JP2003038483A - X線撮影装置 - Google Patents

X線撮影装置

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JP2003038483A
JP2003038483A JP2001231915A JP2001231915A JP2003038483A JP 2003038483 A JP2003038483 A JP 2003038483A JP 2001231915 A JP2001231915 A JP 2001231915A JP 2001231915 A JP2001231915 A JP 2001231915A JP 2003038483 A JP2003038483 A JP 2003038483A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱線除去用グリッドを用いるX線撮影装置
において、モアレ縞の発生を防ぐ。 【解決手段】 被写体31に向けてX線を照射するX線
管11と、被写体31を透過したX線が入射するように
配置されるFPD21と、被写体31とFPD21との
間に配置される、X線の高吸収率部と低吸収率部とが交
互に平行に並べられてなる散乱線除去用グリッド15と
を備えるX線撮影装置において、グリッド15を、それ
自身の平面内で回転させ、FPD21の画素配列方向と
グリッド15の高・低吸収率部が平行に伸びる方向との
なす角度がθrとなるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、X線撮影装置に
関し、とくに散乱線除去用グリッドを備えたX線撮影装
置に関する。 【0002】 【従来の技術】X線撮影装置では、被写体によって散乱
した散乱線を除去するため、X線の吸収率が高い物質と
低い物質とを一定間隔で交互に平行に並べたグリッドが
用いられるが、このグリッドの持つ空間的な周波数(配
列間隔)とX線検出器の空間的サンプリング周期(検出
画素間隔)の相違により、このX線検出器によって得た
画像にモアレ縞が生じる。そのため、従来では、このよ
うな撮影画像におけるモアレ縞の除去・軽減を図るべ
く、種々の対策を講じてきた。 【0003】そのひとつの対策として、モアレ縞が生じ
ないようにX線検出器と同じ周波数特性を持つグリッド
を使用するというものが知られている。また、X線照射
中にグリッドを移動させてモアレ縞を消すようにするこ
ともある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、X線検
出器と同じ周波数特性を有するグリッドを使用する場
合、それらを厳密に一致させなければ効果がないため、
グリッドの位置精度・製作精度には非常に高度なものが
要求され、安価には得られない。たとえそのようなグリ
ッドが得られたとしても、SID(X線源とX線検出器
との間の距離)が変れば周波数特性の一致は崩れてしま
うし、SIDが微妙に変化しただけでも周波数差が生じ
てモアレ縞が発現する。 【0005】X線照射中にグリッドを移動させる場合
は、移動機構・装置が別途必要であり、装置全体の大型
化を招来するとともに、製造コストの上昇ももたらすと
いう問題がある。 【0006】この発明は、上記に鑑み、きわめて簡単な
構成でコスト的にも問題がなく、しかもグリッドの位置
精度を高めなければならない問題なども回避しつつ、グ
リッドの空間的周波数特性とX線検出器の空間的周波数
特性との相違の基づくモアレ縞の発生を抑えるように改
善した、X線撮影装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によれば、X線撮影装置においては、X線
発生器と、被写体を透過したX線が入射するように配置
されるX線検出器と、被写体とX線検出器との間に配置
される、X線の高吸収率部と低吸収率部とが交互に平行
に配列されてなる散乱線除去用グリッドとを備えるX線
撮影装置において、該グリッドがそれ自身の平面内で角
度θrだけ回転させられていることが特徴となってい
る。この角度θrというのは、該グリッドの高・低吸収
率部が平行に伸びていく方向と上記X線検出器の空間的
サンプリング方向とがなす角度であり、上記X線検出器
の空間的サンプリング周期をTp、グリッドの上記X線
検出器の検出面への投影周期をTg、nを任意の自然数
とするとき、つぎの2つの式(1)、(2)の一方を満
たす角度θに対し、つぎの式(3)の関係にある角度θ
rである。 Tg=n×Tp×sinθ ……(1) Tg=n×Tp×cosθ ……(2) θ−5°<θr<θ+5°…(3) 【0008】グリッドの高・低吸収率部が平行に伸びて
いく方向とX線検出器の空間的サンプリング方向とがな
す角度をθとすると、グリッドの投影像がX線検出器の
どの検出画素にも均等にかかるようになる、つまりグリ
ッドの高吸収率部によって影になる量がどの検出画素で
も同じになる。そのため、各検出画素の出力に空間的な
周期性が現れることがないので、モアレ縞が現れない。
この角度θに対してθrは±5°の範囲のものである
が、このように多少角度をずらした場合でも実際上、同
様のモアレ縞抑制効果が得られることが確認できた。 【0009】 【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、こ
の発明を適用したX線撮影装置の実施の形態を示すもの
である。この図1において、X線管11には、X線用の
高電圧電源装置12が接続される。この電源装置12は
曝射制御装置13によって制御される。この曝射制御装
置13の制御の下、電源装置12からX線管11に高電
圧が供給されると、X線管11よりX線が発生する。 【0010】このX線は、検査台32に横たえられた被
写体(患者)31に向けて照射され、被写体31を透過
したX線はグリッド15を経て、フラットパネルディテ
クタ(以下FPDと略す)21に入射する。グリッド1
5はFPD21に対して回転させられるようにして配置
される。すなわちグリッド15は、その面内で角度θだ
け回転させられている。 【0011】グリッド15は、被写体31によって散乱
した散乱線を除去するためのもので、X線の吸収率が高
い物質と低い物質とを一定間隔で交互に平行に並べて構
成される。ここでは、図2に示すように鉛等のX線吸収
率の高い金属の板16を多数、一定間隔で平行に並べた
ものを使用している(金属板16の間の空間がX線吸収
率の低い空気で満たされている)。 【0012】FPD21は、半導体X線検出器であり、
多数の検出画素25がマトリックス状に平面的に並べら
れており(図2参照)、その検出面に入射したX線画像
に対応した画像信号を出力する。FPD21にX線が入
射すると、その入射X線量に対応してFPD21の各検
出画素25に信号が蓄積され、読み出し部22を経てそ
の各画素ごとの信号が読み出され、A/D変換器23を
経て画像処理装置24に送られ、さらに図示しないが画
像モニター装置などに送られて表示される。 【0013】このグリッド15とFPD21との位置関
係について図2を参照しながら詳しく説明する。この図
2は、グリッド15とFPD21とを、X線管11側か
ら見た模式的な図である。上記のグリッド15の回転角
度θは、FPD21の検出画素25の配列間隔(画像サ
ンプリング周期)をTpとし、グリッド15の金属板1
6のFPD21の検出面への投影像の周期(投影周期)
をTgとし、nを任意の自然数とするとき、つぎの2つ
の式(1)、(2)のいずれかを満たすものとする。 Tg=n×Tp×sinθ…(1) Tg=n×Tp×cosθ…(2) 【0014】さらに詳しく述べれば、図2は、n=3と
した場合に(1)式を満たすようにした配置関係を示
す。グリッド15の金属板16として示したものは、厳
密には金属板のFPD21の検出面への投影像である。
この図2から分かるように、投影像16がどの検出画素
25にも均等にかかっているため、つまりグリッド15
によって影になる量がどの検出画素25でも同じになっ
ているので、検出画素25の出力に空間的な周期性が現
れることがない。その結果、モアレ縞が現れない。 【0015】上記の(2)式が満たされる場合は、図3
に示されている。この図3でもn=3としている。図3
は、図2を90°回転させかつ左右反転させた関係にあ
り、この関係を理解すれば図2と同じになっていること
が分かる。そのため、図2と同様の説明が成り立つ。 【0016】ところで、実際には回転角度は厳密に上記
のθにしなくてもよいことが種々の実験および実際の目
視観察で確認できた。これらの実際的な経験によると、
実際の回転角度θrはθに対してつぎの式を満たしてい
ればよい。 θ−5°<θr<θ+5°…(3) 【0017】具体的な例でさらに説明する。空間的サン
プリング周期(検出画素25の間隔)Tpが150μm
のFPD21を用い、SID=1000mmとした。こ
のようなX線撮影装置において、グリッド15としては
投影周期Tgが100μmとなるようなものを用いた場
合に、n=1として、(1)式よりグリッド15の回転
角度θ=42°が得られた。これにしたがい、角度θ=
42°だけグリッド15を回転させた場合、図4で示す
ような関係になる。この状態でX線撮影を行って画像を
得てみると、モアレ縞を除去することができた。なお、
(2)式を使えばθ=48°となるが、これは図4を9
0°回転させて見た場合と同じである。 【0018】このような具体例において、回転角度θ=
40°〜45°と変化させてX線撮影を行ったが、撮影
画像のモアレ縞が現れることはなかった。角度θの精度
は高い必要がなく、±5°程度のゆとりがあることがこ
の例でも分かる。 【0019】さらに、上記の回転角度θ=42°でSI
D=800mm〜1200mmと変化させてX線撮影を
行ってみたが、撮影画像上にモアレ縞が現れることはな
かった。SIDのこの程度の変化では、投影周期Tgは
100μmからさほど変化しないため、上記の±5°の
許容誤差に収まったからであると推測できる。このよう
な許容誤差のため、ある条件でモアレ縞が消えるような
回転角度θを式(1)または(2)から求めて設定して
おけば、SIDを多少変化させても問題がないことが分
かる。 【0020】なお、この具体例において、回転角度θ=
0°とした場合は図5のようになり、グリッド15の金
属板16の並び方向(図の左右方向)において、投影像
16が各検出画素25にかかっている量、つまりグリッ
ド15の金属板16によって影になる量が、左右方向に
おいて周期的に変化しており、検出画素25の出力に空
間的な周期性(左右方向での)が現れ、これがモアレ縞
として現れることになる。このようなモアレ縞を、上記
のようにたとえば42°回転させることによって解消さ
せることができる。 【0021】なお上の説明はこの発明の実施の形態に関
するものであって、この発明は上で説明した例に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、具
体的な構成・数値などは上記した以外に種々に変更でき
ることはもちろんである。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、この発明のX線撮
影装置によれば、グリッドの空間的周波数特性とX線検
出器の空間的周波数特性との相違の基づいて発生するモ
アレ縞を、グリッドの位置精度を高めなければならない
問題などを回避しつつ、しかもきわめて簡単な構成で、
低コストで、効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施の形態にかかるX線撮影装置の
ブロック図。 【図2】同実施形態における、FPDに対するグリッド
の回転角度の一例を説明するため、X線入射側からグリ
ッドおよびFPDを見た模式図。 【図3】同実施形態における、FPDに対するグリッド
の回転角度の他の例を説明するため、X線入射側からグ
リッドおよびFPDを見た模式図。 【図4】同実施形態における、FPDに対するグリッド
の回転角度の具体的な例を説明するため、X線入射側か
らグリッドおよびFPDを見た模式図。 【図5】同具体例において、FPDに対するグリッドの
回転角度を0°とした場合にモアレ縞が発生することを
説明するため、X線入射側からグリッドおよびFPDを
見た模式図。 【符号の説明】 11 X線管 12 電源装置 13 曝射制御装置 15 グリッド 16 グリッドのX線高吸収率板および
その投影像 21 FPD 22 FPD読み出し部 23 A/D変換器 24 画像処理装置 25 FPDの検出画素 31 被写体 32 検査台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G088 EE01 FF02 JJ05 JJ15 4C093 AA16 CA13 EB12 EB17 EB26 FA43 FA55

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 X線発生器と、被写体を透過したX線が
    入射するように配置されるX線検出器と、被写体とX線
    検出器との間に配置される、X線の高吸収率部と低吸収
    率部とが交互に平行に配列されてなる散乱線除去用グリ
    ッドとを備え、該グリッドは、該グリッドの高・低吸収
    率部が平行に伸びていく方向と上記X線検出器の空間的
    サンプリング方向とが、以下で示される角度θr、つま
    り、上記X線検出器の空間的サンプリング周期をTp、
    グリッドの上記X線検出器の検出面への投影周期をT
    g、nを任意の自然数とするとき、つぎの2つの式
    (1)、(2)の一方を満たす角度θに対し、つぎの式
    (3)の関係にある角度θr Tg=n×Tp×sinθ ……(1) Tg=n×Tp×cosθ ……(2) θ−5°<θr<θ+5°…(3) をなすように、それ自身の平面内で回転させられている
    ことを特徴とするX線撮影装置。
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