Aと樹脂製コア層2Aとから、光導波部材3
23の樹脂製コア層2に相当するものが構成され、樹脂
製クラッド層3Aとフォトポリマー層20Aの記録マー
ク21A以外の部分とから、光導波部材323の樹脂製
クラッド層3に相当するものが構成されて、光導波部材
323の樹脂製コア層2と樹脂製クラッド層3との界面
の少なくとも一方に形成される凹凸部(情報用凹凸部)
5と同様の凹凸部が、樹脂製コア層2Aと樹脂製クラッ
ド層3Aとの間に介装されるフォトポリマー層20Aに
よって形成される。この結果、記録部材30Aは、光導
波部材323と同様の構造を有するものとなる。
【0089】そして、後述するようにしてフォトポリマ
ー層20Aにレーザ光を照射することでフォトポリマー
の屈折率を変化させて記録した記録マーク21Aの情報
を再生する際に、上述の光導波部材323に記録された
情報を再生する場合と同様に、樹脂製クラッド層3,3
Aに挟み込まれた樹脂製コア層2A及びフォトポリマー
層20Aに入射光を導入し、その導入光が樹脂製コア層
2A及びフォトポリマー層20Aの屈折率を変化させて
記録された記録マーク(記録部)21Aで散乱しながら
伝播する[図6(B)参照]。
【0090】なお、本実施形態では、さらにクラッド層
3A上に支持体としての樹脂フィルム4Aを貼着し、樹
脂フィルム4上にクラッド層3やコア層2を積層して形
成された光導波部材323と、この光導波部材323に
積層させた記録部材30Aとを樹脂フィルム4,4Aで
挟み込むようにしている。そして、このときの散乱光が
導入光に対して上下方向(交差する方向)のそれぞれに
伝播(透過)していき、最終的に光メモリ素子10Aの
両面部から外部へ放出され、記録マーク21Aに記録さ
れた情報に応じた画像が結像するようになっている。
【0091】このように、記録部材30Aを光導波部材
323の樹脂製クラッド層3,樹脂製コア層2A,フォ
トポリマー層20A及び樹脂製クラッド層3Aにより構
成し、上述の光導波部材323と同様の構造とすること
で、フォトポリマー層20Aに記録マーク21Aによっ
て記録された情報を再生するのに、上述の光導波部材3
23において記録情報を再生するのに用いる光学系を共
用できるようにしている。
【0092】なお、上述のように構成される光メモリ素
子10Aのフォトポリマー層20Aへの情報の記録方法
(光メモリ素子の記録方法)については、上述の第1実
施形態にかかる光メモリ素子の記録方法と同様である。
つまり、図6(A),(B)に示すように、上述の光メ
モリ素子10Aのフォトポリマー層20Aの情報を記録
すべき部分に局所的にレーザ光(記録光)を照射して、
その部分のフォトポリマーの屈折率を変化させることに
よって、屈折率の変化した記録マーク21Aとして情報
を記録する。このように、フォトポリマー層20Aの情
報を記録すべき部分にレーザ光が局所的に照射される
と、その部分の屈折率が変化してフォトポリマー層20
Aに記録マーク(記録部)21Aが形成されることにな
る。
【0093】特に、本実施形態では、上述したように、
情報記録後には、フォトポリマー層20Aの記録マーク
21Aと樹脂製コア層2Aとから、光導波部材323の
樹脂製コア層2に相当するものが構成されるとともに、
樹脂製クラッド層3Aとフォトポリマー層20Aの記録
マーク21A以外の部分とから、光導波部材323の樹
脂製クラッド層3に相当するものが構成され、さらに、
樹脂製コア層2Aと樹脂製クラッド層3Aとの間に介装
されるフォトポリマー層20Aに凹凸部が形成される。
この結果、記録部材30Aは、光導波部材323と同様
の構造を有するものとなる。
【0094】したがって、本実施形態にかかる光メモリ
素子及び光メモリ素子の記録方法によれば、複製防止
(特に、不正コピー防止)やソフトウエアの不正使用防
止等の著作権保護に利用可能な情報、シリアル番号等の
ような一枚一枚異なる情報等を書き込めるようになり、
また、アップデートに必要なデータや正誤表データのよ
うな情報等を本来のコンテンツデータとは別に追記でき
るようになるという利点がある。
【0095】また、本実施形態にかかる光メモリ素子1
0Aは、情報を凹凸部5として記録する光導波部材32
3(再生専用層)に、記録可能な記録層(例えば追記可
能型記録層や書換可能型記録層等)20Aを備える記録
部材30Aを積層させた積層構造となっているため、ド
ライブ(再生装置,記録再生装置)の構成を簡略化する
ことができるという利点もある。
【0096】例えば、光メモリ素子の記録領域を2次元
的に分けて、再生専用領域と、追記/書換可能領域とす
ると(これを並置構造という)、それぞれの領域に記録
されている情報を再生するために、ドライブに、例えば
それぞれの領域毎に別々の光学系を設けたり、一つの光
学系を水平方向へ移動させる移動機構を設けたりする必
要がある。これに対し、本実施形態にかかる光メモリ素
子10Aのように、積層構造になっていれば、それぞれ
の領域毎に光学系を設ける必要はなく、また、光学系を
移動させる必要もなく、光学系の共通化(共用化)を図
ることができるため、再生装置の構成を簡略化すること
ができる。
【0097】なお、光学系の共通化を図るためには、再
生専用層と記録可能な記録層20Aとが共に光学的に再
生可能である必要があるが、両者が同じ原理で再生像を
形成するようになっていると、光学系の共通化を図りや
すく、好ましい。例えば、両者ともホログラム像を形成
するものとして構成すれば、光学系の共通化を図りやす
い。
【0098】また、光メモリ素子の大きさ(広さ)は例
えば持ち運び等を考慮して所定の大きさとされるが、光
メモリ素子の記録領域を再生専用領域と追記/書換可能
領域との2つの領域に分けて並置構造とする場合、再生
専用領域を大きくすると、追記/書換可能領域が小さく
なってしまい、逆に、追記/書換可能領域を大きくする
と、再生専用領域が小さくなってしまうことになる。こ
のように並置構造とすると、それぞれの領域の大きさは
互いに制約を受けることになるため、それぞれの領域と
して必要な大きさを確保できない場合も起こりうる。ま
た、このように同一平面内で2つの領域を設ける場合に
は、光メモリ素子内での情報記録領域の配置の自由度が
小さくなる。
【0099】これに対し、本実施形態の光メモリ素子1
0Aのように、再生専用層と記録可能な記録層20Aを
備える記録部材30Aとを積層させて積層構造とすれ
ば、再生専用層及び記録可能な記録層20Aを備える記
録部材30Aの情報を記録しうる領域(情報記録領域)
は、互いに制約を受けることなく、それぞれの層に記録
する情報量に応じて必要な大きさを確保することができ
るようになる。また、光メモリ素子内での情報記録領域
の配置の自由度も大きくなる。例えば、光メモリ素子を
ドライブ(再生装置等)内でクランプするためのクラン
プ領域の配置の自由度が高くなり、必要に応じて場所や
数を設定しやすくなる。 (第3実施形態の説明)次に、本発明の第3実施形態に
かかる光メモリ素子,光メモリ素子の記録方法及び光メ
モリ素子の再生方法について、図7,図8を参照しなが
ら説明する。
【0100】本実施形態では、上述の第1実施形態のも
のと、記録部材の構成及びこの記録部材を構成する記録
層の再生方法が異なる。つまり、本実施形態では、図7
に示すように、記録部材30Bは、情報を記録可能な記
録層20Bと、樹脂製コア層(記録層再生用コア層,再
生補助用コア層)2B及びこの樹脂製コア層2Bの両面
側に積層された樹脂製クラッド層(記録層再生用クラッ
ド層,再生補助用クラッド層)3B,3Cからなる記録
層再生用光導波部材(再生補助用光導波部材)323A
とを備えるものとして構成される。
【0101】また、記録層再生用コア層2Bと記録層再
生用クラッド層3B,3Cとの界面の少なくとも一方
に、再生光をほぼ均一に(一様に)散乱させうる記録層
再生用凹凸部(散乱用凹凸部,再生補助用凹凸部)5A
が設けられている。ここで、再生光がほぼ均一に散乱さ
れるようにするためには、記録層再生用凹凸部5Aは、
全面にわたってその散乱強度が同程度となるように凹凸
パターンを設ければ良い。
【0102】このため、図8に示すように、記録層20
Bに記録された情報の再生時に、記録層再生用クラッド
層3B,3C間に挟まれている記録層再生用コア層2B
に再生光を導波させると、再生光が記録層再生用コア層
2Bの凹凸パターンとしての記録層再生用凹凸部5Aで
ほぼ均一に散乱し、この結果、記録層再生用コア層2B
の記録層再生用凹凸部5Aが設けられている部分の全面
にわたって強度分布の一様な散乱光が得られる(ここで
はバックライトとして機能する)。
【0103】そして、この散乱光が、記録層20Bの光
学的性質を変化させて情報が記録された部分(記録マー
ク)21Bを通じて光メモリ素子10Bの外部へ出射さ
れる(ここでは記録層20Bはマスクとして機能す
る)。この結果、光メモリ素子10Bの外部の光導波面
から所定距離に、記録層20Bの記録マーク21Bに応
じて所望の再生パターン(出力パターン)が形成され、
これをCCD受像機40で読み取ることで、記録層20
Bに記録された情報を再生できるようになっている。
【0104】ここでは、記録層再生用凹凸部5Aは、光
導波面から所定距離に配設されるCCD受像機40によ
って散乱光がほぼ均一な強度で検出されるように、光の
散乱強度を考慮して「強度情報」のみを記録層再生用コ
ア層2Bに微細な凹凸パターンとして形成することによ
って構成される。なお、微細な凹凸パターンは「強度情
報」のみを有するため、グレーティングという。
【0105】具体的には、再生光の導波方向に対して直
交するように、複数の平行な溝(ピット;微細な凹凸パ
ターン)を形成することで、「強度情報」を記録するよ
うにしている。なお、「強度情報」は溝の長さの総距離
によって表される。また、記録層20Bは、光により光
学的性質(例えば屈折率,透過率,吸収率等)が変化す
る材料により構成される。具体的には、記録層20B
は、光により屈折率,透過率のうちの少なくとも1つが
変化する材料により構成される。
【0106】ここでは、記録層20Bを、光により屈折
率,透過率のうちの少なくとも1つが変化する材料によ
り構成しているが、一般に、透過率と吸収率とは連動す
るため(即ち、透過率が上がれば吸収率が下がり、透過
率が下がれば吸収率が上がる)、記録層を、光により屈
折率,吸収率(又は屈折率,透過率,吸収率)のうちの
少なくとも1つが変化する材料により構成していると見
ることもできる。
【0107】例えば、記録層20Bは、色素層[例えば
光により屈折率が変化する樹脂からなる樹脂製記録層
(光により記録可能な記録層;例えばフォトポリマー
層)]として構成する。この樹脂製記録層20Bの膜厚
は、約0.01〜約0.5μm(特に、約0.1μm程
度)とするのが好ましい。特に、記録層20Bを光学的
性質の変化に可逆性のある材料により構成すれば、記録
層20Bをリライタブルタイプ(書換可能型)とするこ
とができる。
【0108】ここでは、記録層20Bは、情報記録前
は、記録層再生用凹凸部5Aで散乱した散乱光を透過し
ないような光学的性質(例えば屈折率,透過率,吸収率
等)を有するが、情報を記録すべく光(記録光,レーザ
光)を照射すると(情報記録後)、光学的性質(例えば
屈折率,透過率,吸収率等)が変化して、記録層再生用
凹凸部5Aで散乱した散乱光を透過するような光学的性
質(例えば屈折率,透過率,吸収率等)を有するように
なるものとして構成される(図8参照)。例えば、記録
層20Bは、情報記録後に樹脂製コア層2又は樹脂製ク
ラッド層3とほぼ同一の光学的性質(例えば同一の屈折
率)となるようにすれば良い。
【0109】なお、記録層20Bは、情報記録前は、記
録層再生用凹凸部5Aで散乱した散乱光を透過するよう
な光学的性質(例えば屈折率,透過率,吸収率等)を有
するが、情報を記録すべく記録光を照射すると(情報記
録後)、光学的性質(例えば屈折率,透過率,吸収率
等)が変化して、記録層再生用凹凸部5Aで散乱した散
乱光を透過しないような光学的性質(例えば屈折率,透
過率,吸収率等)を有するようになるものとして構成し
ても良い。
【0110】このため、記録層20Bに情報を記録する
際には、所望の再生パターン(出力パターン)に応じて
記録光を照射して光学的性質(例えば屈折率,透過率,
吸収率等)を変化させることになる。つまり、光メモリ
素子10Bの一面側から記録層20Bに対して、所望の
再生パターンに応じて記録光を局所的に照射し、記録層
20Bの屈折率,透過率のうちの少なくとも1つを局所
的に変化させることで情報の記録が行なわれる。
【0111】ところで、本実施形態では、以下に示すよ
うに、光導波部材323を積層してなる積層体に、上述
のような記録部材30Bを積層させて、光メモリ素子1
0Bを構成している。なお、本実施形態にかかる光導波
部材323を積層してなる積層体の構成,製造方法等
は、上述の第1実施形態と同様である。つまり、まず光
導波部材323を積層させてなる積層体の樹脂製クラッ
ド層3上に記録層20Bを形成する。
【0112】一方、表面に再生パターン(出力パター
ン)に応じた所望の凹凸パターン(凹凸形状;ピット)
の刻まれたスタンパ上に、所定の膜厚となるようにコア
材(液状コア樹脂)2Bを塗布する。このコア材2Bに
は、本実施形態では、紫外線(UV光)を照射すること
により硬化する紫外線硬化性樹脂剤から成るものを使用
し、このようにスタンパへ塗布した後、紫外線を照射し
て完全に硬化させることで樹脂製のコア層2Bを形成す
る。
【0113】次に、このようにコア材2Bを完全硬化さ
せた後、その上に、コア層2Bよりも屈折率の小さい紫
外線硬化性樹脂剤から成るクラッド材(紫外線硬化性樹
脂材,液状クラッド材)3Bを所定の膜厚(例えば、完
全硬化時に約15〜約20μm)となるように塗布し、
さらに、その上から支持体となる樹脂フィルム(樹脂製
フィルム部材)4Bを、例えばローラ等を用いて加圧し
ながら貼着(ラミネート)し、その後、紫外線照射によ
りクラッド材3Bを硬化させてコア層2Bよりも屈折率
の小さい樹脂製クラッド層3Bを形成する。
【0114】次いで、スタンパから、上記のコア層2B
とクラッド層3Bと樹脂フィルム4とからなる部材を一
体に剥離(分離)する。そして、上記のコア層2B上
に、クラッド材(紫外線硬化性樹脂材,液状クラッド
材)3Cを所定の膜厚(例えば、完全硬化時に約15〜
約20μm)となるように塗布した後、紫外線を照射し
て完全に硬化させて記録層再生用クラッド層3Cを形成
する。
【0115】これにより、記録層再生用コア層2B,記
録層再生用クラッド層3B,3Cからなる記録層再生用
光導波部材323Aが形成される。ここでは、樹脂フィ
ルム4Bが貼り付けられているが、樹脂フィルム4Bは
なくても良い。そして、このようにして形成された記録
層再生用光導波部材323A(ここでは樹脂フィルム4
Bも貼り付けられている)を、一方の記録再生用クラッ
ド層3Cと記録層20Bとを対向させた状態で、上述の
記録層20B上に貼着(ラミネート)する。
【0116】これにより、図7に示すように、積層体と
しての光メモリ素子10Bを構成する光導波部材323
の最外層(最上層又は最下層)の樹脂製クラッド層3上
に(即ち、光導波部材323の最外層の外側に)、記録
層20B,記録層再生用クラッド層3C,記録層再生用
コア層2B,記録層再生用クラッド層3Bが順に積層さ
れることになる。
【0117】このように、記録層再生用クラッド層3
B,記録層再生用コア層2B,記録層再生用クラッド層
3C及び記録層20Bにより記録部材(記録可能な記録
層を含む記録部材)30Bを構成し、この記録部材30
Bの記録層再生用クラッド層3B,記録層再生用コア層
2B,記録層再生用クラッド層3Cからなる記録層再生
用光導波部材323Aが、積層体としての光メモリ素子
を構成する上述のクラッド層3,コア層2,クラッド層
3からなる光導波部材323と同様に機能しうるように
している。
【0118】なお、ここでは、記録層再生用光導波部材
323Aは、記録層20Bの外側に積層させているが、
これに限られるものではなく、例えば、光導波部材32
3を積層させてなる積層体(光導波部材,光メモリ素
子)の最外層の樹脂製クラッド層3上に、記録層再生用
クラッド層3C,記録層再生用コア層2B,記録層再生
用クラッド層3B,記録層20Bを順に積層させること
で(この場合、樹脂フィルム4Bは含んでも含まなくて
も良い)、記録層20Bの内側に記録層再生用光導波部
材323Aが積層されるようにしても良い。この場合、
光メモリ素子の構成は、例えば図1中、上側のコア層2
を記録層再生用コア層2Bとして構成したものと同様に
なる。
【0119】本実施形態にかかる光メモリ素子は、上述
のように構成されるため、記録層20Bの光学的性質
(例えば屈折率,透過率,吸収率等)を変化させて情報
を記録した部分(記録マーク)21Bの情報を再生する
際には、図8に示すように、記録層再生用光導波部材3
23Aの記録層再生用クラッド層3B,3Cに挟み込ま
れた記録層再生用コア層2Bに再生光(入射光)を導波
させ、その再生光が記録層再生用コア層2Bと記録層再
生用クラッド層3Cとの界面に設けられた記録層再生用
凹凸部5Aでほぼ均一に散乱され、この散乱光が、屈折
率を変化させて記録された記録マーク(記録部)21B
を透過して伝播する。
【0120】そして、このときの散乱光が再生光(導入
光)に対して上下方向(交差する方向)のそれぞれに伝
播(透過)していき、最終的に光メモリ素子10Bの表
面から外部へ放出され、これをCCD受像機40で撮像
することで、記録層20Bに記録マーク21Bとして記
録された情報に応じた再生パターンが得られる。このよ
うに、記録部材30Bを記録層20B及び記録層再生用
光導波部材323Aにより構成し、記録層再生用光導波
部材323Aを上述の光導波部材323と同様の構造と
することで、記録層20Bに記録マーク21Bによって
記録された情報を再生するのに、上述の光導波部材32
3において記録情報を再生するのに用いる光学系を共用
できるようにしている。
【0121】なお、上述のように構成される光メモリ素
子10Bの記録層20Bへの情報の記録方法(光メモリ
素子の記録方法)については、上述の第1実施形態にか
かる光メモリ素子の記録方法と同様である。したがっ
て、本実施形態にかかる光メモリ素子及び光メモリ素子
の記録方法によれば、複製防止(特に、不正コピー防
止)やソフトウエアの不正使用防止等の著作権保護に利
用可能な情報、シリアル番号等のような一枚一枚異なる
情報等を書き込めるようになり、また、アップデートに
必要なデータや正誤表データのような情報等を本来のコ
ンテンツデータとは別に追記できるようになるという利
点がある。
【0122】また、記録層20Bに記録された情報を再
生するための再生光を導波させる光導波部材323A
を、各種情報を記録しうる記録層20Bとは別に設けて
いるため、記録層20Bは、少なくとも記録前後で光学
的性質(例えば屈折率,透過率,吸収率等)が変化し
て、散乱光(再生光)を透過する部分と透過しない部分
とができるものとして構成すれば良く、特に、屈折率を
厳密に合わせる等の再生光の導波条件を満たすように記
録層を構成する必要はない。
【0123】このため、記録層20Bを形成する材料の
選択の幅が広がり、比較的容易に、上述の各種情報を記
録しうる記録層20Bを備える光メモリ素子10Bを実
現できるという利点がある。また、記録層20Bに各種
情報を記録する際にも、屈折率を厳密に合わせる等の再
生光の導波条件を考慮せずに、記録光を照射して光学的
性質(例えば屈折率,透過率,吸収率等)を変化させる
だけで、比較的容易に、かつ、ほぼ確実に情報の記録を
行なえるという利点もある。
【0124】また、本実施形態にかかる光メモリ素子の
再生方法によれば、記録層20Bに記録された情報を再
生するための再生光を導波させる光導波部材323A
を、各種情報を記録しうる記録層20Bとは別に設けて
いるため、再生光を確実に導波させることができるとい
う利点がある。また、光導波部材323Aの記録層再生
用凹凸部5Aがスタンパにより形成されるため、記録層
再生用凹凸部5Aで再生光を確実に散乱させることがで
き、再生パターン(出力パターン)を得るのに十分な強
度の散乱光が得られるという利点もある。この結果、記
録層20Bは、記録光を照射して光学的性質(例えば屈
折率,透過率,吸収率等)を変化させることで散乱光
(再生光)を透過する部分と透過しない部分とを形成
し、光導波部材323Aからの散乱光を選択的に透過さ
せるようにするだけで、記録層20Bに記録された情報
を確実に再生できるようになるという利点もある。
【0125】また、本実施形態にかかる光メモリ素子1
0Bは、情報を凹凸部5として記録する光導波部材32
3(再生専用層)に、記録可能な記録層(例えば追記可
能型記録層や書換可能型記録層等)20Bと、記録層2
0Bに記録された情報を再生するための再生光を導波さ
せる光導波部材323Aとを備える記録部材30Bを積
層させた積層構造となっているため、ドライブ(再生装
置,記録再生装置)の構成を簡略化することができると
いう利点もある。
【0126】例えば、光メモリ素子の記録領域を2次元
的に分けて、再生専用領域と、追記/書換可能領域とす
ると(これを並置構造という)、それぞれの領域に記録
されている情報を再生するために、ドライブに、例えば
それぞれの領域毎に別々の光学系を設けたり、一つの光
学系を水平方向へ移動させる移動機構を設けたりする必
要がある。これに対し、本実施形態にかかる光メモリ素
子10Bのように、積層構造になっていれば、それぞれ
の領域毎に光学系を設ける必要はなく、また、光学系を
移動させる必要もなく、光学系の共通化(共用化)を図
ることができるため、再生装置の構成を簡略化すること
ができる。
【0127】なお、光学系の共通化を図るためには、再
生専用層と記録可能な記録層20Bとが共に光学的に再
生可能である必要があるが、両者が同じ原理で再生像を
形成するようになっていると、光学系の共通化を図りや
すく、好ましい。例えば、両者ともホログラム像を形成
するものとして構成すれば、光学系の共通化を図りやす
い。
【0128】また、光メモリ素子の大きさ(広さ)は例
えば持ち運び等を考慮して所定の大きさとされるが、光
メモリ素子の記録領域を再生専用領域と追記/書換可能
領域との2つの領域に分けて並置構造とする場合、再生
専用領域を大きくすると、追記/書換可能領域が小さく
なってしまい、逆に、追記/書換可能領域を大きくする
と、再生専用領域が小さくなってしまうことになる。こ
のように並置構造とすると、それぞれの領域の大きさは
互いに制約を受けることになるため、それぞれの領域と
して必要な大きさを確保できない場合も起こりうる。ま
た、このように同一平面内で2つの領域を設ける場合に
は、領域の配置の自由度が小さくなる。
【0129】これに対し、本実施形態の光メモリ素子1
0Bのように、再生専用層と記録可能な記録層20B
と、記録層20Bに記録された情報を再生するための再
生光を導波させる光導波部材323Aとを備える記録部
材30Bとを積層させて積層構造とすれば、記録可能な
記録層20Bと、記録層20Bに記録された情報を再生
するための再生光を導波させる光導波部材323Aとを
備える記録部材30Bの情報を記録しうる領域(情報記
録領域)と、再生専用層の情報を記録しうる領域(情報
記録領域)とは、互いに制約を受けることなく、それぞ
れの層に記録する情報量に応じて必要な大きさを確保す
ることができるようになる。また、光メモリ素子内での
情報記録領域の配置の自由度も大きくなる。例えば、光
メモリ素子をドライブ(再生装置等)内でクランプする
ためのクランプ領域の配置の自由度が高くなり、必要に
応じて場所や数を設定しやすくなる。
【0130】ところで、本実施形態では、上述のよう
に、記録層再生用凹凸部5Aは、「強度情報」のみを有
するグレーティングとして構成しているため、記録層2
0Bを通じて光メモリ素子10Bの表面から外部へ出射
される散乱光は結像せず、再生パターン(出力パター
ン)はボケてしまう。この場合、記録層20Bの記録密
度を高めると、CCD受像機40によって再生パターン
を正確、かつ、確実に検出するのは難しくなるため、記
録層20Bの記録密度は低くせざるを得ない。
【0131】このため、記録層20Bに記録すべき情報
が少なく、それほど記録密度を高める必要がない場合に
適している。一方、記録層20Bに記録すべき情報が多
く、その記録密度を高める必要がある場合には、図8
中、破線で示すように、光メモリ素子10BとCCD受
像機40との間にレンズ系(光学系)を設け、このレン
ズ系によって散乱光(出射光)を結像させるようにすれ
ば良い。これにより、記録層再生用凹凸部5Aを「強度
情報」のみを有するグレーティングとして構成し、記録
密度を高める場合であっても、結像した再生パターンを
CCD受像機40によって検出できるようになるため、
再生パターンを正確、かつ、確実に検出できるようにな
る。 (第3実施形態の第1変形例)ところで、上述の第3実
施形態では、記録層再生用凹凸部5Aを、[強度情報]
のみを有するグレーティングにより構成しているが、こ
れに限られるものではなく、記録層再生用凹凸部5A
を、ホログラム像を形成しうるように、「強度情報」と
「位相情報」とを有するものとして構成することもでき
る。
【0132】この場合、情報用凹凸部5Aは、光導波部
材323Aの光導波面から所定距離に所望の再生パター
ン(再生像)が形成されるように光の散乱強度(強度情
報)と位相(位相情報)とを計算し、その計算に応じた
微細な凹凸パターンとして形成する。具体的には、光導
波部材323Aの樹脂製コア層2Bには、数ミクロン四
方の正方形を基本の1ピクセルとして、結像させたい再
生像のデータパターンがピクセルの集合体として記録さ
れる。
【0133】ここで、各ピクセルは、それぞれ再生像に
関する「強度情報」と「位相情報」とを有している。具
体的には、各ピクセルには、それぞれ、複数の平行な溝
(ピット,凹凸)が等間隔で形成される。なお、これら
の溝は、光(再生光,導波光,入射光)の導波面に対し
て垂直に形成される。
【0134】また、これらの溝のピッチ(平行に形成さ
れた溝と溝の間隔)は、樹脂製コア層2内を導波する光
の波長(空気中の波長をλ,樹脂製コア層2の屈折率を
nとすると、λ/nに相当する)と等しくなるように形
成される。そして、1ピクセル内に刻まれる溝の長さの
総距離によって「強度情報」が表わされるのである。一
方、再生像の「位相情報」は、ピクセル内の上記溝の開
始位置によって表わされる。即ち、ピクセル端部を位相
0,このピクセル端部から再生光の一波長分だけ離れた
位置を位相2πと考え、上記ピクセル端部から0〜2π
のどこに最初の溝の開始位置がくるかで「位相情報」が
表わされる。従って、隣接するピクセル間では、溝の位
置は異なる。
【0135】従って、記録・再生したい画像情報(再生
パターン,出力パターン)に応じて上記の「強度情報」
と「位相情報」とを計算し、得られた「強度情報」と
「位相情報」に応じた溝のパターン(凹凸パターン)を
スタンパに形成し、その凹凸パターンを樹脂製コア層2
Bに形成することで、所望の画像情報を光メモリ素子1
0Bに記録することができるのである。そして、この光
メモリ素子10Bの樹脂製コア層2Bに再生光を導波さ
せることで、その再生光の上記凹凸パターンでの散乱光
が外部で結像して、記録した画像情報がホログラム像
(再生パターン,出力パターン)として読み出される
(再生される)のである。
【0136】なお、上記の溝の幅及び深さは、それぞ
れ、光の散乱効率を考慮して決定される。一般に、散乱
効率が高いほど、得られる信号強度は大きくなるが、あ
まり散乱効率が高いと、散乱光の他の層による再散乱が
生じノイズも大きくなる傾向があるため、これら散乱効
率とノイズとの兼ね合いを考慮して最適な溝幅及び溝深
さが決定される。
【0137】なお、本実施形態では、光メモリ素子10
Bは、情報用凹凸部5や記録層再生用凹凸部5Aによっ
て散乱し、その一方の側から外部へ出射される散乱光に
よって形成される再生像を読み取って情報用凹凸部5や
記録層再生用凹凸部5Aの情報を再生する片面再生用光
メモリ素子として構成する。これによれば、散乱光によ
って形成される再生パターン(出力パターン,再生像,
出力像)が結像するため、CCD受像機40でボケのな
い再生パターンを検出することができ、再生パターンを
正確、かつ、確実に検出できるようになる。この結果、
記録層20Bに記録する情報の高密度化を図ることがで
きる(即ち、記録層20Bの記録密度を高めることがで
きる)。この場合、再生パターンを結象させるために、
別途レンズ系(光学系)を設ける必要がないため好まし
い。 (第3実施形態の第2変形例)ところで、上述の第3実
施形態では、記録部材30Bを、記録層20B,記録層
再生用クラッド層3C,記録層再生用コア層2B,記録
層再生用クラッド層3Bを順に積層させたものとして構
成しているが、これに限られるものではなく、例えば図
9,図10に示すように、記録層20C,記録層再生用
コア層2C,記録層再生用クラッド層3Dを順に積層さ
せてなる記録部材30Cとして構成しても良い。
【0138】つまり、本第2変形例では、図9に示すよ
うに、記録部材30Cは、情報を記録可能な記録層20
Cと、樹脂製コア層(記録層再生用コア層,再生補助用
コア層)2Cと、樹脂製クラッド層(記録層再生用クラ
ッド層,再生補助用クラッド層)3Dとを順に積層させ
て構成される。この場合、記録層20Cと記録層再生用
コア層2Cとは隣り合うことになる。
【0139】ここでは、積層体を構成する光導波部材3
23の樹脂製クラッド層3(ここでは、記録層再生用ク
ラッド層として機能する)と、記録層20Cと、記録層
再生用コア層2Cと、記録層再生用クラッド層3Dとか
ら記録層再生用光導波部材(再生補助用光導波部材)3
23Bが構成される。また、記録層再生用コア層2Cと
記録層再生用クラッド層3Dとの界面に、再生光をほぼ
均一に(一様に)散乱させうる記録層再生用凹凸部(散
乱用凹凸部,再生補助用凹凸部)5Cが設けられてい
る。
【0140】ここで、再生光がほぼ均一に散乱されるよ
うにするためには、記録層再生用凹凸部5Cは、全面に
わたってその散乱強度が同程度となるように凹凸パター
ンを設ければ良い。そして、記録層20Cに記録された
情報を再生する際には、図10に示すように、積層体を
構成する光導波部材323の樹脂製クラッド3(ここで
は、記録層再生用クラッド層として機能する)と記録層
再生用クラッド層3Dとの間に挟まれた記録層20C及
び記録層再生用コア層2Cに再生光を導波させ、記録層
再生用コア層2Cの記録層再生用凹凸部5Bで散乱させ
ることになる。
【0141】このため、記録層20Cも記録層再生用コ
ア層2Cと同様に、再生光の導波条件を満たすように、
その屈折率等の設定を行なう必要がある。例えば、記録
層20Cは、情報記録後の屈折率が樹脂製コア層2C又
は樹脂製クラッド層3,3Dを構成する樹脂(紫外線硬
化性樹脂)の屈折率とほぼ同じ屈折率になるような樹脂
により構成する。つまり、記録層20Cは、情報記録前
は記録層再生用光導波部材323Bの記録層再生用凹凸
部5Bで散乱した散乱光を透過しないが、情報記録後は
記録層再生用光導波部材323Bの記録層再生用凹凸部
5Bで散乱した散乱光を透過するものとして構成する。
【0142】逆に、情報記録前の屈折率が樹脂製コア層
2C又は樹脂製クラッド層3,3Dを構成する樹脂(紫
外線硬化性樹脂)の屈折率とほぼ同じ屈折率になるよう
な樹脂により構成しても良い。つまり、記録層20C
は、情報記録前は記録層再生用光導波部材323Bの記
録層再生用凹凸部5Bで散乱した散乱光を透過するが、
情報記録後は記録層再生用光導波部材323Bの記録層
再生用凹凸部5Bで散乱した散乱光を透過しないものと
して構成しても良い。
【0143】なお、その他の構成等については、上述の
第3実施形態のものと同様である。ところで、本第2変
形例では、光導波部材323を積層してなる積層体に、
上述のような記録部材30Cを積層させて、光メモリ素
子10Cを構成している。つまり、まず光導波部材32
3を積層させてなる積層体の樹脂製クラッド層3上に記
録層20Cを形成する。
【0144】一方、表面に再生パターン(出力パター
ン)に応じた所望の凹凸パターン(凹凸形状;ピット)
の刻まれたスタンパ上に、所定の膜厚(例えば、完全硬
化時に約15〜約20μm)となるようにクラッド材
(液状クラッド樹脂)3Dを塗布する。このクラッド材
3Dには、本第2変形例では、紫外線(UV光)を照射
することにより硬化する紫外線硬化性樹脂剤から成るも
のを使用する。
【0145】そして、このようにスタンパへクラッド材
3Dを塗布した後、その上から支持体となる樹脂フィル
ム(樹脂製フィルム部材)4Cを、例えばローラ等を用
いて加圧しながら貼着(ラミネート)し、その後、紫外
線照射によりクラッド材3Dを完全に硬化させることで
樹脂製の記録層再生用クラッド層3Dを形成する(クラ
ッド転写)。
【0146】次に、スタンパから、上記の記録層再生用
クラッド層3Dと樹脂フィルム4とからなる部材を一体
に剥離(分離)する。そして、上記の記録層再生用クラ
ッド層3D上に、コア材(紫外線硬化性樹脂材,液状コ
ア材)2Cを所定の膜厚となるように塗布した後、紫外
線を照射して完全に硬化させて記録層再生用コア層2C
を形成する。
【0147】そして、このようにして形成された記録層
再生用クラッド層3D,樹脂フィルム4,記録層再生用
コア層2Cからなる部材を構成する記録再生用コア層2
Cを、上述の記録層20C上に貼着(ラミネート)す
る。ここでは、樹脂フィルム4Cが貼り付けられている
が、樹脂フィルム4Cはなくても良い。これにより、図
9に示すように、積層体(光メモリ素子)を構成する光
導波部材323の最外層(最上層又は最下層)の樹脂製
クラッド層3上に(即ち、光導波部材323の最外層の
外側に)、記録層20C,記録層再生用コア層2C,記
録層再生用クラッド層3Dが順に積層されることにな
る。このように、記録層再生用コア層2C,記録層再生
用クラッド層3D及び記録層20Cにより記録部材(記
録可能な記録層を含む記録部材)30Cを構成する。
【0148】この結果、積層体を構成する光導波部材3
23の最外層のクラッド層3,記録層20C,記録層再
生用コア層2C,記録層再生用クラッド層3Dからなる
記録層再生用光導波部材323Bが形成される。この記
録層再生用光導波部材323Bが、クラッド層3,コア
層2,クラッド層3からなる積層体としての光導波部材
323と同様に機能しうるようにしている。
【0149】本第2変形例にかかる光メモリ素子は、上
述のように構成されるため、記録層20Cの光学的性質
(例えば屈折率,透過率,吸収率)を変化させて情報を
記録した部分(記録マーク)21Cの情報を再生する際
には、図10に示すように、記録層再生用光導波部材3
23Bの記録層再生用クラッド層3Dと、光導波部材3
23のクラッド層3とに挟み込まれた記録層再生用コア
層2C及び記録層20Cに再生光(入射光)を導波さ
せ、その再生光が記録層再生用コア層2Cと記録層再生
用クラッド層3Dとの界面に設けられた記録層再生用凹
凸部5Bでほぼ均一に散乱され、この散乱光が、光学的
性質(例えば屈折率,透過率,吸収率)を変化させて記
録された記録マーク(記録部)21Cを透過して伝播す
る。
【0150】そして、このときの散乱光が再生光(導入
光)に対して上下方向(交差する方向)のそれぞれに伝
播(透過)していき、最終的に光メモリ素子10Cの表
面から外部へ放出され、これをCCD受像機40で撮像
することで、記録マーク21Cに記録された情報に応じ
た再生パターンが得られるようになっている。このよう
に、記録層再生用光導波部材323Bを上述の光導波部
材323と同様の構造とすることで、記録層20Cに記
録マーク21Cによって記録された情報を再生するの
に、上述の光導波部材323において記録情報を再生す
るのに用いる光学系を共用できるようにしている。
【0151】なお、上述のように構成される光メモリ素
子10Cの記録層20Cへの情報の記録方法(光メモリ
素子の記録方法)については、上述の第1実施形態にか
かる光メモリ素子の記録方法と同様である。したがっ
て、本第2変形例によれば、上述の第3実施形態におい
て挙げた効果に加え、再生光を確実に導波させ、記録層
再生用凹凸部で再生光を確実に散乱させることができ、
再生パターン(出力パターン)を得るのに十分な強度の
散乱光が得られるため、記録層に記録された情報を確実
に再生できるという利点がある。
【0152】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の光メモリ素子に
よれば、記録層が設けられているため、複製防止(特
に、不正コピー防止)やソフトウエアの不正使用防止等
の著作権保護に利用可能な情報、シリアル番号等のよう
な一枚一枚異なる情報等を書き込めるようにし、また、
アップデータに必要なデータや正誤表データのような情
報等を本来のコンテンツデータとは別に追記できるよう
になるという利点がある。
【0153】請求項2,3記載の本発明の光メモリ素子
によれば、記録層が光により記録可能であるため、光導
波部材の情報再生に用いる光学系を共用できるという利
点がある。請求項4,5記載の本発明の光メモリ素子に
よれば、光導波部材と同様の構成とすることで、情報再
生時に光学系を共用できるという利点がある。
【0154】請求項6〜9記載の本発明の光メモリ素子
によれば、再生光を確実に導波させ、記録層再生用凹凸
部で再生光を確実に散乱させることができ、再生パター
ン(出力パターン)を得るのに十分な強度の散乱光が得
られるため、記録層に記録された情報を確実に再生でき
るという利点がある。請求項10記載の本発明の光メモ
リ素子によれば、記録層を2層以上設ける場合のよう
に、各層に対して個別に記録するための工夫が必要な
く、また、S/Nが悪化することがないという利点があ
る。
【0155】請求項11記載の本発明の光メモリ素子に
よれば、通常ゲル状のフォトポリマーを確実に積層でき
るという利点がある。請求項12記載の本発明の光メモ
リ素子によれば、記録層をライトワンス型記録層とする
ことで、記録情報が誤って消去されてしまったり、変更
されてしまったりするのを防止でき、さらに、記録情報
の改ざんを防ぐこともできるという利点がある。
【0156】請求項13記載の本発明の光メモリ素子に
よれば、記録層としてのフォトポリマー層が本来の記録
時以外に感光してしまうのを防止できるという利点があ
る。請求項14記載の本発明の光メモリ素子によれば、
記録層にID情報が記録されているため、例えば光メモ
リ素子の製造後に一つ一つの光メモリ素子を識別可能に
なるという利点がある。
【0157】請求項15記載の本発明の光メモリ素子の
記録方法によれば、記録層への情報の記録を簡単かつ容
易に行なえるという利点がある。請求項16記載の本発
明の光メモリ素子の記録方法によれば、大きな面積にわ
たって情報を記録できるため、短時間で情報を記録でき
るという利点がある。請求項17記載の本発明の光メモ
リ素子の記録方法によれば、情報記録後に不活性化処理
を行なって、記録情報を定着させるため、記録層として
のフォトポリマー層の更なる感光(記録)を防ぐことが
でき、これにより、記録情報が誤って消去,変更,改ざ
んされるのを防ぐことができるという利点がある。
【0158】請求項18〜21記載の本発明の光メモリ
素子の再生方法によれば、再生光を確実に導波させ、記
録層再生用凹凸部で再生光を確実に散乱させることがで
き、再生パターン(出力パターン)を得るのに十分な強
度の散乱光が得られるため、記録層に記録された情報を
確実に再生できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる光メモリ素子の
全体構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる光メモリ素子の
記録方法を説明するための模式的断面図であって、
(A)は記録前の状態、(B)は記録後の状態をそれぞ
れ示している。
【図3】(A)〜(G)は、本発明の第1実施形態にか
かる光メモリ素子を構成する積層体の製造方法を説明す
るための模式的断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる光メモリ素子を
構成する積層体の積層構造の一例を説明するための模式
的断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる光メモリ素子の
全体構成を示す模式的断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる光メモリ素子の
記録方法を説明するための模式的断面図であって、
(A)は記録前の状態、(B)は記録後の状態をそれぞ
れ示している。
【図7】本発明の第3実施形態にかかる光メモリ素子の
全体構成を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる光メモリ素子の
全体構成を示す模式的断面図であって、記録層の再生方
法を説明するための図である。
【図9】本発明の第3実施形態の第2変形例にかかる光
メモリ素子の全体構成を示す模式的断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態の第2変形例にかかる
光メモリ素子の全体構成を示す模式的断面図であって、
記録層の再生方法を説明するための図である。
【図11】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図12】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図13】(A),(B)はいずれも従来の光メモリ素
子の動作原理を説明するための模式的斜視図である。
【符号の説明】 1 スタンパ 2,2A コア層 2B,2C 記録層再生用コア層 3,3A クラッド層 3B,3C,3D 記録層再生用クラッド層 4,4A,4B,4C 樹脂フィルム(支持体) 5,5A,5B 凹凸部 10,10A,10B,10C 光メモリ素子 11 入射端面 20,20A,20B,20C 記録層 21,21A,21B,21C 記録マーク 30,30A,30B,30C 記録部材 40 CCD受像機 323,323A、323B 光導波部材

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製コア層と、前記樹脂製コア層の両
    面に積層された樹脂製クラッド層とからなり、前記樹脂
    製コア層と前記樹脂製クラッド層との界面の少なくとも
    一方に情報用凹凸部を有する光導波部材を備える光メモ
    リ素子であって、 記録可能な記録層が積層されて構成されることを特徴と
    する、光メモリ素子。
  2. 【請求項2】 前記記録層が、光により記録可能な記録
    層であることを特徴とする、請求項1記載の光メモリ素
    子。
  3. 【請求項3】 前記記録層が、光により屈折率が変化す
    るフォトポリマーにより構成されることを特徴とする、
    請求項1又は2記載の光メモリ素子。
  4. 【請求項4】 前記記録層の両面に樹脂製クラッド層が
    積層されることを特徴とする、請求項3記載の光メモリ
    素子。
  5. 【請求項5】 前記記録層が、樹脂製コア層と、前記樹
    脂製コア層の両面に積層される樹脂製クラッド層との間
    に積層されることを特徴とする、請求項3記載の光メモ
    リ素子。
  6. 【請求項6】 前記記録層が、光により屈折率,透過率
    のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成さ
    れ、 前記記録層に、記録層再生用コア層と記録層再生用クラ
    ッド層とが積層され、 前記記録層再生用コア層と前記記録層再生用クラッド層
    との界面に再生光をほぼ均一に散乱させうる記録層再生
    用凹凸部が設けられていることを特徴とする、請求項1
    又は2記載の光メモリ素子。
  7. 【請求項7】 前記記録層が、光により屈折率,透過率
    のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成さ
    れ、 前記記録層に、記録層再生用コア層と、前記記録層再生
    用コア層の両面部に積層された記録層再生用クラッド層
    とからなり、前記記録層再生用コア層と前記記録層再生
    用クラッド層との界面の少なくとも一方に再生光をほぼ
    均一に散乱させうる記録層再生用凹凸部が設けられてな
    る記録層再生用光導波部材が積層されていることを特徴
    とする、請求項1又は2記載の光メモリ素子。
  8. 【請求項8】 前記記録層が、光により屈折率,透過率
    のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成さ
    れ、 前記記録層に、記録層再生用コア層と記録層再生用クラ
    ッド層とが積層され、 前記記録層再生用コア層と前記記録層再生用クラッド層
    との界面に再生光によりホログラム像を形成しうる記録
    層再生用凹凸部が設けられていることを特徴とする、請
    求項1又は2記載の光メモリ素子。
  9. 【請求項9】 前記記録層が、光により屈折率,透過率
    のうちの少なくとも1つが変化する材料により構成さ
    れ、 前記記録層に、記録層再生用コア層と、前記記録層再生
    用コア層の両面部に積層された記録層再生用クラッド層
    とからなり、前記記録層再生用コア層と前記記録層再生
    用クラッド層との界面の少なくとも一方に再生光により
    ホログラム像を形成しうる記録層再生用凹凸部が設けら
    れてなる記録層再生用光導波部材が積層されていること
    を特徴とする、請求項1又は2記載の光メモリ素子。
  10. 【請求項10】 前記記録層が、1層のみ設けられるこ
    とを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    光メモリ素子。
  11. 【請求項11】 前記記録層が、前記光導波部材の最外
    層の外側に積層されることを特徴とする、請求項1〜1
    0のいずれか1項に記載の光メモリ素子。
  12. 【請求項12】 前記記録層が、ライトワンス型記録層
    であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1
    項に記載の光メモリ素子。
  13. 【請求項13】 前記記録層に情報を記録する際に除去
    しうる遮光部材によって覆われていることを特徴とす
    る、請求項2〜12のいずれか1項に記載の光メモリ素
    子。
  14. 【請求項14】 前記記録層に光メモリ素子のID情報
    が記録されていることを特徴とする、請求項1〜13の
    いずれか1項に記載の光メモリ素子。
  15. 【請求項15】 請求項2〜14のいずれか1項に記載
    の光メモリ素子の記録方法であって、前記記録層にレー
    ザ光を照射して情報を記録することを特徴とする、光メ
    モリ素子の記録方法。
  16. 【請求項16】 請求項2〜14のいずれか1項に記載
    の光メモリ素子の記録方法であって、前記記録層に干渉
    縞により情報を記録することを特徴とする、光メモリ素
    子の記録方法。
  17. 【請求項17】 請求項3〜14のいずれか1項に記載
    の光メモリ素子の記録方法であって、前記記録層に情報
    を記録した後で不活性化処理を行なうことを特徴とす
    る、光メモリ素子の記録方法。
  18. 【請求項18】 請求項6記載の光メモリ素子の再生方
    法であって、 前記樹脂製クラッド層と前記記録層再生用クラッド層と
    の間に挟まれている前記記録層及び前記記録層再生用コ
    ア層に再生光を導波させ、前記記録層再生用凹凸部でほ
    ぼ均一に散乱された散乱光を前記記録層を介して外部へ
    出射させることを特徴とする、光メモリ素子の再生方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項7記載の光メモリ素子の再生方
    法であって、 前記記録層再生用クラッド層間に挟まれている前記記録
    層再生用コア層に再生光を導波させ、前記記録層再生用
    凹凸部でほぼ均一に散乱された散乱光を前記記録層を介
    して外部へ出射させることを特徴とする、光メモリ素子
    の再生方法。
  20. 【請求項20】 請求項8記載の光メモリ素子の再生方
    法であって、 前記樹脂製クラッド層と前記記録層再生用クラッド層と
    の間に挟まれている前記記録層及び前記記録層再生用コ
    ア層に再生光を導波させ、前記記録層再生用凹凸部で散
    乱された散乱光を前記記録層を介して外部へ出射させて
    ホログラム像を形成することを特徴とする、光メモリ素
    子の再生方法。
  21. 【請求項21】 請求項9記載の光メモリ素子の再生方
    法であって、 前記記録層再生用クラッド層間に挟まれている前記記録
    層再生用コア層に再生光を導波させ、前記記録層再生用
    凹凸部で散乱された散乱光を前記記録層を介して外部へ
    出射させてホログラム像を形成することを特徴とする、
    光メモリ素子の再生方法。
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