JP2003049833A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2003049833A
JP2003049833A JP2001238314A JP2001238314A JP2003049833A JP 2003049833 A JP2003049833 A JP 2003049833A JP 2001238314 A JP2001238314 A JP 2001238314A JP 2001238314 A JP2001238314 A JP 2001238314A JP 2003049833 A JP2003049833 A JP 2003049833A
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JP
Japan
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cage
bearing
pocket
bearing device
preload
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JP2001238314A
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English (en)
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Mamoru Aoki
護 青木
Hiroshi Ishiwada
博 石和田
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】潤滑剤の適正な量を維持して軸受摩擦トルクを
一定値に安定させ、且つ、昇温および摩耗が長期間にわ
たって抑制される軸受装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】摺接面を粗面とした冠形保持器5を組み込
んだ二個の軸受1,1を、軸6に固定し、保持器開口側
5a,5aから内輪2,2に予圧Fa0を印加すると共
に、保持器反開口側5b,5bから外輪3,3に予圧が
印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ装置(HDD:Hard Disk Driveともいう)、
ビデオテープレコーダ(VTR:Video Tape Recorde
rともいう)のスピンドルモータ等の各種回転機器に用
いられる軸受装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パソコン或いはワープロ用のハードディ
スク装置やフロッピィディスク装置等の駆動用モータ軸
には小径の玉軸受が用いられる。玉軸受には合成樹脂製
保持器の案内形式として、転動体(玉)により案内する
転動体案内形式と、内輪又は外輪により案内する内輪又
は外輪案内形式とがあるが、いずれにしても時間の経過
と共に保持器ポケット内に充填された潤滑剤(グリー
ス、油分)の量により軸受の摩擦トルクは徐々に減少し
ほぼ一定となる。このような保持器の玉を保持するポケ
ット形状には、図5及びこの図5のVI-VI線断面の拡大
図である図6に示すように、外輪100と内輪200と
の間に配置される玉300を保持する保持器400のポ
ケット400Pの内壁がフラットな円筒状のものと、図
7及びこの図7のVIII-VIII線断面の拡大図である図8
に示すように外輪100と内輪200との間に配置され
る保持器401のポケット401Pの内壁が球面状のも
のとがある。そして内輪又は外輪案内形式の保持器には
円筒状のポケットを有するものが多く、転動体案内形式
の保持器には球面状のポケットを有するものが多い。ま
た、場合によってはこれら軸受に用いられる保持器の摺
動面には、特開平9−317774で開示されているよ
うに微細な凹凸を設けることで潤滑性を向上させる手段
を講じる場合がある。一方、これら軸受を上記モータに
用いる場合には回転精度を高めるために、軸受を二個組
合せて、更に所定の予圧を与えて使用するのが一般的で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記するように、玉軸
受は、時間の経過と共に保持器ポケット内に充填された
潤滑剤が当初より時間の経過と共に徐々に減少したとこ
ろで安定し且つ摩擦トルクも一定となることが望まし
い。しかし、図5及び図6に示す円筒状のポケット40
0Pを有する内輪200(或いは外輪100)案内形式
の保持器においては、玉表面−軌道面−ポケット面−玉
表面と循環しポケット内に滞留したままの潤滑剤が多
く、軸受の摩擦トルクが球面状のポケットを有する転動
体案内形式の軸受に比べて大きく問題になっている。即
ち、円筒状のポケットを有する軌道輪案内形式の保持器
の軸受は、玉がポケットの中心で接触するため掻き取り
作用が無く、時間が経過してもトルクは低下しないこと
が多い。一方、図7及び図8に示す転動体案内形式の保
持器401では、玉300の表面に付着した余剰の潤滑
剤Gは球面ポケット401Pのエッジ部で掻き取られ保
持器内周面或いは外周面に付着しトルクには影響せず、
玉や軌道輪接触部の潤滑剤の粘性抵抗は回転時間の経過
と共に低減しトルク低下も進行する。そして、高速回転
で過剰に掻き取り作用が進行した場合には、ポケットエ
ッジ部とボール表面で油膜切れを起こし、潤滑不良によ
る異常音が生じるようになる。また、潤滑不良を防止す
るために保持器の摺動面を平滑ではなく所要の粗さに設
定することにより、潤滑油溜りを形成することで油膜を
途切れること無く形成することで摩耗を長期間にわたっ
て抑制することが可能となるが、上述した円筒状のポケ
ットを有した保持器と同様にこのような保持器を用いた
軸受の場合も摩擦トルクが大きいといった問題を有して
いる。本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであ
り、潤滑剤の適正な量を維持して軸受摩擦トルクを一定
値に安定させ、且つ、昇温および摩耗が長期間にわたっ
て抑制される軸受装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明がなした技術的手段は、少なくとも転動体摺接
面を粗面とした冠形保持器を組み込んだ軸受を軸に固定
してなる軸受装置において、内輪の保持器開口側及び外
輪の保持器反開口側に予圧が印加されていることであ
る。上記軸受装置において、上述した軸受を二個組み合
わせたものとすることもできる。また、この軸受を二個
組み合わせた軸受装置においては、各々の軸受の保持器
のポケット反開口側同士が向き合うように組み込まれた
場合、及び、ポケット開口側同士が向き合うように組み
込まれた場合のいずれも内輪の保持器開口側及び外輪の
保持器反開口側に予圧が印加されていることである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明軸受装置の一実施形
態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態は本発明
の一実施形態にすぎず何等これに限定されるものではな
い。また、本実施形態では、二個の軸受を対で使用する
形態をもって説明するが、本発明は二個の軸受の組み合
わせに限定解釈されるものではない。
【0006】「第一実施形態」図2は本発明軸受装置の
第一実施形態を示し、当該装置は図1に示す冠形保持器
5を用いた二個の深みぞ転がり軸受1,1を、その内輪
2,2を軸(シャフト)6の外周に固定すると共に保持
器ポケット開口側5a,5aの内輪2,2に予圧が印加
されて組み合わされている。特に本発明は、潤滑剤を内
外輪2,3の軌道面2a,3aに封入した軸受1,1を
組み合わせた軸受装置においてトルク低減・回転精度向
上を図るものである。転がり軸受1は、外周に内輪軌道
2aを有する内輪2と、内周に外輪軌道3aを有する外
輪3と、該内輪軌道2aと外輪軌道3aの間に組み込ま
れる複数個の転動体4と、該転動体4を等配に保持する
冠形保持器5とから構成されている。また、各軸受1の
内外輪2,3間には、密封板(本実施形態ではシール
ド)9が必要に応じて備えられている。密封板9の構成
については特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可
能である。図1は本発明の軸受装置に用いられる軸受用
の冠形保持器5の実施形態を表している。この保持器5
は、成形用の金型をショットブラストや放電加工等で、
面粗度を最大高さRy=3〜50μm程度にしたもので
射出成形している。なお、保持器5の基本的形状は任意
である。従って、保持器5の表面には、潤滑油溜りとな
る微少な凹部5d…が無数にランダムに設けられてい
る。なお、本実施形態では、保持器5の全表面に凹部5
dが設けられているが、少なくともポケット面(転動体
摺接面)5cの面粗度を上述した最大高さRyとしたも
のであればよい。凹部5dに保持された潤滑剤により、
転動体4の転動面とポケット内面の間に油膜を形成して
転動体4の円滑な転動を行なわせる。また、この転動体
4の転動面に付着した潤滑剤は、転動面と内輪軌道面及
び外輪軌道面との転がり接触部分に送られて、これら各
転がり接触部分の潤滑状態を良好とする。上述の通り、
転がり軸受1としては特に限定されず一般的な構成を採
っているが、本実施形態では、軸受1に面粗度を調整し
た冠形保持器5を組み込んだ点、二個の軸受1,1にお
ける各保持器5,5のポケット反開口側5b,5bが向
かい合うように配設されている点、および保持器ポケッ
ト開口側5a,5aに位置する内輪端面2b,2bと保
持器ポケット反開口側5b,5bに位置する外輪端面3
b,3bに予圧が印加されている点に特徴的な構成要素
がある。従って、内輪2、外輪3、転動体4、保持器5
の構造は特に限定解釈されず任意であるため詳細な説明
は省略する。
【0007】本実施形態によれば、軸受1,1の外輪
3,3間には間座7を配し、保持器ポケット開口側5
a,5aから内輪2,2に予圧Fa0を印加すること
で、外輪3,3には保持器ポケット反開口側5b,5b
から予圧が印加される。なお、この予圧を印加する方法
は特に限定解釈されず設計変更可能である。また、予圧
量は適宜必要・最適な量を設定し限定はされない。この
ように冠形保持器5を組み込んだ軸受において、保持器
ポケット開口側5a,5aに位置する内輪端面2b,2
b及び保持器ポケット反開口側5b,5bに位置する外
輪端面3b,3bに予圧を印加することにより、トルク
が低く、回転精度の高い軸受装置が設計可能となる。ま
た、発塵の問題に対しては、磁性流体シールを用いる等
により解決が可能である。
【0008】「第二実施形態」図3は、本発明軸受装置
の第二実施形態を示す。本実施形態では、二個の軸受
1,1における各保持器5,5のポケット開口側5a,
5aが向かい合うように配設されている点、および保持
器ポケット開口側5a,5aに位置する内輪端面2c,
2cと保持器ポケット反開口側5b,5bに位置する外
輪端面3c,3cに予圧が印加されている点に、第一実
施形態と相違する特徴的な構成要素がある。従って、内
輪2、外輪3、転動体4、保持器5などのその他の構造
は特に限定解釈されず任意であるため、上述した第一実
施形態を援用して詳細な説明は省略する。なお保持器5
は、第一実施形態にて述べた構造と同様に摺接面を粗面
とした冠形保持器を使用する。
【0009】本実施形態によれば、軸受1,1の内輪
2,2間には間座7を配し、保持器ポケット反開口側5
b,5bから外輪3,3に予圧Fa0を印加すること
で、外輪3,3には保持器ポケット反開口側5b,5b
から予圧が印加される。なお、この予圧を印加する方法
は特に限定解釈されず設計変更可能である。また、予圧
量は適宜必要・最適な量を設定し限定はされない。この
ように冠形保持器5を組み込んだ軸受において、保持器
ポケット開口側5a,5aに位置する内輪端面2c,2
c及び保持器ポケット反開口側5b,5bに位置する外
輪端面3c,3cに予圧を印加することにより、トルク
が低く、回転精度の高い軸受装置が設計可能となる。ま
た、発塵の問題に対しては、磁性流体シールを用いる等
により解決が可能である。
【0010】ここで、本発明の効果を確認するために行
った実験について説明する。実験は図4に示す装置に、
軸受を組み込み、経時的な電流値(トルクに換算)の変
化を測定した。なお、本実験では、装置の軸(シャフ
ト)6の一端側に立上げ形成した段部6aに、一方の軸
受(図2で下方の軸受)1における内輪2の端面2bを
突き当て、そして双方の軸受1,1の外輪3,3間に、
ハウジングの内径面に周設した段付き部8を位置させ、
そして他方の軸受(図2で上方の軸受)1における内輪
2の端面2bに所望する予圧荷重と等しい重り又はバネ
力を加え接着固定している。この場合、接着に代えて圧
入としてもよい。 軸 受:内径5mm、外径13mm、幅4mm(JIS
695相当) 回転数:7200min−1(外輪回転) 予 圧:アキシアル荷重11.8N 測定試料を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】図9に試験結果を示す。図中、実線で示す
データは本発明、鎖線で示すデータは比較例1、一点鎖
線で示すデータは比較例2、二点鎖線で示すデータは比
較例3を夫々示す。この結果から判る通り、本発明構成
によると、ポケット面(摺接面)の粗さを大きくした保
持器を用いても、従来の軸受に対して動摩擦トルクを低
く、安定させることができることが判る。なお、保持器
ポケット面粗さは最大高さRy=50μmを超えると射
出成形時にバリが出たり、寸法精度が悪化するために好
ましくなく、回転精度に対する要求が高い。例えばHD
DスピンドルモータやVTR用の最大高さRyを10μ
m程度以下にするのが望ましい。また、最大高さRyが
3μm未満になると潤滑剤の保持能力が不足するために
好ましくない。従って、上述の通り最大高さRy=3〜
50μm程度とするのが好ましいことが判る。
【0013】
【発明の効果】本発明は上述した構成により、回転精度
が高く、回転トルク及び変動も小さく、かつ、昇温およ
び摩耗が長期間にわたって抑制される軸受装置が実現で
きる。本発明構成の軸受装置を用いることで、動摩擦ト
ルクの低減が図れ、更に潤滑不足による有害な騒音や振
動を防止できるため、この軸受装置を組み込んだ各種回
転機器の性能向上や省エネルギ化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明軸受装置に組み込まれる冠形保持器の一
実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の第一実施形態を示す概略断面図。
【図3】本発明の第二実施形態を示す概略断面図。
【図4】試験装置の概略断面図。
【図5】フラットな円筒状のポケットを有する保持器を
組み込んだ従来技術の一部を示す断面図。
【図6】図5のVI-VI線断面の部分拡大図。
【図7】球面状のポケットを有する保持器を組み込んだ
従来技術の一部を示す断面図。
【図8】図7のVIII-VIII線断面の部分拡大図。
【図9】試験結果を示す図。
【符号の説明】
1:転がり軸受 2:内輪 3:外輪 4:転動体 5:冠形保持器 6:軸(シャフト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G11B 19/20 G11B 19/20 E Fターム(参考) 3J012 AB04 BB01 CB10 FB10 3J101 AA02 AA32 AA42 AA52 AA62 BA25 FA41 GA53 5D068 AA01 BB01 CC11 GG24 5D109 BB01 BB13 BB16 BB21 BB22 BB27 BB40 5H605 AA00 BB05 BB19 CC04 EB10 EB21 EB28 EB39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも転動体摺接面を粗面とした冠形
    保持器を組み込んだ軸受を軸に固定してなる軸受装置に
    おいて、内輪の保持器開口側及び外輪の保持器反開口側
    に予圧が印加されていることを特徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】少なくとも転動体摺接面を粗面とした冠形
    保持器を組み込んだ二個の軸受を軸に固定してなる軸受
    装置において、内輪の保持器開口側及び外輪の保持器反
    開口側に予圧が印加されていることを特徴とする軸受装
    置。
  3. 【請求項3】二個の軸受における各保持器は、夫々のポ
    ケット反開口側同士が向き合うように組み込まれている
    ことを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】二個の軸受における各保持器は、夫々のポ
    ケット開口側同士が向き合うように組み込まれているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
JP2001238314A 2001-07-10 2001-08-06 軸受装置 Pending JP2003049833A (ja)

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CNB021409080A CN1215269C (zh) 2001-07-10 2002-07-10 轴承装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128481A (ja) * 2006-11-27 2008-06-05 Nsk Ltd 軸受ユニット
JP2011002077A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Nsk Ltd 転がり軸受

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128481A (ja) * 2006-11-27 2008-06-05 Nsk Ltd 軸受ユニット
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