JP2003048463A - 車両の総合制御装置 - Google Patents

車両の総合制御装置

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JP2003048463A
JP2003048463A JP2002158340A JP2002158340A JP2003048463A JP 2003048463 A JP2003048463 A JP 2003048463A JP 2002158340 A JP2002158340 A JP 2002158340A JP 2002158340 A JP2002158340 A JP 2002158340A JP 2003048463 A JP2003048463 A JP 2003048463A
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vehicle
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淳 田端
Shuji Nagano
周二 永野
Yoshio Hasegawa
善雄 長谷川
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃費を向上させつつ、ロックアップショック
或いはこもり音の発生を抑制することができる車両用エ
ンジンのこもり音防止制御装置を提供する。 【解決手段】 運転サイクル変更手段108により、エ
ンジン10のこもり音の発生を防止するように、車両状
態或いはロックアップクラッチ26の係合状態に応じて
エンジン10の運転サイクルが変更されることから、ロ
ックアップクラッチ26の係合領域或いはスリップ領域
を拡大しても、運転環境を損なうようなこもり音の発生
を抑制することができるので、燃費を可及的に向上させ
ることができる。すなわち、従来ではこもり音の発生に
よって使用できなかった領域までロックアップクラッチ
26の係合領域或いはスリップ領域を拡大してもこもり
音の発生がそれほどなく、燃費を向上させることができ
るのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の車室内で発
生するこもり音を抑制するための車両用こもり音抑制制
御装置或いは車両の総合制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の一種に、吸気弁および排気弁とし
て機能する電磁駆動弁の作動タイミングを変更すること
により運転サイクルを変更することができるエンジン
と、エンジンのクランク軸と変速機の入力軸との間を直
結状態とするためのロックアップクラッチとを備えたも
のがある。このような車両では、たとえば減速動作が検
出されたときには、電磁駆動弁の開弁時間が短縮される
とともにロックアップクラッチが係合(オン)作動させ
られ、車両の減速状態に応じたエンジンブレーキ効果を
得られるようにすることができる。たとえば、特開平1
1−117778号公報に記載された車両用エンジンの
制御装置がそれである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の車両では、燃費を良くするなどのためにロック
アップ領域(ロックアップクラッチの係合領域)やスリ
ップ領域を可及的に拡大することが望まれるが、そのロ
ックアップ領域或いはスリップ領域の拡大を行うと、燃
費は改善されるものの、運転サイクルの切り換え可能な
エンジンにおいてはその運転サイクルによって振動が異
なることから、振動が大きい運転サイクルのときにロッ
クアップクラッチがロックアップスリップ(半係合)す
るとロックアップショックが発生するおそれがあった。
これに対し、ロックアップスリップ量を一律に大きくす
ると、そのロックアップショックが緩和されるものの、
燃費が悪化するとともに、ロックアップ領域を拡大しよ
うとすると比較的大きなこもり音(Booming Noise )が
発生するためにロックアップクラッチを係合させられな
い領域が発生し、この点においても燃費が悪化する一因
となっていた。さらに、動力性能と燃費性能とからエン
ジン運転サイクルを決定すると、ロックアップ領域の変
化によって車両の振動系が相違していることから、一律
にエンジン運転領域を決定すると振動の悪化が発生する
という不都合があった。すなわち、燃費および振動の面
において未だ改善の余地が残されていた。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、燃費を向上させ
つつ、ロックアップクラッチの係合ショック或いはこも
り音の発生を抑制することができる車両の総合制御装置
を提供することにある。
【0005】本発明者等は以上の事情に基づいて種々検
討を重ねた結果、エンジンの運転サイクルが切り換えら
れると、エンジンの作動による加振状態が大幅に変化さ
せられることから、車両状態やロックアップクラッチ状
態に応じてそのエンジンの運転サイクルを変更すること
により、或いはそのエンジンの運転サイクルに応じてロ
ックアップ制御状態を変更することにより、燃費が向上
すると同時にロックアップクラッチの係合ショック或い
はこもり音の発生が大幅に改善されるという事実を見い
だした。本発明はこのような知見に基づいて為されたも
のである。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】すなわち、前記目
的を達成するための第1発明の要旨とするところは、運
転サイクルの変更可能なエンジンおよび動力伝達状態の
制御可能な動力伝達装置を有する車両において、該エン
ジンの運転サイクルおよび動力伝達装置の動力伝達状態
を制御する車両の総合制御装置であって、前記車両のこ
もり音の発生を抑制するように、車両状態に応じてエン
ジンの運転サイクルを変更する運転サイクル変更手段を
備えることにある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、運転サイクル変
更手段により、エンジンのこもり音の発生を防止するよ
うに、車両状態に応じてエンジンの運転サイクルが変更
されることから、動力伝達装置の動力伝達状態が変更さ
れても、運転環境を損なうようなこもり音の発生が抑制
され、燃費も可及的に向上させることができる。すなわ
ち、従来ではこもり音の発生によってそれまで使用でき
なかった領域まで動力伝達装置の動力伝達状態が拡大或
いは変更されても、こもり音の発生がエンジン運転サイ
クルの変更によってそれほどでもなくなり、燃費を向上
させることができるのである。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、運転サ
イクルの変更可能なエンジンおよび動力伝達状態の制御
可能な動力伝達装置を有する車両において、該エンジン
の運転サイクルおよび動力伝達装置の動力伝達状態を制
御する車両の総合制御装置であって、前記動力伝達装置
の動力伝達状態に応じて前記エンジンの運転サイクルを
変更する運転サイクル変更手段を、含むことにある。
【0009】
【第2発明の効果】このようにすれば、運転サイクル変
更手段により、動力伝達装置の動力伝達状態に応じてエ
ンジンの運転サイクルが変更されるので、動力性能の維
持が図られつつ、燃費も向上可能となる。すなわち、振
動や騒音の発生によってそれまで使用できなかった領域
まで動力伝達装置の動力伝達作動域が拡大或いは変更さ
れても、振動あるいは騒音の発生がエンジン運転サイク
ルの変更によってそれほどでもなくなり、燃費を向上さ
せることができるのである。
【0010】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、前記運転サ
イクル変更手段は、前記車両のこもり音を抑制するよう
に、前記動力伝達装置の動力伝達状態に応じて前記エン
ジンの運転サイクルを変更するものである。このように
すれば、動力伝達装置の動力伝達状態に応じてエンジン
の運転サイクル数が変更されるので、こもり音の発生を
抑制することができ、燃費も向上可能となる。
【0011】また、好適には、前記運転サイクル変更手
段は、前記動力伝達装置の動力伝達状態に応じて前記エ
ンジンの運転サイクル領域を変更するものである。この
ようにすれば、運転サイクル変更手段により、動力伝達
装置の動力伝達状態に応じてエンジンの運転サイクル領
域が変更されるので、動力性能の維持が図られつつ、燃
費も向上可能となる。
【0012】また、好適には、前記動力伝達装置は、ロ
ックアップクラッチを備えたものであり、前記動力伝達
状態は少なくともそのロックアップクラッチの係合状態
である。すなわち、運転サイクル変更可能なエンジンお
よびロックアップクラッチを有する車両において、その
エンジンの運転サイクルおよびロックアップクラッチの
係合状態を制御する車両の総合制御装置であって、ロッ
クアップクラッチの係合状態に応じて前記エンジンの運
転サイクルを変更する運転サイクル変更手段を、含むも
のである。このようにすれば、運転サイクル変更手段に
より、ロックアップクラッチの係合状態に応じてエンジ
ンの運転サイクルが変更される。すなわち、ロックアッ
プスリップするとロックアップショックが発生し易い車
両状態であるときには、エンジン振動が小さい運転サイ
クルに変更されることができるので、ロックアップクラ
ッチの係合領域或いはスリップ領域を拡大しても、ロッ
クアップショックの発生を抑制することができるので、
燃費を可及的に向上させることができる。
【0013】また、好適には、前記運転サイクル変更手
段は、車両のこもり音の発生が抑制されるように、ロッ
クアップクラッチの係合状態に応じて前記エンジンの運
転サイクルを変更するものである。このようにすれば、
運転サイクル変更手段により、エンジンのこもり音の発
生を防止するように、ロックアップクラッチの係合状態
に応じてエンジンの運転サイクルが変更されることか
ら、ロックアップクラッチの係合領域或いはスリップ領
域を拡大しても、運転環境を損なうようなこもり音の発
生を抑制することができるので、燃費を可及的に向上さ
せることができる。すなわち、従来ではこもり音の発生
によって使用できなかった領域までロックアップクラッ
チの係合領域或いはスリップ領域を拡大してもこもり音
の発生がそれほどなく、燃費を向上させることができる
のである。
【0014】また、好適には、上記の運転サイクル変更
手段は、ロックアップクラッチのオンオフ切換に応じて
エンジンの運転サイクルを変更するものである。このよ
うにすれば、ロックアップクラッチのオンオフ切換に応
じてエンジン運転サイクルが変更されることから、こも
り音の発生し易いロックアップクラッチのオン状態では
エンジン運転サイクル数がこもり音が発生し難くなるよ
うにたとえば2サイクルへ減少させられるが、こもり音
の発生し難いロックアップクラッチのオフ状態ではエン
ジン運転サイクル数がたとえば4サイクルへ増加させら
れるので、オン領域を拡大しても運転環境を損なうよう
なこもり音が発生することが抑制され、燃費を可及的に
向上させることができる。
【0015】また、好適には、上記運転サイクル変更手
段は、ロックアップクラッチのスリップの有無に応じて
エンジンの運転サイクルを変更するものである。このよ
うにすれば、ロックアップクラッチのスリップの有無に
応じてエンジン運転サイクルが変更されることから、こ
もり音の発生し易いロックアップクラッチのスリップの
ない状態ではエンジン運転サイクル数がこもり音が発生
し難くなるようにたとえば2サイクルへ減少させられる
が、こもり音の発生し難いロックアップクラッチのスリ
ップ量の大きい状態ではエンジン運転サイクル数がたと
えば4サイクルへ増加させられるので、スリップ領域を
拡大しても運転環境を損なうようなこもり音が発生する
ことが抑制され、燃費を可及的に向上させることができ
る。
【0016】また、好適には、前記運転サイクル変更手
段は、前記ロックアップクラッチの係合状態に応じて前
記エンジンの運転サイクル領域を変更するものである。
このようにすれば、ロックアップクラッチの係合状態に
応じてエンジンの運転サイクル領域が変更されるため、
燃費とショックが好適に低減される。
【0017】また、好適には、前記運転サイクル変更手
段は、前記ロックアップクラッチのオン状態のときに
は、前記エンジンの運転サイクル領域のうちの低サイク
ル領域たとえば2サイクル領域を低車速側へ拡大するも
のである。すなわち、高サイクル領域を低車速側へ縮小
するものである。このようにすれば、ロックアップクラ
ッチのオン状態のときには、2サイクル領域が低車速側
へ拡大されるので、燃費と振動とが好適に低減される。
【0018】また、好適には、前記運転サイクル変更手
段は、前記ロックアップクラッチのオフ状態のときに
は、前記エンジンの運転サイクル領域のうちの高サイク
ル領域たとえば4サイクル領域を高車速側へ拡大するも
のである。すなわち、低サイクル領域を高車速側へ縮小
するものである。このようにすれば、ロックアップクラ
ッチのオフ状態のときには、4サイクル領域が高車速側
へ拡大されて2サイクル領域が高車速側へ縮小されるの
で、2サイクルの排気音の影響と燃費とが好適に低減さ
れる。
【0019】また、好適には、前記動力伝達装置は有段
変速機を備えたものであり、前記動力伝達状態は少なく
ともその有段変速機の変速段である。このようにすれ
ば、有段変速機の変速段に応じて運転サイクル数が変更
されるので、動力性能が維持されつつ、こもり音の発生
が抑制され、しかも燃費の向上が図られる。
【0020】また、好適には、前記動力伝達装置は無段
変速機を備えたものであり、前記動力伝達状態は少なく
とも該無段変速機の変速比である。このようにすれば、
無段変速機の変速比に応じてエンジンの運転サイクルが
変更されるので、動力性能の維持、こもり音の抑制、燃
費の向上が図られる。
【0021】また、好適には、前記動力伝達装置は前後
輪間駆動力配分制御装置を備えたものであり、前記動力
伝達状態は少なくとも該前後輪間駆動力配分制御装置の
前後輪駆動力配分比である。このようにすれば、前後輪
駆動力配分比に応じてエンジンの運転サイクルが変更さ
れるので、動力性能の維持、こもり音の抑制、燃費の向
上などが図られる。
【0022】また、好適には、前記前後輪間駆動力配分
制御装置の前後輪駆動力配分比は、4輪駆動状態と2輪
駆動状態とを含むものである。このようにすれば、前後
輪駆動力配分比は4輪駆動状態と2輪駆動状態とを含む
幅広い範囲であることから、その前後輪駆動力配分比に
応じてエンジンの運転サイクルが変更されるので、一
層、動力性能の維持、こもり音の抑制、燃費の向上など
が図られる。
【0023】また、好適には、前記動力伝達装置は、ロ
ックアップクラッチを備えたものであり、前記動力伝達
状態は少なくとも該ロックアップクラッチの係合状態で
ある。すなわち、運転サイクル変更可能なエンジンおよ
びロックアップクラッチを有する車両において、そのエ
ンジンの運転サイクルおよびロックアップクラッチの係
合状態を制御する車両の総合制御装置であって、前記車
両のこもり音の発生が抑制されるように、車両状態に応
じて前記エンジンの運転サイクルを変更する運転サイク
ル変更手段を、含むことにある。このようにすれば、運
転サイクル変更手段により、エンジンのこもり音の発生
を防止するように、車両状態に応じてエンジンの運転サ
イクルが変更されることから、ロックアップクラッチの
係合領域或いはスリップ領域を拡大しても、運転環境を
損なうようなこもり音の発生を抑制することができるの
で、燃費を可及的に向上させることができる。すなわ
ち、従来ではこもり音の発生によって使用できなかった
領域までロックアップクラッチの係合領域或いはスリッ
プ領域を拡大してもこもり音の発生がそれほどなく、燃
費を向上させることができるのである。
【0024】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記目的を
達成するための第3発明の要旨とするところは、運転サ
イクル変更可能なエンジンおよびロックアップクラッチ
を有する車両において、そのエンジンの運転サイクルお
よびロックアップクラッチの係合状態を制御する車両の
総合制御装置であって、前記エンジンの運転サイクルに
応じて前記ロックアップクラッチの係合状態を変更する
運転サイクル変更手段を、含むことにある。
【0025】
【第3発明の効果】このようにすれば、運転サイクル変
更手段により、エンジンの運転サイクルに応じてロック
アップクラッチの係合状態が変更される。すなわち、ロ
ックアップ係合するとロックアップショックが発生し易
い運転サイクルであるときには、ロックアップクラッチ
の係合状態をショックが発生しないように、たとえばス
リップ状態としてロックアップショックの発生を抑制す
ることができ、ロックアップショックが発生し難い運転
サイクルであるときには、ロックアップクラッチを係合
状態として、燃費を可及的に向上させることができる。
【0026】
【第3発明の他の態様】ここで、好適には、上記運転サ
イクル変更手段は、前記車両のこもり音を抑制するよう
に、前記エンジンの運転サイクルに応じて前記ロックア
ップクラッチの係合領域すなわちロックアップ領域を変
更するものである。このようにすれば、運転サイクル変
更手段により、エンジンのこもり音の発生を防止するよ
うに、エンジンの運転サイクルに応じてロックアップク
ラッチの係合領域が変更されることから、運転サイクル
に応じてロックアップクラッチの係合領域或いはスリッ
プ領域を拡大でき、運転環境を損なうようなこもり音の
発生を抑制することができるので、燃費を可及的に向上
させることができる。すなわち、従来ではこもり音の発
生によって使用できなかった領域まで運転サイクルに応
じてロックアップクラッチの係合領域或いはスリップ領
域を拡大でき、燃費を向上させることができるのであ
る。
【0027】また、好適には、上記運転サイクル変更手
段は、エンジン運転サイクルに応じてロックアップクラ
ッチのオンオフ状態すなわちオンオフの切換状態を変更
するものである。このようにすれば、エンジン運転サイ
クルに応じてロックアップクラッチのオンオフ状態が変
更されることから、こもり音の発生し易いエンジン運転
サイクルではこもり音が発生し難くなるようにロックア
ップクラッチのオン状態が変更たとえば開放或いはスリ
ップさせられるが、こもり音の発生し難いエンジン運転
サイクルではロックアップクラッチのオンオフ切換がた
とえば係合状態へ変更されるので、ロックアップクラッ
チの係合状態が可及的に拡大され、運転環境を損なうよ
うなこもり音が発生することが抑制され、且つ燃費を可
及的に向上させることができる。
【0028】また、好適には、上記運転サイクル変更手
段は、エンジン運転サイクルに応じてロックアップクラ
ッチのスリップの有無を変更するものである。このよう
にすれば、エンジンの運転サイクルがこもり音の発生し
易い状態ではこもり音が発生し難くなるようにロックア
ップクラッチのスリップ状態が有りとされ、エンジンの
運転サイクルがこもり音の発生し難い状態ではロックア
ップクラッチのスリップ状態がなしとされて可及的にス
リップ領域が拡大され、運転環境を損なうようなこもり
音が発生することが抑制され、且つ燃費を可及的に向上
させることができる。
【0029】また、好適には、前記ロックアップ状態変
更手段は、前記エンジンの運転サイクルに応じて前記ロ
ックアップクラッチのスリップ量(スリップ回転速度)
を変更するものである。このようにすれば、エンジンの
運転サイクルに応じてロックアップクラッチのスリップ
量が変更されることから、こもり音の発生し易い運転サ
イクルではこもり音が発生し難くなるようにロックアッ
プクラッチのスリップ量が多くされるが、こもり音の発
生し難い運転サイクルではロックアップクラッチのスリ
ップ量が減少させられるので、スリップ領域を拡大して
も運転環境を損なうようなこもり音が発生することが抑
制され、燃費を可及的に向上させることができる。
【0030】また、好適には、前記ロックアップ状態変
更手段は、前記エンジンが相対的に低サイクル数運転た
とえば2サイクル運転であるときのスリップ回転速度
を、相対的に高サイクル数運転たとえば4サイクル運転
であるときのスリップ回転速度に比較して大きい値とす
るものである。このようにすれば、2サイクル運転時の
エンジンの振動を好適に吸収できる。
【0031】また、好適には、前記ロックアップ状態変
更手段は、前記エンジンの運転サイクル変更前から変更
後までの過渡期間内において、前記ロックアップクラッ
チのスリップ回転速度を過渡期間用スリップ回転速度と
するものである。このようにすれば、運転サイクルが変
更される過渡期間内においてロックアップクラッチのス
リップ回転速度が過渡期間用スリップ回転速度とされる
ので、運転サイクルが変更される過渡期間において最適
なロックアップクラッチのスリップ回転速度とされる。
【0032】また、好適には、前記ロックアップ状態変
更手段は、前記過渡期間内のスリップ回転速度を、前記
エンジンの運転サイクル変更前のスリップ回転速度およ
びそのエンジンの運転サイクル変更後のスリップ回転速
度よりも高いスリップ回転速度に一旦上昇させるもので
ある。このようにすれば、運転サイクルが変更される過
渡期間内においてロックアップクラッチのスリップ回転
速度が一旦低下させられるので、ショックが低減され
る。
【0033】また、好適には、前記ロックアップ状態変
更手段は、前記過渡期間内のスリップ回転速度を、前記
エンジンの運転サイクル変更前のスリップ回転速度から
変更後のスリップ回転速度へたとえば線型補間により直
線的に変化させるものである。このようにすれば、運転
サイクルが変更される過渡期間内においてロックアップ
クラッチのスリップ回転速度が直線的に変化させられる
ので、ショックが低減される。
【0034】また、好適には、前記ロックアップ状態変
更手段は、前記過渡期間内のスリップ回転速度を、前記
エンジンの運転サイクル変更前のスリップ回転速度とそ
のエンジンの運転サイクル変更後のスリップ回転速度と
のうちのいずれか高い側の値へ直ちに変更するものであ
る。このようにすれば、運転サイクルが変更される過渡
期間内においてロックアップクラッチのスリップ回転速
度が、エンジンの運転サイクル変更前のスリップ回転速
度とそのエンジンの運転サイクル変更後のスリップ回転
速度とのうちのいずれか高い側の値とされるので、ショ
ックが低減される。
【0035】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0036】図1は、本発明の一実施例の制御装置が適
用された車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図で
ある。図において、動力源としてのエンジン10の出力
は、クラッチ12、トルクコンバータ14を介して自動
変速機16に入力され、出力軸46および図示しない差
動歯車装置および車軸を介して駆動輪たとえば後輪へ伝
達されるようになっている。上記クラッチ12とトルク
コンバータ14との間には、電動モータおよび発電機と
して機能する第1モータジェネレータMG1が配設され
ている。上記トルクコンバータ14は、クラッチ12に
連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸
22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼
車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロ
ックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によっ
て一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを
備えている。
【0037】上記自動変速機16は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機32と、後進変速段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機34とを備
えている。第1変速機32は、サンギヤS0、リングギ
ヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされ
ている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、
サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッ
チC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およ
びハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備え
ている。
【0038】第2変速機34は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備
えている。
【0039】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキ
ャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は
出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されてい
る。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラ
ッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2
とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0040】キャリアK1とハウジング38との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0041】以上のように構成された自動変速機16で
は、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変
速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換
えられる。図2において「○」は係合状態を表し、空欄
は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの
係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を
表している。この図2から明らかなように、第2変速段
(2nd)から第3変速段(3rd)へのアップシフト
では、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を
係合させるクラッチツークラッチ変速が行われ、ブレー
キB3の解放過程で係合トルクを持たせる期間とブレー
キB2の係合過程で係合トルクを持たせる期間とがオー
バラップして設けられる。それ以外の変速は、1つのク
ラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行わ
れるようになっている。上記クラッチおよびブレーキは
何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧
式摩擦係合装置である。
【0042】前記エンジン10は、後述する過給機54
を備えているとともに、燃料消費を減少させるために、
燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空
燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼
が行われるリーンバーンエンジンである。このエンジン
10は、3気筒ずつから構成される左右1対のバンクを
備え、その1対のバンクは単独で或いは同時に作動させ
られるようになっている。すなわち、作動気筒数の変更
が可能となっている。
【0043】たとえば図3に示すように、上記エンジン
10の吸気配管50および排気管52には、排気タービ
ン式過給機(以下、過給機という)54が設けられてい
る。この過給機54は、排気管52内において排気の流
れにより回転駆動されるタービン翼車56と、エンジン
10への吸入空気を圧縮するために吸気配管50内に設
けられ且つタービン翼車56に連結されたポンプ翼車5
8とを備え、そのポンプ翼車58がタービン翼車56に
よって回転駆動されるようになっている。上記排気管5
2には、ウエイストゲート弁59を備えてタービン翼車
56をバイパスするバイパス管61が並列に設けられて
おり、タービン翼車56を通過する排気ガス量とバイパ
ス管61を通過する排気ガス量との比率が変化させられ
ることにより、吸気配管50内の過給圧Pa が調節され
るようになっている。なお、このような排気タービン式
過給機に換えて、エンジン或いは電動機によって回転駆
動される機械ポンプ式の過給機が設けられていてもよ
い。
【0044】上記エンジン10の吸気配管50には、ス
ロットルアクチュエータ60によって操作されるスロッ
トル弁62とが設けられている。このスロットル弁62
は、基本的には図示しないアクセルペダルの操作量すな
わちアクセル開度θACC に対応する開度θTHとなるよう
に制御されるが、エンジン10の出力を調節するために
変速過渡時などの種々の車両状態に応じた開度となるよ
うに制御されるようになっている。
【0045】また、図3に示すように、前記第1モータ
ジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16と
の間に配置され、クラッチ12はエンジン10と第1モ
ータジェネレータMG1との間に配置されている。上記
自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックア
ップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する
油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるよ
うになっている。また、エンジン10には第2モータジ
ェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、
第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネ
レータMG2の電源として機能する燃料電池70および
二次電池71と、それらから第1モータジェネレータM
G1および第2モータジェネレータMG2へ供給される
電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供
給される電流を制御するための切換スイッチ72および
73とが設けられている。この切換スイッチ72および
73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであっ
て、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッ
チング素子などから構成され得るものである。
【0046】また、エンジン10は、図4に示すよう
に、各気筒の吸気弁74および排気弁75を開閉駆動す
る電磁アクチュエータ76および77を含む可変動弁機
構78と、クランク軸79の回転角を検出する回転セン
サ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁
75の作動時期(タイミング)を制御する弁駆動制御装
置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エ
ンジン負荷に応じて作動タイミングを最適時期に変更す
るだけでなく、運転サイクル切り換え指令に従って、4
サイクル運転を可能とする時期および2サイクル運転を
可能とする時期に制御する。しかし、そのようなエンジ
ン10の運転サイクルの切換のために、上記電磁アクチ
ュエータ76および77が電子制御装置90によって直
接制御されてもよい。上記電磁アクチュエータ76およ
び77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74また
は排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁
75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤
状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着
するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石8
4、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付
勢する一対のスプリング86、87とを備えている。
【0047】図6は、電子制御装置90に入力される信
号およびその電子制御装置90から出力される信号を例
示している。たとえば、電子制御装置90には、エンジ
ン回転速度NE を表す信号、アクセルペダルの操作量で
あるアクセル開度θACC を表すアクセル開度信号、スロ
ットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号、自
動変速機16の出力軸46の回転速度NOUT すなわち車
速Vに対応する車速信号、吸気配管50内の過給圧Pa
を表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバーの
操作位置SH を表す信号、変速機16の作動油温度すな
わちAT油温T OIL などが図示しないセンサから供給さ
れている。また、電子制御装置90からは、燃料噴射弁
からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御
するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換
えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシ
フトソレノイドを制御する信号、ロックアップクラッチ
26を開閉制御するために油圧制御回路66内のロック
アップコントロールソレノイドを制御する信号などが出
力される。
【0048】上記電子制御装置90は、CPU、RO
M、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂
マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAM
の一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプ
ログラムに従って信号処理を行うことにより、自動変速
機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロック
アップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実
行する制御、過給圧制御、空燃比制御、気筒選択切換制
御、運転サイクル切換制御などを実行する。たとえば、
上記変速制御では、図示しない予め記憶された関係(変
速線図)からアクセル開度θACC (%)またはスロット
ル開度θTH(%)と車速Vとに基づいて変速判断を行
い、その変速判断に対応してギヤ段が得られるように油
圧制御回路66内の電磁弁(シフトソレノイド)S1、
S2、S3を制御し、エンジンブレーキを発生させる際
には電磁弁S4を駆動する。また、ロックアップ状態変
更では、たとえば図8に示す予め記憶された関係から実
際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUT
に対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度θAC
C またはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合
領域、解放領域、スリップ領域のいずれに属するかを判
定し、その判定された領域に対応する状態が得られるよ
うに油圧制御回路66内のロックアップコントロールソ
レノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、
解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実
行する。また、上記気筒選択切換制御では、燃費を良く
するために軽負荷走行になると作動気筒数を減少させた
り、動弁機構の作動が異常判定された気筒の作動を停止
させたりする。上記運転サイクル切換制御では、たとえ
ば図9乃至図11のいずれかに示す予め記憶された関係
から実際のアクセル開度θAC C (%)またはスロットル
開度θTH(%)と車速Vとに基づいてエンジン10の運
転サイクル数を変更し或いは切り換える。また、自動変
速機16の異常時やエンジン10の異常時などにおいて
車両の走行性能が損なわれないように、エンジン10の
運転サイクル数を変更する。
【0049】図7は、上記電子制御装置90の制御機能
の要部を説明する機能ブロック線図である。図7に示す
こもり音防止制御装置すなわち車両の総合制御装置は、
可及的に燃費を良くし且つロックアップショック或いは
こもり音(Booming Noise )の発生を防止するように、
車両状態に応じて、或いはその車両状態により決定され
るロックアップクラッチの係合状態に応じて、すなわち
こもり音関連パラメータの発生状態に応じて前記エンジ
ンの運転サイクルを変更する。この車室に発生するこも
り音とは、比較的低い周波数(たとえば40乃至200
Hz)の音で、「ブーン」或いは「ボー」と表現されるも
のであってどこからともなく聞こえ、大きいときには圧
迫感を与えて運転品質或いは運転環境が損なわれるとい
う不都合が生じる。このこもり音は、動力伝達系すなわ
ち駆動系の回転時に発生する不釣合い慣性力やジョイン
ト部の2次偶力が強制振動源となったりエンジン振動が
強制振動源となり、その強制振動源により加振されてト
ランスミッションケースやプロペラシャフトなどの駆動
系の共振および車室共鳴により増幅されることにより発
生するなどといわれている。このようなこもり音は、た
とえば軽負荷時において所定の車速に接近すると大きく
なったり、動力伝達経路に設けられたロックアップクラ
ッチ26の係合状態や、加振源であるエンジンの運転サ
イクル数により影響される性質がある。
【0050】図7において、運転サイクル数変更可能判
定手段100は、たとえば可変動弁機構78の異常の有
無、エンジン回転速度NE を検出するエンジン回転速度
センサの異常の有無、排気ガス浄化用触媒の過熱の有無
などに基づいて、エンジン10の運転サイクル数を変更
することが可能であるか否かを判定する。すなわち、可
変動弁機構78の異常が無く、エンジン回転速度NE
検出するエンジン回転速度センサの異常が無く、排気ガ
ス浄化用触媒が所定温度以下の過熱していない状態であ
るときに、エンジン10の運転サイクル数を変更するこ
と、たとえばそれまでの4サイクルから2サイクルへ変
更することが可能であると判定する。車両状態検出手段
102は、たとえばアクセル開度θACC またはスロット
ル開度θ TH(%)および車速Vなどにより表される車両
状態を、各センサからの信号に基づいて検出する。
【0051】ロックアップクラッチ係合許可判定手段1
04は、たとえば図8に示す関係から実際の車両状態
(たとえばθACC またはθTHおよび車速V)に基づいて
ロックアップクラッチ26の係合許可領域或いはスリッ
プ係合許可領域であるか否かを判定するロックアップ係
合許可領域判定手段106を備え、車両状態がロックア
ップクラッチ26の係合許可領域或いはスリップ係合許
可領域にあること、作動油温TOIL が所定値よりも低い
低油温状態でないこと、エンジン冷却水温度TWが所定
値よりも低い水温状態でないことなどに基づいて、ロッ
クアップクラッチ26の係合許可状態或いはスリップ係
合許可状態であるか否かを判定する。すなわち、もしロ
ックアップクラッチ26の係合或いはスリップ係合とな
ったときにはこもり音が発生するか否かを判定し、こも
り音が発生しないと判定したときにロックアップクラッ
チ26の係合許可或いはスリップ係合許可を判定して、
燃費をよくするために可及的にロックアップクラッチ2
6の係合或いはスリップ係合を実行させる。このような
ロックアップクラッチ26の係合作動状態は、車両のこ
もり音を発生させることに関連するパラメータであるの
で、上記ロックアップクラッチ係合許可判定手段104
は、こもり音関連パラメータの発生を判定するこもり音
関連パラメータ判定手段としても機能している。
【0052】エンジン運転サイクル変更(設定)手段1
08は、ロックアップクラッチの係合状態に応じて設定
される運転サイクル数を変更する。すなわち、エンジン
運転サイクル変更(設定)手段108は、上記ロックア
ップクラッチ係合許可判定手段104によりロックアッ
プクラッチ26が係合させられる係合許可領域或いはス
リップ係合許可領域であると判定されたときは、4サイ
クル運転されている走行中にロックアップクラッチ26
が係合或いは半係合させられると車両のこもり音が発生
する図8の領域Aにおいて、エンジン10の運転サイク
ルをそれまでの4サイクルから2サイクルへ変更(設
定)してこもり音を抑制し、可及的にロックアップを係
合或いは半係合させるようにする。
【0053】運転サイクル制御手段110は、基本的に
は、たとえば図9乃至図11に示す関係のいずれかの関
係から車両状態(たとえばθACC またはθTHおよび車速
V)に基づいて運転サイクルを決定し、決定された運転
サイクルとなるように可変動弁機構78を作動させてエ
ンジン10の運転サイクルを切り換える。また、この運
転サイクル制御手段110は、上記エンジン運転サイク
ル変更(設定)手段108により設定された運転サイク
ル数となるように、エンジン10の運転サイクルを優先
的に切り換える。
【0054】図12は、電子制御装置90による制御作
動の要部すなわち車両のこもり音防止のためのエンジン
運転サイクル変更制御ルーチンを説明するフローチャー
トであり、数msec 乃至数十msec 程度の極めて短い周
期で繰り返し実行される。
【0055】図12において、前記運転サイクル数変更
可能判定手段100に対応するステップ(以下、ステッ
プを省略する)SA1では、エンジン10の運転サイク
ル数の変更が可能であるか否かが、たとえば可変動弁機
構78の異常が無いこと、エンジン回転速度NE を検出
するエンジン回転速度センサの異常が無いこと、そして
排気ガス浄化用触媒の過熱が無いことなどに基づいて判
断される。このSA1の判断が否定される場合は、前記
運転サイクル変更手段108に対応するSA2におい
て、エンジン10の運転サイクル数が4サイクルに設定
される。
【0056】しかし、上記SA1の判断が肯定される場
合は、前記ロックアップクラッチ係合許可判定手段10
4に対応するSA3において、車両状態がたとえば図8
に示すロックアップクラッチ26の係合領域であるこ
と、作動油温TOIL が所定値よりも低い低油温状態でな
いこと、エンジン冷却水温度TW が所定値よりも低い水
温状態でないことなどに基づいて、ロックアップクラッ
チ26の係合許可状態或いはスリップ係合許可状態であ
るか否かが判断される。このSA3の判断が否定される
場合は、前記運転サイクル変更手段108に対応するS
A4において、エンジン10の運転サイクル数が非ロッ
クアップ用の運転サイクル数、たとえば図9乃至図11
の関係から選択されたいずれかの関係から車両の走行状
態に基づいて基本的に定められた運転サイクルに設定さ
れるが、このようなこもり音の発生し難いロックアップ
クラッチ26のオフ状態では、こもり音抑制のために運
転サイクル数が2サイクルとされないで、たとえば4サ
イクルに維持される。
【0057】しかし、上記SA3の判断が肯定される場
合は、車両の走行状態が図8の領域A内であって、こも
り音が発生することが推定される状態であるので、前記
運転サイクル変更手段108に対応するSA5におい
て、エンジン10の運転サイクル数がロックアップ用運
転サイクル数、たとえば2サイクルに設定される。これ
により図示しないステップにおいてロックアップクラッ
チ26の係合或いはスリップ係合させられるとともに、
エンジン10が2サイクルで運転されてこもり音が抑制
される。
【0058】上述のように、本実施例によれば、運転サ
イクル変更手段108(SA5)により、エンジン10
のこもり音の発生を防止するように、車両状態或いは動
力伝達装置(ロックアップクラッチ26)の動力伝達状
態(係合状態)に応じてエンジン10の運転サイクルが
変更されることから、ロックアップクラッチ26の係合
領域或いはスリップ領域を拡大しても、運転環境を損な
うようなこもり音の発生を抑制することができるので、
燃費を可及的に向上させることができる。すなわち、従
来ではこもり音の発生によって使用できなかった領域ま
でロックアップクラッチ26の係合領域或いはスリップ
領域を拡大してもこもり音の発生がそれほどなく、燃費
を向上させることができるのである。
【0059】また、本実施例によれば、運転サイクル変
更手段108(SA5)は、ロックアップクラッチ26
のオンオフ切換状態に応じてエンジン運転サイクルを変
更するものであることから、こもり音の発生し易いロッ
クアップクラッチ26のオン状態ではそのこもり音が発
生し難くなるようにエンジン運転サイクル数がたとえば
それまで4サイクルであれば2サイクルへ減少させられ
るが、こもり音の発生し難いロックアップクラッチ26
のオフ状態ではエンジン運転サイクル数がたとえば4サ
イクルに維持されるので、オン領域を拡大しても運転環
境を損なうようなこもり音が発生することが抑制され、
燃費を可及的に向上させることができる。
【0060】また、本実施例によれば、運転サイクル変
更手段108(SA4、SA5)は、ロックアップクラ
ッチ26のスリップの有無に応じてエンジン運転サイク
ルを変更するものであることから、こもり音の発生し易
いロックアップクラッチのスリップのない係合状態では
そのこもり音が発生し難くなるようにエンジン運転サイ
クル数がたとえばそれまで4サイクルであれば2サイク
ルへ減少させられるが、こもり音の発生し難いロックア
ップクラッチ26のスリップ状態ではエンジン運転サイ
クル数がたとえば4サイクルに維持させられるので、ス
リップ領域を拡大しても運転環境を損なうようなこもり
音が発生することが抑制され、燃費を可及的に向上させ
ることができる。
【0061】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と同様な部分には
同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】図13および図14は、本発明の他の実施
例において、前記エンジン運転サイクル変更(設定)手
段108が運転サイクルの設定のために用いる予め記憶
された関係を示している。図13に示す関係は、前記ロ
ックアップクラッチ係合許可判定手段104によりロッ
クアップクラッチ26が係合(オン)させられる係合許
可領域であると判定されたときに、車両状態すなわち車
速Vおよびアクセル開度(スロットル開度)に基づいて
運転サイクルを決定するために用いられる。図14に示
す関係は、前記ロックアップクラッチ係合許可判定手段
104によりロックアップクラッチ26が開放(オフ)
させられる非係合(開放)領域であると判定されたとき
に、車両状態すなわち車速Vおよびアクセル開度(スロ
ットル開度)に基づいて運転サイクルを決定するために
用いられる。上記図13に示すロックアップクラッチ2
6の係合(オン)状態における関係は、図14に示すロ
ックアップクラッチ26の開放(オフ)状態における関
係に比較して、2(低)サイクル領域が拡大されると同
時に4(高)サイクル領域の高車速側が縮小されてい
る。換言すれば、上記図14に示すロックアップクラッ
チ26の開放(オフ)状態における関係は、図13に示
すロックアップクラッチ26の係合(オン)状態におけ
る関係に比較して、4(高)サイクル領域が高車速側へ
拡大されると同時に2(低)サイクル領域が縮小されて
いる。
【0063】本実施例によれば、前述の実施例と同様の
効果が得られる。また、本実施例の運転サイクル変更手
段108は、ロックアップクラッチ26の係合状態に応
じてエンジン10の運転サイクル領域を変更するもので
あるので、燃費とショックが好適に低減される。すなわ
ち、本実施例の運転サイクル変更手段108は、ロック
アップクラッチ26のオン状態のときには、図13に示
すようにエンジン10の運転サイクル領域のうちの低サ
イクル領域すなわち2サイクル領域を低車速側へ拡大す
るものであるので、こもり音の発生が抑制される。ま
た、本実施例の運転サイクル変更手段108は、ロック
アップクラッチ26のオフ状態のときには、図14に示
すようにエンジン10の運転サイクル領域のうちの高サ
イクル領域すなわち4サイクル領域を高車速側へ拡大
し、低サイクル領域を高車速側へ縮小するので、2サイ
クルの排気音の影響と燃費とが好適に低減される。
【0064】図15は、上記電子制御装置90の制御機
能の要部すなわちこもり音防止のための運転サイクル制
御ルーチンを説明する機能ブロック線図である。図15
に示す車両用こもり音防止制御装置は、こもり音の発生
を防止するように、エンジンの運転サイクルに応じて、
すなわちこもり音関連パラメータの発生状態に応じてロ
ックアップクラッチの係合状態を変更する。図15にお
いて、運転サイクル制御手段118は、たとえば図9乃
至図11から選択された関係から実際の車両状態(アク
セル開度θACC またはスロットル開度θTH(%)および
車速Vなど)に基づいて運転サイクルを決定し、決定さ
れた運転サイクルでエンジン10を作動させる。2サイ
クル判定手段120は、上記運転サイクル制御手段11
8によってエンジン10が2サイクル運転させられる状
態であるか否かを判定する。過渡期間判定手段122
は、図17に示すように上記運転サイクル制御手段11
8による運転サイクルの変更開始点或いはその付近から
運転サイクルの変更終了点或いはその付近までの運転サ
イクル変更過渡期間であるか否かを判定する。
【0065】こもり音関連パラメータ検出手段124
は、車両状態(アクセル開度θACC またはスロットル開
度θTH(%)および車速Vなど)を検出する車両状態検
出手段102と、エンジン10の実際の運転サイクル数
を検出する運転サイクル数検出手段126とを備え、上
記車両状態や運転サイクル数などのこもり音の発生に関
連するこもり音発生関連パラメータを検出する。ロック
アップ許可領域判定手段128は、車両状態がたとえば
図16に示す予め記憶された関係の係合領域であるこ
と、作動油温TOIL が所定値よりも低い低油温状態でな
いこと、エンジン冷却水温度TW が所定値よりも低い水
温状態でないことなどに基づいて、ロックアップクラッ
チ26の係合許可状態であるか否かを判定する。また、
スリップ許可領域判定手段130は、車両状態がたとえ
ば図16に示す予め記憶された関係の係合領域であるこ
と、作動油温TOIL が所定値よりも低い低油温状態でな
いこと、エンジン冷却水温度TW が所定値よりも低い水
温状態でないことなどに基づいて、ロックアップクラッ
チ26のスリップ係合許可領域であるか否かを判定す
る。
【0066】こもり音発生推定手段132は、車両状態
(アクセル開度θACC またはスロットル開度θTH(%)
および車速Vなど)と、エンジン10の運転サイクル数
(4サイクル)とに基づいて、上記ロックアップクラッ
チ26が係合許可或いはスリップ係合許可させられたら
こもり音が発生することを推定する。こもり音発生領域
内判定手段134は、上記こもり音発生推定手段132
によりこもり音の発生が推定されるとき、車両状態が予
め記憶された図16の関係の領域B内にあることに基づ
いて、こもり音の発生か否かを判断する。
【0067】ロックアップ状態変更手段136は、たと
えば図16に示す関係から実際の車両状態に基づいてロ
ックアップクラッチ26のオンオフを決定し、決定され
たオンオフ状態となるように制御するオンオフ制御手段
138と、たとえば図16に示す関係から実際の車両状
態に基づいてロックアップクラッチ26のスリップ制御
領域内かを決定し、領域内であればそのロックアップク
ラッチ26のスリップ回転速度ΔNSLIP(=ポンプ翼車
20の回転速度−タービン翼車24の回転速度)を目標
スリップ回転速度ΔNSLIPT と一致するようにスリップ
制御するスリップ制御手段140と、その目標スリップ
回転速度ΔNSLIPT を設定する目標スリップ回転速度設
定手段142とを備えている。上記スリップ制御手段1
40により目標スリップ回転速度ΔNSLIPT と一致する
ように実際のスリップ回転速度ΔNSLIPがフィードバッ
ク制御される結果、目標スリップ回転速度ΔNSLIPT
急変時を除いて目標スリップ回転速度ΔNSLIPT と実際
のスリップ回転速度ΔNSL IPとは同じ値とされる。
【0068】上記目標スリップ回転速度設定手段142
は、たとえば図18および図19に示す予め記憶された
関係から実際の車両状態すなわちアクセル開度θACC
たはスロットル開度θTH(%)、車速V、およびエンジ
ン10の運転サイクルに基づいて目標スリップ回転速度
ΔNSLIPT を決定して設定する。目標スリップ回転速度
設定手段142は、図18および図19に示すように、
運転サイクルが小さくなるほどそれに応じてそれが高い
値に設定し、アクセル開度θACC またはスロットル開度
θTH(%)が大きくなるほどそれに応じてそれが高い値
に設定し、車速Vが高くなるほどそれに応じて低く設定
する。また、上記目標スリップ回転速度設定手段142
は、エンジン10の運転サイクルが変更される過渡期間
では、たとえば図17の実線、破線、1点鎖線のいずれ
かに示す様に変化させられる過渡期目標スリップ回転速
度とされる。図17の実線に示される過渡期目標スリッ
プ回転速度は、運転サイクルが変更開始される時点t1
における目標スリップ回転速度ΔNSLIPT1と運転サイク
ルが変更終了される時点t2 における目標スリップ回転
速度ΔNSLIPT2との間を結び直線に沿って変化させられ
る直線補間された値である。図17の1点鎖線に示され
る過渡期目標スリップ回転速度は、運転サイクルが変更
開始される時点t1 よりも少し手前から目標スリップ回
転速度ΔNSL IPT1および目標スリップ回転速度ΔN
SLIPT2よりも高い値まで一端上昇させられて保持され、
その後に運転サイクルが変更終了される時点t2 よりも
少し後で目標スリップ回転速度ΔNSLIPT2に復帰させら
れる。図17の破線に示される過渡期目標スリップ回転
速度は、運転サイクルが変更開始される時点t1 の目標
スリップ回転速度ΔNSLIPT1と運転サイクルが変更終了
される時点t2 の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT2との
うちの高い側の値、すなわち目標スリップ回転速度ΔN
SLIPT2に保持される。
【0069】図20および図21は、本実施例の電子制
御装置90による制御作動の要部すなわちこもり音防止
のためのロックアップクラッチ制御ルーチンを説明する
フローチャートであり、数msec 乃至数十msec 程度の
極めて短い周期で繰り返し実行される。図20はこもり
音防止のためのロックアップクラッチオンオフ制御ルー
チンを示し、図21はこもり音防止のためのロックアッ
プクラッチスリップ制御ルーチンを示している。
【0070】図20において、前記ロックアップ許可領
域判定手段128に対応するSB1では、車両状態がた
とえば図16に示す予め記憶された関係の係合領域であ
ること、作動油温TOIL が所定値よりも低い低油温状態
でないこと、エンジン冷却水温度TW が所定値よりも低
い水温状態でないことなどに基づいて、ロックアップク
ラッチ26の係合許可状態であるか否かが判定される。
このSB1の判断が否定される場合は、オンオフ制御手
段138に対応するSB2において、ロックアップクラ
ッチ26が開放される。しかし、上記SB1の判断が肯
定される場合は、前記こもり音発生推定手段132に対
応するSB3において、車両状態(アクセル開度θACC
またはスロットル開度θTH(%)および車速Vなど)
と、エンジン10の運転サイクル数(4サイクル)とに
基づいて、上記ロックアップクラッチ26が係合許可或
いはスリップ係合許可させられたらこもり音の発生が推
定される。次いで、前記こもり音発生領域内判定手段1
34に対応するSB4において、上記SB3においてこ
もり音の発生が推定されるとき、車両状態が予め記憶さ
れた図16の関係の領域B内にあることに基づいて、こ
もり音の発生か否かが判断される。このSB4の判断が
否定される場合は、前記オンオフ制御手段138に対応
するSB5において、走行状態に応じてロックアップク
ラッチ26がオン或いはオフ制御される。しかし、上記
SB4の判断が肯定される場合は、前記オンオフ制御手
段138に対応するSB6においてロックアップクラッ
チ26のオン状態が禁止されて図21のルーチンが実行
される。
【0071】図21において、前記スリップ許可判定手
段130に対応するSC1では、車両状態がたとえば図
16に示す予め記憶された関係の係合領域であること、
作動油温TOIL が所定値よりも低い低油温状態でないこ
と、エンジン冷却水温度TWが所定値よりも低い水温状
態でないことなどに基づいて、ロックアップクラッチ2
6のスリップ係合許可領域であるか否かが判定される。
このSC1の判断が否定される場合は、前記スリップ制
御手段140に対応するSC2においてロックアップク
ラッチ26のスリップ制御が禁止される。しかし、上記
SC1の判断が肯定される場合は、前記過渡期間判定手
段122に対応するSC3において、運転サイクルが変
更される過渡期間開始であるか否かが判断される。通常
の場合にはこのSC3の判断が否定されるので、2サイ
クル判定手段120に対応するSC4において、エンジ
ン10の運転サイクルが2サイクルであるか否かが判断
される。通常の場合にはこのSC4の判断が否定される
ので、前記目標スリップ回転速度設定手段142に対応
するSC5において、たとえば図19に示す予め記憶さ
れた関係から実際の車両状態に基づいて4サイクル用の
目標スリップ回転速度が設定される。
【0072】エンジン10の運転サイクルの変更が開始
されてその過渡期間が開始されると、前記過渡期間判定
手段122に対応するSC3の判断が肯定されるので、
前記目標スリップ回転速度設定手段142に対応するS
C6において、たとえば図17の破線、実線、1点鎖線
のいずれかに示すような過渡時の目標スリップ回転速度
ΔNSLIPT が設定され、実際のスリップ回転速度ΔN
SLIPがそれに追従させられる。そして、前記過渡期間判
定手段122に対応するSC7において運転サイクルの
変更が終了させられる過渡期間の終了か否かが判断され
る。このSC7の判断が否定されるうちは上記SC6お
よびSC7が繰り返し実行されるが、肯定されるように
なると、エンジン10の運転サイクルが2サイクルか否
かを判断するSC4が実行される。上記のように過渡期
間の終了後にはこのSC4の判断が肯定されるので、前
記目標スリップ回転速度設定手段142に対応するSC
8において、たとえば図18に示す予め記憶された関係
から実際の車両状態に基づいて2サイクル用の目標スリ
ップ回転速度が設定される。
【0073】上述のように、本実施例によれば、ロック
アップ状態変更手段136(SB1乃至SB6)によ
り、こもり音の発生を防止するように、エンジン10の
運転サイクルに応じてロックアップクラッチ26の係合
状態が変更されることから、こもり音の発生する領域で
はロックアップクラッチの係合を禁止することによりこ
もり音の発生を抑制できるので、燃費を可及的に向上さ
せることができる。
【0074】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更手段136(SB1乃至SB6)は、エンジン1
0の運転サイクルに応じてロックアップクラッチ26の
係合領域判定のために用いるロックアップ領域を変更す
るか或いはロックアップクラッチ26のオン作動オフ作
動の有無を変更するものであることから、こもり音の発
生し易い運転サイクル(たとえば4サイクル)ではロッ
クアップクラッチ26がこもり音が発生し難くなるよう
にオフ状態とされるが、本来的にこもり音の発生し難い
運転サイクル(たとえば2サイクル)ではロックアップ
クラッチがオン状態とされるので、オン(係合)領域を
拡大しても運転環境を損なうようなこもり音が発生する
ことが抑制され、燃費を可及的に向上させることができ
る。
【0075】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更制御手段136(SC1乃至SC8)は、エンジ
ン10の運転サイクルに応じてロックアップクラッチ2
6のスリップの有無またはスリップ量(スリップ回転速
度)を変更するものであることから、こもり音の発生し
易い運転サイクル(たとえば4サイクル)ではこもり音
が発生し難くなるようにロックアップクラッチ26のス
リップが有りとされ或いはスリップ量が少くされるが、
こもり音の発生し難い運転サイクル(たとえば2サイク
ル)ではロックアップクラッチのスリップがなし或いは
スリップ量が多くされるので、スリップ領域を拡大して
も運転環境を損なうようなこもり音が発生することが抑
制され、燃費を可及的に向上させることができる。
【0076】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更手段136(SC1乃至SC8)は、エンジン1
0が2サイクル運転であるときのスリップ回転速度を、
4サイクル運転であるときのスリップ回転速度に比較し
て大きい値とするものであるので、2サイクル運転時の
エンジンの振動を好適に低減できる。
【0077】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更手段136(SC1乃至SC8)は、エンジン1
0の運転サイクル変更前から変更後までの過渡期間内に
おいて、ロックアップクラッチ26の目標スリップ回転
速度ΔNSLIPT を過渡期間用スリップ回転速度とするも
のである。このようにすれば、運転サイクルが変更され
る過渡期間において最適なロックアップクラッチ26の
スリップ回転速度とされ,ショックが低減される。
【0078】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更手段136(SC1乃至SC8)は、過渡期間内
の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT を、エンジン10の
運転サイクル変更前の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT1
および運転サイクル変更後の目標スリップ回転速度ΔN
SLIPT2よりも高いスリップ回転速度に一旦上昇させるも
のであるので、運転サイクルが変更される過渡期間内に
おいてロックアップクラッチ26のスリップ回転速度Δ
SLIPが一旦上昇させられるので、過渡期間におけるス
リップ量の変化に起因するショックが低減される。
【0079】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更手段136(SC1乃至SC8)は、過渡期間内
の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT を、エンジン10の
運転サイクル変更前の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT1
および運転サイクル変更後の目標スリップ回転速度ΔN
SLIPT2へ直線的に変化させるものであることから、過渡
期間におけるスリップ量の変化に起因するショックが低
減される。
【0080】また、本実施例によれば、ロックアップ状
態変更手段136(SC1乃至SC8)は、過渡期間内
の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT を、エンジン10の
運転サイクル変更前の目標スリップ回転速度ΔNSLIPT1
とその運転サイクル変更後の目標スリップ回転速度ΔN
SLIPT2とのうちのいずれか高い側の値とするものである
ので、過渡期間におけるスリップ量の変化に起因するシ
ョックが低減される。
【0081】図22は、本発明の他の実施例における車
両の原動機および駆動系の要部を説明する図である。図
22の車両では、エンジン10から伝達された動力を後
輪用出力軸46を介して後輪へ出力させる他に、そのエ
ンジン10から伝達された動力の一部を前輪に伝達する
ための前輪用出力軸146を備えたトランスファ装置1
48が自動変速機16に設けられている。このトランス
ファ装置148は、図示しない駆動力配分クラッチを備
え、この駆動力配分クラッチの係合状態に応じて、前後
輪へそれぞれ動力が伝達されて駆動される4輪駆動状態
から、前輪および後輪の一方へ動力が伝達されて駆動さ
れる2輪駆動状態までの範囲で前後輪駆動力配分比を変
化させる。上記駆動力配分クラッチは、前輪への動力伝
達経路に直列に設けられたり、或いはセンタデフ(中央
差動歯車装置)と並列に設けられたりするものである。
【0082】図23は、上記図22の車両に備えられた
電子制御装置90の制御機能の要部を説明する機能ブロ
ック線図である。図23において、動力伝達状態検出手
段150は、エンジン10から前輪または後輪すなわち
駆動輪までの動力伝達経路に沿って設けられた動力伝達
装置として機能するクラッチ1 2、モータジェネレータ
MG1、トルクコンバータ14、自動変速機16、トラ
ンスファ装置148などの動力伝達状態を検出するため
に、たとえばロックアップ状態検出手段152、自動変
速機16のギヤ比(変速比)γを検出するギヤ比検出手
段154、トランスファ装置148の駆動力配分比を検
出するトランスファ状態検出手段156を備えている。
上記ロックアップ状態検出手段152は、トルクコンバ
ータ14に設けられたロックアップクラッチ26の係合
状態、たとえば完全係合状態、半(スリップ)係合状
態、解放状態を、たとえばエンジン回転速度NE 、出力
軸46の回転速度NOUT 、およびギヤ比(変速比)γに
基づいて、或いはロックアップクラッチ26を制御する
ATロックアップコントロールソレノイドへの制御信号
に基づいて検出する。上記ギヤ比検出手段154は、自
動変速機16の変速比γを、たとえばエンジン回転速度
E および出力軸46の回転速度NOUT に基づいて、或
いは自動変速機16のギヤ段の切換を制御するATシフ
トソレノイドへの制御信号に基づいて検出する。上記ト
ランスファ状態検出手段156は、トランスファ装置1
48の駆動力配分比を、たとえばそのトランスファ装置
148内に備えられた図示しない駆動力配分クラッチを
制御する駆動力配分コントロールソレノイドへの制御信
号に基づいて検出する。
【0083】運転サイクル変更(算出)手段158は、
車両状態すなわちロックアップクラッチ26、自動変速
機16、トランスファ装置148などの動力伝達装置の
動力伝達状態、たとえばロックアップクラッチ26の係
合状態、自動変速機16の変速比γ或いはギヤ段、トラ
ンスファ装置148の駆動力配分比に応じて、こもり音
が抑制されるようにエンジン10の運転サイクル数を算
出し変更する。たとえば、運転サイクル変更手段158
には、たとえば図24に示す駆動系の振動特性が運転サ
イクル数毎に且つ動力伝達装置の動力伝達状態毎に予め
記憶されており、運転サイクル変更手段158は、たと
えば上記ロックアップ状態検出手段152によって検出
されたロックアップクラッチ26が係合させられる係合
状態、ギヤ比検出手段154によって検出された自動変
速機14の変速比γ、トランスファ状態検出手段156
によって検出されたトランスファ装置148の駆動力配
分比と、車速Vやスロットル開度などの運転状態とに基
づいて振動レベルを各運転サイクル数毎に算出し、振動
レベルが低くなる側の運転サイクル数を決定する。振動
レベルが低くなる側の運転サイクル数とすることによ
り、車両走行中の駆動系の共振を避けてこもり音を抑制
する。すなわち、車両の駆動系の振動が小さくなるよう
に或いは駆動系の共振点が遠くずれてそれを避けるよう
に運転サイクル数が変更される。車速Vは変えられない
ので、基本的には運転サイクル数を優先的に変更し、ロ
ックアップクラッチ26はできるだけ係合状態となるよ
うに制御する。運転サイクル数の変更では対処できない
場合に、ロックアップクラッチ26をスリップ係合或い
は解放させる。
【0084】なお、上記運転サイクル変更(算出)手段
158は、車両状態すなわちロックアップクラッチ2
6、自動変速機16、トランスファ装置148などの動
力伝達装置の動力伝達状態、たとえばロックアップクラ
ッチ26の係合状態、自動変速機16の変速比γ或いは
ギヤ段、トランスファ装置148の駆動力配分比に応じ
て、たとえば前記図13および図14に示すように、共
振点が遠くなるように或いは車両の振動が小さくなるよ
うに、運転サイクルの領域を変更することにより結果的
にエンジン10の運転サイクル数を変更してこもり音が
抑制されるようにするものであってもよい。上記ロック
アップクラッチ26の係合状態、自動変速機16の変速
比γ或いはギヤ段、トランスファ装置148の駆動力配
分比は、こもり音の発生やこもり音の大きさに影響する
こもり音関連パラメータであるので、そのこもり音関連
パラメータに応じてこもり音が発生し難い側或いはこも
り音が小さくなる側へ運転サイクルの領域を変更するの
である。
【0085】運転サイクル制御手段110は、基本的に
は、たとえば図9乃至図11に示す関係のいずれかの関
係から車両状態(たとえばθACC またはθTHおよび車速
V)に基づいて運転サイクルを決定し、決定された運転
サイクルとなるように可変動弁機構78を作動させてエ
ンジン10の運転サイクルを切り換えるけれども、上記
エンジン運転サイクル変更(算出)手段158により決
定された運転サイクル数となるように、エンジン10の
運転サイクルを優先的に切り換える。運転サイクル変更
禁止手段160は、運転サイクルの変更頻度を予測(算
出)し、予め設定された頻度を超えた場合には、上記運
転サイクル制御手段110に運転サイクルの変更を禁止
を指令する。
【0086】図25は、本実施例における電子制御装置
90の制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。図25において、SD1では、エンジン10の運転
サイクル数を変更可能か否かが、たとえば可変動弁機構
78の異常が無いこと、エンジン回転速度NE を検出す
るエンジン回転速度センサの異常が無いこと、そして排
気ガス浄化用触媒の過熱が無いことなどに基づいて判断
される。このSD1の判断が否定される場合は本ルーチ
ンが終了させられるが、肯定される場合は、前記ロック
アップ状態検出手段152に対応するSD2において、
トルクコンバータ14に設けられたロックアップクラッ
チ26の係合状態、たとえば完全係合状態、半(スリッ
プ)係合状態、解放状態が、たとえばエンジン回転速度
E 、出力軸46の回転速度NOUT 、およびギヤ比(変
速比)γに基づいて、或いはロックアップクラッチ26
を制御するATロックアップコントロールソレノイドへ
の制御信号に基づいて検出される。次に、前記ロックア
ップ状態検出手段152に対応するSD3では、自動変
速機16の変速比γが、たとえばエンジン回転速度N E
および出力軸46の回転速度NOUT に基づいて、或いは
自動変速機16のギヤ段の切換を制御するATシフトソ
レノイドへの制御信号に基づいて検出される。次いで、
前記トランスファ状態検出手段156に対応するSD4
では、トランスファ装置148の駆動力配分比が、たと
えばそのトランスファ装置148内に備えられた図示し
ない駆動力配分クラッチを制御する駆動力配分コントロ
ールソレノイドへの制御信号に基づいて検出される。
【0087】以上のようにして、ロックアップクラッチ
26の係合状態、自動変速機16の変速比γ、トランス
ファ装置148の駆動力配分比が検出されると、前記運
転サイクル変更(算出)手段158に対応するSD5に
おいて、エンジン10の運転サイクル数が、駆動系の振
動が低くなるように換言すればたとえば図24の駆動系
の共振点が遠くなるように、上記ロックアップクラッチ
26の係合状態、自動変速機16の変速比γ、トランス
ファ装置148の駆動力配分比に基づいて決定される。
たとえばロックアップクラッチ26の係合状態、自動変
速機14の変速比γ、トランスファ装置148の駆動力
配分比などのこもり音関連パラメータと、車速Vやスロ
ットル開度などの運転状態とに基づいて振動レベルを各
運転サイクル数毎に算出し、振動レベルが低くなる側の
運転サイクル数を決定する。振動レベルが低くなる側の
運転サイクル数を、エンジン10の運転サイクル数とし
て決定する。すなわち、車両の駆動系の振動が小さくな
るように或いは駆動系の共振点が遠くずれてそれを避け
るように運転サイクル数が変更されるようにして、車両
走行中の駆動系の共振を避けてこもり音を抑制するので
ある。或いは、このSD5では、図13および図14の
実施例と同様に、駆動系の共振点が遠くなるように或い
は車両の振動が小さくなるように、運転サイクルの領域
が変更され、その領域により決定された運転サイクル数
に変更されるようにする。結果的に、こもり音が抑制さ
れるように、エンジン10の運転サイクル数が変更され
るようにする。
【0088】次のSD6では、次の運転サイクルの変更
を含む実際の運転サイクルの変更頻度が予測(算出)さ
れ、予測された運転サイクルの変更頻度が予め設定され
た頻度を超えたか否かが判断される。このSD6の判断
が否定される場合は、前記運転サイクル制御手段110
に対応するSD7において、上記SD5において決定さ
れたようにエンジン10の運転サイクル数が変更され
る。しかし、SD6の判断が肯定される場合は、前記運
転サイクル変更禁止手段160に対応するSD8におい
て、運転サイクルの変更が禁止される。
【0089】本実施例によれば、運転サイクル変更手段
158により、車両状態すなわちロックアップクラッチ
26、自動変速機16、トランスファ装置148などの
動力伝達装置の動力伝達状態、たとえばロックアップク
ラッチ26の係合状態、自動変速機16の変速比γ或い
はギヤ段、トランスファ装置148の駆動力配分比に応
じて、たとえば前記図13および図14に示すように、
共振点が遠くなるように或いは車両の振動が小さくなる
ように、運転サイクルを変更し或いはその運転サイクル
を決定するための運転サイクル領域を変更するので、前
述の実施例と同様の効果が得られる。すなわち、動力伝
達装置の動力伝達状態に応じてエンジン10の運転サイ
クルが変更されることから、動力伝達装置を伝達効率の
高い側に作動させても、運転環境を損なうようなこもり
音の発生を抑制することができるので、燃費を可及的に
向上させることができる。たとえば、従来ではこもり音
の発生によって使用できなかった領域までロックアップ
クラッチ26の係合領域或いはスリップ領域を拡大して
もこもり音の発生がそれほどなく、燃費を向上させるこ
とができるのである。
【0090】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0091】たとえば、前述の実施例では、図15の実
施例において、図20に対応する部分と図21に対応す
る部分とが設けられていたが、図20に対応する部分だ
け或いは図21に対応する部分だけであっても差し支え
ない。
【0092】また、前述の実施例の車両では、吸気弁7
4および排気弁75が電磁アクチュエータ76および7
7により駆動制御される電磁式の可変動弁機構78が設
けられていたが、それに代えて、吸気弁74および排気
弁75を上下(リフト)させるカムを回転駆動するバル
スモータ或いはサーボモータを設け、それらバルスモー
タ或いはサーボモータの出力軸を速度制御する形式の可
変動弁機構などであっても差し支えない。
【0093】また、前述の実施例の車両では、複数組の
遊星歯車を利用した有段式の自動変速機16が用いられ
ていたが、それに代えて、噛み合いクラッチを利用した
平行軸式の有段変速機、ベルト式無段変速機或いはトラ
クション式の無段変速機などが設けられていても差し支
えない。
【0094】また、前述の実施例では、車両のこもり音
防止のために、エンジン10の運転サイクル数の変更制
御またはロックアップクラッチ26の係合状態変更制御
が用いられていたが、それら運転サイクル数変更制御と
ロックアップクラッチ26の係合状態変更制御とが同時
に用いられてもよい。
【0095】また、前述の実施例のロックアップクラッ
チ26はトルクコンバータ14のタービン翼車24とポ
ンプ翼車20とを直結するものであったが、フルードカ
ップリングのタービン翼車とポンプ翼車とを直結するも
のであってもよい。前述の車両において、トルクコンバ
ータ14やフルードカップリングは必ずしも備えられて
いなくてもよい。
【0096】その他、一々例示はしないが、本発明は当
業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置によって係合油圧
が制御される油圧式摩擦係合装置を含む車両用自動変速
機の構成を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦
係合装置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段
との関係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を含む車両の原動機および駆
動系の要部を説明する図である。
【図4】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁
機構を説明する図である。
【図5】図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは
排気弁を開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説
明する図である。
【図6】図1乃至図3の車両に設けられた電子制御装置
の入出力信号を説明する図である。
【図7】図6の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図8】図7のロックアップ係合許可判定手段におい
て、こもり音の発生を推定するために用いられる予め記
憶された関係を示す図である。
【図9】図7の運転サイクル制御手段により運転サイク
ルを決定するために用いられる予め記憶された関係を示
す図である。
【図10】図7の運転サイクル制御手段により運転サイ
クルを決定するために用いられる予め記憶された関係の
他の例を示す図である。
【図11】図7の運転サイクル制御手段により運転サイ
クルを決定するために用いられる予め記憶された関係の
他の例を示す図である。
【図12】図6の電子制御装置による制御作動の要部、
すなわちこもり音防止のための運転サイクル制御ルーチ
ンを説明するフローチャートである。
【図13】本発明の他の実施例において、ロックアップ
クラッチがオン状態であるときに運転サイクル変更手段
により運転サイクルを決定するために用いられる関係を
示す図である。
【図14】本発明の他の実施例において、ロックアップ
クラッチがオフ状態であるときに運転サイクル変更手段
により運転サイクルを決定するために用いられる関係を
示す図である。
【図15】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図16】図15のこもり音発生領域内判定手段におい
て、こもり音の発生を推定するために用いられる予め記
憶された関係を示す図である。
【図17】運転サイクルが変更される過渡期間における
ロックアップクラッチのスリップ回転速度の変化を説明
するタイムチャートである。
【図18】図15の目標スリップ回転速度設定手段にお
いて目標スリップ回転速度を設定するために用いられる
関係を示す図であって、2サイクルのときに使用される
図である。
【図19】図15の目標スリップ回転速度設定手段にお
いて目標スリップ回転速度を設定するために用いられる
関係を示す図であって、4サイクルのときに使用される
図である。
【図20】図15の実施例における電子制御装置の制御
作動の要部を説明するフローチャートであって、こもり
音防止のためのロックアップクラッチ制御ルーチンを示
す図である。
【図21】図15の実施例における電子制御装置の制御
作動の要部を説明するフローチャートであって、こもり
音防止のためのロックアップクラッチスリップ制御ルー
チンを示す図である。
【図22】本発明の他の実施例における車両の原動機お
よび駆動系の要部を説明する図である。
【図23】図22の実施例における電子制御装置の制御
機能の要部を説明する機能ブロッック線図である。
【図24】図22の実施例の車両において、駆動系の振
動レベルと車速との関係を説明する図である。
【図25】図22の実施例における電子制御装置の制御
作動の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン 16:自動変速機(動力伝達装置) 26:ロックアップクラッチ(動力伝達装置) 108:運転サイクル変更手段 136:ロックアップ状態変更手段 148:トランスファ装置(動力伝達装置) 158:運転サイクル変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 13/02 F02D 13/02 J F16H 61/02 F16H 61/02 61/14 601 61/14 601H 601J // F16H 59:18 59:18 59:24 59:24 59:44 59:44 (72)発明者 長谷川 善雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA01 AA25 AB01 AC01 AC03 AC09 AC15 AC16 AC19 AD02 AD04 AD05 AD10 AD23 AD31 AD51 AE07 AE31 AE37 AF03 3G092 AA01 AA02 AA04 AA15 AA18 AB02 AB03 BB01 DA03 DE01S DG07 EA11 FA14 FA24 GA05 GA06 GA17 GA18 HA06Z HA16Z HD05Z HE01Z HF08Z HF12Z HF21Z 3J053 CA01 CB03 CB08 CB11 CB14 CB26 DA01 DA06 DA11 DA24 EA02 FA03 3J552 MA02 MA06 MA12 NA01 NB01 PA59 PA70 UA02 UA07 VB01W VC03W VD02W

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転サイクルの変更可能なエンジンおよ
    び動力伝達状態の制御可能な動力伝達装置を有する車両
    において、該エンジンの運転サイクルおよび動力伝達装
    置の動力伝達状態を制御する車両の総合制御装置であっ
    て、 前記車両のこもり音の発生を抑制するように、車両状態
    に応じてエンジンの運転サイクルを変更する運転サイク
    ル変更手段を備えることを特徴とする車両の総合制御装
    置。
  2. 【請求項2】 運転サイクルの変更可能なエンジンおよ
    び動力伝達状態の制御可能な動力伝達装置を有する車両
    において、該エンジンの運転サイクルおよび動力伝達装
    置の動力伝達状態を制御する車両の総合制御装置であっ
    て、 前記動力伝達装置の動力伝達状態に応じて前記エンジン
    の運転サイクルを変更する運転サイクル変更手段を、含
    むことを特徴とする車両の総合制御装置。
  3. 【請求項3】 前記運転サイクル変更手段は、前記車両
    のこもり音を抑制するように、前記動力伝達装置の動力
    伝達状態に応じて前記エンジンの運転サイクルを変更す
    るものである請求項2の車両の総合制御装置。
  4. 【請求項4】 前記運転サイクル変更手段は、前記動力
    伝達装置の動力伝達状態に応じて前記エンジンの運転サ
    イクル領域を変更するものである請求項2または3の車
    両の総合制御装置。
  5. 【請求項5】 前記動力伝達装置は、ロックアップクラ
    ッチを備えたものであり、前記動力伝達状態は少なくと
    も該ロックアップクラッチの係合状態である請求項2の
    車両の総合制御装置。
  6. 【請求項6】 前記運転サイクル変更手段は、車両のこ
    もり音を抑制するように、前記ロックアップクラッチの
    係合状態に応じてエンジンの運転サイクルを変更するも
    のである請求項5の車両の総合制御装置。
  7. 【請求項7】 前記運転サイクル変更手段は、ロックア
    ップクラッチのオンオフ切換に応じてエンジンの運転サ
    イクルを変更するものである請求項6の車両の総合制御
    装置。
  8. 【請求項8】 前記運転サイクル変更手段は、ロックア
    ップクラッチのスリップの有無に応じてエンジンの運転
    サイクルを変更するものである請求項6の車両の総合制
    御装置。
  9. 【請求項9】 前記運転サイクル変更手段は、前記ロッ
    クアップクラッチの係合状態に応じて前記エンジンの運
    転サイクル領域を変更するものである請求項5または6
    の車両の総合制御装置。
  10. 【請求項10】 前記運転サイクル変更手段は、前記ロ
    ックアップクラッチのオン状態のときには、前記エンジ
    ンの運転サイクル領域のうちの低サイクル領域を拡大す
    るものである請求項9の車両の総合制御装置。
  11. 【請求項11】 前記運転サイクル変更手段は、前記ロ
    ックアップクラッチのオフ状態のときには、前記エンジ
    ンの運転サイクル領域のうちの高サイクル領域を拡大す
    るものである請求項9の車両の総合制御装置。
  12. 【請求項12】 前記動力伝達装置は有段変速機を備え
    たものであり、前記動力伝達状態は少なくとも該有段変
    速機の変速段である請求項2乃至4のいずれかの車両の
    総合制御装置。
  13. 【請求項13】 前記動力伝達装置は無段変速機を備え
    たものであり、前記動力伝達状態は少なくとも該無段変
    速機の変速比である請求項2乃至4のいずれかの車両の
    総合制御装置。
  14. 【請求項14】 前記動力伝達装置は前後輪間駆動力配
    分制御装置を備えたものであり、前記動力伝達状態は少
    なくとも該前後輪間駆動力配分制御装置の前後輪駆動力
    配分比である請求項2乃至4のいずれかの車両の総合制
    御装置。
  15. 【請求項15】 前記前後輪間駆動力配分制御装置の前
    後輪駆動力配分比は、4輪駆動状態と2輪駆動状態とを
    含むものである請求項14の車両の総合制御装置。
  16. 【請求項16】 前記動力伝達装置は、ロックアップク
    ラッチを備えたものであり、前記動力伝達状態は少なく
    とも該ロックアップクラッチの係合状態である請求項2
    の車両の総合制御装置。
  17. 【請求項17】 運転サイクルの変更可能なエンジンお
    よびロックアップクラッチを有する車両において、該エ
    ンジンの運転サイクルおよび該ロックアップクラッチ係
    合状態を制御する車両の総合制御装置であって、 前記エンジンの運転サイクルに応じて該ロックアップク
    ラッチの係合状態を変更するロックアップ係合状態変更
    手段を、含むことを特徴とする車両の総合制御装置。
  18. 【請求項18】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記車両のこもり音の発生を抑制するように、前記
    エンジンの運転サイクルに応じて前記ロックアップクラ
    ッチのロックアップ領域を変更するものである請求項1
    7の車両の総合制御装置。
  19. 【請求項19】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記エンジンの運転サイクルに応じて前記ロックア
    ップクラッチのオンオフ状態を変更するものである請求
    項17の車両の総合制御装置。
  20. 【請求項20】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記エンジンの運転サイクルに応じて前記ロックア
    ップクラッチのスリップの有無を変更するものである請
    求項17の車両の総合制御装置。
  21. 【請求項21】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記エンジンの運転サイクルに応じて前記ロックア
    ップクラッチのスリップ回転速度を変更するものである
    請求項17の車両の総合制御装置。
  22. 【請求項22】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記エンジンが相対的に低サイクル運転であるとき
    のスリップ回転速度を相対的に高サイクル運転であると
    きのスリップ回転速度に比較して大きい値とするもので
    ある請求項21の車両の総合制御装置。
  23. 【請求項23】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記エンジンの運転サイクル変更前から変更後まで
    の過渡期間内において、前記ロックアップクラッチのス
    リップ回転速度を過渡期間用スリップ回転速度とするも
    のである請求項21の車両の総合制御装置。
  24. 【請求項24】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記過渡期間内のスリップ回転速度を、前記エンジ
    ンの運転サイクル変更前のスリップ回転速度および該エ
    ンジンの運転サイクル変更後のスリップ回転速度よりも
    高いスリップ回転速度に一旦上昇させるものである請求
    項23の車両の総合制御装置。
  25. 【請求項25】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記過渡期間内のスリップ回転速度を、前記エンジ
    ンの運転サイクル変更前のスリップ回転速度から変更後
    のスリップ回転速度へ直線的に変化させるものである請
    求項23の車両の総合制御装置。
  26. 【請求項26】 前記ロックアップ係合状態変更手段
    は、前記過渡期間内のスリップ回転速度を、前記エンジ
    ンの運転サイクル変更前のスリップ回転速度と該エンジ
    ンの運転サイクル変更後のスリップ回転速度とのいずれ
    か高い値とするものである請求項23の車両の総合制御
    装置。
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