JP2003040924A - 重合体およびその製造方法ならびに用途 - Google Patents

重合体およびその製造方法ならびに用途

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JP2003040924A JP2001231192A JP2001231192A JP2003040924A JP 2003040924 A JP2003040924 A JP 2003040924A JP 2001231192 A JP2001231192 A JP 2001231192A JP 2001231192 A JP2001231192 A JP 2001231192A JP 2003040924 A JP2003040924 A JP 2003040924A
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unsaturated carboxylic
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Masahiro Aoyama
政裕 青山
Hideki Kurita
秀樹 栗田
Michihiro Kawai
道弘 河合
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体洗剤に含まれる界面活性剤及びアルカリ
剤等との相溶性が良く、ビルダーとしての基本性能に優
れる重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和カルボン酸およびモノ
アルコキシポリアルキレンオキサイドを含有する単量体
混合物を180〜270℃の温度で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体洗剤用添加剤、
特に衣料用液体洗剤添加剤に関するもので、当該添加剤
はビルダーまたは金属イオン封鎖剤(金属イオン捕捉
剤)とも呼称されているものである。
【0002】
【従来の技術】液体洗剤用のビルダーとして、高分子量
カルボン酸及びその塩が知られている(特公平4−20
9644号公報、特公昭62−25165号公報)。し
かし、上記高分子量カルボン酸及びその塩は、アニオン
系及びノニオン系界面活性剤との相溶性が不充分な場合
があり、得られる液体洗剤が濁りを生じたり、液分離を
起こしたりするために使用が制限される。界面活性剤と
の相溶性が改良されたビルダーとして、エチレン性不飽
和カルボン酸の重合体が主鎖であり、数平均分子量20
0以上のポリエーテル成分を側鎖に有するグラフト重合
体が知られている(特開平7−53993号公報、特開
昭59−62614号公報)が、使用条件によっては界
面活性剤との相溶性が不充分であり、ビルダーとしての
基本性能が充分でない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、洗
剤、特に液体洗剤に含まれる界面活性剤及びアルカリ剤
等との相溶性が良く、ビルダーとしての基本性能に優れ
る、すなわち液体洗剤に添加されたときに汚れ粒子の分
散能が大きく金属イオン捕捉能が大きいという効果を発
揮できる重合体の製造方法および該重合体からなる液体
洗剤用の添加剤すなわちビルダーを提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の重合体の製造方法は、エチレン性
不飽和カルボン酸およびモノアルコキシポリアルキレン
オキサイドを含有する単量体混合物を180〜270℃
の温度で反応させることを特徴とするものである。請求
項2に記載の重合体は、請求項1に記載の重合体の製造
方法により得られるものである。請求項3に記載の液体
洗剤用の添加剤は、請求項2に記載の重合体からなるも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】エチレン性不飽和カルボン酸は、
重合体の主鎖の主成分であり、得られる重合体が液体洗
剤用添加剤すなわち液体洗剤用のビルダーとして、汚れ
粒子の分散能向上効果や金属イオン捕捉能を発揮するた
めの成分である。また、後述するモノアルコキシポリア
ルキレンオキサイドが重合体の側鎖として導入されるた
めの反応性基の供給源としても重要である。エチレン性
不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸及びイタコン酸が挙げられる。その一種を単独
で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。これら
のなかでは、汚れ粒子の分散能及び金属イオン捕捉能に
優れることからアクリル酸またはメタクリル酸を単独ま
たは組み合わせて用いることが好ましく、アクリル酸が
特に好ましい。
【0006】エチレン性不飽和カルボン酸は、重合前ま
たは重合後にカルボキシル基の全部または一部が中和さ
れることが好ましい。カルボキシル基との中和により形
成される塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム
塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩
等のアルカリ土類金属塩、エチルアミン等のアミン塩等
が挙げられるが、界面活性剤との相溶性に優れる塩とし
てアルカリ金属塩又はアミン塩が好ましく、ナトリウム
塩又はカリウム塩がより好ましく、カリウム塩がさらに
好ましい。
【0007】モノアルコキシポリアルキレンオキサイド
は、エチレン性不飽和カルボン酸単位を主成分とする重
合体の汚れ粒子の分散能および金属イオン捕捉能を損な
うことなく、界面活性剤及び/又はアルカリ剤等との相
溶性を著しく向上させるための成分を重合体側鎖に導入
するためのものである。
【0008】モノアルコキシポリアルキレンオキサイド
のアルコキシ基中のアルキル基は直鎖でも分岐を有して
いても良い。アルコキシ基の炭素原子の数は、1〜18
個が好ましく1〜12個がより好ましく、1〜8個が更
に好ましく、1〜3個が特に好ましい。炭素原子の数が
多すぎると疎水性が大きくなり、得られる重合体が界面
活性剤及び/又はアルカリ剤等との相溶性が低いものと
なる場合がある。
【0009】モノアルコキシポリアルキレンオキサイド
のアルキレン基は直鎖でも分岐を有していても良い。ア
ルキレン基の炭素原子の数は2〜4個が好ましく、2〜
3個がより好ましく、2個が更に好ましい。また、これ
らのランダムまたはブロック混合体でも良い。炭素原子
数が多すぎると、得られる重合体が、疎水性が大きいも
のとなり、界面活性剤及び/又はアルカリ剤等との相溶
性が低下いものとなる場合がある。
【0010】ポリアルキレンオキサイドの繰り返し単位
数は2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2
〜4が更に好ましい。繰り返し数が多いほど得られる重
合体が、界面活性剤及び/又はアルカリ剤等との相溶性
がよいものとなるが、多すぎると側鎖が長くなる為、ビ
ルダーとしての汚れ粒子の分散能や金属イオン捕捉能が
悪くなり、洗浄力が低下する場合がある。
【0011】上記エチレン性不飽和カルボン酸、モノア
ルコキシポリアルキレンオキサイドを含有する単量体混
合物を180〜270℃の温度で反応させることにより
目的の重合体が得られる。
【0012】単量体混合物におけるエチレン性不飽和カ
ルボン酸とモノアルコキシポリアルキレンオキサイドの
割合は、エチレン性不飽和カルボン酸/モノアルコキシ
ポリアルキレンオキサイド(重量比)で0.5〜20が
好ましく、1.0〜10がより好ましく、1.3〜5が
更に好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸が少なすぎ
ると得られる重合体は、カルボキシル基の含有量が少な
いため、汚れ粒子の分散能や金属イオン捕捉能が低くな
り、洗浄力が低いものとなる場合がある。エチレン性不
飽和カルボン酸が多すぎると得られる重合体が、界面活
性剤との相溶性が悪いものとなる場合がある。
【0013】単量体混合物は、得られる重合体の液体洗
剤用添加剤としての性能を損なわない範囲で、エチレン
性不飽和カルボン酸以外のビニル単量体(以下、その他
のビニル単量体ともいう。)が添加されたものであって
もよい。その他のビニル単量体の例としては、アクリル
酸アルキルエステル、アクリルアミド、アクリル酸ヒド
ロキシアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、メタ
クリル酸アルキルエステル等が挙げられる。その他のビ
ニル単量体を併用することにより、重合体の相溶性や粘
性を調整することもできる。
【0014】エチレン性不飽和カルボン酸、モノアルコ
キシポリアルキレンオキサイドを含有する単量体混合物
は180〜270℃の温度で反応されて重合体が得られ
る。得られる重合体は、エチレン性不飽和カルボン酸単
位を主体とする重合体の側鎖にモノアルコキシポリアル
キレンオキサイドが導入された、いわゆるグラフト共重
合体の構造を有するものを主成分としたものである。該
重合体のモノアルコキシポリアルキレンオキサイド成分
からなる側鎖は、エチレン性不飽和カルボン酸に由来す
るカルボキシル基とモノアルコキシポリアルキレンオキ
サイドの水酸基が縮合反応してエステル結合を生成する
ことにより導入される。
【0015】反応温度は190℃〜250℃が好まし
く、210〜240℃がより好ましい。反応温度が低す
ぎると得られる重合体が分子量の大きいものになりやす
いため、およびエチレン性不飽和カルボン酸単位を主体
とする重合体の側鎖にモノアルコキシポリアルキレンオ
キサイドが導入される割合が小さいものになりやすいた
め、界面活性剤及び/又はアルカリ剤等との相溶性が小
さいものになるので好ましくない。また、反応温度が高
すぎると、得られる重合体が着色したりゲル化する場合
があるので好ましくない。
【0016】重合反応の方法としては、公知の塊状重
合、溶液重合等を採用することができる。溶液重合を行
なう場合の溶剤の具体例としては水、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン
等を挙げることができる。バッチ重合、連続重合、セミ
連続重合等のいずれも採用できるが、撹拌槽型反応器を
使用する連続重合は、得られる重合体が特に界面活性剤
及びアルカリ剤等との相溶性が良好であり、ビルダーと
しての性能が優れたものとなるために好ましい。そのよ
うな連続重合は公知である(特表昭57−502171
号公報、特開昭59−6207号公報、特開昭60−2
15007号公報)。
【0017】重合反応は必要に応じて重合開始剤を使用
して行われる。重合開始剤としては、過酸化水素、過硫
酸塩、有機過酸化物、アゾ化合物などが挙げられる。重
合助剤として、鉄などの遷移金属化合物、メルカプトエ
タノール、メルカプトプロピオン酸などのメルカプト化
合物、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸塩、アスコル
ビン酸などを併用することができる。単量体混合物、重
合開始剤、溶剤等の原料仕込方法の具体例としては、特
に制限はないが、全量を反応器に反応前に仕込む方法、
一部を反応器に仕込み、残りを反応器に連続的あるいは
間欠的に添加する方法、全量を反応器に連続的に仕込む
方法などが挙げられる。重合反応時間は5〜300分が
好ましく、5〜100分がより好ましく、5〜50分が
更に好ましい。
【0018】重合体は、その重量平均分子量が1000
〜20000であることが好ましく、より好ましくは2
000〜15000であり、さらに好ましくは3000
〜10000である。重量平均分子量が大きすぎると、
汚れ粒子の分散能が低くなり、界面活性剤等との相溶性
が悪くなる場合がある。重量平均分子量が小さすぎると
汚れ粒子の分散能が低くなり、洗浄力向上効果が充分で
ない場合がある。尚、重量平均分子量は、水系ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定
した。このときのGPCのカラムとしては、東ソー株式
会社製商品名G4000PWXL、G3000PWX
L、G2500PWXLをつないで用いた。移動相とし
ては、0.1MNaClを含むリン酸バッファー(pH
7.0)を用いた。なお、ここで用いた試薬は何れも特
級である。また、液クロ装置は東ソー株式会社製802
0システムを用いた。検出器はRIを用い、移動相の流
量は0.8ml/分とし、カラム温度は40℃とした。
検量線は、アメリカンポリマーサイエンス社のポリアク
リル酸ナトリウム標準サンプルを用いて作成した。
【0019】本発明の添加剤が配合される液体洗剤とし
ては、例えば木綿、絹等の天然繊維やレーヨン等の合成
繊維等からなる繊維衣料用の洗浄剤などがある。本発明
の添加剤の液体洗剤への配合量としては、液体洗剤全体
に対して、一般的には0.1〜40重量%であり、好ま
しくは0.5〜20重量%である。配合量が上記範囲未
満では、十分な汚れ粒子の分散能や金属イオン捕捉能が
得られず、ビルダーとしての機能が不足する場合があ
り、一方、上記範囲を超えて配合しても、その効果が飽
和する傾向にあるため経済的ではない。本発明の添加剤
が配合される上記液体洗剤は、界面活性剤及び/又はア
ルカリ剤に加えて、珪酸塩等の無機ビルダー、再汚染防
止剤、酵素、蛍光剤、相溶化剤、泡抑制剤、酸素系漂白
剤、塩素系漂白剤、柔軟剤、香料等の従来公知の成分を
必要に応じて配合されるものである。
【0020】
【作用】エチレン性不飽和カルボン酸、モノアルコキシ
ポリアルキレンオキサイドを含有する単量体混合物を1
80〜270℃の温度で反応させて得られた重合体は、
従来ビルダーとして使用されているカルボキシル基含有
重合体や、側鎖にモノアルコキシポリアルキレンオキサ
イド成分を有するカルボキシル基含有重合体より、界面
活性剤との相溶性が優れ、該重合体が配合された液体先
剤は汚れ粒子の分散能および金属イオン捕捉能の優れた
ものとなった。その理由は、180〜270℃という高
温で反応させることにより、エチレン性不飽和カルボン
酸単位を主体とする重合体の側鎖にモノアルコキシポリ
アルキレンオキサイド成分が効率的に導入されたためと
推測される。また、エチレン性不飽和カルボン酸および
モノアルコキシポリアルキレンオキサイド鎖を有するビ
ニル単量体からなる単量体混合物を重合反応させること
によっても本発明により得られる重合体と類似組成の重
合体が得られるが、後述する比較例に示すようにそのよ
うな重合体が界面活性剤等との相溶性が不充分であった
のは、重合体の側鎖に導入されたポリアルキレンオキサ
イド成分の分布状態が、本発明の重合体とは異なるため
と推測している。
【0021】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。「部」は質量部を意味し、「%」は質量%を意味
する。 ○実施例1(重合体1の製造) 電熱式ヒーターを備えた容量300mlの加圧式撹拌槽
型反応器を、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
で満たし、温度を220℃にして、圧力調節器により圧
力をゲージ圧で2.5〜2.7MPaに保った。次い
で、反応器の圧力を一定に保ちながら、アクリル酸36
部とモノメトキシポリエチレングリコール(エチレンオ
キシ単位の繰り返し数の平均n=3のポリエチレングリ
コールの片末端がメトキシエーテル化されたもの)24
部、メチルエチルケトン35部からなる単量体混合液及
びジターシャリーブチルパーオキサイド2部、メチルエ
チルケトン5部からなる開始剤混合液を、一定の供給速
度(それぞれ16g/分、4g/分、滞留時間:15
分)でそれぞれの原料タンクから反応器に連続供給を開
始し、単量体混合物及び開始剤混合物の供給量の合計量
に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応
開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による
温度上昇が認められたが、ヒーターを制御することによ
り、反応温度を219〜221℃に保持した。単量体混
合物及び開始剤混合物の供給開始後温度が安定した時点
を、抜き出した反応液の採取開始点とし、これから45
分間反応および採取を継続した結果、合計978gの単
量体混合液と開始剤混合液を供給し、723gの反応液
を回収した。反応器を薄膜蒸発器に導入して、未反応モ
ノマー等の揮発成分を分離し、440gの重合体1を得
た。重合体1を水酸化ナトリウム水溶液により中和し
て、重合体1の水溶液(固形分濃度40%)を得た。G
PC分析により求めた重合体1の重量平均分子量(以
下、Mwという。)は3890、数平均分子量(以下、
Mnという。)は1630であった。
【0022】○実施例2(重合体2の製造) 実施例1において、反応温度を199〜201℃に保持
した以外は、実施例1と同様に操作を行ない、重合体2
を得た。得られた重合体2を水酸化ナトリウム水溶液で
中和させて重合体2の水溶液(固形分濃度40%)を得
た。GPC分析により求めた重合体2のMwは582
0、Mnは1590であった。
【0023】○実施例3(重合体3の製造) 実施例1において、モノメトキシポリエチレングリコー
ル24部の代りにモノブトキシポリエチレングリコール
(エチレンオキシ単位の繰り返し数の平均n=2のポリ
エチレングリコールの片末端がブトキシエーテル化され
たもの)24部を使用し、ジターシャリーブチルパーオ
キサイドの使用量を1部とし、反応温度を229〜23
1℃に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行な
い、重合体3を得た。得られた重合体3を水酸化ナトリ
ウム水溶液で中和させて重合体3の水溶液(固形分濃度
40%)を得た。重合体3のMwは3450、Mnは1
470であった。
【0024】○比較例1(重合体4の製造) 温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコ
に水150部を仕込み80℃まで昇温した。次に、攪拌
下にアクリル酸80部およびモノメトキシポリエチレン
グリコール(エチレンオキシ単位の繰り返し数の平均n
=4.5のポリエチレングリコールの片末端がメトキシ
エーテル化されたもの)とアクリル酸のエステル(以
下、モノメトキシポリエチレングリコール(n=4.
5)アクリレートともいう。)20部からなる単量体混
合液、30%過硫酸ナトリウム15部、メルカプトプロ
ピオン酸2部をそれぞれ3時間にわたって連続的に滴下
し、重合反応を行った。さらに反応液の温度を80℃に
保ったまま1時間攪拌し、重合反応を完了した後、得ら
れた重合体4を水酸化ナトリウム水溶液で中和させて重
合体4の水溶液(固形分濃度40%)を得た。重合体4
のMwは19800、Mnは6190であった。
【0025】○比較例2(重合体5の製造) 比較例1において、モノメトキシポリエチレングリコー
ル(n=4.5)アクリレート20部の代りにモノメト
キシポリエチレングリコール(エチレンオキシ単位の繰
り返し数の平均n=3のポリエチレングリコールの片末
端がメトキシエーテル化されたもの)とメタクリル酸の
エステル20部を使用し、またメルカプトプロピオン酸
2部を4部に変更した以外は、比較例1と同様にして重
合体5を得、その水溶液(固形分濃度40%)を得た。
重合体5のMwは6000、Mnは2070であった。
【0026】○比較例3(重合体6の製造) 温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、平均分子量3000のポリエチレングリ
コール100部を仕込んで、窒素気流下、加熱して溶融
させ、攪拌下で145℃まで昇温した。次に、温度を1
45〜147℃に保ちながら、アクリル酸50部、ジ−
t−ブチルパ−オキサイド2.5部を別々に、1時間に
わたって連続的に滴下し、その後20分間攪拌を続け
た。冷却後、滴下したアクリル酸に由来するカルボキシ
ル基を中和できる量の水酸化ナトリウム水溶液を加え、
攪拌下還流温度で1時間加熱して、重合体6の水溶液
(固形分濃度40%)を得た。重合体6のMwは263
0、Mnは798であった。
【0027】(界面活性剤との相溶性の評価) ○ノニオン系界面活性剤との相溶性 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均エチレン付
加モル数=8)の50重量%水溶液中に、実施例及び比
較例の重合体を純分濃度(界面活性剤水溶液と重合体水
溶液の混合物の全体量を基準とした重合体の濃度)で1
または3%添加して充分混合し、0℃または50℃の温
度で1週間静置後の液の濁りを目視にて評価した。評価
結果は、○;濁りなし、△;多少の濁りあり、×;明ら
かに濁りあり、の3段階で表した。その結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】○アニオン系界面活性剤との相溶性 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの25重量%水
溶液中に、実施例及び比較例の重合体を純分濃度で1ま
たは3重量%添加して、0℃または50℃の温度で1週
間静置後の液の濁りを目視にて評価した。評価結果は、
○;濁りなし、△;多少の濁りあり、×;明らかに濁り
あり、の3段階で表した。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】(液体洗剤組成物としての相溶性および洗
浄力の評価) ○液体洗剤組成物としての相溶性 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均エチレン付
加モル数=8)40%、エタノール2%、プロピレング
リコール5%、モノエタノールアミン7%を含む水溶液
中に、実施例及び比較例の重合体を純分濃度で4%添加
して液体洗剤組成物を調製し、液の濁りを目視にて評価
した。評価結果は、○;濁りなし、△;多少の濁りあ
り、×;明らかに濁りあり、の3段階で表した。その結
果を表3に示す。試験は液温25℃で行った。実施例の
重合体は比較例の重合体(80℃の温度で重合させて得
られたもの)と比べて、良好な相溶性を示した。
【0032】○液体洗剤組成物の洗浄力評価 上記配合した洗剤組成物について洗浄力を測定した。使
用水は名古屋市水を用い、上記液体洗剤組成物の濃度が
0.1%になるよう洗浄液を調製した。人工汚染布とし
て、下記の湿式人工汚染布を使用する以外はJIS K
−3362に準じて試験を行った。 湿式人工汚染布(財団法人 洗濯科学協会製)の汚垢組
成 ・有機成分 オレイン酸 28.3% トリオレイン 15.6% コレステロールオレート 12.2% 流動パラフィン 2.5% スクアレン 2.5% コレステロール 1.6% ゼラチン 7.0% ・無機成分 泥 29.8% カーボンブラック 0.2〜0.3% ターゴトメータ(洗濯試験機)を用いて、洗浄液100
0ml中で、10cm×10cmの人工汚染布5枚を用
いて、温度15℃にて170rpmで5分間洗浄をおこ
なった。5分間すすぎを行った後、乾燥し、布の汚れ落
ちの様子を表面反射率計を用いて、表面反射率を測定
し、下記の式に従い洗浄率を算出した。ビルダー(実施
例または比較例に記載された重合体1〜6)を添加しな
い洗剤組成物は、ビルダーのかわりに水を配合した。結
果を表3に記載した。実施例の重合体は比較例の重合体
(80〜150℃の温度で重合させて得られたもの)と
比べて、良好なビルダー性能を示した。
【0033】洗浄率(%)=(Rw−Rs)/(Ro−
Rs)×100 Ro:人工汚染布の現白布の表面反射率 Rs:人工汚染布の表面反射率 Rw:洗浄後の人工汚染布の表面反射率
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】エチレン性不飽和カルボン酸およびモノ
アルコキシポリアルキレンオキサイドを含有する単量体
混合物を180〜270℃の温度で反応させることによ
り、洗剤、特に液体洗剤に含まれる界面活性剤及びアル
カリ剤等との相溶性が良く、ビルダーとしての基本性能
に優れる、すなわち液体洗剤に添加されたときに汚れ粒
子の分散能が大きく金属イオン捕捉能が大きいという効
果を発揮できる重合体が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H003 AC08 BA12 DA01 EB14 EB30 ED02 ED28 FA07 FA32 4J100 AJ01P AJ02P AJ08P AJ09P FA19 FA28 HA11 HA55 HA61 HG12 JA60 JA61

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和カルボン酸およびモノ
    アルコキシポリアルキレンオキサイドを含有する単量体
    混合物を180〜270℃の温度で反応させることを特
    徴とする重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の重合体の製造方法によ
    り得られる重合体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の重合体からなる液体洗
    剤用の添加剤。
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