JP2003040701A - 酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。 - Google Patents

酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。

Info

Publication number
JP2003040701A
JP2003040701A JP2001221181A JP2001221181A JP2003040701A JP 2003040701 A JP2003040701 A JP 2003040701A JP 2001221181 A JP2001221181 A JP 2001221181A JP 2001221181 A JP2001221181 A JP 2001221181A JP 2003040701 A JP2003040701 A JP 2003040701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
product
effect
substrate
products
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001221181A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Yamanaka
堅市 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001221181A priority Critical patent/JP2003040701A/ja
Publication of JP2003040701A publication Critical patent/JP2003040701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物の活性化を含む鮮度保持効果のある薬剤
および製品の提供。 【解決手段】 酸化チタンの新たな特性を活用する事
で、植物の活性化を含む鮮度保持効果を得る。これは従
来公知の酸化チタンの持つ光触媒効果等により得るもの
ではなく、且つそれらの有無に関わらず得られるもの
で、例えば、酸化チタンを各種基体に付着等したものを
鮮度保持製品として使用し、それを植物に直接および/
あるいは水分等を介して間接的に接するように使用する
だけで効果が得られ、切花などを入れた花瓶の中に浸漬
するだけでも鮮度が保持され、それらには好適である。
また、酸化チタンを該植物に浸透あるいは吸収させるも
のではないため、従来にない安全な該植物の活性化を含
む鮮度保持効果のある薬剤および製品が得られる。更
に、本効果は果実や生鮮食品の鮮度保持にも利用され、
各種に応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の活性化を含
む鮮度保持効果のある薬剤および製品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】初めに、本発明は酸化チタンを使用し効
果を得るものであり、本発明者は酸化チタンには従来に
ない作用・効果を生じる特性があり、それを活用する事
で切り取られた草花や木の活性化を含む鮮度保持効果
(以下、本効果という)が得られ、酸化チタンをそれら
に効果のある薬剤および製品として使用・利用できる事
を見出し本発明に至ったものである。しかし、酸化チタ
ンをそれらに吸収させたり浸透させたりするものではな
く、例えば、酸化チタンを付着した基体を、切花を入れ
た花瓶内の水中に浸漬するだけで切花が活性化すると共
に鮮度が保持される効果が得られるもので、後に詳しく
説明するが、これらは従来公知の酸化チタンの持つ光触
媒効果の特性により得るものではなく、本発明の新たな
特性により得られるものであり、従来は本発明のような
酸化チタンの使用・利用はなく且つ知られておらず、更
にはそれらの特性を活用した製品もなかった。尚、本発
明における植物とは、特に説明のない限り切り取られた
草花や木をいうものであり、以下の説明において同じと
する。
【0003】従来、酸化チタンの持つ特性として公知に
認識され利用されていたのは、光触媒効果である除菌、
殺菌、抗菌、消臭、汚れの分解、汚染物質の分解および
紫外線吸収等が主体的に利用・活用され、併せて塗料等
の顔料、各種製品の素材の一つ、および金属や半導体と
しての性質を利用した製品、更に安全無害なものとして
食品添加物として使用・利用されていた。また光触媒効
果の除菌、殺菌、抗菌、消臭、汚れの分解、汚染物質の
分解等は、何れも酸化チタンと空気(酸素)および/あ
るいは水との接触面であるその酸化チタンの表面上にお
いて、光すなわち紫外線が当たる事により作用するもの
とされ、酸化チタンのみの使用においては光の得られな
い場所では、それらの作用・効果は得られないとされる
ものである。更に、熱により酸化チタンを励起させてそ
れらの効果を得るには数百度の温度(熱)が要するとさ
れているものでもある。
【0004】加えて従来は、その人体への無害性および
光触媒効果を利用・活用した、治療用具、各種材料、コ
ーティング材、あるいはその白色性を活用し顔料として
使用されたり、紫外線吸収効果を利用した化粧料、ある
いは抗菌、殺菌、汚れ等の分解、消臭等の光触媒効果を
利用し、製品そのものを衛生的に保つためのものなどで
あった。あるいは、それらの周辺にある菌類、汚れ、汚
染物質、悪臭等が酸化チタンに付着あるいは接したもの
を光触媒効果により酸化チタンの表面において殺菌、分
解等の処理をし、その結果それらの周辺環境をクリーン
な状態にするとした製品であったり、あるいは抗菌、殺
菌効果を唱えた製品については殺菌効果のある他の物質
である銀等を担持させたり、吸着物質等を組合せてそれ
らの力を借りる事によりその製品の酸化チタンの効果不
足を補い、且つその効果を引き出す事で前述と同じ用途
にしているもの、あるいはその逆であったりするものが
殆どであり、何れも酸化チタンの表面に付着あるいは接
したもの、あるいは付着させたものに対してその光触媒
効果を期待したものであった。
【0005】更には、医療用として使用・応用できると
する各種発明や製品等であっても前記に類する使用法が
殆どであり、且つ本発明のように酸化チタン自体におい
て治療等の効果を見出したものはなく、且つそのような
使用・利用をしたものはなかった。またそれらの多く
は、酸化チタンをその主体となる物質の補助剤あるいは
安定剤や添加物等としての使用・利用であり、加えて他
の物質と併用あるいは他の物質に変化させる事で効果を
得るとしたものであったり、更には、酸化チタンにおい
てはそのような使用には不向き、あるいはできないとす
る発明等があった。
【0006】しかしそれらの中には、酸化チタンを繊維
製品やセラミックス等に各種方法により付着あるいは含
有させ、それらの製品を水槽内の水に浸漬する事により
藻などの発生を抑える効果があると唱えた製品があっ
た。しかしそれらの製品は従来の酸化チタンの光触媒効
果の特性を利用した製品であり、更にそれらの製品の中
には酸化チタンのみでは有効な光触媒効果は得られない
ものとして、その光触媒の効果不足を補うため殺菌効果
のある銀を電極として担持させたり、その光触媒の表面
上にて同効果を得るために雑菌類および汚れ等を吸着す
る効果のある吸着剤を併用したりして、それらの力を得
て水中の藻を含む雑菌や汚れを吸着させる事でその光触
媒上および銀により時間をかけて殺菌・分解をするとし
た光触媒製品があった。
【0007】加えて、現状の医療関係者における一般的
認識事項としても、活性酸素などのラジカルは細胞組織
を活性化するどころかそれを阻害したり破壊したりする
ものとされており、更に各種疾患はそれらにより生じて
いるともされ、更には疾患等をより悪化させる要因であ
るともいわれているものがある。これらは光触媒活性に
より生じるラジカルも同じであり、それぞれ周知の事と
されているものである。すなわちこれらの周知事項によ
ると、酸化チタンなどの光触媒効果を利用した発明や製
品においては、ラジカルを生じ且つ利用するものである
ため医療用として使用できないとされるものであった。
すなわち、前記の光触媒製品などは吸着剤の効果と従来
の光触媒効果を利用し、該藻の細胞レベルの状態におい
て光(紫外線)を得られる状態において光触媒効果によ
り該細胞等を殺したり分解したりする事で効果を得てい
ると思われるものであった。
【0008】しかるに本発明によると、酸化チタンには
そのような事はなく、それらに関わらず植物の鮮度保持
効果が得られ、該効果を有する物質として使用・利用で
き、且つ前記の各種製品のように従来の酸化チタンの特
性により効果を得るとするものではなく、前述の通り酸
化チタンには従来にない特性があり、且つ無光状態にお
いても効果が得られるものであり、それを活用する事で
本効果が得られるものであり、それらとは本質的に相違
するものである。
【0009】すなわち、それらの製品は本発明とは相反
するものであり、且つそれらの製品は光を得る事により
効果を得ているものであり、且つ本発明のような植物の
鮮度保持剤しての特性を見出したものではなく、本発明
とは本質的にも相違するものであった。例えば光触媒効
果でそれらの効果が得られるとすると必然に光(紫外
線)が必要であり、その場合においてはラジカルが生じ
るため従来の周知事項によると細胞等に悪影響となるも
のであり、光が得られない場合においては光触媒活性は
生じず、それにより本効果を得るとするものであるとそ
れらは得られないものとなり、それぞれ相反する状態と
なるものであるが、その何れにおいても本発明の効果は
得られるものであり、それらによっても判断されるもの
である。更には、他の物質と併用する必要もなく、且つ
酸化チタンのみの使用において効果が得られるものであ
り、更には従来にない優れた効果が得られるものであ
り、それらを鑑みても、本発明が従来にない特性である
事が判断されるものである。
【0010】その他にも多くの光触媒を使用した繊維製
品の発明や市販製品等があるが、その殆どは従来の光触
媒効果を利用するとされるものであり、本発明とは相違
するものであった。更に加えて、薬剤等に使用される場
合においても従来の食品添加物としての無害性を活用
し、その製品の安定剤や着色材としての混合物としての
使用・利用などであった。
【0011】また、従来本発明のような効果を得るとす
ると、各種薬剤等を該植物を入れた水中に混合し、切花
等の生育を阻害となるものを除去等したり、薬効や栄養
分を与える事により鮮度を保持していたものであり、あ
るいは冷蔵庫等に入れる事で腐敗等を遅延させていたも
のである。よって本発明のような薬剤等はなく、且つそ
のような用途への酸化チタンの使用・利用はなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物の活性
化を含む鮮度保持効果のある安全で副作用の少ない薬剤
および製品の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】初めに、本発明は酸化チ
タンを使用し課題を解決するものであり、前述のように
本発明者は酸化チタンには従来にない作用・効果を生じ
る特性があり、それを活用する事で切り取られた植物の
活性化を含む鮮度保持効果が得られ、酸化チタンを本効
果のある薬剤として使用・利用できる事を見出し本発明
に至ったものである。これらは従来公知の酸化チタンの
持つ光触媒効果の特性により得るのではなく、それら以
外の従来になかった新たな特性により得られるものであ
り、且つ酸化チタンをそれらに吸収させたり浸透させた
りするものではなく、且つ光(紫外線)の有無に関わら
ず得られるものであり、従来の使用・利用法とは本質的
に相違するものである。従来は本発明のような酸化チタ
ンの使用・利用はなく且つ知られておらず、更にはそれ
らの特性を活用した製品もなかった。(尚、本発明にお
ける光とは、特に説明のない限り自然光や人工光などで
光触媒である酸化チタン等を励起させ得る紫外線あるい
はその他の光をいうものとし、以下の説明においても同
じとする。)
【0014】本発明によると、酸化チタンが本効果を生
じるメカニズムは不明であるが、それらは従来になかっ
た新たな特性により得られるものであり、その新たな特
性が主体となって切り取られた植物に対して何らかの影
響をおよぼし、それが植物の持つ生命力を引き出すよう
に増進あるいは増大させ、それにより本効果が得られる
ものと思われる。および/あるいはその新たな特性が直
接的な作用・効果を生じる事で本効果が得られるものと
も思われるものであり、それにより該植物が活性され鮮
度が保持されるものと思われる。更には、それらの効果
は光の有無に関わらず得られるものであり、従来の酸化
チタンの特性により得られるものではない。
【0015】しかし、従来の光触媒としての各効果も当
然の事として得られ、除菌・殺菌効果のあるものとして
も利用できるものでもあるが、それらの効果は光を得る
事により生じる酸化チタンの公知特性の一つであり、且
つそれらは光の照射が得られる間の一過性のものであ
り、それらにより本発明のような効果が得られるもので
ないのは明らかである。しかし、前記の通り本発明の新
たな特性は光を得られない状態においても有効に生じ、
且つ得られるものであり、それによっても従来の光触媒
としての特性によるものでない事が判断できるものであ
る。更には、従来の光触媒効果を利用した各種開示製品
などのように銀や吸着剤を担持させたり混合したりする
必要もなく、加えて、他の金属などの物質と組み合わせ
て使用する必要もなく、酸化チタンのみの使用において
従来にない優れた特性が得られ、更に便利に使用・利用
できるものである。更にはラジカルを生じるものである
が、それにより細胞を破壊等するとした従来の周知事項
によると本効果は得られないものであるが、本発明によ
るとそのような事はなく、仮にそれによる影響があった
としても、それを上回る効果を有すると思われるもので
あり、且つそれらに関わらず本効果が得られるものであ
る。すなわち、本発明は酸化チタンの従来にない新たな
特性を活用し効果を得るものであり、従来にない植物の
活性化を含む鮮度保持効果のある薬剤として使用できる
と共に安全で便利な該効果のある製品が得られるもので
ある。
【0016】しかし、一部に従来の光触媒効果により水
中の藻などの繁殖を抑えると唱えた製品があり、それに
よると本効果は得られない事となるものであるが、前記
の通り本効果は得られるものであり、それらとは関係な
く本効果を生じるものである。すなわちそれらを鑑みる
と、従来の光触媒効果により生じるラジカルにより細菌
類が殺菌される、あるいは汚れや臭気が分解等される、
あるいはするとした効果は、その菌や有機物の一つある
いは一群の大きさが該ラジカルにより殺菌や分解等され
得る対象となる大きさ・レベルの有機物である物質であ
る事により得られると思われるものであり、本発明によ
る植物においてはそれ以上であるために、そのような従
来の特性の影響を受けず且つ従来の特性以外の本発明の
新たな特性が得られるものと思われるものである。これ
は、本発明者の他の発明で先の出願における治療効果の
ある医薬品云々としての酸化チタンの効果の一つでもあ
る、自然治癒力を増進させる効果と同様の作用・効果に
より得られると思われるものである。よって、従来の光
触媒効果によるものではない事が推測・判断され、且つ
本発明が酸化チタンの従来にない新たな特性である事が
判断できる事由の一つでもある。
【0017】それらの効果を得るために本発明において
使用する酸化チタンは、粉末、ゾル、ゲル、固形等を問
わず何れも使用できるが、取り扱い易いものが好まし
く、且つ酸化チタン自体においては不純物をできる限り
含まないもので、それが無害なものであってもできる限
り成分純度の高いものを使用するのが望ましい。また、
液状のものについては強酸性のものが多く、その溶媒等
に塩酸や硫酸等が使用されているものも多くあり、それ
らを使用するのもあまり好ましくはない。加えて、本効
果を阻害するようなものとの併用も同じく好ましくない
が、より良い効果あるいは使い易く調整するために、薬
剤を含む他の物質を混合したり組合せたりしたものなど
は好ましく用いられ、酸化チタン単独の使用に限るもの
ではなく、それぞれの使途に応じた選択をするのが望ま
しい。更には、一種類の酸化チタンに限るものではな
く、各種形状の酸化チタンが併用されたものも好ましく
用いられるものである。
【0018】尚本発明において、使用する基体の少なく
とも一部に粉末を含む金属チタンが使用され、且つ該金
属チタンの表面が酸化されたもの、すなわち酸化チタン
化されたものである場合においては本発明の酸化チタン
と同様の効果が得られるものであり、そのように加工さ
れた基体においても酸化チタンを含有および/あるいは
付着(以下、付着等という)した基体と同様のものとし
て好ましく使用されるものである。しかし、酸化チタン
化された金属チタンに重ねて酸化チタンを付着する事を
拒むものではなく、それらの金属チタンに酸化チタンを
付着した基体も同じく好ましく使用されるものである。
すなわち、本発明において使用される基体は酸化チタン
が使用された基体に限るものではなく、その表面が酸化
チタン化された金属チタン、あるいはそれらが使用され
た基体は酸化チタンが付着等された基体と同等のものと
して好ましく用いられるものであり、且つ多用途に活用
できると共にそれぞれの使途に応じた好適な基体が選択
できるものである。よって、本発明の効果を得るための
方法および基体の一種として、それらの基体の使用・利
用を含むものであり除くものではない。
【0019】次に、前記の酸化チタンを使用し本発明の
特性である本効果を得るのであるが、その方法として
は、酸化チタンを植物に直接塗布したり付着させる事で
も得られるが、植物に対して本効果を均等に得られるも
の、および共通して使用できるものの一つとして、直接
それらの部位に塗布等するよりも各種基体に付着等した
ものがより好ましく用いられ、仮に光触媒効果やその他
の事由により該植物および/あるいはそれらの周辺に支
障が生じたとしても、それらを撤去する事で簡単にその
影響から免れる事ができるからでもある。また、それら
の基体は当然に人を含む植物に無害な基体が好ましく用
いられ、例えば、金属、ガラス、セラミックス、プラス
チック、石材、セメント、紙を含む繊維製品、木材、ゴ
ム、シリコーン、およびそれらの各素材群・製品群より
選択される基体、およびそれらの一種以上により構成さ
れた基体であり、それらより得られるそれぞれの使途に
応じた形状や形態とした基体である製品であり、且つ人
を含む植物に無害な基体である。また、該基体がその製
造時において酸化チタンを含有させ得るものであれば、
それにより後加工により新たに付着させずとも同様の効
果のある且つ剥離のない効率的な製品が得られ好ましく
用いられるものである。
【0020】尚、本発明における前記の構成された基体
とは、該基体を得るために用いられる基体でその数を問
わず、主になる基体に従となる基体を混合あるいは含有
あるいは合成した基体、あるいはそれらの基体を組み合
わせたり組み込んだりした基体、あるいはそれらが併用
された基体の何れかの状態としたものをいい、特に説明
のない限り以下の説明において、構成あるいは構成され
た基体、等々と記載ある場合において同じとする。加え
て、以下の説明において基体と記載のあるものは特に説
明のない限り、基体および/あるいは製品、をいうもの
であり適宜読み替えるものとする。更に、本発明の説明
におけるそれらの基体の中で、繊維および繊維製品(以
下、繊維製品等という)とは、天然繊維および化学繊維
およびそれらの一種以上で構成された繊維の各繊維群よ
り選択される繊維の何れか、およびそれらより得られる
紙製品を含む繊維製品をいい、加えて、フィルムとは、
特に説明のない限り化学繊維に使用される素材群および
/あるいはプラスチック群より選択される素材の何れか
より得られるシートを含むフィルムをいい、それぞれ以
下において同じとする。
【0021】また本発明の効果は、酸化チタンと植物が
水分等を介して効果を得るものでもあり、基体に付着等
する事でそれが得易いからでもあると共に、それらの特
性を活用する事で更に便利な使用・利用方法および製品
が得られるものである。尚、本発明における前記の水分
等とは、水やお湯および空気中の水分、および植物に含
有される水分をいい、更には薬剤等に含まれる水分をも
含むものであり、以下において同じとする。
【0022】また前記の通り、該基体がその製造時にお
いて酸化チタンを含有させ得るものであれば、それによ
り後加工により新たに付着させずとも同様の効果のある
且つ剥離のない効率的な製品が得られ好ましく用いられ
るものであるが、それらにより得られる基体の表面には
酸化チタン粒子が露出、および/あるいはそれと同等の
状態である空気や水分が流通あるいは接する程度以上の
穴を有する多孔質な状態とし、その部分において酸化チ
タン粒子が露出した状態となったものや、後加工により
同じく1以上の穴や切込み等を施し、それらと同様の状
態としたものでなければ本発明の効果が得られないた
め、それらを考慮したうえで製法の選択をするのが望ま
しい。逆に、その特性を活用する事で効果の調整ができ
るものでもある。よって、含有させずともそれらの製造
時で固形化あるいは成型する前において、その表面に酸
化チタンを付着させ、その製品である基体表面にその一
部をめり込ませるように固着および/あるいは定着させ
る事でも得られるものでもある。あるいは製品に付着さ
せた後、再加熱する事により同様の状態に固着等した
り、他の方法である圧着や溶着あるいは印刷などにより
固着等させたもの、あるいはそれらを併用したもの、あ
るいは植物に無害な前記以外のバインダーを使用し付着
あるいは固着等させたものなども同様であり、それぞれ
好ましく用いられるものである。
【0023】それらの基体を使途に応じ使い分けると共
に、その形状や形態および大きさをそれぞれの使途に応
じて加工・工夫した製品が更に便利に使用・利用される
ものであるが、得ようとする製品の一部にそれらの基体
が使用されたものであっても同じく効果が得られ、且つ
それらも同じく好ましく用いられるものであり、それぞ
れ単独あるいはそれらの基体のみにて構成された製品等
に限るものではない。例えば、それらの基体である酸化
チタンを付着等した繊維製品等と付着等していない繊維
製品等とで構成された繊維製品、あるいは同じく繊維製
品等とフィルムとで構成された製品、あるいはそれらと
酸化チタンを付着等していない繊維製品等やフィルムと
で構成された製品、更に金属やプラスチックとで構成さ
れた製品、金属あるいはプラスチックとセラミックスと
で構成された製品、更にはそれらが併用された製品等々
である。
【0024】更には、後加工により製品化されたものを
含む各種基体に酸化チタンを付着したものなども同じく
好ましく用いられ、それらを鑑みてそれぞれの基体を得
るのが望ましい。すなわち、本発明の効果は酸化チタン
を付着等した基体を使用して得られる製品のみに効果が
得られるのではなく、製品化された基体で後加工により
酸化チタンを付着させる事ができ、且つそれが植物に直
接および/あるいは水分等を介して間接的に接するよう
に使用される基体で、且つそのように使用あるいは利用
される部位の少なくとも一部に酸化チタンを付着したも
のであれば、何れも本効果が得られる基体である製品と
して何れも好ましく使用・利用され、且つ各種用途に応
用できるものである。よって、それらの基体は特に限る
ものではなく、前記の各種基体に付着等したものはそれ
ぞれ有効であり且つ各種に応用されるものである。ま
た、それらの各種基体が釉薬や塗料等の仕上げ材が塗布
等されて使用される基体にあっては、該塗料等を基体と
していうものである。
【0025】更に加えて、前記の基体を含む酸化チタン
以外の物質で各種薬剤やそれらに類する物質と混合した
混合物も同じく好ましく用いられ、且つそれらで粘着性
のある物質であれば同じく各種基体に付着あるいは展延
した基体をもって、前記と同様に使用する事でも本効果
が得られ、更にはそれらが固形化したものであれば、該
植物を入れた容器の水中に浸漬する事もでき好ましく用
いられる。
【0026】以上のようにして得た酸化チタンを付着等
した基体を、それぞれ単独あるいは他の基体とで構成さ
れた基体をもって、植物に直接および/あるいは水分等
を介して間接的に接するように使用するだけで本発明の
効果が簡単に得られるものであり、以下に更に詳しく説
明する。
【0027】尚重ねて、本発明において酸化チタンを付
着等した、金属、ガラス、セラミックス、プラスチッ
ク、石材、セメントおよびセメント製品、紙を含む繊維
製品、木材、ゴム、シリコーン、フィルム、線材、木
材、ゴム、シリコーンの各素材群より選択される基体、
およびそれらの一種以上により構成された基体とは、特
に説明のない場合において、該基体表面に酸化チタン粒
子が露出したもの、および/あるいはその基体を多孔質
としたもの、および/あるいはその大きさや形状に関わ
らず1以上の穴や切込み等を施したもので、付着等した
酸化チタン粒子が空気および/あるいは水分等と接し得
る状態であるものをいうものであり、且つ該基体に付着
等された酸化チタン粒子の少なくとも一部が植物に直接
および/あるいは水分等を介して間接的に接し得るよう
に付着等された基体をいうものである。加えて、酸化チ
タンの付着とは、同じく特に説明のない場合において固
着および/あるいは定着している状態、およびバインダ
ーを使用し同様の状態としたものをも含むものである。
【0028】また、それらの基体を使用するにあたって
は、好ましくはそれらを使用する場所および/あるいは
植物が水分等で湿っていたり濡れていたりしている状態
であり、更に好ましくは該基体をも水分等で湿らせたり
濡らせた状態における使用である。それらは乾燥したそ
れらの基体を使用した場合と濡らせたものを使用した場
合において、濡らせた基体の使用において早期に且つ長
く効果が得られる事から選択される使用法でもある。
【0029】しかし、該基体も植物も乾いている場合に
おいてその効果が得られないのではなく、同じく本効果
はあり期待できるものであるが、それが湿らせた場合と
比べて緩慢なだけである。その場合においては、空気中
の水分あるいは植物内の水分、あるいはそれらの一種以
上がその媒体となり、湿らせたりして使用する場合と同
じ効果を生じるからであると思われるが、その水分量が
少ないため得られる特性の効率および/あるいは伝導効
率が悪くなりそれらが緩慢なものと推測・判断されるも
のである。
【0030】よって、本発明の効果を得るための基体は
水で湿らせたり濡らせたりして使用するのが乾燥した基
体の使用と比較して、より効果が得られ好ましく用いら
れるものであるが、そのメカニズムは前述と同じく不明
である。しかし、そのように使用する事でその水分が媒
体となり植物の持つ微弱な電気エネルギーおよび/ある
いは外気温等を含むその他のエネルギーがその水分を通
じて効率良く伝達され、それらが従来公知の酸化チタン
の特性ではない新たな特性を効率良く生じさせると共
に、それがスムースに植物に伝達される事で各種効果を
生じ、本発明の効果が得られるものと思われる。および
/あるいはその水分により、酸化チタンが本質的に有す
る従来に知られてなかった特性を効率良く生じると共
に、それがスムースに伝達される事で同じく各種効果を
生じ本発明の効果が得られるものとも思われる。および
/あるいは、それらの効果を生じさせるための電極とも
エネルギー源ともなっていると思われるものでもある。
【0031】更に加えて、それらのエネルギーだけでな
く大気中の何等かのエネルギーも利用・活用していると
も考えられるため、同じくそれが吸収あるいは伝達され
易くなりそれをも活用できるからでもある。その結果、
それらが単独あるいは複合・総合的に働く事で植物の持
つ生命力が引き出されるように増進あるいは増大され、
植物の活性化を含む鮮度保持をするものと思われる。更
には、その水分により切花等を繊維製品やフィルムなど
の基体で包む場合においては、該植物への密着度を増す
と共に従来の光触媒効果も得易くなり、それをも活用す
る事ができるからでもある。
【0032】これらを鑑みると、本発明における酸化チ
タンはそれらの効果をもたらす触媒として作用していて
いるものであり、且つそれらは従来の特性に関わらず生
じる本発明の新たな特性である。これは酸化チタンを植
物に浸透させたり吸収させたりして使用するものでな
く、且つ該植物の種類がそれぞれ違うにも関わらず同様
の方法で本効果が得られると共に、それらの効果は光の
有無に関わらず得られるものであり、加えてラジカルを
生じる状態においても得られるものである事からも判断
されるものである。それ故に種々の条件下においても好
ましく使用できる、従来にない鮮度保持効果のある薬剤
および/あるいは製品となり得るものでもある。
【0033】尚、前記の基体を湿らせる度合いは植物に
密着させ得る程度であれば十分であり、その水が滴り落
ちない程度に湿潤していれば更に好ましく使用されるも
のである。更には、ひたひたに水を含んだ状態であって
も何等支障のないものでもある。加えて、ぬるま湯など
も好ましく使用できるが、沸騰したお湯などは該基体を
急激に変化させ、基体表面に酸化チタンを単に付着させ
た程度のものなどの場合それが剥離する恐れもあり、且
つ該植物に対してもあまり好ましくはない。
【0034】また前記の通り、乾いた基体であってもそ
の植物が良く濡れていたり濡らした場合においても同様
の効果が得られるものであるが、その水分量が少ないた
めに基体への密着度が悪く且つ早く乾燥するため、その
効果が緩慢になるので適宜湿潤させて使用するのが好ま
しい。しかし、基体も植物も乾いている場合において本
効果が得られないのではなく前記の通りであり、それぞ
れの使用状態・状況等により適宜その方法等を選択する
のが望ましい。しかし、乾燥した基体を使用した場合に
おいては即効的ではなく効果は緩慢であり、できれば湿
潤させた基体を用いるのが植物にとっても生命の根源と
なる水分でもあり望ましい使用法でもある。
【0035】本発明によると、酸化チタンの新たな特性
においては水分がより有効に働き且つ作用しているもの
であり、そのような使用あるいは使用方法とするのが望
ましい。しかし、切花を使用した生け花などを除き、長
期間そのような状態で使用する必要もなく、該植物が通
常必要とする程度の水分量および期間で十分である。逆
に、そのような湿潤状態が長時間となると植物によって
は腐敗を起こす恐れもあり、適宜水分量およびその期間
を調整するのが望ましい。更には、それらの基体が保水
性および/あるいは水を溜めると共にそれを徐々に排出
でき得るような構造の基体としたものも、その使途に応
じ好ましく用いられる。例えば、長時間に渡って植物を
保管あるいは移動させる場合等であり、そのような場合
においては該基体が該植物が必要とする量の水分を供給
しながら該水分を介して該植物と接し得るからである。
【0036】また、切花などの梱包等に使用する基体な
どの場合で、その湿らせる目安の一つとしては、該基体
を湿らせた程度の使用における該基体が乾燥する毎に補
給する1〜2回分の水分量でも十分であり、それを一つ
の目安とするのが好ましい方法でもあるが、その使用時
およびそのような状態での使用時間を考慮した水分量で
あっても十分でもあり、それぞれ必要に応じ適宜調整す
るのが望ましい。また、他の基体に水分等を含有したも
ので、且つ本発明の効果が伝達される基体で且つ植物に
悪影響のないものであればそれを併用する事で、同じく
好ましく用いられるものである。更には、梱包ケース自
体を本効果のある基体として得る事でより効率的なもの
となるものである。しかし、何れの方法においても従来
と違い本効果が得られ、長時間の移動にも好ましく用い
られるものであり、切花などの運搬には好適な製品とな
り得るものである。また、それらの中でも紙を含む繊維
製品やフィルムとしたものは、各種用途に応用される好
適な製品および使用方法となるものであり、好ましく用
いられるものである。例えば、切花などを包装する基体
であるラップ製品などである。
【0037】これらの特性を活用する事で各種用途に使
用・応用でき、更に便利に利用されるものでもある。そ
の一例として切花などを生ける酸化チタンを付着等した
容器が上げられ、生け花としての切花の活性化および鮮
度保持効果を得る一つの方法として好適である。また、
該基体である容器の形状は該切花等が生け得る形状であ
れば何れの形状や形態の容器であっても良く、該容器に
水等を溜めた状態において切花等の植物が生けられる程
度にその一部が浸漬できる大きさで、且つ植物に悪影響
のない基体で、且つ該基体に酸化チタンが付着等できる
基体であれば何れも好ましく用いられる。更には、それ
らは製品化されたものに後加工によって得られる容器で
あっても好ましく用いられ、且つ該容器の少なくとも液
体を溜める側である内部側に酸化チタンを付着させた容
器であればよく、それを従来と同様に使用する事で本効
果が得られるものである。
【0038】更には同様の効果の得られる方法として、
酸化チタンを付着等した各種基体を、酸化チタンを付着
等していない容器の液中に浸漬して使用する事でも同様
の効果が得られ、本方法も便利に使用され各種用途に応
用できるものである。
【0039】以上は本発明の使用例等の一例であるが、
前記に類する使用法を含めそれら以外の方法においても
有効であり限るものではない。本発明によると、本効果
は植物への生命力の増進効果が主体的に働く事により得
られるものであるため、多くの植物に有効である。更
に、これらは酸化チタンを付着等した基体をそれらに水
分等を介して接する程度に使用するだけでも効果が得ら
れるものであり、これらの特性を活用しそれぞれの使途
に応じた基体・形状・形態・大きさとする事で、一般家
庭用に使用されるものから農業や林業等の専門分野に使
用するようなもの、および広範囲のものにも使用・利用
できるものが得られ、それぞれ便利に活用されるもので
ある。重ねて、本発明は各種基体に利用・応用できるも
のであり、且つ本発明の効果は酸化チタンが付着等され
た基体を使用したもののみに効果が得られるものではな
く、酸化チタン単独の使用を含め、その一部にそれらが
使用されたものであっても同様の効果が得られるもので
あり、その特性を活用する事で効果の調整も簡単にでき
るものでもある。更には、後加工により公知の各種製品
あるいは製品化されたものに、その一部あるいは全部に
酸化チタンを付着し植物に直接および/あるいは水分等
を介して間接的に接し得るように付着した製品、および
/あるいはそのように構成された製品を含みそれぞれに
本発明の効果が得られるものである。
【0040】よって、それぞれに応じた基体および加工
・製造法が選択できるものであり、更に便利に利用でき
るものであると共に各種用途・製品等に活用・応用する
のが望ましく、併せて食品添加物としても使用される安
全で無害なものであり、且つそれを植物内に浸透あるい
は吸収させて使用するものではないので、従来にない副
作用の恐れのない安全な植物の鮮度保持効果のある薬剤
としての酸化チタン、および該効果のある製品が得られ
るものである。これらを鑑みた、本発明の従来になかっ
た新たな特性を活用し更なる発展をさせた各種製品等を
得るのが望ましく且つ望まれるものでもある。以下に本
発明を更に説明する。
【0041】尚、本発明における植物の活性化された状
態とは、本効果により生命力が増進される事でしおれか
かった花や葉等が切り取る前の状態のように生き生きと
戻る事を活性化された状態というものであり、そのよう
になった状態が保たれ且つその状態が、該植物が枯れた
り、腐ったりあるいはそれらと同等の状態となるまでの
期間が同一種・同一条件での比較において、4〜5割以
上長く保持される状態が得られる事を鮮度が保持された
ものとするものであり、厳密なものではないが本発明の
基準とするものである。また同等の状態とは、例えば切
花であればその花の下部の茎が折れ、枯れたものではな
いが明らかに生命力が失われそれらと同等の状態に至っ
た場合をいうものであり、他においても一般的にそれら
と同様に判断される状態をいうものである。
【0042】
【発明の実施形態】まず、本発明の本効果を得るために
共通に用いられる方法の一つとして、酸化チタンを付着
等した基体である製品を得るのが好適である。それに使
用する基体としては、人および植物に無害な基体であ
る、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック、木
材、紙を含む繊維製品、砂を含む石材、セメントおよび
セメント製品、ゴム、シリコーン、およびそれらの基体
の一種以上により構成された基体の各基体群・製品群の
何れかより得られる基体で、且つ該基体の少なくとも一
部に酸化チタンが付着等できる基体であれば何れも好ま
しく用いられる。且つ、付着等された酸化チタンの少な
くとも一部が植物に直接および/あるいは水分等を介し
て間接的に接し得るように付着等された該基体である。
【0043】また、本効果を得るには前記の基体が共通
に使用・利用されるものであるが、使用する場所や使途
により紙や繊維製品やフィルム等、あるいは各種基体で
構成されたものなどを適宜選択し使用するのが効率的で
あり好ましい。更に、それらを重ねたり併用した使用・
利用法も好ましく用いられる。また、公知の各種製法に
より該基体の製造時に酸化チタンを含有した製品は、剥
離のない効率的な製品として好ましく用いられる。更
に、これらはそれぞれの使途に応じた大きさや形状・形
態としたものが好ましく用いられるものであるが、それ
らの基体は人が使用するものであり、且つ人のために使
用される植物に使用されるものでもあるため、人体に対
しても安全な基体の選択が望ましく、且つ必要である。
【0044】次に、それらに付着等させる酸化チタンと
しては、前述のように人体および植物に悪影響を与える
物質を含まないもの、あるいはそれらを除去したもので
あれば何れも好ましく用いられるが、できれば不純物を
含まないものが望ましい。また、酸化チタンを基体に含
有させる場合においては粉末が好ましく用いられ、各方
面より市販されている。また、酸化チタン粒子を多孔質
のマスクメロン構造といわれるカプセル状のものに入れ
た粉末であれば、基体より露出したカプセル内の該粒子
全体が空気や水分と接する事ができ、更に好ましく使用
される。更には固形にした酸化チタンも好ましく用いら
れるものである。しかし、基体表面に付着させる場合に
は粉末よりも液やゲル状のものが取り扱い易く好適であ
り、後加工により付着させる場合には最適である。中で
もアナターゼ型および/あるいはアモルファス型の酸化
チタン液が好ましく用いられ、更にはアナターゼ型酸化
チタン懸濁液および/あるいはアモルファス型酸化チタ
ン溶液が好ましく使用され、アナターゼ型酸化チタン懸
濁液はTOゾル、アモルファス型酸化チタン溶液はPT
Aゾルとしてそれぞれ株式会社田中転写より製造され市
販されており、それぞれ中性で且つ水と酸化チタンでで
きており、且つ不純物を殆ど含まないため好ましく用い
られるものである。
【0045】尚、両液は公知の特許番号第287599
3号開示による製法により得られる酸化チタン液であ
り、同一製法・過程により得られたものであるため、互
いの相性が良く混合しても分離せず均一に分散するた
め、それぞれの効果を含めた調整をするにも好適である
と共に、それらのみにてバインダーなどを使用せずとも
基体に対する付着力を有するものであり、更に便利に用
いられるものである。加えて、基体に固着させるにはそ
れぞれ250度以上の温度にて焼付ける事により剥離の
ない被膜が得られるものでもある。更には、前記の固形
の酸化チタンにおいても、これらの液を使用しその水分
を蒸発させる事で簡単に得られるものでもあり、加え
て、粉末においても同じである。
【0046】また、PTAゾルはアモルファス型の酸化
チタン溶液であり光触媒活性を有しないとされるもので
あるが、本発明によると繊維製品等に塗布し乾燥・付着
させた場合にはアナターゼ型酸化チタンであるTOゾル
と比較するとその効果は緩やかであるが、それと同様の
光触媒効果を生じる特性があり、本発明者はそれを見出
し、それをも活用するものである。更に、基体に対する
付着力のあるバインダーとしても使用できるものであ
り、且つ基体に塗布し乾燥・付着させた後の付着膜は擦
る程度では簡単に剥離し難い基体が得られるものであ
る。片やTOゾルは塗布して乾燥・付着させるだけで光
触媒活性を有するものであるが、単独で使用するとPT
Aゾルと比較して基体に対しての付着力が弱く剥離し易
い性質ものであるため、他の基体と擦れるような使用法
となる基体への使用にはあまり好ましくない。しかし、
両液を混合使用する事でその欠点が補われる共に、より
基体に対しての付着力も得られ剥離し難くなるものでも
ある。すなわち、それらの特性を活用する事で優れた製
品が得られるため、好ましく用いられるものである。
【0047】また本発明によると、効果を優先する場合
にはアモルファス型およびルチル型よりアナターゼ型の
酸化チタンが好ましく用いられ、アナターゼ型酸化チタ
ン液であるTOゾルを期待する効果に合わせて付着量を
調整し、且つ単独で使用した方が効率且つ効果的である
が、前記のように剥離し易く支障をきたす恐れもあるた
め、それぞれの使途に応じた選択をするのが望ましい。
それらは、アモルファス型酸化チタン液であるPTAゾ
ルと、アナターゼ型酸化チタン液であるTOゾルと比較
した場合において、PTAゾルの混合比率を多くすると
共に本効果が緩慢になる事でも確認・判断されるもので
あるが、それにより付着力が増すものでもある。これら
は酸化チタンの結晶形態等の違いにより生じるものと思
われるものであるが、逆にその特性を利用する事で効果
や付着力の調整ができるものでもある。
【0048】しかし、これらの製品以外においても作用
・効果に影響せず、且つ人体に対して有害なものが含ま
れていなく、更には各種基体に付着させても同等以上の
性能や特性を発揮するものであれば、より好ましく用い
られるものであり、更には一種類以上の酸化チタンとで
構成されたものあるいは併用されたものにおいても同じ
であり、前記に限るものではない。加えて、前記両液と
同質の過酸化チタン((株)タオ製)として市販される
溶液も同等のものとして便利に使用されるものである。
重ねて、前記各液より得られるペルオキソ基で修飾され
た粉末の酸化チタンも同じく好ましく使用され、該溶液
の水分を蒸発させる事でも簡単に得られるものである。
尚、本発明の以下の説明において使用する酸化チタン
は、特に説明のない限りアナターゼ型酸化チタンはアナ
ターゼ型酸化チタン懸濁液であるTOゾルを使用し同じ
くTOゾルといい、アモルファス型酸化チタンはアモル
ファス型酸化チタン液であるPTAゾルを使用し同じく
PTAゾルというものとし、それぞれ以下の説明におい
てそれを記載するものとする。
【0049】その両液を使用し、使途に応じた濃度に調
整された液をそれぞれそれ単独あるいは混合した液をも
って、前記の基体に浸漬あるいはスプレーあるいは印刷
やその他の公知の各種方法により付着させる事で本発明
に使用される基体を得るのであるが、中でも浸漬法およ
びスプレー法が簡単で好ましく用いられ、それにより基
体表面に該液が均等に付着するように調整し、それを乾
燥させる事で酸化チタンを付着した基体を得、それを鮮
度保持剤あるいは該効果のある製品として使用するもの
である。尚、本発明における効果の強弱は基体に付着さ
れた単位面積当りの酸化チタン量により決まるものであ
るため、前記の酸化チタン液においてはその濃度を上げ
ても付着量を増さなければその効果は得られず、逆に低
濃度の液であっても、重ねて付着させる事で高濃度の液
を使用したものと同じ効果が得られるため、使途に応じ
た付着方法および液濃度を選択するのが望ましい。尚、
各液の濃度を調整するには蒸留水や純水を使用するのが
望ましい。これは、水道水などでは水以外の不純物を含
有している場合が多く、それらが溶液中の酸化チタンに
影響・反応し、粒子が凝集してゲル状となって分離する
事があり、その用を果たさなくなる恐れがあるからであ
る。但し、乾燥後の付着膜はそれらには影響されない性
質のものである。
【0050】また、基体に付着させる場合において、そ
の膜厚が厚過ぎると剥離し易くなるため、一つの基体に
多くの量の酸化チタンを付着させたい場合においては、
十分な調整をしながら数回に渡り重ねて付着させるか、
該基体を繊維製品等のような該基体の単位面積当りの表
面積が大きいものとなる基体を選択するのが望ましく、
それにより固体などと比較して付着量は飛躍的に増え好
ましく用いる事ができるものである。但し、該基体にお
いても付着し過ぎると同じく剥離し易いため、使途に応
じた選択・調整するのが望ましい。しかし、繊維製品に
付着させたものは他の個体状の基体と違い水分等の流通
がスムースであるため本効果も併せてスムースに伝達さ
れるものでもある。更に加えて、それらの特性を活用す
る事で該繊維製品を重ねて使用する事で、その単位面積
当りの付着量を増やす事もでき、且つそれに応じた効果
が得られるものである。逆に、その特性を利用する事で
効果の調整も簡単にできるものでもある。他にも、ビー
ズや砂や砂利のような小さな基体に付着させ、それらを
袋や筒などの容器に入れて用いる事でも同様に表面積を
増やす事ができるものであり、これらの方法も好ましく
用いられる。但し、該基体を入れる容器等は当然に水な
どが流通でき得る容器あるいはそのように加工・工夫さ
れた基体が望ましく且つ必要であり、例えばガーゼやメ
ッシュ状の製品などである。
【0051】次に、酸化チタン液を付着させた基体の乾
燥方法は焼付ける場合を除き、乾燥機等による温風等の
雰囲気中における強制乾燥が一般的な方法として好まし
く用いられるが、混合液を使用した場合で、その乾燥時
間が長く加熱し過ぎると、PTAゾルの配合比率に比例
して、得られる基体が撥水性を持つようになるため、あ
まり好ましくはなく、そのような長時間の加熱とならな
いよう十分な製造管理をするのが望ましい。但し、基体
としての効果にはあまり影響はないのであるが、水分を
含み難くなるためできれば避けるのが好ましい。しか
し、この場合においてTOゾルの配合比率を上げる事で
その撥水性はそれに比例して低くできるものでもある
が、同時に付着力も低下するため、好ましくは基体を変
化・変質させない温度で、且つ酸化チタンが変化・変質
しないとする80度程度までの乾燥雰囲気下での強制乾
燥である。加えて、繊維製品等であれば洗濯乾燥機など
で回転式のものによる強制乾燥も用いられるが、この場
合には乾燥中に該基体の表面部分の酸化チタンが剥離す
る恐れが多くあり、あまり好ましくはない。他にも、多
くの乾燥・定着方法があり、それらを考慮のうえそれぞ
れに応じた乾燥方法を選択するのが望ましい。
【0052】しかし、本発明によると自然乾燥において
も十分な付着力および効果が得られるものでもあり、そ
れをも鑑みたうえでそれぞれに応じた方法を選択するの
が望ましい。また、本発明における自然乾燥とは常温か
ら35度程度の温度での乾燥をいい、その場合において
天日乾燥であれば更に付着力を増す事ができるものであ
り、好ましい方法の一つである。
【0053】以上の何れもその使途に応じた基体の選択
と十分な製造管理をする事で、付着力の良い基体が得ら
れる方法であり、重ねてそれぞれに応じた方法を適宜選
択するのが望ましい。また、その使途において撥水性を
有していても支障のない場合、あるいはそれを欲する場
合においては、前記を鑑みた上でそれぞれに応じた配合
および付着方法を選択するのが好ましく、且つ得られる
ものである。尚、該基体がセラミックスや金属などの基
体で耐熱・耐火性のある基体であれば、250度程度以
上の高温にて焼付ける事で付着させた酸化チタンが剥離
のない皮膜として該基体に固着した基体が得られ、それ
らのような基体には好ましく用いられる方法である。
【0054】次に、本発明に使用する各液の濃度は、両
液とも概ね0.15重量%〜3重量%として使用するの
が使い易く好ましい。これは両液ともその濃度が概ね4
重量%を超えると、その濃度に比例したゲル状の溶液と
なり繊維に均一に付着させる事が困難となると共に、酸
化チタンが偏った付着をし効果にムラのある基体ができ
る恐れもあり好ましくないからである。更には、付着し
た酸化チタン粒子量が多くなり、すなわち膜厚が厚くな
り過ぎるため、乾燥させるとその多くが剥離し易く、更
には繊維製品やフィルムなどであればゴワゴワとした柔
軟性の良くない基体となり、使途によっては支障を来た
す恐れもあるからでもある。
【0055】また、概ね0.15重量%以下であると酸
化チタン粒子の付着量が少なく膜厚も薄くなり、その効
果が緩慢になりあまり期待できなくなるからである。但
し、緩やかな効果を期待する場合には低濃度、すなわち
付着量の少ないのものが好ましく用いられるものでもあ
り、切花などの梱包等に使用する紙製品やフィルムなど
の基体には好適ではある。しかし、限るものではなく、
それぞれの基体や使途に応じた濃度の選択をするのが望
ましい。加えて、両液を混合する場合においても同じく
その配合比率および濃度も特にこだわる必要はないが、
同じく前記を考慮したうえでそれぞれの使途に応じ期待
する付着力および効果が得易い比率を選択するのが望ま
しい。
【0056】すなわち本発明によると、TOゾルの比率
が多く高濃度であるほどその効果は増すが、基体への付
着力はあまり良くないため軽く擦る程度でも剥離し易
く、繰り返し使用する場合にはあまり好ましくない。ま
た、TOゾルの配合比率を概ね50%以下にするとそれ
らでは剥離しにくい付着効率の良い基体が得られるが、
その効果もまたそれに比例して減少するので、それらを
鑑みた配合比の選択が望ましい。但し、該付着膜と他の
基体とが接する事がないような付着方法あるいは使用方
法あるいは該基体の形状であれば、TOゾルの比率を増
した配合が好ましく用いられるものである。但し、概ね
10%以下の比率の場合には効果は緩慢になり、それ以
上の配合比と比較して即効的な効果は殆ど期待できない
ものとなるので、それぞれの使途に応じた配合比率およ
び濃度の検討・選択が望ましい。
【0057】それらを鑑みると、使い勝手の良い基体を
得る場合の各溶液の濃度および配合比率としては、それ
ぞれ同じ濃度で概ね0.5〜1.5重量%の液で、TO
ゾルの比率を概ね50〜60%で配合するのが好まし
く、それを基準としても使用できるものであり、その溶
液を基体に均等に付着させるのが効率的であり、且つ経
済的でもあり好ましい。加えて、より即効的且つ効果的
で且つ使用感の良い製品を得るとした場合の濃度として
は概ね1.5重量%を上限の目安とするのが好ましく、
それにより繊維製品等の基体においても柔軟で使い勝手
の良い基体が得られるものである。但し、同じくこれら
に限るものではなくそれぞれの使途に応じた濃度および
配合比率を得るのが望ましい。
【0058】尚、該基体が繊維製品等であり、中でも紙
製品に後加工により付着させるにおいては、あまりムラ
の無いように付着させるのが望ましく、それにより製品
としても伸縮ムラのない綺麗な製品が得られるものでも
ある。
【0059】これらは、TOゾルおよびPTAゾルが同
じ製法および製造過程で得られる液である事により、そ
れぞれの相性が良く且つ混合しても分離せずに液中に均
一に分散され、且つその粒子経も10〜20nm程度の
超微粒子であるため、該基体が繊維製品等や多孔質の基
体においては、その繊維や基体の隙間にも良く浸透し付
着させる事ができ、更にその濃度および配合比率に応じ
たそれぞれの持つ特性が素直に表れるからである。更に
加え、それらの液は多くの基体に対する付着力があり且
つ低温での少ない加熱時間でも擦る程度では剥離しない
皮膜が得られるものであり、本発明における各種基体を
得るには好適なものとなり得るものでもある。
【0060】尚、本発明に使用する酸化チタンの粒子径
は特に限るものではないが、基体に付着等でき得るもの
であれば何れも好ましく用いられ、該基体が繊維製品等
であれば前記の通りできる限り粒子径の小さなものが好
ましく用いられるものである。例えば、繊維に含有させ
る場合には該繊維の太さ以下のものが好ましく、固体の
表面に付着させる場合にはそれ以上のものであっても支
障なく使用され、好ましくは1〜1000nm程度のも
のであるが、更に好ましくは1〜100nm程度のもの
である。しかし限るものではなく、それぞれの使途に応
じ適宜選択するのが望ましい。
【0061】次に、基体に付着させた酸化チタンの光触
媒効果の有無を目視により確認するため、ハンドタオル
サイズ程度のメリヤスの綿布にTOゾルおよびPTAゾ
ルの濃度が0.85重量%に調整された液をそれぞれ単
独および均等に混合したものを使用し、基体と同じ方法
で作成した綿布と、対照として未処理の同じ綿布をそれ
ぞれ3枚ずつ作成し、パイロット社製のINK30R赤
インクを30倍に薄めたもの1mlを直径10cm程度
にスプレーにて綿布表面にほぼ均等になるようにそれぞ
れに塗布し、その後同時に直射日光にあて、そのインク
を分解させる事により光触媒効果の有無の目視による確
認実験を行った。尚、それぞれの綿布は事前に良く洗剤
により洗濯し十分にすすぎ洗いをした後自然乾燥させた
ものを使用した。
【0062】その場合において、TOゾル単独使用のも
のは20〜30分程度で、PTAゾル単独使用のもの、
および混合したものは30〜40分程度で、僅かである
がインクかすと思われる塗布跡を残して分解し終えた。
しかし、未処理のものは1時間では紫外線による分解と
思われる薄く変色した程度で、約2時間放置してもその
1時間前と比較して、その色が半分程度に薄くなったと
感じる分解のみであった。これらは多少の時間差はあっ
たが、それぞれ3枚共ほぼ同じ結果であった。
【0063】本実験は付着させた酸化チタンの粒子形態
と光触媒活性の有無の確認を兼ねて行ったものである
が、これより各液における基体に光触媒活性を有する事
が分かると共に、PTAゾルにおいてはアモルファス型
の酸化チタンであり光触媒活性はないとされているもの
であるが、本発明によると繊維製品等に塗布し乾燥させ
た場合には、光触媒活性のあるアナターゼ型酸化チタン
と同様の効果のある事が推測・確認できるものであり、
且つ見出したものである。更にはこれにより、それぞれ
の液による基体も従来の光触媒効果を活用できるもので
ある事が判断されるものである。
【0064】尚参考比較として、前述の実験の基体を白
色の100角釉薬タイルに替えて行った場合において、
PTAゾルを塗布乾燥させたタイル面のインクは、未処
理のタイル面に塗布したインクと同程度の紫外線による
僅かな分解しか行わなかった。他は、分解時間は多少違
うが綿布の場合と同様に早期に分解し終えたものであ
る。
【0065】以上の液を使用して得られる基体を、効果
を期待する植物に直接および/あるいは水分等を介して
間接的に接するように使用する事で本効果が得られるも
のであり、更には、それらの基体を水分等が流通する他
の基体に入れて使用する事でもその水分等を介して本効
果が得られるものであり、各種使途に応じた基体が選択
できるものである。
【0066】よって、それぞれの使用方法や使途に応じ
た形状や形態および大きさに調整された基体、および/
あるいは他の基体とで構成された基体が好ましく用いら
れ、それらの形状や形態あるいはその使途が、粉末、固
形、繊維、線や棒、板、各種形状の球体、メッシュ、ネ
ット、シート、フィルム、綿、糸や紐やロープ、ガーゼ
や布や不織布、テープ、ダンボールを含む紙、パイプ、
ブロック、タイル、容器、箱、袋、およびそれらに類す
る基体、およびそれらの一種以上で構成された基体の各
基体群より選択される各種基体であり、且つそれらより
得られる各種大きさや形状や形態の基体である製品であ
る。且つ、付着等した酸化チタンが植物に直接および/
あるいは水分等を介して間接的に接するように構成され
た製品が、何れも好ましく本効果の得られる鮮度保持用
製品として、且つ該既製品としても日常的に支障なく使
用されるものである。
【0067】更に加え、該植物でそれを切り取ったり刈
り取ったりする事で、該植物を人が使用あるいは食する
ものであれば、それに使用される道具や器具等を酸化チ
タンが付着等された前記の各種基体より得られるもの
が、それらの収穫時に切り口より本効果が得られ好適で
ある。たとえば該器具等がハサミ、ナイフ、鎌、鋸、お
よびそれらの製品群より選択される製品である。更に
は、それらを収穫するために使用される各種道具や器具
等についても同じである。更には、前記以外の各種製品
で、同じく植物に接するように使用する公知の各種製品
と同様の形状・形態とした製品において同じであり、例
えば各種形状や形態の手袋や、それらを拭くための布や
タオルなどの繊維製品であり、それを入れる容器である
籠や袋や箱等々であり、それぞれ従来品と同様に使用す
るだけでも本効果が得られ、好ましく使用されるもので
ある。更には、それらの植物より得られる果実を包んだ
りする紙や布製品等にも応用され、それによっても本効
果が得られるものである。
【0068】また繊維製品等であれば、繊維製品等とフ
ィルムとで構成されたものも好ましく使用される。例え
ば、その形状や形態等が、繊維製品等を心材および/あ
るいはクッション材として使用され、且つその一部、あ
るいは片面、あるいは両面、あるいはその全部を液体お
よび気体が透過あるいは流通できるように1以上の穴や
切込みなどの施された透液性のあるフィルムで覆った、
公知のパッド材などと同様のパッドであり、その層の構
成順が、例えばフィルム+繊維製品等、あるいはフィル
ム+繊維製品等+フィルム、あるいはフィルム+繊維製
品等+フィルム+繊維製品等+フィルムであるパッドで
あり、そのような形態とする事で使用時において該植物
に繊維の一部が付着する事を防ぐ事もでき好適である。
更には、層状にする事でその製品の強度をより増す事が
でき、且つ伸縮性を調整したものとしても用いられるも
のである。
【0069】またそれらと逆の構成である、同じく公知
の使い捨ての紙おしぼりやキチンペーパー類のようにフ
ィルムの一部あるいは全部を繊維製品等で覆った製品
で、その層の構成順が例えば繊維製品等+フィルム+繊
維製品等としたシートである。更には、それらが1以上
の層状に構成されたシートで、繊維製品等+フィルム+
繊維製品等+フィルム+繊維製品等など各種に構成さ
れ、それぞれその大きさや形状が調整されたシートであ
る。またそれらのパッドあるいはシート(以下、パッド
類という)使用されるフィルムに替え、同じく透液性の
あるメッシュや同じくそれらと同等に加工・工夫された
繊維製品などの基体も好ましく用いられ、その使途に応
じ選択するのが好ましい。またそれらは、それぞれの基
体がずれないように圧着や溶着等および/あるいは接着
剤等によりそれぞれを固着するのが好ましく、且つ便利
に使用されるものである。
【0070】更に加えて、繊維製品等の基体だけでな
く、それらに替えて酸化チタンを付着等した化合物で吸
液性のあるスポンジなども好ましく用いられ、同じく単
体あるいは他の基体とで構成されたものなどである。ま
た、それらの素材の一つでウレタンより得られるフィル
ムなどは、前記のフィルムの中でも植物に優しい素材の
フィルムとして好ましく用いられるものである。
【0071】次に、水分等を介して本効果が得られる特
性を活用する事で各種用途に使用・応用され、更に便利
に活用されるものでもある。その一例として、酸化チタ
ンを付着等した容器が上げられる。例えば、該容器に水
を入れ刈り取った植物の切断部を浸漬するだけで本効果
が得られるものであり、前記の通り生け花に使用される
花瓶や水盤などには好適である。また容器の大きさや形
状においても、少なくとも切り取られた植物の切り口部
が浸漬でき得る容器であれば何れも好ましく使用される
ものであり、例えば、試験管、ビーカー、フラスコ、ト
レー、ボウル、洗面器、たらい、バケツ、桶、樽、升、
コップ、皿、鉢、お椀、壷、花瓶、水盤、缶、ビン、水
槽、およびそれらに類する容器を含む各容器群より選択
される各種大きさや形状の容器であれば何れも好ましく
用いられる。更には、その容器となる素材も特にこだわ
る必要はなく、酸化チタンを付着等できるものであれば
何れも好ましく用いられ、前述の基体に同じである。更
に、これらもまた製品化されたものを含む公知の各種製
品に後加工により付着させたものであっても同じ効果が
得られ、それぞれ好ましく使用されるものである。
【0072】尚、該容器がその一部あるいは全部に仕上
げ材である釉薬や塗料等の塗膜が構成された容器におい
ては、その最表面の仕上げ材である素材を前記の基体と
していうものであり、例えば陶磁器製品やホーロー製品
などに使用される釉薬や塗料等が上げられ、それら各種
塗料等で仕上げられた各種塗装製品であり、タイル等を
貼付けて仕上げる容器の場合においては該タイルの仕上
げ材をいうものであり同じである。またこれらの容器の
内、植物の一部と該容器とが直接擦れるように接する事
のある容器あるいは使用法となる場合で、後加工により
酸化チタンを付着させた容器の場合には、該酸化チタン
が剥離しないように加熱等により固着したものが好まし
く用いられ、同じくそれぞれの使途に応じた付着方法を
選択するのが好ましい。
【0073】更には、前記に同じく酸化チタンを付着等
した各種基体を、酸化チタンを付着等していない容器の
液中に入れて使用する事でも同様の効果が得られ、各種
用途に応用されるものである。すなわち、このような効
果を期待したい場合においては、該基体が容器に限るも
のではなく、容器の液中に浸漬でき得る形状・形態およ
び素材の基体や製品であれば何れも好ましく用いられる
ものである。例えば、該基体を生け花などに使用される
剣山などとしたものは、直接植物にも接する事ができ、
更に好適である。
【0074】また、前記の各種容器の何れかを含み、箱
やタッパーウエアなどのように蓋を用いて密閉できる容
器やそのように加工あるいは工夫のされたものを含む容
器と同様にしたものは、植物の一時保存用としても好ま
しく用いらる。これらは他の使用法と比較して本効果が
穏やかであるため保存用としては好適である。また、そ
れら以外においても保温あるいは保冷のできるように各
種基体で構成された形状・形態の容器なども同じであ
り、更に好ましく使用さる。例えば、クーラーボックス
や冷蔵庫などの容器類である。更に加えて、該使途の場
合においても酸化チタンを付着等されてない容器内に付
着等した基体を配したものや、それらを併用したものも
同様の効果が得られるものであり、同じく好適な使用方
法となるものである。更には、これらの容器は植物より
得られる果実を含み他の生鮮食品の保存用としても好ま
しく用いられるものであり、特にクーラーボックスや冷
蔵庫としたものなどは好適である。これは、本効果がそ
れらの食品の鮮度をも保持する事ができるものであり、
それにより該食品の腐敗が遅延される効果が得られるも
のである。
【0075】次に、酸化チタンと酸化チタン以外の薬剤
あるいは食品添加物あるいはそれらに類する物質の何れ
か、あるいはそれらの一種以上とで構成された酸化チタ
ン混合物とする事で、本発明の酸化チタンの効果を調整
した製品および/あるいはそれぞれの特性を生かした相
乗効果のある製品が得られ、それらもまた好ましく使用
されるものである。また、それらの形状においても、粉
末、顆粒、錠剤、ゾル、ゲル、軟膏、クリーム等々にす
る事で各種用途に使用でき、中でもゲル、軟膏、クリー
ム状のもので基体に対する付着・接着性を有するもので
あれば、前記の各種基体や製品に付着あるいは展延する
事でも好ましく用いられる。加えて、該基体は前記の酸
化チタンを付着等した基体であっても良い。
【0076】尚、本発明における前記の酸化チタン以外
の物質で薬剤、食品添加物、およびそれらに類する物質
とは、公知に使用されるもので人体に対して有害な作用
・効果を有するもの、あるいはそのようになる使用方法
を除き、治療等に使用するに当たり無害もしくは有効に
働く物質のみをいい、好ましくは医薬品や農薬や食品添
加物やそれに準ずる公的規定に沿った物質より選択され
る物質であり、更に好ましくは人体および植物に対し穏
やかな作用をもたらす物質である。しかし、本発明の酸
化チタンの特性を阻害するように該粒子に皮膜を作る物
質や変化・変質させる物質の使用は避けるのが望まし
く、且つ必要である。尚、それら以外においても本発明
の酸化チタンと同様の性質・特性等を持つ人体に安全な
物質であれば何れも好ましく使用され、例えば本酸化チ
タンと同じ光半導体群より選択される何れかの物質であ
り、それぞれに応じた選択をするのが望ましい。
【0077】以上は本発明の効果を得るための方法およ
び使用・応用例等の一例であるが、それら以外において
も人体および植物に無害な基体を使用し酸化チタンを付
着等した基体であって、それらが植物に直接および/あ
るいは水分等を介して間接的に接するように使用される
基体である製品としたものであれば、それぞれに本発明
の効果が得られるものであり好ましく使用され、且つそ
れらの基体を公知の各種製品と同様の形状や形態とした
製品を、それぞれ単独あるいは各種使途に応じた構成・
形状・形態とする事で更に好ましく使用されるものであ
る。すなわち、酸化チタンを付着等した人体および植物
に安全で無害な基体で、その付着等した部位を植物に直
接および/あるいは水分等を介して間接的に接するよう
に使用される基体であれば、何れも本効果のある且つ得
られる製品として好ましく用いられるものであり、且つ
そのような製品とする事で多用途に活用でき望ましい。
【0078】重ねて、本発明の効果は酸化チタンが付着
等された各種基体を使用して得られる製品類にのみに本
効果が得られるものではなく、後加工により酸化チタン
を付着させて得た製品であっても、同様に本効果が得ら
れるものである。すなわち、後加工により公知の各種既
製品に酸化チタンを付着させた製品で、且つ同じく該酸
化チタンが人体に直接および/あるいは水分等を介して
間接的に接するように付着され且つ使用される製品であ
れば同様の効果が得られるものであり、例えば前記の各
種製品類と同等製品であり、それぞれ便利に使用・利用
され且つ応用できるものである。更には、それらの製品
が該基体の一部に酸化チタンが付着等したものを使用し
た製品であっても同じであり、水分等により本発明の効
果が伝達され得るように配され且つそのような使用方法
としたものであれば同様の効果が得られるものであり、
各種形態とした基体および使用方法が選択できるもので
もある。更には、それらを組み合わせたりして得られる
製品においても同様であり、それぞれ便利に活用される
ものである。更に加え、それらに用られる酸化チタンに
おいて、各種形状や形態の酸化チタンが併用および/あ
るいは混合使用されたものにおいても同じ効果が得られ
るものであり、一種類の形状や形態の酸化チタンの使用
に限らず、それぞれ好ましく用いられるものである。
【0079】但し、それらの各種製品で酸化チタンが付
着等された基体が使用されたものを含み、該製品の酸化
チタンの絶対量が少なすぎたり、効果が伝達され難いよ
うな付着等あるいは使用方法であると本効果が殆ど期待
できなくなるため、そのような製品あるいは使用方法と
ならないように工夫するのが望ましい。また、後加工に
より酸化チタンを付着させる場合においては、基体に対
して付着力のある前記の酸化チタン液などをスプレーな
どでその表面および/あるいはその表層部に含浸させる
ように吹付けて得るのが簡単で且つ効率的であるが、他
の各種公知方法の印刷や溶着等の方法およびその他にも
多くの付着方法があると共に、本発明の前記の各種特性
を活用する事で各種用途に使用・応用できるものであ
り、それらを鑑みた上でそれぞれの使途に応じた付着方
法および付着量および使用方法等の選択をするのが望ま
しい。
【0080】以上の各種基体や製品を使用する事で本効
果が得られ、更には使用する基体の種類や質等が替わっ
ても同様の効果が得られるものであり、それぞれ該効果
のある製品として好ましく用いられるものである。それ
らの何れかを使用した使用例等を含め以下に更に説明す
るが、重ねて本発明の効果はそれらに類似する使用等に
おいても有効であり、且つ植物の生命力を増進させる事
で得られるものであるため各種に利用・応用でき、且つ
効果が期待できるものであり、以下に限るものではな
い。
【0081】
【実施例】まず、PTAゾルおよびTOゾルの含有酸化
チタン濃度がそれぞれ1.0重量%に調整された液を使
用し、それを均等に配合する事で基体に付着させる混合
液(以下、本混合液という)を得た。
【0082】次に、本混合液を付着させる基体として且
つ全てに共通に使用・応用できる基体として繊維製品を
使用し酸化チタンを付着した基体を得た。また、該繊維
製品としては市販の綿100%のガーゼ(66g/
)、および同じく市販の綿100%のメリヤス(1
20g/m)、および同じく綿100%の両面ループ
のタオル(302g/m)を使用し、それぞれの基体
を混合液に浸漬し、該基体の飽和含水量となるように全
体に含浸するように調整し、それをハンガーに吊し自然
乾燥させる事でそれぞれの基体を得た。尚、それらの飽
和含水量はそれぞれ事前に確認しておいたもので、ガー
ゼにおいては基体重量の概ね1.7倍(約110g/m
)であり、メリヤスにおいてはその基体重量の概ね2
倍(約245g/m)であり、タオルにおいては基体
重量の概ね3倍(約895g/m)であった。尚、飽
和含水量とする事で製品全体に均等に酸化チタンが付着
し、ムラのない効果の均一な製品が得られるからであ
る。加えて、以下においてガーゼの基体はガーゼ基体と
いい、メリヤスの基体を綿基体といい、タオルの基体は
タオル基体というものとする。
【0083】また、スプレーにより付着させる場合にお
いては、その飽和含水量となる混合液を事前に計量して
おき、その液を均等に含浸するように全て吹付ける事で
その基体を得たものであり、その乾燥方法は前記浸漬法
と同じである。またそれに使用するコンプレッサーとし
ては噴出し圧が0.3MPaで、その空気量が毎分17
リットルで、ノズル径が0.3mmのエアーブラシを以
下において特に説明のない限り共通に使用し、それを適
宜調整をしながらほぼ均等に含浸するように吹付ける事
で必要とする基体を得た。尚、酸化チタン絶対量が少量
であるため、その比重による差異は無視するものとし
た。しかし、本方法は基体表面への付着に適したもので
もあり、その場合においてもその必要量の液を均等に吹
付ける事で簡単に得られるものである。更には、撥水性
があり浸漬法やディップ法によっては付着させにくい基
体には好適な付着方法の一つでもあり、本発明に使用さ
れる繊維製品以外の他の基体で撥水性のある金属、ガラ
ス、セラミックス、プラスチック、ゴム、シリコーン、
等々の素材への付着方法の一つとして該方法により酸化
チタンを付着した基体を得た。また、それらの乾燥にお
いては加熱乾燥させたものがより剥離が少なくなり好ま
しく、該基体が変形・変質しない程度の概ね60〜80
度の温風での雰囲気下にて且つそのようにならないよう
に調整をしながら約10分間以上の加熱により該基体を
得たものである。更に加え、その他の多くの基体に対し
ても有効な付着方法であり、それぞれ酸化チタンを付着
させた基体を得た。但し、凹凸のある製品で撥水性のあ
る基体などには浸漬法やディップ法が好ましくもあり、
その場合においては本混合液濃度をあげる事により付着
させ易くなるものである。
【0084】以上により得た鮮度保持効果のある基体を
各実験において本発明の効果を得るための基体として共
通に使用したものであるが、これに限るものではなくそ
れぞれの使途に応じ適宜使用する基体の質および種類お
よび形態等は替える方が効率的であり好ましく、更に混
合液の濃度および配合比率あるいは粉末の付着量につい
ても同じである。尚、以下の使用例において基体を濡ら
すために使用した水は普通の水道水であり、その他の特
別な水等は使用していない。
【0085】実験の条件として、切花を共通に使用し次
の各方法によりそれぞれに本効果を得たものである。そ
れに使用した切花は、ほぼ同等の大きさおよび3部咲き
程度の状態で且つ少し葉がしおれた状態のバラを使用し
た。それらを直射日光はあたらないが明かりとしての光
の得られる北側の室内の窓際に置き、それぞれ花の直下
部の茎が折れるような状態もしくは花が散り落ちるまで
をもって効果の比較をしたものであり、日中における室
温は概ね28〜30度であった。また検体はそれぞれ3
本ずつで且つ次の3種類の状態としたものである。
(1)基体に光があたる状態のもの、(2)基体への明
かりが得られないようにアルミ箔をよび黒色のビニール
を使用し遮断したもの、(3)基体と同材の素材を使用
し他の検体と同様の状態とし且つ光があたる状態とした
もの、の3種である。
【0086】まず実験1として、基体としてガーゼ基体
を使用し、それに水を含浸させ、それぞれの検体の切り
口に巻きつけ検体を立てた状態で放置したものである。
またそれらが乾燥しないように適宜同時期に同量の水を
補給したものである。
【0087】次に実験2として、前実験とほぼ同様の状
況であるが、ペットボトル(容量が約1500mlのも
の)を花瓶として使用し、その中に満水状態となるよう
に水を入れ、且つその中に同じくガーゼ基体を浸漬し、
その中に検体を入れ基体とが接触しないように調整をし
たものである。また、それぞれのボトルは内部の水が蒸
発しないようにラップをし、且つ途中での水の補給はし
なかったものである。但し、(2)のボトルについては
その上部を含む全体を遮光状態としたものである。
【0088】次に実験3として、乾燥した綿基体を使用
し、それぞれの検体を花の部分を除きその全体を包むよ
うにし、且つ(1)(3)についてはその上から(2)
に使用したものと同材の透明のビニールにてラップを
し、(2)とほぼ同条件とした状態で且つそれぞれを立
てた状態にて実験をした。
【0089】それらの結果、それぞれ(1)(2)のタ
イプはほぼ同様の結果であり、概ね5〜7日間以上であ
ったが(1)のほうがそれぞれ若干長く持った。(3)
のタイプにおいてはそれらより早く3〜5日間で茎が折
れたものであり、鮮度保持効果を得たものである。但
し、本実験においては殆どが花が散るより先に茎が折れ
たが、(1)(2)の方は3割り程度が花が散り始める
まで持つ検体があった。
【0090】更に加え実験4として、検体が入る程度の
大きさのボール紙より得られる箱の内部側に本混合液を
均一にコーティングし、それを(1)としてその中に検
体を入れ、未処理の状態での箱に検体を入れたものを
(3)とした実験をした。但し本実験においては(2)
のタイプは除いた。更に、本実験においては水分の供給
はしなかった。その結果、(1)においては1〜2日間
弱であり、(3)においては1日間も持たなかったもの
であり、同じく効果を得た。
【0091】次に、生鮮食品の鮮度保持効果の有無を確
認するため植物以外で、魚肉および牛肉を検体に使用し
た実験をし、同じく効果を得た。
【0092】その実験としての確認対象物として市販の
魚肉(マグロの切り身)および牛肉をそれぞれをほぼ対
称となるように半分に切ったものを使用し、それを発泡
スチロール製の簡易のクーラーボックス(約10cm×
20cm×5cm×厚2cm)の中に入れ保存する事で
確認したものである。それらをそれぞれ水で湿らせた綿
基体で全体を覆うように包み込んだものを供試体とし、
同材の水で湿らせた普通の綿布で包み込んだものを対照
としてボックスに入れ、それぞれ蓋をし遮光状態となっ
たボックスを冷蔵庫内に保存する事で放置し、それぞれ
の基体の変色状態を確認したものである。尚、それぞれ
の基体はそれぞれ個別のボックスに入れそれぞれの影響
がないようにし実験をしたものであり、放置時の冷蔵庫
内およびボックス内の温度は通常より高めの概ね10度
程度となるように調整したもので、且つ遮光状態であっ
た。
【0093】その結果、それぞれの供試体においては4
〜5日めより変色を初め、6〜7日目以降において徐々
に黒く変色し腐敗し出したものであった。片や対照の方
は1〜2日目にはそれぞれ全体的に変色しはじめ3〜4
日目においては、その色も全体的に黒色化し腐敗臭があ
ったもので、明らかな差となり効果を得た。
【0094】また同じ実験を同条件下において3日間蓋
をしたまま放置したものを確認すると、前記とは変色度
は低かったものであるが、それぞれ供試体と対照とは明
らかな変化差があり、効果を得たものである。更には、
ボックス内部に酸化チタンを付着させ、直接その内部に
検体を入れた場合における実験においては、直接検体に
密着したものでないために生じたと思われる半日〜1日
程度の変化の進行の速さはあったが、未処理のボックス
についてはより変化が早かったものであり、同じく効果
を得たものである。
【0095】これらの何れにおいてもそのメカニズムは
不明であるが効果を得たものであり、更には(2)のタ
イプや前例においては無光状態であり光触媒効果の影響
ではないのは明らかである。
【0096】しかし、これらの効果は従来の酸化チタン
の利用方法とは異にするものであるが、前記ように効果
を得たものである。本発明によると、これらにおいては
それぞれの検体である細胞組織が生きた状態と比較する
と微弱ではあるがエネルギーを有しており、基体の酸化
チタンによりそのエネルギーが該細胞を活性化するよう
に作用し、それにより長期間の鮮度が保持されたものと
思われる。すなわち、酸化チタンにより生命力が増進さ
れる事でそれらが得られたものであり、本発明が従来に
ないものである事が判断できるものである。これらの効
果を活用する事でその他にも各種用途に利用され、且つ
応用できるものである。例えば、植物の発育促進剤とし
ても使用され、種子や球根などの早期発芽を含む成長促
進効果が得られ、片や生鮮食品である肉や魚および野
菜、更には果実の鮮度保存用としても使用・応用される
ものである。更に果実や野菜などであれば、生育時を含
む収穫前のカバーとして使用する事で従来のカバーとし
ての効果、および収穫前後を含め該果実等をより良く活
性化させ成熟させると共に本効果が得られ、更にはそれ
らと共に酸化チタンの従来の特性である紫外線カットの
効果をも得られるものであり、従来にないより優れた製
品となるものであり、それらを鑑みた更なる活用・応用
が望ましい。
【0097】以上のように、本発明の酸化チタンの本効
果は従来から公知に認識されている光触媒効果や半導
体、その他の個別の効果・特性を利用したものでなく且
つ明らかであり、それら以外の従来にない効果により植
物の鮮度の保持ができるものである。更に、酸化チタン
である基体と植物とが直接接する状態でなくとも効果が
得られるものであり、これらの新たな特性を活用・応用
する事で更に便利な製品が得られると共に利用範囲が広
がるものである。
【0098】
【発明の効果】本発明において、酸化チタンが本効果を
生じるメカニズムは不明である。しかし、これらは従来
の光触媒効果の有無に関わらず且つラジカルを生じる状
態においても得られるものであり、且つ本効果を得るに
おいては、その使用する酸化チタンを植物の内部に浸透
させたり吸収させたりせずに本効果が得られるものであ
る。すなわち各種触媒と同様に、それ自体は変化せずに
生命力を引き出すように増進させる効果を生じているも
のであり、酸化チタンを付着等した基体を接するように
使用するだけで効果が得られるものである。更には、植
物の種類や大きさ等に関わらず同じ基体・使用方法等に
より、それぞれに応じた本効果が得られるものでもあ
る。
【0099】加えて、本効果の調整も酸化チタンの付着
量を調整する事で簡単に得られ、更には、早期により効
果の欲しい場合には基体を重ねたり、その数を増やす事
で同様の効果が簡単に得られるものである。また、従来
公知の酸化チタンの光触媒効果等も当然に有しており、
それによる殺菌効果は優れた殺菌力を持つ事は周知の通
りであり、それをも活用する事のできるものである。更
には、食品添加物としても使用されているように安全で
無害なものでもあり、これらもまた十分に活用されるも
のである。
【0100】すなわち、本発明の酸化チタンの新たな特
性等を利用・活用する事で、従来にない簡単な方法で鮮
度保持効果が得られ、且つそれらの効果の調整も簡単に
できる、より安全でより副作用の恐れの少ない人を含む
植物に優しい各種製品が得られるものである。重ねて、
本発明の効果は植物の生命力が増進される事により得ら
れるものであるため、鮮度保持効果が得られる安全な薬
剤および製品として用いる事のできるものである。よっ
て、本発明を活用・応用する事で更なる使用法および製
品等が得られ且つ望まれるものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンの、植物の活性化を含む鮮度
    保持剤としての使用。
  2. 【請求項2】 金属、ガラス、セラミックス、プラスチ
    ック、木材、紙を含む繊維製品、砂を含む石材、セメン
    トおよびセメント製品、ゴム、シリコーン、およびそれ
    らの基体の一種以上により構成された基体の各基体群・
    製品群の何れかより得られる製品であり、且つ該製品の
    少なくとも一部に酸化チタンが含有および/あるいは付
    着(以下、付着等という)され、且つ付着等された酸化
    チタンの少なくとも一部が植物に直接および/あるいは
    水分等を介して間接的に接し得るように付着等された該
    製品の、請求項1記載の効果のある鮮度保持製品として
    の使用、および該効果のある鮮度保持製品。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製品より選択される繊維
    製品の何れかであり、且つ該繊維製品の形状あるいは形
    態あるいはその使途が、綿、糸、ガーゼ、包帯、メッシ
    ュ、ネット、布、不織布、タオル、テープ、シート、
    紙、手袋、タオル、ハンカチ、ティッシュペーパー、ウ
    エットティッシュ、ウエットシート、おしぼり、ロー
    プ、袋、箱、包装紙、およびそれらに類する製品、およ
    びそれらの一種以上で構成された製品の各製品群より選
    択される製品の何れかである該製品の、該項記載の効果
    のある鮮度保持製品としての使用、および該効果のある
    鮮度保持製品。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の製品より選択されるプラ
    スチック製品の何れかであり、且つ該プラスチック製品
    の形状あるいは形態あるいはその使途が、請求項3記載
    の製品を除く、フィルム、シート、メッシュ、ネット、
    パイプ、袋、箱、包装用ラップ、およびそれらに類する
    製品、およびそれらの一種以上で構成された製品の各製
    品群より選択される製品の何れかである該製品の、該項
    記載の効果のある鮮度保持製品としての使用、および該
    効果のある鮮度保持製品。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の製品より選択される製品
    の何れかであり、且つ該製品の形状あるいは形態あるい
    はその使途が、請求項3、4記載の製品を除く、線材、
    板、球、ビーズ、パイプ、メッシュ、ネット、ナイフ、
    鋸、ハサミ、剣山、およびそれらに類する製品の各製品
    群より選択される製品の何れかである該製品の、該項記
    載の効果のある鮮度保持製品としての使用、および該効
    果のある鮮度保持製品。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の製品より選択される製品
    の何れかである容器であり、且つ該容器の形状あるいは
    形態あるいはその使途が、請求項3〜5記載の製品を除
    く、試験管、ビーカー、フラスコ、トレー、ボウル、洗
    面器、たらい、バケツ、桶、樽、升、皿、コップ、お
    椀、缶、ビン、植木鉢、プランター、壷、花瓶、水盤、
    水槽、箱、クーラーボックス、およびそれらに類する容
    器の各容器群より選択される容器の何れかである該容器
    の、該項記載の効果のある鮮度保持容器としての使用、
    および該効果のある鮮度保持容器。
  7. 【請求項7】 酸化チタンおよび/あるいは請求項2記
    載の製品より選択される製品の何れかの、水あるいはそ
    れに類する液中に浸漬する事により該酸化チタンと植物
    が直接および/あるいは水分等を介して間接的に接し得
    るように使用する事で、請求項1記載の効果を得るとす
    る酸化チタンの使用法。
  8. 【請求項8】 請求項3、4記載の製品より選択される
    製品の何れかであり、且つ該製品の形状や形態がシート
    状あるいは袋状の何れかである該製品の、生育時を含む
    収穫前後の果実や野菜への該項記載の効果のあるカバー
    としての使用。
  9. 【請求項9】 前各項の何れかに使用される酸化チタン
    が、少なくともその一部にペルオキソチタン酸溶液、あ
    るいはペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型酸化チタ
    ン懸濁液、あるいはそれらの混合液、あるいはそれらよ
    り得られるペルオキソ基で修飾された酸化チタン粉末が
    使用された該項記載の酸化チタン。
JP2001221181A 2001-07-23 2001-07-23 酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。 Pending JP2003040701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001221181A JP2003040701A (ja) 2001-07-23 2001-07-23 酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001221181A JP2003040701A (ja) 2001-07-23 2001-07-23 酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003040701A true JP2003040701A (ja) 2003-02-13

Family

ID=19054885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001221181A Pending JP2003040701A (ja) 2001-07-23 2001-07-23 酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003040701A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20070076802A (ko) 천연추출물을 이용한 항균살균 조성물 및 항균살균성 식품포장지
US4670288A (en) Chemically-active composition containing divalent iron ions
KR101221035B1 (ko) 나노 무기재를 활용한 과수 포장지 및 그 제조방법
KR102258853B1 (ko) 병충해 피해 방지를 위한 과수봉지용 이산화염소 서방형 키트
JPH038448A (ja) 光触媒機能体及びこれを用いた多機能材料
JPH0373304A (ja) 脱臭性、抗殺菌性、遠赤外線放射性及び帯電防止性を有する木材
US20030021819A1 (en) Microbial and odor control using amorphous calcium silicate impregnated with sodium chlorite
CN1270614C (zh) 果蔬保鲜灭菌剂及其制作方法和用途
JP2003040701A (ja) 酸化チタンを使用した植物の鮮度保持法、および製品。
KR101573259B1 (ko) 한방추출물이 포함된 기능성 피혁 및 그 제조방법
JPS61108359A (ja) 青果物の保存包装材料および保存方法
ES2294847T3 (es) Material estratificado desinfectante y antibacteriano a base de particulas leñosas.
CN108324933A (zh) 溶菌酶消毒液及其制备方法和应用
JP3604172B2 (ja) 除菌組成物、及び除菌方法
KR100631885B1 (ko) 과일 봉지
JP2532902B2 (ja) 土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤およびその製造法
WO2020080542A1 (ja) 鮮度保持フィルム及び鮮度保持容器
JP2003125746A (ja) 次亜塩素酸を含有した殺菌液で殺菌し、抗菌剤を含有した包装材で保管する食品、調理器具、及び医療器具の殺菌と保管方法
KR101186446B1 (ko) 신선도 유지 조성물과 신선도 유지 조성물이 코팅된 골판지의 제조방법 및 그 제조방법에 의하여 제조된 신선도 유지 조성물이 코팅된 골판지
Liu et al. Nanomaterials for fresh-keeping and sterilization in food preservation
RU2494622C2 (ru) Биоцидная композиция
JP2019130204A (ja) 抗菌脱臭シート及び抗菌脱臭方法
JPH0473295A (ja) 殺菌紙
RU2737501C1 (ru) Способ дезодорирования
KR101671562B1 (ko) 식물 곰팡이병 방제용 조성물 및 이를 이용한 방제용 물품