JP2003048124A - 金型又は放電加工用電極の製造方法 - Google Patents

金型又は放電加工用電極の製造方法

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JP2003048124A
JP2003048124A JP2001238862A JP2001238862A JP2003048124A JP 2003048124 A JP2003048124 A JP 2003048124A JP 2001238862 A JP2001238862 A JP 2001238862A JP 2001238862 A JP2001238862 A JP 2001238862A JP 2003048124 A JP2003048124 A JP 2003048124A
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discharge machining
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Nobuhiro Ishii
宣広 石井
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小サイズでかつ歯の強度の著しく良好な歯車
を製造できる、放電加工用電極又は金型の製造方法を提
供する。 【解決手段】 創成歯切り法により歯切りされた測定マ
スタとしての歯車についてその三次元形状を測定し、得
られた測定データを三次元CAD装置へ取り込んで三次
元歯車形状モデルを得る第一の工程、歯車の歯面形状に
ついての修正演算処理結果を三次元CAD装置上で前記
三次元歯車形状モデルに反映させる行わせる第二の工
程、及び、前記修正演算処理結果を反映させた三次元歯
車形状モデルの形状データをマシニングセンタに出力し
て、金型又は放電加工用電極を切削加工する第三の工
程、を少なくとも含む。前記第二の工程における修正演
算処理は、例えば、前記三次元歯車形状モデルの歯底部
分の丸みが、前記測定マスタの歯車のそれよりも増大す
るように修正されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車を成形するた
めの金型の製造技術、及び、該金型を放電加工にて成形
するための放電加工用電極の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車を製造する方法の一つとして、歯車
形状の孔を形成した金型を予め製作しておき、加熱して
軟らかくなった金属を金型に打ち込んで成形したり、金
属粉末を該金型に入れて圧縮成形し、高温で焼結させた
りする方法が知られている。この金型は、一般に放電加
工機による放電加工により製作され、その放電加工用電
極は、歯切り盤等で実際に切削加工(歯切り)したもの
をそのまま用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
歯切り盤等で実際に歯切りしたものは、歯形の工具をギ
アブランクに噛み合わせるようにしながら歯溝を削って
ゆくという歯切り加工法(創成歯切り法)の特質から、
形成される歯形の形状にどうしても一定の制約がある。
従って、このように形成した電極で金型を作っても、そ
の金型から成形された歯車の歯の形状は、そのような制
約の範囲内での形状とせざるを得ないのである。
【0004】具体的に言えば、歯の歯厚を変えないで、
かつ折損しにくく強度の強い歯車とするには、歯の歯底
の丸み(図4において矢印で示す部分の丸み)を大きく
するのが極めて有効である。一般に歯車の歯において
は、歯底から歯面に向かって立ち上がる歯の根元の部位
が、応力の最も集中する箇所だからである。また、歯の
噛合い伝動時の静粛性等を向上するためには、歯にいわ
ゆるクラウニングや歯形修正等を施した形状とするのが
効果的である。しかしながら、歯切り法では、歯底部分
のアールは工具の歯先に形成されているアール分の丸み
によって多少形成はできるものの、工具の歯先のアール
にも限界があって、結局大きいアールを歯底部分に形成
させながら放電加工用電極を歯切りすることはできなか
った。また、クラウニングのような特殊曲面を生じさせ
る歯切りも制約があった。従って、そのような形状の歯
を有するベベルギアを成形できる金型も、製造すること
が困難だったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0006】即ち、請求項1の歯車の金型又は放電加工
用電極の製造方法は、創成歯切り法により歯切りされた
測定マスタとしての歯車についてその三次元形状を測定
し、得られた測定データを三次元CAD装置へ取り込ん
で三次元歯車形状モデルを得る第一の工程、歯車の歯面
形状についての修正演算処理結果を三次元CAD装置上
で前記三次元歯車形状モデルに反映させる第二の工程、
及び、前記修正演算処理結果を反映させた三次元歯車形
状モデルの形状データをマシニングセンタに出力して、
金型又は放電加工用電極を切削加工する第三の工程、を
少なくとも含むものである。
【0007】請求項2においては、前記第二の工程にお
ける修正演算処理は、前記三次元歯車形状モデルの歯底
部分の丸みが、前記測定マスタの歯車のそれよりも増大
するように修正されるものである。
【0008】請求項3のベベルギアの金型又は放電加工
用電極の製造方法は、前記第二の工程における修正演算
処理は、前記三次元歯車形状モデルの歯底部分の丸み
が、その小端側から大端側に向かうに従って増大するよ
うに修正されるものである。
【0009】請求項4においては、前記第二の工程にお
ける修正演算処理は、歯底部分の丸みを増大させる修正
に代えて、又はそれに加えて、クラウニング又は歯形修
正を施す修正を行わせるものである。
【0010】請求項5においては、前記第二の工程の後
かつ前記第三の工程の前に、前記修正演算処理結果が反
映された三次元歯車形状モデルの形状データ、及び、相
手側歯車の形状データを使用して、前記三次元CAD装
置上で噛合シミュレーションを行わせる工程が行われる
ものである。
【0011】請求項6においては、前記第一の工程に代
えて、三次元歯車形状モデルの形状データを三次元CA
D上で直接生成する工程が行われるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の一実施例としてのベベルギアの製造
方法に適用される三次元CADシステムのシステム図で
ある。
【0013】本実施例は、車両の差動装置に用いられる
ベベルギアであるデフギアを製作するための鍛造金型に
ついて、放電加工によって成形製作するための電極の製
造方法に、本発明を適用したものである。ただし、本発
明はベベルギアに限らず、例えば平歯車やハス歯歯車、
内歯歯車などに適用できるのは勿論である。この製造に
用いられる三次元CADシステムが図1に示され、デー
タ記憶部や演算処理部やプログラム格納部を含んだ三次
元CAD装置1に対し、キーボードやタブレットやマウ
ス等の入力デバイス2が接続されている。また、物体の
三次元形状を測定できる三次元測定装置(三次元スキャ
ナ)3が三次元CAD装置1に併せて接続され、計測し
た物体の三次元形状データを三次元CAD装置1に取り
込めるようにしている。
【0014】また三次元CAD装置1の出力側にはCR
Tディスプレイ4やプリンター5が接続されて、CAD
装置1上のデータを表示したり印字したりできるように
している。また、三次元CAD装置1に接続されるドラ
イブ装置6によって、フレキシブルディスクやMOディ
スク等の記録媒体6aに種々のデータを保存できるよう
になっている。
【0015】次に、このようなシステムを用いてデフギ
アを製造する具体的な方法を、図2に示すフロー図を主
に参照しながら説明する。図2は本発明の製造方法のフ
ロー図である。図3は三次元測定装置による歯面の測定
ポイントの例を示す斜視図である。図4は三次元歯車形
状モデルについて、歯底の丸み(アール)を増大させる
修正を説明する図、図5は歯底の丸み(アール)を増大
させる修正について、演算の一例を示す図である。図6
はクラウニングの修正を説明する図である。図7は歯形
修正を説明する図である。図8は噛合シミュレーション
において、歯当り領域を得る方法を示した図である。図
9は金型を直接成形する場合の製造方法のフローを示し
た図である。
【0016】この製造方法においては先ず、該デフギア
の設計段階において、モジュール、圧力角、歯数、ピッ
チ円錐角等の、要目を決定する(S1)。そして、決定
したそれら要目に従って、測定マスタとなるデフギアR
を製作する(S2)。この製作にあたっては、通常の歯
車切削加工装置(ベベルギア歯切り盤)を用いれば良
い。この測定マスタは、後述する三次元測定装置3によ
って、その形状を読み取るために用いられる。なお、前
記要目を同じくするデフギアが既に製品としてある場合
には、そのデフギアをそのまま測定マスタとして用いれ
ば足りる(リバースデザイン)。
【0017】そして、三次元測定装置3により、前記測
定マスタのデフギアRの歯面や歯底について、その形状
を測定する(S3)。測定の具体的方法としては、例え
ば図3に示すように、測定マスタのデフギアRの一つの
歯面におけるn×mポイントの多数の点(測定ポイン
ト)のそれぞれについてその座標(x,y,z)を測定
し、これを歯車のすべての歯面について行うようにすれ
ばよい。
【0018】次に、前記測定により得られた各ポイント
の座標のデータを、前記決定した要目とともに三次元C
AD装置1に入力し(S4)、三次元CAD装置1によ
って該データから歯面の曲面を演算する。この曲面の演
算方法としては種々の方法があるが、一般には、非線型
有理化Bスプラインの集まりで表現される通称NURB
Sと称される複数の自由曲面が求められ、それらを接続
して一つの三次元曲面が演算され決定される。これによ
って、前記三次元CAD装置1の仮想空間上に、前記測
定マスタのデフギアRとまったく同様の歯面形状を有す
る三次元歯車形状モデルが得られることになる(S
5)。ただし、前記ステップS2〜S4までの工程を省
略して、その代わりに三次元CAD上で三次元歯車形状
モデルの形状データを直接作り込んで生成しても構わな
い。
【0019】次に、この得られた三次元CAD装置上の
歯車形状モデルについて、歯面形状を修正する(S
6)。この修正には、1)歯元部分の丸み(アール)の
増大、2)クラウニング、3)歯形修正、4)転位量の
修正等があり、これらを単独で施してもよいし、必要に
応じて二つ以上を組み合わせて施しても構わない。な
お、以下の説明で参照する図4〜図7において、符号M
は修正前の三次元歯車形状モデルを示し、符号M’は形
状を修正した後の三次元歯車形状モデルを示す。
【0020】1)の歯底部分の丸み(アール)の増大は
図4に示すように、歯溝の底面から歯面に向けて立ち上
がる部分(歯の根元部分)のアールを大きくする修正で
あり、この修正によって歯の強度が著しく向上する。な
お、ベベルギアの歯溝は一般には、小端側(本明細書に
おいては、ピッチ円錐の頂点に近い側を意味する。)の
歯溝は狭く、大端側(ピッチ円錐の頂点から遠い側を意
味する。)の歯溝が広くなるような形状となっているか
ら、これに対応して、小端側から大端側にかけて、歯底
部分のアール半径が徐々に増大するように修正するのが
効果的である。この修正の方法としては種々考えられる
が、例えば図5の符号Pに示すような形状(円錐面から
円錐状溝を欠切したような形状)をCAD装置1上で前
もって作成しておき、この円錐溝部分が前記三次元歯車
形状モデルMの歯底に一致するように位置を合わせた上
で、OR演算をすれば良い。この円錐溝は、大端側の曲
率半径R2が小端側の曲率半径R1よりも大きくなるよ
うに構成してあり(R1<R2)、また、小端側から大
端側に行くにつれて直線的に曲率半径が増大するように
構成してある。これによって、演算後の三次元歯車形状
モデルM’の歯底については、小端側から大端側に向か
うにつれて、歯底部分のアール半径が徐々に増大するこ
とになる。なお、説明の便宜上、図5には一歯分の歯溝
についての演算処理を示したが、実際の修正において
は、すべての歯溝についてこの処理を行うことになる。
【0021】2)のクラウニングは図6に示すように、
歯の歯スジ方向の両端にゆくに従って歯の幅が僅かに細
くなるようにする修正であり、歯面の歯スジ方向中央部
分が相手側歯車の歯と当たるようにするためのものであ
る。この修正によって、噛合伝動時の静粛性が向上す
る。また、歯の歯スジ方向端部で相手側歯車の歯と当た
って無理な力が加わることが回避され、歯車の耐久性が
向上する。
【0022】3)の歯形修正は図7に示すように、歯先
の歯幅が僅かに細くなるようにする修正であり、歯面の
歯丈方向中央部分(ピッチ点近傍)が相手側歯車の歯と
当たるようにするためのものである。この修正によって
も、噛合伝動時の静粛性が向上され、また、歯の歯先の
端部で相手側歯車の歯と当たって無理な力が加わること
が回避され、歯車の耐久性が向上することになる。
【0023】4)の転位量修正は、文字どおり歯車の転
位量を修正するものである。転位量を正側へ増大するこ
とによって、歯の強度が向上する。
【0024】これらの修正はすべて三次元CAD装置1
上の歯車形状モデルMに対する数値演算によって行われ
るので、歯面形状の修正の自由度は高く、パラメータを
種々変更して様々な修正を行うことができる。
【0025】次に、前記三次元CAD装置1上で歯車の
噛合のシミュレーションを行わせ、噛合検査を仮想的に
行うようにしている(S7)。以下、これを説明する。
即ち、前記測定マスタのデフギアRの測定によって得ら
れた歯車モデルMの他に、該デフギアに噛み合う相手側
のデフギア(以下、「第二デフギア」と称する。)につ
いても、予め測定マスタを製作して、該測定マスタの形
状を三次元スキャナによって測定し、第二デフギアの歯
車形状モデルM2を三次元CAD装置上に構成してお
く。そして、三次元CAD装置の仮想空間における共通
の座標系において、デフギアと第二デフギアの三次元歯
車形状モデルM・M2を互いに噛合させた状態で微小角
度だけ回転させつつ、噛合い伝達誤差、一ピッチ分の歯
当り回転角度、各歯面のうちの接触領域(歯当り領域)
等を演算するシュミレーションを行って、噛合情報を得
るのである。
【0026】具体的には、デフギアを小角度だけ回転さ
せ、このデフギアの各歯の歯面に対し、第二デフギアの
歯面を細かいステップ角(例えば、0.0001度)ず
つ回転させながら両歯面を接近させ、両歯面が接触した
ときの第二デフギアの回転角を演算する。この演算が多
数回反復され、得られた回転角の組合せのデータから噛
合伝達誤差や一ピッチ分の歯当り回転角度を算出するこ
とができる。また、デフギアと第二デフギアの歯面同士
が接触した状態において、デフギアを静止状態に保持し
たまま第二デフギアを更に回転させ、図8に示すよう
に、第二デフギアM2の歯面がデフギアMの歯面に6μ
mだけ喰い込ませる方向に第二デフギアM2を回転させ
た状態においてデフギアMに交差する第二デフギアM2
の歯面の領域Qを、歯面の歯当たり領域として得る。な
お、前記6μmは、従来において歯車の噛合解析のため
に歯面に塗布するコウミョウタンの塗膜厚さに相当する
ものである。
【0027】なお、上記のような噛合検査に加えて、有
限要素解析(FEA)によって応力/歪み解析等を行う
ようにしても構わない。このような検査や解析はすべて
三次元CAD装置1上の演算によって行われ、得られた
結果はCRTディスプレイ4に出力したり、プリンター
5で印字出力したりする。この出力結果によって噛合に
適する歯面形状か否かを判断することができ、不適正な
場合はステップS6へ戻って、歯当りや噛合誤差の矯正
のために歯面形状を修正し、修正された歯車形状モデル
M’について再度噛合検査を行うことになる。
【0028】歯面形状が適正であることが確認された場
合は、該歯車モデルの形状データM’について、所定の
隙間量Δだけ内方に(小さくなるように)オフセット演
算しておく。この隙間量Δは後述の金型製作のための放
電加工で必要な放電隙間に相当するものであって、後に
製作する放電加工電極の材質や金型の材質、電流の流し
方のパターン等の放電加工条件によって決定され、通常
は50μm〜150μmである。こうして得られた形状
データM”は、三次元CAD装置1内部でNCデータに
変換された上で、入出力装置6を介して適当な記録媒体
(例えば、フレキシブルディスク等)6aに出力し、保
存しておく。
【0029】次に、放電加工用電極の製作が実際に開始
される。この電極はマシニングセンタ7によって切削加
工されるものとし、該マシニングセンタ7には、前記記
録媒体(フレキシブルディスク等)6aに保存された、
形状修正済みの歯車形状モデルM”のNCデータを入力
可能としており、該NCデータに従って放電加工用電極
の形状が切削される(S8)。このように、放電加工用
電極が歯切り盤によらずマシニングセンタ7によって切
削加工されるので、切削の自由度が増大し、前述の修正
後の歯面のような、より自由度の高い形状を切削できる
のである。
【0030】切削加工が完了すると、その放電加工用電
極について三次元測定装置3により形状の測定が行われ
(S9)、得られた形状データと、前述の歯車モデルの
形状データM”とを、三次元CAD装置1上で比較する
(S10)。歯車モデルの形状データM”どおりに放電
加工用電極が形成されていることが三次元CAD装置1
上で確認されると、該電極を用いて放電加工を行い、金
型に製品ベベルギアの形状の孔を形成する(S11)。
【0031】そして、金型に形成された孔について再び
三次元測定装置3によって形状を測定し(S12)、こ
の形状が前記三次元CAD装置1に入力されて、前記修
正した歯車モデルの形状データM’と比較演算される
(S13)。歯車モデルの形状データM’どおりに孔が
形成されていることが三次元CAD装置1上で確認され
ると、その金型を用いて実際に鍛造を行い、デフギアの
製品試作品を製作する(S14)。
【0032】なお、前記第二デフギアについてもまった
く同様に、放電加工用電極の切削加工→金型の放電加工
→製品試作品の鍛造の手順で、試作品を製作する。そし
て、得られた二つのデフギア試作品を用いて、実物での
噛合試験が行われる(S15)。ここでは、テスターを
用いての噛合誤差の確認や、バックラッシや歯当りの確
認が行われる。試作品を用いた現実の試験によっても噛
合が良好であることが確認されると、金型が生産ライン
に送られ、製品の製造が実際に開始される(S17)。
【0033】なお、ステップS9・S12において、実
際に加工された形状の測定データとCAD装置1上の形
状データ(M’又はM”)に比して大きい誤差が生じて
いる場合は、ステップS16においてマシニングセンタ
7のNCデータを適宜修正して、ステップS8に戻って
放電加工用電極を再製作すればよい。ただし、場合によ
っては、ステップS6にまで戻って、三次元歯車形状モ
デルの形状データM’に対し再修正を加えるようにして
もよい。
【0034】以上に説明したのはマシニングセンタで放
電加工用電極を切削加工し、該電極を用いて放電加工に
よって金型を成形する場合であるが、マシニングセンタ
で金型を直接切削加工するようにしても構わない。この
場合の製造フローが図9に示され、放電加工用電極を切
削する工程、その形状を検査する工程、放電加工を行う
工程がいずれも省略され、製作効率を向上させることが
できる。なお、この図9の場合は放電加工を行わず金型
を直接切削加工することになるので、前記歯車形状モデ
ルM’について前記Δのオフセット演算をする必要もな
い。該歯車形状モデルM’の形状データをそのままマシ
ニングセンタへ出力し、歯車金型を切削加工させればよ
い。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0036】即ち、請求項1に示す如く、創成歯切り法
により歯切りされた測定マスタとしての歯車についてそ
の三次元形状を測定し、得られた測定データを三次元C
AD装置へ取り込んで三次元歯車形状モデルを得る第一
の工程、歯車の歯面形状についての修正演算処理結果を
三次元CAD装置上で前記三次元歯車形状モデルに反映
させる第二の工程、及び、前記修正演算処理結果を反映
させた三次元歯車形状モデルの形状データをマシニング
センタに出力して、金型又は放電加工用電極を切削加工
する第三の工程、を少なくとも含むので、歯車の歯面形
状についての修正演算処理結果を歯車歯面の形状に三次
元CAD上で反映させることで、歯面形状の設計の自由
度が、単に歯切りするのみの場合に比して飛躍的に増大
する。また、実際に金型又は放電加工用電極を切削加工
するのは歯切り盤ではなくマシニングセンタであるか
ら、歯切り法による形状の制約もないので、形状的に優
れた歯車金型又は放電加工用電極を容易に製造すること
ができることになる。しかも、金型をいったん製造すれ
ば、その金型を使用して、そのような機能性の高い形状
の歯車を半永久的に製造することができる。
【0037】請求項2に示す如く、前記第二の工程にお
ける修正演算処理は、前記三次元歯車形状モデルの歯底
部分の丸みが、前記測定マスタの歯車のそれよりも増大
するように修正されるものであるので、このような方法
で製造した放電加工用電極又は歯型を使用することで、
歯の根元部分に大きなアールが付いた、強度の著しく向
上した折損しにくい歯車を製造できることになる。この
歯車は小サイズでも十分な強度を有することになるの
で、歯車装置のコンパクト化に寄与できる。
【0038】請求項3に示す如く、ベベルギアの金型又
は放電加工用電極の製造方法において、前記第二の工程
における修正演算処理は、前記三次元歯車形状モデルの
歯底部分の丸みが、その小端側から大端側に向かうに従
って増大するように修正されるものであるので、小端側
においては歯溝が狭く、歯底に形成できる丸み(アー
ル)も小さくせざるを得ないが、歯溝が広くなる大端側
に向かって歯底に形成する丸み(アール)を大きくする
ことで、合理的かつ効率的にベベルギアの歯の強度を向
上させることができる。
【0039】請求項4に示す如く、前記第二の工程にお
ける修正演算処理は、歯底部分の丸みを増大させる修正
に代えて、又はそれに加えて、クラウニング又は歯形修
正を施す修正を行わせるものであるので、噛合が良好な
歯車を得ることができ、静粛な伝動が可能となるととも
に、歯車の耐久性も向上する。
【0040】請求項5に示す如く、前記第二の工程の後
かつ前記第三の工程の前に、前記修正演算処理結果が反
映された三次元歯車形状モデルの形状データ、及び、相
手側歯車の形状データを使用して、前記三次元CAD装
置上で噛合シミュレーションを行わせる工程が行われる
ので、実際に試作品又を作る前の段階で仮想的にシミュ
レーションで歯当り等をチェックできるから、試作の無
駄を省くことができ、製作効率が向上する。特に、歯底
の丸みを増大させる等の修正について、その修正後の形
状の歯車の噛合の確認等が容易にできるので有用であ
る。
【0041】請求項6に示す如く、前記第一の工程に代
えて、三次元歯車形状モデルの形状データを三次元CA
D上で直接生成する工程が行われるので、測定マスタを
歯切りする工程やその形状を測定する工程も省略できる
から、金型や放電加工用電極の製作効率が更に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベベルギアの製造方法に適用される三
次元CADシステムのシステム図。
【図2】本発明の製造方法のフロー図。
【図3】三次元測定装置による歯面の測定ポイントの例
を示す斜視図。
【図4】三次元歯車形状モデルについて、歯底の丸み
(アール)を増大させる修正を説明する図。
【図5】歯底の丸み(アール)を増大させる修正につい
て、演算の一例を示す図。
【図6】クラウニングの修正を説明する図。
【図7】歯形修正を説明する図。
【図8】噛合シミュレーションにおいて、歯当り領域を
得る方法を示した図。
【図9】金型を直接成形する場合の製造方法のフローを
示した図。
【符号の説明】
1 三次元CAD装置 3 三次元測定装置 7 マシニングセンタ R 測定マスタのベベルギア M 三次元歯車形状モデル M’ 歯面形状修正後の三次元歯車形状モデル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C025 CC02 3C059 AA01 AB01 DB06 HA00 5B046 AA05 FA04 FA18 5H269 AB08 AB19 AB26 AB31 BB03 BB08 QC01 QC03 QC05 QD03 QD06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 創成歯切り法により歯切りされた測定マ
    スタとしての歯車についてその三次元形状を測定し、得
    られた測定データを三次元CAD装置へ取り込んで三次
    元歯車形状モデルを得る第一の工程、 歯車の歯面形状についての修正演算処理結果を三次元C
    AD装置上で前記三次元歯車形状モデルに反映させる第
    二の工程、及び、 前記修正演算処理結果を反映させた三次元歯車形状モデ
    ルの形状データをマシニングセンタに出力して、金型又
    は放電加工用電極を切削加工する第三の工程、 を少なくとも含むことを特徴とする、歯車の金型又は放
    電加工用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第二の工程における修正演算処理
    は、前記三次元歯車形状モデルの歯底部分の丸みが、前
    記測定マスタの歯車のそれよりも増大するように修正さ
    れるものであることを特徴とする、請求項1に記載の金
    型又は放電加工用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベベルギアの金型又は放電加工用電極の
    製造方法であって、前記第二の工程における修正演算処
    理は、前記三次元歯車形状モデルの歯底部分の丸みが、
    その小端側から大端側に向かうに従って増大するように
    修正されるものであることを特徴とする、請求項2に記
    載の金型又は放電加工用電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第二の工程における修正演算処理
    は、歯底部分の丸みを増大させる修正に代えて、又はそ
    れに加えて、クラウニング又は歯形修正を施す修正を行
    わせるものであることを特徴とする、請求項2に記載の
    金型又は放電加工用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第二の工程の後かつ前記第三の工程
    の前に、前記修正演算処理結果が反映された三次元歯車
    形状モデルの形状データ、及び、相手側歯車の形状デー
    タを使用して、前記三次元CAD装置上で噛合シミュレ
    ーションを行わせる工程が行われることを特徴とする、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の金型
    又は放電加工用電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第一の工程に代えて、三次元歯車形
    状モデルの形状データを三次元CAD上で直接生成する
    工程が行われることを特徴とする、請求項1、請求項
    3、請求項4、請求項5のうちいずれか一項に記載の金
    型又は放電加工用電極の製造方法。
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