JP2003041107A - 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およびその成形品

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JP2003041107A JP2001227647A JP2001227647A JP2003041107A JP 2003041107 A JP2003041107 A JP 2003041107A JP 2001227647 A JP2001227647 A JP 2001227647A JP 2001227647 A JP2001227647 A JP 2001227647A JP 2003041107 A JP2003041107 A JP 2003041107A
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polyethylene terephthalate
terephthalate resin
diatomaceous earth
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recovered polyethylene
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Nobuyoshi Tanaka
信義 田中
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KAGINUSHI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 余剰化する回収ポリエチレンテフタレート樹
脂(回収PET)の再利用用途を拡げ、使用後の環境へ
の負荷を軽減することのできる組成物およびそれからな
る多様な成形品を得る。 【解決手段】 回収PETボトルフレークのような回収
ポリエチレンテレフタレート樹脂50〜97重量%およ
び焼成ケイソウ土3〜50重量%を含む回収ポリエチレ
ンテフタレート樹脂組成物およびその成形品を用いるこ
とにより、回収PETの再利用分野を拡げ、使用後は崩
壊性と減容化を促進し、環境への負荷を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、余剰化する回収ポ
リエチレンテレフタレート樹脂を機能化した樹脂組成物
およびそれからなる多様なリサイクル成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート樹脂(以
下、PETと略称する場合がある)はテレフタル酸とエ
チレングリコールとが重縮合したポリエステル樹脂の一
種である。またポリエチレンテレフタレート樹脂は炭
素、酸素および水素から構成されるプラスチックスであ
り、最終分解物は水と二酸化炭素であるため、環境に与
える負荷が小さい樹脂として合成繊維、合成樹脂として
広く利用されている。特にボトルとして適度の硬さ、弾
力性があり、透明で有害成分を溶出しないなどの優れた
安価なプラスチックスであるため、飲料水、調味料、果
汁などの容器として、日本をはじめ先進国はもちろん開
発途上国でも需要が急増している。
【0003】ところが、使用後のPETボトルは廃棄し
てもきわめて崩壊しにくく、集積すると容積が大きく埋
め立てにも適さない。焼却しても有害ガスは発生しない
が、熱と二酸化炭素を生じ、環境保全には最適ではな
い。このため、回収されたPETボトルなどからリサイ
クルされる回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の有効
な再利用方法が要望されている。
【0004】ところで、回収ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の母体であるポリエチレンテレフタレート樹脂
は、熱可塑性樹脂としては融点が高く約260℃であ
る。したがって、他のプラスチックに比べて高い温度
(約290℃)で成形される。常温でのポリエチレンテ
レフタレート樹脂の吸水率は0.3%であるが、エステ
ル基は加熱によって加水分解されやすい。PETボトル
の成形には細心の注意が払われるが、多くの場合、わず
かに含まれる水分によって成形の際に加水分解して分子
量はほぼ半減する。
【0005】このため、回収ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂はもろく、機械的強さが低下し、そのままでは再
生用途が鶏卵パックなどに限定され、回収ポリエチレン
テレフタレート樹脂のみによる再生品はきわめて少な
い。例えば、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂を容
器などの日用成形品や白衣などの不織布に再生利用する
場合は、ポロプロピレン樹脂などのポリオレフィン類ま
たは未使用のポリエチレンテレフタレート樹脂を通常1
0〜40重量%程度混合している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、大量
に余剰化する回収ポリエチレンテレフタレート樹脂を原
料とし、低コストで、かつ多様な付加価値化した再生品
を得ることができ、しかも環境への負荷を軽減できる回
収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およびそれか
らなる成形品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、機械的強さ
が低下したままの回収ポリエチレンテレフタレート樹脂
に焼成ケイソウ土を混練することにより回収ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂の強度を向上させることができ、
これにより多様な再利用製品が開発可能であることを見
出した。また焼成ケイソウ土の含有量を調節することに
より、成形品の崩壊性と耐久性を調節することができる
ことを見出した。
【0008】すなわち本発明は、次の回収ポリエチレン
テレフタレート樹脂組成物およびその成形品である。 (1) 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂と焼成ケ
イソウ土とを含む回収ポリエチレンテレフタレート樹脂
組成物。 (2) 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂が、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂からなるボトルまたはその
他の包装容器の回収品を再利用したものである上記
(1)記載の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成
物。 (3) 焼成ケイソウ土が500〜1200℃で焼成さ
れたケイソウ土粉末である上記(1)または(2)記載
の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。 (4) 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の含有量
が50〜97重量%、焼成ケイソウ土の含有量が3〜5
0重量%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記
載の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。 (5) 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の含有量
が50重量%以上70重量%未満、焼成ケイソウ土の含
有量が30重量%を超え50重量%以下である上記
(1)ないし(3)のいずれかい記載の回収ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂組成物。 (6) 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の含有量
が70重量%以上97重量%以下、焼成ケイソウ土の含
有量が3重量%以上30重量%以下である上記(1)な
いし(3)のいずれかに記載の回収ポリエチレンテレフ
タレート樹脂組成物。 (7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹
脂組成物からなる成形品。 (8) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹
脂組成物からなる日用成形品、農林業用成形品または土
木もしくは建築用成形品。 (9) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹
脂組成物からなる難燃性成形品。
【0009】本発明で使用する回収ポリエチレンテレフ
タレート樹脂としては、回収されたポリエチレンテレフ
タレート樹脂であれば特に限定されない。ここでポリエ
チレンテレフタレート樹脂とはテレフタル酸とエチレン
グリコールとから重縮合によって得られるポリエステル
を意味するが、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
および/またはエチレングリコール以外のジヒドロキシ
化合物が少量共重合されていてもよく、結晶性、非結晶
性ともに使用できる。
【0010】回収ポリエチレンテレフタレート樹脂とし
ては、例えばごみとして出されたポリエチレンテレフタ
レート樹脂成形品を回収し、再利用可能なように再生さ
れたものなどが使用できる。回収ポリエチレンテレフタ
レート樹脂としては、回収されたPET製のボトル、そ
の他の包装容器、これらの混合物などから内容物や混合
物を除き、破砕されたフレークまたはペレットが好まし
い。回収ポリエチレンテレフタレート樹脂中には、回収
過程などで混入する他の樹脂が少量含まれていてもよ
い。回収ポリエチレンテレフタレート樹脂は分子量およ
び流動性の目安を示すメルトフローレート(ASTM
D−1238準拠、荷重2.54kgf、270℃)が
好ましくは20〜75g/10分、さらに好ましくは3
5〜65g/10分であるのが望ましい。
【0011】本発明で使用する焼成ケイソウ土として
は、ケイソウ土を焼成したものが制限なく使用できる。
焼成温度は好ましくは500〜1200℃、さらに好ま
しくは800〜1100℃であるのが望ましい。焼成時
間は有機物が炭化する程度でよく、通常その炭化は色相
の変化により判別できる。ケイソウ土は植物性プランク
トンの珪酸質殻を主成分とする多孔性の無機物質であ
り、通常スポンジ状の微細構造が容積の70%程度を占
め、1mm2当たり2万個程度の細孔を有しているケイ
藻の堆積物である。ケイソウ土は日本では能登半島、北
海道などから産出し、軽く、かつ微生物、水分、肥料等
を細孔に蓄える性質がある。そしてケイソウ土質セラミ
ックス多孔体の優れた耐火性、断熱性、軽量性、通気
性、調湿性、保水性、透水性、化学的安定性を利用して
耐火レンガ、こんろ、壁材および農園芸用土壌改良材な
どとして広く使用されているが、本発明においてもこの
ような公知のケイソウ土が制限なく使用できる。ケイソ
ウ土の産地などは特に限定されない。
【0012】本発明では上記のようなケイソウ土の焼成
体を使用する。焼成によりケイソウ土に含まれる有機物
が分解し、強度が大きくなる。焼成したケイソウ土はか
さ比重が好ましくは0.4〜0.8、さらに好ましくは
0.5〜0.6、真比重が好ましくは2.0〜3.5、
さらに好ましくは2.2〜3.0、含水率が好ましくは
10重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下のもの
が使用される。
【0013】本発明で使用する焼成ケイソウ土は粉末で
あるのが好ましく、超微粉を除いて粒径は小さいほどよ
い。平均粒径は好ましくは5〜60μm、さらに好まし
くは10〜40μmであるのが望ましい。
【0014】本発明に用いる焼成ケイソウ土は多孔質で
あるため、保水性、通気性、肥料保持性などに優れ、土
壌中では水分や肥料をよく吸着する。このため、本発明
の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およびそ
の成形品を使用した後、土壌に還元した場合は土壌改良
にも寄与する。
【0015】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物の上記成分の含有量は、回収ポリエチレンテ
レフタレート樹脂および焼成ケイソウ土の合計に対して
回収ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましくは50
〜97重量%、さらに好ましくは50〜95重量%、焼
成ケイソウ土が好ましくは3〜50重量%、さらに好ま
しくは5〜50重量%であるのが望ましい。回収ポリエ
チレンテレフタレート樹脂および焼成ケイソウ土を上記
の範囲で配合することにより、回収ポリエチレンテレフ
タレート樹脂単独の場合に対して、成形性を保持すると
ともに、機械的強さおよび耐圧縮性などの物理的性質を
高めることができ、また難燃性(耐火性)および断熱性
を改善させることもできる。
【0016】また本発明の回収ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂組成物は焼成ケイソウ土の含有量を調節するこ
とにより、成形品の崩壊性と耐久性を調節することがで
きる。すなわち、焼成ケイソウ土の配合量を多くするこ
とにより、通常の使用には十分な強度を有しているが、
ある程度の力を加えることにより容易に崩壊する易崩壊
性の成形品を得ることができる。一方、焼成ケイソウ土
の配合量を少なくすることにより機械的強さが最も向上
し、耐久性に優れた成形品を得ることができる。
【0017】具体的には、回収ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂および焼成ケイソウ土の合計に対して回収ポリ
エチレンテレフタレート樹脂の含有量が好ましくは50
重量%以上70重量%未満、さらに好ましくは50重量
%以上60重量%以下、焼成ケイソウ土の含有量が好ま
しくは30重量%を超え50重量%以下、さらに好まし
くは40重量%以上50重量%以下である場合、易崩壊
性の成形品を得ることができる。焼成ケイソウ土の含有
量が30重量%を超え50重量%以下の場合、焼成ケイ
ソウ土がポリエチレンテレフタレート分子鎖の間に分散
して分子間架橋をはばみ、かつ焼成ケイソウ土がポリエ
チレンテレフタレート樹脂の粘弾性を低下させるため、
崩壊しやすい樹脂組成物が得られるものと推測される。
【0018】一方、回収ポリエチレンテレフタレート樹
脂および焼成ケイソウ土の合計に対して回収ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂の含有量が好ましくは70重量%
以上97重量%以下、さらに好ましくは80重量%以上
95重量%以下、焼成ケイソウ土の含有量が好ましくは
3重量%以上30重量%以下、さらに好ましくは5重量
%以上20重量%以下である場合、耐久性に優れた成形
品を得ることができる。焼成ケイソウ土の含有量が3重
量%以上30重量%以下の場合、焼成ケイソウ土が、主
鎖が切断された回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の
見かけの分子間架橋剤として作用するために、回収ポリ
エチレンテレフタレート樹脂の機械的強さが向上するも
のと推測される。
【0019】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物は非発泡体または発泡体のどちらにも使用で
き、発泡化した場合には断熱性、軽量性および通気性を
高めることもできる。
【0020】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂以外
の樹脂、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、滑剤、離型剤、ワックス類、着色剤、結晶化
促進剤、水素イオン濃度調節剤、補強繊維のような充填
材等の副資材を配合してもよい。これらの副資材の配合
量は回収ポリエチレンテレフタレート樹脂および焼成ケ
イソウ土の合計量100重量部に対して好ましくは0.
01〜40重量部、さらに好ましくは0.03〜30重
量部が適当である。
【0021】上記難燃剤としては市販の臭素系、リン酸
エステル系、赤燐系、グアニル尿素系、水酸化アルミニ
ウムなどの無機系難燃剤のいずれもが使用できる。これ
らの中では、特にポリカーボネート用難燃剤が好まし
い。
【0022】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物は回収ポリエチレンテレフタレート樹脂、焼
成ケイソウ土および必要により配合される副資材を混合
することにより得られる。混合の方法はドライブレン
ド、例えばエクストルーダー、ニーダー等の混合または
混練装置による混練等の公知の方法が採用できる。混合
する際の温度は用いる装置と回収ポリエチレンテレフタ
レート樹脂のメルトフローレートに従い、好ましくは2
30〜280℃とするのが望ましい。各成分を混合する
際、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂はペレットと
して用いると、焼成ケイソウ土の舞い上がりを抑制する
ことができるので好ましい。また焼成ケイソウ土の含有
量が多いマスターバッチを予め調製しておき、このマス
ターバッチを使用することもできる。
【0023】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物を製造するに際しては可塑剤を併用すること
もでき、例えば回収ポリエチレンテレフタレート樹脂お
よび焼成ケイソウ土の合計量100重量部に対して好ま
しくは3〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量
部の可塑剤を配合することができる。特に焼成ケイソウ
土の含有量が回収ポリエチレンテレフタレート樹脂およ
び焼成ケイソウ土の合計に対して45重量%を超える場
合には可塑剤を併用するのが好ましく、この場合可塑剤
の添着作用、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の流
動化により、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂およ
び焼成ケイソウ土をより均一に分散させることができ
る。可塑剤の具体的なものとしてはクエン酸アセチルト
リブチル、ジブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシ
ルマレート、各種ポリエステルオリゴマーなどが挙げら
れる。
【0024】上記のような製造方法により、回収ポリエ
チレンテレフタレート樹脂組成物はバルクまたはペレッ
ト等の状態で得られ、そのままで使用できるほか、成形
品として各種の用途に使用することができる。成形品の
原料として使用する場合は、混練後ペレタイザーなどに
よりペレット化し、樹脂組成物のペレットを得るのが好
ましい。
【0025】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物は、余剰化する回収ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂と微細な多孔性のもたらす焼成ケイソウ土とを
複合化することにより、回収ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の成形性を保持するとともに、機械的強さおよび
耐圧縮性など物理的性質を高め、さらに難燃性も向上さ
せるので、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の従来
にない広い分野の再利用を可能にする。例えば、本発明
の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は日用成
形品、農林業用成形品、または土木もしくは建築用成形
品などの原料として好適に使用することができるが、こ
れらに限定されるものではなく、無発泡、発泡ともに従
来より合成樹脂が用いられているすべての用途に用いら
れる。
【0026】日用成形品の具体的なものとしては、トレ
イ等の容器,包装シート等の包装材,小物箱、収納箱等
の収納ケース,箱の中の仕切り,ハンガー,クリップ,
屑かご、文具などがあげられる。また発泡体として緩衝
材、包装材、断熱材などとして使用することもできる。
シートの場合、無延伸のまま使用することもできるし、
延伸して延伸シートとして使用することもでき、無発
泡、発泡ともに真空、圧空成形できる。農林業用成形品
の具体的なものとしては、埴生や道路路肩の芝はりつ
け、シート固定などに用いる農業用杭(アンカーピ
ン),花卉、野菜栽培の支え用の支柱,花卉苗鉢、育苗
鉢、植木鉢、園芸ポット等の鉢類,鉢皿,シート,フェ
ンスなどがあげられる。土木もしくは建築用成形品の具
体的なものとしては、土止め杭、道路工事標識、誘導
板、工事枠板、壁タイル、難燃性タイル、シート、フェ
ンスなどがあげられる。また発泡体として緩衝材、断熱
材、遮音材などとして使用することもできる。
【0027】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物において焼成ケイソウ土の含有量が比較的多
い場合、例えば30重量%を超え50重量%以下の場
合、易崩壊性の成形品を成形することができるので、使
用期間の短い成形品または使い捨ての成形品の原料とし
て好適に使用することができる。易崩壊性の成形品の具
体的なものとしてはトレイ等の容器,包装シート等の包
装材などがあげられる。
【0028】易崩壊性の成形品を使用後に廃棄する場合
は、ある程度の衝撃を加えることにより容易に崩壊し減
容化できるため、環境への負荷を軽減することができ
る。減容化した廃棄物は土壌に還元することができ、こ
の場合焼成ケイソウ土の微細な多孔性により、土壌改良
効果も期待できる。なお焼成ケイソウ土の含有量が比較
的多い易崩壊性の成形品の場合でも、回収ポリエチレン
テレフタレート樹脂のみを再利用する場合に比べて機械
的強さは向上しており、通常の使用には十分な強度を有
している。
【0029】本発明の回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物において焼成ケイソウ土の含有量が比較的少
ない場合、例えば3重量%以上30重量%以下の場合、
本発明の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は
機械的強さが最も向上しているので、回収ポリエチレン
テレフタレート樹脂のみを再利用する場合に比べて、用
途が一段と広がる。例えば、長期間の使用を可能にする
耐久性を必要とする耐久性の成形品の原料として好適に
使用することができる。耐久性成形品の具体的なものと
しては収納ケース,ハンガー,農林業用杭または支柱,
花卉苗鉢、育苗鉢、植木鉢、園芸鉢、園芸ポット等の鉢
類,壁タイル、難燃性タイル、農業用シート等の土木も
しくは建築用成形品などがあげられる。
【0030】耐久性成形品も、易崩壊性の成形品の場合
よりも大きな力が必要であるが、衝撃を与えることによ
り破砕することができる。このため耐久性成形品を使用
後に破棄する場合は、破砕物を培養土に混ぜたり、また
大量に破棄する場合は破砕して減容化し、まとめて埋め
立てたり、焼却することができる。
【0031】本発明の成形品は上記回収ポリエチレンテ
レフタレート樹脂組成物からなる成形品である。具体的
には、前記した日用成形品、農林業用成形品、または土
木もしくは建築用成形品などである。成形方法としては
射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成
形、圧縮成形、インフレーション成形、Tダイ成形、カ
レンダー成形など、目的とする成形品に応じて任意の成
形方法を用いることができる。なお延伸を施す場合は、
焼成ケイソウ土の含有量が好ましくは25重量%以下、
さらに好ましくは20重量%以下であるのが望ましい。
【0032】本発明の成形品としては、農林業または土
木・建築用成形品として屋外で用いられ、使用後は廃棄
されるような成形品が好ましい。例えば花卉苗鉢、花
卉、野菜の支柱、土止め杭は、芝のはりつけ、道路路肩
の埴生はりつけ、種子シートなどの固定に用いられる。
使用後は衝撃を与えて破砕し、培養土に混ぜてもよく、
大量に回収した場合は破砕し、まとめて埋め立てあるい
は焼却してもよい。道路工事標識など一時的に使用する
成形品は、使用後容易に破砕して減容化できるので埋め
立て処理ができる。これらの用途には、焼成ケイソウ土
含有量が高い成形品が好ましい。
【0033】回収ポリエチレンテレフタレート樹脂およ
び焼成ケイソウ土はともに極めて安価な原料であり、焼
成ケイソウ土は優れた耐火材であるから、回収ポリエチ
レンテレフタレート樹脂に好ましくは30〜50重量%
で混合すると、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の
強度が向上するとともに難燃性を改善した成形品が得ら
れる。回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は加
工性に富み、さまざまな成形加工ができ、難燃性を改善
した成形品としては、例えば、難燃性規格を満たす安価
な建材としての壁タイル、日用品トレイ、包装シートな
どが得られる。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、回収ポリ
エチレンテレフタレート樹脂に焼成ケイソウ土を配合す
ることにより、これまで再利用が限定されていた回収ポ
リエチレンテレフタレート樹脂の再利用分野を著しく拡
げることができ、しかも環境への負荷を軽減することの
できる回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およ
びそれからなる成形品を安価に得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について説
明する。
【0036】実施例1 農業用杭および農業用支柱 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂フレークおよび焼
成ケイソウ土の粉末を用いて農業用杭および農業用支柱
を成形した。農業用杭(アンカーピン)として、埴生や
道路路肩の芝はりつけ、シート固定などに、農業用支柱
は花卉、野菜栽培の支えなどに用いられる。
【0037】1)原料 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂としては、回収さ
れた飲料PETボトルを破砕、分別した、よのペット
(株)製の非結晶性フレーク(長径2〜4mmの無定形
片)を用いた。このフレークは混練しやすいように、あ
らかじめ1軸ニーダ造粒装置でペレットにして樹脂組成
物の調製に用いた。このペレットの分子量および流動性
の目安を示すメルトフローレートは47g/10分(A
STM D−1238準拠、荷重2.54kgf、27
0℃)である。ケイソウ土は(株)鍵主工業製の焼成粉
末(焼成温度:800℃、平均粒径:40μm)を10
0℃で一夜乾燥して用いた。この焼成ケイソウ土はかさ
比重0.5、真比重2.2である。
【0038】2)樹脂組成物の調製 卓上2軸押出機を用い、回収ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂ペレットと焼成ケイソウ土の重量混合比が表1に
示す通りの樹脂組成物ペレット作成した。混練温度は2
70℃である。
【0039】
【表1】
【0040】混練工程で、可塑剤を用いなくても焼成ケ
イソウ土50重量%までは良好に分散したが、この濃度
の場合、押し出されたストランドが不連続であった。
【0041】3)成形 上記2)で得た樹脂組成物ペレットについて、焼成ケイ
ソウ土を40重量%含むペレットを射出成形して3種類
の形状の土止め杭を作成した。加工条件は次の通りであ
る。 成形装置:射出成形機、栗本鉄工社製、クロックナーF
−40(商標) 形状:1)6mm先細り角柱、長さ約600mm 2)5mmφ先細り円筒、長さ50mm 3)面抑え付き、5mmφ先細り円筒、長さ50mm 成形条件: 成形温度;270℃ 金型温度;23〜26℃ 射出圧力;26.7MPa 射出時間;20sec 保持時間;20sec 冷却時間;20sec
【0042】先細り角柱、円筒状、上面抑え付きの3種
類の形状の杭は容易に成形できた。冷却過程で生じやす
いPETの結晶化による白化はこの条件では見られなか
った。比較のために、焼成ケイソウ土40重量%のほか
にPET単体および焼成ケイソウ土20重量%のサンプ
ルも成形した。
【0043】4)崩壊試験 焼成ケイソウ土40重量%の杭は、芝生に打ち込んで破
損することはなかったが、礫混じりの硬い土では衝撃で
折れた。さらに、折り曲げるように手で力を加えると容
易に折れ、コンクリート台の上でハンマーにより容易に
数個の破片と化した。一方、回収ポリエチレンテレフタ
レート樹脂のみを原料とする杭および焼成ケイソウ土2
0重量%の杭は、手で力を加えると折れ曲がるが破断せ
ず、ハンマーでは崩壊した。よって、焼成ケイソウ土2
0重量%の成形品は、花卉、野菜の農業用支柱としても
適用できる。
【0044】実施例2 難燃性タイル 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂および焼成ケイソ
ウ土を含む樹脂組成物を圧縮成形法により、タイルを成
形した。タイルは安価な難燃性の壁材などに用いられ、
また成形型を変えれば安価なトレイ類も成形できる。 1)原料 実施例1で調製した焼成ケイソウ土含有量40重量%お
よび20重量%の樹脂組成物ペレットを用いた。
【0045】2)成形 圧縮成形の条件は次の通りである。 成形装置 :圧縮成形機、26トン、東邦プレス製作所
社製 タイル型枠:鋳型;100mm×100mm×厚み3m
m 成形温度 :260℃〜270℃ 成形時間 :60秒〜120秒
【0046】圧縮温度260℃では成形できるが、タイ
ル中心部に空洞(ボイド)ができやすい。これは、合成
樹脂には固有の成形収縮があって、中心部や肉厚部分な
ど冷却の遅れた部分の収縮によって周囲が引っ張られ、
固化が遅れるときに、へこみやボイドを生じるためであ
る。成形品は茶褐色で硬く、表面に美麗な光沢がある。
なお、比較のための回収ポリエチレンテレフタレート樹
脂単体は、温度を変えても成形できなかった。
【0047】3)難燃試験 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成
形品の燃焼性をUL規格94に基づき試験した。長さ1
27mm、幅13mm、厚み 3.1mmの標準試験片
を射出成形により作成し、判定基準は94V−2を用い
た。なお、燃焼性は、94V−0、94V−1、94V
−2の3段階の判定基準がある。94V−0が最も燃焼
しにくい。結果は表2に示す通りであり、焼成ケイソウ
土含有量40重量%ではUL燃焼試験94V−2に合格
した。したがって、回収ポリエチレンテレフタレート樹
脂組成物からなる成形品は日用品、建材などの資材とし
て再生する場合、新たな製品開発の可能性が拓けた。
【0048】
【表2】
【0049】実施例3 シート 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂および焼成ケイソ
ウ土を含む樹脂組成物ペレットからシートを作成した。 1)原料 実施例1に示した方法に基づき、焼成ケイソウ土含有量
5重量%、20重量%の樹脂組成物ペレットを作成し
た。
【0050】2)成形 上記1)で得た樹脂組成物ペレットをT−ダイ法で押出
成形し、厚さ300、450、600μmのシートを作
成した。回収ポリエチレンテレフタレート樹脂は分子量
が低下して、それ自体でも延伸することが困難で、焼成
ケイソウ土は悪影響を及ぼすことが予想された。よっ
て、焼成ケイソウ土含有量は5重量%および20重量%
の2種類とした。T−ダイ押出機設定条件は次の通りで
ある。 成形装置:1軸T−ダイ押出機、陸亜社製 スクリュウ:35mm径、L/D=25 スリット:100μm〜1000μm 設定温度:240℃〜270℃ 原料ペレット:80℃、一夜乾燥
【0051】シート延伸は、焼成ケイソウ土含有量20
重量%でも厚み600μmで可能であった。焼成ケイソ
ウ土含有量5重量%の場合、厚み変化に対する許容性が
あり、450μmから600μmの範囲で良好に延伸で
き、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂単体は、延伸
性は良好ではない。
【0052】実施例4 成形品の機械的強さ 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂および焼成ケイソ
ウ土の崩壊性を表す指標の一つとして、成形品の引張り
強さ、引張り弾性率、引張り伸びを測定した。試験条件
は直交化して行った。水準ごとに試験片は5片作成しそ
の平均を求めた。試験条件は次の通りである。 引張り計測機:インストロン材料試験機 5582型 試験温度 :室温 試験片 :ASTM ダンベルタイプ1、厚み3mm 引張り速度 :50mm/min 標線間距離 :50mm 伸び計測機 :インストロン伸び計2663型
【0053】試験結果を表3に示す。
【表3】
【0054】引張り強さについて、回収ポリエチレンテ
レフタレート樹脂単体、焼成ケイソウ土含有量20重量
%、40重量%いずれも有意に変化する。すなわち、統
計的検定の結果から焼成ケイソウ土含有量20重量%の
場合は、引張り強さが有意に向上し、引張り伸びは著し
く減少した。このことは、焼成ケイソウ土粒子の一部分
がPET分子を仮架橋させ、これによりエネルギー弾性
を向上させていることが示唆され、ミクロには見かけの
分子量が向上したといえる。引張り弾性率は、回収ポリ
エチレンテレフタレート樹脂単体と焼成ケイソウ土含有
量20重量%とでは、危険率1%では差は有意ではな
い。つまり、焼成ケイソウ土は他の機械的物性に影響す
るが、引張り弾性率は含有量20重量%では回収ポリエ
チレンテレフタレート樹脂単体の性質をかなり保存して
いる。この性質は、実施例5に述べる摩耗性についても
同様であった。
【0055】引張り伸びは、焼成ケイソウ土を混練する
と著しく低下し、焼成ケイソウ土含有量20重量%と4
0重量%とでは危険率1%では、その差は有意ではな
い。すなわち、焼成ケイソウ土は回収ポリエチレンテレ
フタレート樹脂の引張り伸びを著しく低下させるが、含
有量が20重量%以上になると影響力は乏しくなる。焼
成ケイソウ土含有量が20重量%以上になると、マクロ
には焼成ケイソウ土が回収ポリエチレンテレフタレート
樹脂分子を分散させ、分子間のからみがなくなるためで
あろう。
【0056】実施例5 成形品の摩耗性 成形品の摩耗性を、回収ポリエチレンテレフタレート樹
脂への焼成ケイソウ土混練が崩壊性に影響する指標と
し、ブランクと比較した。試験はJIS K−7204
準拠テーバ式摩耗試験法によった。試験条件は次の通り
である。水準ごとに試験片2片を作成しその平均を求め
た。 試験片 :円板(100mmφ、厚み1.5mm) 試験荷重:1kg 摩耗輪 :H−18型
【0057】試験結果を表4に示す。
【表4】
【0058】あわせて、焼成ケイソウ土含有量の摩耗性
におよぼす平均値の差の検定を行った。焼成ケイソウ土
含有量20重量%の場合は、有意水準1%、5%ともに
摩耗性に有意な影響を及ぼさない。40重量%になると
急速に摩耗性が著しくなる。焼成ケイソウ土含有量20
重量%の場合、引張り強さは焼成ケイソウ土を混練しな
い回収ポリエチレンテレフタレート樹脂よりむしろ有意
に向上することと合わせて、再生品の品質設計に重要な
特性が期待できる。
【0059】実施例6 成形品の曲げ試験 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成
形品の易崩壊性を表す指標として、ASTMに準拠した
耐候性試験を行い、試験前後の曲げ強さおよび曲げ弾性
率を試験した。試験条件は次の通りである。水準ごとに
試験片は3片作成して平均を求めた。 ASTM D 790準拠 試験片 :24×60×厚み2mm スパン :48mm 試験装置:インストロン材料試験機 5582型
【0060】耐候性試験前後の曲げ強さおよび曲げ弾性
率の変化を表5に示す。
【表5】
【0061】この試験は、崩壊性について興味深い結果
を示す。すなわち、曲げ強さ、曲げ弾性率ともに回収ポ
リエチレンテレフタレート樹脂単体は耐候性試験により
強さを増す。焼成ケイソウ土含有量40重量%混練試料
は、曲げ強さ、曲げ弾性率ともに劣化の傾向を示した。
これらの有意差は平均値の差の検定でも明らかであっ
た。
【0062】すなわち、回収ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂単体は、耐候性試験後に判断を誤る危険率5%の
もとで、有意に曲げ強さが向上し、曲げ弾性率は変化が
なかった。一方、焼成ケイソウ土含有量40%の樹脂組
成物は、危険率1%でも有意に劣化を生じた。この耐候
性試験は、約2.4年の自然の陽光と風雨環境に相当す
る。この間に回収ポリエチレンテレフタレート樹脂単体
は、光と水の影響で分子末端が光重縮合または架橋を生
じて、分子量がむしろ向上し、一方、焼成ケイソウ土混
練物は光を透過しないから架橋せず劣化が始まるものと
考えられる。
【0063】実施例7 園芸鉢 回収ポリエチレンテレフラレート樹脂に焼成ケイソウ土
を混練した樹脂組成物ペレットを用いて、園芸鉢を射出
成形した。 1)原料 実施例1で調製した焼成ケイソウ土含有量40重量%お
よび20重量%の樹脂組成物ペレットを用いた。さら
に、焼成ケイソウ土中間濃度ペレットとして、焼成ケイ
ソウ土含有量40重量%のペレットに実施例1で用いた
回収ポエリエチレンテレフタレート樹脂ペレットを混合
して、焼成ケイソウ土含有量30重量%の原料を作成し
た。比較のため実施例1で用いた回収ポリエチレンテレ
フタレート樹脂ペレット単体も用いた。成形前に原料は
すべて140℃で一夜乾燥した。
【0064】2)成形 射出成形条件は次の通りである。 成形装置:射出成形機、日精樹脂工業社製、PSbOE
9ASE型 金型:園芸鉢、外縁リブ付。鉢の口径90mm、底径6
0mm、高さ80mm、厚み0.5mm、外縁リブ幅
2.5mm、リブの数16本 可塑化時間:9.8sec 充填時間:0.55〜0.95sec 射出圧力:8.6〜10.3MPa フィーダ温度:280〜290℃ 金型表面温度:28〜30℃
【0065】焼成ケイソウ土含有量20重量%の樹脂組
成物ペレットは、つやのあるベージュ色の鉢が容易に成
形できた。焼成ケイソウ土含有量40重量%の樹脂組成
物ペレットは成形できたが、上記射出条件では成形物の
多くはクラックを生じた。よって焼成ケイソウ土含有量
40重量%のペレットに回収ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂ペレットを加えて、焼成ケイソウ土含有量が30
重量%になるように混合した原料を供給して成形機フィ
ーダ内のスクリュで混練し、成形した。半透明の明るい
茶色の園芸鉢が得られた。比較のために、回収ポリエチ
レンテレフタレート樹脂ペレット単体も成形した。一般
に回収ポリエチレンテレフタレート樹脂は射出成形し難
いとされているが、上記の成形条件では、透明で光沢を
持つ可撓性のある園芸鉢が成形できた。
【0066】3)崩壊性 焼成ケイソウ土含有量40重量%の園芸鉢は硬く、手で
力を加えると容易に無定形片に破砕し、園芸鉢としての
実用性は小さかった。焼成ケイソウ土含有量30重量%
の園芸鉢は弾性があり、両手でやや強い力を加えると数
個の破片に崩壊した。コンクリートの台に置き、ハンマ
ーで衝撃を与えると容易に多数の無定形片に破砕した。
強い力を加えない限り破砕しないから、園芸鉢として使
用でき、不要になった場合には衝撃を加えることにより
容易に崩壊し減容化できる。焼成ケイソウ土含有量20
重量%の園芸鉢もたわみが有り、手で強い力を加えると
破砕した。ハンマーによる衝撃試験では容易に破砕し、
衝撃を繰り返すと多くの細片になり減容化した。減容化
可能な園芸鉢として使用できる。比較のための回収ポリ
エチレンテレフタレート樹脂のみの園芸鉢は、両手で力
を加えても破砕できなかった。ハンマーによる衝撃試験
では破砕できるが、易崩壊性とは言えない。園芸鉢とし
て使用できるが透明であり、植物の育成には適さない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/34 C08K 3/34 4J002 E04C 2/20 E04C 2/20 F Fターム(参考) 2B022 AB06 BA01 BA21 CA10 2B023 AC03 AC10 2B027 NC02 NC16 NC24 NC40 ND01 2E162 CD04 FA00 4F071 AA46 AB26 BB05 BC07 4J002 CF061 DJ036 FD016

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂と
    焼成ケイソウ土とを含む回収ポリエチレンテレフタレー
    ト樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂
    が、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるボトルま
    たはその他の包装容器の回収品を再利用したものである
    請求項1記載の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 焼成ケイソウ土が500〜1200℃で
    焼成されたケイソウ土粉末である請求項1または2記載
    の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の
    含有量が50〜97重量%、焼成ケイソウ土の含有量が
    3〜50重量%である請求項1ないし3のいずれかに記
    載の回収ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の
    含有量が50重量%以上70重量%未満、焼成ケイソウ
    土の含有量が30重量%を超え50重量%以下である請
    求項1ないし3のいずれかい記載の回収ポリエチレンテ
    レフタレート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 回収ポリエチレンテレフタレート樹脂の
    含有量が70重量%以上97重量%以下、焼成ケイソウ
    土の含有量が3重量%以上30重量%以下である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の回収ポリエチレンテレフ
    タレート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の樹
    脂組成物からなる成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の樹
    脂組成物からなる日用成形品、農林業用成形品または土
    木もしくは建築用成形品。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載の樹
    脂組成物からなる難燃性成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013014669A (ja) * 2011-07-01 2013-01-24 F Consultant:Kk 被覆材
CN107573654A (zh) * 2017-08-23 2018-01-12 阜南县润杨家居有限公司 一种塑料花盆及其制作工艺
WO2019234790A1 (ja) * 2018-06-04 2019-12-12 サントリーホールディングス株式会社 土壌改質方法、土壌改質材、及びその使用

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