JP2003040772A - 1,2−エタンジオール誘導体またはその塩を含有する脳虚血による脳梗塞巣伸展抑制薬 - Google Patents

1,2−エタンジオール誘導体またはその塩を含有する脳虚血による脳梗塞巣伸展抑制薬

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JP2003040772A
JP2003040772A JP2002145681A JP2002145681A JP2003040772A JP 2003040772 A JP2003040772 A JP 2003040772A JP 2002145681 A JP2002145681 A JP 2002145681A JP 2002145681 A JP2002145681 A JP 2002145681A JP 2003040772 A JP2003040772 A JP 2003040772A
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lower alkyl
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Hiroaki Kurimoto
博昭 栗本
Satoru Ono
哲 小野
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Toyama Chemical Co Ltd
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Toyama Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脳虚血に伴う脳梗塞巣伸展抑制薬を提供するこ
と。 【解決手段】次の一般式 【化1】 「式中、R1は、置換されていてもよい複素環式基を;
2は、水素原子またはヒドロキシル保護基を;R3は、
水素原子または低級アルキル基を;n個のR4およびR5
は、同一または異なって水素原子または低級アルキル基
を;R6は、置換されていてもよいアミノ基またはアン
モニオ基を;およびnは、1〜6の整数を、それぞれ示
す。」で表される1,2−エタンジオール誘導体または
その塩は、梗塞巣の抑制効果を示し,脳虚血による脳梗
塞巣の伸展抑制薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,2−エタンジ
オール誘導体またはその塩を有効成分とする脳虚血によ
る脳梗塞巣の伸展抑制薬に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人口の高齢化に伴って、脳血管障
害とくに脳梗塞の発生は増加する傾向にある。脳梗塞は
脳血管の閉塞により、神経細胞のみならず虚血領域の全
ての構成細胞が不可逆的傷害を被る結果形成される。通
常臨床的に見られる脳血管閉塞による虚血では、副血行
路の程度により虚血の重傷度がもっとも強く不可逆的な
傷害を受けやすい領域からその周辺部の可逆性のある傷
害領域までの空間的広がりが観察される。しかし、可逆
性のある傷害領域は、時間の経過に伴って不可逆的な傷
害である梗塞へと伸展するものと考えられている[神経
内科、第52巻、第1頁〜第9頁(2000年)]。一般に脳梗
塞急性期の治療には、虚血による不可逆的傷害を少なく
するために、t−PAなどの血栓溶解剤が用いられてい
る。しかしながら,血栓溶解剤は虚血後3時間までしか
有効性を示さないなど治療適応の選択が容易ではなく、
副作用として脳出血など死亡に結びつく重篤なものも少
なくない。このような事から、神経細胞が不可逆的傷害
へと伸展しないように,細胞を保護するような薬剤が求
められている。
【0003】一方、特開平3-232830、特開平4-95070に
記載の1,2−エタンジオール誘導体またはその塩は、
脳機能改善剤として有用な化合物であり、特に、(R)−
1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−
(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール・塩酸塩
(以下、T-588と称する。)は、好ましい化合物である。
これまでに、T-588は、アミロイドβタンパク質や2−
ヒドロキシノネナールによる神経細胞死に対し保護作用
を発揮する[ソシエティ・フォー・ニューロサイエンス
・アブストラクツ(SOCIETY FOR NEUROSCIENCE, Abstra
cts、第24巻、パート1、第228頁(1998年)]ことが知
られている。しかし、T-588が脳虚血による脳梗塞巣の伸
展を抑制することは知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、脳虚
血による脳梗塞巣の伸展抑制作用を持ち、出血などの副
作用のない医薬組成物およびその有効成分である新規化
合物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況下において、
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、次の一般式
[1]
【化2】 「式中、R1は、置換されていてもよい複素環式基を;
2は、水素原子またはヒドロキシル保護基を;R3は、
水素原子または低級アルキル基を;n個のR4は、同一
または異なって水素原子または低級アルキル基を;n個
のR5は、同一または異なって水素原子または低級アル
キル基を;R6は、置換されていてもよいアミノ基また
はアンモニオ基を;およびnは、1〜6の整数を、それ
ぞれ示す。」で表される1,2−エタンジオール誘導体
またはその塩に脳虚血による脳梗塞巣の伸展抑制作用を
有することを見出し、本発明を完成するに至った。以
下、本発明について詳述する。
【0006】本明細書において、特に断らない限り、各
用語は、次の意味を有する。ハロゲン原子とは、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を;低級ア
ルキル基とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロ
ピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル
およびヘキシル基などのC1-6アルキル基を;低級アル
ケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテ
ニルおよびヘキセニル基などのC2-6アルケニル基を;
シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基などのC
3-6シクロアルキル基を;低級アルコキシ基とは、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシお
よびヘキシルオキシ基などのC1-6アルキルオキシ基
を;低級アルケニルオキシ基とは、ビニルオキシ、プロ
ペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシおよ
びヘキセニルオキシ基などのC2-6アルケニルオキシ基
を;低級アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イ
ソブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオおよび
ヘキシルチオなどのC1-6アルキルチオ基を;ハロ低級
アルキル基とは、クロロメチル、フルオロメチル、ジフ
ルオロメチル、クロロエチルなどのハロゲン−C1-6
ルキル基を;
【0007】アリール基とは、フェニル、ナフチル、イ
ンダニルおよびインデニル基を;アリールオキシ基と
は、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、インダニルオキ
シおよびインデニルオキシ基を;アル低級アルキル基と
は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチルおよびフェ
ネチル基などのアルC1-6アルキル基を;アル低級アル
コキシ基とは、ベンジルオキシ、ジフェニルメチルオキ
シ、トリチルオキシなどのアルC1-6アルキル−O−基
を;アル低級アルキルチオ基とは、ベンジルチオ、ジフ
ェニルメチルチオなどのアルC1-6アルキル−S−基
を;アル低級アルケニル基とは、スチリル、シンナミル
などのアルC1-6アルケニル基を;低級アルキレンジオ
キシ基とは、たとえば、メチレンジオキシおよびエチレ
ンジオキシ基などのC1-4アルキレンジオキシ基を;
【0008】低級アシル基とは、ホルミル、アセチル、
ブチリルおよびエチルカルボニル基などのC1-6アシル
基を;アロイル基とは、ベンゾイルおよびナフチルカル
ボニル基などのアリールカルボニル基を;低級アルキル
スルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニ
ル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、
n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチ
ルスルホニル、tert-ブチルスルホニルまたはペンチル
スルホニルなどのC1-6アルキルスルホニル基を;アル
低級アルキルスルホニル基とは、ベンジルスルホニルな
どのアルC1-6アルキル−SO−基を;アリールスル
ホニル基とは、フェニルスルホニル、p-トルエンスルホ
ニル、ナフチルスルホニル基などのアリール−SO
基を;アリールスルホニルアミノ基とは、フェニルスル
ホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノなどのアリー
ル−SO2NH−基を;低級アルキルスルホニルアミノ
基とは、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルア
ミノなどのC1-6アルキル−SO2NH−基を;アンモニ
オ基とは、トリメチルアンモニオおよびトリエチルアン
モニオ基などのトリ低級アルキルアンモニオ基を;
【0009】複素環式基とは、ピロリジニル、ピペリジ
ニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジ
ニル、モルホリル、チオモルホリル、テトラヒドロキノ
リニル、テトラヒドロイソキノリル、キヌクリジニル、
イミダゾリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、ピリジル、ピリミジル、キノリル、キノリジニル、
チアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピロリニ
ル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、プリニル、フリ
ル、チエニル、ベンゾチエニル、ピラニル、イソベンゾ
フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾフ
ラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキ
サゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、キノキサリル、ジヒドロキノキサリル、2,3−ジ
ヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾピロリ
ル、2,3−4H−1−チアナフチル、2,3−ジヒドロ
ベンゾフラニル、ベンゾ[b]ジオキサニル、イミダゾ
[2,3−a]ピリジル、ベンゾ[b]ピペラジニル、クロ
メニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジ
アゾリル、ピリダジニル、イソインドリル、イソキノリ
ル、1,3−ベンゾジオキソニルおよび1,4−ベンゾジ
オキサニル基などの該環を形成する異項原子として一つ
以上の酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい、
窒素、酸素もしくは硫黄原子から選ばれる少なくとも一
つ以上の異項原子を含有する5員もしくは6員環、縮合
環または架橋環の複素環式基を;そして複素環式カルボ
ニル基とは、複素環式−CO−基を意味する。
【0010】R1における複素環式基の置換基として
は、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ、低級
アルキル、アリール、アル低級アルキル、低級アルコキ
シ、アル低級アルコキシ、アリールオキシ、カルバモイ
ルオキシ、低級アルキルチオ、低級アルケニル、低級ア
ルケニルオキシ、アル低級アルキルチオ、アル低級アル
キルスルホニル、アリールスルホニル、低級アルキルス
ルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノもしくは複
素環式基または保護されているアミノ基、保護されてい
てもよいヒドロキシル基、ニトロ基、オキソ基および低
級アルキレンジオキシ基などが挙げられる。
【0011】R1の複素環式基の置換基における低級ア
ルキル、アリール、アル低級アルキル、低級アルコキ
シ、アル低級アルコキシ、アリールオキシ、カルバモイ
ルオキシ、低級アルキルチオ、低級アルケニル、低級ア
ルケニルオキシ、アル低級アルキルチオ、アル低級アル
キルスルホニル、アリールスルホニル、低級アルキルス
ルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノおよび複素
環式基の置換基としては、ハロゲン原子、保護されてい
てもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいカルボ
キシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護されて
いてもよいヒドロキシル基で置換されていてもよい低級
アルキル基、ハロゲンで置換されていてもよいアリール
基、ハロゲンで置換されていてもよいアロイル基、低級
アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルコキシ
基、ハロ低級アルキル基、低級アシル基、アル低級アル
キル基、アル低級アルケニル基、複素環式基、複素環式
カルボニル基、オキソ基、低級アルキルスルホニル基お
よびアリールスルホニル基が挙げられ、これら1種以上
の置換基で置換されていてもよい。
【0012】R1における置換基としてのアミノ基およ
びR6におけるアミノ基の置換基としては、保護されて
いてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいヒド
ロキシまたは保護されていてもよいカルボキシル基で置
換されていてもよい低級アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、低級アシル基、アル低級アルキル基、
複素環式基、オキソ基で置換されていてもよい複素環式
カルボニル基、アダマンチル基、低級アルキルスルホニ
ル基およびアリールスルホニル基が挙げられ、これら1
種以上の置換基で置換されていてもよい。
【0013】R2のヒドロキシル保護基および置換基中
にあるヒドロキシル基、カルボキシル基およびアミノ基
の保護基としては、プロテクティブ・グループス・イン
・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in O
rganic Synthesis)、サードエディション(Third Editio
n)[セオドラ・ダブリュー・グリーン(Theodora W. Gr
eene)(1999年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・
インコーポレイテッド(John Wiley & Sons. Inc.)]に
記載された通常のヒドロキシル基、カルボキシル基およ
びアミノ基の保護基が挙げられる。特に、ヒドロキシル
基の保護基としては、低級アルキル、低級アシル、テト
ラヒドロピラニルおよびアル低級アルキル基が挙げられ
る。
【0014】一般式[1]の1,2−エタンジオール誘
導体の塩としては、医薬として許容される塩であればよ
く、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの鉱酸と
の塩;ギ酸、酢酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、
リンゴ酸、酒石酸およびアスパラギン酸などのカルボン
酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-
トルエンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などの
スルホン酸との塩並びにナトリウムおよびカリウムなど
のアルカリ金属との塩などが挙げられる。
【0015】一般式[1]の1,2−エタンジオール誘
導体またはその塩において、異性体(たとえば、光学異
性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場
合、本発明は、それらすべての異性体を包含し、また、
水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を包含するもの
である。
【0016】本発明の脳虚血による脳梗塞巣の伸展抑制
薬として好ましい一般式[1]の1,2−エタンジオー
ル誘導体またはその塩は、R1が、置換されていてもよ
いベンゾチエニル基;R2が、水素原子;R3が、水素原
子;n個のR4およびn個のR5が、水素原子;R6が、
置換されていてもよいアミノ基である1,2−エタンジ
オール誘導体またはその塩である。さらに好ましいもの
は、R1がベンゾチエニル基;R2が、水素原子;R
3が、水素原子;n個のR4およびn個のR5が、水素原
子;R6が、低級アルキル基で置換されたアミノ基であ
る1,2−エタンジオール誘導体またはその塩である。
具体的には、1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−
2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノー
ルまたはその塩であり、より具体的には、(R)−1−
(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N
−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール・塩酸塩(T−
588)である。
【0017】一般式[1]の1,2−エタンジオール誘
導体またはその塩は、特開平3-47158、特開平3-232830
または特開平4-95070などに記載の方法で製造すること
ができる。
【0018】一般式[1]の1,2−エタンジオール誘
導体またはその塩を脳虚血による脳梗塞巣の伸展抑制薬
として製剤化する場合は、医薬上許容される賦形剤、担
体、希釈剤および安定化剤などの製剤助剤を適宜用い
て、常法により錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒
剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、注射剤ま
たは点眼剤などの製剤とすることができる。この製剤
は、経口または非経口で投与することができる。また、
投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重
および症状に応じて適宜選択できるが、経口投与の場
合、通常成人に対して1日0.01〜500mgを1回から数回
に分割して投与すればよい。
【0019】上記の製剤において、錠剤およびカプセル
剤に使用される製剤補助剤について説明する。錠剤の形
態に成形するに際に使用される製剤補助剤としては、賦
形剤として、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブ
ドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セ
ルロース、無水第二リン酸カルシウム、アルギン酸な
ど;結合剤として、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン
液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニル
エーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセ
ルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、水、エタノールなど;崩壊剤として、例えば、
乾燥デンプン、アルギン酸、かんてん末、デンプン、架
橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、デンプングリコール酸ナトリウムなど;崩壊抑制剤
として、例えば、ステアリルアルコール、ステアリン
酸、カカオバター、水素添加油など;吸収促進剤とし
て、例えば、第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナト
リウムなど;吸収剤(デンプン、乳糖、カオリン、ベン
トナイト、無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸
アルミン酸マグネシウム、コロイド状ケイ酸などおよび
滑沢剤として、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、
ポリエチレングリコールなどが挙げられる。さらに、錠
剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、
糖衣錠、ゼラチン被包錠、胃溶性被覆錠、腸溶性被覆錠
または水溶性フィルムコーティング錠とすることができ
る。また、カプセル剤は、上記で例示した各種の製剤補
助剤と混合し、硬質ゼラチンカプセルまたは軟質カプセ
ル等に充填して調製することができる。
【0020】
【実施例】以下に一般式[1]の1,2−エタンジオー
ル誘導体またはその塩の脳虚血による脳梗塞巣の伸展抑
制作用について説明する。 実施例1 (ラット中大脳動脈永久閉塞モデル)ラット中大脳動脈
永久閉塞モデルは田村らの方法[脳卒中実験ハンドブッ
ク、第91頁〜第97頁(アイピーシー、1990年)]を一部
変更して実施した。実験動物にはSDラット(日本エスエ
ルシー)の10〜11週齢(体重350g前後)を使用した。手
術はハロセン麻酔(5%導入、2%維持)下で行った。ラッ
トを手術台上に側臥位に固定し、外耳孔と外眼角の中間
を皮膚切開した。側頭筋を頭蓋骨から剥離し、側頭骨底
部に電気ドリルで直径2mm程度の小孔を開けた。次に、
硬膜を切開し、嗅索の上を横切る中大脳動脈本幹を嗅索
の内側部でクリッピングした後、バイポーラ摂子により
電気凝固し、切断した。
【0021】有効性の評価 蒸留水に溶解した被験化合物を虚血直後に経口投与し
た。虚血48時間後に全脳を摘出し、ブレインスライサ
(RBS-01、ASI Instruments Inc.)を用いて環状断スラ
イスを中大脳動脈の起始部から吻側方向に3枚、尾側方
向に3枚(計6枚)作製した。1%TTC(2,3,5,-Triphenyl-
2H-Tetrazolium Chloride、関東化学)リン酸緩衝溶液
にスライスを浸漬、染色後、10% 中性緩衝ホルマリン液
(和光純薬)中で固定した。染色した各切片を画像処理
システム(C-IMAGING 1280、Compix Inc.)を用いて梗
塞巣面積および各切片の積分値で梗塞巣体積の評価を実
施した。なお、蒸留水のみ投与した中大脳動脈永久閉塞
モデルラットを対照とした。その結果、梗塞巣体積は、
対照で平均130mm3、被験化合物(30mg/kg)投与で平均9
9mm3であった。
【0022】実施例2 (ラット脳虚血再開通モデル)ラット脳虚血再開通モデ
ルはCheng Duらの方法[Journal of Cerebral Blood Fl
ow and Metabolism 第16巻、第195頁〜第201頁(1996
年)]を一部変更して実施した。実験動物にはSDラット
(日本エスエルシー)の10〜11週齢(体重350g前後)を
使用した。手術はハロセン麻酔(5%導入、2%維持)下で
行った。まず、前頚部正中切開を行い、両側総頚動脈を
露出し、剥離する。続いて、手術台上に側臥位に固定
し、外耳孔と外眼角の中間を皮膚切開した。側頭筋を頭
蓋骨から剥離し,側頭骨底部に電気ドリルで直径2mm程
度の小孔を開けた。次に、硬膜を切開し、rhinal fissu
reの上を横切る中大脳動脈本幹をrhinal fissureのすぐ
末梢で閉塞した後、両側総頚動脈も同時に閉塞した。45
分後に全ての血管を再開通させた。
【0023】有効性の評価 蒸留水に溶解した被験化合物を虚血15分前および再開通
直後に経口投与した。手術翌日からは1日1回経口投与し
た。14日後に全脳を摘出し、ブレインスライサ(RBS-0
1、ASI Instruments Inc.)を用いて環状断スライスを
中大脳動脈の起始部から吻側方向に3枚、尾側方向に3枚
(計6枚)作製した。1%TTC(2,3,5,-Triphenyl-2H-Tetr
azolium Chloride 関東化学)リン酸緩衝溶液にスライ
スを浸漬、染色後、10% 中性緩衝ホルマリン液(和光
純薬)中で固定した。染色した各切片を画像処理システ
ム(C-IMAGING 1280、Compix Inc.)を用いて梗塞巣面
積および各切片の積分値で。梗塞巣体積の評価を実施し
た。なお、蒸留水のみ投与した脳虚血再開通モデルラッ
トを対照とした。その結果、梗塞巣体積は、対照で平均
184mm3、被験化合物(30mg/kg)投与で平均101mm3であ
った。
【0024】以下に、製剤例を挙げるが本発明はこれら
に限定されるものではない。 製剤例1成分[T−588 50mg、乳糖20mg、コリドンC
L(バスフ社製)15mg、とうもろこし澱粉25mg、アビセルP
H101(旭化成社製)40mg]の混合物をポリビニルピロ
リドンK90の8%水溶液で練合し、60℃で乾燥した
後、成分[ポリビニルピロリドンK90 5mg、軽質無
水ケイ酸18mg、ステアリン酸マグネシウム2mg]を混合
し、1錠重量 175mg、直径8mmの円形錠に打錠し、T−
588を50mg含有する錠剤を得る。
【0025】製剤例2 成分[T−588 50mg、乳糖20mg、とうもろこし澱
粉53mg、コリドンCL(バスフ社製)2mg]の混合物をポ
リビニルピロリドンK90の8%水溶液で練合し、60℃
で乾燥した後、成分[ポリビニルピロリドンK90 5
mg、アビセルPH302(旭化成社製)18mg、ステアリン
酸マグネシウム2mg]を混合し、1カプセル当たり 150m
gを3号ゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を得
る。
【0026】
【発明の効果】一般式[1]の1,2−エタンジオール
誘導体またはその塩は、脳虚血に伴う梗塞巣の伸展抑制
作用を有する。したがって、本発明は、脳虚血による脳
梗塞巣の伸展抑制薬として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 「式中、R1は、置換されていてもよい複素環式基を;
    2は、水素原子またはヒドロキシル保護基を;R3は、
    水素原子または低級アルキル基を;n個のR4は、同一
    または異なって水素原子または低級アルキル基を;n個
    のR5は、同一または異なって水素原子または低級アル
    キル基を;R6は、置換されていてもよいアミノ基また
    はアンモニオ基を;およびnは、1〜6の整数を、それ
    ぞれ示す。」で表される1,2−エタンジオール誘導体
    またはその塩を含有する脳虚血による脳梗塞巣伸展抑制
    薬。
  2. 【請求項2】R1が、置換されていてもよいベンゾチエ
    ニル基;R2が、水素原子;R3が、水素原子;n個のR
    4およびn個のR5が、水素原子;R6が、置換されてい
    てもよいアミノ基である請求項1記載の1,2−エタン
    ジオール誘導体またはその塩を含有する脳虚血による脳
    梗塞巣伸展抑制薬。
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