JP2003048802A - 生物増殖抑制剤含有マイクロカプセル - Google Patents

生物増殖抑制剤含有マイクロカプセル

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JP2003048802A
JP2003048802A JP2001235068A JP2001235068A JP2003048802A JP 2003048802 A JP2003048802 A JP 2003048802A JP 2001235068 A JP2001235068 A JP 2001235068A JP 2001235068 A JP2001235068 A JP 2001235068A JP 2003048802 A JP2003048802 A JP 2003048802A
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Japan
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growth inhibitor
biological growth
organic solvent
active hydrogen
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Application number
JP2001235068A
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English (en)
Inventor
Hisao Kubota
尚生 窪田
Junichi Miyake
純一 三宅
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒に配合しても、その有機溶媒中に生
物増殖抑制剤が放出されることを防止することができ、
良好な効力の持続性および徐放性を発現することのでき
る、生物増殖抑制剤含有マイクロカプセルを提供するこ
と。 【解決手段】 生物増殖抑制剤および有機溶媒を含む芯
物質成分と、ポリイソシアネート成分および活性水素基
含有成分を含む壁膜形成成分とを、水相中において、芯
物質成分100重量部に対して、壁膜形成成分が35〜
90重量部となる範囲において配合し、ポリイソシアネ
ート成分および活性水素基含有成分を界面重合させるこ
とにより、カプセル粒子径に対する壁膜厚比が1/17
〜1/5の生物増殖抑制剤含有マイクロカプセルを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物増殖抑制剤含
有マイクロカプセル、詳しくは、抗菌性、防かび性、防
藻性および海中生物の増殖抑制などを発現する生物増殖
抑制剤が、マイクロカプセル化されている生物増殖抑制
剤含有マイクロカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の工業製品には、有害な
微生物や海中生物などの増殖を抑制するために、抗菌
性、防かび性、防藻性および海中生物の増殖抑制などを
発現する生物増殖抑制剤が配合されている。このような
生物増殖抑制剤は、不安定な化合物が多く、分解されや
すいため、例えば、有効成分となる化合物に金属塩を配
合したり、あるいは、有効成分となる化合物を包接化す
るなど、その安定化を図ることにより、効力の持続性の
向上を図ることが種々提案されている。しかし、現実の
使用において、効力の持続性が十分に図られているもの
は少ない。
【0003】また、有効成分となる化合物を、マイクロ
カプセル化することによって、効力の持続性および徐放
性の向上を図ることも、種々提案されており、例えば、
特開昭64−70505号公報には、防かび剤をポリイ
ソシアネートによってマイクロカプセル化することが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような生
物増殖抑制剤を含有するマイクロカプセルを、例えば、
有機溶媒によって調製されている塗料などに配合して使
用する場合には、その有機溶媒中に生物増殖抑制剤が短
時間で放出されてしまい、塗料の使用時には、ほとんど
の生物増殖抑制剤がマイクロカプセルの外に放出された
状態となり、マイクロカプセルが本来有する効力の持続
性および徐放性を発現することができないという不具合
を生じる。
【0005】本発明は、このような不具合に鑑みなされ
たもので、その目的とするところは、有機溶媒に配合し
ても、その有機溶媒中に生物増殖抑制剤が放出されるこ
とを防止することができ、良好な効力の持続性および徐
放性を発現することのできる、生物増殖抑制剤含有マイ
クロカプセルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、(1) 生物増殖抑制剤および有機溶媒
を少なくとも含む芯物質成分と、ポリイソシアネート成
分および活性水素基含有成分を含む壁膜形成成分とを、
水相中において、芯物質成分100重量部に対して、壁
膜形成成分が35〜90重量部となる範囲において配合
し、ポリイソシアネート成分および活性水素基含有成分
を界面重合させることによって得られることを特徴とす
る、生物増殖抑制剤含有マイクロカプセル、(2) 活
性水素基含有成分が、低分子量ジアミンであることを特
徴とする、前記(1)に記載の生物増殖抑制剤含有マイ
クロカプセル、(3) 有機溶媒が、沸点が100〜5
00℃の有機溶媒であることを特徴とする、前記(1)
または前記(2)に記載の生物増殖抑制剤含有マイクロ
カプセル、(4) 生物増殖抑制剤が、カプセル粒子径
に対する壁膜厚比が1/17〜1/5の壁膜によってマ
イクロカプセル化されていることを特徴とする、生物増
殖抑制剤含有マイクロカプセル、(5) 生物増殖抑制
剤が、イソチアゾリン系化合物および/またはチオフェ
ン系化合物であることを特徴とする、前記(1)〜前記
(4)のいずれかに記載の生物増殖抑制剤含有マイクロ
カプセルを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の生物増殖抑制剤含有マイ
クロカプセルは、生物増殖抑制剤および有機溶媒を少な
くとも含む芯物質成分と、ポリイソシアネート成分およ
び活性水素基含有成分を含む壁膜形成成分とを、水相中
に配合し、ポリイソシアネート成分および活性水素基含
有成分を界面重合させることによって得ることができ
る。
【0008】本発明に用いられる生物増殖抑制剤は、抗
菌性、防かび性、防藻性および海中生物の増殖抑制など
を発現する有効成分であって、殺菌剤、抗菌剤、防かび
剤、防腐剤、防藻剤、海中生物付着防止剤などが含まれ
る。
【0009】このような生物増殖抑制剤としては、例え
ば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフ
ェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン系化合物、
例えば、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−
オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ
−2−t−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シク
ロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチ
ル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−
オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−
n−ブチル−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどのイ
ソチアゾリン系化合物、例えば、3−ヨード−2−プロ
ピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−
トルイルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプ
ロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例
えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オ
ンなどのジチオール系化合物、例えば、テトラメチルチ
ウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、
例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニト
リルなどのニトリル系化合物、例えば、N−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェ
ニル−スルファミドなどのハロアルキルチオ系化合物、
例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチル
スルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例え
ば、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオンなどのピ
リチオン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチ
ルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化
合物、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ
−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどのト
リアジン系化合物、例えば、メチル−2−ベンズイミダ
ゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンズ
イミダゾールなどのイミダゾール系化合物、例えば、テ
ブコナゾール、プロピコナゾール、アザコナゾール、シ
プロコナゾールなどのトリアゾール系化合物、例えば、
3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ
−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイドなどの
オキサチアジン系化合物、例えば、2,2−ジブロモ−
2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパ
ン1,3−ジオールなどのニトロアルコール系化合物、
例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−
ジメチルウレアなどの尿素系化合物、2,2−ジブロモ
−3−ニトリロプロパンアミドなどのアミド系化合物な
どが挙げられる。これら生物増殖抑制剤は、単独で使用
してもよく、また2種以上併用してもよい。好ましく
は、チオフェン系化合物、イソチアゾリン系化合物が挙
げられる。
【0010】本発明に用いられる有機溶媒としては、生
物増殖抑制剤および必要によりイソシアネート成分を分
散または溶解できる有機溶媒であれば、特に制限され
ず、種々の芳香族系有機溶媒や脂肪族系有機溶媒が挙げ
られる。
【0011】芳香族系有機溶媒としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジメチ
ルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピ
ルナフタレン、エチルビフェニル、ジエチルビフェニル
などの芳香族系溶剤や、例えば、アルキルベンゼン、ア
ルキルナフタレン、アルキルフェノール、フェニルキシ
リルエタンなどの芳香族系石油溶剤が挙げられる。
【0012】芳香族系有機溶媒としては、種々の市販品
を用いてもよく、そのような市販品として、例えば、サ
ートレックス48(高沸点芳香族系溶媒、蒸留範囲25
4〜386℃、モービル石油(株)製)、アルケンL
(アルキルベンゼン、蒸留範囲285〜309℃、日本
石油化学(株)製)、ソルベッソ100(アルキルベン
ゼン、蒸留範囲164〜180℃、エクソン化学(株)
製)、ソルベッソ150(アルキルベンゼン、蒸留範囲
188〜210℃、エクソン化学(株)製)、ソルベッ
ソ200(アルキルベンゼン、蒸留範囲226〜286
℃、エクソン化学(株)製)、KMC−113(ジイソ
プロピルナフタレン、沸点300℃、呉羽化学工業
(株)製)、SAS296(フェニルキシリルエタン、
蒸留範囲290〜305℃、日本石油化学(株)製)、
アロサイザー202(エチルビフェニル、沸点286
℃、新日鉄化学(株)製)などが挙げられる。
【0013】さらに、芳香族系石油溶剤の市販品とし
て、例えば、MSP(蒸留範囲(℃)90〜120、比
重(15/4℃)0.820以上、混合アニリン点
(℃)26以下、芳香族含量(容量%)70以上)、ス
ーパーゾール100(蒸留範囲(℃)95〜111、比
重(15/4℃)0.825、混合アニリン点(℃)2
6.0、芳香族含量(容量%)75以上)、ペガゾール
ARO−80(蒸留範囲(℃)104〜123、比重
(15/4℃)0.832、混合アニリン点(℃)2
6、芳香族含量(容量%)75.9)、スワゾール10
0(蒸留範囲(℃)106〜116、比重(15/4
℃)0.835、混合アニリン点(℃)24.6、芳香
族含量(容量%)76.4)、スワゾール200(蒸留
範囲(℃)132〜144、比重(15/4℃)0.8
44、混合アニリン点(℃)23.8、芳香族含量(容
量%)80.9)、MHS(蒸留範囲(℃)140〜1
70、比重(15/4℃)0.86〜0.88、混合ア
ニリン点(℃)11〜12、芳香族含量(容量%)98
以上)、ハイアロム2S(蒸留範囲(℃)152〜18
7、比重(15/4℃)0.816、混合アニリン点
(℃)47以下、芳香族含量(容量%)45〜55)、
スワゾール310(蒸留範囲(℃)153〜177、比
重(15/4℃)0.817、混合アニリン点(℃)4
3.6、芳香族含量(容量%)51.0)、スーパーゾ
ール150(蒸留範囲(℃)153〜197、比重(1
5/4℃)0.815、混合アニリン点(℃)21.
5、芳香族含量(容量%)50以上)、昭石ハイゾール
(蒸留範囲(℃)153〜198、比重(15.6/1
5.6℃)0.818、芳香族含量(容量%)55)、
HAWS(蒸留範囲(℃)154〜190、比重(15
/4℃)0.822、芳香族含量(容量%)50)、ス
ーパーゾール1500(蒸留範囲(℃)155〜17
1、比重(15/4℃)0.869、混合アニリン点
(℃)14.6、芳香族含量(容量%)98以上)、日
石ハイゾール100(蒸留範囲(℃)155〜180、
比重(15/4℃)0.870〜0.880、混合アニ
リン点(℃)15以下、芳香族含量(容量%)99.0
以上)、ベガゾールR−100(蒸留範囲(℃)156
〜174、比重(15/4℃)0.874、混合アニリ
ン点(℃)14、芳香族含量(容量%)96.4)、M
SS(蒸留範囲(℃)158〜180、比重(15.6
/15.6℃)0.86〜0.89、混合アニリン点
(℃)13〜14、芳香族含量(容量%)98以上)、
SHELLSOL A(蒸留範囲(℃)160〜18
2、比重(15/4℃)0.873、芳香族含量(容量
%)98)、スワゾール1000(蒸留範囲(℃)16
2〜176、比重(15/4℃)0.878、混合アニ
リン点(℃)12.7、芳香族含量(容量%)99.
7)、出光イプゾール100(蒸留範囲(℃)162〜
179、比重(15/4℃)0.875、混合アニリン
点(℃)13.5、芳香族含量(容量%)99.5以
上)、昭石特ハイゾール(蒸留範囲(℃)162〜18
0、比重(15/4℃)0.881、混合アニリン点
(℃)12.6、芳香族含量(容量%)99.99)、
スワゾール1500(蒸留範囲(℃)180〜207比
重(15/4℃)0.886、混合アニリン点(℃)1
6.5、芳香族含量(容量%)98.8)、日石ハイゾ
ール150(蒸留範囲(℃)182〜216、比重(1
5/4℃)0.887〜0.904、混合アニリン点
(℃)17以下、芳香族含量(容量%)99.0以
上)、スーパーゾール1800(蒸留範囲(℃)183
〜208、比重(15/4℃)0.889、混合アリニ
ン点(℃)15.7、芳香族含量(容量%)99以
上)、出光イプゾール150(蒸留範囲(℃)186〜
205、比重(15.6/15.6℃)0.895、混
合アニリン点(℃)15.2、芳香族含量(容量%)9
9.5以上)、SHELLSOL AB(蒸留範囲
(℃)187〜213、比重(15/4℃)0.89
4、芳香族含量(容量%)99.5)、ペガゾールR−
150(蒸留範囲(℃)191〜212、比重(15/
4℃)0.890、混合アニリン点(℃)18、芳香族
含量(容量%)97.2)、スワゾール1800(蒸留
範囲(℃)197〜237、比重(15/4℃)0.9
40、混合アニリン点(℃)14.0、芳香族含量(容
量%)99.6)などが挙げられる。
【0014】脂肪族系有機溶媒としては、例えば、ヘキ
サン、シクロヘキサン、オクタン、デカンなどの脂肪族
系有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテー
ト、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク
酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン系溶剤、例えば、1,4−ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、例え
ば、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコー
ル、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶剤、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、四塩化炭素、
クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロ
ロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素系溶剤、例えば、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ジメチルアセトアミドなどの含窒素化合物系溶剤、ある
いは、例えば、ミネラルスピリットなどの脂肪族系石油
溶剤などが挙げられる。
【0015】これら有機溶媒は、単独で使用してもよ
く、また2種以上併用してもよい。好ましくは、沸点が
100〜500℃、さらには、150〜450℃の有機
溶媒が挙げられ、また、芳香族系有機溶媒が好ましく挙
げられる。
【0016】本発明に用いられるポリイソシアネート成
分としては、例えば、ポリイソシアネートモノマー、ポ
リイソシアネートモノマー誘導体、変性ポリイソシアネ
ートなどの有機ポリイソシアネート化合物が挙げられ
る。
【0017】ポリイソシアネートモノマーとしては、ポ
リウレタンの原料として通常使用されるポリイソシアネ
ートモノマーであれば、特に限定されず、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ
ート、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−
トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,3−
または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ
サンもしくはその混合物などの脂環族ジイソシアネー
ト、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソ
シアネートもしくはその混合物、1,3−または1,4
−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼ
ンもしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネー
ト、例えば、2,4−または2,6−トリレンジイソシ
アネートもしくはその混合物、ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー卜
などが挙げられる。
【0018】また、ポリイソシアネートモノマー誘導体
としては、例えば、上記したポリイソシアネートモノマ
ーの二量体、三量体、および、ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリック
MDI)などの多核体や、例えば、上記したポリイソシ
アネートモノマーと、ウレア、ウレタン、炭酸ガスなど
との反応によりそれぞれ生成する、ビウレット体、アロ
ファネート体、オキサジアジントリオン体などが挙げら
れる。
【0019】変性ポリイソシアネートとしては、例え
ば、上記したポリイソシアネートモノマーおよび/また
はポリイソシアネートモノマー誘導体と、活性水素基含
有化合物とを、活性水素基に対するイソシアネート基の
当量比(イソシアネート基/活性水素基)が、少なくと
も1を超える割合において、公知のウレタン化反応の条
件で反応させることによって得ることができる。
【0020】活性水素基含有化合物は、イソシアネート
基と反応し得る、例えば、水酸基、アミノ基などの活性
水素基を有する化合物であり、ポリウレタンの原料とし
て通常使用される活性水素基含有化合物であれば、特に
限定されず、例えば、低分子量ポリオール、低分子量ポ
リアミンおよびマクロポリオールなどが挙げられる。
【0021】低分子量ポリオールとしては、例えば、エ
チレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−
ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、アルカン(C7〜C22)ジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、アルカン−1,2−ジオール(C17〜C20)、
水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−
ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジ
オール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレング
リコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなど
の低分子量ジオール、例えば、グリセリン、2−メチル
−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、
2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタ
ン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−ト
リス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒ
ドロキシメチル)−3−ブタノール、およびその他の脂
肪族トリオール(C8〜24)などの低分子量トリオー
ルなどが挙げられる。
【0022】低分子量ポリアミンとしては、例えば、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタン
ジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、オクタメ
チレンジアミン、ヒドラジン、1,2−ジアミノエタ
ン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペン
タン、ジアミノトルエン、ビス−(4−アミノフェニ
ル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−クロロフェニ
ル)メタンなどの低分子量ジアミン、および、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、2,2’−
ジアミノジエチルアミンなどのアミノ基を3個以上有す
る低分子量ポリアミンが挙げられる。
【0023】マクロポリオールとしては、例えば、上記
した低分子量ポリオールおよび低分子量ポリアミンと、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアル
キレンオキサイドとの付加反応によって得られ、また
は、テトラヒドロフランなどの開環重合によって得られ
るポリオキシアルキレンポリオール、例えば、低分子量
ポリオールの1種または2種以上と、例えば、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール
酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボ
キシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、
アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン
酸(C11〜C13)、ヘット酸、およびこれらのカル
ボン酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ
酸、無水コハク酸、無水2−アルキル(C12〜C1
8)コハク酸、さらには、これらのカルボン酸から誘導
される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、ア
ジピン酸ジクロライド、セバチン酸ジクロライドなどと
の反応によって得られ、または、低分子量ポリオールを
開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクト
ンなどのラクトンを開環重合して得られるポリエステル
ポリオール、および、低分子量ポリオールを開始剤とし
てエチレンカーボネートなどのカーボネートを開環重合
して得られるポリカーボネートポリオール、ひまし油な
どの天然油脂ポリオール、ポリブタジエンポリオール、
ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィンポリオ
ールなどが挙げられる。
【0024】これら低分子量ポリオール、低分子量ポリ
アミンおよびマクロポリオールは、単独で使用してもよ
く、また2種以上併用してもよい。好ましくは、低分子
量ポリオールおよびマクロポリオールが挙げられる。ま
た、マクロポリオールとして、好ましくは、ポリプロピ
レングリコール(ポリオキシエチレンユニットを有する
ものも含む。)およびポリテトラメチレンエーテルグリ
コールなどのポリオキシアルキレンポリオールや、ポリ
エチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリ
エチレンプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペー
トおよびポリカプロラクトンジオールなどのポリエステ
ルポリオールが挙げられる。
【0025】このようにして得られる変性ポリイソシア
ネートのアミン当量は、100〜5000、さらには、
200〜2000であることが好ましい。
【0026】これらポリイソシアネートモノマー、ポリ
イソシアネートモノマー誘導体、変性ポリイソシアネー
トは、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上併
用してもよい。好ましくは、ポリメチレンポリフェニル
ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートモノマー
誘導体、および、必要により変性ポリイソシアネートを
併用するものが挙げられる。
【0027】本発明に用いられる活性水素基含有成分と
しては、上記した活性水素基含有化合物を挙げることが
でき、これら活性水素基含有化合物は、単独で使用して
もよく、また2種以上併用してもよい。好ましくは、低
分子量ポリアミン、さらに好ましくは、低分子量ジアミ
ンが挙げられる。
【0028】そして、本発明の生物増殖抑制剤含有マイ
クロカプセルは、例えば、生物増殖抑制剤、有機溶媒お
よびポリイソシアネート成分を含む油相を調製し、その
油相および活性水素基含有成分を水相中に配合して、ポ
リイソシアネート成分および活性水素基含有成分を界面
重合させることによって得ることができる。
【0029】油相は、例えば、有機溶媒に、生物増殖抑
制剤およびポリイソシアネート成分を配合することによ
り調製することができる。より具体的には、油相は、例
えば、上記した有機溶媒100重量部に対して、生物増
殖抑制剤10〜1000重量部、好ましくは、15〜9
00重量部を配合し、また、有機溶媒と生物増殖抑制剤
との合計100重量部に対して、ポリイソシアネート成
分30〜88重量部、好ましくは、33〜85重量部を
配合して、混合することにより得ることができる。
【0030】また、このような油相には、芯物質成分と
して、酸クロライド化合物および/または酸無水化合物
などの添加剤を、適宜配合してもよい。酸クロライド化
合物および/または酸無水化合物を配合することによ
り、油相の安定化を図ることができる。酸クロライド化
合物としては、例えば、ベンゾイルクロライド、p−ト
ルエンスルホン酸クロライド、カルボベンゾキシクロラ
イドなどが挙げられる。また、酸無水化合物としては、
例えば、p−トルエンスルホン酸無水物、無水tert
−ブトキシカルボニルなどが挙げられる。これら酸クロ
ライド化合物および/または酸無水化合物は、有機溶媒
100重量部に対して、0.1〜20重量部、さらに
は、0.3〜10重量部配合することが好ましい。
【0031】また、水相は、例えば、水に、必要により
分散剤を配合することにより調製することができる。分
散剤を配合することにより、活性水素基含有成分の水に
対する分散性を向上させることができる。より具体的に
は、水相は、例えば、水100重量部に対して、必要に
より、分散剤を、0.1〜50重量部、さらには、0.
5〜40重量部配合することにより得ることができる。
分散剤としては、例えば、キサンタンガム、アラビヤガ
ムなどの天然多糖類、例えば、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなどの半合成多糖類、ポリビニルアルコー
ルなどの水溶性合成高分子、アニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤などが挙げられる。これら分散剤は、単独で使用
してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0032】そして、本発明の生物増殖抑制剤含有マイ
クロカプセルは、上記のように調製された油相と、上記
した活性水素基含有成分とを、上記のように調製された
水相中において、生物増殖抑制剤、有機溶媒および必要
により添加剤などを含む芯物質成分(すなわち、油相か
らポリイソシアネート成分を除いた成分)と、ポリイソ
シアネート成分および活性水素基含有成分を含む壁膜形
成成分とが、芯物質成分100重量部に対して、壁膜形
成成分が35〜90重量部、好ましくは、40〜80重
量部、さらに好ましくは、55〜70重量部となる範囲
において配合し、ポリイソシアネート成分および活性水
素基含有成分を界面重合させることによって得ることが
できる。
【0033】芯物質成分100重量部に対して、壁膜形
成成分を上記の範囲で配合すれば、生物増殖抑制剤を、
カプセル粒子径に対して壁膜の厚い(例えば、カプセル
粒子径に対する壁膜厚比が1/17〜1/5)壁膜によ
ってマイクロカプセル化することができる。そのため、
得られた生物増殖抑制剤含有マイクロカプセルを有機溶
媒に配合しても、その有機溶媒中に生物増殖抑制剤が放
出されることを有効に防止することができるとともに、
マイクロカプセルとして本来有する効力の持続性および
徐放性を、良好に発現させることができる。
【0034】より具体的には、まず、油相を水相に配合
して分散させた後、次いで、その分散液中に、活性水素
基含有成分を配合して、イソシアネート成分と活性水素
基含有成分とを反応させることにより界面重合を行なえ
ばよい。
【0035】油相を水相に配合して分散させるには、例
えば、油相を、水相の水中に油滴として分散させる水中
油型(O/W型)分散(乳化)を行なえばよく、より具
体的には、例えば、油相を水相の水中に加えて、常温
下、微小滴になるまでミキサーなどにより攪拌すればよ
い。
【0036】次いで、分散後、イソシアネート成分と活
性水素基含有成分とを反応させて界面重合を行なうに
は、その分散液中に、活性水素基含有成分を添加すれば
よく、より具体的には、例えば、活性水素基含有成分を
水溶液として、その分散液中に滴下すればよい。活性水
素基含有成分の水溶液は、例えば、0.1〜50重量%
の水溶液濃度として調製することが好ましく、このよう
な水溶液の滴下は、例えば、活性水素基含有成分中の活
性水素基が、ポリイソシアネート成分のイソシアネート
基に対して、ほぼ等しい当量となるような量まで滴下す
ることが好ましい。より具体的には、活性水素基含有成
分を、ポリイソシアネート成分100重量部に対して、
1〜50重量部、さらには、5〜40重量部の割合で添
加することが好ましい。
【0037】また、添加する活性水素基含有成分として
は、低分子量ジアミンのなかでも、炭素数1〜12の低
分子量ジアミン、さらには、炭素数2〜8の低分子量ジ
アミンが好ましく、より具体的には、例えば、エチレン
ジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミンが挙げられ
る。
【0038】そして、活性水素基含有成分の添加後に
は、25〜100℃、好ましくは、30〜95℃で、
0.5〜10時間、好ましくは、1〜7時間攪拌しつつ
加熱して、反応を促進することが好ましい。これによっ
て、壁膜形成成分としてのポリイソシアネート成分と活
性水素基含有成分とが、油相と水相との界面で反応する
ことにより界面重合が行なわれ、生物増殖抑制剤および
有機溶媒などの芯物質成分が、それらの反応によって形
成されるポリウレタンの壁膜内に封入されるマイクロカ
プセルを得ることができる。
【0039】なお、このような界面重合においては、そ
の目的および用途によって、活性水素基含有成分とし
て、水相の水を、単独または活性水素基含有化合物とと
もに使用して反応させてもよい。
【0040】そして、このようにして得られたマイクロ
カプセルを含む水分散液に、必要により、増粘剤、凍結
防止剤、防腐剤、生物増殖抑制剤、比重調節剤などの公
知の添加剤を、必要により配合することにより、本発明
の生物増殖抑制剤含有マイクロカプセルを得ることがで
きる。
【0041】このようにして得られた本発明の生物増殖
抑制剤含有マイクロカプセルは、カプセル粒子径(カプ
セル直径)に対する壁膜厚比(壁膜厚/カプセル粒子
径)が、1/17〜1/5、好ましくは、1/15〜1
/7.5、さらに好ましくは、1/14〜1/8とされ
る。カプセル粒子径に対する壁膜厚比を、1/17より
大きくすることで、得られた生物増殖抑制剤含有マイク
ロカプセルを有機溶媒に配合しても、その有機溶媒中に
生物増殖抑制剤が放出されることを有効に防止すること
ができ、かつ、カプセル粒子径に対する壁膜厚比を、1
/5より小さくすることで、マイクロカプセルとして本
来有する効力の持続性および徐放性を、例えば、水中に
おいても、良好に発現させることができる。
【0042】なお、カプセル粒子径に対する壁膜厚比
(壁膜厚/カプセル粒子径)は、次式により求めること
ができる(近藤 保、小石 真純 著「マイクロカプセ
ル」:三共出版(株)に準拠)。
【0043】カプセル粒子径に対する壁膜厚比t=Ww
/(W−Ww)×ρ/ρw×d/6W:芯物質成分およ
び壁膜形成成分の合計重量 Ww:壁膜形成成分の合計重量 ρ:芯物質成分の比重 ρw:壁膜形成成分の比重 d:カプセル直径(カプセル粒子径) そして、このようにして得られた本発明の生物増殖抑制
剤含有マイクロカプセルは、そのままの状態(水分散
剤)で使用してもよいが、濾過後に、例えば、粉剤、粒
剤などの公知の剤型に製剤化することが好ましい。粉
剤、粒剤などに製剤化すれば、得られた製剤を、有機溶
媒によって調製されている各種の工業製品に、簡易かつ
確実に配合することができる。
【0044】なお、粉剤、粒剤などに製剤化された場合
には、生物増殖抑制剤含量(有効成分含量)が、0.1
〜90重量%、さらには、1〜80重量%となることが
好ましい。
【0045】そして、このような本発明の生物増殖抑制
剤含有マイクロカプセルは、有機溶媒に配合しても、そ
の有機溶媒中に生物増殖抑制剤が放出されることが有効
に防止されるとともに、マイクロカプセルとして本来有
する効力の持続性および徐放性を、例えば、水中におい
ても、良好に発現させることができる。
【0046】そのため、本発明の生物増殖抑制剤含有マ
イクロカプセルは、抗菌性、防かび性、防藻性および海
中生物の増殖抑制などを発現する、殺菌剤、抗菌剤、防
かび剤、防腐剤、防藻剤、海中生物付着防止剤(例え
ば、フジツボ、イガイなどの貝類、ホヤ類、コケムシ類
などの海中生物の付着防止を目的とするもの)などとし
て、有機溶媒により調製されている各種の工業製品に好
適に適用することができ、より具体的には、例えば、船
底塗料、外壁塗料、樹脂、プラスチック、接着剤、目地
剤、シーリング剤、建材、印刷版用処理液、インキ、切
削油、不織布、紡糸油、皮革などの非水系の工業製品に
配合して、優れた効力の持続性および徐放性を発現する
ことができる。
【0047】なお、これらの工業製品に対する本発明の
生物増殖抑制剤含有マイクロカプセルの配合量は、有効
成分含量として、例えば、10〜100000mg/k
g(製品重量)である。
【0048】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。
【0049】実施例1 4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン(ケーソン287tech、ローム・ア
ンド・ハース社製)40gを、キシレン10gに溶解さ
せた後、この溶液を60℃に加温し、これに、予め80
℃で溶解させておいたポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネート(アミン当量132、ミリオネートMR2
00S、日本ポリウレタン工業社製)24.4gを混合
し溶解させることにより、油相を調製した。
【0050】一方、水71gに、10重量%のポリビニ
ルアルコール(ポバール217、クラレ社製)水溶液4
7g、アニオン系界面活性剤(デモールNL、花王社
製)水溶液2gを室温で混合することにより、水相を調
製した。
【0051】次いで、水相に油相を加え、T.K.オー
トホモミキサーにて数分間攪拌することにより分散させ
た。なお、この時のミキサーの回転数は3000min
−1であった。そして、この分散液中に、エチレンジア
ミン5.6gを含む水溶液25gを滴下した。
【0052】次いで、得られた水分散液を、75℃の恒
温槽中で3時間緩やかに攪拌させながら反応させること
によって、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−
イソチアゾリン−3−オンが封入されたマイクロカプセ
ルを含む水分散液を得た。
【0053】この水分散液を、No.2のろ紙でろ過
後、200gの水で洗浄後、得られたマイクロカプセル
を、60℃で24時間乾燥することにより、マイクロカ
プセルの粉剤(有効成分含量:40重量%、カプセル粒
子径に対する壁膜厚比:1/10(上記式において、ρ
=1.2、ρw=1.2として算出))を得た。
【0054】実施例2 以下に示す各成分を変更したこと以外は、実施例1と同
様の操作により、マイクロカプセルの粉剤(有効成分含
量:41重量%、カプセル粒子径に対する壁膜厚比:1
/10(上記式において、ρ=1.2、ρw=1.2と
して算出))を得た。
【0055】有機溶媒:キシレン10gをエチルビフェ
ニル10gに変更 ポリイソシアネート成分:ポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート24.4gをポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート20.8gに変更 活性水素基含有成分:エチレンジアミン5.6gを1,
6−ヘキサメチレンジアミン9.2gに変更 実施例3 以下に示す各成分を変更したこと以外は、実施例1と同
様の操作により、マイクロカプセルの粉剤(有効成分含
量:40重量%、カプセル粒子径に対する壁膜厚比:1
/10(上記式において、ρ=1.2、ρw=1.2と
して算出))を得た。
【0056】ポリイソシアネート成分:ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート24.4gを、ポリメチ
レンポリフェニルポリイソシアネート19.6gおよび
ε−カプロラクトン変性ポリイソシアネート(ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネートのε−カプロラ
クトン変性、アミン当量670、タケネートL−506
0、三井武田ケミカル株式会社製)3.4gに変更 活性水素基含有成分:エチレンジアミン5.6gを1,
6−ヘキサメチレンジアミン7.0gに変更 実施例4 以下に示す各成分を変更したこと以外は、実施例1と同
様の操作により、3,3,4,4−テトラクロロテトラ
ヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドが封入されたマ
イクロカプセルの粉剤(有効成分含量:40重量%、カ
プセル粒子径に対する壁膜厚比:1/10(上記式にお
いて、ρ=1.0、ρw=1.2として算出))を得
た。
【0057】生物増殖抑制剤:4,5−ジクロロ−2−
n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン40g
を、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフ
ェン−1,1−ジオキシド(純度98重量%)10gに
変更 有機溶媒:キシレン10gをキシレン40gに変更 実施例5 以下に示す各成分を変更したこと以外は、実施例1と同
様の操作により、マイクロカプセルの粉剤(有効成分含
量:45重量%、カプセル粒子径に対する壁膜厚比:1
/15(上記式において、ρ=1.2、ρw=1.2と
して算出))を得た。
【0058】ポリイソシアネート成分:ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート24.4gを、ポリメチ
レンポリフェニルポリイソシアネート19.6gに変更 活性水素基含有成分:エチレンジアミン5.6gをエチ
レンジアミン4.4gに変更 比較例1 以下に示す各成分を変更したこと以外は、実施例1と同
様の操作により、マイクロカプセルの粉剤(有効成分含
量:53重量%、カプセル粒子径に対する壁膜厚比:1
/40(上記式において、ρ=1.2、ρw=1.2と
して算出))を得た。
【0059】ポリイソシアネート成分:ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート24.4gを、ポリメチ
レンポリフェニルポリイソシアネート5.5gに変更 活性水素基含有成分:エチレンジアミン5.6gを1,
6−ヘキサメチレンジアミン2.0gに変更 比較例2 以下に示す各成分を変更したこと以外は、実施例1と同
様の操作により、マイクロカプセルの粉剤(有効成分含
量:48重量%、カプセル粒子径に対する壁膜厚比:1
/20(上記式において、ρ=1.2、ρw=1.2と
して算出))を得た。
【0060】有機溶媒:キシレン10gをジイソプロピ
ルナフタレン10gに変更 ポリイソシアネート成分:ポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート24.4gを、ポリメチレンポリフェ
ニルポリイソシアネート11.9gに変更 活性水素基含有成分:エチレンジアミン5.6gを1,
6−ヘキサメチレンジアミン3.1gに変更 試験例1(放出試験) キシレン18gに対して、実施例1〜5および比較例
1、2で得られた各マイクロカプセル粉剤を、その有効
成分含量が5重量%となるように配合し、25℃で撹拌
し、経時的(30分後、60分後、120分後)にマイ
クロカプセル内からキシレン中に放出された生物増殖抑
制剤の放出率%(キシレン中(カプセル外)の生物増殖
抑制剤の量/生物増殖抑制剤の全量×100)を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】 試験例2(防藻効果試験) 1)塗膜の調製 キシレン溶液として調製されている下記の組成を有する
塗料に、実施例1および比較例1で得られた各マイクロ
カプセル粉剤を、その有効成分含量が4重量%となるよ
うに配合し、2時間撹拌後、ガラス板に所定量塗布し、
24時間自然乾燥させた。
【0062】塗料組成: チタン白 25重量% (タイペックCR−50、石原産業社製) アルキッド樹脂 60重量% (ベックゾールES−5103−50X、大日本インキ
社製) キシレン 14.45重量% 金属ドライヤー 0.53重量% (ディックネート3111、大日本インキ社製) 分散剤 0.02重量% (ディスバロン501、楠本化成社製) 2)防藻効果試験 C培地にて全培養したクロレラス スピーシーズを遠心
分離して得られた菌を、人工海水(マリンアートハイ
(千寿製薬社製)900gを水25Lに溶かしたもの、
以下同じ)に配合して、濁度計にて400nmの波長に
おけるO.D.が0.3となるように調製した。
【0063】この菌が配合された人工海水に、試験用塗
膜を浸漬し、太陽光下の室内に2ヶ月間放置(2週間に
1回の割合で、菌が配合された人工海水を交換)して、
塗膜表面上の藻の付着を観察した。その結果を表2に示
す。
【0064】
【表2】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の生物増殖抑
制剤含有マイクロカプセルは、有機溶媒に配合しても、
その有機溶媒中に生物増殖抑制剤が放出されることが有
効に防止されるとともに、マイクロカプセルとして本来
有する効力の持続性および徐放性を良好に発現させるこ
とができる。そのため、本発明の生物増殖抑制剤含有マ
イクロカプセルは、有機溶媒により調製されている各種
の工業製品に好適に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 純一 大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社生活環境カンパ ニー内 Fターム(参考) 4C076 AA61 BB34 CC31 EE21 FF31 FF36 4G005 AA01 AB14 AB25 BA02 BB08 DB21X DD04Z DD08Z EA03 4H011 AA02 AA03 AD01 BA01 BB08 BB10 BC04 BC19 DA06 DF02 DF03 DH05 DH30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物増殖抑制剤および有機溶媒を少なく
    とも含む芯物質成分と、ポリイソシアネート成分および
    活性水素基含有成分を含む壁膜形成成分とを、水相中に
    おいて、芯物質成分100重量部に対して、壁膜形成成
    分が35〜90重量部となる範囲において配合し、ポリ
    イソシアネート成分および活性水素基含有成分を界面重
    合させることによって得られることを特徴とする、生物
    増殖抑制剤含有マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 活性水素基含有成分が、低分子量ジアミ
    ンであることを特徴とする、請求項1に記載の生物増殖
    抑制剤含有マイクロカプセル。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が、沸点が100〜500℃の
    有機溶媒であることを特徴とする、請求項1または2に
    記載の生物増殖抑制剤含有マイクロカプセル。
  4. 【請求項4】 生物増殖抑制剤が、カプセル粒子径に対
    する壁膜厚比が1/17〜1/5の壁膜によってマイク
    ロカプセル化されていることを特徴とする、生物増殖抑
    制剤含有マイクロカプセル。
  5. 【請求項5】 生物増殖抑制剤が、イソチアゾリン系化
    合物および/またはチオフェン系化合物であることを特
    徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の生物増殖抑
    制剤含有マイクロカプセル。
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