JP2003046181A - サブマウント、半導体装置およびサブマウントの製造方法 - Google Patents

サブマウント、半導体装置およびサブマウントの製造方法

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JP2003046181A
JP2003046181A JP2001228660A JP2001228660A JP2003046181A JP 2003046181 A JP2003046181 A JP 2003046181A JP 2001228660 A JP2001228660 A JP 2001228660A JP 2001228660 A JP2001228660 A JP 2001228660A JP 2003046181 A JP2003046181 A JP 2003046181A
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一彦 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子を上部に固着する際に、固着に用
いる半田材が漏れ出して半導体素子側面に付着すること
を防止するサブマウントを提供する。 【解決手段】 基板1と、基板1上に積層された第1の
金属層2と、第1の金属層2上に積層された第1の半田
層4と、基板1の側面に積層された第2の金属層3と、
第2の金属層3上に積層され、第1の半田層と接触した
第2の半田層5とを備える。半導体素子を固着する際
に、第1の半田層4および第2の半田層5が熱により流
動化するため、漏れ出した半田材は第1の金属層2と第
2の金属層3の境界線を容易に越えて第2の半田層上を
鉛直下方に流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体素子を固
着するサブマウント、サブマウントを使用した半導体装
置、およびサブマウントの製造方法に係るものであり、
特に半導体素子として半導体レーザ素子を用いるサブマ
ウント、半導体装置およびサブマウントの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ素子を組み込んだ半導体装
置を製造する場合には、動作中の半導体レーザ素子中の
非発光再結合によって熱が発生するため、この熱により
半導体レーザの特性の低下や障害の発生などを招くとい
う問題がある。具体的には、かかる熱によって半導体レ
ーザ素子の温度が上昇すると、しきい値電流密度が上昇
するため発光効率が低下する。また、発光効率が低下す
ると、発光に用いられなくなった一部の注入電流が熱エ
ネルギーへと変化するため、半導体レーザ素子の温度が
さらに上昇し、性能が低下する。さらに、半導体レーザ
素子が高温になると、素子につながる金属配線やワイヤ
ーボンディングなどが損傷を受け、場合によっては断線
などが生じるおそれもある。また、高温状態での動作に
より半導体レーザ素子の寿命が短くなるという問題もあ
る。
【0003】かかる問題を回避するために、半導体レー
ザ素子が非発光再結合により生じる熱をサブマウントを
介してヒートシンクに伝熱し、このヒートシンクより熱
を外部に放出する従来技術が知られている。具体的に
は、図7(a)に示すように、熱伝導性の高い金属など
からなるヒートシンク30を最下層に配設し、半導体レ
ーザ素子37からサブマウントを介して伝熱してきた熱
をこのヒートシンク30で放熱する。
【0004】ここで、かかるサブマウントは、半導体結
晶などからなる基板32上に金属層33を積層したもの
であり、このサブマウントは、金属層33の上部に積層
した半田層34により半導体レーザ素子37に固着さ
れ、基板32の下部に積層した半田層31によってヒー
トシンク30に固着される。
【0005】このように、ヒートシンク30と半導体レ
ーザ素子37の間にサブマウントを介在させる理由は、
両者の熱膨張係数が一般に大きく異なるため、両者の間
にサブマウントを挟むことにより熱応力の緩和が図れる
からである。このためサブマウントを形成する基板32
には、熱膨張係数がヒートシンク30と半導体レーザ素
子37のほぼ中間値となる熱伝導性の高い物質が用いら
れる。
【0006】また、ヒートシンク30上に金属層33を
設けた理由は、半田層34が高温で流動状態となった場
合に半田を広がりやすくするためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
半導体装置によれば、かかる半導体レーザ素子37をサ
ブマウント上に固着する場合に、半田層34の半田の一
部が半導体レーザ素子37と基板32の接触面から漏れ
出して過剰半田部分35が形成され、この過剰半田部分
35により出射光38の出射方向が変化するという問題
がある。
【0008】以下、この点を具体的に説明する。半導体
レーザ素子37をサブマウント上に固着する場合には、
半導体レーザ素子37を半田層34上に配置したうえで
半導体レーザ素子37の上部から0.1N程度の力を加
え、ヒータで全体を加熱して半田層34を流動状態に
し、その後温度を下げて半田層34を硬化させて半導体
レーザ素子37を基板32上に固着する。
【0009】ここで、半導体レーザ素子37の上部から
圧力を加えて加熱すると、流動化した半田層34を形成
する半田材の一部が半導体レーザ素子37と基板32の
接触面から漏れ出す。半導体結晶等からなる基板32に
対する半田材の広がり易さ(以下「濡れ性」と言う)は
低いため、漏れ出した半田材は基板32の側面上を流れ
ずに、漏れ出した場所から放射状に広がり余剰半田部分
35を形成する。この余剰半田部分35が活性層36周
辺にまで達すると、出射光38が乱反射するため、図7
(a)に示すように出射方向が変化し、場合によっては
活性層36からの発光自体が遮られることになる。半田
層34から活性層36までの距離は、通常数μm程度で
あるため、わずかな量の半田が漏れ出しても上記の問題
が生じる。
【0010】この問題を解消するため、半田層34の厚
みを抑えて半田材の量を減らすことも考えられるが、こ
の半田層34が薄すぎると、基板32と半導体レーザ素
子37の接着強度が低下するとともに電気的な接触抵抗
が増加するという新たな問題が生じてしまう。
【0011】このため、特開平6−350202号公報
(従来技術1)には、図7(b)に示すように、基板3
2の表面上のみならず側面上にも新たに金属層39を積
層して、漏れ出した半田材を金属層39上に導き、出射
光に影響を及ぼさないように余剰半田部分40を形成す
るサブマウントが開示されている。
【0012】しかし、基板32の表面に積層した金属層
33と新たに設けた金属層39は垂直に交わっているた
め、金属層33と金属層39の境界線部分は漏れ出した
半田材が広がる際の障壁となる。したがって、漏れ出し
た半田材がこの境界線を越えて金属層39上に余剰半田
部分40を形成するとは言い切れない。
【0013】また、特開平11−284098号公報
(従来技術2)には、図8(a)に示すように、半田層
34を積層する基板32の表面に空洞部41を設ける技
術が開示されている。この従来技術2のものは、余剰の
ろう材や半田材を空洞部41で吸収することによりろう
材や半田材が側面に漏れ出す状況を防止するものであ
る。
【0014】しかし、ろう材や半田材を空洞部41に確
実に流れ込ませるためには、少なくとも空洞部41の表
面を濡れ性の良い金属で覆う必要があるため、サブマウ
ントの製造工程が複雑になるという問題がある。また、
実際に空洞部41を形成したとしても、半田層34を積
層する際にこの空洞部41が半田材によって埋められて
しまい、実質的な効果が期待できないという問題もあ
る。さらに、実際の製造工程においては、製造装置の動
作のばらつきにより半田層34を形成する半田材の量が
設定値よりも増加する場合があるため、半田材が流れ込
まないように空洞部41を形成できたとしても、空洞部
41に入りきらない半田材が半導体レーザ素子37と基
板32の接触面から漏れ出すおそれもある。
【0015】また、この従来技術2には、図8(b)に
示すように、半導体レーザ素子37を基板32の側面に
対して垂直前方にl0だけずらして固着することで余剰
半田部分42を半導体レーザ素子37の下部に形成さ
せ、もって余剰半田部分42による出射光への影響を低
減する技術が開示されている。
【0016】しかし、このように半導体レーザ素子37
を前方にずらすこととすると、ずらせた分だけ基板32
と半導体レーザ素子37の接触面積が減少するため、放
熱効率が悪化してしまうという問題がある。また、半導
体レーザ素子37が、基板32およびヒートシンク30
に対して突出した構造となるため、外部から半導体レー
ザ素子37に衝撃が加えられると、半導体レーザ装置全
体で衝撃を効果的に吸収することができず、半導体レー
ザ素子37が損傷を受ける可能性が高くなるという問題
が生じる。
【0017】なお、基板32と半導体レーザ素子37の
接触面から半田材が漏れ出すことによる問題は、半導体
レーザ装置だけに限られるものではなく、たとえば発光
ダイオード(LED)においても、半導体素子の側面に
半田材が漏れ出すことにより光が遮られ発光効率は低下
する。また、接合形電解効果トランジスタ(JFET)
において、表面および底面にゲート電極が配置され、ソ
ース電極およびドレイン電極が側面に配置された場合に
も、素子の側面に余剰半田部分が形成されることで電極
間がショートするおそれがある。
【0018】以上のことから、半導体素子の固着に用い
る半田材の一部が半導体素子の側面に漏れ出すことで形
成される余剰半田部分による悪影響をいかに低減するか
が極めて重要な課題となっている。
【0019】本発明は、上述してきた従来技術による問
題点を解決するためになされたものであり、半導体素子
の固着に用いる半田材の一部が半導体素子の側面に漏れ
出すことで形成される余剰半田部分による悪影響を効率
良く低減することができるサブマウント、半導体装置お
よびサブマウントの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1の発明に係るサブマウン
トは、基板の表面上に第1の金属層並びに第1の半田層
を順次積層し、該第1の半田層を介して前記基板上に半
導体素子を固着するサブマウントであって、前記第1の
金属層と接触させつつ、前記基板の側面上に積層した第
2の金属層と、前記第1の半田層と接触させつつ、前記
第2の金属層上に積層した第2の半田層とを備えたこと
を特徴とする。
【0021】この請求項1の発明によれば、サブマウン
ト上に半導体素子を固着する際に、第1の半田層から漏
れ出した半田材が第1の金属層と第2の金属層の境界線
にまで流れ出した場合、流動化した第1の半田層および
第2の半田層によって上記境界線が流動化した半田材で
覆われることとなる。したがって漏れ出した半田材は容
易に境界線を越えることができ、その後、第2の半田層
上を鉛直下方に移動していく。したがって半導体素子の
側面に余剰半田部分の形成を防止することができる。
【0022】また、請求項2の発明に係るサブマウント
は、基板の表面上に金属層並びに半田層を順次積層し、
該半田層を介して前記基板上に半導体素子を固着するサ
ブマウントであって、前記金属層を、端部付近を除く前
記基板表面の一部領域上に積層したことを特徴とする。
【0023】この請求項2の発明によれば、基板表面の
端部付近に金属層が存在せず、基板表面が露出した構造
となることで、サブマウント上に半導体素子を固着した
際に半導体素子の側面に漏れ出した半田が付着すること
を防止できる。すなわち、半導体素子を固着する際に半
田層から漏れ出した半田材は金属層上では濡れ性が良好
であるが、基板上では濡れ性が悪い。したがって基板表
面が露出した領域では半田材は広がらず、基板表面の端
部にまで半田材は到達しない。そのため半導体素子の側
面に余剰半田部分の形成を防止することができる。
【0024】また、請求項3の発明に係るサブマウント
は、請求項2に記載の発明において、前記基板表面の端
部と、前記金属層の端部との間の距離が0.1μm〜1
0μmであることを特徴とする。
【0025】この請求項3の発明によれば、基板表面の
端部と金属層の端部との間の距離を限定することで、請
求項2の発明の利点を維持したまま、接触面積の減少に
よる放熱効率の減少を無視できる範囲に抑えることがで
きる。
【0026】また、請求項4の発明に係るサブマウント
は、基板の表面上に金属層並びに半田層を順次積層し、
該半田層を介して前記基板上に半導体素子を固着するサ
ブマウントであって、前記基板表面の端部であって、前
記半田層上に固着する半導体素子の下部に位置する前記
基板領域上に設けられた凹部を備えたことを特徴とす
る。
【0027】この請求項4の発明によれば、凹部を設け
ることでサブマウント上に半導体素子を固着する際に半
田層から漏れ出す半田材を凹部で吸収することができ
る。また、凹部を基板表面の内部でなく端部に設けるこ
とで、凹部は外部空間に対して開いた構造となり、予想
以上の半田材が漏れ出した場合でも基板の側面に流出さ
せることで半田材を十分吸収することができる。
【0028】また、請求項5の発明に係る半導体装置
は、熱を外部に放出するためのヒートシンクと、該ヒー
トシンク上に接着層を介して固着し、基板の表面上に第
1の金属層並びに第1の半田層を順次積層したサブマウ
ントと、該サブマウント上に前記第1の半田層を介して
固着する半導体素子とを有する半導体装置において、前
記第1の金属層と接触させつつ、前記基板の側面上に積
層した第2の金属層と、前記第1の半田層と接触させつ
つ、前記第2の金属層上に積層した第2の半田層と、前
記第2の半田層上に位置する余剰半田部分とを備えたこ
とを特徴とする。ここで「余剰半田部分」とは、半導体
素子をサブマウント上に固着する際に第1の半田層から
漏れ出した半田材によって形成される半田部分のことで
ある。
【0029】この請求項5の発明によれば、漏れ出した
半田材を第2の半田層上に流出させ余剰半田部分を形成
させる構造とすることで半導体素子側面に半田材が付着
することを防止できる。
【0030】また、請求項6の発明に係る半導体装置
は、熱を外部に放出するためのヒートシンクと、該ヒー
トシンク上に接着層を介して固着し、基板の表面上に金
属層並びに半田層を順次積層したサブマウントと、該サ
ブマウント上に前記半田層を介して固着する半導体素子
とを有する半導体装置において、前記金属層が、端部付
近を除く前記基板表面の一部領域上に積層され、前記基
板表面の他の領域上に位置する余剰半田部分を備えたこ
とを特徴とする。
【0031】この請求項6の発明によれば、余剰半田部
分が基板表面のうち、金属層が存在せず基板が露出した
領域上に形成させることで半導体素子の側面に半田材が
付着することを防止することができる。
【0032】また、請求項7の発明に係る半導体装置
は、請求項6に記載の発明において前記金属層端部と前
記基板表面の端部との間の距離が0.1μm〜10μm
であることを特徴とする。
【0033】この請求項7の発明によれば、距離を限定
することで半田材が半導体素子の側面に付着することを
防止できると共に、接触面積の減少による放熱効率の低
下を無視できる程度にまで抑えることができる。
【0034】また、請求項8の発明に係る半導体装置
は、熱を外部に放出するためのヒートシンクと、該ヒー
トシンク上に接着層を介して固着し、基板の表面上に金
属層並びに半田層を順次積層したサブマウントと、該サ
ブマウント上に前記半田層を介して固着する半導体素子
とを有する半導体装置において、前記基板表面の端部で
あって前記半導体素子の下部の領域に設けられた凹部
と、該凹部内表面上に位置する余剰半田部分とを備える
サブマウントとを備えたことを特徴とする。
【0035】この請求項8の発明によれば、凹部内に余
剰半田部分を設けることで漏れ出した半田材を凹部で吸
収することができ、半導体素子側面に半田材が付着する
ことを防止できる。
【0036】また、請求項9の発明に係る半導体装置
は、請求項5〜8に記載の発明において半導体素子は半
導体レーザ素子であることを特徴とする。
【0037】この請求項9の発明によれば、半導体レー
ザ素子は側面に半田材が付着することで出射光が乱反射
し、特に弊害が大きいため、半導体レーザ素子を使用し
た半導体装置において特に優れた半導体装置を実現でき
る。
【0038】また、請求項10の発明に係るサブマウン
トの製造方法は、基板表面に対し垂直方向に溝部を形成
する工程と、前記基板上に金属層を積層する工程と、前
記金属層上に半田層を積層する工程と、前記溝部を境界
として基板を個々のサブマウントに分割する工程とを備
えたことを特徴とする。
【0039】この請求項10の発明によれば、溝部を形
成した後に金属層を積層することで、請求項1に記載の
サブマウントにおける第1および第2の金属層を一度に
形成することが可能である。また、半田層を積層した後
に個々のサブマウントに分割することで新たに形成され
た基板の側面は基板の材質が露出した構造となる。した
がってサブマウントを半導体装置に用いた場合でもヒー
トシンクとサブマウントとの間の絶縁性を確保すること
ができる。
【0040】また、請求項11の発明に係るサブマウン
トの製造方法は、請求項10に記載の発明において前記
溝部を形成する工程は、ダイシングソーによっておこな
われることを特徴とする。
【0041】この請求項11の発明によれば、ダイシン
グソーはウェハー上に半導体素子を製造した後、個々の
チップに分割する際に主として用いられるものであり、
既存の装置を用いることで簡易にサブマウントを製造す
ることができるという利点を有する。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係るサブマウント、半導体装置およびサブマウン
トの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。な
お、本実施の形態では、図面の記載において同一あるい
は類似部分には同一あるいは類似な符号を付すこととす
る。
【0043】(実施の形態1)図2に示すように、この
半導体装置は、ヒートシンク10と、このヒートシンク
8上に接着層17を介して固着されたサブマウント7
と、このサブマウント7上に固着された半導体レーザ素
子8と、サブマウント7の側面上に位置する余剰半田部
分6とからなる。なお、説明の便宜上図示を省略した
が、実際にはさらに配線およびパッケージングなどが施
される。
【0044】ヒートシンク10は、活性層9で発生した
熱をサブマウント7を経由して受け取って外部へ放出す
るために、金属材料などの熱伝導性が良好な物質により
構成されたものである。ここでは、銅(Cu)をヒート
シンク10の材料として用いることとする。
【0045】接着層17は、ヒートシンク10と基板1
を接着する接着材料であり、具体的には、熱伝導性の良
い半田材または銀ペーストからなる。サブマウント7を
経由した熱をヒートシンク10に効率良く伝えるためで
ある。
【0046】サブマウント7は、半導体レーザ素子8が
発生する熱をヒートシンク10に伝熱する役割を有する
半導体レーザ素子8の配設部材であり、図1に示すよう
に、基板1と、該基板1の表面上に積層された第1の金
属層2と、この第1の金属層2上に積層された第1の半
田層4を有する。また、基板1の側面に積層された第2
の金属層3と、第2の金属層3上に積層された第2の半
田層5を有する。
【0047】このように、このサブマウント7は、従来
のように基板1上に単に第1の金属層2および第1の半
田層4を積層するだけではなく、その側面に第2の金属
層3および第2の半田層5を積層したことを特徴とす
る。かかる第2の金属層3および第2の半田層5を設け
た理由は、活性層9の近傍に余剰半田部分6が付着する
事態を避け、もって出射光の安定化を図るためである。
【0048】基板1は、主として半導体レーザ素子8と
ヒートシンク10の間の熱応力を緩和するために用いら
れるものであり、熱膨張係数が半導体レーザ素子8とヒ
ートシンク10の値の中間値をとる物質がこの基板1の
材料として用いられる。また、半導体レーザ素子8との
整合性を重視して半導体レーザ素子8を構成する半導体
単結晶の熱膨張係数に近い値を持つ材料を用いることも
できる。さらに、通常は半導体レーザ素子8の下面とヒ
ートシンク10は、電気的に絶縁された構造をとるた
め、基板1は絶縁性を有する物質からなることが望まし
い。ここではAlNを材料としている。
【0049】また、この基板1は、図1に示すようにそ
の側面が鉛直面と傾斜面とを有する構造となっている。
これは後述するサブマウントの製造方法との関係による
ものであり、基板1の構造はこれに限定されるものでは
ない。したがって、たとえば側面が鉛直面のみから構成
されるものであっても、本実施の形態1に係る基板1と
して用いることができる。
【0050】第1の金属層2は、半導体レーザ素子8を
サブマウント7上に固着する半田材(第1の半田層4)
が濡れ性良く広げるために用いられるものであり、第1
の半田層4を構成する半田材の材料に応じて第1の金属
層2に用いられる金属材料が決定される。なお、本実施
の形態1では、0.01μm厚のチタン(Ti)層、0.05μ
m厚の白金(Pt)層および0.5μm厚の金(Au)層
を順に積層した構造を用いることとしている。
【0051】第1の半田層4は、サブマウント7上に半
導体レーザ素子8を固着するためのものである。本実施
の形態1では、第1の半田層4を構成する半田材とし
て、共晶温度が低く固着する強度の強いAu−Sn共晶
半田を用いている。この他にもAu−Ge、Au−S
i、Pb−Snなどの共晶半田材を用いることもでき
る。
【0052】この第1の半田層4は、第1の金属層2の
全領域にわたって積層する必要はない。具体的には、こ
の第1の半田層4の領域は、サブマウント7上に固着す
る半導体レーザ素子8の大きさに合わせて決定される。
通常は、この第1の半田層4によって放熱効率が低下す
るのは望ましくないので、第1の半田層4の領域は、半
導体レーザ素子8の下面すべての領域が半田材と接触す
るように決定される。なお、本実施の形態1では、第1
の半田層4の厚みを3μm程度としている。
【0053】第2の金属層3は、基板1の側面上に積層
されており、その上端部は第1の金属層2の端部と接続
されている。また、第2の金属層3は、基板1の側面の
下端にまでは延伸しない構造としている。その理由は、
すでに説明したように通常の半導体レーザ装置において
は半導体レーザ素子8とヒートシンク10とは電気的に
絶縁した構造にする必要があるためである。なお、この
第2の金属層3は、基板1の側面の下端に接触しなけれ
ばよいというものではなく、第2の金属層3の下端は基
板1の側面の下端からある程度距離を保った構造にする
ことが望ましい。その理由は、半導体レーザ素子8をサ
ブマウント7上に固着する際に漏れ出す半田材によって
第2の金属層3とヒートシンク10が導通することを防
止するためである。
【0054】この第2の金属層3を構成する金属材料に
は、通常は第1の金属層2を構成する金属材料と同じも
のを用いる。第1の半田層4および第2の半田層5を構
成する半田材に対して濡れ性の良い物質であれば、この
第2の金属層3を第1の金属層2と別の金属材料で構成
することもできるが、製造コストを低減する観点から見
ると同じ金属材料を用いることが望ましい。
【0055】第2の半田層5は、第1の半田部4から漏
れ出した半田材を基板1の側面に導くものであり、具体
的には、第2の金属層5上に積層され、その上端が第1
の半田層4に接触した構造となる。この第2の半田層5
は、第2の金属層3の全領域上に設ける必要は、必要最
小限の領域に積層すれば足りる。また、この第2の半田
層5は、第1の半田層4よりもその厚みを薄くすること
ができる。その理由は、この第2の半田層5は、第1の
半田層4のように他の構成物を固着するために設けたも
のではなく、漏れ出した半田材を確実に基板1の側面に
導くために設けたものだからである。
【0056】半導体レーザ素子8は、図示しない電極か
らの電圧の印加により活性層9から出射光(レーザ)を
照射する素子であり、すでに説明したサブマウント7上
に固着される。この際、熱を発生するのは活性層9であ
るので、この活性層9で発熱した熱を効率よく放出する
ために、活性層9との間の距離が短い表面をサブマウン
ト7に固着する。なお、本実施の形態1に用いる半導体
レーザ素子8には、ホモ接合レーザ、二重へテロ接合レ
ーザ(DHレーザ)またはDHストライプレーザなどの
レーザ素子を用いることができ、半導体レーザ素子8を
構成する半導体単結晶についてもGaAs、InP、G
aNなどを用いることができる。
【0057】余剰半田部分6は、半導体レーザ素子8を
固着する際に漏れ出た半田材によって形成される半田部
分であり、図2に示すように第2の金属層3上に形成さ
れる。この余剰半田部分6が、サブマウント7と半導体
レーザ素子8の境界面付近に存在しないようにすること
で、活性層9から出射されるレーザ光の乱反射等が生じ
ないようにし、もって活性層9と平行に発光できるよう
にしている。
【0058】次に、本実施の形態1に係る半導体装置の
製造方法について説明する。なお、半導体レーザ素子8
およびヒートシンク10は、従来から知られた方法で製
造することができ、またサブマウント7のヒートシンク
10上への固着についても従来から知られた方法で可能
であるので、ここではその説明を省略する。また、サブ
マウント7の製造方法については後述する。
【0059】この半導体装置の製造方法は、以下に示す
通りである。まず、ヒートシンク10上に固着したサブ
マウント7を250度以下の窒素雰囲気中で保持し、半
導体レーザ素子8を第1の半田層4上に配置する。この
際、半導体レーザ素子8の出射面と第2の金属層3およ
び第2の半田層5を積層した側面が連続するように配置
する。
【0060】そして、半導体レーザ素子8に対して鉛直
下方向に外部から力を印加する。印加する力の大きさは
0.1N程度でよい。そして、装置全体を加熱し、第1
の半田層4および第2の半田層5を構成する半田材を流
動状態にする。加熱する温度は320度程度が適切であ
る。その後、装置全体に低温の窒素気体を吹き付けるこ
とによって半導体装置の温度を下げ、第1の半田層4、
第2の半田層5および余剰半田部分6を構成する半田材
を硬化させる。その後、必要な金属配線およびパッケー
ジングを施すことにより実施の形態1に係る半導体装置
を完成する。
【0061】かかる半導体製造工程において、半田材を
流動状態にする際に半導体レーザ素子8に圧力を加えて
いるので、流動化した半田材の一部がサブマウント7と
半導体レーザ素子8の境界面から漏れ出すことになる。
しかしながら、それと同時に第2の半田層5を構成する
半田材も流動化しているため、漏れ出した一部の半田材
は容易に第1の金属層2と第2の金属層3との間の境界
線を越えることができる。
【0062】すなわち、上記のように装置全体を加熱し
た際、第1の金属層2と第2の金属層3との境界線を覆
う形で流動化した半田材が存在している。したがって、
漏れ出した半田材は、第1の半田層4から第2の半田層
5へスムーズに流れることができることとなり、上記境
界線でせき止められて半導体レーザ素子8の側面に付着
することはない。
【0063】その後、第2の半田層5へ移動した半田材
は、重力の作用により第2の金属層3上を下方へと移動
する。そして、この半田材は、第2の金属層3の下端付
近でせき止められ、余剰半田部分6を形成する。また、
第2の金属層3の下端は、基板1の下端から一定の距離
を有するため、ヒートシンク10と半導体レーザ素子8
との間の絶縁性が維持される。このようにして完成した
実施の形態1に係る半導体装置は、活性層9の周辺に余
剰半田部分を発生させないものとなるので、出射光の乱
反射や、発光そのものが遮られることを防止することが
可能となる。
【0064】次に、図1に示したサブマウント7の製造
方法について図3を用いて説明する。図3は、図1に示
したサブマウント7の製造方法を説明するために主要な
工程について示した模式図である。具体的には以下の
(イ)〜(ニ)に示すとおりである。
【0065】まず(イ)同図(a)に示すように、主表
面が(001)面でAlN結晶からなる200μm厚の
基板1を用意した後、同図(b)に示すようにダイシン
グソーを用いて溝部11を形成する。ここでは、溝部1
1の相互の間隔を800μmとする。その理由は、半導
体レーザ素子8の共振器長にあわせるためであり、溝部
11の間隔は半導体レーザ素子8の大きさに応じて適宜
変更することができる。また、溝部11の幅は100μ
m、深さは75μmとする。深さについては、基板1の
厚みに対して1/2以上となる場合製造途中で基板1が
割れるおそれがあるため基板1の厚みの1/3〜1/2
程度とすることが望ましい。
【0066】そして、(ロ)スパッタリング法により基
板1の表面上に第1の金属層2を積層するとともに、溝
部11の内部表面上に第2の金属層3を積層する。具体
的には、第1の金属層2および第2の金属層3につい
て、Ti、Pt、Auの順に積層していく。なお、金属
層を形成する必要がない領域については、あらかじめレ
ジスト膜等により保護しておき、金属を積層した後リフ
トオフ法を用いて積層した金属を除去する。その結果、
図3(c)に示すように、第1の金属層2および第2の
金属層3が形成される。
【0067】その後、(ハ)フォトリソグラフィ法をも
ちいて第1の半田層4および第2の半田層5の形成予定
領域に開口部を有するレジストパターンを形成する。そ
の後、蒸着またはスパッタリング法により半田材である
Au−Snを積層し、リフトオフ法によりレジストパタ
ーンおよびレジストパターン上に積層されたAu−Sn
を除去する。その結果、図3(d)に示すように、第1
の半田層4、第2の半田層5が形成される。そして、
(ニ)最後にチップ分離装置を用いて溝部11の最深部
を境界として基板1を分離して、サブマウント7は完成
する。
【0068】上記サブマウント7の製造方法によれば、
溝部11を形成した後に金属を積層するため、第1の金
属層2および第2の金属層3を一度に形成することがで
きる。したがって、第1の金属層2と第2の金属層3を
別々に形成する製造方法よりも、簡易に金属層を形成す
ることができる。このことは、第1の半田層4および第
2の半田層5に関しても同様である。
【0069】また、上記の製造方法では、第2の金属層
3および第2の半田層5を積層した後に個々のサブマウ
ント7に分離する。このため、分離する際に形成される
サブマウント7の側面部の表面にはAlNが露出し、第
2の金属層3および第2の半田層5が基板1の下端付近
には存在しない構造を容易に実現することができる。
【0070】さらに、半導体プロセスで一般に使用され
るダイシングソーを溝部11の形成に使用することか
ら、特別な装置を導入しなくとも本実施の形態1に係る
半導体装置を製造することができるため、製造コストの
面でも利点を有する。
【0071】なお、この製造方法により得られたサブマ
ウント7は、半導体レーザ素子の共振器を構成する鏡面
の両方からレーザ光を出射する構造を有する半導体レー
ザ素子に用いることを想定している。鏡面の一方のみか
らレーザ発振させるレーザ素子を固着する場合には、溝
部11相互の間隔を2倍にして、最後に2つに分割する
ことで、1つの側面上にのみ第2の金属層3および第2
の半田層5を有するサブマウントを製造することができ
る。
【0072】また、上記の方法によって製造されるサブ
マウント7の側面は、鉛直面のみならず斜面も有する構
造となっている。しかし、(ニ)の工程で個々のサブマ
ウント7に分離する際に、チップ分離装置の分離幅を溝
部11の幅から第2の金属層3および第2の半田層5の
厚みの分だけ差し引いた幅とすれば、側面が鉛直面のみ
からなるサブマウントを製造することができる。かかる
構造とすることにより、半導体装置の小型化が可能とな
り、また半導体装置を設置する回路基板における占有面
積を減少することができる。
【0073】また、(イ)の工程でダイシングソーによ
って溝部11を形成する代わりに、フォトリソグラフィ
法により溝部11形成予定領域に開口部を有するレジス
トパターンを基板1の表面に形成し、RIE法等により
異方性エッチングすることもできる。この場合には、底
部が基板表面と平行な溝部が形成され、側面が階段状と
なったサブマウントができる。また、(111)面を露
出させるようにエッチングすることにより、ダイシング
ソーを用いた場合と同様の斜面を形成することが可能で
ある。
【0074】上述してきたように、実施の形態1に係る
半導体装置によれば、余剰半田部分6をサブマウント7
の側面上に形成するよう構成したので、第1の半田層4
から漏れ出した半田材が半導体レーザ素子8の発光に影
響を与える事態を防止できるという効果を奏する。
【0075】また、サブマウント7の製造を上述した方
法でおこなうことにより、基板1側面の下端付近に金属
層および半田層を有さないサブマウントを容易に製造で
きるという効果を奏する。
【0076】(実施の形態2)次に、図4(a)および
(b)を用いて本実施の形態2に係る半導体装置につい
て説明する。なお、実施の形態1と同様の部分について
は同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略
する。
【0077】本実施の形態2に係る半導体装置は、ヒー
トシンク10と、接着層17によりヒートシンク上に固
着されたサブマウント16と、サブマウント16上に固
着された半導体レーザ素子8と、サブマウント16と半
導体レーザ素子8の間に余剰半田部分15とを有し、図
示省略した金属配線およびパッケージングを有する装置
である。
【0078】サブマウント16は、図4(a)に示すよ
うに、基板12と、基板12上であって基板表面の端部
からの距離がl以上離れた領域上に積層された金属層1
3と、金属層13上に積層された半田層14とからな
る。
【0079】金属層13は、上記実施の形態1と異な
り、基板12の表面上にのみ積層されている。また、こ
の金属層13の端部が、基板12の表面端部から距離l
だけ離れていることも実施の形態1と異なる。このよう
に、金属層13を基板12の表面端部から離れて位置さ
せることにより、基板12と半導体レーザ素子8の接触
面積が減少し、レーザ素子8で発生した熱を外部に放出
する効率は低下するので、距離lを10μm以下にする
ことが望ましい。なお、本実施の形態2においてはl=
10μmとしている。
【0080】半田層14は、金属層13上に積層され
る。したがって金属層13と同様に、半田層14の端部
は基板12の表面端部から距離lだけ離れている。
【0081】余剰半田部分15は、基板12の表面上で
あって、基板12と半導体レーザ素子8に挟まれた領域
上に位置する。この余剰半田部分15が、活性層9の周
辺に存在しないようにすることで、出射するレーザ光は
乱反射等を防止することができる。
【0082】なお、本実施の形態2では、説明の便宜上
基板12を直方体の形状としたが、本発明はこの形状に
限定されるものではない。例えば、実施の形態1におけ
る基板1と同様の形状としてもかまわない。また、金属
層13についても、その端部が基板12の表面端部から
長手方向に距離lだけ離れるという条件を満たせば、図
4(a)に示すパターン以外でもかまわない。
【0083】次に、余剰半田部分15が形成される原理
について説明する。余剰半田部分15は、半導体レーザ
素子8をサブマウント16上に固着する際に半田層14
を構成する半田材の一部が流動化して漏れ出すことによ
り形成される。ここで、金属層13の端部は、基板12
の表面端部から距離lだけ離れているため、基板表面の
うち端部から距離l以内の領域は基板12が露出した構
造となっている。基板12は実施の形態2においてもA
lN結晶からなるため、半田材の濡れ性は悪い。したが
って、半田層14から漏れ出した半田材は、基板12表
面上を広がることはできず、金属層13の端部付近にと
どまることとなるので、結果的に余剰半田部分15が形
成される。このため、本実施の形態2に係る半導体装置
によれば、半田材が活性層9付近まで漏れ出してレーザ
発光に影響を与えるといった欠点を効果的に防止するこ
とができる。
【0084】実施の形態2に係る半導体装置を構成する
サブマウント16は、基本的には実施の形態1における
サブマウント7と同様に製造することができる。しか
し、実施の形態1における(ロ)の工程で金属層13お
よび半田層14を形成する際に、基板12の表面端部に
金属層13および半田層14が形成されることのないよ
うにレジストパターンを形成することが必要である。
【0085】また、サブマウント16の製造方法におい
て、(イ)の工程における溝部11の形成を省略するこ
とも可能である。サブマウント16は、基板12の側面
において金属層および半田層を形成する必要がないため
である。溝部の形成を省略した場合、さらに簡易にサブ
マウント16を製造することができる。
【0086】(実施の形態3)次に、図5(a)、
(b)を用いて実施の形態3に係る半導体装置について
説明する。なお、実施の形態1または実施の形態2と同
様の部分については同一の符号を付すこととして、その
詳細な説明を省略する。
【0087】本実施の形態3に係る半導体装置は、図5
(b)に示すようにヒートシンク10と、ヒートシンク
10上に接着層17を介して固着されたサブマウント2
0と、サブマウント20上に固着された半導体レーザ素
子8と、サブマウント20の側面上に位置する余剰半田
層25とを有し、図示省略した金属配線およびパッケー
ジングを施すことにより構成される。
【0088】サブマウント20は、図5(a)に示すよ
うに、基板21と、基板21上に積層された金属層22
と、金属層22上に積層された半田層23とを有し、基
板21の長手方向の端部付近に設けられた凹部24を有
することを特徴とする。
【0089】凹部24は、基板21の長手方向の端部に
形成され、基板21を鉛直方向に貫く円柱の形状を有す
る。また、図5(b)から明らかなように、凹部24の
直径は半導体レーザ素子8の短手方向の幅よりも小さ
い。
【0090】余剰半田部分25は、凹部24の内表面上
であって基板21の表面付近に位置する。凹部24は基
板21の側面に対して内部方向にえぐれた構造をとって
いるため、余剰半田部分25が活性層9に到達すること
はなく、半導体レーザ素子8の発光に対して影響を与え
ないという利点を有する。
【0091】実施の形態3に係る半導体装置を構成する
サブマウント20は、基本的には実施の形態1で示した
サブマウント7と同様に製造できる。ただし、凹部24
を形成するため、サブマウント7の製造方法の(イ)の
工程において、溝部を形成する前に凹部24形成予定領
域に開口部を有するレジストパターンを形成し、RIE
法などの異方性エッチングによって凹部24を形成して
おく必要がある。なお、(イ)の工程における溝部11
の形成を省略することも可能である点は、実施の形態2
の場合と同様である。
【0092】(変形例1)図6(a)に、実施の形態3
の変形例1に係るサブマウントを示す。変形例1は金属
層26および半田層27の端部が、基板21の表面端部
から長手方向に距離l'だけ離れた構造をとる。この構
造は実施例2において金属層13および半田層14に採
用されているものである。したがって変形例1によって
実施例3における利点と、実施例2における利点を併せ
持ったサブマウントを提供することが可能となる。
【0093】(変形例2)図6(b)は実施の形態3の
変形例2に係るサブマウントを示す。変形例2は、凹部
24の内表面上にも金属層28および半田層29を積層
したことを特徴とする。変形例2はいわば実施の形態3
と実施の形態1のそれぞれに係る半導体装置を構成する
サブマウントの特徴を併せ持つものであって、実施の形
態3および1における利点を有するサブマウントを提供
することが可能である。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、サブマウントが側面に第2の金属層を有
し第2の金属層上に第2の半田層を有することから、サ
ブマウント上に半導体素子を固着する際に漏れ出した半
田材が第2の半田層下端にまで流れ、半導体素子の側面
に半田材の付着を防止するという効果を奏する。
【0095】また、請求項2に記載の発明によれば、サ
ブマウントが基板表面のうち端部周辺には金属層を有さ
ないため、サブマウント上に半導体素子を固着する際に
漏れ出す半田材を金属層端部にとどめ、半導体素子の側
面に半田材の付着を防止することができるという効果を
奏する。
【0096】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項2に記載の発明において金属層端部と基板表面端部
の間の距離を限定することにより放熱効果の減少を無視
できる範囲に抑えるという効果を奏する。
【0097】また、請求項4に記載の発明によれば、サ
ブマウントが基板端部に凹部を有するため、サブマウン
ト上に半導体素子を固着する際に漏れ出す半田材を凹部
において吸収し、半導体素子の側面に半田材の付着を防
止するという効果を奏する。
【0098】また、請求項5に記載の発明によれば、第
2の半田層を有するサブマウントを半導体素子の台座と
して用いることで、半導体素子の固着の際に漏れ出した
半田材がサブマウント側面を下方に流れる。したがって
半導体素子の側面に付着することのない半導体装置を実
現できるという効果を奏する。
【0099】また、請求項6に記載の発明によれば、基
板表面の端部に金属層および半田層を有さないサブマウ
ントを半導体素子の台座として用いることで、半導体素
子の固着の際に漏れ出した半田材を半導体素子の下部に
とどめ、側面に付着することのない半導体装置を実現で
きるという効果を奏する。
【0100】また、請求項7に記載の発明によれば、請
求項6に記載の発明において基板表面の端部と金属層の
端部との間の距離を限定したサブマウントを用いること
で、放熱効果を損なうことのない半導体装置を実現でき
るという効果を奏する。
【0101】また、請求項8に記載の発明は、基板表面
の端部に凹部を設けたサブマウントを半導体素子の台座
に用いることで、半導体素子の固着の際に漏れ出した半
田材を凹部に吸収することで半導体素子の側面に半田材
を付着させることのない半導体装置を実現できるという
効果を奏する。
【0102】また、請求項9に記載の発明によれば、請
求項5から8に記載の発明において半導体素子として半
導体レーザ素子を用いることで、出射光が乱反射等され
ることのない半導体装置を実現することができるという
効果を奏する。
【0103】また、請求項10に記載の発明によれば、
基板に溝部を形成し、金属層、半田層と積層した後に個
々のサブマウントに分割することで、簡易に基板側面下
端に金属層等を有さないサブマウントを製造できるとい
う効果を奏する。
【0104】また、請求項11に記載の発明によれば、
請求項10に記載の発明において溝部の形成をダイシン
グソーによりおこなうことで、既存の装置を用いてサブ
マウントが製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体装置を構成
するサブマウントの構造を示す鳥瞰図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構造
を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る半導体装置を構成
するサブマウントの製造において主要な工程を示す図で
ある。
【図4】(a)は、本発明の実施の形態2に係る半導体
装置を構成するサブマウントの構造を示す鳥瞰図であ
る。(b)は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置
の構造を示す断面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施の形態3に係る半導体
装置を構成するサブマウントの構造を示す鳥瞰図であ
る。(b)は、本発明の実施の形態3に係る半導体装置
の構造を示す鳥瞰図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明の実施形態3の変形
例に係る半導体装置を構成するサブマウントの構造を示
す鳥瞰図である。
【図7】(a)、(b)は、従来技術に係る半導体装置
の構造を示す断面図である。
【図8】(a)、(b)は、従来技術に係る半導体装置
の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1、12、21、32 基板 2 第1の金属層 3 第2の金属層 4 第1の半田層 5 第2の半田層 6、15、35、40、41、42 余剰半田部分 7,16、20 サブマウント 8、37 半導体レーザ素子 9、36 活性層 10、30 ヒートシンク 11 溝部 13、22、26、28、33、39 金属層 14、23、27、31、34 半田層 17 接着層 24 凹部 38 出射光 41 空洞部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面上に第1の金属層並びに第1
    の半田層を順次積層し、該第1の半田層を介して前記基
    板上に半導体素子を固着するサブマウントであって、 前記第1の金属層と接触させつつ、前記基板の側面上に
    積層した第2の金属層と、 前記第1の半田層と接触させつつ、前記第2の金属層上
    に積層した第2の半田層と、 を備えたことを特徴とするサブマウント。
  2. 【請求項2】 基板の表面上に金属層並びに半田層を順
    次積層し、該半田層を介して前記基板上に半導体素子を
    固着するサブマウントであって、 前記金属層を、端部付近を除く前記基板表面の一部領域
    上に積層したことを特徴とするサブマウント。
  3. 【請求項3】 前記基板表面の端部と、前記金属層の端
    部との間の距離が0.1μm〜10μmであることを特
    徴とする請求項2に記載のサブマウント。
  4. 【請求項4】 基板の表面上に金属層並びに半田層を順
    次積層し、該半田層を介して前記基板上に半導体素子を
    固着するサブマウントにおいて、 前記基板表面の端部であって、前記半田層上に固着する
    半導体素子の下部に位置する前記基板領域上に設けられ
    た凹部を備えたことを特徴とするサブマウント。
  5. 【請求項5】 熱を外部に放出するためのヒートシンク
    と、該ヒートシンク上に接着層を介して固着し、基板の
    表面上に第1の金属層並びに第1の半田層を順次積層し
    たサブマウントと、該サブマウント上に前記第1の半田
    層を介して固着する半導体素子とを有する半導体装置に
    おいて、 前記第1の金属層と接触させつつ、前記基板の側面上に
    積層した第2の金属層と、 前記第1の半田層と接触させつつ、前記第2の金属層上
    に積層した第2の半田層と、 前記第2の半田層上に位置する余剰半田部分と、 を備えたことを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 熱を外部に放出するためのヒートシンク
    と、該ヒートシンク上に接着層を介して固着し、基板の
    表面上に金属層並びに半田層を順次積層したサブマウン
    トと、該サブマウント上に前記半田層を介して固着する
    半導体素子とを有する半導体装置において、 前記金属層が、端部付近を除く前記基板表面の一部領域
    上に積層され、 前記基板表面の他の領域上に位置する余剰半田部分を備
    えたことを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記金属層端部と前記基板表面の端部と
    の間の距離が0.1μm〜10μmであることを特徴と
    する請求項6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 熱を外部に放出するためのヒートシンク
    と、該ヒートシンク上に接着層を介して固着し、基板の
    表面上に金属層並びに半田層を順次積層したサブマウン
    トと、該サブマウント上に前記半田層を介して固着する
    半導体素子とを有する半導体装置において、 前記基板表面の端部であって前記半導体素子の下部の領
    域に設けられた凹部と、 該凹部内表面上に位置する余剰半田部分とを備えるサブ
    マウントと、 を備えたことを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記半導体素子は半導体レーザ素子であ
    ることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の半
    導体装置。
  10. 【請求項10】 基板表面に対し垂直方向に溝部を形成
    する工程と、 前記基板上に金属層を積層する工程と、 前記金属層上に半田層を積層する工程と、 前記溝部を境界として基板を個々のサブマウントに分割
    する工程と、 を備えたことを特徴とするサブマウントの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記溝部を形成する工程は、ダイシン
    グソーによっておこなわれることを特徴とする請求項1
    0に記載のサブマウントの製造方法。
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