JP2003045442A - 貴金属−卑金属合金系触媒とその評価および製造方法 - Google Patents
貴金属−卑金属合金系触媒とその評価および製造方法Info
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Abstract
うことを可能にし、高性能な燃料電池を製造する。 【解決手段】 貴金属の一つとしての白金と卑金属の一
つとしての鉄とを、比表面積の大きなカーボンに担持
し、更に鉄を還元可能な温度にして、鉄を還元する。こ
うして得られた白金鉄合金系の電極触媒は、触媒として
の機能が高く、これを用いて製造した燃料電池のIR補
正電圧は、高い。かかる電極触媒は、新規な触媒であ
り、一酸化炭素の吸着量が白金1グラム当たり14Nc
c以上であり、EDX分析によるPt原子とFe原子の
数の比が0.14以上であり、あるいはEXAFS分析
による両原子の結合数の比が0.10以上である、とい
った数値により特定可能である。こうした数値により電
極触媒を評価することができ、評価結果を利用して燃料
電池を製造すれば、高い性能を有する燃料電池を製造す
る事ができる。
Description
定される電極触媒の評価技術、燃料電池の性能評価技
術、およびこれら評価技術によって評価された電極触
媒、およびその電極触媒を備える燃料電池並びにその製
造方法に関する。
1つの要素であり、燃料電池性能を評価する一つの手法
として、これまで多くの電極触媒性能の評価技術が提案
されてきた。従来より実施されている電極触媒の評価で
は、燃料電池を形成した後に電池を放電させて出力電位
を測定する方法、あるいは、電極触媒を電解液中に浸し
て電位をスイープして電流を測定するサイクリックボル
タンメトリ法(CV法)が知られている。これら従来の
電極触媒性能評価方法は、いずれも電極触媒に対して通
電を行なう電気化学的な評価方法であった。
開発の盛んな燃料電池は複数の単電池の積層体であり、
単電池は膜−電極接合体(MEA)を両側からセパレー
タで挟むことによって形成される。一般的に、燃料電池
に所期の性能を望む場合には積層体を構成する個々のM
EAに対して所望値以上の性能を有することが要求され
る。したがって、電池形成後に電極触媒の評価を行なう
場合には、MEA単位にて評価を行なう必要があると共
に、各MEAの出力電圧は微弱であるため金属イオンの
付着に細心の注意を払う必要があるなど測定に手間を要
した。さらに、その形成に手間を要すると共に所望の特
性を得るための調整が困難であるMEAを形成してから
でなければ電極触媒を評価することができないという問
題があった。
ボン担体上に白金等の貴金属が担持されてなり、電解質
バインダと共に電解質膜上に固定されてMEAを形成す
る。カーボンは、一般的に20〜100nm程度の粒径
を有すると共にカーボン原子(一次粒子)同士が堅く吸
着し合い二次粒子(アグロメレート)を形成する特徴を
有している。これに対して、白金の粒子径は約2〜3n
m、電解質バインダの粒子径はカーボンの一次粒子間寸
法より大きいため、電解質バインダはカーボンの一次粒
子間に入り込むことができず、結果として一部の白金は
化学反応に寄与することはできない。ここで、電極触媒
を電解液中に浸して測定が実施されるCV法では、用い
られる電解液の粒子径はカーボンの一次粒子間寸法より
も小さく、電解液は本来電解質バインダと接触していな
い白金(触媒反応に寄与しない白金)とも接触する。し
たがって、反応に寄与しない白金を含めて電極触媒性能
を評価してしまうことになり、電極触媒性能(燃料電池
性能)の正確な評価を実行できないという問題があっ
た。
料電池の特性を、電極触媒の段階で予測することができ
ず、高性能の燃料電池を製造することが難しいという問
題もあった。また、単電池間の性能にバラツキが大きい
と、単電池を複数積層した燃料電池の特性を十分なもの
にすることが難しいから、従来、燃料電池全体としてそ
の高性能化を追求しようとすると、単電池の性能を一つ
一つを評価してから積層することが要求され、製造上の
隘路となっていた。
媒を問わず、電極触媒を用いた燃料電池製造上の課題で
あった。なお、合金系の触媒としては、白金−鉄合金触
媒が知られているが(例えば、特開平3−68452号
等)、合金系触媒の性能評価に多大の手間を要する点に
ついては、何らの改善も従来提案されていなかった。
れたものであり、燃料電池性能の評価を簡便かつ正確に
行なうことを目的とする。さらに、これらの評価技術を
用いて性能の高い電極触媒および燃料電池を製造するこ
とを目的とする。
記課題を解決するために本発明の第1の電極触媒の製造
方法は、燃料電池に用いられる電極触媒の製造方法であ
って、比表面積が所定値以上のカーボンを担体として、
該カーボンに、貴金属の一つを、所定担持密度で担持さ
せる貴金属担持工程と、該貴金属が担持されたカーボン
の担体に、卑金属の一つを、所定担持密度で担持させる
卑金属担持工程と、該担持された卑金属の還元処理が可
能な温度まで昇温する昇温工程と該昇温して還元処理を
行なった後、更に加温して、前記カーボンを担体とし
て、前記貴金属と前記卑金属との合金化を行なう合金化
工程とを備えることを要旨とする。
製造装置としての発明は、燃料電池に用いられる電極触
媒の製造装置であって、比表面積が所定値以上のカーボ
ンを担体として、該カーボンに、貴金属の一つを、所定
担持密度で担持させる貴金属担持手段と、該貴金属が担
持されたカーボンの担体に、卑金属の一つを、所定担持
密度で担持させる卑金属担持手段と、該担持された卑金
属の還元処理が可能な温度まで昇温する昇温手段と該昇
温して還元処理を行なった後、更に加温して、前記カー
ボンを担体として、前記貴金属と前記卑金属との合金化
を行なう合金化手段とを備えたことを要旨としている。
れば、比表面積が所定値以上のカーボンを担体として、
貴金属の一つと卑金属の一つとを担持させ、これを卑金
属の還元処理が可能な温度まで昇温し、還元処理を行な
った後、更に加温して、貴金属と卑金属との合金化処理
を行なう。こうして得られた電極触媒は、きわめて高い
触媒活性を示す。従って、これを燃料電池用電極に用い
ると、燃料電池として高い出力電位を得ることができ
る。
の一つを白金とし、卑金属の一つを鉄とすることができ
る。貴金属としては、白金の他、金、銀、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムから一
つを選択することができる。また、卑金属としては、鉄
の他、ニッケル、マンガン、コバルト、クロム、銅、亜
鉛、モリブデン、タングステン、ゲルマニウム、錫など
から一つを選択することができる。なお、貴金属と卑金
属の合金を担持する場合、各金属は一種類に限る必要は
なく、2以上の貴金属や2以上の卑金属を用いたいわゆ
る多元系の合金とすることも差し支えない。これは、以
下説明する総ての貴金属−卑金属合金について当てはま
る。
上とすればよく、更に望ましくは、800m2 /g以上
とすることができる。
び卑金属を還元でき、かつ担持単体が過度に反応されな
い温度であることが望ましく、例えば400℃〜900
℃とすることができ、更に望ましくは、500℃〜70
0℃とすることができる。
の粉体が分散された溶液に、白金を、白金の錯体溶液、
例えば硝酸系錯体水溶液やアンミン系錯体、カルボキシ
ル系錯体水溶液や、亜硫酸系水溶液の形態で供給し、そ
の後、酸化用の薬液を供給する工程を採用することがで
きる。
されたカーボン粉末が分散された溶液に、鉄を、鉄の塩
溶液、例えば硝酸鉄溶液、水酸化鉄溶液、塩化鉄溶液、
硫酸鉄溶液などの形態で供給し、かつ該塩溶液の供給速
度を、前記カーボン粉末が分散された溶液に対して、
0.88ないし11ミリmol/分とすることが望まし
い。
塩溶液の供給がなされた後の溶液に対して、アルカリ溶
液を供給し、かつ該アルカリ溶液の供給速度を、前記塩
溶液が混合された溶液に対して、1.25ないし10ミ
リmol/分とすることが望ましい。
従来知られていた電極触媒と比べて、きわめて高い活性
を示す。即ち、製造方法が新規なものであるだけでな
く、得られた電極触媒自身も新規なものであると言え
る。本発明の第1の燃料電池用電極触媒は、貴金属と卑
金属の合金が、カーボンに担持された燃料電池用電極触
媒であって、貴金属原子と卑金属原子との数の比が、E
DX分析で、0.14以上であることを要旨としてい
る。即ち、発明者等は、得られた電極触媒のEDX分析
により得られた原子の数の比と電極触媒としての機能と
を調べ、既述した製造方法に拠れば、高い性能を示す電
極触媒を得ることができ、かつその触媒は、貴金属原子
と卑金属原子との数の比が、0.14以上であることを
見い出した。原子の数の比とは、例えば白金と鉄であれ
ば、原子数でFe/Ptを言う。EDX分析とは、エネ
ルギ分析型エックス線分析法であり、個々の触媒粒子に
電子線を当て、電子線と構成原子との相互作用により生
じるエックス線(X線)のスペクトルを解析すること
で、個々の触媒粒子に含まれている元素を分析する手法
である。かかる手法により求められた個々の触媒粒子に
含まれる貴金属原子と卑金属原子の数の比は、担体に担
持された総量としての貴金属と卑金属の単純な原子比や
重量比とは異なる。かかる値により特定された原子の数
の比以上の値を持つ電極触媒では、貴金属の触媒作用が
向上し、燃料電池用電極触媒として優れた活性を示す。
ても特定することができる。即ち、本発明の第2の燃料
電池用電極触媒は、貴金属原子と卑金属原子との結合数
比が、EXAFS分析で0.10以上であることを要旨
としている。即ち、発明者等は、得られた電極触媒のE
XAFS分析により得られた原子の結合数の比と電極触
媒としての機能とを調べ、既述した製造方法に拠れば、
高い性能を示す電極触媒を得ることができ、かつその触
媒は、貴金属原子と卑金属原子との結合数の比が、0.
10以上であることを見い出した。貴金属原子と卑金属
原子の結合数比とは、例えば白金と鉄であれば、(Pt
−Fe)/{(Pt−Fe)+(Pt−Pt)}を言
う。即ち、試料において、貴金属原子の全結合数(Pt
−PtとPt−Fe)における貴金属原子と卑金属原子
の隣り合っている数(Pt−Fe)の割合を言う。EX
AFS分析とは、エネルギを連続的に変えながらエック
ス線を試料に照射し、得られた吸収スペクトルに現れた
微細構造から、ほとんどナノメートルのオーダで、配列
を特定する分析方法である。エックス線を照射された試
料では、その波長に応じて特定の内核電子が励起され光
電子として飛び出してくるが、その原子の近くに他の原
子が存在すれば、光電子は散乱される。この散乱の様子
が、吸収スペクトルの微細構造として現れるので、これ
を解析することから、ターゲットの原子の近傍に存在す
る他の原子などの情報(原子の種類や距離など)を得る
ことができるのである。かかる手法により求められた貴
金属原子と卑金属原子の結合数の比は、原子レベルで見
た合金の配列の状態を示しており、単純な原子比や重量
比とは異なる。かかる値により特定された原子の結合数
の比以上の値を持つ電極触媒では、貴金属の触媒作用が
向上し、燃料電池用電極触媒として優れた活性を示す。
金属と卑金属の合金が、カーボンに担持された燃料電池
用電極触媒であって、電極形成前の粉末の状態での酸素
脱離完了温度が280℃以下であることを要旨としてい
る。発明者等は、得られた電極触媒の酸素脱離完了温度
と電極触媒としての機能とを調べ、既述した製造方法に
拠れば、高い性能を示す電極触媒を得ることができ、か
つその触媒は、酸素脱離完了温度として、280℃以下
を示すことを見い出した。ここで、酸素脱離完了温度と
は、得られた触媒粉末を大気環境中に曝した後のものを
試料とし、不活性ガス(例えばヘリウムガス)を流した
環境下で徐々に加温し、試料から脱離してくる酸素量を
測定し、脱離が完了してそれ以上脱離してこなくなった
温度を言う。
は、貴金属と卑金属の合金が、カーボンに担持された燃
料電池用電極触媒であって、電極形成前の粉末の状態で
の二酸化炭素脱離ピーク温度が300℃以下であること
を要旨としている。この燃料電池用電極触媒は、発明者
等は、得られた電極触媒の二酸化炭素脱離ピーク温度と
電極触媒としての機能とを調べ、既述した製造方法に拠
れば、高い性能を示す電極触媒を得ることができ、かつ
その触媒は、二酸化炭素脱離ピーク温度として、300
℃以下を示すことを見い出した。ここで、二酸化炭素脱
離ピーク温度とは、得られた触媒粉末を大気環境中に曝
した後のものを試料とし、不活性ガス(例えばヘリウム
ガス)を流した環境下で徐々に加温し、試料から脱離し
てくる二酸化炭素量を測定し、脱離がもっとも激しく生
じるピーク温度を言う。
れた燃料電池用電極触媒の場合には、これを単一組成の
気体の吸着量で特定することも可能である。即ち、本発
明の第5の燃料電池用電極触媒は、電極形成前の粉末の
状態での単一組成も気体の吸着量が、貴金属1グラム当
たり所定値以上であることを要旨とする。例えば、単一
組成の気体が一酸化炭素の場合、貴金属1グラムあたり
の吸着量が12Ncc以上の電極触媒は、従来にない高
い活性を示す。なお、単一組成の気体としては、一酸化
炭素ガス、二酸化炭素ガス、水素ガス、酸素ガスなどの
ガスを用いることができる。
は、貴金属として白金を用い、卑金属として鉄を用いた
ものが考えられる。白金−鉄の組合わせは、きわめて良
好な活性を示した。
て把握した態様について説明する。本発明の第1の評価
方法は、貴金属−卑金属合金がカーボンに担持された電
極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する方法であっ
て、前記燃料電池に用いられる電極触媒が収容されてい
る収容装置内に単一組成の気体を供給し、前記電極触媒
に吸着された該単一組成の気体の吸着量を算出し、算出
された該単一組成の気体の吸着量から前記燃料電池の出
力電位を算出することを要旨としている。
ボンに担持された電極触媒において、これを用いて形成
する燃料電池の性能が、一酸化炭素ガスなどの単一組成
の気体の吸着量で評価できることを見い出したのであ
る。即ち、燃料電池を形成しなくても、電極触媒の単一
組成のガスの吸着量を用いることで、最終的に得られる
燃料電池の性能を評価することができ、結果的に開発の
リードタイムを短縮することができる。こうした単一組
成のガスとしては、一酸化炭素ガスの他、二酸化炭素ガ
ス、水素ガス、酸素ガスなど、種々のガスを考えること
ができる。
と卑金属の合金が、カーボンに担持された電極触媒を用
いた燃料電池の性能を評価する方法であって、前記電極
形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属原子との
数の比をEDX分析により求め、該比に基づいて前記燃
料電池の出力電位を算出することを要旨としている。E
DX分析によれば、個々の触媒粒子に含まれる貴金属原
子と卑金属原子の数の比を求めることができる。これ
は、担体に担持された総量としての貴金属と卑金属の単
純な原子比や重量比とは異なる。かかる値により特定さ
れた原子の数の比以上の値を持つ電極触媒では、貴金属
の触媒作用が向上し、燃料電池用電極触媒として優れた
活性を示す。この値を用いることで、最終的に得られる
燃料電池の性能を評価することができ、結果的に開発の
リードタイムを短縮することができる。
属の合金が、カーボンに担持された電極触媒を用いた燃
料電池の性能を評価する方法であって、前記電極形成前
の触媒粉末における貴金属原子と卑金属原子との結合数
比をEXAFS分析により求め、該結合数比に基づいて
前記燃料電池の出力電位を算出することを要旨としてい
る。EXAFS分析によれば、触媒粉末における貴金属
原子と卑金属原子の結合数の比を求めることができる。
この値は、原子レベルで見た合金の配列の状態を示して
おり、単純な原子比や重量比とは異なる。かかる値によ
り特定された原子の結合数の比以上の値を持つ電極触媒
では、貴金属の触媒作用が向上し、燃料電池用電極触媒
として優れた活性を示す。即ち、この結合数比の値は、
電極触媒の活性を示していることから、この値を用いる
ことで、最終的に得られる燃料電池の性能を評価するこ
とができ、開発のリードタイムを短縮することができ
る。
と卑金属の合金が、カーボンに担持された電極触媒を用
いた燃料電池の性能を評価する方法であって、前記電極
形成前の触媒粉末における酸素脱離の完了温度を測定
し、該測定した脱離温度に基づいて前記燃料電池の出力
電位を算出することを要旨としている。
金系の電極触媒の燃料電池としての性能が、電極形成前
の触媒粉末の形態における酸素脱離の完了温度を測定す
ることで、評価できることを見い出した。即ち、触媒粉
末を徐々に加温して、触媒粉末から脱離してくる酸素量
を測定し、脱離が完了する温度を測定すると、脱離の完
了温度が低いほど、電極を形成した後の触媒の機能が良
好であることが見い出された。従って、この脱離完了温
度を測定することで、燃料電池としての出力電位を算出
して、触媒の燃料電池電極形成時の性能を評価すること
ができるのである。この結果、いちいち燃料電池を制作
しなくても電極触媒の性能を評価することができ、開発
のリードタイムを短縮することができる。
属の合金が、カーボンに担持された電極触媒を用いた燃
料電池の性能を評価する方法であって、前記電極形成前
の触媒粉末の二酸化炭素脱離ピーク温度を測定し、該測
定した二酸化炭素脱離ピーク温度に基づいて前記燃料電
池の出力電位を算出することを要旨としている。
金系の電極触媒の燃料電池としての性能が、電極形成前
の触媒粉末の形態における二酸化炭素脱離のピーク温度
を測定することで、評価できることを見い出した。即
ち、触媒粉末を徐々に加温して、触媒粉末から脱離して
くる二酸化炭素量を測定し、脱離がもっとも強く生じる
温度(ピーク温度)を測定すると、脱離のピーク温度が
低いほど、電極を形成した後の触媒の機能が良好である
ことが見い出された。従って、このピーク温度を測定す
ることで、燃料電池としての出力電位を算出して、触媒
の燃料電池電極形成時の性能を評価することができるの
である。この結果、いちいち燃料電池を制作しなくても
電極触媒の性能を評価することができ、開発のリードタ
イムを短縮することができる。
媒を構成する貴金属として白金を採用し、卑金属として
鉄を採用することができる。この組合わせによる触媒
は、上記の評価方法により、精度良くその燃料電池形成
時の機能を評価することができる。もとより、貴金属と
して白金以外の金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、イリジウム等を採用することも、本
発明の評価方法を適用する妨げとはならない。卑金属と
して、鉄以外のニッケル、マンガン、コバルト、クロ
ム、銅、亜鉛、モリブデン、タングステン、ゲルマニウ
ム、錫等を採用することも、同様に可能である。
装置として把握することもできる。即ち、本発明の燃料
電池の性能の評価装置は、貴金属−卑金属合金がカーボ
ンに担持された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価
する装置であって、前記燃料電池に用いられる電極触媒
が収容されている収容装置内に単一組成の気体を供給す
る単一組成気体供給手段と、前記電極触媒に吸着された
該単一組成の気体の吸着量を算出する吸着量算出手段
と、算出された該単一組成の気体吸着量から前記燃料電
池の出力電位を算出する出力電位演算手段とを備えたこ
とを要旨とする。
単電池を形成する前の電極触媒の状態で評価することが
でき、上記評価方法と同様の作用効果を奏することかで
きる。単一組成の気体としては、一酸化炭素ガス、二酸
化炭素ガス、水素ガス、酸素ガスなどを用いることがで
きる。
て説明する。上記の電極触媒およびその評価方法を利用
して、燃料電池を製造することができる。本発明の燃料
電池の製造方法は、比表面積が所定値以上のカーボンを
担体として、該カーボンに、貴金属の一つを、所定担持
密度で担持させる貴金属担持工程と、該貴金属が担持さ
れたカーボンの担体に、卑金属の一つを、所定担持密度
で担持させる卑金属担持工程と、該担持された卑金属の
還元処理が可能な温度まで昇温する昇温工程と該昇温し
て還元処理を行なった後、更に加温して、前記カーボン
を担体として、前記貴金属と前記卑金属との合金化を行
なう合金化工程と、該合金として得られた電極触媒の粉
末を評価する評価工程と、該評価済みの触媒粉末を、電
解質膜に固定して単電池を形成する形成工程とを備えた
ことを要旨としている。
に、燃料電池用電極触媒の性能を評価することができ、
性能が不十分な単電池を形成することがない。単電池に
おいて電解質膜に触媒粉末を固定する場合には、一旦形
成された電解質膜から触媒を分離することは困難なの
で、単電池の形成前に、触媒の評価を行ない、評価済み
の電極触媒を用いて製造を行なう利点は大きい。こうし
て製造された単電池を、例えば積層した燃料電池は、電
極触媒については所望の性能を発揮する。
工程では、既に電極触媒の評価方法で説明したように、 電極触媒に吸着される一酸化炭素ガスなどの単一組成
の気体の吸着量、 電極形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属原
子との数の比であってEDX分析により求めた値、 電極形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属原
子との結合数比であってEXAFS分析により求め値、 電極形成前の触媒粉末における酸素脱離の完了温度、 電極形成前の触媒粉末の二酸化炭素脱離ピーク温度 などを用いて、評価を行なうことができる。なお、この
製造方法において、貴金属として白金を選択し、卑金属
して鉄を選択することも、得られる燃料電池の性能を向
上する上で望ましい。もとより、白金や鉄以外の貴金
属、卑金属を選択することも可能である。また、選択す
る金属の数を増やし、三元系以上の多元系の合金触媒を
用いることができることは、既に述べた通りである。
積が所定値以上のカーボンを担体として、貴金属の一つ
と卑金属の一つとを担持させ、これを卑金属の還元処理
が可能な温度まで昇温し、還元処理を行なった後、更に
加温して、貴金属と卑金属との合金化処理を行なう。こ
うして得られた電極触媒は、きわめて高い触媒活性を示
す。従って、これを燃料電池用電極に用いると、燃料電
池として高い出力電位を得ることができる。
は、貴金属系の電極触媒に関するものであり、燃料電池
に用いられる電極触媒の製造方法であって、比表面積が
600以上1000m2 /g未満のカーボン担体に、貴
金属の一つを所定担持密度で担持させることを要旨とし
ている。こうした貴金属としては白金を選択することが
できる。本発明者等は、既に比表面積が1000m2 /
g以上のカーボン担体に貴金属系触媒を担持したものが
優れた性能を示すことを見い出したが、更に実験を重ね
て、比表面積が600以上1000m2 /g未満のもの
も、電極触媒として優れた特性を示すことを見い出し
た。
て詳しく説明する。まず、本発明の一実施例としての燃
料電池の製造方法について説明する。図1は、第1実施
例としての燃料電池の製造工程を示す工程図である。
工程を経て製造される。工程は、大きくは、電極触媒の
製造工程(工程S1ないしS4)と、燃料電池としての
組立工程(S11ないしS13)からなる。両工程につ
いて、順次説明する。先ず、電極触媒の製造工程では、
カーボンブラックを水に投入し、攪拌・分散する処理を
行なう(ステップS1)。具体的には比表面積が205
m2 /g以上(望ましくは600m2 /g以上)のカー
ボンブラック粉末578gを水58リットルに投入す
る。その後、カーボン粉末を投入した水を約4時間攪拌
し、カーボン粉末を水に十分に分散させるのである。
S2)。この工程は、次の三つの過程から構成されてい
る。 カーボン粉末を分散させた水溶液に、貴金属の一つと
して白金を選択し、この白金390gを含有する亜硫酸
系白金を硫酸水溶液8000gに添加した形態で加え、
十分に攪拌する。 ここに過酸化水素7リットルを2時間かけて滴下した
後、約1時間かけて、加温し(実施例では、95℃まで
昇温した)、その温度で1時間ほど保持し、その後、室
温まで冷却する。 冷却した後、蒸留水を用いて濾過し、濾液のpHが5
以上になるまで洗浄し、その後、100℃で6時間真空
乾燥する。 以上の処理により、カーボンブラックに40重量%の白
金を担持した白金担持カーボン触媒963gが得られ
た。なお、水に分散させたカーボンブラックに対する添
加した亜硝酸系白金の量を調整することにより、最終的
に得られる触媒における白金の重量%は調整可能であ
る。最終的な触媒としての機能については、後述する
が、白金の担持密度は、少なくとも15重量%から70
重量%であれば、電極触媒としての機能を発揮すること
ができる。なお、ここで一旦乾燥工程を経て白金担持カ
ーボンを得るのは、電極触媒の量を正確に管理するため
であり、工程が安定化すれば、乾燥過程を経ることな
く、洗浄後直ちに以下の工程(ステップS3以下)に移
行しても良い。
せる鉄担持工程を実行する(ステップS3)。この工程
は、次の二つの過程から構成されている。 乾燥させて得られた白金担持カーボン(963g)を
水5.5リットルに投入して、約1時間攪拌し、十分に
分散させる。 その後、0.1Mの硝酸鉄の6水和物(Fe(N
O3 )3 ・6H2 O)6.6リットルを1時間かけて滴
下し、2時間攪拌する。滴下速度は、0.11リットル
/分であり、鉄(Fe)原子としては11ミリmol/
分に相当する。滴下が完了した時点では、白金−鉄合金
組成として、鉄33atom%に相当する。即ち、白金
原子3個当たり、鉄原子1個の割合となっている。 次に、攪拌を続けながら、1.7%のアンモニア水溶
液3.6リトルを3時間かけて滴下する。滴下速度は、
20cc/分である。これはアンモニア分子としては、
10ミリmol/分に相当する。なお、滴下するもの
は、アンモニア水溶液に限定されるものではなく、溶液
をアルカリ性にするものであれば、採用可能である。水
溶液は、アンモニア等の投入により、そのpHは値10
程度までアルカリ化される。 以上の処理により、水酸化鉄Fe(OH)3 が白金担
持カーボン上に析出するので、これを蒸留して固形物と
し、更に蒸留水を用いて濾過し、濾液のpHが値4.5
以上になるまで洗浄した後、100℃で6時間真空乾燥
する。 以上の処理により、白金38.8重量%、鉄3.7重量
%がそれぞれ担持されたカーボン触媒が得られる。
還元する還元工程を実施する(ステップS4)。この還
元工程は、次の4つの過程から構成されている。 カーボン触媒を粉砕して粉体とし、これを電気炉に入
れる。 100%の水素ガスを流通し、電気炉により4時間か
けて、鉄を還元可能な温度(この実施例では500℃)
まで昇温し、1時間保持し、その後、窒素ガスを流通
し、900℃まで昇温し、1時間保持した。その後、室
温まで冷却した。 以上の処理により、白金38.8重量%、鉄3.7重量
%が、ほぼ完全に合金化されて担持された白金−鉄合金
カーボンの電極触媒が得られたことになる(製造工程
1)。
に燃料電池としての組立工程を実行する。まず、電極触
媒製造工程により得られた電極触媒を固体高分子電解質
および有機アルコール系溶剤中にて撹拌し、得られたイ
ンク状の電極触媒を電解質膜上に塗布して固定する膜製
造工程を実施する(ステップS11)。この膜の製造方
法は、Decal法として、公知のものである。もとよ
り、他の方法により電解質膜を製造しても良い。固体高
分子電解質膜および有機アルコール系用材は、公知のも
のを使用することができる。こうして、電極触媒を電解
質膜に固定した膜−電極接合体(以下、MEAという)
が得られる。そこで、このMEAを、セパレータと組み
合わせて単電池を形成する単電池形成工程を実施する
(ステップS12)。最後に、形成された単電池を所望
の数だけ積層させ、その両端に集電板を配置して燃料電
池を組み上げる組立工程を実施する(ステップS1
3)。
る。次に、得られた燃料電池の特性について説明する。
燃料電池の特性は、内部抵抗分を補正した出力電圧であ
るIR補正電圧により評価することができる。以下に示
すIR補正電圧Viは、比較のために、電極1cm2 当
たりの触媒に含まれる白金Pt0.2ミリグラム当たり
に換算し、かつ電極1cm2 当たり0.5Aの電流を取
り出した場合の出力電圧(単位はmmボルト)に、較正
してある。
−鉄合金担持電極触媒を用いた燃料電池は、きわめて良
好な特性を示した。実施例として示した製造方法により
得られた電極触媒を組み込んだ燃料電池では、単電池に
おけるIR補正電圧Viは、780ミリボルトを超えて
おり、従来の電極触媒を用いた燃料電池と比べて良好な
特性を示した。
の白金−卑金属合金系触媒と共に、白金触媒と比較し
て、図2に示す。図2は、カーボンに担持された金属の
総量を同一(40重量%)に調整した種々の電極触媒を
用いてその有効白金面積当たりの電流密度(A/C)を
測定したものである。測定条件は次の通りである。 ・合金触媒における白金と卑金属の原子個数における割
合は3:1、 ・電解質膜は、ナフィオンN115(デュポン社製) ・セル温度80℃ 図示するように、白金単体の触媒に対して、白金−鉄、
白金−ニッケル、白金−マンガン、白金−コバルト、白
金−クロム、などの合金触媒が高い特性を示した。な
お、同様の傾向は、白金以外の貴金属と、鉄、ニッケル
などの卑金属との合金触媒にも見られた。
最終的に得られた触媒の機能に影響を与える。このうち
次の5つの要因について、以下説明する。これらの要因
は、電極触媒の機能を、より高いものにする上で重要な
要因と考えられる。 カーボンブラックの比表面積、 還元工程における還元温度、 白金担持工程における過酸化水素等の参加用薬液の滴
下速度、 鉄担持工程における硝酸鉄などの鉄の塩溶液の滴下速
度、 鉄担持工程におけるアンモニア等のアルカリ溶液の滴
下速度
る相違>担体として利用したカーボンブラックの比表面
積は、電極触媒の機能に大きな影響を与える。得られた
白金−鉄合金触媒において、カーボンのBET比表面積
(単位m2 /g)とIR補正電圧Vi(単位ミリボル
ト)との関係は、次の通りであった。
図示するように、比表面積とIR補正電圧Viとの間に
は、比表面積がおよそ600m2 /g以上とそれ以下で
は、異なる関係が存在すると想定することが可能であ
る。従って、白金−鉄合金系の電極触媒を製造する際、
担体となるカーボンブラックの比表面積を600m2 /
gとしておくことは、得られる燃料電池の特性を良好な
ものとする上で好適である。
た還元工程S4の還元温度と電極触媒の特性との関係
を、表2に示した。このデータは、比表面積1000m
2 /gのカーボンブラックを用いたものである。EDX
値やEXAFS値については、後で詳しく説明する。
0℃、望ましくは450℃以上とすることにより、十分
なIR補正電圧を得ることができる。還元温度を400
℃以上とすると、白金と共にカーボン上に担持された鉄
が完全に還元され、触媒機能を十分に発揮するためと考
えられる。これを裏付けるために、還元温度と結合エネ
ルギとの関係をXPS分析により調べた結果を、図4に
示す。XPS分析は、得られた白金−鉄合金系触媒にエ
ックス線を当て、そのエネルギにより放出された電子の
エネルギ強度をプロットしたものである。図において、
横軸は結合エネルギ(単位eV)、縦軸は放出された電
子の数を示す。白金と共にカーボン上に担持された鉄
は、酸化鉄FeO、三酸化二鉄Fe2 O3 、および還元
された鉄Fe(電気陰性度の高い電子と結合していない
状態)の三つの形態を取り得るものと考えられる。各形
態における結合エネルギは知られているから、放出され
た電子のエネルギ強度を検出することにより、どの形態
で鉄が存在するかを知ることができる。図2において、
グラフのパラメータは、還元温度である。
7eVに明確なピークが現れており、大部分の鉄が還元
された状態で存在していることが分かる。また、常温や
200℃程度で還元処理を行なった場合(グラフH0,
H2)には、大部分の鉄が酸化鉄の形態で存在すること
が分かる。400℃以上の温度で還元処理を行なった場
合には(グラフH4参照)、かなりの割合で還元された
鉄が存在していると推認する事ができる。このことか
ら、還元処理の温度を400℃以上とすれば、白金−鉄
合金系電極触媒では、白金はもとより鉄も、還元された
状態で存在することになり、表1に示したように、この
触媒を用いて構成した単電池は、高いIR補正電圧を得
ることができる。
速度>白金担持工程S2において、過酸化水素の滴下速
度を、本実施例では、従来工程と比べて1/10程度と
した。この結果、白金がカーボン表面に析出する際の分
散性が向上し、かつ白金粒子の粒径も2ナノメートル
(nm)程度となった。この結果、白金−鉄合金触媒の
特性は、従来の製造方法によるものと比べて大きく改善
された
鉄担持工程S3において、硝酸鉄を滴下する速度は、
8.8cc/分(0.88ミリmol/分)とした。か
かる滴下速度の違いを、次に説明するアンモニアの滴下
速度の違いと併せて表3に示す。表3は、これらの薬液
の滴下速度と、それらの条件の下で得られた電極触媒を
用いて形成した単電池におけるIR補正電圧Viとを示
すものである。
程2とでは、硝酸鉄の投入速度以外の条件は同じであ
る。製造工程2における硝酸鉄の滴下速度は、製造工程
1の滴下速度11ミリmol/分と比べて1/10程度
とした。製造工程1により得られた電極触媒で構成した
単電池のIR補正電圧Viは745ミリボルト、製造工
程2(0.88ミリmol/分)により得られた電極触
媒を用いた場合は785ミリボルトとなり、滴下速度を
遅くすることにより、得られる電極触媒の特性は明らか
に改善された。
度>製造工程2と製造工程3とでは、鉄担持工程S3に
おいて鉄をカーボン単体に析出させるために用いたアン
モニアの滴下速度以外の条件は同じである。製造工程2
では、アンモニアの滴下速度は20cc/分としたが、
製造工程3では、その1/8程度(2.5cc/分)と
低くした。アンモニアの滴下速度を遅くしたことで、得
られる電極触媒を用いて形成した単電池におけるIR補
正電圧は、805ミリボルトまで改善された。
と製造工程4とでは、還元工程S4の還元温度以外の条
件は同じである。製造工程3では、還元温度は400
℃、製造工程4では、還元温度を500℃としている。
この結果、還元処理を経て得られた電極触媒を用いて形
成した単電池におけるIR補正電圧は、815ミリボル
トまで改善された。
おける白金鉄合金の担持密度について説明する。カーボ
ン担体における白金鉄合金の担持密度は、燃料電池に要
求される性能から、適切な範囲に選択する。本実施例で
は、望ましい白金鉄合金の担持密度は、15ないし70
%であった。白金鉄合金の担持密度とその電極触媒を用
いた単電池におけるIR補正電圧との関係を図5に示し
た。図示するように、本実施例で用いた白金鉄合金触媒
の使用可能な担持密度の範囲は広く、15ないし70%
の範囲内で、自由に調整することが可能であった。
明する。また、この燃料電池の製造方法の一工程とし
て、電極触媒の製造方法についても、併せて説明する。
更に、この電極触媒の製造方法の一部として、電極触媒
の評価方法について説明する。この電極触媒の評価方法
は、燃料電池の製造方法の一部に組み込まれている。図
6は、第2実施例の製造工程を示す工程図である。
料電池の製造方法は、第1実施例とほぼ同一の工程を用
い、工程S4の後に、電極触媒の評価を行なう評価工程
S20を備える。工程S1ないしS4により得られた電
極触媒を、この評価工程S20により評価し、評価の結
果、燃料電池として形成した場合に良好な特性を示すと
いう評価が判定工程S27により得られた場合、判定に
合格した電極触媒のみを用いて、その後の燃料電池の組
立工程S11以下に進む。評価により、特性が不十分と
された電極触媒はここで除外され、廃棄または再生処理
S30に供される。
は、評価済みの電極触媒を用いているので、その性能
は、バラツキが小さく、優れた特性を示す。従って、こ
の電極触媒を用いれば、単電池間個体差を著しく低減す
ることができると共に、高い電池性能を備える単電池を
製造することができる。また、これら個体差が少なく電
極性能の高い電極を有する単電池を備えることにより、
各単電池間の電池特性のばらつきが少なく、高い電池特
性を備える燃料電池を製造することができる。
て詳しく説明する。評価方法としては、種々の手法を開
発したが、まず単一組成の気体(この実施例では一酸化
炭素ガス)の吸着量により評価する方法について説明す
る。図7は、第2実施例としての製造方法における評価
工程で用いた燃料電池の評価装置の構成を模式的に示す
模式図である。
しS4により製造され、乾燥されて粉体の状態で得られ
た電極触媒を試料として収容する試料収容装置100、
試料収容装置100に対して水素ガスを供給する水素ガ
ス供給装置200、試料収容装置100に対して単一組
成の気体の一つである一酸化炭素ガスを供給する一酸化
炭素ガス供給装置300、試料収容装置100から排出
された一酸化炭素ガスを検出する一酸化炭素ガス検出装
置400、得られたデータに基づいて燃料電池の性能
(IR補正電圧の予測値)を算出する演算装置500、
水素ガス供給装置200、一酸化炭素ガス供給装置30
0や一酸化炭素ガス検出装置400,演算装置500を
制御する制御装置600を備えている。なお、試料収容
装置100は説明の都合上、拡大して図示されており、
現実に用いられる試料収容装置の大きさ、あるいは、他
の装置200、300等との大小比とは必ずしも一致し
ない。
載置する試料載置台110と、水素ガス導入口120、
一酸化炭素ガス導入口130、および一酸化炭素ガス排
出口140とを備えている。各導入口120、130お
よび排出口140には試料収容装置100への水素ガス
および一酸化炭素ガスの所望しない流入、あるいは、試
料収容装置100からの一酸化炭素ガスの所望しない流
出を防ぐために弁機構(図示しない)が配置されてい
る。なお、試料収容装置100内に導入された水素ガス
は図示しない排出口から大気中へ放出される。
100に対して水素ガスを供給する水素ガス供給配管2
10を備えており、この水素ガス供給配管210は、水
素ガス導入口120に連結されている。水素ガス供給装
置200は、電極触媒試料Sを還元するために水素ガス
を供給し、電池性能評価の前処理を実行する。水素ガス
供給装置200には、水素ガスを過熱するためのヒータ
(図示省略)、水素ガスを供給するための供給ポンプ等
が備えられている。このとき供給される水素ガスの温度
は、80℃〜200℃である。
容装置100に対して一酸化炭素ガスを供給する一酸化
炭素ガス供給配管310を備えている。この一酸化炭素
ガス供給配管310は、一酸化炭素ガス導入口130に
連結されている。一酸化炭素ガス供給装置300には、
一酸化炭素ガスを過熱するためのヒータ(図示せず)、
一酸化炭素ガスを供給するための供給ポンプ等が備えら
れている。一酸化炭素ガス供給装置300は、所定質量
の一酸化炭素ガスを、80℃にてパルス状に供給するこ
とができる。
炭素ガス排出口140に接続されていると共に吸着され
なかった一酸化炭素ガスを検出装置400内に導入する
ための一酸化炭素ガス導入配管410を備えている。一
酸化炭素ガス検出装置400には、導入された一酸化炭
素ガス中の一酸化炭素ガス量を検出するセンサ、および
一酸化炭素ガスの導入を促すための吸気ポンプ等が備え
られている。
置400と接続されており、試料収容装置100に供給
された一酸化炭素ガス全量と一酸化炭素ガス検出装置4
00によって検出された一酸化炭素ガス量との差分から
電極触媒試料Sに吸着された一酸化炭素ガスの吸着量
(Ncc/g−Pt)を算出する。ここで求められる一
酸化炭素ガス吸着量は、標準状態における白金単位質量
当たりの吸着量(cc)である。演算装置500は、算出
された一酸化炭素ガス吸着量から電極触媒を用いて単電
池を形成した際に得られると想定されるIR補正電圧V
iを算出する。
供給装置200に対して水素ガスの供給を指示し、一酸
化炭素ガス供給装置300に対して一酸化炭素ガスの供
給を指示する。また、一酸化炭素ガス検出装置400か
ら検出された一酸化炭素ガス量を取得し、演算装置50
0に対して電極触媒試料Sに吸着された一酸化炭素ガス
量を演算させる。次に、これら所定の順序および詳細な
制御内容について説明し、併せて本評価装置を用いた評
価の手法について説明する。
示した。図示するように、評価工程S20では、上記燃
料電池の評価装置を用いて、電極触媒の評価を以下の手
順で行なう。評価工程S20では、まず電解質膜上に固
定される電極触媒の試料Sを約0.06g秤量し、試料
載置台110に載置する(ステップS21)。ここで用
いられる電極触媒は、触媒製造工程S1ないしS4によ
り、カーボンを担体として所定量の白金Ptおよび鉄F
eの合金が担持されている触媒である。
10に載置した後、前処理として白金鉄合金に吸着され
ているガスを還元除去する処理(ステップS22)を行
なう。この還元処理では、水素ガス供給装置200を介
して80ないし200℃の水素ガスを15分間にわたっ
て試料収容装置100内に流通させる。
は高いことが望ましく、例えば、排気ガス中の一酸化炭
素を吸着するための排気ガス浄化用触媒の触媒評価試験
では、約400℃の環境下で酸素ガスおよび水素ガスを
用いて試料の酸化・還元処理が実行される。しかしなが
ら、本実施例ではシンタリングを防ぐために約80ない
し200℃といった比較的低い温度域で水素ガスのみを
用いて電極触媒試料Sの還元を行なう。
は、次のようにして確認した。即ち、白金鉄合金におい
て、金属粒子の表面に現れている金属原子1個に対して
1個のCO分子が吸着されるものと仮定し、以下の算出
方法に基づいてCO分子の吸着量(Ncc/g−Pt)
から白金粒子の粒子径(直径)を算出することができ
る。このとき、還元が不十分であれば金属粒子表面に現
れている金属原子の全てが活性ではない(反応に寄与し
得ない)ため吸着されるCO分子の総量は減少し、金属
粒子の表面に現れている金属原子数は還元が十分である
場合と比較して少なく見積もられる(実際には金属粒子
表面に現れているが不活性であり反応に寄与し得ないた
め現れていないものと見なされる)。このためCO分子
の吸着量によって求められる金属粒子径は、例えばX線
回折(XRD)によって求められる金属粒子の実際の粒
子径と比較して大きく計算される。これに対して、還元
が十分であれば金属粒子の表面に現れている原子の全て
が活性となり、金属粒子表面に現れている原子数が正し
く見積もられるためCO分子吸着量から求められる金属
粒子径とX線回折によって求められる実際の金属粒子径
とが一致する。かかる手法を用いて、還元が十分に行な
われていることを確認した。なお、XRDにより継続し
た金属粒径は約2.6nmであった。
炭素ガス供給装置300を介して100%一酸化炭素ガ
スを試料収容装置100内にパルス注入する処理を行な
う(ステップS23)。本実施例において、一回に注入
される一酸化炭素ガス量は1ccであり、6回パルス注入
される。したがって、試料収容装置100内に注入され
た総一酸化炭素ガス量は6ccであり、演算装置500
は、総一酸化炭素ガス量から一酸化炭素ガス検出装置4
00によって検出された一酸化炭素ガス量を差し引くこ
とで電極触媒試料Sに吸着された一酸化炭素ガス量を算
出する処理を行なう(ステップS24)。
し、算出された一酸化炭素ガスの吸着量に基づいて、電
極触媒の判定を行なう(判定工程S27)。本実施例で
は、吸着量が14Ncc/g以上のものを、良品として
判定した。一酸化炭素の吸着量から電極触媒の良否を判
定できるのは、以下の理由による。
ついて、その一酸化炭素ガスの吸着量と、IR補正電圧
Viとを測定した結果を示す。IR補正電圧Viは、電
極触媒を用いてMEAを形成し、これを用いて単電池を
形成して、実際に測定した。表4で、一酸化炭素ガスの
吸着量が大きく変動しているのは、用いたカーボンの比
表面積が大きく異なっているからであるが、上述したよ
うに、一酸化炭素の吸着のメカニズムは、活性を示す白
金鉄合金の割合に対して良い相関を示しているので、同
じ比表面積のカーボン担体を用いた場合でも、各製造工
程における条件のバラツキなどにより、得られた電極触
媒の性能にバラツキが生じたとき、一酸化炭素ガスの吸
着量を測定することにより、電極触媒の性能を精度良く
評価することができる。
る。図9から理解されるように、電極触媒の一酸化炭素
ガス吸着量と燃料電池のIR補正電圧との間には比例関
係が成立し、電極触媒の一酸化炭素ガス吸着量が増加す
ると燃料電池のIR補正電圧も増加する。また、両者の
関係は一次関数関係に近似することができるため、電極
触媒の一酸化炭素ガス吸着量を知れば、最終的に製造さ
れる燃料電池の性能、端的には、燃料電池のIR補正電
圧を評価することができるのである。
た評価方法によれば、電極触媒の粉末体を試料として用
いることにより、その電極触媒を用いて製造される燃料
電池の特性の評価をすることができる。したがって、こ
れらの評価に当たっては、電極触媒を電解質膜に固定し
たり、燃料電池の単電池を形成する必要がない。電極触
媒粉末の一酸化炭素ガス吸着量を測定するだけで、単電
池形成後、または、燃料電池(組電池)形成後の電池性
能を得ることができるのである。この結果、従来の測定
法において問題となっていた電解質膜上への電極触媒の
固定工程をはじめとするMEA化工程が不要となり、測
定用の試料を調整する工程を大幅に簡略化することがで
きる。
一酸化炭素ガス吸着量に基づいて、電極触媒の比表面
積、並びに電極触媒を有する燃料電池の性能を評価する
ことができる。この評価方法は、電極触媒に通電して測
定を行なう電気化学的な評価方法とは異なり一酸化炭素
ガスの吸着量に基づくものであるから測定に必要な時間
が短縮されると共に、測定手順そのものが極めて容易且
つ簡単となる利点を有する。なお、この評価方法では、
単一組成の気体として一酸化炭素ガスを用いたが、単一
組成の気体としては、この他、二酸化炭素ガス、水素ガ
ス、酸素ガス、等を用いることができる。水素ガスなど
を用いて場合には、その温度を制御して、還元除去処理
と吸着量測定処理とを、個別に行なえば良い。
法と異なり、一酸化炭素ガス吸着量に基づいて燃料電池
(電極触媒)性能を評価する構成を備えるので、より正
確に燃料電池性能を評価することができる。すなわち、
導電性を確保するために被検試料が電解質で覆われる必
要がなく、従来問題となっていた実際の反応に寄与しな
い触媒を評価する割合を著しく低減、もしくは排除する
ことができる。
製造方法の第2の実施例によれば、白金鉄合金系電極触
媒を製造し、その性能を、電極形成前に評価して、特性
の優れた電極触媒を用いて単電池、ひいては燃料電池を
製造することができる。このため、性能にバラツキの少
ない単電池を製造することができ、高性能の燃料電池を
製造することができる。電解質膜に電極を形成するとい
った作業工程を経ることなく電池の性能を評価できるの
で、製造工程が簡素化でき、性能が不十分なMEAを製
造してしまうということがない。このため、省資源とい
った点からも利点は大きい。更に、電極触媒の段階でそ
の特性を評価し、特性に応じたグレードの単電池や燃料
電池を製造するといった対応も可能である。
0の他の実施例について説明する。評価工程S20の他
の実施例として、以下の4つの変形例を説明する。 EDX分析による評価 EXAFS分析による評価 酸素脱離完了温度による評価 二酸化炭素脱離ピーク温度による評価
0として、EDX分析により電極触媒の評価を行なう。
EDX分析とは、エネルギ分析型エックス線分析法であ
り、ここでは、製造工程S1ないしS4により得られた
白金鉄合金系触媒の粉末に電子線を当て、電子線と構成
原子との相互作用により生じるエックス線(X線)のス
ペクトルを解析する。これにより、電極触媒粉末の個々
の触媒粒子に含まれている白金と鉄の割合を分析するこ
とができる。かかる手法により求められた個々の触媒粒
子に含まれる貴金属原子と卑金属原子の数の比は、担体
に担持された総量としての貴金属と卑金属の単純な原子
比や重量比とは異なる。かかる値により特定された原子
の数の比以上の値を持つ電極触媒では、貴金属の触媒作
用が向上し、燃料電池用電極触媒として優れた活性を示
すのである。本変形例でのEDX分析は、分析装置とし
てNORAN社製のVOYAGERを用い、加速電圧2
00kV、ビーム径2ナノメートルの分析条件で行なっ
た。
後、その値により、判定工程S27を行なう。ここで
は、EDX分析によるFe/Ptの原子の数の比が0.
14以上の電極触媒を合格品と判定した。これは、表2
示したデータおよび表外の実験データから作成した図1
0に示したように、EDX分析による鉄原子と白金原子
との数の比であるFe/Ptが0.14以上の場合に、
製造された燃料電池におけるIR補正電圧が、740ミ
リボルト以上となったことによっている。EDX分析に
よるこの値(0.14以上)により特定された原子の数
の比以上の値を持つ電極触媒が、燃料電池用電極触媒と
して優れた活性を示す。なお、EDX分析による白金原
子と鉄原子の数の比の値が高いほど、得られた電池のI
R補正電圧が高くなるという傾向が存在するので、この
比の値により電極触媒のグレードを評価し、使用に応じ
て電極触媒を分類して、MEAの製造、燃料電池の組立
に用いることも可能である。
程S20として、EXAFS分析により電極触媒の評価
を行なう。EXAFS分析とは、周波数を連続的に変え
ながらエックス線を試料に照射し、得られた吸収スペク
トルに現れた微細構造から、ほとんどナノメートルのオ
ーダで、配列を特定する分析方法である。エックス線を
照射された電極触媒で、その波長に応じて白金原子の特
定の内核電子が励起され光電子として飛び出してくる
が、その白金原子の近くに鉄の原子が存在すれば、光電
子は散乱される。この散乱の様子が、吸収スペクトルの
微細構造として現れるので、これを解析することから、
ターゲットの白金原子の近傍に存在する鉄などの卑金属
の原子などの情報(原子の種類や距離など)を得ること
ができるのである。かかる手法により求められた貴金属
原子と卑金属原子の結合数の比は、原子レベルで見た合
金の配列の状態を示しており、単純な原子比や重量比と
は異なる。かかる値により特定された原子の結合数の比
以上の値を持つ電極触媒では、貴金属の触媒作用が向上
し、燃料電池用電極触媒として優れた活性を示すのであ
る。
学省高エネルギ加速器研究機構放射光研究施設ビームラ
イン9A(2.5GeV、storage ring)
を用いて行なった。光学系の分光器は、Si二結晶モノ
クロメータを用いた。鉄と白金は、それぞれ3または4
ブロックに分けて測定し、鉄については、最小6800
eVから最大8000eVまで、最小ステップ幅1eV
で、少しずつ測定エネルギを高めながら測定を行なっ
た。白金については、最低11000eVから、最大1
2500eVまで、最小ステップ幅1eVで、少しずつ
エネルギを高めながら測定を行なった。
った後、その値により、判定工程S27を実施する。こ
こでは、EXAFS分析による(Fe−Pt)/{(F
e−Pt)+(Pt−Pt)}の値が、0.10以上の
値である電極触媒を合格品と判定した。これは、表3に
示したデータおよび表外の実験データから作図した図1
1に示したように、EXAFS分析による鉄原子と白金
原子との結合数の比が0.10以上の場合に、製造され
た燃料電池におけるIR補正電圧が、740ミリボルト
以上となったことによっている。EXAFS分析による
この値(0.10以上)により特定された原子の結合数
の比以上の値を持つ電極触媒が、燃料電池用電極触媒と
して優れた活性を示す。なお、EXAFS分析により得
られた結合数の比の値が高いほどが低いほど、得られた
電池のIR補正電圧が高くなるという傾向が存在するの
で、EXAFS分析により得られた結合数の比の値によ
り電極触媒のグレードを評価し、使用に応じて電極触媒
を分類して、MEAの製造、燃料電池の組立に用いるこ
とも可能である。
製造工程S1ないしS4により製造された電極触媒の粉
末を、図12に示した脱離検出装置700に入れ、脱離
完了温度を検出した。脱離検出装置700は、電極触媒
の粉末Sを載置する試料台710、この試料台710を
気密状態に格納する格納容器720、格納容器720内
の温度を時間軸に沿って制御可能な温度制御装置73
0、脱離してくるガスを検出するガス検出装置740、
格納容器内に不活性ガス(この例ではヘリウムガス)を
充填および継続的に供給する不活性ガス供給装置750
等を備える。評価工程S20では、図13に示すよう
に、まず、格納容器720内の試料台710上に所定量
の電極触媒粉末を置き(ステップS201)、次に、こ
の格納容器720にヘリウムガスを供給し、内部をヘリ
ウムガスでパージする(ステップS202)。その後、
ヘリウムガスの供給を継続しつつ、温度制御装置730
により、図14に示すプロファイルで、格納容器720
内部の温度を制御する(ステップS203)。
ロファイルで制御しつつ、ガス検出装置740を用い
て、電極触媒粉末から脱離してくるガス量を検出する
(ステップS205)。このガス量に基づき、ガスの脱
離完了温度を評価する(ステップS206)。この変形
例では、検出するガスは酸素ガスである。酸素ガスは、
温度の上昇と共に、電極触媒から脱離してくるが、その
脱離が完了する温度が存在する。脱離完了温度とは、こ
の変形例では、格納容器720内の温度を10℃アップ
した際に脱離量の変化量が10%以内に入った最初の温
度を言う。いくつかの電極触媒について酸素ガスの脱離
量を計測したのが、次表5である。なお、表5には、変
形例4で説明する二酸化炭素脱離ピーク温度のデータも
併せて示した。
(酸素)量との関係に直して作図したのが、図15であ
る。脱離してくるガス量はガス検出装置740で計測し
たが、この装置は、特定のガスに電荷を与えることで、
ガス量をリアルタイムで計測できるGC−MASSであ
る。こうして計測した何種類かの電極触媒の脱離完了温
度と、その電極触媒を用いて構成した燃料電池のIR補
正電圧との関係を、図16に示した。
4により製造された電極触媒の酸素脱離完了温度を評価
し、次に判定工程S27において、酸素ガスの脱離完了
温度が280℃以下の電極触媒を合格品と判定し、燃料
電池の製造工程に供給する。ここで、酸素脱離完了温度
が280℃以下の電極触媒を合格品と判断したのは、次
の理由による。すなわち、酸素ガスの脱離完了温度と、
その電極触媒を用いて形成した燃料電池におけるIR補
正電圧Viとの関係を示す図16に見られるように、酸
素ガスの脱離完了温度が280℃以下の電極触媒を用い
た燃料電池は、そのIR補正電圧が760ミリボルト以
上となるからである。
離完了温度を測定し、この温度により、判定行程S27
で判定を行ない、脱離完了温度が280℃以下のもの
を、合格品として、MEAの製造に供給する。この結
果、得られたMEAの性能は、バラツキがなく、単電
池、ひいては燃料電池として十分な性能を発揮すること
ができる。なお、脱離完了温度が低いほど、得られた電
池のIR補正電圧が高くなるという傾向が存在するの
で、脱離完了温度により電極触媒のグレードを評価し、
使用に応じて電極触媒を分類して、MEAの製造、燃料
電池の組立に用いることも可能である。
例では、製造工程S1ないしS4により製造された電極
触媒の粉末を、図12に示した脱離検出装置700に入
れ、脱離完了ピーク温度を検出した。脱離検出装置70
0は、酸素の脱離完了温度を検出した第3の変形例で用
いたものと同一の装置であり、ガス検出装置740が、
酸素に代えて二酸化炭素量を検出可能となっている。評
価工程S20も、二酸化炭素の脱離ピーク温度を測定す
る点を除いて、図13に示した工程と同様である。即
ち、格納容器720内の資料台に710上に所定量の電
極触媒粉末を置き(ステップS201)、次に、この格
納容器720にヘリウムガスを供給し、内部をヘリウム
ガスでパージする(ステップS202)。その後、ヘリ
ウムガスの供給を継続しつつ、温度制御装置730によ
り、図14に示すプロファイルで、格納容器720内部
の温度を制御する(ステップS203)。
ス検出装置740を用いて、電極触媒粉末から脱離して
くるガス量を検出する(ステップS205)。このガス
量に基づき、ガスの脱離ピーク温度を評価する(ステッ
プS206)。この変形例では、検出するガスは二酸化
炭素ガスである。二酸化炭素ガスは、温度の上昇と共
に、電極触媒から脱離してくるが、その脱離がもっとも
激しくなるピーク温度が存在する。脱離ピーク温度と
は、この変形例では、格納容器720内の温度を徐々に
上昇させた場合に脱離量が最大となるサンプリング温度
を言う。ピーク温度の一例を図17に示した。異なる電
極触媒について、二酸化炭素ガスの脱離の様子を検出す
ると、明確なピーク温度が存在することが分かる。な
お、ピーク温度の検出結果の一例は、上述した表5に示
した。
4により製造された電極触媒の二酸化炭素ガス脱離ピー
ク温度を評価し、次に判定工程S27において、二酸化
炭素ガスの脱離ピーク温度が300℃以下の電極触媒を
合格品と判定し、燃料電池の製造工程に供給する。ここ
で、二酸化炭素ガスの脱離ピーク温度が300℃以下の
電極触媒を合格品と判断したのは、次の理由による。す
なわち、二酸化炭素ガスの脱離ピーク温度と、その電極
触媒を用いて形成した燃料電池におけるIR補正電圧V
iとの関係を示す図18に見られるように、二酸化炭素
ガスの脱離ピーク温度が300℃以下の電極触媒を用い
た燃料電池は、そのIR補正電圧が760ミリボルト以
上となるからである。
スの脱離ピーク温度を測定し、この温度により、判定行
程S27で判定を行ない、脱離ピーク温度が300℃以
下のものを、合格品として、MEAの製造に供給する。
この結果、得られたMEAの性能は、バラツキがなく、
単電池、ひいては燃料電池として十分な性能を発揮する
ことができる。なお、脱離ピーク温度が低いほど、得ら
れた電池のIR補正電圧が高くなるという傾向が存在す
るので、脱離ピーク温度により電極触媒のグレードを評
価し、使用に応じて電極触媒を分類して、MEAの製
造、燃料電池の組立に用いることも可能である。
た燃料電池およびそれらの製造方法についての第1、第
2の実施例および電極触媒の評価方法の四つの変形例等
について説明した。これらの説明では、電極触媒におけ
る白金鉄合金の担持密度については特に説明しなかった
が、カーボン担体における白金鉄合金の担持密度は、燃
料電池に要求される性能から、適切な範囲に選択すれば
よい。本実施例で用いた白金鉄合金触媒の使用可能な担
持密度の範囲は広く、図5に示したように、15ないし
70%の範囲内で、調整することができる。触媒の担持
密度は、燃料電池として構成した場合、水分の補給の状
況など、種々のパラメータに影響を与えるので、これら
のパラメータを勘案しつつ、最適の担持密度に調整すれ
ばよい。実用的なIR補正電圧を得られる担持密度の範
囲が広いことは、こうした燃料電池の設計上、有利であ
る。
の評価方法は、燃料電池の製造方法の一環として用いた
が、評価方法単独で利用することも可能である。即ち、
上述した評価方法を用いれば、いちいちMEAや単電池
あるいは燃料電池を製造しなくても、貴金属−卑金属合
金系の電極触媒の性能を評価することができるので、電
極触媒の開発期間を大幅に短縮することができる。ま
た、新しい合金系触媒の開発の初期時に、種々の金属の
組合わせなどをスクリーニングする際、これらの評価方
法を単独または組み合わせて用いることは、組合わせの
評価に要する手間を大幅に低減することができ、好適で
ある。
媒について説明する。第3実施例の白金触媒は、第1実
施例で説明した白金鉄合金触媒の製造工程の内、鉄担持
工程を除く工程により製造される。このとき、担体とな
るカーボンブラックの比表面積としては、600ないし
800のものを用いた。製造工程S1,S2,S4によ
り得られた白金触媒を用いて、MEAを形成し、単電池
ひいては燃料電池を製造したところ、そのIR補正電圧
は、740ミリボルト以上となり、良好な特性を示し
た。従って、白金単独の触媒でも、カーボンとして比表
面積が600m2/g以上1000m2 /g未満のもの
を用いると、燃料電池を構成した場合、良好な特性を示
すことがわかった。なお、この電極触媒については、一
酸化炭素の吸着量、酸素ガスの脱離完了温度、二酸化炭
素ガスの脱離ピーク温度等により、第2実施例と同様に
評価することができた。
発明を燃料電池の性能評価装置として説明したが、本発
明は電極触媒の比表面積評価装置としても用いることが
できる。電極触媒の比表面積を得たい場合には、演算装
置500は、電極触媒の一酸化炭素ガス吸着と電極触媒
の比表面積との相関関係に基づいて、一酸化炭素ガス吸
着量から電極触媒の比表面積を演算することができる。
一般的に、電極触媒の比表面積が大きくなるに連れて電
池性能は向上する傾向にあるので、電極触媒のおおよそ
のふるい分けを実施する場合には、演算装置500によ
って比表面積を求めるようにしてもよい。
ついて説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、
本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を
限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許
請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると
共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろん
である。
つと卑金属の一つからなる合金系触媒について説明した
が、貴金属から2以上の金属を、あるいは卑金属から2
以上の金属を選択して、いわゆる三元系の合金として、
電極触媒を製造することも可能である。更に、貴金属、
卑金属共に2以上を選択し、更に多元系の合金により電
極触媒を構成することも可能である。こうした三元系以
上の電極触媒でも、上述した評価方法および製造方法が
適用できることはもちろんである。また、上記の実施例
では、電解質膜に固定される前の電極触媒を試料として
用いたが、電解質膜に固定された状態の電極触媒(ME
A)を試料として用いても良い。この場合には、電解質
膜に対して電極触媒を所望の量だけ固定しなければなら
ないが、実際に電極触媒が用いられる態様にて電極触媒
の比表面積の評価並びに燃料電池性能の評価を実施する
ことができる。
程を示す工程図である。
貴金属−卑金属合金系電極触媒の特性を示す説明図であ
る。
を用いた燃料電池における比表面積とIR補正電圧Vi
との関係をしめすグラフである。
エネルギにより放出された電子のエネルギ強度をプロッ
トしたグラフである。
単電池におけるIR補正電圧との関係を示すグラフであ
る。
で用いた燃料電池の評価装置の構成を模式的に示す模式
図である。
である。
ら作成したグラフである。
から作図したグラフである。
略構成図である。
順を示す工程図である。
イルを例示するグラフである。
の関係を示すグラフである。
用いて形成した燃料電池におけるIR補正電圧Viとの
関係を示す
離量との関係を示すグラフである。
極触媒を用いて形成した燃料電池におけるIR補正電圧
Viとの関係を示すグラフである。
Claims (35)
- 【請求項1】 燃料電池に用いられる電極触媒の製造方
法であって、 比表面積が所定値以上のカーボンを担体として、該カー
ボンに、貴金属の一つを、所定担持密度で担持させる貴
金属担持工程と、 該貴金属が担持されたカーボンの担体に、卑金属の一つ
を、所定担持密度で担持させる卑金属担持工程と、 該担持された卑金属の還元処理が可能な温度まで昇温す
る昇温工程と該昇温して還元処理を行なった後、更に加
温して、前記カーボンを担体として、前記貴金属と前記
卑金属との合金化を行なう合金化工程とを備えた電極触
媒の製造方法。 - 【請求項2】 前記貴金属の一つは白金であり、前記卑
金属の一つは鉄である請求項1記載の電極触媒の製造方
法。 - 【請求項3】 前記カーボンの比表面積は、600m2
/g以上である請求項1記載の電極触媒の製造方法。 - 【請求項4】 前記カーボンの比表面積は、更に、80
0m2 /g以上である請求項3記載の電極触媒の製造方
法。 - 【請求項5】 前記還元処理の温度は、400℃ないし
900℃である請求項1ないし請求項4のいずれか記載
の電極触媒の製造方法。 - 【請求項6】 前記還元処理の温度は、更に、500℃
ないし700℃である請求項5記載の電極触媒の製造方
法。 - 【請求項7】 請求項2記載の電極触媒の製造方法であ
って、 前記貴金属担持工程は、前記カーボンの粉体が分散され
た溶液に、前記白金を、白金の錯体溶液の形態で供給
し、その後、酸化用の薬液を供給する工程である電極触
媒の製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の電極触媒の製造方法であ
って、 前記白金の錯体溶液は、亜硫酸系水溶液である電極触媒
の製造方法。 - 【請求項9】 請求項2記載の電極触媒の製造方法であ
って、 前記卑金属担持工程は、前記白金の担持がなされたカー
ボン粉末が分散された溶液に、前記鉄を、鉄の塩溶液の
形態で供給し、かつ該塩溶液の供給速度が、前記カーボ
ン粉末が分散された溶液に対して、0.88ないし11
ミリmol/分である電極触媒の製造方法。 - 【請求項10】 請求項9記載の電極触媒の製造方法で
あって、 前記卑金属担持工程は、前記速度で前記塩溶液の供給が
なされた後の溶液に対して、アルカリ溶液を供給し、か
つ該アルカリ溶液の供給速度が、1.25ないし10ミ
リmol/分である電極触媒の製造方法。 - 【請求項11】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された燃料電池用電極触媒であって、 貴金属原子数に対する卑金属原子数の比が、EDX分析
で、0.14以上である燃料電池用電極触媒。 - 【請求項12】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された燃料電池用電極触媒であって、 貴金属原子がかかわる全結合数中で、貴金属原子と卑金
属原子との結合数の比率が、EXAFS分析で0.10
以上である燃料電池用電極触媒。 - 【請求項13】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された燃料電池用電極触媒であって、 電極形成前の粉末の状態での酸素脱離完了温度が280
℃以下である燃料電池用電極触媒。 - 【請求項14】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された燃料電池用電極触媒であって、 電極形成前の粉末の状態での二酸化炭素脱離ピーク温度
が300℃以下である燃料電池用電極触媒。 - 【請求項15】 貴金属と卑金属の合金がカーボンに担
持された燃料電池用電極触媒であって、 電極形成前の粉末の状態での一酸化炭素の吸着量が、貴
金属1グラム当たり12Ncc以上である燃料電池用電
極触媒。 - 【請求項16】 請求項11ないし請求項15のいずれ
か記載の燃料電池用電極触媒であって、 前記貴金属は白金であり、前記卑金属は鉄である燃料電
池用電極触媒。 - 【請求項17】 貴金属−卑金属合金がカーボンに担持
された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する方法
であって、 前記燃料電池に用いられる電極触媒が収容されている収
容装置内に単一組成の気体を供給し、 前記電極触媒に吸着された該単一組成の気体の吸着量を
算出し、 算出された該単一組成の気体の吸着量から前記燃料電池
の出力電位を算出する燃料電池の性能評価方法。 - 【請求項18】 請求項17記載の燃料電池の性能評価
方法であって、 前記単一組成の気体は、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガ
ス、水素ガス、酸素ガスのうちの一つである燃料電池の
性能評価方法。 - 【請求項19】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する
方法であって、 前記電極形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属
原子との数の比をEDX分析により求め、該比に基づい
て前記燃料電池の出力電位を算出する燃料電池の性能評
価方法。 - 【請求項20】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する
方法であって、 前記電極形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属
原子との結合数比をEXAFS分析により求め、該結合
数比に基づいて前記燃料電池の出力電位を算出する燃料
電池の性能評価方法。 - 【請求項21】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する
方法であって、 前記電極形成前の触媒粉末における酸素脱離の完了温度
を測定し、 該測定した脱離温度に基づいて前記燃料電池の出力電位
を算出する燃料電池の性能評価方法。 - 【請求項22】 貴金属と卑金属の合金が、カーボンに
担持された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する
方法であって、 前記電極形成前の触媒粉末の二酸化炭素脱離ピーク温度
を測定し、 該測定した二酸化炭素脱離ピーク温度に基づいて前記燃
料電池の出力電位を算出する燃料電池の性能評価方法。 - 【請求項23】 請求項17ないし請求項22のいずれ
か記載の燃料電池の性能評価方法であって、 前記貴金属は白金であり、前記卑金属は鉄である燃料電
池の性能評価方法。 - 【請求項24】 燃料電池の製造方法であって、 比表面積が所定値以上のカーボンを担体として、該カー
ボンに、貴金属の一つを、所定担持密度で担持させる貴
金属担持工程と、 該貴金属が担持されたカーボンの担体に、卑金属の一つ
を、所定担持密度で担持させる卑金属担持工程と、 該担持された卑金属の還元処理が可能な温度まで昇温す
る昇温工程と該昇温して還元処理を行なった後、更に加
温して、前記カーボンを担体として、前記貴金属と前記
卑金属との合金化を行なう合金化工程と、 該合金として得られた電極触媒の粉末を評価する評価工
程と、 該評価済みの触媒粉末を、電解質膜に固定して単電池を
形成する形成工程とを備えた燃料電池の製造方法。 - 【請求項25】 請求項24記載の燃料電池の製造方法
であって、 前記評価工程では、 前記燃料電池に用いられる電極触媒が収容されている収
容装置内に単一組成の気体を供給し、 前記電極触媒に吸着された該単一組成の気体の吸着量を
算出し、 算出された該単一組成の気体の吸着量が所定値以上のも
のを評価済みの触媒粉末として選択する燃料電池の製造
方法。 - 【請求項26】 請求項25記載の燃料電池の製造方法
であって、 前記評価工程おける単一組成の気体は、一酸化炭素ガ
ス、二酸化炭素ガス、水素ガス、酸素ガスのうちの一つ
である燃料電池の製造方法。 - 【請求項27】 請求項24記載の燃料電池の製造方法
であって、 前記評価工程では、 前記電極形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属
原子との数の比をEDX分析により求め、 該比が所定値以上のものを、評価済みの触媒粉末として
選択する燃料電池の製造方法。 - 【請求項28】 請求項24記載の燃料電池の製造方法
であって、 前記評価工程では、 前記電極形成前の触媒粉末における貴金属原子と卑金属
原子との結合数比をEXAFS分析により求め、 該結合数比が所定値以上のものを、評価済みの触媒粉末
として選択する燃料電池の製造方法。 - 【請求項29】 請求項24記載の燃料電池の製造方法
であって、 前記評価工程では、 前記電極形成前の触媒粉末における酸素脱離の完了温度
を測定し、 該測定した脱離温度が、所定温度以下のものを、評価済
みの触媒粉末として選択する燃料電池の製造方法。 - 【請求項30】 請求項24記載の燃料電池の製造方法
であって、 前記評価工程では、 前記電極形成前の触媒粉末の二酸化炭素脱離ピーク温度
を測定し、 該測定した二酸化炭素脱離ピーク温度が、所定温度以下
のものを、評価済みの触媒粉末として選択する燃料電池
の製造方法。 - 【請求項31】 請求項24ないし請求項30のいずれ
か記載の燃料電池の製造方法であって、 前記貴金属は白金であり、前記卑金属は鉄である燃料電
池の製造方法。 - 【請求項32】 燃料電池に用いられる電極触媒の製造
装置であって、 比表面積が所定値以上のカーボンを担体として、該カー
ボンに、貴金属の一つを、所定担持密度で担持させる貴
金属担持手段と、 該貴金属が担持されたカーボンの担体に、卑金属の一つ
を、所定担持密度で担持させる卑金属担持手段と、 該担持された卑金属の還元処理が可能な温度まで昇温す
る昇温手段と該昇温して還元処理を行なった後、更に加
温して、前記カーボンを担体として、前記貴金属と前記
卑金属との合金化を行なう合金化手段とを備えた電極触
媒の製造装置。 - 【請求項33】 貴金属−卑金属合金がカーボンに担持
された電極触媒を用いた燃料電池の性能を評価する装置
であって、 前記燃料電池に用いられる電極触媒が収容されている収
容装置内に単一組成の気体を供給する単一組成気体供給
手段と、 前記電極触媒に吸着された該単一組成の気体の吸着量を
算出する吸着量算出手段と、 算出された該単一組成の気体の吸着量から前記燃料電池
の出力電位を算出する出力電位演算手段とを備えた燃料
電池の性能評価装置。 - 【請求項34】 燃料電池に用いられる電極触媒の製造
方法であって、 比表面積が600以上1000m2 /g未満のカーボン
担体に、貴金属の一つを所定担持密度で担持させる電極
触媒の製造方法。 - 【請求項35】 前記貴金属は白金である請求項34記
載の電極触媒の製造方法。
Priority Applications (4)
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