JP2003048906A - ポリマー水性分散液の製造方法 - Google Patents

ポリマー水性分散液の製造方法

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JP2003048906A JP2002147950A JP2002147950A JP2003048906A JP 2003048906 A JP2003048906 A JP 2003048906A JP 2002147950 A JP2002147950 A JP 2002147950A JP 2002147950 A JP2002147950 A JP 2002147950A JP 2003048906 A JP2003048906 A JP 2003048906A
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マティアス、ゲルスト
Matthias Laubender
マティアス、ラウベンダー
Bernd Dr Reck
ベルント、レック
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性バインダーの性能特性、特にこれに
より製造される成形体の強度を、これの従来からの相当
品と比較して、更に改良すること。 【解決手段】 エマルジョンポリマー、少なくとも5質
量%のエチレン性不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸
又はジカルボン酸無水物から構成されるポリマー(略し
て、酸ポリマーSP)、及び式: 【化1】 [但し、基R〜Rが相互に独立して有機基を表し且
つこれらの基の少なくとも1つがアルコキシ基を表す]
で表されるアルコキシシラン、を含むポリマー水性分散
液の製造方法であって、このエマルジョンポリマーを、
アルコキシシランの少なくとも少量の存在下でエマルジ
ョン重合により製造することを特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、エマルジョンポリマー(略し
て、EP)、少なくとも5質量%のエチレン性不飽和モ
ノカルボン酸、ジカルボン酸又はジカルボン酸無水物か
ら構成されるポリマー(略して、酸ポリマーSP)、及
び式:
【0002】
【化2】
【0003】[但し、基R〜Rが相互に独立して有
機基を表し且つこれらの基の少なくとも1つがアルコキ
シ基を表す]で表されるアルコキシシラン、を含むポリ
マー水性分散液の製造方法であって、エマルジョンポリ
マーを、アルコキシシランの少なくとも少量の存在下で
エマルジョン重合により製造することを特徴とする製造
方法に関する。
【0004】更に本発明は、上記分散液をバインダーと
して処理及び使用することにより得られるポリマー水性
分散液に関する。
【0005】ポリカルボン酸及びポリオール及び/又は
アルカノールアミンから作製される熱硬化性バインダー
は、例えばEP−A445578、EP−A58308
6、EP−A882074、EP−A882093又は
DE−A19949592(OZ 50804)により
公知である。
【0006】EP−A882074及びDE−A199
49592において、アルコキシシランは、考え得る添
加剤の中で、かかるバインダー用であると記載されてい
る。
【0007】しかるに、本発明は、熱硬化性バインダー
の性能特性、そして、特にこれにより製造される成形体
の強度を、これの従来技術の相当品と比較して、更に改
良することを目的とする。これと同時に、バインダー
は、極めて簡易な処理手段(方法)により得られる必要
がある。
【0008】本発明者等は、上記目的が、上記方法並び
にこの方法により得られるバインダー、及びその使用法
により達成されることを見出した。
【0009】エマルジョンポリマー(EP)は、主モノ
マーとして知られているモノマー少なくとも40質量
%、特に好ましくは少なくとも60質量%、極めて好ま
しくは少なくとも80質量%から構成される。
【0010】この主モノマーは、C〜C20アルキル
(メタ)アクリレート、炭素原子数20個以下のカルボ
ン酸のビニルエステル、炭素原子数20個以下のビニル
芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリル、ハロゲン化
ビニル、炭素原子数1〜10個のビニルアルコールのビ
ニルエーテル、炭素原子数2〜8個であり且つ1個又は
2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素、並びにこれら
のモノマー混合物から選択される。
【0011】例としては、C〜C10アルキル基を有
する(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、例えばメ
チルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、エチルアクリレート及び2−エチルヘキ
シルアクリレートが挙げられる。
【0012】特に、アルキル(メタ)アクリレートの混
合物も適当である。
【0013】炭素原子数1〜20個のカルボン酸のビニ
ルエステルの例としては、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベルサト酸(Versat
ic acid)のビニルエステル、及び酢酸ビニルである。
【0014】好適なビニル芳香族化合物は、ビニルトル
エン、α−及びp−メチルスチレン、α−ブチルスチレ
ン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン
並びに好ましくはスチレンである。ニトリルの例として
は、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。
【0015】ハロゲン化ビニルは、クロロ−、フルオロ
−又はブロモ−置換エチレン性不飽和化合物、好ましく
は塩化ビニル及び塩化ビニリデンである。
【0016】ビニルエーテルの例としては、ビニルメチ
ルエーテル及びビニルイソブチルエーテルである。炭素
原子数1〜4個のアルコールのビニルエーテルが好まし
い。
【0017】炭素原子数2〜8個であり且つ2個のオレ
フィン性二重結合を含む炭化水素は、ブタジエン、イソ
プレン及びクロロプレンが特記に値する場合があり;1
個の二重結合を含む炭化水素としては、例えばエチレン
及びプロピレンである。
【0018】好ましい主モノマーは、C〜C10アル
キルアクリレート及びメタクリレート、特にC〜C
アルキルアクリレート及びメタクリレートである。好適
な化合物としては、C〜C10アルキルアクリレート
又はC〜C10アルキルメタクリレートとビニル芳香
族化合物、特にスチレンとの混合物が好ましい。
【0019】メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n
−ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、スチレン、及びこれらの
モノマー混合物が極めて好ましい。
【0020】この主モノマーの他に、フリーラジカル重
合ポリマーは、他のモノマー、例えばカルボン酸、スル
ホン酸又はホスホン酸の各基を有するモノマーを含んで
いても良い。カルボン酸基が好ましい。特記に値する例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、及びフマル酸である。
【0021】他のモノマーの例としては、ヒドロキシル
含有モノマー、特にC〜C10ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミドで
ある。
【0022】特記に値する他のモノマーは、更に、フェ
ノキシエチルグリコールのモノ(メタ)アクリレート、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
そしてアミノ(メタ)アクリレート、例えば2−アミノ
エチル(メタ)アクリレートである。
【0023】他のモノマーとして、架橋モノマーも特記
に値する場合がある。
【0024】更に、加水分解性Si基を含むモノマーも
特記に値する場合がある。
【0025】カルボン酸基又はカルボン酸無水物基を含
むモノマーの断片は、一般に、EPに対して5質量%未
満であり、特に3質量%未満である。
【0026】EPは、エマルジョン重合により調製され
る。
【0027】エマルジョン重合は、イオン性及び/又は
非イオン性乳化剤及び/又は保護コロイド及び/又は安
定剤を界面活性化合物として用いて行われる。
【0028】好適な保護コロイドについての詳細は、Ho
uben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第XIV/
1巻, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme-Verlag,
Stuttgart, 1961, 411〜420頁に示されている。好適な
乳化剤は、アニオン性、カチオン性及び非イオン性の乳
化剤である。添加する界面活性物質として、乳化剤を主
として使用するのが好ましく、この乳化剤の分子量は、
保護コロイドの分子量と異なり、通常2000g/モル
未満である。界面活性物質の混合物を使用する場合、勿
論、個々の成分は相互に相溶性がある必要があり、これ
に関して疑わしい場合には、数種類の予備試験によって
屡々確認可能である。界面活性物質として、アニオン性
及び非イオン性の乳化剤を使用するのが好ましい。通常
添加する乳化剤の例は、エトキシル化脂肪アルコール
(EO単位:3〜50、アルキル:C〜C36)、エ
トキシル化モノ−、ジ−及びトリ−アルキルフェノール
(EO単位:3〜50、アルキル:C〜C)、スル
ホスクシン酸のジアルキルエステルのアルカリ金属塩、
そして更に、アルキルスルフェート(アルキル:C
12)、エトキシル化アルカノール(EO単位:4〜
30、アルキル:C 〜C18)、エトキシル化アル
キルフェノール(EO単位:3〜50、アルキル:C
〜C)、アルキルスルホン酸(アルキル:C12〜C
18)、及びアルキルアリールスルホン酸(アルキル:
〜C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩で
ある。
【0029】他の好適な乳化剤は、式II:
【0030】
【化3】
【0031】[但し、R及びRが水素又はC〜C
14アルキルを表すが、両者は同時に水素を表さず、そ
してX及びYがアルカリ金属イオン及び/又はアンモニ
ウムイオンを表す]で表される化合物である。R及び
が、炭素原子数6〜18個の直鎖又は分岐のアルキ
ル基又は水素を表わし、特に、炭素原子数6個、12個
又は16個であるのが好ましく、その際にR及びR
が両方とも同時に水素を表さない。X及びYが、ナトリ
ウム、カリウム又はアンモニウムの各イオンを表すのが
好ましく、ナトリウムであるのが特に好ましい。特に有
効な化合物IIは、X及びYがナトリウムを、Rが炭
素原子数12個の分岐アルキル基を、そしてRが水素
化又はRを表す化合物である。工業銘柄(technical-
grade)の、50〜90質量%のモノアルキル化生成物
(製品)の断片を含む混合物を使用することも屡々可能
であり、例としてはダウファックス(Dowfax)(登録商
標)2A1(ダウケミカル社の商標)である。
【0032】好適な乳化剤は、Houben-Weyl, Methoden
der organischen Chemie, 第14/1巻, Makromolekulare
Stoffe, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1961, 192
〜208頁においても見出すことができる。
【0033】乳化剤の商品名の例は、ダウファックス
(登録商標)2A1、エムラン(Emulan)(登録商標)
NP50、デックストロール(Dextrol)(登録商標)
OC50、エムルガター(Emulgator)825、エムル
ガター825S、エムラン(登録商標)OG、テクサポ
ン(Texapon)(登録商標)NSO、ネカニール(Nekan
il)(登録商標)904S、ルミテン(Lumiten)(登
録商標)I−RA、ルミテンE3065、ディスポニー
ル(Disponil)FES77、ルテンソル(Lutensol)A
T18、ステイナポール(Suteinapol)VSL及びエム
ルフォアー(Emulphor)NPS25である。
【0034】界面活性物質は、通常、重合されるモノマ
ーに対して、0.1〜10質量%の量で使用される。
【0035】エマルジョン重合用の水溶性開始剤の例
は、ペルオキソ二硫酸のアンモニウム塩及びアルカリ金
属塩、例えばナトリウムペルオキシジスルフェート、過
酸化水素、又は有機過酸化物、例えばtert−ブチル
ヒドロペルオキシドである。
【0036】酸化還元(レドックス)組成物として知ら
れている開始剤組成物も適当である。
【0037】レドックス開始剤組成物は、少なくとも1
種の、一般的には無機の還元剤及び有機又は無機酸化剤
から構成されている。
【0038】酸化成分は、例えば、上記で既述のエマル
ジョン重合開始剤を含んでいる。
【0039】還元成分は、例えば、亜硫酸のアルカリ金
属塩、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、二亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば二亜硫酸ナトリ
ウム、脂肪族アルデヒド及びケトンとの重亜硫酸塩付加
物、例えばアセトンビスルフィト、又は還元剤、例えば
ヒドロキシメタンスルフィン酸及びその塩、又はアスコ
ルビン酸を含んでいる。このレドックス開始剤組成物
を、金属成分が複数の原子価状態で存在可能である可溶
性金属化合物と共に使用しても良い。
【0040】一般的なレドックス開始剤組成物の例は、
アスコルビン酸/鉄(II)スルフェート/ナトリウム
ペルオキソジスルフェート、tert−ブチルヒドロペ
ルオキシド/ナトリウムジスルフィト、及びtert−
ブチルヒドロペルオキシド/ヒドロキシメタンスルフィ
ン酸ナトリウムである。個々の成分、例えば還元成分
は、混合物であっても良い:例えば、ヒドロキシメタン
スルホン酸のナトリウム塩とナトリウムジスルフィトと
の混合物である。
【0041】上記化合物は、一般に水溶液の状態で使用
され、その際、分散液に許容可能な水の量を測定するこ
とにより下限濃度を決定し、そして各化合物の水に対す
る溶解度により上限濃度を決定する。一般に、この溶液
に対して、濃度は0.1〜30質量%であり、0.5〜
20質量%が好ましく、1.0〜10質量%が特に好ま
しい。
【0042】開始剤の量は、重合されるモノマーに対し
て、一般に0.1〜10質量%であり、0.5〜5質量
%が好ましい。2種以上の異なる開始剤をエマルジョン
重合に使用することも可能である。
【0043】重合中に、調節剤を、重合されるモノマー
100質量部当り、例えば0〜0.8質量部の量で使用
することが可能である。この調節剤は、モル質量を低減
する。適例は、チオール基を含む化合物、例えばter
t−ブチルメルカプタン、エチルヘキシルチオグリコレ
ート、メルカプトエタノール、メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、及びtert−ドデシルメルカプタン
である。
【0044】エマルジョン重合は、一般に、30〜13
0℃、好ましくは50〜90℃で起こる。重合媒体は、
水だけか、又は水と水混和性の液体、例えばメタノール
との混合物から構成されていても良い。水のみを使用す
るのが好ましい。エマルジョン重合は、バッチ法又は給
送法の形態(段階化又は勾配処理を含む)で行われても
良い。給送法が好ましく、この方法では、重合バッチの
一部を最初の充填物として、重合温度に加熱された反応
容器に導入し、その後部分的に重合して、重合バッチの
残りを、一般的には2種以上の空間的に独立した給送流
(この1種以上は、生の状態又は乳化状態のモノマーを
含んでいる)によって重合領域に供給し、その際に重合
継続中に、このモノマーを、連続的に、何段階かで、又
は濃度勾配下で供給する。重合する場合、例えば、粒径
を良好に設定する目的で、最初の充填物にポリマーシー
ドを含むことも可能である。
【0045】開始剤を、フリーラジカル水性エマルジョ
ン重合中に重合容器へ添加する方法は、当該技術者等に
公知である。その全てを最初の充填物で重合容器に導入
しても、或いはその他に、フリーラジカル水性エマルジ
ョン重合中に開始剤を消費する速度条件下で連続的に又
は数段階に分けて使用しても良い。特定の場合、これ
は、開始剤組成物の化学的な性質及び重合温度に応じて
異なるであろう。最初の充填物に1回分を含み、そして
残りを、これを消費する速度条件下で重合領域に供給す
る。
【0046】残留モノマーを除去するために、エマルジ
ョン重合がまさに終了した後、すなわち、モノマーの転
化率が少なくとも95%になった後に、開始剤を添加す
るのが一般的である。
【0047】給送法の場合、最初の成分を、頂部から、
側部より、又は下側から、反応器の床面を通じて反応器
に添加しても良い。
【0048】このエマルジョン重合により、固体含有率
が一般に15〜75質量%、好ましくは40〜75質量
%のポリマー水性分散液を形成する。
【0049】反応器の空時収量を高めるために、固体含
有率の極めて高い分散液が好ましい。60質量%を超え
る固体含有率を達成可能とするために、二モード又は多
モードの粒径を設定すべきである。なぜなら、そうでな
ければ、粘度が極めて高くなり、もはや分散液を扱えな
くなるからである。例えば、シード(EP81083)
を添加するか、過剰量の乳化剤を添加するか、又はミニ
エマルジョン(miniemulsion)を添加することによっ
て、新規な粒子の発生を得ることが可能となる。低粘度
及び高い固体含有率に関する別の有利な点は、固体含有
率の高い条件下での改善された被覆特性である。低粘度
とするための粒径分布により誘導される、まさに所望の
箇所で、新規な粒子の発生を得ることが可能となる。
【0050】このように調製されたポリマーは、水性分
散液の形態で使用されるのが好ましい。
【0051】高分子量バインダー又はエマルジョンポリ
マーのガラス転移温度は、−60〜+110℃が好まし
く、−50〜+100℃が特に好ましく、−40〜+1
00℃が極めて好ましい。
【0052】このガラス転移温度を、従来からの方法、
例えば示差熱分析法又は示差走査熱量法(例えば、AS
TM3418/82を参照されたい、中点温度)によっ
て測定可能である。
【0053】エマルジョンポリマーの他に、ポリマー水
性分散液は、下式:
【0054】
【化4】
【0055】[但し、基R〜Rが相互に独立して有
機基を表し且つこの基R〜Rの少なくとも1つがア
ルコキシ基、特にC〜Cアルコキシ基、好ましくは
〜Cアルコキシ基を表す]で表されるアルコキシ
シランを含む。基R〜Rのうちの2つ、3つ又は全
てがアルコキシ基を表すのが特に好ましく、2つ又は3
つ、特に3つの基がアルコキシ基であるのが極めて好ま
しい。
【0056】特に好ましいアルコキシ基は、メトキシ基
である。他の基としては、その他の有機基、特に、O、
N又はS等のヘテロ原子を含んでいても良い炭素原子数
10個以下の有機基である。
【0057】この基は、特に、アルキル基、好ましくは
〜Cアルキル基、特に好ましくはC〜Cアル
キル基であっても良い。
【0058】本発明により、EPのエマルジョン重合
は、このアルコキシシランの少なくとも少量の存在下で
行われる。
【0059】アルコキシシランの全量に対して、少なく
とも20質量%、特に好ましくは少なくとも50質量
%、極めて好ましくは100質量%のアルコキシシラン
の存在下でエマルジョン重合を行うのが好ましい。
【0060】エマルジョン重合を開始する前に、アルコ
キシシランを重合されるモノマーの水性エマルジョンに
添加しても良い。アルコキシシランを重合中に添加して
も良い。
【0061】EPを構成するモノマーの70質量%、特
に好ましくは50質量%が重合する前に、上記一部の
量、又は全量を添加するのが好ましい。
【0062】アルコキシシランの量は、EP+SP(固
体)の合計の100質量部当り、0.1〜10質量部で
あるのが好ましく、0.2〜5質量部であるのが特に好
ましい。
【0063】ポリマー水性分散液は、更に、冒頭に定義
された酸ポリマーSPを含んでいる。
【0064】SPは、5〜100質量%、好ましくは2
0〜100質量%、特に好ましくは40〜100質量%
のエチレン性不飽和酸又はエチレン性不飽和酸の無水物
から構成されるフリーラジカル重合ポリマーである。
【0065】特に、アクリル酸又はメタクリル酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、そして無水マレイン鎖
が特記に値する場合がある。
【0066】SPが、酸の無水物、例えば無水マレイン
酸、又は無水物を形成可能なジカルボン酸、例えばマレ
イン酸を含むのが特に好ましい。
【0067】特に、ポリマーSPは、5〜50質量%、
好ましくは10〜40質量%の上記最後に述べたジカル
ボン酸又は酸の無水物を含む。ポリマーを構成する他の
エチレン性不飽和化合物は、アクリル酸又はメタクリル
酸を含むのが好ましい。
【0068】酸は、原則として、塩、例えばアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩の形態であっても良く、そして
このようなもとして使用されても良い。アミン塩も同様
に適当である。
【0069】ポリマーは、更に、例えば以下のモノマー
を構成成分として含んでいても良い:C〜Cアルキ
ル(メタ)アクリレート、ビニルエステル、ビニルエー
テル、オレフィン、ハロゲン化ビニル、不飽和ニトリ
ル、等である。
【0070】ポリマー水性分散液は、更に、ポリマーS
P用の架橋剤としてポリオールを含むのが好ましい。
【0071】当該化合物は、モル質量2000g/モル
未満、特に1000g/モル未満である低分子量化合物
であるのが好ましい。
【0072】官能価2〜5であるポリオール、例えばグ
リセロール、トリメチロールプロパン等が好ましい。
【0073】アルカノールアミンが特に好ましい。特
に、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが特
記に値する場合がある。
【0074】特に適当なポリマーSPは、EP−A88
2074に開示されているポリマーである。
【0075】SP及びポリオール架橋剤を、カルボキシ
ル基とヒドロキシル基のモル比が20:1〜1:1の範
囲、更に好ましくは8:1〜5:1の範囲、特に好まし
くは5:1〜1.7:1の範囲となるように(このため
に、無水物基を2個のヒドロキシル基として数える)、
これら相互の比で使用するのが好ましい。
【0076】酸ポリマー及びポリオールを、任意の箇所
で水性分散液に添加しても良い。
【0077】ポリマー水性分散液は、リン含有反応促進
剤を含んでいても良い;しかしながら、かかる化合物を
含まないのが好ましい。
【0078】特定の一態様において、エマルジョンポリ
マーを、酸ポリマーSPの少なくとも一部分の存在下で
調製する。この場合、SPを、50〜99.5質量%の
少なくとも1種のエチレン性不飽和モノカルボン酸又は
ジカルボン酸又はアジカルボン酸無水物(adicarboxyli
c anhydride)、0.5〜50質量%の、エチレン性不
飽和モノカルボン酸のエステル並びにエチレン性不飽和
ジカルボン酸とヒドロキシル基を1個以上含むアミンと
のモノエステル及びジエステルから選択される少なくと
も1種のエチレン性不飽和化合物、及び20質量%以下
の少なくとも1種の他のモノマー、であるのが好まし
い。
【0079】エマルジョン重合を、SPの合計量に対し
て、少なくとも30質量%、特に少なくとも50質量
%、極めて好ましくは少なくとも100質量%のSPの
存在下で行われるのが特に好ましい。
【0080】ポリマーSPは、構成要素として取り込ま
れる、50〜99.5質量%、好ましくは70〜99質
量%の、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノカルボ
ン酸又はジカルボン酸から誘導する構成要素を含んでい
る。ポリマー内に、必要によりこの酸を、塩の形態で、
完全に又はその一部を存在さても良い。酸の状態が好ま
しい。
【0081】SPの水に対する溶解性(溶解度)は、1
0g/L(リットル)(25℃で)を超えるのが好まし
い。
【0082】好ましいカルボン酸は、C〜C10モノ
カルボン酸及びC〜Cジカルボン酸、特にアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン
酸、2−メチルマレイン酸及び/又はイタコン酸であ
る。アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びその
混合物が特に好ましい。ポリマーSPの製造において、
酸に代えて、又は酸と共に、酸の無水物、例えばマレイ
ン酸、アクリル酸又はメタクリル酸の無水物を使用する
ことも勿論可能である。
【0083】ポリマーSPは、更に、0.5〜50質量
%、好ましくは1〜30質量%の、エチレン性不飽和モ
ノカルボン酸のエステル並びにヒドロキシル含有アミン
を共重合形態で少なくとも1種含むエチレン性不飽和ジ
カルボン酸のモノエステル及びジエステルから選択され
る少なくとも1種のエチレン性不飽和化合物を含んでい
る。
【0084】ポリマーSPは、共有結合したアミン側鎖
を有するくし形ポリマーの形態であるのが好ましい。
【0085】エステルに適当なモノカルボン酸は、上述
したC〜C10モノカルボン酸、特にアクリル酸、メ
タクリル酸、及びクロトン酸、並びにこれらの混合物で
ある。
【0086】モノエステル及びジエステルに適当なジカ
ルボン酸は、上述したC〜Cジカルボン酸、特にフ
マル酸、マレイン酸、2−メチルマレイン酸、イタコン
酸、及びこれらの混合物である。
【0087】ヒドロキシル基を1個以上含むアミンは、
少なくとも1種のC〜C22アルキル、C〜C22
アルケニル、アリール−(C〜C22アルキル)又は
アリール−(C〜C22アルケニル)基を含む第二級
及び第三級アミンから選択されるのが好ましく、且つこ
のアルケニル基は1個、2個又は3個の相互に隣接しな
い二重結合を含むことが可能である。
【0088】アミンは、ヒドロキシアルキル化及び/又
はアルコキシル化されているのが好ましい。アルコキシ
ル化アミンは、末端ヒドロキシル基を含むアルキレンオ
キシド基を1個又は2個有しているのが好ましい。この
アルキレンオキシド基は、それぞれ1〜100個、更に
好ましくは1〜50個の同一又は異なっていても良いア
ルキレンオキシド単位を、無作為に分散させて、又はブ
ロックの形態で有しているのが好ましい。好ましいアル
キレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド及び/又はブチレンオキシドである。エチレンオキ
シドが特に好ましい。
【0089】ポリマーSPは、少なくとも1種の下式:
【0090】
【化5】
【0091】[但し、RがC〜C22アルキル、C
〜C22アルケニル、アリール−C 〜C22アルキ
ル又はアリール−C〜C22アルケニルを表わし、且
つこのアルケニル基は1個、2個又は3個の相互に隣接
しない二重結合を含むことが可能であり、Rがヒドロ
キシ−C〜Cアルキル又は式IIa:
【0092】
【化6】
【0093】{但し、アルキレンオキシド単位の順序は
任意であり、そしてx及びyが相互に独立して0〜10
0、好ましくは0〜50までの整数を表わし、且つx及
びyの合計が1より大きい}で表される基であり、R
が水素、C〜C22アルキル、ヒドロキシ−C〜C
アルキル、C〜C22アルケニル、アリール−C
〜C22アルキル、アリール−C〜C アルケニル
又はC〜Cシクロアルキルを表わし、且つこのアル
ケニル基は1個、2個又は3個の相互に隣接しない二重
結合を含むことが可能であるか、或いはRが式II
I:
【0094】
【化7】
【0095】{但し、アルキレンオキシド単位の順序は
任意であり、そしてv及びwが相互に独立して0〜10
0、好ましくは0〜50までの整数を表わす}で表され
る基である]で表されるアミンを含むアミン成分を基礎
とする不飽和化合物を導入形態で含んでいるのが好まし
い。
【0096】Rは、C〜C20アルキル又はC
20アルケニルを表すのが好ましく、且つこのアルケ
ニル基は1個、2個又は3個の相互に隣接しない二重結
合を含むことが可能である。Rは飽和又はモノ不飽和
若しくはポリ不飽和脂肪酸の炭化水素基であるのが好ま
しい。好ましい基Rの例としては、n−オクチル、エ
チルヘキシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、ミ
リスチル、ペンタデシル、パルミチル、マルガリニル、
ステアリル、パルミトレニル、オレイル、及びリノール
イルである。
【0097】アミン成分は、アルコキシレート脂肪アミ
ン又はアルコキシル化脂肪アミン混合物を含むのが特に
好ましい。エトキシレートが特に好ましい。特に、獣脂
脂肪アミン等の、主として飽和及び不飽和C14、C
16及びC18アルキルアミン又はココアミン(飽和、
モノ不飽和及びジ不飽和のC〜C22アルキルアミ
ン、好ましくはC12〜C14アルキルアミンを含む)
を含む天然脂肪酸を基礎とするアミンのアルコキシレー
トを使用することができる。アルコキシル化に適当なア
ミン混合物は、例えば、種々のアカゾ(Akzo)社のアル
ミーン(Armeen)(登録商標)銘柄又はセカ(Ceca)社
のノラム(Noram)(登録商標)銘柄である。
【0098】市販されているアルコキシル化アミンの適
例は、セカ社のノラモックス(Noramox)(登録商標)
銘柄、好ましくはエトキシル化オレイルアミン、例えば
ノラモックス(登録商標)05(5個のEO単位)、そ
して更にBASF社より商品名ルテンソル(登録商標)
FAで販売されている製品である。
【0099】上述したエステル、モノエスエル及びジエ
ステルの共重合により、一般に、SPの存在下で調製さ
れるポリマー分散液の顕著な安定性がもたらされる。本
発明のポリマー分散液は、水で希釈する際にラテックス
粒子のコロイド安定性を保持し、或いは電解質又は界面
活性剤溶液を希釈し、そしてそのように確実に行う。
【0100】上述したエステル、モノエステル及びジエ
ステルを製造するためのエステル化は、当該技術者等に
知られている一般的な技術により行われる。不飽和モノ
カルボン酸のエステルを調製するために、遊離酸又は適
当な誘導体、例えば無水物、ハロゲン化物(例えば、塩
化物)、及びC〜Cアルキルエステルを用いても良
い。不飽和ジカルボン酸のモノエステルの調製は、これ
に対応するジカルボン酸の無水物を出発材料として行わ
れるのが好ましい。反応は、例えば、チタン酸ジアルキ
ル等の触媒の存在下か、又は硫酸、トルエンスルホン酸
若しくはメタンスルホン酸等の酸の存在下に行われるの
が好ましい。反応は、一般に、60〜200℃の反応温
度下で起こる。好適な一態様により、反応は、窒素等の
不活性ガスの存在下で起こる。反応中に形成される水
を、適当な手段、例えば蒸留によって反応混合物から除
去しても良い。反応は、必要により一般的な重合開始剤
の存在下で起こっても良い。実質的に、エステル化反応
を行って、完全に転化又は僅かに部分転化しても良い。
必要により、エステル成分の1つ、好ましくはヒドロキ
シル含有アミンを過剰に使用しても良い。エステル化度
を、赤外分光法によって測定しても良い。
【0101】好ましい一態様において、不飽和エステ
ル、モノエステル又はジエステルを調製し、そして更に
エステルを単離することなく、ポリマーSPに反応さ
せ、その際、反応は同一の反応容器で連続して起こるの
が好ましい。
【0102】ポリマーSPを調製するために、ジカルボ
ン酸の無水物、好ましくは無水マレイン酸と上述したヒ
ドロキシル含有アミンの1種との反応生成物を使用する
のが好ましい。
【0103】カルボン酸並びにエステル、モノエステル
及び/又はジエステル組成分の他に、ポリマーSPは、
0〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の他の
モノマーを共重合形態で含んでいても良い。使用可能な
モノマーは、ポリマーEPに関して述べたモノマーであ
り、特に好ましくは、ビニル芳香族化合物(例えば、ス
チレン)、オレフィン(例えば、エチレン)、又は(メ
タ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト)、及びこれらの混合物である。
【0104】ポリマーSPは、バルク又は溶液でフリー
ラジカル重合により調製されるのが好ましい。溶液重合
に適当な溶剤の例は、水、水混和性有機溶剤、例えばア
ルコール及びケトン(例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、等)、及びこれ
らの混合物である。好適な重合開始剤の例は、過酸化
物、ヒドロペルオキシド、ペルオキソジスルフェート、
ペルカーボネート、ペルオキソエステル、過酸化水素、
そしてアゾ化合物(本発明によるポリマー分散液の調製
するために、以下に詳細に開示されている)である。必
要により、ポリマーSPを、従来の方法により、別々に
調製し、そして単離する及び/又は精製しても良い。ポ
リマーSPを、本発明によるポリマー分散液の調製直前
に製造し、そして分散重合用に単離することなく使用す
る。
【0105】ポリマーSPを、ポリマー類似反応により
有効に調製しても良い。このために、80〜100質量
%の少なくとも1種のエチレン性不飽和モノカルボン酸
及び/又はジカルボン酸と0〜20質量%の上述した他
のポリマーとを導入するポリマーを、少なくとも1種の
ヒドロキシル含有アミンと反応可能である。
【0106】ポリマーEPのポリマーSPに対する、固
体を基礎とする質量比は、7:1〜1:7の範囲が好ま
しく、特に3:1〜1:3の範囲である。
【0107】ポリマーEP及びSPの他に、ポリマー分
散液は、ポリマーSPに対して、0〜50質量%、好ま
しくは0.1〜40質量%の少なくとも1種の界面活性
でアルコキシル化、好ましくはエトキシル化又はプロポ
キシル化されているアルキルアミンを含んでいても良
い。好ましいアルキルアミンは、ポリマーSPに含まれ
てもいる上述した式RNRで表されるアルキル
アミンであり、下式:
【0108】
【化8】
【0109】[但し、Rが炭素原子数6個以上のアルキ
ル、アルケニル又はアルキルビニル基を表し、そしてm
及びnが相互に独立して1以上である]で表されるアル
キルアミンが特に好ましい。基Rは、炭素原子数8〜2
2個であるのが好ましい。
【0110】ポリマーSPに含まれるアルコキシル化ア
ルキルアミン、及び更なるアルキルアミン架橋剤は、同
一又は異なっていても良い化合物である。
【0111】ポリマー分散液の特に好ましい組成物は、
a)〜e)並びに上述したアルコキシシランの量の全質
量に対して、 a)70〜30質量%のポリマーEP、 b)30〜70質量%のポリマーSP、及び必要によ
り、 c)0〜10質量%の界面活性アルコキシル化アルキル
アミン、 d)0〜20質量%のポリオール架橋剤、 e)0〜5質量%の反応促進剤(特に、反応促進剤を含
まない)、 を含んでいる。
【0112】上記組成分に加えて、最終利用目的に応じ
て従来からの添加剤を添加することも可能である。ポリ
マー分散液、及び他の添加剤を含むポリマー分散液を、
以下にまとめて「組成物」とする。
【0113】この組成物に含まれていても良い更なる成
分を、エマルジョン重合後に、一般に添加する。
【0114】更に、この組成物は、最終利用目的に応じ
て従来からの添加剤を含んでいても良い。例えば、殺バ
クテリア剤及び殺菌剤を含んでいても良い。更に、処理
済み支持体の水に対する強度を増大させるための疎水化
剤を含んでいても良い。好適な疎水化剤は、従来からの
水性パラフィン分散液又はシリコーンである。更に、組
成物は、湿潤剤、増粘剤、可塑剤、保持剤、顔料、及び
フィラーを含んでいても良い。
【0115】最後に、この組成物は、従来からの難燃
剤、例えばケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、
ボレート及び/又はホスフェートを含んでいても良い。
【0116】この組成物を、他のバインダー、例えば尿
素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂又はフェノール−ホルムアルデヒド樹脂等とのブ
レンド、更にエポキシ樹脂とのブレンドとして使用して
も良い。
【0117】組成物は、ホルムアルデヒド非含有である
のが好ましい。ホルムアルデヒド非含有は、組成物がホ
ルムアルデヒドを実質量で含まず、更に乾燥及び/又は
硬化中に実質量のホルムアルデヒドを放出しないことを
意味する。一般に、組成物のホルムアルデヒド含有率
は、100ppm未満である。これにより、短い硬化時
間で成形体の製造が可能となり、そして成形体の良好な
機械特性が得られる。
【0118】利用(塗布)前に、組成物を実質的に架橋
しないので、これは熱可塑性である。しかしながら、必
要により、例えば2種以上の重合性基を含むモノマーを
使用することにより、ポリマーEPの予備的な架橋を低
い水準でもたらす場合がある。
【0119】ポリマー分散液又は組成物を、例えば、繊
維状及び粒子状の支持体、例えばウッドチップ、木繊
維、紡織繊維、ガラス繊維、無機繊維、又は天然繊維、
例えばジュート、アマ、アサ又はサイザルアサ、更にコ
ルクチップ及び砂等用のバインダーとして使用しても良
い。硬化後、機械的強度の高い成形体が得られ、これは
湿潤条件下であっても寸法安定性を保持する。熱硬化が
好ましい。硬化温度は、一般に80〜250℃であり、
100〜200℃が好ましい。
【0120】加熱時に、組成物中の水は蒸発し、そして
この組成物は硬化する。この処理は、同時に又は連続し
て起こっても良い。硬化に関して、その内容は、組成物
の化学的な変化(alternation)、例えば、組成物の異
なる組成分間の共有結合の形成、イオン性の相互作用及
びクラスターの形成、並びに水素結合の形成による架橋
を意味する。硬化は、例えば相転位(phase rearrangem
ent)又は転相等のバインダーでの物理的変化によって
同時に行われても良い。本発明による組成物は、これを
比較的低温で硬化可能な点で有効である。加熱時間及び
加熱温度により、硬化の程度に影響を与える。
【0121】硬化は、2段階(2工程)以上で行われて
も良い。例えば、第1工程において、達成される硬化の
程度が低くなるように硬化温度及び硬化時間を選択し、
次いで、第2工程において、実質的に硬化を終了する。
この第2工程は、第1工程と、空間的及び時間的に独立
して行われても良い。これに関して、例えば、本発明に
よる組成物を使用して、バインダーが含浸され且つ別の
場所で成形及び硬化される半仕上げ製品を製造すること
が可能である。
【0122】更に本発明は、支持体を上述したポリマー
水性分散液で処理し、その後これを硬化することにより
得られる結合状態の支持体を提供する。この支持体は、
成形品の形態か、又は不織布(ファイバーウェブ)の形
態であるのが好ましい。
【0123】成形品の密度は、23℃で0.2〜1.4
g/cmであるのが好ましい。
【0124】好適な成形品は、輪郭を有するシート及び
成形部品であるのが好ましい。その厚さは、一般に少な
くとも1mmであり、少なくとも2mmであるのが好ま
しく、そしてその表面積は、一般に200〜20000
0cmの範囲である。特に、木製のファイバーボード
及びチップボード、コルク板、コルクブロック及びコル
ク成形品;例えば鉱物繊維(無機繊維)及びガラス繊維
から作製される断熱板及び断熱ロール;内部ドアトリ
ム、ダッシュボード等の自動車内部部品;そして小包用
の棚等を考慮しても良い。
【0125】使用されるバインダー(binding)の質量
換算による量は、支持体(繊維、スライバー又はチッ
プ)に対して、一般に0.5〜40質量%であり、1〜
30質量%が好ましい(バインダーの固体)。
【0126】繊維、スライバー又はチップを、バインダ
ーで直接被覆することも、或いは水性バインダーと混合
することも可能である。水性バインダーの粘度は、10
〜4000mPasに調節されるのが好ましく、30〜
2000mPasが特に好ましい(ドイツ工業規格53
019、250s−1での回転粘度計)。
【0127】繊維、スライバー及びチップとバインダー
との混合物を最初に、例えば10〜150℃の温度で乾
燥し、その後、圧縮成形して、例えば80〜250℃、
好ましくは100〜200℃の温度、及び一般に2〜1
000バール(2.0×10 Pa〜1.0×10
a)、好ましくは10〜750バール(10Pa〜
7.5×10Pa)、特に好ましくは200〜500
(2.0×10Pa〜5.0×10Pa)バールの
圧力条件下で成形品を形成することができる。
【0128】バインダーは、木材を基礎とする材料(ウ
ッドベース材料)、例えば木製のチップボード及び木製
のファイバーボード(Ullmanns Encyclopaedie der tec
hnischen Chemie, 第4版 1976, 第12巻, 709〜727頁、
参照)等の製造に特に適当であり、この材料は、分解状
態の木材、例えばウッドチップ及びウッドファイバーを
接着することによって製造可能である。ウッドベース材
料の耐水性は、バインダーに、一般に市販されている水
性パラフィン分散液又は他の疎水化剤を添加するか、或
いはこの前に又は次いで、該疎水化剤を、繊維、スライ
バー又はチップに添加することによって高めることが可
能である。
【0129】チップボードの製造法は周知であり、例え
ばH. J. Doppe, K. Ernst Taschenbuch der Spanplatte
ntechnik, 第2版, Verlag Leinfelden 1982に記載され
ている。
【0130】平均寸法が0.1〜4mm、特に0.2〜
2mmであり、且つ6質量%未満の水を含むチップを用
いるのが好ましい。しかしながら、著しく粗いチップ及
び水分含有率がより高いチップを用いることも可能であ
る。バインダー固体のウッドチップに対する質量比を好
ましくは0.02:1〜0.3:1の範囲として、バイ
ンダーをウッドチップに極めて均一に塗布する。
【0131】その後、接着状態のウッドチップを撒き散
らして(散乱させて)、表面の均一性の高い層を形成
し、その際に層厚は、仕上げ処理されたチップボードの
所望の厚さに左右される。撒き散らし層を、例えば10
0〜250℃、好ましくは120〜225℃の温度で、
一般的には10〜750バール(10Pa〜7.5×
10Pa)の圧力を適用して加圧し、ボード(板)を
形成する。必要とされる加圧時間は広範囲内で変更して
良く、一般に15秒〜30分の範囲である。
【0132】このバインダーから中密度ファイバーボー
ド(MDF)パネルを製造するために必要とされる適当
な品質のウッドファイバー(木繊維)は、約180℃の
温度で特定のミル又は微粉砕器(refiner)において摩
砕することによって樹皮のないウッドチップより製造可
能である。
【0133】接着する場合、ウッドファイバーを空気流
において一般に渦を巻いて舞い上がらせ、そしてこれに
より得られたファイバー流にバインダーをノズルによっ
て導入する(ブローライン法(blow-line proces
s))。ウッドファイバーのバインダーに対する乾燥物
質(dry-matter)含有率又は固体含有率を基礎とする比
は、通常40:1〜2:1であり、20:1〜4:1が
好ましい。接着状態のファイバーを、例えば130〜1
80℃の温度でファイバー流中において乾燥し、撒き散
らしてファイバーウェブを形成し、そして10〜50バ
ール(10Pa〜5.0×10Pa)の圧力条件下
で加圧して、ボード又は成形品を形成する。
【0134】或いは、例えばDE−A2417243に
開示されているように、接着状態のウッドファイバー
を、輸送可能なファイバーマットに加工することも可能
である。その後、この中間物を、例えば第2の(別の)
時間的及び空間的に独立した工程において、ボード又は
成形部品、例えば自動車のドア内部トリムパネルに更に
加工することができる。
【0135】サイザルアサ、ジュート、アサ、アマ、コ
コナッツ、バナナ及び他の天然繊維等の他の天然繊維支
持体も同様に、バインダーで処理して、ボード及び成形
部品を形成することができる。この天然繊維材料は、プ
ラスチック繊維、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリエステル、ポリアミド又はポリアクリロニトリ
ルとの混合物でも使用可能である。この場合、プラスチ
ック繊維は、本発明によるバインダーとしての他に、コ
バインダー(cobinder)として機能することもある。こ
の場合におけるプラスチック繊維の割合は、全てのチッ
プ、スライバー又は繊維に対して、50質量%未満であ
るのが好ましく、特に30質量%未満であり、10質量
%未満であるのが特に好ましい。この繊維を、木製のフ
ァイバーボードに用いられる方法によって加工すること
ができる。或いは、好ましい天然繊維マットを、湿潤助
剤を添加し、又は添加することなく、本発明のバインダ
ーで含浸することも可能である。その後、この含浸処理
されたマットを、バインダー湿潤又は予備乾燥状態で、
例えば10〜100バール(10〜10Pa)の圧
力下、100〜250℃にて加圧して、ボード又は成形
部品を形成する。
【0136】本発明によるバインダーを含浸した支持体
の残水率は、加圧時に、結合すべき支持体に対して、3
〜20質量%の範囲であるのが好ましい。
【0137】これにより得られる支持体は、吸水性が低
く、水に貯蔵後に厚さの増大(膨潤)が殆んど無く、及
び硬度が良好であるという特徴を示し、且つこれはホル
ムアルデヒドを含まない。
【0138】更に、この組成物は、有機及び/又は無機
繊維、非繊維状の無機フィラ、そしてデンプン及び/又
はポリマー水性分散液から作製されるボード用の被覆
(コーティング)材料及び含浸材料のバインダーとして
使用可能である。この被覆材料及び含浸材料により、ボ
ードに対して、高い曲げ弾性率を与える。かかるボード
の製造法は公知である。
【0139】この種類のボードは、通常、防音パネルと
して使用される。このパネルの厚さは、一般的に約5〜
30mmの範囲であり、10〜25mmの範囲が好まし
い。正方形又は長方形パネルの縁の長さは、通常、20
0〜2000mmの範囲である。
【0140】更に、本発明の組成物は、被覆及び含浸技
術で一般的な助剤を含んでいても良い。かかる助剤の例
としては、微粉砕状態(微粒子状)の不活性フィラー、
例えばケイ酸アルミニウム、石英、沈殿状態又は熱分解
法シリカ、軽晶石及び重晶石、タルク、ドロマイト又は
炭酸カルシウム;着色顔料、例えばチタンホワイト、鉛
白、酸化鉄ブラック等;抑泡剤、例えば変性ジメチルポ
リシロキサン、そして定着剤、更に防腐剤である。
【0141】組成物の成分は、一般に、被覆材料中に1
〜65質量%の量で含まれている。不活性フィラーの割
合は、一般に0〜85質量%であり、水の割合は、少な
くとも10質量%である。
【0142】組成物は、支持体への塗布を、例えば噴
霧、ロール、注入又は含浸により従来からの方法で使用
される。組成物の乾燥物質含有率に対して塗布される量
は、一般に2〜100g/mの範囲である。
【0143】使用される添加剤の量は、当該技術者等に
公知であり、所望の性質及び利用目的の応じて個々の場
合において異なる。
【0144】この組成物を、例えば鉱物繊維及びガラス
繊維等の無機繊維から作製される断絶材料用のバインダ
ーとして使用可能でもある。この種類の断熱材料は、対
応する鉱物性原料の溶融紡糸よって工業的に製造され
る。これについては、US−A2550465、US−
A2604427、US−A2830648、EP−A
354913及びEP−A567480を参照された
い。その後、組成物を、新たに製造された、依然として
暖かい状態の無機繊維に噴霧する。その後、水は十分に
蒸発し、そしてこの組成物は、主として未硬化状態で、
粘稠性素材として繊維に対する粘着性を残す。このよう
に製造される連続バインダー含有ファイバーマットは、
適当なベルトコンベヤによって硬化炉に輸送される。こ
の硬化炉において、マットが約100〜200℃の範囲
の温度で硬化して、剛性マトリックスを形成する。硬化
後、断熱材料のマットを適当に加工する。
【0145】断熱材料に使用される鉱物繊維(無機繊
維)又はガラス繊維の大部分は、直径0.5〜20μm
の範囲であり、長さ0.5〜10cmの範囲である。
【0146】本発明による組成物は、ファイバーウェブ
用のバインダーとして更に好適である。
【0147】特記に値するファイバーウェブの例として
は、セルロール、セルロースアセテート、セルロースの
エステル及びエーテル、綿、アサ、動物性繊維、例えば
ウール又は毛、そして特に合成又は無機繊維、例えばア
ラミド、炭素、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、
鉱物、PVC、又はガラス等の各ウェブである。
【0148】ファイバーウェブ用のバインダーとして使
用する場合、本発明による組成物は、例えば以下の添加
剤を含んでいても良い:すなわち、シリケート、シリコ
ーン、ホウ素化合物、滑剤、湿潤剤である。
【0149】ガラスファイバーウェブが好ましい。非結
合状態のファイバーウェブ(未処理ファイバーウェ
ブ)、特にガラス繊維のウェブを、本発明によるバイン
ダーで結合、すなわち固化する。
【0150】このために、バインダーを未処理ファイバ
ーウェブに、ファイバーのバインダー(固体)に対する
質量比を好ましくは10:1〜1:1の範囲、特に好ま
しくは6:1〜3:1の範囲で、例えば被覆、含浸又は
浸軟させることによって塗布する。
【0151】この場合、バインダーを、95〜40質量
%の水を含む希釈処理された水性調剤の状態で使用する
のが好ましい。
【0152】一般に、バインダーの未処理ファイバーウ
ェブへの塗布後に、好ましくは100〜400℃、特に
130〜280℃、特に好ましくは130〜230℃の
温度で、好ましくは10秒〜10分、特に10秒〜3分
に亘って乾燥する。
【0153】これにより得られる結合状態のファイバー
ウェブは、乾燥及び湿潤状態で高強度を有する。特に、
本発明のバインダーにより、短い乾燥時間、更に低い乾
燥温度を可能にする。
【0154】結合状態のファイバーウェブ、特にガラス
ファイバーウェブは、屋根材の膜(屋根葺き用の膜(シ
ート))として又はこのようなものにおいて、壁紙用の
基礎材料として、或いは例えばPVCから作製されるフ
ロアーカバー用のインライナー(inliner)又は基礎材
料としての使用に適当である。
【0155】屋根材の膜として使用する場合、結合状態
のファイバーウェブは一般に瀝青(ビチューメン)で被
覆されている。
【0156】水性組成物を使用して、発泡状態のボード
又は成形品を製造することも可能である。このために、
組成物中に含まれる水を、100℃未満の温度でまず最
初に除去して、20質量%未満のレベルに低減させる。
これにより得られる粘稠性組成物を、その後、100℃
を超え、好ましくは120〜300℃の温度で発泡させ
る。使用可能な発泡剤の例としては、混合物中に依然と
して含まれる残水及び/又は硬化反応中に形成する気体
状の反応生成物である。しかしながら、従来から市販さ
れている発泡剤を添加することも可能である。これによ
り得られる架橋ポリマーフォームを、例えば断熱及び防
音に使用可能である。
【0157】この組成物を使用して、公知の方法に従
い、紙を含浸し、その後軽く乾燥することにより、例え
ば装飾分野での利用目的に、積層体を製造することも可
能である。次の工程において、この積層体を、加圧下及
び加熱して、被覆すべき支持体に積層させ、その際に、
バインダーの硬化が起こるような条件を選択する。
【0158】更に、組成物を使用して、フェノール性樹
脂バインダーを用いる一般的な製造技術によって、紙や
すり及び他の研磨剤を製造することも可能である。紙や
すりの製造において、本発明によるバインダー層を、ベ
ースバインダーとしてまず最初に適当な裏紙に塗布する
(約10g/m)。粒子状の研磨剤、例えばシリコン
カーバイド、コランダム等の所望量を、湿潤ベースバイ
ンダーに散乱させる。最初の乾燥後、バインダーの保護
膜を塗布する(例えば、5g/m)。その後、このよ
うに被覆された紙を、170℃で更に5分加熱すること
によって硬化する。
【0159】組成物の硬度及び可撓性を、ポリマーSP
の組成によって所望の水準に設定しても良い。
【0160】本発明による組成物は、更に、従来からの
熱硬化処理法(E. Flemming, W. Tilch, Formstoffe un
d Formverfahren, Dt. Verlag fuer Grundstoffindustr
ie,Stuttgart, 1993)に従う金属注型用の注型成形品及
びコアを製造するためのホルムアルデヒド非含有砂(サ
ンド)バインダーとして適当である。
【0161】これは、金型断熱ボード(mold insulatin
g board)用のバインダーとしても適当である。
【0162】以下の実施例は、本発明を説明する意図で
あり、本発明を限定するものではない。
【0163】[実施例] A)酸ポリマーSPの製造:馬蹄型の撹拌器を具備する
加圧反応器に、0.55kgの十分に脱イオン処理した
水、0.36kgの無水マレイン酸及び0.91kg
の、エトキシル化オレイルアミン(エトキシル化度の平
均=12、BASF社)の40質量%濃度水溶液を導入
した。この最初の導入物を窒素雰囲気下で125℃に加
熱した。この温度に到達後、0.75kgの十分に脱イ
オン処理した水及び1.00kgのアクリル酸を含む給
送流1を、4時間に亘って均一の速度で計量導入し、そ
して0.22kgの十分に脱イオン処理した水及び0.
12kgのH(30質量%)を含む給送流2を、
5時間に亘って均一の速度で計量導入した。給送流1の
導入後、更に0.11kgの十分に脱イオン処理した水
を添加した。反応終了後、反応混合物を室温に冷却し
た。このようにして得られたポリマー水溶液は、固体含
有率43.2%、pH1.7及び粘度450mPasで
あった。K値は、13.3であった。
【0164】B)ポリマー分散液: (酸ポリマー及びアルコキシシランの存在下でのエマル
ジョン重合) EP1を含むポリマー分散液:640gの水、133.
1gの、実施例Aより得た酸ポリマーSP(43.2質
量%)の水溶液、5.35g(10%)の給送流2及び
5.75gのシラン(ヴィトコ(Witco)社のA−11
00シラン)を、馬蹄型撹拌器(120rpm)を具備
する4Lのガラス容器に導入し、そして90℃に加熱し
た。10分後、給送流1の残りをこの温度で3時間に亘
って添加し、そして給送流2の残りを3.5時間に亘っ
て添加し、その際、この2種類の添加を、相互に独立し
た空間で行った。その後、この温度で重合を30分間継
続し、その後、反応混合物を冷却し、そして給送流3と
ブレンドした。このようにして調製されたポリマー分散
液は、不揮発性含有率47.3質量%及びpH2.7で
あった。これにより得られたポリマー分散液の粘度は、
630mPas(250/秒の条件下で)であった。最
後に、9%のトリエタノールアミン(固体含有率に対し
て)を、この分散液に添加した。
【0165】給送流1:185.32gの水、665.
51gのSP(43.2%)、28.75gのγ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン(A−1100、ヴィト
コ社)(100%)、805.00gのスチレン(10
0%)、287.50gのMMA(100%)、57.
50gのHEA(100%); 給送流2:50gの十分に脱イオン処理した水、3.4
5gのナトリウムペルオキソジスルフェート; 給送流3:1863.43gのSP(43.2%)、8
0.50gのA−1100シラン。
【0166】EP2を含むポリマー分散液:EP1と同
様に処理するが、給送流の組成が異なっていた: 給送流1:185.32gの水、2528.94gのS
P(43.2%)、109.25gのシラン(100
%)、805.00gのスチレン(100%)、28
7.50gのMMA(100%)、57.5gのHEA
(100%); 給送流3(給送流1の全SP及びシラン)は使用せず、 給送流2:50gの十分に脱イオン処理した水、3.4
5gのナトリウムペルオキソジスルフェート;pH=
2.7、粘度(250/秒でのmPas)=510mP
as、SC=47.5。
【0167】EP3を含むポリマー分散液:EP1に関
して、給送流2のみ変えた; 給送流2:185.32gの水、665.51gのSP
(43.2%)、28.75gのA−1100シラン
(100%)、845.25gのEHA(100%)、
241.50gのスチレン(100%)、63.25g
のHEA(100%)。
【0168】[比較実施例]比較実施例において、アル
コキシシランを、エマルジョン重合終了後に添加するか
(実験3a、b及びc)、又は全く添加しなかった(実
験1)。
【0169】
【表1】
【0170】SP:EP比は常に1:1(固体)であっ
た。
【0171】C)性能試験 300gの珪砂H34を、室温で、バインダー組成物
(砂に対して、表に従い5質量%又は3質量%の乾燥バ
インダー)と混合した。湿潤混合物を、対応する金属金
型において、寸法17×2.3×2.3cmの試験片
(フィッシャーバー(Fischer bar))に付形し、これ
を圧縮し、そして離型後に、表に従い、室温で2時間、
空気循環炉において硬化した。ゲオルグフィッシャー
(Georg Fischer)社のPRA型のラムを使用して圧縮
した。試験前に、このバーを80℃で3時間、温水に放
置した。その後、依然として湿潤状態であるバーの吸水
率を測定した(表において、WS後にWA)。
【0172】このように作製されたフィッシャーバーの
結合強度を、試験装置PBVを具備するPFG型の強度
試験措置(ゲオルグフィッシャー社製、シャフハウゼン
(Schaffhausen)、CH)において、23℃の試料温度
で乾燥状態にて測定した(表中、WS後にBS)。
【0173】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 35/00 C08L 35/00 D04H 1/58 D04H 1/58 A (72)発明者 マティアス、ラウベンダー ドイツ、67105、シファーシュタット、ハ ールトシュトラーセ、32アー (72)発明者 ベルント、レック ドイツ、67269、グリューンシュタット、 バイム、ベルクトール、14 Fターム(参考) 4J002 AA01X BC03X BG01W BG05X BG07X BH00W BH02W EC047 EN107 EX036 FD206 FD207 GF00 GK00 HA07 4J011 KA02 KA04 KA10 KA15 KB14 KB19 KB29 PA47 PA69 PA70 PB40 PC02 PC03 PC06 4J026 AA43 AA53 AC23 BA01 BA04 BA09 BA12 BA24 BA26 BA30 BA31 BB02 DA04 DB04 FA04 GA02 4L047 BA12 BC13 BC14 CB01 CB09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルジョンポリマー(略して、E
    P)、 少なくとも5質量%のエチレン性不飽和モノカルボン
    酸、ジカルボン酸又はジカルボン酸無水物から構成され
    るポリマー(略して、酸ポリマーSP)、及び式: 【化1】 [但し、基R〜Rが相互に独立して有機基を表し且
    つこれらの基の少なくとも1つがアルコキシ基を表す]
    で表されるアルコキシシラン、を含むポリマー水性分散
    液の製造方法であって、 前記エマルジョンポリマーを、前記アルコキシシランの
    少なくとも少量の存在下でエマルジョン重合により製造
    することを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エマルジョンポリマーを構成するモ
    ノマーの70質量%が重合する前に、アルコキシシラン
    を添加する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記エマルジョンポリマーが、C〜C
    20アルキル(メタ)アクリレート、炭素原子数20個
    以下のカルボン酸のビニルエステル、炭素原子数20個
    以下のビニル芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリ
    ル、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、炭素原子数1
    〜10個のビニルアルコール、炭素原子数2〜8個であ
    り且つ1個又は2個の二重結合を有する脂肪族炭化水
    素、並びにこれらのモノマー混合物から選択される、主
    モノマーとして知られているモノマー少なくとも40質
    量%から構成されている請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記エマルジョン重合が、前記酸ポリマ
    ーの少なくとも少量の存在下で行われる請求項1〜3の
    いずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記酸ポリマーが、 50〜99.5質量%の少なくとも1種のエチレン性不
    飽和モノカルボン酸若しくはジカルボン酸、ジカルボン
    酸無水物、又はこれらの混合物、 0.5〜50質量%の、エチレン性不飽和モノカルボン
    酸のエステル並びにエチレン性不飽和ジカルボン酸とヒ
    ドロキシル基を1個以上含むアミンとのモノエステル及
    びジエステルから選択される少なくとも1種のエチレン
    性不飽和化合物、及び必要により、20質量%以下の少
    なくとも1種の他のモノマー、から構成される請求項4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリマー水性分散液が、更に、少な
    くとも2個のヒドロキシル基を有するポリオール又はア
    ルカノールアミンを含む請求項1〜5のいずれかに記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の方法に
    より得られるポリマー水性分散液。
  8. 【請求項8】 繊維状又は粒子状材料、特にガラス繊
    維、木繊維、紡織繊維、無機繊維、木材スライバー及び
    ウッドチップ、コルクチップ、そして砂から選択される
    材料からなり、請求項7に記載の水性分散液をバインダ
    ーとして含む成形体又は不織布。
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