JP2003038909A - 金属精錬炉排ガスの湿式集塵器循環水の処理方法 - Google Patents

金属精錬炉排ガスの湿式集塵器循環水の処理方法

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JP2003038909A
JP2003038909A JP2001232062A JP2001232062A JP2003038909A JP 2003038909 A JP2003038909 A JP 2003038909A JP 2001232062 A JP2001232062 A JP 2001232062A JP 2001232062 A JP2001232062 A JP 2001232062A JP 2003038909 A JP2003038909 A JP 2003038909A
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dust
scale
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JP2001232062A
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Takeki Yashiro
武基 矢代
Takashi Yoshikawa
たかし 吉川
Goro Morii
吾郎 森井
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種金属精錬炉排ガスの湿式集塵器から排出
される含塵水をシックナーのセンターコア内に導入して
除塵処理した後、集塵器に送給する湿式集塵器循環水系
において、シックナーでの除塵効果に悪影響を及ぼすこ
となく、シックナーにホスホン酸系スケール防止剤を添
加して、シックナー及びその後段の処理水送水ポンプ、
送水配管や集塵器の散水ノズルのスケールの付着を効果
的に防止する。 【解決手段】 シックナー4内のセンターコア4Aより
も外周側にホスホン酸系スケール防止剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属精錬炉排ガス
の湿式集塵器循環水の処理方法に係り、特に、金属精錬
炉排ガスの湿式集塵器から排出される含塵水をシックナ
ーのセンターコア内に導入して、該シックナーで除塵処
理した後、前記集塵器に送給する集塵器循環水系におい
て、シックナーにおけるスケール障害を効果的に防止す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄又は非鉄金属製造設備には、溶鉱炉や
転炉などの各種精錬炉が設けられている。これらの精錬
炉で発生する排ガス中には金属粉や酸化金属粉ダストが
多量に含まれているため、この排ガスは乾式又は湿式で
集塵処理した後、大気に放散されている。また、排ガス
が一酸化炭素や水素ガスなどの可燃性ガスを含む場合に
は、これを回収して燃料として利用している。
【0003】このような精錬炉の排ガスの湿式集塵処理
において、湿式集塵処理に供される集塵用水は、ベンチ
ュリースクラバー等で排ガス中のダストを集塵した後、
集塵によりダストを含む水(以下「含塵水」と称す。)
はシックナーに送給され、除塵された後、循環使用され
る。この含塵水から除塵されたダストには、金属成分が
多く含まれているため、シックナーで分離されたダスト
は回収され原料として再利用される。
【0004】図1は、一般的な精錬炉排ガスの湿式集塵
器の循環水系を示す系統図である。精錬炉1の排ガスは
集塵器2に送給される。この集塵器2には後述の処理水
槽5からの処理水が散水ノズル7より散水されており、
排ガスはこの水と接触することで湿式集塵処理され、処
理ガスは大気に放散される。集塵器2でダストを集塵し
た含塵水は、原水槽3に貯留された後、原水ポンプP
によりシックナー4に送給され、除塵処理される。即
ち、含塵水はシックナー4のセンターコア(撹拌槽)4
Aからシックナー4内に導入され、攪拌器(図示せず)
による撹拌作用でダスト分が凝集、沈降分離され、シッ
クナーのオーバーリップ(越流部)4Bを溢流した表層
水が取り出される。シックナー4で除塵された処理水
は、処理水槽5に貯留された後、送水ポンプPにより
送水配管6を経て集塵器2に送給され循環使用される。
【0005】このようにして循環使用される水には、集
塵器2内でダスト中の金属成分が溶解するため、循環水
は、金属塩類濃度の高い水質となっている。ダスト中の
金属としては、精錬金属及び精錬に伴い除去される各種
の金属があり、代表的なものとしてCa、Mg、Zn、
Mn、Feなどがある。これらの金属は各種の塩として
集塵水中に溶解する。そして、水の循環利用率が高まる
につれその濃度は上昇し、水のpHが変動することによ
り析出して循環水系内にスケール障害をもたらす。
【0006】即ち、精錬炉の排ガスには炭酸ガスが含ま
れているため、これが水中に溶解することで、集塵器1
内では水のpHが下がり、このためにダスト中の金属成
分の溶解が助長される。一方、金属成分が溶解した含塵
水は、シックナー4に送給された後シックナー4で大気
開放の環境で2時間程度静置され、この間に炭酸ガスを
放出するため、シックナー4の処理水はpHが上昇して
スケールが析出しやすい水質となる。
【0007】このスケール障害を防止するために、従来
は、各種のスケール防止剤(分散剤)をシックナー4の
処理水に添加することが行われている。
【0008】従来において、スケール防止のためのスケ
ール防止剤は、図1の処理水槽5の送水ポンプPの吸
い込み側の近傍(図2のB点に示す位置)に添加され、
送水ポンプP、送水配管6、散水ノズル7及び集塵器
2内の接液部のスケール分散処理が行われている。この
ように分散剤の添加箇所が処理水槽5の送水ポンプP
の吸い込み側Bとされてきた背景として次のような理由
がある。
【0009】 シックナー4の流入水(含塵水:原
水)はSS濃度が高く、スケール防止剤が消耗されやす
いため、スケール防止剤をシックナー4に添加すること
は不利である。 シックナー4の流入水にスケール防止剤を添加する
と、凝集阻害(清澄度悪化)を呈し、シックナー4の除
濁処理に悪影響を与えるため、この点からもシックナー
4へのスケール防止剤の添加は好ましくない。 スケールの付着力はシックナー4への流入水がシッ
クナー4で炭酸ガスが放散され、pHが上昇することに
よって助長されることから、シックナー4の出口以降の
分散処理を行えば良いと考えられていた。 シックナー4のオーバーリップ4B等にもスケール
が付着するが、従来は、定期修理間隔が1ヶ月程度と短
かったため、その都度このスケールを除去することで障
害にはならなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近になっ
て、次のような理由により、シックナー自体のスケール
分散処理が必要になってきた。
【0011】即ち、最近では、省力化を図るための作業
の見直し等により、定期修理間隔が3ヶ月を超える長期
間となり、シックナー4のオーバーリップ4Bのスケー
ル付着絶対量が増加してきている。このため、オーバー
リップ4Bのスケール付着も問題となってきている。
【0012】また、シックナー4のオーバーリップ4B
におけるスケールの付着の程度が円周方向で均一でない
ため、表層水がシックナー4から溢流する流量が円周方
向で異なり、部分的に溢流する流量が多くなることで、
キャリオーバー現象が生じる;スケール片が剥離し、シ
ックナー4のレーキ(図示せず)のスラリー掻き取りに
支障をきたしたり、送水ポンプに巻き込んで送水不良を
生じさせる;といった問題も発生している。
【0013】近年では、精錬炉の改造により精錬能力を
向上させており、このことにより、集塵水の水処理負荷
が高くなっているが、一方で、集塵水の処理設備につい
ては改良されずにそのまま使用されている場合が多く、
上記の傾向が益々顕著になってきている。
【0014】本発明は上記従来の問題点を解決し、シッ
クナーでの除塵効果に悪影響を及ぼすことなく、また、
スケール防止剤を無駄に消耗することなく、シックナー
にスケール防止剤を添加してシックナー及びその後段の
循環水系におけるスケールの付着を効果的に防止する金
属精錬炉排ガスの湿式集塵器循環水の処理方法を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の金属精錬炉排ガ
スの湿式集塵器循環水の処理方法は、金属精錬炉排ガス
の湿式集塵器から排出される含塵水をシックナーのセン
ターコア内に導入して、該シックナーで除塵処理した
後、前記集塵器に送給する湿式集塵器循環水の処理方法
において、該シックナー内の該センターコアよりも外周
側にホスホン酸系化合物を含む水系用スケール防止剤
(以降、「ホスホン酸系スケール防止剤」ということも
ある。)を添加することを特徴とする。
【0016】即ち、本発明者らは、シックナーでの除塵
効果に悪影響を及ぼすことなく、シックナーにスケール
防止剤を添加してシックナーの特にオーバーリップにお
けるスケール付着を防止するべく高炉排ガスの湿式集塵
器循環水系において、以下のような調査を行った。
【0017】まず、シックナー4に導入される原水(含
塵水)及びシックナー4の処理水と、シックナー4内の
下記3ヶ所から採取した表層水について、水質を調査し
て、表1に示す結果を得た。 表層水:シックナー4のセンターコア4Aの外周か
ら、センターコア4Aの外周とシックナー4の内周との
距離Wの1/3以内の領域(図1のA−)から採取し
た表層水。以下、この表層水を「センターコア側表層
水」と称す場合がある。 表層水:シックナー4のセンターコア4Aの外周か
ら、センターコア4Aの外周とシックナー4の内周との
距離Wの1/3を超え2/3以内の領域(図1のA−
)から採取した表層水。 表層水:シックナー4のセンターコア4Aの外周か
ら、センターコア4Aの外周とシックナー4の内周との
距離Lの2/3を超えシックナー4の内周までの領域
(図1のA−)から採取した表層水。以下、この表層
水を「オーバーリップ側表層水」と称す場合がある。
【0018】
【表1】
【0019】表1より、次のような知見を得た。 (1) 原水SSはシックナー4に導入されてセンターコ
ア4A近くの撹拌・凝集部で凝集が進むため、センター
コア側表層水であっても、原水SSの1/10以下と
なり、更に表層水はオーバーリップ4Bに向かって流れ
るため、表層水SSが順次低下し、オーバーリップ側表
層水は最も低くなっている。 (2) 原水pHは6.8であるのに対し、センターコア
側表層水でpH7.4に上昇するが、オーバーリップ
側表層水もpH7.5で表層水〜のpHは殆ど変
わらない。これは、集塵用水が集塵器2内で吸収した炭
酸ガスはシックナー4内のセンターコア4Aの撹拌・凝
集部で大半が放散されているためと考えられる。 (3) 表層水SSは、最も高いセンターコア側表層水
で30mg/L程度であり、この部分にスケール防止剤
を添加してもSSによるスケール防止剤の消耗は少な
い。
【0020】高炉以外の金属精錬炉においても、高炉と
同様に排ガス組成が炭酸ガスと金属ダストを含むもので
あるから、同様の結果が得られるものと考えられる。
【0021】以上の結果から、シックナーにおいては、
センターコア4Aにおいて、ダストの凝集分離が十分に
進行しており、センターコア4Aよりも外周側の領域で
あれば、スケール防止剤を添加しても除塵効果には悪影
響を及ぼすことはなく、また、スケール防止剤の消耗は
少ないことが予想された。
【0022】そして、この知見に基き、スケール防止剤
の添加効果を調べたところ、シックナー4のセンターコ
ア4Aの外周側の表層水、特に、シックナー4のセンタ
ーコア4Aの外周から、センターコア4Aの外周とシッ
クナー4の内周との距離の1/3以内の領域(図1のA
−)に、ホスホン酸系スケール防止剤を添加すること
により、除塵効果に悪影響を及ぼすことなく、また、ス
ケール防止剤の消耗を抑えて、シックナー4におけるス
ケール付着を効果的に防止することができ、処理水槽5
以降の循環水系のスケール防止効果をも得ることができ
ることを見出し、本発明を完成させた。
【0023】本発明において、ホスホン酸系スケール防
止剤としては、アミノトリス(メチルホスホン酸)、ヒ
ドロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジアミンテ
トラメチルホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,
4−トリカルボン酸及びこれらの塩よりなる群から選ば
れる1種又は2種以上のホスホン酸系化合物が挙げら
れ、このホスホン酸系化合物の添加量は、シックナーに
導入される含塵水に対して0.01〜10mg/L(P
換算)であることが好ましい。また、必要に応じて
所定濃度のスケール防止用高分子重合体を併用すること
も可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の金属精錬炉排ガス
の湿式集塵器循環水の処理方法の実施の形態を詳細に説
明する。
【0025】本発明においては、図1に示すような金属
精錬炉排ガスの湿式集塵器の循環水系において、ホスホ
ン酸系スケール防止剤を、シックナー4内のセンターコ
ア4Aよりも外周側に添加する。
【0026】ホスホン酸系スケール防止剤の添加箇所
は、シックナー4内のセンターコア4Aよりも外周側で
あって、センターコア4Aに近い部分がシックナー4内
のスケール防止効果の面で好ましく、従って、図1にお
いて、センターコア4Aの外周とシックナー4の内周と
の距離Wの1/3以内の領域(図1のA−)に添加す
ることが好ましい。
【0027】また、添加するスケール防止剤としては、
後述の実験例1,2の結果から明らかなように、シック
ナー4での凝集処理に対する悪影響が少なく、また、S
Sによる消耗度も低いことからホスホン酸系化合物から
なるスケール防止剤を使用する。ホスホン酸系化合物と
しては、具体的には、アミノトリス(メチルホスホン
酸)、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラメチルホスホン酸、2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボン酸及びこれらの塩よりなる群
から選ばれる1種又は2種以上のホスホン酸系化合物が
挙げられる。なお、ホスホン酸塩としては、上記ホスホ
ン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や
アルカリ金類金属塩を用いることができる。
【0028】これらのホスホン酸系スケール防止剤の添
加量は、少な過ぎると十分なスケール防止効果を得るこ
とができず、多過ぎるとスケール防止効果に対して薬品
コストが高くつくことから、シックナーでのスケール析
出傾向等によっても異なるが、一般的にはシックナー4
に導入される含塵水(原水)量に対してPO換算で
0.01〜10mg/L、特に0.03〜3mg/Lと
するのが好ましい。
【0029】なお、シックナー4での除塵処理において
は、通常ポリアクリルアミド等の高分子凝集剤が含塵水
(原水)に対して0.05〜0.5mg/L程度添加さ
れる。
【0030】本発明においては、このように、シックナ
ー4においてホスホン酸系スケール防止剤を添加するこ
とから、その後段の処理水槽5等において、更にスケー
ル防止剤を添加する必要はないが、後段においてもスケ
ール防止剤を添加しても良い。この場合、スケール防止
剤としては特にホスホン酸系に限られず、他の一般的ス
ケール防止剤を使用することができる。
【0031】
【実施例】以下に実験例及び実施例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0032】実験例1(凝集沈殿処理に対するスケール
防止剤の影響) スケール防止剤として下記薬剤A〜Dを用いて高炉排ガ
スの湿式集塵器の含塵水の凝集沈殿処理に対する分散剤
の影響を調べる実験を行った。 薬剤A:ホスホノブタントリカルボン酸 薬剤B:ヒドロキシエチリデンジホスホン酸 薬剤C:アクリル酸とマレイン酸のコポリマー(分子量
約10000) 薬剤D:ポリアクリル酸ソーダ(分子量約4000)
【0033】含塵水に高分子凝集剤としてポリアクリル
アミド(PAA)を0.2mg/L添加して凝集処理を
行う実験装置(ジャーテスター)に薬剤A〜Dを各々
3.0mg/L添加し、得られるフロックの状態と、処
理水の水質を調べ、結果を表2に示した。なお、比較の
ため分散剤及び凝集剤を全く添加しない場合と、凝集剤
のみを添加した場合についても同様に実験を行い、結果
を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表2より、スケール防止剤は、高分子凝集
剤による基礎フロックを破壊するような凝集阻害現象は
示さないがカルボン酸系高分子化合物では処理水の清澄
度を低下させることが確認された。
【0036】実験例2(SSによるスケール防止剤の消
耗度) スケール防止剤として、2−ホスホノブタン−1,2,
4−トリカルボン酸とポリアクリル酸ソーダ(分子量約
4000)とを用いて、ビーカーテストにより消耗率を
調べる実験を行った。
【0037】高炉排ガスの湿式集塵器の含塵水を所定の
SS濃度に調整した水をビーカーに入れ、スケール防止
剤を図2(a),(b)に示す量添加して撹拌し、添加
1時間後の消耗率を調べ、結果を図2(a),(b)に
示した。
【0038】図2(b)のポリアクリル酸ソーダを用い
た場合には、SSが約50〜100mg/Lで添加1時
間後に20〜30%程度が消耗された。この消耗率は時
間の経過と共に進行し、3時間後には30〜50%が消
耗した。また、消耗率はSS濃度が500mg/L以上
に高くなるとより多くなり、またスケール防止剤の添加
量が多いほど消耗率も多い。
【0039】これに対して、2−ホスホノブタン−1,
2,4−トリカルボン酸はSSが100mg/L程度で
あっても、500mg/Lを超えても、添加1時間後の
消耗率で添加量にかかわらず5%以下であり、5時間経
過後であっても消耗率は10%以下であった。
【0040】実施例1(高炉排ガスの湿式集塵器の循環
水系) 図1に示すような亜鉛やカルシウムの炭酸塩が付着する
高炉排ガスの湿式集塵器の循環水系で、分散剤として前
述の薬剤Cのカルボン酸系コポリマーを処理水槽5内の
送水ポンプPの吸い込み側(図1のB点)に2ppm
(固形分換算)添加して送水ポンプP、送水配管6及
び散水ノズル7の分散処理を行ったが、シックナー4の
オーバーリップ4B部にスケールの付着が見られた。
【0041】このときオーバーリップ4B及び送水配管
6に付着したスケールの外観及び成分組成の分析結果を
表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】そこで、添加場所を、センターコア4A外
周から、センターコア4A外周とシックナー4の内周と
の距離Wの1/10離隔した部分(図1のA−の箇
所)とし、有孔円形ヘッダーに薬注することにより、オ
ーバーリップ4B部を含めたスケール分散処理を行っ
た。なお、含塵水には高分子凝集剤としてPAAを0.
1mg/L添加してシックナーで凝集沈殿処理を行って
いる。
【0044】薬注場所変更に伴い、送水ポンプP出口
側に分岐短管8を設けて通水させスケールモニタリング
を行った。
【0045】7日間経過後のテスト短管8のスケール付
着状態を観察したが、従来5mcm(mg/cm/d
ay)以下であった付着速度が18mcmと高くなっ
た。この原因はシックナーにてスケール防止剤が消耗さ
れたためと考えられる。
【0046】そこで、分散剤を2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボン酸1mg/L(PO換算)
に切り替えた。
【0047】従来、オーバーリップ4B部には3ヶ月
(一定期修理間隔、高炉の連続操業期間)で、厚さ約1
5mmのスケールが付着しており、6ヶ月毎に清掃をし
ていたが、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸をA−点に薬注することにより付着量は1mm
に減少し、清掃頻度も2年に一度ですむことが確認され
た。
【0048】このときのシックナー処理水SSも15.
6mg/Lと低く、凝集除濁処理も安定していた。
【0049】これは、使用した2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボン酸には凝集阻害現象が見られ
ず、また、オーバーリップ4B部のスケール堆積量が少
なかったため、キャリオーバーの問題もなく処理できた
ためと考えられる。
【0050】送水ポンプPのケーシングや送水配管6
のスケール付着状態も1.8mcmで従来と変わらず、
散水ノズル7の詰まりもなかった。
【0051】その後、2−ホスホノブタン−1,2,4
−トリカルボン酸の添加量を0.5mg/Lに変更した
が、ほぼ同程度の効果が得られた。
【0052】この処理時の原水(含塵水)及びシックナ
ー処理水の水質の分析結果は表4に示す通りであり、良
好な除塵処理が行われていることがわかる。
【0053】
【表4】
【0054】実施例2(製鋼炉(転炉)排ガスの湿式集
塵器の循環水系) 図1に示すような、炭酸カルシウムや鉄が付着する製鋼
炉排ガスの湿式集塵器の循環水系で、分散剤としてポリ
アクリル酸ソーダ(分子量約4000)を処理水槽5内
の送水ポンプPの吸い込み側に3mg/L添加して、
送水ポンプP、送水配管6、散水ノズル7のスケール
分散処理を行ったが、オーバーリップ4B部のスケール
の堆積が激しかった。なお、含塵水には高分子凝集剤と
してPAAを0.1mg/L添加してシックナーで凝集
沈殿処理を行っている。このとき、オーバーリップ4B
及び送水配管に付着したスケールの外観及び成分組成の
分析結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
【0056】そこで、ポリアクリル酸ソーダの薬注点を
実施例1と同様に、センターコア4Aの外周側の位置
(図1のA−の箇所)に変更し、スケール分散効果の
改善を試みたが、変更直後に処理水濁度が上昇した。そ
こで、分散剤を2−ホスホノブタン−1,2,4−トリ
カルボン酸1mg/Lに変更した。
【0057】その結果、従来、オーバーリップ4B部に
は3ヶ月毎の炉修(定期修理)時に厚さ9mmの硬質ス
ケールが堆積し、6ヶ月毎に清掃していたが、2−ホス
ホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸のセンターコ
ア4A外周部への薬注により、スケール堆積量は1mm
以下に減少し、清掃頻度を2年に一度に低減することが
できることが確認された。
【0058】このときのシックナー処理水SSも50m
g/L以下で安定しており、送水ポンプPのケーシン
グや送水配管7のスケール付着状態も1mm以下で従来
と同等の分散効果が得られた。
【0059】この処理時の原水(含塵水)とシックナー
処理水の水質の分析を表6に示す通りであり、良好な除
塵処理が行われていることがわかる。
【0060】
【表6】
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の金属精錬炉
排ガスの湿式集塵器循環水の処理方法によれば、各種金
属精錬炉排ガスの湿式集塵器から排出される含塵水をシ
ックナーのセンターコア内に導入して除塵処理した後、
集塵器に送給する湿式集塵器循環水系において、シック
ナーでの除塵効果に悪影響を及ぼすことなく、シックナ
ーにホスホン酸系スケール防止剤を添加して、シックナ
ー及びその後段の処理水送水ポンプ、送水配管や集塵器
の散水ノズルのスケールの付着を効果的に防止すること
ができる。
【0062】ホスホン酸系スケール防止剤を用いること
により、スケール防止剤の消耗を抑えて、少ないスケー
ル防止剤添加量で、良好なスケール防止効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な精錬炉排ガスの湿式集塵器の循環水系
を示す系統図である。
【図2】実験例2の2−ホスホノブタン−1,2,4−
トリカルボン酸とポリアクリル酸ソーダの消耗率の調査
結果のグラフである。
【符号の説明】
1 精錬炉 2 集塵器 3 原水槽 4 シックナー 4A センターコア 4B オーバーリップ 5 処理水槽 6 送水配管 7 散水ノズル P 原水ポンプ P 送水ポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 17/00 105 F27D 17/00 105Z (72)発明者 森井 吾郎 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D032 AC08 DA01 4K056 AA02 DB11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属精錬炉排ガスの湿式集塵器から排出
    される含塵水をシックナーのセンターコア内に導入し
    て、該シックナーで除塵処理した後、前記集塵器に送給
    する湿式集塵器循環水の処理方法において、 該シックナー内の該センターコアよりも外周側にホスホ
    ン酸系化合物を含む水系用スケール防止剤を添加するこ
    とを特徴とする金属精錬炉排ガスの湿式集塵器循環水の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該水系用スケール防
    止剤を、前記シックナーのセンターコアの外周から、該
    センターコアの外周と該シックナーの内周との距離の3
    分の1以内の領域に添加することを特徴とする湿式集塵
    器循環水の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該ホスホン酸
    系化合物が、アミノトリス(メチルホスホン酸)、ヒド
    ロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジアミンテト
    ラメチルホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4
    −トリカルボン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれ
    る1種又は2種以上であることを特徴とする湿式集塵器
    循環水の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該水系用スケール防止剤の添加量が、ホスホン酸系
    化合物量として前記含塵水に対して0.01〜10mg
    /L(PO換算)であることを特徴とする湿式集塵器
    循環水の処理方法。
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