JP2003050358A - 検体温度管理器の本体部 - Google Patents

検体温度管理器の本体部

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JP2003050358A
JP2003050358A JP2001238682A JP2001238682A JP2003050358A JP 2003050358 A JP2003050358 A JP 2003050358A JP 2001238682 A JP2001238682 A JP 2001238682A JP 2001238682 A JP2001238682 A JP 2001238682A JP 2003050358 A JP2003050358 A JP 2003050358A
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JP2001238682A
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Hideji Tsuchiya
秀治 土屋
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Tokai Hit Co Ltd
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Tokai Hit Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の検体温度管理器においては、トッププレ
ートの熱膨張が逃がされないことにより反りが生じて焦
点合わせを狂わせるという問題があった。 【解決手段】フレーム主部5とこれに嵌合されるプレー
ト押えリング7とでベースフレーム3を構成し、発熱用
の透明導電膜15が形成された加熱プレート13とトッ
ププレート11とを貼り合わせたプレートユニット21
の外周部を、フレーム主部5のプレート押え部5cとプ
レート押えリング7とで上下両側から否固定の状態で保
持し、プレートユニット21の外側に膨張許容空間23
を設けた。従って、プレートユニット21が厚み方向と
直交する方向へ熱膨張しても、それがベースフレーム3
によって阻止されることは無いので、トッププレート1
1に厚み方向への反りが生じることは無い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として顕微鏡観
察に用いる検体温度管理器の本体部に関する。詳しく
は、顕微鏡のステージに載せて使用され、目的の試料を
載せるトッププレートとこのトッププレートを少なくと
も加熱するための手段等をフレームに保持した構造の本
体部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、顕微鏡観察に際して検体や標本
などの試料を所望の温度に保持するための検体温度管理
器は、通常、顕微鏡のステージに載せる本体部がプレー
ト形をしている。この本体部は、試料を載置するための
トッププレートと、このトッププレートを加熱若しくは
冷却するための手段と、所要の配線や配管などを枠状或
いは皿状をしたフレームに組み込んだ構造になってい
て、顕微鏡のステージ(載物台)上面に置いたり、ある
いは、ステージに形成されているツール嵌込み凹部に収
めて使用する。このような検体温度管理器には、加温専
用のもの、冷却専用のもの、加温/冷却兼用のもの等、
幾つかの種類があり、加熱手段としてはITO膜などの
導電膜やペルチェ素子などが比較的多く用いられ、冷却
手段としてはペルチェ素子が多用されている。
【0003】従来の加温専用タイプの検体温度管理器の
本体部の一例aを図7に示す。同図において、bは平皿
形をした合成樹脂製のベースフレームを示し、その外周
面の上部から水平な外フランジcが張り出し、底壁の中
央には透光孔dが形成されている。このベースフレーム
bの中に、透明なトッププレートeと、これに下方から
重ねた透明な加熱プレートfを互いに貼り合せた状態で
収めてある。加熱プレートfの上面全域には発熱体とし
ての図示しない導電膜が設けられていて、これに通電す
ることで導電膜が発熱し、その熱によって加熱プレート
f及びトッププレートeが加熱される。
【0004】このような本体部aは、外フランジcを顕
微鏡のステージgに形成されているツール嵌込み凹部h
に収めることで顕微鏡に装着し、観察目的の試料iはト
ッププレートeの上面である試料載置面に直接載せる
か、又はスライドガラスjに載せてこれを試料載置面に
置くことで加温し、今観察しようとする試料iを透光孔
dの真上に移動してはこれを対物レンズkを通して見
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】導電膜の発熱度は、こ
れに接続されたコントローラーによって一定に制御され
るのであるが、この発熱度の変化をゼロに保つことは事
実上不可能であって、ある程度の幅で上がり下がりを繰
り返す。このため、本体部aの各部、特に、導電膜によ
って直接的に加熱されるトッププレートeの温度は絶え
ず変化し、この温度変化が、顕微鏡で設定した焦点合わ
せを狂わせる原因になる。即ち、従来の本体部aにあっ
ては、トッププレートeがその厚み方向と直交する方向
でベースフレームbに位置固定された状態で保持されて
いるために、その温度変化に伴う膨張と収縮、特に、膨
張する際に厚み方向への反りが生じ、この反りがトップ
プレートeの試料載置面と対物レンズkとの距離を変化
させて焦点合わせを狂わせることになる。この狂いは、
照明光を試料iに集めるためのコンデンサレンズmの焦
点合わせについても起こる。
【0006】通常、このトッププレートeの反りはミク
ロン単位であるが、600倍乃至1000倍といった高
倍率の対物レンズを用いる場合は、反りの大きさも同程
度に拡大されるので、焦点が確実にぼけてしまう。当
然、焦点がぼけた場合はこれを調整し直さなければなら
ないし、また、顕微鏡にカメラを取り付けて、対物レン
ズkが捉えた像を無人撮影モードで撮影する場合は、知
らないうちに焦点ボケの像が撮影されてしまうという重
大な問題が生じる。
【0007】まして、導電膜の温度制御を経時的に変化
させるプログラム制御で行うときは、温度変化も大きい
ので、焦点合わせの狂いは更に大きくなってくる。ま
た、トッププレートeや加熱プレートfにアルニウム製
のものを用いたタイプのものは、これらプレートの熱膨
張率が大きいために、焦点合わせの狂いは一層顕著にな
る。尚、このような問題は加熱手段として導電膜を用い
た場合に限らず、ペルチェ素子やその他の手段を用いる
場合でも同様に発生する。
【0008】本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為
されたものであり、トッププレートが熱膨張しても、そ
れに伴って厚み方向への反りが発生するのをほぼ確実に
防止することができる新規な検体温度管理器の本体部を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載した検体温度管理器の本体部は、ト
ッププレートと該トッププレートを加熱するための加熱
手段とを有するプレートユニットと、該プレートユニッ
トが保持され顕微鏡のステージに載置されるベースフレ
ームとを備えており、プレートユニットの外周部を、こ
のプレートユニットが厚み方向と直交する方向へ伸長し
得るように前記ベースフレームに保持したことを特徴と
するものである。
【0010】従って、本発明によれば、プレートユニッ
トが熱膨張でその厚み方向と直交する方向へ伸長するの
をベースフレームによって阻止されることは無いので、
トッププレート等が熱膨張してもその膨張が厚み方向へ
の反りとなることは先ず有り得ない。これにより、トッ
ププレート等が熱膨張しても、その上面である試料載置
面と対物レンズやコンデンサレンズとの距離が狂わされ
るのをほぼ確実に防止することができる。
【0011】本発明におけるプレートユニットは、使用
する加熱手段等の種類に応じて所望の形態にすれば良
い。例えば、加熱手段として導電膜だけを用いる場合
は、通常、トッププレートとこれに貼り合わせる別のプ
レートとこれらのいずれかにコーティングされた導電膜
等で構成された形態や、トッププレートとこれにコーテ
ィングされた導電膜及び保護膜などで構成された形態と
し、加熱手段としてペルチェ素子を用いる場合は、トッ
ププレートと伝熱プレートやペルチェ素子等をユニット
フレームに一体的に保持した形態とすれば良い。
【0012】本発明において、プレートユニットの外周
部を厚み方向と直交する方向へ伸長し得るようにベース
フレームに保持させる構造としては幾つか考えられる
が、請求項2の発明のように、ベースフレームにプレー
トユニットの外周を囲う膨張許容空間を設け、ベースフ
レームによるプレートユニットの保持はトッププレート
の厚み方向と直交する方向では否固定とすれば、プレー
トユニットの厚み方向での位置を固定しながらこのプレ
ートユニットの熱膨張を膨張許容空間へ逃がすことがで
きるので、プレートユニットやベースフレームの構造が
簡単で済む。
【0013】請求項2における膨張許容空間は、単に中
空な空間としても良いが、請求項3に記載のように膨張
許容空間に弾性材を充填すれば、トッププレートなどの
熱膨張を許容したまま、プレートユニットがベースフレ
ームに対して不用意に動くのを防止することができる
し、膨張許容空間への水等の侵入を防止することにも役
立つ。この場合の充填材としては、硬化後も弾性を保つ
ゲル状の接着剤等が望ましい。
【0014】また、本発明を具体化するに当たって、ベ
ースフレームの構造、特に、プレートユニットの外周を
外側から囲う膨張許容空間を設けながらプレートユニッ
トを保持するという構造についてはいろいろ考えられる
が、例えば、請求項4に記載のように、ベースフレーム
を、トッププレートの厚み方向で互いに結合される2以
上のフレーム部材で構成し、その複数のフレーム部材で
トッププレートの外周部を厚み方向両側から保持すると
いった構造にすれば、ベースフレームへのプレートユニ
ットの組込みを容易に行うことができる。この場合、膨
張許容空間を設けるためには、ベースフレームの内側空
間の大きさをプレートユニットの外周の大きさより多少
大きくしておくだけで済む。
【0015】請求項5に記載した検体温度管理器の本体
部は、請求項4に記載した検体温度管理器の本体部にお
いて、トッププレートに上側から対向する部位を有する
フレーム部材とトッププレートの上面との間を水密に塞
ぐためのシール材を、トッププレートには否固定の状態
で設けたことを特徴とするものである。このようにすれ
ば、トッププレートの上面に落ちた液体が膨張許容空間
に侵入するのを効果的に防止することができ、それでい
て、トッププレートの熱膨張を妨げることも無い。
【0016】請求項6に記載した検体温度管理器の本体
部は、請求項4に記載した検体温度管理器の本体部にお
いて、トッププレートに上側から対向する部位を有する
フレーム部材の当該部位に、ゴム様弾性を有するガスケ
ットを設けたことを特徴とするものである。この発明に
よっても、トッププレートの上面に落ちた液体が膨張許
容空間に侵入するのを効果的に防止することができ、そ
れでいて、トッププレートの熱膨張を妨げることも無
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る検体温度管
理器の本体部の詳細を、図面に示した各実施の形態に従
って説明する。 〔1.第一の実施の形態〕(図1〜図3) 図1から図3は、第一の実施の形態に係る本体部1を示
すものである。この本体部1は加温専用タイプのもので
あり、加熱手段として透明導電膜を用いている。
【0018】〔A.各部材の形状等〕本体部1は、合成
樹脂製のベースフレーム3と、このベースフレーム3に
保持されたトッププレート11及び加熱プレート13
と、加熱プレート13にコーティングされた透明導電膜
15と、この透明導電膜15に接着された正負一対の電
極17、17′と、遮光紙19等で構成される。
【0019】ベースフレーム3は、フレーム部材として
のフレーム主部5とプレート押えリング7とが互いに結
合されて成るもので、これらフレーム主部5とプレート
押えリング7はいずれも合成樹脂で形成されている。フ
レーム主部5は全体的に見て円環形をしており、その周
方向と直交する断面は概ねT字形を為す。即ち、フレー
ム主部5は、図2及び図3を見て分かるように、リング
状をした中間壁5aと、この中間壁5aの上半部から厚
肉な外フランジ様に外側へ突出したステージ孔嵌合部5
bと、中間壁5aの上端部から内フランジ様に内側へ突
出したプレート押え部5cとが一体に形成されており、
このプレート押え部5cは垂直断面が逆さL字形をして
いる。
【0020】プレート押えリング7は、フレーム主部5
の中間壁5aの下部にぴったり嵌る大きさの円帯形をし
ており、その厚み方向へ貫通したコード通し孔7aが形
成されている。このプレート押えリング7は、フレーム
主部5の中間壁5aの下部に嵌合され、それによってベ
ースフレーム3が構成される。この嵌合は、フレーム主
部5にトッププレート11や加熱プレート13から成る
プレートユニット21を収納した状態で行われる。コー
ド通し孔7aには図示しないコントローラーから延びた
接続コードの先端部が下方から通される。
【0021】トッププレート11及び加熱プレート13
は、いずれも無色透明な硬質ガラス製のもので、円板形
を為し、厚さは1mm乃至0.4mm程度である。トッ
ププレート11の外径はフレーム主部5の中間壁5aの
内径より1mm乃至2mm程度小さく、加熱プレート1
3の外径は、トッププレート11の外径より多少小さ
い。透明導電膜15(図3に砂地模様で示してある)
は、加熱プレート13の上面の全域に設けられている。
この透明導電膜15は、300〜800オーム程度のI
TO膜であって、例えば、SiO2−インジウム合金等
を基材としたスパッタリング法や、真空蒸着法などの各
種気相法によって、膜厚ほぼ30ミクロン程度に形成さ
れる。
【0022】一対の電極17、17′は、銅など導電性
の優れた金属箔で形成され、互いに平行に並んだ状態で
透明導電膜15の上面に接着されている。この接着に
は、導電性接着剤を用いる。トッププレート11の下面
には遮光紙19が貼付される。この遮光紙19はトップ
プレート11とほぼ同じ大きさの円形シートであって、
その中央に円形の孔19aが形成されている。
【0023】〔B.組立て、膨張許容空間〕電極17、
17′が設けられた加熱プレート13と、遮光紙19が
貼付された状態のトッププレート11は互いに中心を合
わせた状態で貼り合わされる。この貼り合わせは、絶縁
性を有する透明な接着剤で行う。これにより、トッププ
レート11と遮光紙19と電極17、17′と透明導電
膜15と加熱プレート13が上からこの順で重なった多
層構造のプレートユニット21(図3参照)が構成され
る。従って、このプレートユニット21は、遮光紙19
の孔19aに対応した部分だけが透光部となる。加熱プ
レート13の下面における側端部には図示しない薄形の
温度センサーが接着される。
【0024】プレートユニット21は、フレーム主部5
の中間壁5aの内側に下方から収められ、この状態で、
前記プレート押えリング7が中間壁5aに嵌合される。
このときプレート押えリング7を中間壁5aだけに接着
するが、プレートユニット21はフレーム主部5とプレ
ート押えリング7のいずれに対しても接着はしない。前
記したように、トッププレート11の外径はこのプレー
トが収まった中間壁5aの内径より1mm乃至2mm程
度小さいだけであるから、プレートユニット21が中間
壁5a内に収められると、トッププレート11の外周部
はフレーム主部5のプレート押え部5cに下から当り、
加熱プレート13の外周部にはプレート押えリング7が
下から当る。
【0025】しかして、フレーム主部5とプレート押え
リング7とが結合されてベースフレーム3が組み上がる
と共に、プレートユニット21の外周部が、フレーム主
部5のプレート押え部5cとプレート押えリング7とで
厚み方向両側から挟まれてベースフレーム3に保持され
る。この保持は、プレートユニット21の厚み方向での
位置は固定するが、厚み方向と直交する方向では位置固
定しない。
【0026】そして、トッププレート11の外径がこれ
を収めた中間壁5aの内径より多少でも小さいことによ
って、結果的に、ベースフレーム3にはプレートユニッ
ト21の外周を外側から囲う膨張許容空間23(図2参
照)が形成される。しかして、プレートユニット21
は、厚み方向での位置は固定されるが、厚み方向と直交
する方向へは少なくとも熱膨張による伸長を妨げられな
い状態でベースフレーム3に保持される。これにより、
トッププレート11や加熱プレート13が熱膨張して
も、少なくともその厚み方向に反りが生じることは無
い。
【0027】尚、プレートユニット21をフレーム主部
5に収める際、コード通し孔7aを通された接続コード
の芯線を電極17、17′や温度センサーのリード線に
接続する。
【0028】〔C.シール材等〕符号25はシール材を
示す。このシール材25は、フレーム主部5のプレート
押え部5cとトッププレート11の上面との間を水密に
塞ぐための手段であって、プレート押え部5cの内周面
とトッププレート11の上面に渡る形でリング状に設け
られているが、トッププレート11には適度に弾接する
だけで固定はされない。従って、このシール材25によ
り、トッププレート11の上面に落ちた水などが膨張許
容空間23に侵入するのを防止できる。
【0029】このシール材25の形成は、例えば、ベー
スフレーム3の組立て完了後にトッププレート11にマ
スキングフィルムを敷いてシリコン接着剤をプレート押
え部5cの内周面とトッププレート11の上面とに渡る
形で塗布してこれを硬化させた後マスキングフィルムを
除去するか、或いは、プレートユニット21を収める前
の状態のフレーム主部5に、難接着性の素材で形成した
治具プレートをプレート押え部5cの下に当てがった状
態で同様にしてシリコン接着剤を塗布したのち硬化させ
ることで行う。
【0030】本体部1の使用方法は従来のものと特に変
るところは無い。即ち、図2等に示すように、ベースフ
レーム3のステージ孔嵌合部5bを顕微鏡のステージ2
7のツール嵌合凹部27aに収めることで装着し、トッ
ププレート11の上面である試料載置面に目的の試料を
直接載せるか、又は、スライドガラスに載せてこれを試
料載置面に置くことで加温し、今観察しようとする試料
を孔19aの真上に移動してはこれを対物レンズを通し
て見る。
【0031】〔2.第二の実施の形態〕(図4) 図4は、第二の実施の形態に係る検体温度管理器の本体
部1Aを示すものである。この本体部1Aが前記第一の
実施の形態に示した本体部1と比較して相違するところ
は、膨張許容空間23の形態だけである。従って、図面
には要部のみを示してあり、説明はこの相違点だけにつ
いて行い、その余の部分については、図面の各部に前記
本体部1における同様の部位に付した符号と同じ符号を
付することで説明を省略する。このような符号の使い方
とその意味は、後述する第三、第四の実施の形態におい
ても同様とする。
【0032】この本体部1Aにおいては、膨張許容空間
23に弾性材31を充填してある。この弾性材31に
は、硬化後も適度な弾性が残るゴム材料を用いている。
従って、この弾性材31により、プレートユニット21
は、熱膨張は妨げられないが、振動などによっては容易
に動かないように位置決めされる。
【0033】〔3.第三の実施の形態〕(図5) 図5は、第三の実施の形態に係る検体温度管理器の本体
部1Bを示すものである。この本体部1Bが前記本体部
1と相違するところは、ベースフレーム3とプレートユ
ニット21との間にガスケット35を設けたことだけで
ある。
【0034】フレーム主部5のプレート押え部5cの下
端面にはここを無端状に延びる環状溝37が形成され、
また、プレート押えリング7の上面にもここを無端状に
延びる環状溝37′が形成されている。これら環状溝3
7、37′にはそれぞれOリング状のガスケット35が
装着され、上側のガスケット35はトッププレート11
の上面に弾接し、下側のガスケット35は加熱プレート
13の下面に弾接する。従って、このガスケット35に
よって、フレーム主部5とトッププレート11との間
と、プレート押えリング7と加熱プレート13との間
が、それぞれ水密にシールされる。
【0035】〔4.第四の実施の形態〕(図6) 図6は、第四の実施の形態に係る検体温度管理器の本体
部1Cを示すものである。この本体部1Cは加温/冷却
兼用タイプのものであって、顕微鏡のステージに載置さ
れるベースフレーム41と、このベースフレーム41に
保持されたプレートユニット51等で構成されている。
【0036】ベースフレーム41は、フレーム部材とし
てのフレーム主部43とプレート押え板45とが互いに
結合されて成るもので、これらはいずれも合成樹脂で形
成されている。フレーム主部43は、直径の割に軸方向
長さが短い円筒形をした周壁43aと、この周壁43a
の下端から内フランジ様に張り出した円帯形の底壁43
bとが一体に形成された形をしている。プレート押え板
45は、全体がほぼ円帯状に形成されていて、その下面
にはここの中央部を通って無端状に延びる幅広な溝45
aが形成されている。この溝45aから内側の部分がプ
レート押え部45bである。
【0037】フレーム主部43は、周壁43aの上端部
が、プレート押え板45の溝45aのうちプレート押え
部45bから遠い方の端へ寄った部分に嵌合され、この
嵌合の部分が相互に接着される。この嵌合と接着は、フ
レーム主部43にプレートユニット51を収納した状態
で行われる。
【0038】プレートユニット51は、トッププレート
53及び伝熱プレート55と、加熱/冷却手段としての
複数のペルチェ素子57と、これらを収納したユニット
フレーム59等から構成されている。ユニットフレーム
59は、上面の全体が開口した円形の深皿状を為し、そ
の底壁59aの中央には透光孔59bが形成されてい
る。この透光孔59bは底壁59aから立ち上がった円
筒壁59cによってユニットフレーム59の周壁59d
の高さに近い長さを有している。このユニットフレーム
59の周壁59dの外径は、前記フレーム主部43の周
壁43aの内径より1mm乃至2mm程度小さい。
【0039】ペルチェ素子57は、その発熱/吸熱面5
7aが上を向いた向きで、ユニットフレーム59の底壁
59aの上面に固定されている。
【0040】トッププレート53及び伝熱プレート55
はアルニウムなど伝熱性の良い金属板で円板形を為すよ
うに形成され、その中央に上記透光孔59bよりひと回
り小さい透光孔53a、55aが形成されている。この
ようなトッププレート53と伝熱プレート55は、互い
に中心を合わせて接着されると共に、伝熱プレート55
がペルチェ素子57に乗る形でユニットフレーム59内
に収納される。そして、ユニットフレーム59内に残っ
ている空間は合成樹脂製の充填材61によって埋められ
る。トッププレート53の上面は、ユニットフレーム5
9の上開口面とほぼ同じ高さに位置する。
【0041】このように組み立てられたプレートユニッ
ト51は、フレーム主部43内に収納され、この状態
で、プレート押え板45がフレーム主部43に結合され
る。このときプレート押え板45はフレーム主部43に
接着するが、プレートユニット51はフレーム主部43
とプレート押え板45のいずれに対しても接着はしな
い。前記したように、ユニットフレーム59の外径はこ
れが収まったフレーム主部43の内径より1mm乃至2
mm程度小さいだけであるから、プレートユニット51
がフレーム主部43内に収められると、そのユニットフ
レーム59はフレーム主部43の底壁43bに着座し、
また、プレート押え板45がフレーム主部43に結合さ
れると、プレート押え部45bがトッププレート53の
外周部に上から当る。
【0042】しかして、フレーム主部43とプレート押
え板45とが結合されてベースフレーム41が組み上が
ると共に、プレートユニット51の外周部が、フレーム
主部43の底壁43bとプレート押え板45のプレート
押え部45bとで厚み方向両側から挟まれてベースフレ
ーム41に保持される。この保持は、プレートユニット
51の厚み方向での位置は固定するが、厚み方向と直交
する方向では位置固定しない。
【0043】そして、ユニットフレーム59の外径がこ
れを収めたフレーム主部43の内径より多少でも小さい
ことによって、結果的に、ベースフレーム41にはプレ
ートユニット51の外周を外側から囲う膨張許容空間2
3が形成される。しかして、プレートユニット51は、
厚み方向での位置は固定されるが、厚み方向と直交する
方向へは少なくとも熱膨張による伸長を妨げられない状
態でベースフレーム41に保持される。これにより、プ
レートユニット51が熱膨張しても、少なくともトップ
プレート53にその厚み方向への反りが生じることは無
い。
【0044】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるもの
では無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更
等があっても本発明に含まれる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、トップ
プレートが熱膨張してもその膨張が厚み方向への反りと
なることは先ず有り得ないので、トッププレートが熱膨
張しても、その上面である試料載置面と対物レンズやコ
ンデンサレンズとの距離が狂わされるのをほぼ確実に防
止することができる。
【0046】請求項3の発明によれば、トッププレート
などの熱膨張を許容したまま、プレートユニットがベー
スフレームに対して不用意に動くのを防止することがで
きるし、膨張許容空間への水等の浸透を防止することに
も役立つ。
【0047】請求項4の発明によれば、ベースフレーム
へのプレートユニットの組込みを容易に行うことがで
き、膨張許容空間を設けるためには、ベースフレームの
内側空間の大きさをプレートユニットの外周の大きさよ
り多少大きくしておくだけで済む。
【0048】請求項5又は請求項6の発明によれば、ト
ッププレートの上面に落ちた液体が膨張許容空間に侵入
するのを効果的に防止することができ、それでいて、ト
ッププレートの熱膨張を妨げることも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る検体温度管理
器の本体部を顕微鏡のステージに載せた状態で示す一部
切欠斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断した拡大断面図で
ある。
【図3】図1に示す本体部の一部切欠き分解斜視図であ
る。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る検体温度管理
器の本体部を要部のみ示す垂直断面図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態に係る検体温度管理
器の本体部を要部のみ示す垂直断面図である。
【図6】本発明の第四の実施の形態に係る検体温度管理
器の本体部を示す中央垂直断面図である。
【図7】従来の検体温度管理器の本体部の一例を、顕微
鏡のステージに載せた状態で示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…検体温度管理器の本体部 3…ベースフレーム
5…フレーム部材(トッププレートに上側から対向す
る部位を有するフレーム部材) 7…フレーム部材 11…トッププレート 13、
15…加熱手段 21…プレートユニット 23…膨張許容空間 2
5…シール材 27…顕微鏡のステージ 1A…検体温度管理器の本体部 31…弾性材 1B…検体温度管理器の本体部 35…ガスケット 1C…検体温度管理器の本体部 41…ベースフレー
ム 43…フレーム部材 45…フレーム部材 53…
トッププレート 57…加熱手段 59…ユニットフレーム 51…
プレートユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トッププレートと該トッププレートを加熱
    するための加熱手段とを有するプレートユニットと、該
    プレートユニットが保持され顕微鏡のステージに載置さ
    れるベースフレームとを備えており、プレートユニット
    の外周部を、このプレートユニットが厚み方向と直交す
    る方向へ伸長し得るように前記ベースフレームに保持し
    たことを特徴とする検体温度管理器の本体部。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した検体温度管理器の本体
    部において、ベースフレームにはプレートユニットの外
    周を囲う膨張許容空間を設け、ベースフレームによるプ
    レートユニットの保持はトッププレートの厚み方向と直
    交する方向では否固定としたことを特徴とする検体温度
    管理器の本体部。
  3. 【請求項3】請求項2に記載した検体温度管理器の本体
    部において、膨張許容空間に弾性材を充填したことを特
    徴とする検体温度管理器の本体部。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載した検体温度管理器
    の本体部において、ベースフレームはトッププレートの
    厚み方向で互いに結合される2以上のフレーム部材で構
    成し、その複数のフレーム部材でトッププレートの外周
    部を厚み方向両側から保持したことを特徴とする検体温
    度管理器の本体部。
  5. 【請求項5】請求項4に記載した検体温度管理器の本体
    部において、トッププレートに上側から対向する部位を
    有するフレーム部材とトッププレートの上面との間を水
    密に塞ぐためのシール材を、トッププレートには否固定
    の状態で設けたことを特徴とする検体温度管理器の本体
    部。
  6. 【請求項6】請求項4に記載した検体温度管理器の本体
    部において、トッププレートに上側から対向する部位を
    有するフレーム部材の当該部位に、ゴム様弾性を有する
    ガスケットを設けたことを特徴とする検体温度管理器の
    本体部。
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