JP2003039861A - 沈金を施した名刺類 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙を基材として沈金を施して従来にない薄い
沈金製品を提供し、木質を基材とした従来の漆器の問題
を解決しようとする。 【解決手段】 紙の表裏に漆を塗り固め、漆層に所要の
彫刻をなし、同彫刻に沈金を施すものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は沈金の分野に属
し、詳しくは紙を基材とした漆塗り層に沈金を施す技術
であって、名刺や賞状等に利用される。 【０００２】 【従来の技術】沈金は漆器等の加飾法の一つで、その技
法は漆面に針彫で文様を施し、漆をすりこんで金ぱくを
置き、綿で押しこんで余分の金ぱくをぬぐい去り、刻文
の中にだけ金ぱくを付着させるものである。金ぱくに代
えて金粉を用いたり、化学塗料を用いるものがあるが、
金の輝きは沈金に及ぶものでない。沈金を施す漆器は基
材に木質材を用いているために厚みが生じており、名刺
や賞状のように薄手のものを提供しようとすると、木質
により折損し易く製品とならない問題があった。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、紙を基材
として沈金の技法を施して従来にない薄い沈金製品を提
供しようとするものである。 【０００４】 【課題を解決するための手段】この発明が上記課題を解
決するために講じた手段は、紙の表裏に漆を３層塗り固
め、３層の漆層にレザー光線により文様を彫刻し、同文
様に沈金技法を施すことによりその目的を達成しようと
するものである。繊維方向多様な紙を用いることによ
り、繊維方向が一様の木質品の問題を解決したものであ
る。 【０００５】 【実施の態様】本漆に代えて合成漆、化学塗料を使用す
ることも可能である。漆層は紙の表裏両面に施すことが
よく、表面のみに施すと裏面に引かれて全体が表面側へ
突状に曲がる。漆層を３層とすると光沢が生じ製品が見
ばえする。紙は和紙、洋紙が使用できるが、和紙は洋紙
に比し柔軟性があり、製品としたものに湾曲性が出易
い。沈金の金ぱくは一般の金ぱくより薄いものが彫刻に
押し込み易い。金粉は彫刻に入れ易いが金ぱくに比して
輝きが劣る。彫刻はレザー光線で行うが、時間的に余裕
があれば針彫でもよい。なお、熱加工すると漆層は変色
し色つやを失うために避ける必要がある。 【０００６】和紙の表裏面に本漆を３層塗り、同層に沈
金を施したものは湾曲性があり、接着剤を用いて柱等に
巻き付け固着することができる。したがって、現場での
寺院の柱の全面的或いは部分的な装飾や補修をすること
ができる。 【０００７】 【実施例】この発明の実施例を説明すると、名刺やはが
き大の和紙の表裏両面に本漆を３層塗り固める。する
と、和紙に漆が浸透し、かつ、漆の積層により折り曲げ
抵抗が大なるものとなる。本漆の色は任意である。次
に、名刺としての文字・図柄をレザー光線を用いて基材
の和紙に達しないで漆層に彫り込み、彫刻部に漆等を用
いて金ぱくを置き綿で押し込み、余分の金ぱくをぬぐい
去り、彫刻の中だけに金ぱくを固着する。 【０００８】 【発明の効果】この発明によれば、名刺のような薄さの
漆製品に沈金を施した湾曲性のものを提供することがで
きる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 紙の表裏に塗り固めた漆層に所要の彫刻
   を施し、同彫刻に沈金を施して成る沈金を施した名刺
   類。