JP2003048821A - 皮膚美白作用剤 - Google Patents

皮膚美白作用剤

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JP2003048821A JP2001236155A JP2001236155A JP2003048821A JP 2003048821 A JP2003048821 A JP 2003048821A JP 2001236155 A JP2001236155 A JP 2001236155A JP 2001236155 A JP2001236155 A JP 2001236155A JP 2003048821 A JP2003048821 A JP 2003048821A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】椎茸菌糸体抽出物による皮膚美白作用を利用し
て、椎茸菌糸体抽出物を含む皮膚美白作用剤の提供。 【解決手段】バカスを基材とする固体培地上に、椎茸菌
を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含
む固体培地を解束し、この解束された固体培地に、水お
よびセルラーゼ、グルコシダーゼまたはプロテアーゼか
ら選ばれる酵素の1種またはそれ以上を、前記固体培地
を30〜50℃に保ちながら添加し、そして前記固体培
地を酵素の存在下に粉砕および擂潰してL・E・Mを抽
出し、次いで95℃までの温度に加熱することにより酵
素を失活させ、かつ滅菌してなる椎茸菌糸体抽出物を含
む皮膚美白作用剤は、外用および内用いずれの形態でも
使用でき、皮膚の美容健康維持を図るために有効であ
り、副作用も発生しないので安全性の面から見ても優れ
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は生物起源の新規な皮膚美白
作用剤に関する。さらに詳しくは、皮膚のしわ形成およ
びメラニン色素沈着を抑制する作用など皮膚の美容健康
に対し好ましい作用を発揮する椎茸菌糸体抽出物(L・
E・M)を含む皮膚美白作用剤ならびにその製造方法お
よび利用に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】白くきめ細かい皮膚は多くの女性
の憧れである。また平均寿命が延びた現在、いつまでも
健康で若々しい肌を保つことは、老若男女を問わず重大
な関心事である。人間の皮膚の色は皮膚組織内のメラニ
ンの濃度と分布によって遺伝的に決められるが、太陽か
らの紫外線や疲労、ストレスなどの環境的または生理的
条件によっても影響を受ける。メラニンはアミノ酸の一
種であるチロシンにチロシナーゼいう酵素が作用してド
ーパ(DOPA)やドーパキノンに変化した後、非酵素
的酸化反応を経て生成される。本来、メラニンは日光中
の紫外線の有害作用を防ぐ天然のサンスクリーン剤とし
て意義を持つ色素でもある。しかし表皮基底層のメラノ
サイトで過剰に産生され、適切に皮膚組織から除去され
ずに異常に沈着するとしみ、くすみ、そばかすなどの原
因となる。皮膚美白はこのようなメラニンの過剰産生を
抑制することを主な目的とする。そのためにはメラニン
を生成するチロシナーゼの量または活性を弱めるか、メ
ラニン生成を誘導または刺激する物質の放出を抑える
か、あるいは既成メラニンの還元などを通じて表皮から
排除するといった作用が考えられ、従来の美白効果をも
つ物質はこれらのいずれかの作用を有するものである。
【0003】従来は、ハイドロキノンやアスコルビン
酸、コウジ酸(kojic acid)、グルタチオン、アルブ
チンなどのようにチロシナーゼの活性を阻害する物質を
軟膏や化粧料に配合して、しみ、そばかす改善のために
用いられてきた。しかし、ハイドロキノンの場合、美白
効果は認められるが皮膚刺激性が強く、きわめて限られ
た量しか用いることができないという制約がある。アス
コルビン酸は酸化しやすいため、これを配合した化粧料
は変色、変臭するという問題点がある。グルタチオン、
システインなどのチオール系化合物もまた特有の不快な
匂いがあり、経皮吸収において問題点がある。アルブチ
ンなどの配糖体及びその誘導体は、極性が高いため、化
粧料の配合成分としては使いにくい。
【0004】また、皮膚美白用組成物として胎盤抽出物
などを用いる場合もあるが、臨床試験によると美白効果
が充分でないという見解がある。植物起源の皮膚美白作
用を持つものとして、ホルトソウ、セイヨウカラシナ、
茜の抽出物を配合したものが提案されている(特開平8-
175954)。このように従来知られた数多くの美白剤は、
効果、毒性や安定性などに問題があって使用が制限され
た。
【0005】一方、皮膚の光老化の一側面であるしわの
生成は、皮膚加齢現象に加えて環境因子の影響が大き
い。その最大の要因は、紫外線の刺激が誘発する皮膚障
害であり、フリーラジカル、とくに活性酸素の有害作用
によるものと考えられている。したがって外用皮膚美白
剤として、色素沈着抑制効果とともにしわ予防改善作用
を有する安全な物質を含むものが望ましい。従来、皮膚
美白剤は美容分野で美白作用を有する化合物が配合した
化粧品として提供されている。さらに内用剤として安全
に服用できるか、あるいは食品のように手軽に摂取でき
る美白作用を有する製剤があれば、化粧品などのような
外用剤における経皮吸収の効率と比較するまでもなく、
極めて効果的で有意義である。
【0006】ところで、古くから、椎茸、松茸、エノキ
茸などの担子菌類の茸は食用されており、中には、担子
菌類サルノコシカケ科に属する茸のように漢方薬として
重用されているものもある。そのなかでも椎茸(Lentin
us edodes)は、わが国および中国の代表的な食用キノ
コである。椎茸は古来より種々の疾患、症状に対して薬
理的作用があると言われてきたが、その多彩な生理効果
が具体的に解明されるようになったのは、比較的最近の
ことである。椎茸菌糸体抽出物(L・E・M)の作用に
関しては、抗酸化作用、免疫賦活作用、動脈硬化予防、
抗癌作用など種々の生理活性作用が示され、注目を浴び
ている。
【0007】今回、本発明者らは、L・E・Mの薬理作
用に関する研究を深める過程で、L・E・Mが顕著なラ
ジカル消去活性、脂質過酸化反応の抑制に加えて、新た
にメラニン色素沈着抑制を含む美白効果も有することを
見出した。そこで天然物由来の新しい皮膚美白剤を開発
しようとする本発明の着想に至り、鋭意研究を重ねてそ
の完成に至ったものである。
【0008】
【発明の目的】本発明は前記のような問題点を解決する
ためのものであって、その目的は、メラニン色素沈着の
抑制、しわ形成抑制効果など皮膚の美容健康を保持する
美白効果を有し、しかも生体に安全である皮膚美白作用
剤を提供することにある。本発明は、椎茸菌糸体抽出物
(L・E・M)を含む新規な皮膚美白作用剤である外用
皮膚美白剤、内用の医薬品及び飲食物組成物に関するも
のである。
【0009】本発明のさらなる目的は、L・E・Mの薬
理作用をさらに詳しく解明して、L・E・Mの新しい化
粧用途、飲食物、医薬用途および/または保健用途を提
案することである。
【0010】
【発明の概要】本発明の皮膚美白作用剤は、椎茸菌糸体
抽出物(L・E・M)を含むものである。本発明の皮膚
美白作用剤は、椎茸菌糸体抽出物および任意成分として
薬剤的に許容できる担体を含む、しみ、しわなどの皮膚
障害、または皮膚疾患の治療用および/または予防用組
成物である。
【0011】本発明の皮膚美白作用剤に含まれる椎茸菌
糸体抽出物は、好ましくはバカスを基材とする固体培地
上に、椎茸菌を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られ
る菌糸体を含む固体培地を解束し、この解束された固体
培地に、水およびセルラーゼ、グルコシダーゼまたはプ
ロテアーゼから選ばれる酵素の1種またはそれ以上を、
前記固体培地を30〜50℃に保ちながら添加し、そし
て前記固体培地を酵素の存在下に粉砕および擂潰してL
・E・Mを抽出し、次いで95℃までの温度に加熱する
ことにより酵素を失活させ、かつ滅菌してなるL・E・
Mである。
【0012】本発明の皮膚美白作用剤は、外用剤でもよ
い。また、本発明の皮膚美白作用剤は、経口で投与する
内用剤であってもよい。さらに本発明の皮膚美白作用剤
は、飲食物の形であってもよい。本発明に係る皮膚美白
作用剤は、しわの形成、メラニン色素沈着によるしみ、
くすみなどの形成などを抑制するほか、とくにフリーラ
ジカル、活性酸素の消去または脂質過酸化が関与する皮
膚障害、皮膚の光老化に対して治療的あるいは予防的に
作用するものであること、昔から食用されてきた椎茸か
ら得られた抽出物を主成分とするものであり、副作用の
おそれがなく安全性に優れていることなどを特徴とす
る。本発明のL・E・Mを含む皮膚美白作用剤は今まで
知られておらず、L・E・Mを配合した製剤は、L・E
・Mの抗酸化作用を中心とする多彩な生理作用の総合的
効果として、皮膚美白作用を示すものである。このため
外用皮膚美白剤としてだけでなく、皮膚症状の治療、予
防、あるいは皮膚の美容健康増進を図る健康食品などを
含む飲食物または内用医薬品への利用においてその有用
性が提案される美白作用剤である。
【0013】
【発明の具体的説明】上記に概要を示した本発明につい
て、椎茸菌糸体抽出物(L・E・M)、内用皮膚美白作
用剤、飲食物、外用皮膚美白剤への利用について具体的
に説明する。なお、本明細書において使用する「皮膚美
白作用」とは、メラニン色素沈着の抑制によるしみ、そ
ばかすの防止、およびしわの生起の防止という肌の美容
上好ましい作用(狭義の美白作用)のほか、L・E・M
による多彩な生理作用の総合的な効果として、広義には
皮膚の健康維持の作用、具体的には紫外線がもたらす皮
膚の諸機能減退の防止、さらには皮膚の光老化亢進の抑
制、または皮膚症状、とりわけ活性酸素種や過酸化脂質
による酸化的細胞傷害が関与する障害の治療もしくは予
防をも包含するものである。椎茸菌糸体抽出物(L・E・M)・ 製法 L・E・Mの製法にはとくに制限はなく、たとえば、特
開平2−134325号公報に記載されているように、
椎茸菌糸体培養物を必要により自己消化させた後、熱水
抽出し、その熱水抽出物をアルコールに沈殿させて得ら
れるものでもよく、また、必要により、この沈殿物をさ
らにクロマトカラムにて分画し、エチレングリコール等
にて溶出画分を分取して用いてもよい。
【0014】本発明ではL・E・Mに関して、皮膚美白
作用剤に使用する場合、特公昭60-23826号公報
に記載された方法を利用して調製したものが望ましい。
以下、L・E・Mの調製法を、以下に詳説する。L・E
・Mを調製するには、具体的には、まずバカス(サトウ
キビのしぼりかす)、脱脂米糠を基材とする固体培地に
水、好ましくは純水を適度に混ぜた後、椎茸菌を接種す
る。なお、このバカス培地に、米糠の他、必要によりリ
ン、鉄、ゲルマニウム等のミネラル類、落花生表皮、玄
米などを添加してもよい。
【0015】次いで、このように椎茸菌が接種された培
地を、温度および湿度が調節されさらには照度も調節さ
れた培養室内に入れて、菌糸体を増殖させる。菌糸体が
固体培地に蔓延し、子実体の発生直前・直後の時期に、
バカス基材の繊維素を解束し、12メッシュ通過分が3
0重量%以下となるようにすることが望ましい。なお、
バカス基材培地の解束は、上記のように子実体の発生直
前・直後の時期に行うことが好ましいが、子実体がかな
り成長した後の時期に行ってもよい。
【0016】このように解束された固体培地に、水およ
びセルラーゼ、プロテアーゼまたはグルコシダーゼから
選ばれる酵素の1種またはそれ以上を、固体培地を30
〜50℃に保ちながら添加する。添加される酵素として
は、セルラーゼが好ましい。酵素の添加量は、固体培地
1kgに対して0.5〜5g、好ましくは1〜3gであ
ることが望ましい。
【0017】また水は、金属イオン等のイオン類を含ま
ない純水が好ましく、この解束された培地1kgに対し
て、純水1〜10kg、好ましくは2〜6kgを加えて
バカス含有混合物とする。次いでこのバカス含有混合物
からL・E・Mを抽出するが、このようにL・E・Mを
抽出するには、培地含有混合物を、たとえば変速機付ギ
ヤーポンプ等を用いて循環させながら、固体培地に粉砕
および擂潰作用を加えてバカス繊維の約70重量%以上
が12メッシュ通過分となるようにすることが望まし
い。
【0018】バカス含有混合物の粉砕および擂潰は、該
混合物の温度を30〜50℃に保ちながら行ってもよ
く、温度を上記温度より徐々に上昇させながら行っても
よい。むしろ温度を上昇させながら行うほうが好まし
い。水温が60℃以上好ましくは70℃以上となったと
きに、バカス含有混合物中に室温の空気を噴入させる
と、空気泡は急激に加熱されて破裂し、バカス繊維に衝
撃を与え有効成分の抽出をより効率的に行うことができ
る。
【0019】次いで、このようにして処理されたバカス
含有混合物をさらに加熱して95℃までの温度、好まし
くは75〜90℃程度の温度に加熱し、この温度で数十
分間保持して該混合物中の酵素を失活させるとともに、
該混合物を殺菌すると、L・E・Mが得られる。なお、
得られたL・E・Mを必要に応じて、50〜120メッ
シュ好ましくは60〜100メッシュ程度の濾布を用い
て濾過してもよい。
【0020】本発明の皮膚美白作用剤に使用する「L・
E・M」とは、上記のようにして椎茸菌を固体培地上で
培養して得られる菌糸体、好ましくは菌糸体を含む固体
培地を水および酵素の存在下に粉砕、分解して得られる
抽出物を言う。 ・上記L・E・Mの組成 上記のようにして得られたL・E・Mは、そのまま本発
明の皮膚美白作用剤に使用してもよいが、濃縮、凍結乾
燥後、粉末の形で保存し、使用時に種々の態様で使用す
るのが便利である。凍結乾燥して得られる粉末は、褐色
で吸湿性を示し、特有の味と匂いをもつ。
【0021】本発明の皮膚美白作用剤に使用するL・E
・Mは、タンパク質、糖質、繊維質、ミネラル、脂質な
どを含み、それらの含有割合が変動する組成を有するこ
とから、この抽出物自体、食品に擬してもよい。組成分
析によれば、糖質を15〜50%、好ましくは20〜40%(w
/w)(フェノール‐硫酸法による糖質分析による)、
タンパク質を10〜40%、好ましくは13〜30%(w/w)
(Lowry法によるタンパク質分析による)、ポリフェノ
ールを1〜5%、好ましくは2.5〜3.5%(w/w)含む(没
食子酸を標準とするFolin‐Denis法による)、そのほか
に脂質約0.1%、繊維約0.4%、灰分約20%も含む。
【0022】また、L・E・Mの構成糖類の組成(%)
の一例は次の通りであった:グルコース、39.4:キシロ
ース、15.2:アミノ糖、12.0:ウロン酸、11.3:マンノ
ース、8.4:アラビノース、8.2:ガラクトース、5.4。内用皮膚美白作用剤 本発明に係る皮膚美白作用剤は、L・E・Mおよび任意
成分として薬剤的に許容できる担体を含む。後述するよ
うに、L・E・Mは皮膚の美容健康を維持するため、と
くに活性酸素種や過酸化脂質に基づく酸化的細胞傷害が
関与する皮膚の障害あるいは症状に対して有効である。
したがって、狭義の皮膚美白用のみならず、皮膚の障害
あるいは疾患の治療用および/または予防用の組成物と
して使用することができる。 ・皮膚美白作用 しわは、加齢や太陽光線による真皮の障害、老化により
形成されるが、おそらく皮膚加齢現象に環境因子、とく
に太陽光線中の紫外線の関与による障害の蓄積が作用す
ると考えられている。皮膚に対する慢性的な紫外線照射
により皮膚の光老化を加速し、紫外線による各種フリー
ラジカルや活性酸素が、真皮成分のコラーゲンまたはエ
ラスチンなどのタンパク質のクロスリンクによる障害も
しくは変性、過酸化脂質による細胞機能低下などを惹起
してしわの形成に至る。したがって、皮膚のしわは光老
化に伴う皮膚の劣化障害である。
【0023】一方、しみ、そばかすなどの生成もメラニ
ン色素の代謝異常、その沈着によるもので皮膚障害の面
もある。その過程にも紫外線作用によるフリーラジカ
ル、活性酸素の関与が指摘されている。すなわち皮膚に
照射された紫外線作用により皮膚表面に活性酸素が発生
し、これが引き金となってメラノサイトにメラニン生成
を誘導または刺激する情報伝達物質を放出されることと
なる。このため活性酸素などによる有害作用を解消すれ
ば、有効にメラニンの生成抑制、既成メラニンの還元排
除などを図ることができる。
【0024】かくして皮膚の状態変化として、諸機能減
退、日焼けなどによる急性炎症、しみやそばかすなどの
メラニン色素沈着、しわの発生、皮膚の光老化、皮膚が
んなどの形で現れる様々な皮膚障害には、紫外線の作用
により誘発されるフリーラジカル、とくに活性酸素によ
る何らかの関与が共通して見られる。近時、活性酸素種
や過酸化脂質による酸化的細胞傷害が、炎症、循環器系
疾患、糖尿病の合併症、癌、老化などの一因になるとし
て関心を集めている(Packcr,L.and Giazer,A,N.,ed
s.:Methods in Enzymo‐logy,Vol.186,1990, Academi
c Press, Inc, San Diego)。酸化的細胞傷害とは活
性酸素種や過酸化脂質による細胞成分、たとえば、DN
A、タンパク質などの不可逆的酸化反応が原因で起こる
細胞死、細胞の突然変異、形態変化などの総称であり、
これは通常の酸化的な代謝過程では起こらない。
【0025】空気中に存在する酸素分子は三重項酸素(
3O2)と呼ばれており、それ自体は生体を構成する有機
物質に対して積極的な酸化作用を示さない。生体はこの
酸素を酵素の触媒作用の下に“活性化”することによ
り、基質の酸化反応や酸素添加反応に応用している。す
なわち、三重項酸素は一電子ずつ還元されて、スーパー
オキシドアニオンラジカル(・O2 -)、過酸化水素(H2O
2)、ヒドロキシラジカル(・OH)など化学的に活性な
分子種に変化する。これらの分子種に、光増感反応など
で生じる一重項酸素(1O2)も加えて活性酸素種と呼ん
でいる。
【0026】本発明に係る皮膚美白作用剤に含まれるL
・E・Mは、フリーラジカルのスカベンジャーとして作
用し、過酸化脂質の生成に拮抗する。あるいは過酸化脂
質に対する複数の分解防御系(スーパーオキシドディス
ムターゼ系、グルタチオンペルオキシダーゼ系など)に
おいて何らかの働きをしている可能性も考えられる。L
・E・Mの作用の対象は、活性酸素種(O2 -、H2O2、・O
H、1O2)、過酸化脂質であるが、これらにとどまらず、
さらにその他のフリーラジカル、たとえば一酸化窒素
(NO)、パーオキシ亜硝酸イオン(ONOO-)など
の酸化窒素態フリーラジカル、さらには・CCl3、ハロゲ
ン化酸素(ClO-)などを含む酸化ストレスの実体化
合物となるフリーラジカルをも包含する。
【0027】過酸化脂質は、細胞膜などを構成する高度
不飽和脂肪酸が基質になり、活性酸素などの作用により
その不飽和基部位で酸化を受けて生成する。脂質酸化に
伴い細胞膜機能が損なわれると、生成過酸化脂質の作用
と相俟って細胞傷害に発展する。動物体内で作られる過
酸化脂質としては、脂肪酸遊離基L・、脂質ヒドロペル
オキシド(LOOH)、LCHOや、それから生じるフ
リーラジカル、たとえばペルオキシラジカルLOO・、
アルコキシラジカルLO・などの脂質ラジカルが挙げら
れる。
【0028】上述したようにメラニン色素の異常沈着に
基づくしみ、そばかす、くすみの形成、あるいは光老化
によるしわの形成などは、紫外線の刺激により誘発され
た皮膚障害である。その実体は、日光中の紫外線により
表皮、真皮などの皮膚組織に活性酸素、フリーラジカル
が発生し、これらが引き起こした皮膚障害であると考え
られている。さらに活性酸素などがもたらす脂質過酸化
は、活性酸素などの作用とともに皮膚細胞の傷害を引き
起こし、皮膚の諸機能減退、さらには皮膚の光老化亢進
あるいは皮膚疾患の原因ともなる。おそらく本発明の皮
膚美白作用剤は、含まれるL・E・Mの抗酸化作用を中
心とする多彩な生理作用の総合的効果として発揮される
ものであろう。
【0029】さらに、内臓疾患あるいは全身性の疾病に
起因して現れる皮膚症状(デルマドローム)も知られて
おり、体内の器官、組織、細胞レベルの生理状態あるい
は内部疾患が皮膚の美容健康にも反映されることとな
る。このような観点から、狭義の皮膚美白作用のみなら
ず体の内面から皮膚の美容健康に効果を発揮する本発明
の皮膚美白作用剤は、これまでにはなかった全く新しい
健康保健剤、美容剤である。 ・適用病態 本発明の皮膚美白作用剤の対象となる皮膚疾患として、
紫外線、放射線の照射により表皮、真皮などの皮膚組織
に誘発された活性酸素がもたらす「しみ」、「しわ」な
どの皮膚障害がある。同様に活性酸素の関与が考えられ
ているケロイド、火傷、皮膚がんなども含まれる。ほか
にアトピー性皮膚炎などの皮膚障害、全身性エリテマト
ーデス、強皮症、皮膚筋炎などの自己免疫疾患、肝硬変
などの肝臓病、糖尿病、腫瘍などに起因する皮膚症状も
本発明の皮膚美白作用剤の対象となる。 ・適用態様 上記の皮膚の各種症状、疾患に対し、L・E・Mは、本
発明に係る皮膚美白作用剤のほか、皮膚美白作用と併せ
て、該抽出物の多彩な薬効を活かす利用形態が考えられ
る。すなわち、皮膚美白作用を発揮させることができる
とともに、さらに好ましくはL・E・Mが有する他の様
々な生理作用、具体的には抗酸化作用、免疫賦活作用、
動脈硬化予防、抗癌作用などの種々の生理活性をも保持
した形で、各種疾患を治療する医薬品の成分原料として
の用途が例示される。このような医薬品としては感受性
疾患、感染性疾患、循環器系疾患等の予防剤または治療
剤(抗感受性疾患剤);経腸栄養剤、補助栄養剤、水
薬、シロップ剤などの各種薬剤が挙げられる。また、食
餌療法用の食品、各種の健康食品などへの利用も挙げら
れる。
【0030】上記L・E・Mを含む、本発明に係る皮膚
美白作用剤について、以下に最も有用と思われる利用態
様を例として挙げるが、該皮膚美白作用剤の用途はこれ
らに限定されるわけではない。本発明に係る皮膚美白作
用剤の剤型はとくに限定されず、粉末状の椎茸などの菌
糸体抽出物組成物をそのまま用いてもよく、液状物ある
いは必要に応じて増量剤などとも混合して、ペースト、
顆粒状、球状、キューブ、タブレット状などに成型して
使用することができる。また、この皮膚美白作用剤を充
填する容器の性能・形態もとくに問わない。
【0031】投与経路は、経口投与が最も好ましい。場
合により経胃腸内投与、経静脈内投与、皮下投与などで
あってもよい。経口投与に適した製剤には、錠剤、カプ
セル剤、散剤、顆粒剤、溶液剤、シロップ剤などが含ま
れるが、これに限定されない。他に後記する外用の皮膚
美白作用剤がある。薬剤的に許容できる担体には、一般
に当業界で知られている適切な賦形剤(基剤、溶剤、希
釈剤、増量剤、補形剤など)、結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、保存剤、着香
料、着色剤、溶解補助剤、光沢剤、コーティング剤など
が含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0032】本発明の皮膚美白作用剤における椎茸抽出
物の配合量はとくに制限されるものではないが、通常、
組成物総量に対し乾燥固形成分として、0.001〜50重量
%とすることが好ましく、より好ましくは、0.001〜30
重量%である。皮膚美白作用剤に含まれる含量は、その
含量が組成物総量に対して乾燥重量で0.001重量%未満
であると皮膚美白などの明確な効果が現れず、50重量%
を超過すると含有量の増加による明確な効果の増加が現
れない。
【0033】本発明に係る皮膚美白作用剤の至適投与量
は、患者あるいは摂取者の年齢、体重、症状、投与経路
などを考慮して医師、薬剤師、栄養士などにより決定さ
れよう。本発明の皮膚美白作用剤に含まれる椎茸菌糸体
は、従来より食品として使用されてきたものであり、極
めて安全であるところから、投与量の範囲を厳しく限定
する必要はない。通常、L・E・M粉末に換算して1日
あたり40mg−6g、好ましくは400mg〜1.8gである。
【0034】なお、上記投与量が40mg未満では、充分
な摂取効果が期待できないことがある。飲食物への利用 本発明の皮膚美白作用剤は、普段から食品、飲料として
手軽に摂取することによって食生活を改善し、ラジカル
および活性酸素種が関与する皮膚症状、とくにしみやそ
ばかす、しわの発生に対する予防効果あるいは皮膚の老
化を抑制する効果が期待できる。本作用剤の摂取は、皮
膚の健康美容のために継続的に摂取もしくは投与が必要
な場合には、とくに有意義である。
【0035】本発明に係る皮膚美白作用剤は、飲食物の
形態で提供することもできる。好ましい食品の例とし
て、顆粒、カプセルなどの形態で提供される健康食品、
一般食品、たとえば麺類、菓子類(クッキー、キャンデ
ィー、ゼリーなど)を含む嗜好食品などが挙げられる。
さらには、食事療法用の各種食品、機能性食品、栄養強
化食品、補助食品としての利用も考えられる。あるい
は、本発明の皮膚美白作用剤は、飲料の形態でも提供す
ることもできる。
【0036】本発明に係る食品または飲料としての皮膚
美白作用剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、上
記L・E・Mのほかに、賦形剤さらに他の物質を配合し
て共存させてもよい。たとえば、各種アミノ酸、ビタミ
ン類、カルシウムなどのミネラル類を加えて栄養滋養の
強化を図ってもよく、さらに摂取性および品質向上のた
めに甘味料、増量剤、香味料などの各種成分を1種また
は2種以上、所望により組み合わせて配合することがで
きる。
【0037】皮膚美白作用の増強を図る一つの方策とし
て、上記L・E・Mのほかにたとえば即効性作用を期待
できるα‐トコフェロール、アスコルビン酸などの抗酸
化剤などを添加すれば、しわやしみの形成抑制作用が即
効性と持続性を併せ持つ効果を得ることもできる。具体
的に例示すると、水飴、ぶどう糖、マルトース、砂糖、
異性化糖、パラチノース、ステオビオシド、L-アスパラ
チルフェニルアラニンメチルエステル、グリチルリチン
などの甘味料;酸味料としてクエン酸、コハク酸、乳
酸、リンゴ酸、グルコン酸などの各種有機酸塩類;キト
サンなどの食物繊維;大豆抽出物などの蛋白質;レシチ
ンなどの脂質;果汁;各種フレーバーなどの香味料;な
どである。さらに必要に応じて、一般に食品に使用され
ている各種添加物、たとえば増粘剤、分散剤、安定化
剤、保存剤など任意の成分を含めることができる。 ・適用態様 以上述べたような一般飲食物、嗜好品、医薬品などに本
発明の皮膚美白作用剤を使用するには、その製品が完成
するまでの工程のうち適切な段階で、この皮膚美白作用
剤を添加することができる。本発明に係る皮膚美白作用
剤に含まれるL・E・Mの組成物が、水などにも溶解す
るため、飲料、栄養剤、調味液などの液状物にも良好に
添加できる。たとえば、皮膚美白作用剤を添加する際に
他の配合成分と混合、混和、混捏してもよく、飲食物な
どに皮膚美白作用剤を浸透、溶解、散布、塗布、噴霧、
注入などしてもよく、また液状の皮膚美白作用剤に飲食
物を浸漬してもよく、そのために従来から公知の方法が
適宜採用される。
【0038】本発明に係る皮膚美白作用剤の飲食物にお
ける用量の範囲は、とくに限定する必要はない。本発明
の皮膚美白作用剤に含まれる椎茸菌糸体は、昔から食品
として使用されてきたものであり、極めて安全であるた
めである。外用皮膚美白剤 上記のように本発明に係る皮膚美白作用剤は、内用製剤
として、経口摂取後、身体内部から代謝的にその効果を
皮膚の美容健康に対して発揮するものであるが、さらに
L・E・Mを含む皮膚美白作用剤を、外用皮膚美白剤と
して使用することもできる。この場合、一般皮膚化粧料
に限定されるものではなく、医薬部外品、薬用化粧料な
どの形態であってもよく、本発明の皮膚美白作用剤はこ
れらをも包含する。外用皮膚美白剤は、一般的には様々
な形態および用途に用いられ、具体的には油/水型、水/
油型の乳化化粧料、化粧乳液、化粧水、クリーム、油性
化粧料、パック剤、ファンデーションなどが例示され
る。
【0039】L・E・Mを外用皮膚美白剤として使用す
る場合、L・E・Mのほかにグリチルリチン、アラント
インなどの抗炎症剤、α-トコフェロール、ビタミンC
などの抗酸化剤、さらに化粧料成分として使用されてい
る公知の油分、セラミドやヒアルロン酸などの保湿剤、
紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整
剤、防腐剤、色素、香料などを適宜に組合わせて配合し
て用いることができる。
【0040】本発明の外用皮膚美白作用剤におけるL・
E・Mの配合量はとくに制限されるものではないが、通
常、組成物総量に対し乾燥固形成分として、0.001〜80
重量%とすることが好ましく、より好ましくは、0.001
〜60重量%である。
【0041】
【実施例】次に、本発明の理解を助けるために実施例を
提示してさらに具体的に説明する。しかし、下記の実施
例は本発明をより容易に理解するためのものであり、本
発明が下記の実施例に限られるわけではない。なお、以
下の例において、「部」はとくに指定しない限り「重量
部」を意味する。
【0042】
【実施例1】L・E・Mの調製法 バカス90重量部、米糠10重量部からなる固体培地に純水
を適度に含ませた後に、椎茸種菌を接種し、温度および
湿度を調節した培養室内に放置し、菌糸体を増殖させ
た。菌糸体が固体培地に蔓延した後、バカス基材の繊維
素を解束し、12メッシュ通過分が24重量%以下となるよ
うにした。この解束された培地1.0kgに、純水3.5kgを加
え、40℃に保ちながら精製セルラーゼ2.0gを加え培地含
有混合物とした。
【0043】次いで培地含有混合物を変速付ギヤーボン
プにより循環させながら、固体培地にギヤー部分におい
て粉砕およびすりつぶし作用を200分間程度加えバカス
繊維の約80重量%が12メッシュ通過分となるようにし
た。培地含有混合物の粉砕およびすりつぶしは、該混合
物の温度を徐々に上昇させながら行った。その後培地含
有混合物をさらに加熱して、90℃として30分間放置し
た。90℃への加熱により、酵素を失活せしめ、かつ殺菌
を施した。得られた培地含有混合液を60メッシュ濾布を
用いて濾過して椎茸菌糸体抽出液とし、濃縮した後、凍
結乾燥粉末を得た。
【0044】
【実施例2】褐色モルモット背部への紫外線(UV-B)照
射における色素沈着抑制効果 適正に室温、湿度、換気および明暗サイクルなどが制御
された環境下で、衛生面および取り扱いにつき適法に飼
育管理され、馴化期間を経た健康な5週齢の雌性褐色モ
ルモット(Kwl:A-1、290〜400g体重)34匹を使用し
た。以下の実験に先立ち、動物の背部毛をバリカンとシ
ェーバーにて丁寧に剃毛して使用した。
【0045】なお、実験期間中も給餌器、給水瓶から通
常の固形試料および水を自由摂取させた。 ・最小紅斑量の測定 上記モルモット2匹を固定板上、腹位に固定し、照射部
位として背部正中線をはさんで左右対称に2cm×2cmの正
方形を3箇所ずつ計6箇所設けた。照射部位に相当する部
分を切り抜いた製本用テープを伸縮包帯(エラストポ
ア)に貼り、これを動物背部に貼って照射部位以外を遮
光した。SEランプ(波長250〜350nm、FL20S・E、東芝
製)5本を用いて40cmの距離から紫外線(UV-B領域)照
射を行なった。上記6箇所への照射時間は、6、8、10、1
2、 14、16分と変えた。その翌日、各照射部位の皮膚反
応を観察した。さらに別の動物2匹を用いて、皮膚反応
が観察された最少時間と皮膚反応が見られなかった最大
時間との間をさらに15秒間隔に照射時間を設定し(こ
の場合、照射部位を8箇所設けた)、同様に照射を行な
って皮膚反応を観察し、得られた結果から最小紅斑量を
求めた。 ・抑制効果の確認実験 褐色モルモット30匹を次の表1のような群構成に振り分
けた。また図1に、各モルモット背部での紫外線照射お
よび評価試料適用の部位(左右)を示す。
【0046】
【表1】
【0047】紫外線照射は、各群に振り分けた日(実験
開始日として0日とする)、それから2日および4日経過
時点の計3回、固定板を用いてモルモットを腹位に固定
し、上記最小紅斑量決定の場合と同様にして最小紅斑量
相当の照射時間、紫外線を照射した。評価試料の適用
は、各モルモットの背部皮膚の左右いずれかに被験物質
溶液または媒体を、毎日1回100μl塗布することによ
り、実験開始日より14日間行なった。紫外線照射日で
は、照射後に、また色素沈着の判定日には判定後に評価
試料を適用した。コントロール(図1参照)は、注射用
水(大塚製薬製)のみの適用とした。
【0048】動物の状態の観察は、実験開始日から14日
間、毎日1回行い、体重を実験開始日、7日および14日の
午前中に、評価試料適用に先立って測定した。色素沈着
の判定は、実験開始日の照射前と、実験開始14日時点
で、照射部位を色差計(CR-300ミノルタカメラ販売株式
会社)を用いて、L値(明度)を測定し、(観察日のL値
−照射前のL値)の絶対値を求め、これをΔL値として評
価することによった。ΔL値が大きいほど色素沈着の程
度が強いことを示す。
【0049】試験成績は、各群のΔL値について平均値
および標準偏差を算出し、有意差検定は、対応のあるt
検定によった。危険率5%未満を基準に有意と判断し
た。結果を図2に示す。図2から明らかなように、L・E
・M を投与したモルモット群では、紫外線誘発による色
素沈着が抑制されていることがわかる。美白効果を現
し、多量のL・E・M を適用された実験では明確な色素沈
着阻害効果を現した。また、皮膚内でいかなる副作用も
現れなかった点から、L・E・Mは安全でありかつしみや
そばかす改善に優れた効果がある皮膚美白剤であること
がわかる。
【0050】
【実施例3】実施例1により調製されたL・E・Mの凍
結乾燥粉末1部、乳糖0.95部、α-トコフェロール0.05
部を混合し、この配合物3gをラミネートアルミ製小袋
に充填しヒートシールして内用皮膚美白作用剤を調製し
た。この美白作用剤は、α-トコフェロールの即効性美
白作用とL・E・Mによる持続性美白作用の両方を兼ね
備えた製剤である。
【0051】
【実施例4】実施例1により調製されたL・E・Mの凍
結乾燥粉末1部;ステアリン酸、1部;セタール、2
部;PEG-20ソルビタンモノステアレート、1部;ソルビ
タンモノステアレート、1部;ミネラルオイル、10
部;トリオクタノエート、5部;トリエタノールアミ
ン、0.5部;グリセリン、5部;プロピレングリコー
ル、3部;防腐剤適量;香料、適量;精製水、残量、計
100を混合して外用皮膚美白作用剤である化粧クリー
ムを製造した。
【0052】
【発明の効果】本発明により新たな天然物由来の皮膚美
白作用剤が提供される。本発明のL・E・Mを含有する
皮膚美白作用剤は、フリーラジカル、活性酸素を消去
し、脂質過酸化反応を抑制する作用を発揮でき、活性酸
素種や過酸化脂質によるしみ、しわなどの皮膚障害、ま
たは皮膚疾患の予防および/または治療に使用できる。
【0053】本発明のL・E・Mを含有する皮膚美白作
用剤は、内用または外用いずれの形態の組成物を調製す
ることができる。配合時の溶解度及び保存安定性が優れ
ており適用も容易であるため、高濃度で配合できるとい
う配合性に優れる。これにより本発明の皮膚美白作用剤
を利用した健康食品などの食品、飲料も製造できる。そ
うした製品は、とくに本発明の抗酸化剤自体に副作用の
おそれがなく安全性に優れているため、継続的に摂取も
しくは投与が必要な場合にとくに有意義である。よって
本発明の皮膚美白作用剤は、大きな産業上の利用可能性
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各モルモット背部での紫外線照射および評価試
料適用の部位(左右)を示す図である。○印が付されて
いる部位(すなわちモルモット背部の左側または右側。
縦線は背部正中線に対応する。)に最小紅斑量の紫外線
(UV-B)が照射され、○内の数字は、その数字に対応す
る評価試料がその部位に塗布されることを示す。
【図2】褐色モルモット背部への紫外線(UV-B)照射に
対するL・E・Mによる色素沈着抑制効果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/38 A23L 2/38 G 2/52 2/00 F Fターム(参考) 4B017 LC03 LG19 LL07 LL09 LP01 LP05 4B018 LB01 LB08 MD83 ME06 ME14 MF01 MF13 4C083 AA111 AA112 AA162 AC012 AC072 AC242 AC422 AC442 AC542 AD202 AD662 CC05 DD31 EE16 4C088 AA08 AC17 BA08 CA25 MA52 MA63 ZA89

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】椎茸菌糸体抽出物を含む皮膚美白作用剤。
  2. 【請求項2】椎茸菌糸体抽出物および任意成分として薬
    剤的に許容できる担体を含む、しみ、しわなどの皮膚障
    害、または皮膚疾患の治療用および/または予防用組成
    物である請求項1に記載の皮膚美白作用剤。
  3. 【請求項3】上記椎茸菌糸体抽出物は、バカスを基材と
    する固体培地上に、椎茸菌を接種し、次いで菌糸体を増
    殖して得られる菌糸体を含む固体培地を解束し、この解
    束された固体培地に、水およびセルラーゼ、グルコシダ
    ーゼまたはプロテアーゼから選ばれる酵素の1種または
    それ以上を、前記固体培地を30〜50℃に保ちながら
    添加し、そして前記固体培地を酵素の存在下に粉砕およ
    び擂潰して椎茸菌糸体抽出物を抽出し、次いで95℃ま
    での温度に加熱することにより酵素を失活させ、かつ滅
    菌してなる椎茸菌糸体抽出物である請求項1または2に
    記載の皮膚美白作用剤。
  4. 【請求項4】外用剤である請求項1〜3のいずれかに記
    載の皮膚美白作用剤。
  5. 【請求項5】経口で投与する請求項1〜3のいずれかに
    記載の皮膚美白作用剤。
  6. 【請求項6】飲食物である請求項1〜3のいずれかに記
    載の皮膚美白作用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006124355A (ja) * 2004-11-01 2006-05-18 Ichimaru Pharcos Co Ltd ファゴサイトーシス抑制剤
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