JP2002222593A - 光メモリ - Google Patents

光メモリ

Info

Publication number
JP2002222593A
JP2002222593A JP2001015823A JP2001015823A JP2002222593A JP 2002222593 A JP2002222593 A JP 2002222593A JP 2001015823 A JP2001015823 A JP 2001015823A JP 2001015823 A JP2001015823 A JP 2001015823A JP 2002222593 A JP2002222593 A JP 2002222593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical memory
face
incident end
memory element
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001015823A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ishihara
啓 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001015823A priority Critical patent/JP2002222593A/ja
Publication of JP2002222593A publication Critical patent/JP2002222593A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Read Only Memory (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光メモリ素子の情報の再生に支障をきたさな
いようしながら、光メモリ素子の入射端面を保護できる
ようにする。 【解決手段】 樹脂製コア層と、樹脂製コア層の両面に
積層された樹脂製クラッド層とからなり、樹脂製コア層
と樹脂製クラッド層との界面の少なくとも一方に情報用
凹凸部を有する光導波部材に、情報用凹凸部の情報を再
生する再生光を樹脂製コア層へ導入するための入射端面
11を形成してなる光メモリ素子10と、入射端面11
を保護する保護部材20とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光メモリ(情報記
録媒体)に関し、特に、光導波路デバイスを用いて構成
される光メモリ素子を備える光メモリを製造するのに用
いて好適の、光メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、予め所定の散乱光を生じるように
パターンが刻まれた平面型(カード型)の光導波路中に
光を導入し、光導波面の外部に画像を結像させる技術が
提案されている(IEEE Photon.Technol.Lett.,vol.9,p
p.958-960,JULY1997 等参照)。即ち、例えば図10に
模式的に示すように、光導波路として機能するように屈
折率や膜厚を調整されたコア(層)101と、このコア
層101を挟む形でその両側(両面部)に設けられた
(第1,第2の)クラッド(層)102とをそなえて成
るカード型のスラブ型光導波路デバイス100におい
て、コア層101とクラッド層102との界面に微細な
凹凸が存在していた場合、コア層(光導波路)101に
レンズ103を介して光(レーザ光)を導入すると、導
入光の一部がその凹凸部分で散乱し、散乱光がクラッド
層102を通じて外部に出てくる。
【0003】従って、光導波面(光導波路101)から
所定距離に特定の画像が結像するような光の散乱強度と
位相とを計算し、その計算に応じた微細な凹凸パターン
を予めコア層101に刻み込んでおけば、光導波面の外
部に所望の画像を結像させることができる。つまり、コ
ア層101は情報の記録層として機能することになる。
【0004】そして、例えば、光導波面の外部に出てき
た散乱光を上記所定距離に設置したCCD受像器104
により受光して、結像画像を2次元のディジタルパター
ン〔例えば、明暗の2値のパターン、もしくは、明度
(グレイスケール)による多値のパターン等〕化してデ
ィジタル信号化すれば、既存のディジタル画像処理装置
(図示省略)で結像画像に対し所望の画像処理を実施す
ることができる。
【0005】また、例えば図11に模式的に示すよう
に、上記のクラッド層102とコア層101とを繰り返
し積層して、光導波路(記録層)101を複数個積層し
た場合、或る光導波路101で散乱した光は、別の光導
波路101を横切ることになるが、通常、コア層101
とクラッド層102の屈折率差が極めて小さいので、そ
の散乱光が別の光導波路101に形成された凹凸で再散
乱することは殆ど無く、結像画像が乱れることは無い。
従って、積層数に比例して数多くの画像やパターンを結
像できることになる。
【0006】つまり、光導波路デバイス100はその積
層数に比例した容量を有する光メモリ素子(ROM等の
記録媒体)として使用できるのである。なお、この光メ
モリ素子は、理論上では、1層で約1ギガバイト程度の
容量をもたせることができ、100層程度まで積層する
ことが可能であるといわれており、将来的には、動画像
の記録等に十分対応できる大容量ROMとして使用され
ることが有望視されている。
【0007】光導波路デバイス100のコア層101に
おける上記の微細な凹凸パターンは、例えば、次のよう
な手法で形成される。即ち、まず、図12(A)に模式
的に示すように、(第1の)クラッド層102となる平
板状のガラス等の上にフォトレジストを塗布し、光ある
いは電子線等の露光とその現像によりそのガラス(クラ
ッド層102)上に、結像させたい像に応じたピット
(凹凸パターン)を形成する。
【0008】その後、その凹凸パターン上にコア層10
1を形成する。これにより、凹凸パターンの形成された
コア層101が作製され、このコア層101上にさらに
第2のクラッド層102を形成することにより、1層分
の光導波路デバイス(光メモリ素子)が作製される。そ
して、上記と同様に、クラッド層102上に露光と現像
によって凹凸パターンを形成し、その上にコア層101
を形成することを繰り返し行なうことで、図12(B)
に模式的に示すように、多層構造の光メモリ素子(以
下、「多層光メモリ」ということがある)100aが作
製される。
【0009】しかしながら、このような露光と現像とを
用いた手法では、1層分の光メモリ素子100の作製に
非常に時間及びコストがかかってしまうので、大容量の
多層光メモリ100aを作製するには、膨大な時間とコ
ストがかかる。このため、コア層及びクラッド層を樹脂
製にすることで、上記の凹凸パターンを簡易に形成でき
るようにして、限られた体積でより大容量の情報を保持
できる光メモリ素子を容易、且つ、安価に実現できるよ
うにすることが提案されている(特願平11−1315
12号、特願平11−131513号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光導波部材
に入射端面を形成されてなる光メモリ素子を、例えばカ
ード状等の光メモリとして実用化するに当たっては、光
メモリ素子がキズついたり、汚れたりしないように保護
する必要がある。この場合、例えば光メモリ素子の散乱
光が出力される面がキズついたり、汚れたりしても、デ
ータ処理段階で補正可能であるため、キズや汚れがつい
てもそれほど影響はないが、入射端面がキズついたり、
汚れたりしてしまうと、光メモリ素子の情報を再生する
ための入射光を導入できなくなったり、十分な入射光を
導入できなくなったりし、光メモリ素子にとって致命的
な欠陥となりうるため、特に、入射端面を保護すること
は重要である。
【0011】この場合、光メモリの用途に応じて要求さ
れる保護の程度も異なる。つまり、例えばカード状光メ
モリ等のように持ち歩くことを想定する場合には、携帯
性を考慮する必要があるし、高い保護効果が得られるよ
うにする必要がある。一方、1回(又は数回)だけ使用
することを想定する場合、例えばアプリケーションプロ
グラムのインストールに用いる場合や映画や音楽の再生
に用いる場合には、多少保護効果が低くても、コストを
低く抑えることができ、安価なものとして構成する方が
望ましい。
【0012】ところで、例えば、入射端面にキズがつい
たり、汚れたりしないようにすべく、入射端面を例えば
樹脂等により覆うことも考えられるが、このように樹脂
等によって入射端面を覆ってしまうと、情報を再生する
ためにコア層へ導入する必要のある入射光の光量が減っ
てしまい、結合効率が下がってしまうことになる。この
ため、例えば樹脂等によって覆ってしまうような入射端
面の保護では、たとえ入射端面が保護できるとしても、
光メモリ素子の情報の再生には支障をきたすことにな
る。つまり、光メモリ素子の凹凸部に記録された情報を
再生するのに、入射端面を介して入射光を導入すること
を考えると、入射端面は剥き出しの状態にしておくのが
望ましい。
【0013】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、光メモリ素子の情報の再生に支障をきたさな
いようしながら、光メモリ素子の入射端面を保護できる
ようにした、光メモリを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
光メモリは、樹脂製コア層と、樹脂製コア層の両面に積
層された樹脂製クラッド層とからなり、樹脂製コア層と
前記樹脂製クラッド層との界面の少なくとも一方に情報
用凹凸部を有する光導波部材に、情報用凹凸部の情報を
再生する再生光を樹脂製コア層へ導入するための入射端
面を形成してなる光メモリ素子と、入射端面を保護する
保護部材とを備えることを特徴としている。
【0015】好ましくは、入射端面と樹脂製コア層との
なす角度が、ほぼ直角であるのが好ましい。即ち、入射
端面が、90度切断面により構成されるのが好ましい
(請求項2)。また、保護部材が、光メモリ素子を収納
するカートリッジであるのが好ましい(請求項3)。
【0016】さらに、カートリッジが、入射端面を覆う
ように設けられる開閉可能な蓋部を備えるものとして構
成するのが好ましい(請求項4)。また、カートリッジ
が、入射端面へ向けて入射光を導入しうる開口部を備え
るものとして構成するのが好ましい(請求項5)。さら
に、保護部材が、光メモリ素子を挟んで光メモリ素子の
両面に貼り合わされる2枚の平面状部材であり、平面状
部材が、入射端面よりも突出する突出部を備えるものと
するのが好ましい(請求項6)。
【0017】また、平面状部材が、樹脂製フィルムであ
るのが好ましい(請求項7)。さらに、突出部の長さ
が、0.5mm以上1.5mm以下であるのが好ましい
(請求項8)。また、光メモリ素子が、光導波部材を複
数個積層して構成され、複数個の光導波部材の間に平面
状部材が設けられるのが好ましい(請求項9)。
【0018】さらに、平面状部材が、遮光部を備えるの
が好ましい(請求項10)。また、遮光部が、少なくと
も突出部に設けられるのが好ましい(請求項11)。さ
らに、保護部材が、入射端面を覆うように貼り付けられ
る剥離可能な保護シートであるのが好ましい(請求項1
2)。
【0019】また、保護シートが、一旦剥離すると再貼
着不可能なシートであるのが好ましい(請求項13)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかか
る光メモリ(多層光メモリ,情報記録媒体)について、
図面を参照しながら詳細に説明する。 (第1実施形態の説明)本発明の第1実施形態にかかる
光メモリについて、図1〜図8を参照しながら説明す
る。
【0021】まず、本実施形態にかかる光メモリに備え
られる光メモリ素子(光導波部材,積層体)の構造及び
その製造方法について、図3,図4を参照しながら説明
する。本実施形態にかかる光メモリ素子は、図4に示す
ように、樹脂製クラッド層3,樹脂製コア層2,樹脂製
クラッド層3からなる光導波部材323を複数個積層し
た積層体を備えるものとして構成される。なお、ここで
は、樹脂フィルム4も貼り付けたものとしている。
【0022】ここで、光導波部材323は、樹脂製コア
層2と、樹脂製コア層2の両面に積層された樹脂製クラ
ッド層3とからなり、かつ、樹脂製コア層2と樹脂製ク
ラッド層3との界面の少なくとも一方に凹凸部(情報用
凹凸部)5を有する。以下、このような光メモリ素子1
0を構成する積層体の製造方法について説明する。
【0023】始めに、図3(A)に示すように、表面に
結像させたい画像(情報)に応じた所望の凹凸パターン
(凹凸形状;ピット)の刻まれたスタンパ1上に、所定
の膜厚となるようにコア材(液状コア樹脂)2′を塗布
する。このコア材2′には、本実施形態では、紫外線
(UV光)を照射することにより硬化する紫外線硬化性
樹脂剤から成るものを使用し、このようにスタンパ1へ
塗布した後、紫外線を照射して完全に硬化させることで
樹脂製のコア層2′を形成する。
【0024】次に、このようにコア材2′を完全硬化さ
せた後、図3(B)に示すように、その上に、コア層
2′よりも屈折率の小さい紫外線硬化性樹脂剤から成る
クラッド材(液状クラッド樹脂)3a′を塗布し、紫外
線照射により硬化させてコア層2′よりも屈折率の小さ
い樹脂製クラッド層3a′を形成する。その後、図3
(C)に示すように、上記のクラッド層3a′上に、ク
ラッド材3a′と同じクラッド材3b′を塗布し、その
上から支持体となる樹脂フィルム(樹脂製フィルム部
材)4を、例えばローラ等を用いて加圧しながら貼着
(ラミネート)していく。つまり、クラッド層3a′に
クラッド材3b′を介して樹脂フィルム4をラミネート
する。
【0025】かかる状態で、紫外線を照射してクラッド
材3b′を硬化させれば、クラッド層3a′と同じ材質
のクラッド層3b′が形成されると共に、樹脂フィルム
4の接着が行われる。ここで、クラッド層3a′,3
b′はいずれも同じクラッド材から成るので、1層分の
クラッド層3′として機能する。そして、図3(D)に
示すように、スタンパ1から、上記のコア層2′とクラ
ッド層3′(3a′,3b′)と樹脂フィルム4とから
なる部材2′3′4を一体に剥離(分離)する。
【0026】次に、図3(E)に示すように、次層の所
望の凹凸パターンが刻まれたスタンパ1″上に同様にコ
ア層2″,クラッド層3a″をそれぞれ塗布、紫外線照
射による硬化により形成する。その後、図3(F)に示
すように、上記クラッド層3a″上に、クラッド材3
a″と同じクラッド材3b″を塗布し、その上から、上
記部材2′3′4を貼着する。紫外線照射により、クラ
ッド材3b″を硬化した後、図3(G)に示すように、
スタンパ1″から、上記のコア層2″とクラッド層3″
(3a″、3b″)と部材2′3′4とを一体に剥離す
る。
【0027】以上のプロセスを繰り返すことにより、図
4に示すような、支持体としての樹脂フィルム4の少な
くとも一面に、樹脂製クラッド層3と樹脂製コア層2と
からなり、かつ、樹脂製クラッド層3と樹脂製コア層2
との界面に凹凸部5を有するクラッド/コア部材が、2
以上積層されて積層体が形成される。ここでは、図4に
示すように、クラッド/コア部材はもろいため、支持体
としての樹脂フィルム4上に2以上のクラッド/コア部
材を積層させているが、さらに樹脂フィルム4を接着し
て2枚の樹脂フィルム4で挟み込んだ構造としている。
なお、樹脂フィルムで挟み込んだ構造としなくても良
く、例えば一方の面のみに樹脂フィルムを貼着しても良
いし、樹脂フィルムを貼着しなくても良い。
【0028】なお、ここでは、樹脂製コア層2と、この
樹脂製コア層2の両面に積層された樹脂製クラッド層3
とを備え、これらの樹脂製コア層2と樹脂製クラッド層
3との界面の少なくとも一方に凹凸部5を設けられたス
ラブ型光導波路デバイス(光導波部材)323を、複数
個積層して積層体を形成していると見ることもできる。
【0029】この場合、積層される複数の光導波部材3
23は、隣接する2つの光導波部材間で1層のクラッド
層を兼用している。このため、例えばクラッド層/コア
層/クラッド層/コア層/クラッド層というようにクラ
ッド層及びコア層を5層積層した場合には、2つの光導
波部材323を積層して積層体を形成したことになる。
【0030】なお、本実施形態では、隣接するクラッド
層を1層として共通に使用しているが、これに限られる
ものではなく、クラッド層/コア層/クラッド層の3層
積層体(光導波部材)323を基本構成とし、複数の光
導波部材323を樹脂フィルム4等の支持体を挟んで又
は挟まずに積層することもできる。また、光導波部材同
士を接着剤により積層することもできる。ここで、接着
剤としては、例えば硬化後にクラッド層として機能する
クラッド材を使用することができる。さらに、支持体と
しての樹脂フィルム4の裏面側にも同様にクラッド/コ
ア部材を積層したり、他の樹脂層を設けることで、積層
体のカールを抑える構成とすることもできる。
【0031】また、本実施形態では、光メモリ素子10
を構成するのに、光導波部材323を複数個積層して積
層体としているが、これに限られるものではなく、1個
の光導波部材(クラッド層/コア層/クラッド層の3層
積層体)323のみで光メモリ素子10を構成しても良
い。以上の説明において、コア材2には、塗布時には液
体で、その後、硬化させることのできる樹脂であればど
のような樹脂を適用してもよいが、好適な物質として
は、例えば、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂や熱
硬化性樹脂等が挙げられる。ただし、上述のごとくスタ
ンパによる転写を行なう場合には、光硬化性樹脂を適用
するのが好ましく、例えば、アクリル系,エポキシ系,
チオール系の各樹脂などが好ましい。
【0032】また、上記のクラッド材3は、透明で屈折
率がコア材2よりも僅かに小さい物質(樹脂)であれば
何でも良いが、各種樹脂製のクラッド材3を塗布すると
簡便である。光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等から成るク
ラッド材3は樹脂フィルム4との接着性に優れ、好適で
ある。また、コア材2、クラッド材3の塗布方法には、
例えば、スピンコート法,ブレードコート法,グラビア
コート法,ダイコート法等があるが、塗布膜厚と均一性
を満足すればどのような塗布方法を用いてもよい。
【0033】ここで、光導波部材323を積層してなる
積層体の厚さは、強度を得るために約0.3mm以上と
するのが好ましい。より好ましくは約0.5mm以上で
ある。ただし、光カード等の光メモリ(情報記録媒体)
としての携帯性を考慮すると約5mm以下とするのが好
ましい。より好ましくは約3mm以下である。本実施形
態において、支持体は、積層体(光メモリ素子10)を
保持する支持体として機能しうる物質であれば樹脂,金
属など各種のものが用いられるが、製造工程上、貼着
(ラミネート)を行うなど柔軟性が要求される場合は、
樹脂製の支持体とするのが好ましい。各種の硬化性樹脂
を塗布後硬化させたり、樹脂を溶剤に溶かして塗布し乾
燥させたりして樹脂製支持体としてもよいが、樹脂フィ
ルム4を用いると、スタンパ1上への貼着、剥離を繰り
返して行ないやすく、生産性、作業性の点で好ましい。
【0034】樹脂フィルム4には、具体的には、ポリカ
ーボネート,アートン(JSR社製)などの非晶質ポリ
オレフィン,PET(ポリエチレンテレフタレート),
PEN(ポリエチレンナフタレート)等の光学特性に優
れる(PENはさらに耐熱性にも優れる)熱可塑性の樹
脂フィルムが好適(特に、上記のPETやPENはいず
れも均一な厚みのフィルムを得られやすいので好適)
で、これらのいずれかを熱延伸或いは溶媒キャスト等の
方法で、例えば100μm以下の厚さにしたものがよ
い。
【0035】また、一般に樹脂フィルム4は、その製造
工程で、無機粒子等の光学的には散乱体として機能する
ものがフィルム内に混入される。フィルム内の散乱体に
よる光の散乱が信号の読み取りに際し問題になる場合、
フィルムの片面にのみクラッド/コア部材が積層されて
いる態様であれば、フィルムとして遮光性フィルムを用
いるか、もしくはフィルムとクラッド/コア部材の間に
遮光膜を設けることが好ましい。これにより、樹脂フィ
ルム内への光の伝搬、もしくはフィルム内での散乱光の
信号光への干渉を防ぐことができる。
【0036】この場合、支持体そのものを遮光性とする
ことが、光メモリ素子10の小型化が図れ、製造工程も
簡素化できるためより好ましい。ここで、上記遮光性フ
ィルム及び遮光膜としては、例えばカーボンを樹脂中に
練りこんだり、色素を添加したりして作製したPETフ
ィルムなどが挙げられる。なお、該遮光フィルムまたは
該遮光膜が作用する波長域については、再生に用いる導
入光(入射光,再生光)の波長を遮光することができれ
ば十分であり、可視光域全てを遮光する必要はない。遮
光性能については、フィルム厚さ方向で、90%以上の
光を遮断することができればよいが、99%以上の光を
遮断することができればより望ましい。
【0037】なお、コア層2,クラッド層3の膜厚につ
いては、コア層2,クラッド層3が光導波路として機能
するだけの膜厚であればよく、例えば、使用光波長域が
可視光の波長域であれば、コア層2はおおよそ0.5〜
3.0μm程度になると考えられる。この場合、クラッ
ド層3の膜厚に関しては特に制限は無いが、全体の厚み
を薄くすることを考慮すれば、100μm以下にするの
が好ましい。あえて下限を規定するなら、0.1μm以
上になると思われる。
【0038】クラッド層3は上記説明のように2層に分
けて形成するのが、膜厚が安定して好ましいが、1層と
して形成してもよい。また、上記では、樹脂フィルム4
として、枚葉のフィルムを用いた方式を説明したが、連
続フィルムによる実施も可能である。フィルム上へのコ
ア、クラッド材のダイコーター、マイクログラビア、バ
ーコータ等による塗布、スタンパを加圧した状態でのコ
ア、クラッド材の硬化等のプロセスを組み合わせること
により、支持体上にクラッド/コア部材を積層した構造
体を作製することができる。また、スタンパとしてロー
ルに巻き取り可能な形に加工したロールスタンパを用い
ることにより、スタンパからの転写プロセスの生産性を
向上させることも可能である。
【0039】上述のごとく構成された光メモリ素子10
では、例えば、光導波路としてのコア層2に入射端面を
介して光を導入すると、その導入光が界面の凹凸部分で
散乱しながら伝播する。このときの散乱光は導入光に対
して上下方向(交差する方向)のそれぞれに伝搬(透
過)していき、最終的に光メモリ素子の両面部から外部
へ放出され、凹凸パターンに応じた画像が結像すること
になる。
【0040】以上のように、本実施形態によれば、積層
されたコア層2とクラッド層3とがいずれも樹脂製で、
しかも、凹凸の形成されるコア層(コア材)2に光や熱
等で硬化しうる硬化性樹脂を用いているので、従来のよ
うにフォトレジストの露光,現像処理等を用いなくて
も、スタンパからの転写によって、コア層2とクラッド
層3との界面に容易に所望形状の凹凸部5を形成するこ
とが可能になる。
【0041】また、クラッド層3の膜厚を例えば10μ
m程度にすることによって、100層積層時にも素子の
膜厚を1mm程度に抑えることが可能となり、多層構造
の実用的な光メモリ素子10を製造することが可能とな
る。従って、多層構造の光メモリ素子10の大量生産が
可能になり、光メモリ素子10を従来よりも容易に(短
期間で)、且つ、安価に提供することができる。
【0042】このようにして製造される光メモリ素子1
0には、図2(A),(B)に示すように、樹脂製コア
層2と樹脂製クラッド層3との両層の界面に設けられる
凹凸部5の情報を読み出すための入射光(再生光)を樹
脂製コア層2へ導くための入射端面(入射光導入端面)
11が形成される。ここでは、円形スタンパを用いて作
製される光メモリ素子から所望の大きさになるように切
り出した個々の光メモリ素子の90度(光導波部材の表
面とのなす角度が90度)の端面を入射端面(90度入
射端面)11としている。
【0043】なお、入射光を樹脂製コア層2へ導くため
の入射端面11は、これに限られるものではなく、種々
のものが考えられる。例えば、光メモリ素子10の一方
の端面を45度(光導波部材の表面とのなす角度が45
度)に切断し、必要に応じて反射膜を形成してミラー端
面(傾斜端面,マイクロミラー)とし、このミラー端面
を入射端面(45度入射端面)としても良い。この場
合、光メモリ素子10の表面に対して垂直な方向から、
この45度入射端面に向かって光を入射させ、45度入
射端面で反射させて入射光を樹脂製コア層2へと導くこ
とになる。
【0044】このように、入射端面としては種々のもの
が考えられるが、一般的に入射端面を90度入射端面
[即ち、入射端面とコア層とのなす角度がほぼ90度
(ほぼ直角)]とすれば、45度入射端面とする場合よ
りも光メモリ素子10の作製コストを低く抑えることが
でき、また、入射光(再生光)を導入する関係上、情報
用凹凸部を設けることのできないデッドスペースも小さ
くすることができる。しかしながら、90度入射端面
は、このような利点を有する一方、例えば樹脂コート等
の方法によって保護するのが難しい。このため、特に、
90度入射端面を保護するために、以下に示すような方
法で入射端面を保護する本発明を適用すると効果が大き
い。
【0045】ところで、上述のような光導波部材323
に入射端面11を形成してなる光メモリ素子10を、例
えばカード状等の光メモリとして実用化するに当たって
は、光メモリ素子10の情報再生に支障をきたさないよ
うしながら、光メモリ素子10の入射端面11がキズつ
いたり、汚れたりしないように保護する必要がある。例
えばカード状等の光メモリのように持ち歩くことを想定
する場合には、携帯性を考慮する必要があるし、高い保
護効果が得られるようにする必要がある。
【0046】このため、本実施形態では、光メモリ素子
10の全体を覆って光メモリ素子10(特に入射端面1
1)を保護すべく、図1(A),(B)に示すように、
光メモリ素子10をカートリッジ(保護部材,保護ケー
ス;光メモリ素子10を保持する容器)20内に収納し
ている。ここで、カートリッジ20は、図1(A),
(B)に示すように、光メモリ素子10を内部に収納し
うるカートリッジ本体部21と、光メモリ素子10の入
射端面11を覆うように設けられる開閉可能な蓋部(カ
バー部,保護蓋)22とを備える。
【0047】ここでは、蓋部22は、カートリッジ本体
部21にヒンジ(継手,ジョイント部)23を介して回
転可能に取り付けられている。そして、蓋部22は、図
2(A),(B)中、矢印で示すように、情報再生時に
ドライブ(再生装置)によってヒンジ23を介して回転
させられて開けられ、これにより、カートリッジ20の
内部に収納されている光メモリ素子10の入射端面11
が露出(曝露)されるようになっている。このため、こ
のような蓋部22を回転式蓋部という。このような回転
式蓋部22を有するカートリッジ20は、ドライブによ
って蓋部22を確実に開閉させることができ、保護部材
を信頼性の高いものとして構成することができる。
【0048】このように、蓋部21を開閉しうるように
構成することで、情報再生時にのみ蓋部21を開けて入
射端面11を露出させ、情報を再生することができ、そ
れ以外の時には蓋部21を閉じて入射端面11を蓋部2
1によって覆うことで入射端面11を確実に保護するこ
とができるようになる。なお、ここでは、蓋部22を回
転可能な回転式蓋部として構成しているが、例えば、蓋
部を入射端面11と平行にスライドさせることにより、
入射端面11を露出させるようにしても良い。また、例
えば蓋部を可撓性のあるシート状部材により構成し、こ
のシート状部材によって光メモリ素子10の入射端面1
1を覆っておき、情報再生時に、カートリッジ本体部2
1の表面に沿って、このシート状部材をずらす(スライ
ドさせる)ことで、入射端面11を露出(曝露)させる
ようにしても良い。これを、スライド式蓋部という。
【0049】また、蓋部付きカートリッジ20を用いれ
ば、保護効果が高いため、例えば携帯性に優れたものと
なり、また、例えば保護シートを入射端面11に貼り付
けて保護する場合のように、その使用が数回程度に限ら
れることがなく、何回でも繰り返し使用可能となる。ま
た、カートリッジ20は、再生光を透過しうる材料(再
生光に対して透明な材料)で構成するのが好ましい。こ
の場合、少なくともカートリッジ20の一側の表面[図
1(A),(B)では、上側の面]、即ち、光メモリ素
子10がドライブ内に装着された場合にCCD受像機等
の側(出力側)の表面を再生光を透過しうる材料で構成
すれば良い。
【0050】これにより、光メモリ素子10をカートリ
ッジ20内に収納したまま、蓋部22を開けるだけで、
光メモリ素子10の凹凸部5で散乱した散乱光が、透明
材料で構成されたカートリッジ20を通って外部へ出力
されるようになり、これをCCD受像機等によって検出
できるようになる。そして、光メモリ素子10の凹凸部
5の情報を再生する際に、蓋部22が閉じられているカ
ートリッジ20内に収納されている光メモリ素子10
を、そのままドライブ(再生装置)に装着(挿入)する
と、ドライブ内でドライブの開閉機構によって機械的に
カートリッジ20の蓋部22が開けられ、光メモリ素子
10の入射端面11を露出させるようになっている。
【0051】一方、情報再生後に、カートリッジ20内
に収納されている光メモリ素子10をドライブから取り
出す際には、カートリッジ20の蓋部22が閉じられる
ようになっている。なお、ドライブは、カートリッジ2
0の蓋部22を開閉する開閉機構を備えるものとする必
要がある。このようにドライブ内でカートリッジ20の
蓋部22を開閉するようにすれば、カートリッジ20の
蓋部22を開閉する際に光メモリ素子10に手を触れて
しまうことがないため、光メモリ素子10(特に、入射
端面11)にキズをつけたり、汚れをつけたりすること
がなく、保護効果が高い。
【0052】なお、ここでは、ドライブ内でカートリッ
ジ20の蓋部22を開閉するようになっているが、これ
に限られるものではなく、ドライブに装着する直前に人
がカートリッジ20の蓋部22を開けて、蓋部22を開
けた状態でカートリッジ20をドライブに装着(挿入)
するようにしても良い。そして、この場合には、ドライ
ブから取り出される時には例えば蓋部22がばね等によ
って自動的に閉じるようにすれば良い。
【0053】また、ここでは、保護部材を、蓋部22を
備えるカートリッジ20としているが、これに限られる
ものではなく、例えば、以下の〜のように構成する
こともできる。 保護部材を、光メモリ素子10の全体を覆うようなカ
ートリッジ(蓋部を有しないもの)として構成し、その
内部に収納される光メモリ素子10の入射端面11に対
向する面に開口部を形成したものとして構成する。この
場合、カートリッジの端面に形成された開口部を介して
光メモリ素子10の入射端面11へ入射光が導入され、
光メモリ素子10の凹凸部5の情報が再生されることに
なる。
【0054】保護部材を、光メモリ素子10の全体を
覆うようなカートリッジ(蓋部を有しないもの)として
構成し、その内部に収納される光メモリ素子10の入射
端面11に対向する面を、入射光を透過しうる材料(入
射光に対して透明な材料)により構成する。この場合、
光メモリ素子10の凹凸部5の情報を再生するための入
射光は、カートリッジの透明材料で構成された面を通じ
て導入され、光メモリ素子10の凹凸部5の情報が再生
されることになる。
【0055】保護部材を、図5に示すように、2枚の
平面状部材(シート状部材;例えば樹脂製フィルム等)
30,31とし、光メモリ素子10の表面全体を覆うよ
うに光メモリ素子10を2枚の平面状部材30,31で
挟み込んで、光メモリ素子10の両面(上側表面及び下
側表面)に貼り合わせるようにしても良い。なお、上述
の光メモリ素子10の製造工程(積層工程)において、
光メモリ素子10を保持するために貼り合わされる支持
体としての樹脂フィルム4を平面状部材30,31とし
ても良い。特に、平板状部材30,31を支持体として
の樹脂製フィルム4とすれば、樹脂フィルム4は可撓性
があるため、光メモリ素子10を製造する際のハンドリ
ングが容易となる。この場合、支持体としての樹脂フィ
ルム4は光メモリ素子10の入射端面11を保護する平
面状部材30,31として用いることができるように、
後述する条件(寸法や貼合位置等)を満たすように形成
する必要がある。
【0056】これによれば、平板状部材30,31とし
て用いられる樹脂フィルム(支持体)4は、光メモリ素
子10の製造工程においては光メモリ素子10を保持す
る機能を有し、これにより、生産性,作業性を向上させ
ることができ、さらに、光メモリとした場合には、光メ
モリ素子10の入射端面11を保護する機能を有するこ
とになる。
【0057】また、平面状部材30,31は、図5に示
すように、光メモリ素子10の表面全体を覆いうるよう
に、光メモリ素子10の上側表面(又は下側表面)の表
面積よりも大きい表面積を有するものとして構成され
る。この平面状部材30,31は、光メモリ素子10の
入射端面11側からはみ出すようにして貼り合わされる
つまり、平面状部材30,31は、その一部(端部)が
光メモリ素子10の入射端面11よりも突出するように
して貼り合わされる。そして、平面状部材30,31を
貼り合せた光メモリ素子10をドライブ内に装着(挿
入)すると、平面状部材30,31の端部30A,31
Aが光メモリ素子10の入射端面11よりも入射光の光
源側へ突き出した状態となる。
【0058】これにより、光メモリ素子10(特に、入
射端面11)が保護部材としての平面状部材30,31
によって、例えば光メモリをケース中に保管する際や光
メモリを使用する等のハンドリング時に、光メモリ素子
10の入射端面11を保護することができ、入射端面1
1が傷つけられたり、汚れたりするのを防止することが
できる。
【0059】一方、光メモリ素子10の入射端面11
は、保護部材としての2枚の平面状部材30,31の間
で剥き出しの状態になっているため、入射端面11を介
して導入される入射光の光量が減ってしまい、結合効率
が下がってしまうことがなく好ましい。つまり、光メモ
リ素子10の入射端面11を保護するために入射端面1
1を樹脂等によって覆ってしまうと、情報再生時にコア
層2へ導入する必要のある入射光の光量が減ってしま
い、結合効率が下がってしまうのに対し、本実施形態で
は、入射端面11は、2枚の平面状部材30,31に挟
まれて保護されつつ、その入射端面11の表面は剥き出
しの状態となっているため、入射端面11を介して導入
される入射光の光量が減ってしまい、結合効率が下がっ
てしまうことがなく好ましい。
【0060】また、このように2枚の平面状部材30,
31によって光メモリ素子10を挟み込んで貼りあわせ
るだけで良く、このように光メモリ素子10を挟み込む
構造とすると光メモリ素子10の入射端面11側が開放
されるため、この開放部から光メモリ素子10の情報を
再生するための入射光を導入することができ、上述のよ
うに開閉可能な蓋部22を設けるものよりも簡単な構成
とすることができ、安価に保護部材を構成することがで
きる。また、上述のようにドライブに蓋部22を開閉す
る機能を備えさせる必要がなく、複雑な機構を必要とし
ないため、ドライブを簡素な構成で、安価に構成するこ
とができる。
【0061】ここで、平面状部材30,31の光メモリ
素子10の入射端面11側からはみ出す部分、即ち入射
端面よりも突出する部分を突出部30A,31Aとい
う。この突出部30A,31Aの長さ(入射端面11よ
りも突き出している部分の長さ)は、約0.5mm以上
約1.5mm以下であるのが好ましい。ここで、突出部
30A,31Aの長さを約0.5mm以上としているの
は、入射端面11の保護が不十分になりやすく、また、
後述するようにこの部分を遮光部として構成する場合に
は遮光性が不十分になるからである。一方、突出部30
A,31Aの長さを約1.5mm以下としているのは、
入射光としてのレーザ光の光路が遮られやすくなるから
である。つまり、レーザ光をレンズ系で入射端面11に
結像させる際に、その光路を突出部30A,31Aが遮
らないようにするためである。
【0062】また、光メモリ素子10が光導波部材32
3を複数個積層して構成される場合には、上述のように
平面状部材30,31を光メモリ素子10の両面に貼り
合せるだけでなく、さらに、図6に示すように、複数個
の光導波部材(積層体)323の間にも、1個(又は複
数個)の平面状部材32(例えば樹脂フィルム4)を設
けるのが好ましい。特に、平面状部材30,31は、積
層体の厚さ方向にできるだけ等間隔になるように設ける
のが望ましい。
【0063】これは、光メモリ素子10の厚さが厚い場
合(例えば2−3mm厚)には、上下両面に平面状部材3
0,31を設けるだけでは、積層体の厚さ方向の中央部
付近の入射端面11の保護が不十分になり易いが、この
ような場合であっても、光メモリ素子10の入射端面1
1が確実に保護されるようにするためである。例えば、
2個の光導波部材323が積層されている場合には、そ
の間に1つの平面状部材32を設ける。また、それ以上
の複数個の光導波部材323が積層されている場合に
は、それぞれの光導波部材323の間に1つずつ平面状
部材32を設ける。この場合、複数個の平面状部材32
が設けられることになる。
【0064】また、少なくとも、光メモリ素子10の凹
凸部5で散乱した光を取り出す側(出力側)に設けられ
る平面状部材(即ち、ドライブに光メモリを装着した場
合に出力信号検出器としてのCCD受像機側となる平面
状部材)31は、図7に示すように、その一部、即ち入
射端面11側の端部31Aを、入射光のうち出力側へも
れる迷光を遮ることができるように、遮光性を有する遮
光部40を有するものとして構成するのが好ましい。
【0065】特に、図8に示すように、平面状部材3
0,31の少なくとも突出部30A,31Aを遮光部4
0として構成するのが好ましい。このように入射端面1
1近傍の部分だけに遮光性を有する遮光部40を設けれ
ば、入射光の迷光を除去するのには十分である。例え
ば、平面状部材31を樹脂フィルム4とする場合、遮光
部40は遮光性フィルムとして構成する。ここで、遮光
性フィルムとしては、例えばカーボンを樹脂中に練りこ
んだり、色素を添加したりして作製したPETフィルム
などが挙げられる。なお、遮光フィルム又は遮光膜が作
用する波長域については、再生に用いる入射光の波長を
遮光することができれば十分であり、可視光域全てを遮
光する必要はない。遮光性能については、フィルム厚さ
方向で、90%以上の光を遮断することができればよい
が、99%以上の光を遮断することができればより望ま
しい。
【0066】また、平面状部材31と遮光部40とを同
一(単一)の樹脂フィルムで作製することとし、樹脂フ
ィルム上に遮光膜を形成するようにしても良い。例え
ば、樹脂フィルムの遮光部を形成すべき領域(部分)
に、色素等を塗布したり、または遮光性フィルムを貼着
したりしても良い。上述のように出力側の平面状部材3
1の端部31Aに遮光部40を設けることにより、入射
光のうち出力側へもれる迷光を遮ることができ、CCD
受像機によって受光される出力光(散乱光)に含まれて
しまう迷光を除去することができる。
【0067】特に、上述のように保護部材を蓋部付きカ
ートリッジ20とする場合には、光メモリ素子10の情
報を再生する際には蓋部22が開けられてしまうため、
このような遮光部を設けて迷光を防ぐことはできない
が、本態様では、光メモリ素子10の情報を再生する際
に、保護部材としての平面状部材30,31は取り外し
たりしないで、そのままの状態とされるため、このよう
に遮光部40を設けることで迷光を防ぐことができるの
である。
【0068】したがって、本実施形態にかかる光メモリ
によれば、光メモリ素子10の情報の再生に支障をきた
さないようしながら、光メモリ素子10の入射端面11
を用途に応じて適切に保護できるという利点がある。つ
まり、本実施形態では、保護部材を蓋部22付きのカー
トリッジ20としており、保護効果が高く、光メモリ素
子10、特にその入射端面11を確実に保護できること
になる。
【0069】このため、光メモリを、例えば光メモリを
繰り返し使用することを予定したものとする場合や携帯
して持ち歩くことを予定したものとする場合等に適した
保護形態である。また、光メモリを、例えば携帯端末の
オペレーティングシステム(OS)を格納するものとし
て用いる場合等に適した保護形態である。 (第2実施形態の説明)次に、第2実施形態にかかる光
メモリについて、図9(A),(B)を参照しながら説
明する。
【0070】本実施形態では、上述の第1実施形態で
は、例えばカード状等の光メモリのように持ち歩くこと
を想定して、携帯性を考慮し、かつ、高い保護効果が得
られるようにすべく、光メモリ素子10をカートリッジ
20内に収納しているのに対し、1回(又は数回)だけ
使用することを想定して、例えばアプリケーションプロ
グラムのインストールに用いる場合や映画や音楽の再生
に用いる場合を想定して、多少保護効果が低くても、コ
ストを低く抑えることができ、安価なものとして構成で
きるようにしている。
【0071】具体的には、本実施形態では、図9(A)
に示すように、保護部材は剥離可能な保護シート50と
し、この保護シート50を光メモリ素子10の入射端面
11を覆うように貼り付けている。ここで、保護シート
50は、入射端面11を保護しうるシールやテープのよ
うなものである。これによれば、安価で、かつ、簡易
に、入射端面11を保護できる。この場合、保護シート
50を、剥がしても入射端面11に糊等が残らないもの
とし、再貼着可能なシートとして構成すれば、数回程度
の使用には耐えうるものとする。このため、光メモリ
を、再生回数を数回程度に制限したいような場合に適し
ている。
【0072】そして、光メモリ素子10の凹凸部5の情
報を再生する際に、光メモリ素子10をドライブ(再生
装置)に装着(挿入)すると、ドライブ内でドライブの
シート剥離機構によって、図9(B)示すように、保護
シート50が剥離され、光メモリ素子10の入射端面1
1を露出させるようになっている。一方、情報再生後
に、光メモリ素子10をドライブから取り出す際には、
再度、入射端面11にドライブのシート貼付機構によっ
て剥がされた保護シート50が貼り付けられるようにな
っている。なお、ドライブは、保護シート50を剥離し
たり、貼付したりするシート剥離機構,シート貼付機構
を備えるものが好ましい。また、保護シート50は人が
手で剥がすようにしても良い。
【0073】なお、保護シート50は、一旦剥離すると
再貼着不可能なシートとすることもできる。一度再生し
た後は、入射端面11が保護されないので、再生回数を
制限したい場合に適している。これにより、再生回数を
1回のみに制限するリードワンスを実現することができ
る。このため、光メモリをリードワンス媒体として使用
したいような場合に適している。
【0074】そして、光メモリ素子10の凹凸部5の情
報を再生する際に、光メモリ素子10をドライブ(再生
装置)に装着(挿入)すると、ドライブ内でドライブの
シート剥離機構によって、図9(B)示すように、保護
シート50が剥離され、光メモリ素子10の入射端面1
1を露出させるようになっている。一方、情報再生後
に、光メモリ素子10をドライブから取り出す際には、
入射端面11は露出されたままになっている。なお、ド
ライブは、保護シート50を剥離するシート剥離機構を
備えるものとする必要がある。
【0075】したがって、本実施形態にかかる光メモリ
によれば、光メモリ素子10の情報の再生に支障をきた
さないようしながら、光メモリ素子10の入射端面11
を用途に応じて適切に保護できるという利点がある。つ
まり、本実施形態では、保護部材を保護シート50とし
ており、上述の第1実施形態のようにカートリッジとす
る場合よりも保護効果は低いが、簡単に、かつ、安価に
光メモリ素子10の入射端面11を保護することができ
ることになる。このため、光メモリを、特に携帯性を考
慮せず、1回又は数回のみの使用を予定したものとする
場合、例えばアプリケーションプログラムのインストー
ルに用いる場合や映画や音楽の再生に用いる場合等に適
した保護形態である。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の光メモリによれ
ば、光メモリ素子の情報の再生に支障をきたさないよう
しながら、光メモリ素子の入射端面を保護できるという
利点がある。請求項2記載の本発明の光メモリによれ
ば、一般的に樹脂コート等が難しく、保護の難しいほぼ
直角の入射端面(90度入射端面)を確実に保護できる
という利点がある。
【0077】請求項3記載の本発明の光メモリによれ
ば、保護部材をカートリッジとしているため、保護効果
が高いという利点がある。例えば、光メモリを繰り返し
使用することを予定したものとする場合や携帯して持ち
歩くことを予定したものとする場合等に、光メモリ素子
の入射端面の適切な保護を実現することができる。請求
項4記載の本発明の光メモリによれば、保護部材を開閉
可能な蓋部を有するカートリッジとしているため、保護
効果が高く、何度でも使用可能であるという利点があ
る。
【0078】請求項5記載の本発明の光メモリによれ
ば、保護部材を開口部を有するカートリッジとしている
ため、保護効果が高く、何度でも使用可能であるという
利点がある。請求項6記載の本発明の光メモリによれ
ば、保護部材を2枚の平面状部材とし、これらの平面状
部材を入射端面よりも突出させるようにしているため、
光メモリ素子の入射端面を、簡単かつ安価な構成で、確
実に保護することができるという利点がある。また、保
護効果も高く、何度でも使用可能である。
【0079】請求項7記載の本発明の光メモリによれ
ば、平面状部材が樹脂製フィルムであり、可撓性がある
ため、光メモリの製造時のハンドリングが容易であると
いう利点がある。請求項8記載の本発明の光メモリによ
れば、入射光を遮ることなく、入射端面の十分な保護を
図ることができるという利点がある。
【0080】請求項9記載の本発明の光メモリによれ
ば、光メモリの厚さが厚い場合には、光メモリの厚さ方
向の中央部における保護が不十分となり易いが、このよ
うな場合であっても、光メモリ素子の入射端面を確実に
保護することができるという利点がある。請求項10記
載の本発明の光メモリによれば、遮光部が備えられてい
るため、入射光の迷光を除去することができるという利
点がある。
【0081】請求項11記載の本発明の光メモリによれ
ば、入射端面の近傍のみに遮光部を設けることで、効率
的に入射光の迷光を除去することができるという利点が
ある。請求項12記載の本発明の光メモリによれば、保
護部材が保護シートであるため、安価で、かつ、簡易に
光メモリ素子の入射端面を保護できるという利点があ
る。例えば、光メモリを、特に携帯性を考慮せず、1回
又は数回のみの使用を予定したものとする場合、例えば
アプリケーションプログラムのインストールに用いる場
合や映画や音楽の再生に用いる場合等に、光メモリ素子
の入射端面の適切な保護を実現することができる。
【0082】請求項13記載の本発明の光メモリによれ
ば、保護シートを一旦剥離すると、入射端面が曝露さ
れ、その後は保護されないので、再生回数を制限できる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる光メモリの全体
構成を示す模式図であって、(A)はその斜視図であ
り、(B)はその側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる光メモリの蓋部
の開いた状態を示す模式図であって、(A)はその斜視
図であり、(B)はその側面図である。
【図3】(A)〜(G)は、本発明の第1実施形態にか
かる光メモリ素子を構成する積層体の製造方法を説明す
るための模式的断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる光メモリ素子を
構成する積層体の積層構造の一例を説明するための模式
的断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例にかかる光メモ
リ(保護部材を平面状部材としたもの)を示す模式的断
面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例にかかる光メモ
リ(保護部材を平面状部材としたもの)の積層体の間に
平面状部材を設けた例を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に変形例かかる光メモリ
(保護部材を平面状部材としたもの)の平面状部材に遮
光部を設けた例を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例にかかる光メモ
リ(保護部材を平面状部材としたもの)の平面状部材の
突出部に遮光部を設けた例を示す模式的断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる光メモリの全体
構成を示す模式的断面図であって、(A)は保護シート
が貼り付けられた使用前の状態を示す図であり、(B)
は保護シートが剥がされた使用中又は使用後の状態を示
す図である。
【図10】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図11】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図12】(A),(B)はいずれも従来の光メモリ素
子の動作原理を説明するための模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 スタンパ 2 コア層 3 クラッド層 4 樹脂フィルム(支持体) 5 凹凸部 10 光メモリ素子 11 入射端面 20 カートリッジ(保護部材) 21 カートリッジ本体部 22 蓋部 23 ヒンジ 30,31,32 平面状部材(保護部材) 30A,31A 端部(突出部) 40 遮光部 50 保護シート(保護部材)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製コア層と、前記樹脂製コア層の両
    面に積層された樹脂製クラッド層とからなり、前記樹脂
    製コア層と前記樹脂製クラッド層との界面の少なくとも
    一方に情報用凹凸部を有する光導波部材に、前記情報用
    凹凸部の情報を再生する再生光を前記樹脂製コア層へ導
    入するための入射端面を形成してなる光メモリ素子と、 前記入射端面を保護する保護部材とを備えることを特徴
    とする、光メモリ。
  2. 【請求項2】 前記入射端面と前記樹脂製コア層とのな
    す角度が、ほぼ直角であることを特徴とする、請求項1
    記載の光メモリ。
  3. 【請求項3】 前記保護部材が、前記光メモリ素子を収
    納するカートリッジであることを特徴とする、請求項1
    又は2記載の光メモリ。
  4. 【請求項4】 前記カートリッジが、前記入射端面を覆
    うように設けられる開閉可能な蓋部を備えることを特徴
    とする、請求項3記載の光メモリ。
  5. 【請求項5】 前記カートリッジが、前記入射端面へ向
    けて入射光を導入しうる開口部を備えることを特徴とす
    る、請求項3記載の光メモリ。
  6. 【請求項6】 前記保護部材が、前記光メモリ素子を挟
    んで前記光メモリ素子の両面に貼り合わされる2枚の平
    面状部材であり、 前記平面状部材が、前記入射端面よりも突出する突出部
    を備えることを特徴とする、請求項1又は2記載の光メ
    モリ。
  7. 【請求項7】 前記平面状部材が、樹脂製フィルムであ
    ることを特徴とする、請求項6記載の光メモリ。
  8. 【請求項8】 前記突出部の長さが、0.5mm以上
    1.5mm以下であることを特徴とする、請求項6又は
    7記載の光メモリ。
  9. 【請求項9】 前記光メモリ素子が、前記光導波部材を
    複数個積層して構成され、 前記複数個の光導波部材の間に前記平面状部材が設けら
    れることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に
    記載の光メモリ。
  10. 【請求項10】 前記平面状部材が、遮光部を備えるこ
    とを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の
    光メモリ。
  11. 【請求項11】 前記遮光部が、少なくとも前記突出部
    に設けられることを特徴とする、請求項10記載の光メ
    モリ。
  12. 【請求項12】 前記保護部材が、前記入射端面を覆う
    ように貼り付けられる剥離可能な保護シートであること
    を特徴とする、請求項1又は2記載の光メモリ。
  13. 【請求項13】 前記保護シートが、一旦剥離すると再
    貼着不可能なシートであることを特徴とする、請求項1
    2記載の光メモリ。
JP2001015823A 2001-01-24 2001-01-24 光メモリ Withdrawn JP2002222593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001015823A JP2002222593A (ja) 2001-01-24 2001-01-24 光メモリ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001015823A JP2002222593A (ja) 2001-01-24 2001-01-24 光メモリ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002222593A true JP2002222593A (ja) 2002-08-09

Family

ID=18882304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001015823A Withdrawn JP2002222593A (ja) 2001-01-24 2001-01-24 光メモリ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002222593A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109891428B (zh) 片和光学指纹扫描器
US20070047037A1 (en) Hologram recording medium and hologram recording method
JP2002222593A (ja) 光メモリ
US6771867B2 (en) Optical memory device and method for fabricating optical memory device, and method and apparatus for lamination with filmy member
JP2001027714A (ja) 光メモリ素子及びその製造方法
JP2002222592A (ja) 情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法
JP2004103196A (ja) 情報記録媒体及びその製造方法
JP2003123497A (ja) 光メモリ
JP2003050534A (ja) 光メモリ素子,光メモリ素子の記録方法及び光メモリ素子の再生方法
JP2002358789A (ja) 光メモリ素子及びその再生方法
JP2002222594A (ja) 光メモリ素子及び光メモリ並びに光メモリ素子の再生方法
EP3796213A1 (en) Optical fingerprint recognition system and mobile device having same
JP2002358788A (ja) 光メモリ素子及びその再生方法
JP4076815B2 (ja) ホログラム記録システム、ホログラム再生システム、ホログラム記録装置、ホログラム再生装置、及びその方法、並びにホログラム記録再生システム、ホログラム記録再生装置
JP2003085984A (ja) 光メモリ素子用記録再生装置
JP2003085983A (ja) 光メモリ素子用記録再生装置及び光メモリ素子
JP2002311268A (ja) 情報記録媒体及びその製造方法
JP2003085982A (ja) 光メモリ素子
JP2006023455A (ja) ホログラム記録媒体及びホログラム記録媒体の作製方法
JP2001027715A (ja) 光メモリ素子及びその製造方法
JP2003085981A (ja) 光メモリ素子
JP2006023456A (ja) ホログラム記録媒体およびその製造方法
JP2001176274A (ja) 光メモリ素子
JP2003115191A (ja) 光メモリ素子
JP2001351387A (ja) 光メモリ素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050427