JP2003047201A

JP2003047201A - 高電圧を生ぜしめる発電機

Info

Publication number: JP2003047201A
Application number: JP2002212952A
Authority: JP
Inventors: Buratsutaa Rihiyaruto; ブラッターリヒャルト; Reinhard Joho; ヨホラインハルト
Original assignee: Alstom Schweiz AG
Current assignee: General Electric Switzerland GmbH
Priority date: 2001-07-23
Filing date: 2002-07-22
Publication date: 2003-02-14
Also published as: EP1280257A1; CA2394415A1; US20030015926A1

Abstract

(57)【要約】【課題】回転軸線を中心として回転可能に支承されて
いる回転子を有していて、該回転子が、固定子によって
包囲されており、該回転子の積層金属薄板体内には、絶
縁されたケーブルによって形成されている固定子巻線が
配置されており、該固定子巻線が、前記積層金属薄板体
内部においては軸方向に延び、また積層金属薄板体外部
においては端面に巻線ヘッドを形成している形式の発電
機を改良して、全般的に均一な固定子の冷却と固定子巻
線のケーブルにおける最適な磁界制御とを実現する。【解決手段】積層金属薄板体と固定子巻線とを有する
固定子を、液密にシールされていて回転子を包含しない
ケーシング内に収め、またケーシングの内室を、冷却液
で満たすようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、発電の分野に属し
ており、高電圧を生ぜしめる発電機であって、回転軸線
を中心として回転可能に支承されている回転子を有して
おり、該回転子が、固定子によって包囲されており、該
回転子の積層金属薄板体内には、絶縁されたケーブルに
よって形成されている固定子巻線が配置されており、該
固定子巻線が、前記積層金属薄板体内部においては軸方
向に延び、また積層金属薄板体外部においては端面に巻
線ヘッドを形成している形式のものに関する。ここでの
高電圧とは、１０〜２０ｋＶより高い電圧を意味してい
る。

【０００２】

【従来の技術】冒頭で説明したような形式の発電機は、
例えば国際公開第９７／４５９１９号パンフレットによ
り公知である。

【０００３】従来技術により、固定子側の間接的な液体
冷却を備えた発電機が公知であり、この場合熱媒体及び
絶縁媒体として、オイルが使用されている。このような
解決策は、例えばスイス国特許第６６３１２０号明細
書、ドイツ連邦共和国特許第２９１５３９０号明細書、
及びドイツ連邦共和国特許公開第３３３７６３２号明細
書に記載されている。

【０００４】さらにケーブルが絶縁されている発電機が
公知であり、これらの発電機の場合、固定子導体が巻線
ヘッドにおいて空冷されるが、固定子ブロックからの放
出熱の導出は、１つの独立した水循環回路を介して行わ
れる。発電機巻線においてアース絶縁されたケーブルを
有する発電機の場合、絶縁体の磁界制御は、ケーブルの
外側面に設けられた、アース接続された半導体のライニ
ングによって行われる（例えばＭ．Ｌｅｉｊｏｎ著の論
文Ｐｏｗｅｒｆｏｒｍｅｒ−ａｒａｄｉｃａｌｌｙ
ｎｅｗｒｏｔａｔｉｎｇＭａｃｈｉｎｅ：『ＡＢＢ
Ｒｅｖｉｅｗ２．１９９８年』参照）。

【０００５】これらの公知のケーブルが絶縁されている
発電機において、固定子ブロック内の放出熱や巻線ヘッ
ドの放出熱が、様々な熱媒体によって導出されることは
不都合である。さらにケーブル巻線の、磁界制御されて
いる半導体の層を、最適な磁界制御が保証されるよう
に、均一にアースすることは困難である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、公知の解決策の欠点を避けることであり、特に全般
的に均一な固定子の冷却と固定子巻線のケーブルにおけ
る最適な磁界制御とを実現することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、積層金属薄板体と固定子巻線とを
有する固定子を、液密にシールされていて回転子を包含
しないケーシング内に収め、またケーシングの内室を、
冷却液で満たすようにした。

【０００８】

【発明の効果】本発明の要点は、積層金属薄板体と固定
子巻線（巻線ヘッドを含む）とを有する固定子全体を、
液密にシールされていて回転子を包含していないケーシ
ング内に収納していることであり、この際ケーシングの
内室は冷却液によって満たされている。この冷却液は、
複数の主機能を果たしている。つまり固定子ブロック内
に生じた放出熱は、固定子ブロックの表面を介して（ま
た場合によっては相応に積層金属薄板体に形成された開
口を介して）、貫流している冷却液によって導出され
る。巻線ヘッド内の放出熱も同様に、冷却液を介して導
出される。絶縁された導体や固定子鉄心の周囲を、可能
な限り低い温度を有する唯一の冷却媒体が環流してお
り、性能を制限する働きをするその他の熱伝達は存在し
ない。この冷却液の蓄熱容量は、発電機の短時間負荷耐
性に対して有利に作用し、この短時間負荷耐性は向上す
る。

【０００９】有利には、冷却液として水が使用されてお
り、このために固定子の積層金属薄板体の腐食を防ぐ手
段が施されている。腐食防止の手段として、特に積層金
属薄板体の含浸がある。さらに付加的に、腐食を防止す
る抑制剤が、ケーシング内の水に添加されていてもよ
い。

【００１０】有利には、固定子巻線のケーブルは頑丈な
絶縁体を有しており、また冷却液は、絶縁体内における
電気的な磁界もしくは磁界分布を制御するために、設定
された電気的な導電率を保有している。ケーブル絶縁体
の磁界制御が、アース接続されていてケーブルに設けら
れている半導体ライニングを介して行われる必要がなく
なり、冷却液の電気的な導電率を相応に制御することに
よって行われてもよい。ケーブル表面における電位が一
様にアースしているので、それゆえ絶縁体における磁界
分布は非常に均一になる（巻線ヘッドにおいて、交差し
ているケーブルの、ケーブル表面の間における電位差
は、効果的に解消される）。

【００１１】水によって導体ケーブルの絶縁特性に及ぼ
される影響が、特別に考慮されなければならない。この
ことは、有利には、表面の半導体ライニングが含浸され
ること、かつ／または固定子巻線のケーブル絶縁体の表
面が保護コーティングを有することによって達成され得
る。このことは例えばシリコーンコーティングによって
行われる。

【００１２】原則的には、ケーシング内における不均等
な熱分布によって、冷却液（水）の自主的な循環が生じ
る。しかしながら、さらに冷却液の循環を強化するため
に、ケーシング内に循環ポンプが設けられている。固定
子の積層金属薄板体に付加的な開口が設けられ、この開
口を通って冷却液が流れる場合、固定子からの熱の導出
はさらに改善される。

【００１３】有利には、冷却液から熱は冷却装置を介し
て取り除かれる。

【００１４】ケーブル接続部は、有利には、液体室の外
側に配置されている。さらにケーブルは、それ自体とし
ては公知のシール部材を介して、ケーシング外に導き出
される。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら本発明の
実施例を詳述する。この唯一の図は、本発明に基づく有
利な実施例による発電機の、単純化された概略的な縦断
面図である。

【００１６】この図面には、本発明に基づく有利な実施
例による、高電圧を生ぜしめる発電機１０が単純化され
て概略的に示されている。この発電機１０は、回転軸線
１８を中心として回転可能に支承された１つの（中心
の）回転子１２を有しており、この回転子１２は外側を
固定子１１によって（同軸的に）包囲されている。固定
子１２は主に、相応する軸方向のスリットを有する積層
金属薄板体２８によって構成されており、これらのスリ
ット内に、絶縁された高圧ケーブルによって形成されて
いる固定子巻線１５が収納されている。固定子巻線１５
は両端面で、積層金属薄板体２８の外側に、それぞれ１
つの巻線ヘッド１６を形成している。固定子巻線１５で
誘導される高電圧を低下させるために、発電機導線１７
が設けられている。

【００１７】積層金属薄板体２８と巻線ヘッド１６を含
む固定子巻線１５とを有する固定子１１は、液密にシー
ルされたケーシング１３内に配置されており、このケー
シング１３の内室１４は、冷却液としての処理された水
によって満たされている。水以外の別の冷却液でも、同
様に適していると考えられる。ケーシング１４は、回転
子１２を包含しておらず、回転子に対しても同様にシー
ルされているので、回転子１２は独自の気体冷却によっ
て運転され得る。図中において矢印によって示されてい
るように、このような気体冷却は、閉じた冷却循環回路
２５（図中の回転子１２の下半分）を有していてよく、
この冷却循環回路２５は、回転子１２に設けられた軸配
列２７によって作動されるようになっており、さらにこ
の循環回路に接続されている冷却装置２６によって、冷
却媒体から熱を取り除くようになっている。しかしま
た、外部から流入する冷却媒体が相応のフィルタマット
２４を通って送り込まれる開放した冷却循環回路２３
（開放形の通風装置）が設けられていてもよい（図中の
回転子１２の上半分）。

【００１８】内室１４を循環する冷却液である水は、安
定した力強い循環を保証するために、有利には駆動モー
タ２０によって駆動されている循環ポンプ１９によっ
て、矢印方向に流動する。この冷却液は、積層金属薄板
体２８の表面に沿って、また固定子巻線１５の巻線ヘッ
ド１６を通って流れ、さらに軸方向に、積層金属薄板体
２８のスリットを通って、固定子巻線１５の軸方向区分
（ケーブル）に沿って流れる。付加的な開口２２が積層
金属薄板体２８に設けられていれば、積層金属薄板体２
８からの放出熱がさらに改善される。冷却液によって受
容された熱は、有利には外部の冷却装置によって導出さ
れる。開口２２の代わりに、半径方向のスリット２２’
が、積層金属薄板体２８内における冷却液の循環のため
に用いられてもよい。

【００１９】さらに固定子１１の鉄部分（積層金属薄板
体２８）が、冷却液によって腐食しないように、含浸さ
れており、さらに付加的に腐食を妨げる抑制剤が液体に
添加されてもよい。ケーシング１３は、電気的な導電率
が特別に調節された処理された水によって満たされてい
る。固定子巻線１５におけるケーブル絶縁体の磁界制御
は、前述の従来技術のようにアースされていてケーブル
に施されている半導体ライニングによって行われる必要
はなく、これは冷却液（水）の電気的な伝導率を相応に
制御することによって実現される。ケーブル表面におけ
る電位が一様にアースされているので、絶縁体内での磁
界分布は非常に均一となる。水によって導体ケーブルの
絶縁特性に及ぼされる影響は、例えばケーブル表面にシ
リコーンコーティングを施すことによって、特別に考慮
されなければならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づく有利な実施例による発電機の、
単純化された概略的な縦断面図である。

【符号の説明】

１０発電機、１１固定子、１２回転子、１
３ケーシング、１４内室（ケーシング）、１５
固定子巻線（ケーブル）、１６巻線ヘッド、１
７発電機導線、１８回転軸線、１９循環ポン
プ、２０駆動モータ、２１冷却装置、２２，
２２’ 開口（積層金属薄板体内）、２３冷却循環回
路（開放した）、２４フィルタマット、２５冷
却循環回路（閉じた）、２６冷却装置、２７軸
配列、２８積層金属薄板体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者リヒャルトブラッタースイス国エネットバーデンシュリーレンシュトラーセ 21 (72)発明者ラインハルトヨホスイス国ロームバッハロームバッハテリ 21 Ｆターム(参考） 5H609 BB19 PP02 PP06 PP08 PP09 QQ04 QQ09 RR36 RR42 RR43 RR51 SS01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高電圧を生ぜしめる発電機（１０）であ
って、回転軸線（１８）を中心として回転可能に支承さ
れている回転子（１２）を有しており、該回転子（１
２）が、固定子（１２）によって包囲されており、該回
転子（１２）の積層金属薄板体（２８）内には、絶縁さ
れたケーブルによって形成されている固定子巻線（１
５）が配置されており、該固定子巻線（１５）が、前記
積層金属薄板体（２８）内部においては軸方向に延び、
また積層金属薄板体（２８）外部においては端面に巻線
ヘッド（１６）を形成している形式のものにおいて、積層金属薄板体（２８）と固定子巻線（１５）とを有す
る固定子（１１）が、液密にシールされていて回転子
（１２）を包含しないケーシング（１３）内に収められ
ており、またケーシング（１３）の内室（１４）が、冷
却液によって満たされていることを特徴とする、高電圧
を生ぜしめる発電機。
【請求項２】固定子巻線（１５）のケーブルが、頑丈
な絶縁体を有しており、また絶縁体内における電気的な
磁界もしくは磁界分布を制御するために、冷却液が、設
定された電気的な導電率を有している、請求項１記載の
発電機。
【請求項３】冷却液の循環を強めるために、循環ポン
プ（１９）がケーシング内に設けられている、請求項１
または２記載の発電機。
【請求項４】固定子（１１）の積層金属薄板体（２
８）に付加的な開口（２２，２２’）が設けられてい
て、該開口（２２，２２’）を通って、冷却液が流れ
る、請求項１から３までのいずれか１項記載の発電機。
【請求項５】冷却液から熱が、冷却装置（２１）を介
して取り除かれる、請求項１から４までのいずれか１項
記載の発電機。
【請求項６】冷却液として水が使用され、また固定子
（１１）の積層金属薄板体（２８）の腐食を防止する手
段が施されている、請求項１から５までのいずれか１項
記載の発電機。
【請求項７】腐食防止の手段が、積層金属薄板体（２
８）の含浸を有している、請求項６記載の発電機。
【請求項８】ケーシング（１３）内の水に、腐食防止
をする抑制剤が添加されている、請求項６記載の発電
機。
【請求項９】固定子巻線（１５）のケーブルの表面
が、水の浸透を防ぐ含浸を有している、請求項６記載の
発電機。