JP2003040816A - トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造方法 - Google Patents

トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造方法

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JP2003040816A
JP2003040816A JP2001231308A JP2001231308A JP2003040816A JP 2003040816 A JP2003040816 A JP 2003040816A JP 2001231308 A JP2001231308 A JP 2001231308A JP 2001231308 A JP2001231308 A JP 2001231308A JP 2003040816 A JP2003040816 A JP 2003040816A
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aromatic hydrocarbon
tris
chloroalkyl
reaction
water
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JP2001231308A
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Sunao Nagai
永井  直
Hideki Nanami
秀記 名波
Yoshiro Onogawa
善郎 小野川
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素
の効果的な製造方法を提供すること。 【解決手段】トリアルキル芳香族炭化水素を水および水
と混合しない有機溶媒を用い、2相系で光照射下、塩素
ガスを作用させ光塩素化するトリス(α−クロロアルキ
ル)芳香族炭化水素の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は簡便な方法で効率よ
く3官能性化合物の原料となるトリス(α−クロロアル
キル)芳香族炭化水素を得る新規な製造方法である。当
該トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素からは
樹脂添加剤、架橋剤等になる3官能性化合物が容易に合
成可能である。
【0002】
【従来の技術】トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭
化水素を製造する方法としては対応するトリアルキル
芳香族炭化水素に四塩化炭素中、光照射下に次亜塩素酸
アルキルを作用させる方法(US5064518)、
水中で光照射下に塩素を作用させる方法(特開平9−1
2616)、次亜塩素酸を作用させる方法(特開平9
−143106)が知られている。しかしながらの方
法は溶媒として使用する四塩化炭素の毒性が高いこと
と、収率が53%と低いことが問題である。の方法は
1,3,5−トリイソプロピルベンゼンを原料として実
際に追試したところ、ベンゼン核への塩素化が優先し、
目的とするアルキル側鎖への塩素化がほとんど進行しな
かった。p−ジイソプロピルベンゼンを使用する場合、
当該特許記載通りに反応が進行することから、トリイソ
プロピルベンゼンの場合は置換基が増加してベンゼン核
が塩素化に対して活性化され核塩素化が優先したと考え
られる。の方法は次亜塩素酸ナトリウムを中和して用
いるため容積効率が極端に悪いという問題がある。ま
た、対応するトリス(α−ヒドロキシアルキル)芳香族
炭化水素を塩化水素によりクロル化する方法、対応する
トリス(α−アルケニル)芳香族炭化水素に塩化水素を
付加させる方法も存在するが、当該トリス(α−ヒドロ
キシアルキル)芳香族炭化水素、トリス(α−アルケニ
ル)芳香族炭化水素自体を製造するためには別反応を必
要とするため効果的な製造法とは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにトリス(α
−クロロアルキル)芳香族炭化水素を効果的に製造する
方法はいまだ確立されていない。本発明の目的は、トリ
アルキル芳香族炭化水素のα位のみを選択的に光塩素化
することにより、中間体となるトリス(α−ヒドロキシ
アルキル)芳香族炭化水素あるいはトリス(α−アルケ
ニル)芳香族炭化水素を経由することなしに直接、トリ
ス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素を効率よく製
造する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
の方法で、芳香核への塩素化を抑制しα位の塩素化の
選択性を向上させるために添加剤および反応条件の探索
を種々実施した。その結果、溶媒として水および水と混
合しない有機溶媒を用い、2相系で光照射下に塩素を作
用させることによりα位塩素化の選択性が向上すること
を見出した。当該光塩素化を水溶媒または、有機溶媒中
で実施した場合、目的とするα塩素化物はほとんど得ら
れず、ベンゼン核が塩素化された化合物が主に得られ
た。塩素化の過程で副生する塩化水素が核塩素化を助長
する効果を示し、2相系にすることにより反応場(有機
相)から塩化水素が除去されることで選択性が向上した
と考えられるが詳細な機構は、明確ではない。すなわち
本発明は、一般式(I)(化3):
【0005】
【化3】 (式中、Arは単環式もしくは縮合環式芳香環を表し、
は低級アルキル基を表し、Rは水素又は低級アル
キル基を表す)で示されるトリアルキル芳香族炭化水素
を、水および水と混合しない有機溶媒を用い、2相系で
光照射下、塩素ガスを作用させることを特徴とする、一
般式(II)(化4):
【0006】
【化4】 (式中、Ar、R及びRは前記のとおり)で示され
るトリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造
方法、である。
【0007】
【発明の実施の形態】式(I)、(II)のArは単環式
もしくは縮合環式芳香環を表し、例えばベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環、ピレン環等を挙げること
ができる。置換基の置換位置は特に限定されるものでは
ない。
【0008】式(I)、(II)のR及びRにおいて
低級アルキル基としては直鎖、分岐または環状の炭素数
1〜8のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペ
ンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−へ
キシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基等を表す。
【0009】反応に用いる水と混合しない有機溶媒とし
ては、例えばヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキ
サン等の脂肪族及び脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、これら脂肪族又は芳
香族炭化水素のハロゲン化物、アニソール、n−ブチル
エーテルの含酸素溶媒、及びこれらの混合溶媒が使用さ
れる。これらの有機溶媒は水とともに反応溶媒として用
いる。水と有機溶媒の使用量は2相系を形成すればどの
ような比率でも良いが、5〜95:95〜5(水:有機
溶媒、重量比、合計100重量部、以下同じ)、好まし
くは10〜90:90〜10、更に好ましくは20〜8
0:80〜20である。有機溶媒および水の使用量は原
料の溶解性によるが、原料のトリアルキル芳香族炭化水
素に対し1〜100重量倍、好ましくは3〜50重量
倍、更に好ましくは5〜10重量倍である。
【0010】反応の実施は例えば次のように行う。原料
であるトリアルキル芳香族炭化水素を有機溶媒に溶解
し、さらに水を添加して2相系の反応溶液とする。反応
系内の酸素を除去するために窒素等の不活性ガスで置換
した後、高圧水銀灯等によって光を照射する。光照射下
に反応溶液に塩素ガスを導入することにより光塩素化を
実施する。
【0011】本発明において用いる塩素量は理論量に対
して当量以上であれば特に制限されるものではないが、
大過剰の塩素を用いた際には副反応が進行し、目的化合
物の純度の低下を招くことも考えられる。このことか
ら、効率よく高純度で目的物を得るために、理論量に対
して1.1〜1.5倍モルであることが好ましい。反応温
度としては、高温では生成した塩素化物が熱分解を起こ
し易く、さらに逐次的に塩素化が進行し純度の低下を招
くことから実用的ではない。このことから反応温度とし
ては−20℃〜150℃、好ましくは−20℃〜80
℃、さらに好ましくは−10〜50℃である。
【0012】反応後は、反応溶液に窒素ガスを導入し
て、溶液中の塩素および塩化水素を除去した後、有機相
を取り出す。水洗後、有機溶媒を留去することにより粗
トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素が得られ
る。得られた粗トリス(α−クロロアルキル)芳香族炭
化水素はそのまま3官能性化合物の原料として使用して
も良いが、精製する場合は、再結晶により行う。再結晶
に用いる溶媒としては不活性な溶媒であればいずれでも
良いが、例えばペンタン、ヘキサンもしくはヘプタン等
の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンもしくはエチ
ルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノ
ール、プロパノールもしくはブタノール等の脂肪族アル
コール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等
のエーテル類が挙げられる。これらの溶媒は単独または
混合して用いてもよい。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に何ら限定されるものではない。 実施例1 撹拌機、温度計、塩素吹き込み管を有する500mlの
パイレックス(登録商標)製フラスコ内に1,3,5−
トリイソプロピルベンゼン20.4 g(0.1mo
l)、クロロベンゼン150g、水100gを加えた。
反応溶液を15分間窒素パージした後、内温を5℃に設
定しつつ、撹拌しながら、高圧水銀灯(100w)を用
いて反応容器の外部から光照射下で、塩素ガス(原料に
対して3.4当量)を5時間かけて導入した。光塩素化
終了後に窒素ガスを15分バブリングした後、有機相を
分離した。水100mlを用いて2度洗浄を行い、溶媒
を留去することによって白色の結晶を得た。ガスクロマ
トグラフィーによって分析を行った結果、トリス(1−
クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンの反応収率は81
%であった。
【0014】実施例2 実施例1において反応溶媒をクロロベンゼン50g、水
100gに変更した以外は実施例1と同様に反応を行っ
たところ、トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベ
ンゼンの反応収率は77%であった。
【0015】比較例1 実施例1において反応溶媒を水200gに変更した以外
は実施例1と同様に反応を行ったところ、トリス(1−
クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンの反応収率は24
%であった。
【0016】比較例2 実施例1において反応溶媒をクロロベンゼン200gに
変更した以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、
トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンは全
く得られず核塩素化物が68%得られた。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば樹脂添加剤、架橋剤等と
して有用な3官能性化合物の原料となるトリス(α−ク
ロロアルキル)芳香族炭化水素を、対応するトリアルキ
ル芳香族炭化水素から直接、効率よく製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野川 善郎 静岡県庵原郡蒲原町蒲原5700番地1 イハ ラニッケイ化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 BA95 BB12 BB31 BB46 BE53

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)(化1): 【化1】 (式中、Arは単環式もしくは縮合環式芳香環を表し、
    は低級アルキル基を表し、Rは水素又は低級アル
    キル基を表す)で示されるトリアルキル芳香族炭化水素
    を、水および水と混合しない有機溶媒を用い、2相系で
    光照射下、塩素ガスを作用させることを特徴とする、一
    般式(II)(化2): 【化2】 (式中、Ar、R及びRは前記のとおり)で示され
    るトリス(α−クロロアルキル)芳香族炭化水素の製造
    方法。
  2. 【請求項2】Arがベンゼン環、RとRがともにメ
    チル基である請求項1記載の方法。
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