JP2003038186A - 新規セリンプロテアーゼモジュレーター - Google Patents

新規セリンプロテアーゼモジュレーター

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JP2003038186A
JP2003038186A JP2001228575A JP2001228575A JP2003038186A JP 2003038186 A JP2003038186 A JP 2003038186A JP 2001228575 A JP2001228575 A JP 2001228575A JP 2001228575 A JP2001228575 A JP 2001228575A JP 2003038186 A JP2003038186 A JP 2003038186A
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dna
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Sumio Sugano
純夫 菅野
Tomokazu Matsusue
朋和 松末
Atsushi Okamoto
敦之 岡本
Kazufumi Okawa
和史 大川
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 精巣における疾患に関与する遺伝子及び蛋白
質と、該蛋白質に対する活性調節剤の効率的な評価方法
を提供する。 【解決手段】ヒト由来の特定の塩基配列からなるDNA
及び該DNAにコードされるセリンプロテアーゼモジュ
レーター蛋白質、該蛋白質を利用した該蛋白質に結合す
る物質の探索方法、該DNAに対するアンチセンス核
酸、該蛋白質に対する特異抗体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なセリンプロ
テアーゼモジュレーター蛋白質、該蛋白質をコードする
DNAならびに組換えベクター、該ベクターを用いた形
質転換体、該蛋白質に対する特異抗体、及び該蛋白質ま
たはそれをコードするDNAを用いた診断薬、阻害剤、
医薬品などのスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロテアーゼが生体における種々の制御
機構において重要な役割を担っていることは、これまで
の精力的な研究で多数報告されてきている。例えば、ト
ロンビンに見られる血液凝固反応系の制御、キモトリプ
シンに見られる消化酵素の発現制御、カリクレインに見
られる血管拡張反応制御、キャスパーゼやカテプシンD
に見られる細胞死の制御など、個体レベルから細胞レベ
ルに至るまで、プロテアーゼは多種多様な生体制御機構
の一員として重要な役割を果たしている。
【0003】そのため、これまでに報告されることのな
い新規なプロテアーゼの存在を確認し、その生化学的特
性やそれが関与する生理学的作用機序を解明する試みが
注目されている。この解明は、学術的意義のみならず、
新規プロテアーゼと特定の疾患との関連も明らかにされ
得ることで、医薬開発においても大変興味深いと言え
る。
【0004】プロテアーゼは、その標的となる蛋白質を
(特異的に)加水分解することで制御機構における重要
な役割を発揮していると考えられる。一般に、生理的条
件下での蛋白質の加水分解反応は不可逆的であり、また
この加水分解反応がいわゆるカスケード反応を誘起する
契機となることも十分に予想される。従って、プロテア
ーゼ活性が不用意に発揮される、あるいは適切な時機に
発現されない等の事象は、その加水分解反応から始まる
一連の生化学的反応の制御に異常をきたすと推察され
る。その為、プロテアーゼそれ自体の活性発現も厳格な
制御下に置かれていることは、想像に難くない。
【0005】実際に、プロテアーゼ活性に対して阻害活
性を有する生体分子として、広範な阻害スペクトルを示
すアプロニチン、セルピンファミリーを形成する一連の
セリンプロテアーゼインヒビター(ネキシンやアンチプ
ラスミンなど)など、相当数が報告されている。しか
し、新規なプロテアーゼの存在が多数報告されつつある
中で、これまでに報告されているプロテアーゼ阻害物質
の他にも、プロテアーゼ活性を調節する生体分子が存在
すると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から、
新規なプロテアーゼあるいはこの活性を制御している生
体分子及びそれらをコードする遺伝子を見出すこと、そ
して該制御機構に作用する新しい機所に基づく医薬をス
クリーニングする方法等の、活性調節剤、特異的抗体、
あるいはアンチセンス核酸の開発が切望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒト精巣から
単離された新規な遺伝子(mp264とする)、当該遺
伝子にコードされるセリンプロテアーゼモジュレーター
蛋白質(MP264とする)に関する。また、当該遺伝
子を用いて形質転換した宿主細胞、該形質転換細胞を用
いた組換MP264の生産方法を提供する。
【0008】(核酸)本発明は、MP264(後に詳し
く述べる)をコードする遺伝子mp264を提供する。
該遺伝子は、ヒト精巣において発現している新規なプロ
テアーゼを探索する研究過程において、その候補遺伝子
としてクローニングされた遺伝子であるが、後に詳述す
るように、活性中心のアミノ酸残基であるセリン(Se
r)を持たないことが判明した。従って、遺伝子mp2
64は、新たなタイプのセリンプロテアーゼモジュレー
ター蛋白質(MP264)をコードする遺伝子として認
められるべきものである。
【0009】遺伝子mp264は、精巣由来cDNAラ
イブラリーから単離同定することができるが、本明細書
に開示された配列を基に、一般的なハイブリダイゼーシ
ョン等の遺伝子工学的手法を用いたクローニングやホス
ホアミダイト法などの化学合成的手法により調製される
DNAであってもよい。その形態としてはcDNA、ゲ
ノムDNAの他、化学合成DNAなどが含まれるが、特
に制限はない。また、本発明のDNAは1本鎖であって
も、それに相補的な配列を有するDNAやRNAと結合
して2重鎖、3重鎖を形成していても良い。また、当該
DNAは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HR
PO)等の酵素や放射性同位体、蛍光物質、化学発光物
質等で標識されていてもよい。
【0010】mp264の塩基配列が提供されれば、こ
れより導かれるRNAの配列や、相補的なDNAおよび
RNAの配列などは一義的に決定されるので、本発明
は、本発明のDNAに対応するRNAあるいは本発明の
DNAと相補的な配列を有するDNAおよびRNAもま
た提供するものと理解すべきである。
【0011】さらに、本発明のDNAは、配列番号1に
記載の塩基配列と90%以上の同一性を示すDNAをも
含むものである。
【0012】配列番号1に記載の塩基配列からなるDN
Aに対しては、該DNAにコードされる蛋白質がセリン
プロテアーゼモジュレーター蛋白質である範囲内におい
て、塩基配列のバリエーションが許容される。例えば、
いわゆるコドン縮重による同一アミノ酸残基をコードす
る複数のコドンの存在や、種々の人為的処理例えば部位
特異的変異導入、変異剤処理によるランダム変異、制限
酵素切断によるDNA断片の変異・欠失・連結等によ
り、部分的にDNA配列が変化したものであっても、こ
れらDNA変異体が配列番号1に記載のDNAと90%
以上の同一性を示し、かつセリンプロテアーゼモジュレ
ーター蛋白質をコードするDNAであれば、配列番号1
に示したDNA配列との相違に関わらず、本発明の範囲
内のものである。
【0013】上記のDNA変異の程度は、配列番号1に
記載のDNA配列と90%以上、好ましくは95%以上
の同一性を有するものが許容範囲内である。DNA配列
の同一性の判断には、BLAST(J.Mol.Evo
l.,36;290−300(1993)、J.Mo
l.Biol.,215;403−10(1990))
を用いることができる。また、ハイブリダイズする程度
としては、例えばDIGDNA Labeling k
it(ロシュ・ダイアグノスティックス社Cat N
o.1175033)でプローブをラベルした場合に、
32℃のDIGEasy Hyb溶液(ロシュ・ダイア
グノスティックス社Cat No.1603558)中
でハイブリダイズさせ、65℃の0.1×SSC溶液
(0.1%(w/v)SDSを含む)中でメンブレンを
洗浄する条件(1×SSCは0.15M NaCl、
0.015M クエン酸ナトリウムである)でのサザン
ハイブリダイゼーションで、配列番号1に記載の核酸に
ハイブリダイズする程度であればよい。
【0014】配列番号1に記載の塩基配列からなるDN
Aは、精巣においてその特異的な発現が確認されている
ことから、配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA
あるいはその部分断片は、かかる臓器における疾患の特
異的プローブとして有用であると考えられる。
【0015】また、本発明のDNAは、MP264を大
量に生産するために使用することができる。該DNAは
また、酵素等で標識して、組織における本発明の蛋白質
の発現状況を検査するために使用することができる。す
なわち、該DNAをプローブとして使用し、細胞におけ
る本発明の蛋白質の発現量を、mRNA発現量を指標と
して確認することにより、本発明の蛋白質の製造に適し
た細胞やその培養条件を決定することができるほか、本
発明の蛋白質が関連する疾患の診断を行うことも可能で
ある。
【0016】また、本発明のDNAの一部をプライマー
として使用したPCR−RFLP(Restricti
on fragment length polymo
rphism)法、PCR−SSCP(Single
strand conformation polym
orphism)法、シークエンシング等の方法によ
り、核酸配列上の異常あるいは多形を検査・診断するこ
とができる。
【0017】また、本発明のDNAを生体内の細胞に導
入し、本発明の蛋白質の発現または活性が損なわれてい
ることによる疾患の遺伝子治療にも使用する事ができ
る。
【0018】本発明のDNAは、形質転換細胞の調製、
さらには該形質転換細胞を用いた組換蛋白質MP264
の生産方法、あるいはMP264の発現を特異的に調節
する化合物の探索に大いに有用である。
【0019】本発明における形質転換細胞は当業者に公
知の技術を適用して調製することが可能であり、例え
ば、市販されあるいは当業者が一般に入手容易な様々な
ベクターを利用して、適当な宿主細胞へ本発明のDNA
を組み入れることが可能である。その際、遺伝子mp2
64をプロモーターやエンハンサーに代表される発現制
御遺伝子の影響下におくことで、遺伝子mp264の宿
主細胞内での発現を任意にコントロールすることが可能
である。この手法は、形質転換された宿主細胞を用いた
蛋白質MP264の生産において好適に用いられる他、
遺伝子mp264の発現制御機構の研究あるいは該遺伝
子の発現を調節し得る物質の探索などにも応用すること
が可能となる。
【0020】例えば、任意の被験物質と遺伝子mp26
4を含むベクターで形質転換された細胞とを適当な条件
下で接触させることで、被験物質の遺伝子mp264の
発現を促進あるいは抑制する作用を有する物質を探索
し、あるいは評価を行うことができる。
【0021】また、本発明であるDNAと公知の方法と
を組み合わせてマウスまたはその他の適当な動物を基に
トランスジェニック動物を調製することが出来る。本発
明の遺伝子mp264を利用すれば、ヒト以外の動物か
らヒトmp264に相当する遺伝子を破壊したいわゆる
ノックアウト動物を作製することも可能である。そのよ
うにして内在性遺伝子が破壊された該動物に本発明のヒ
トmp264を導入することにより、ヒトMP264の
みを有するモデル動物を作成することも可能となる。
【0022】かかるトランスジェニック動物、特に本発
明である遺伝子mp264あるいは蛋白質MP264を
大量に発現しているあるいは逆にこれらを欠いた動物を
観察すれば、遺伝子mp264あるいは蛋白質MP26
4の機能を特定することが可能となる。さらに、このモ
デル動物は、該導入されたヒトMP264をターゲット
とした薬剤の開発、評価に有用である。遺伝子mp26
4あるいは蛋白質MP264に特異的に作用しあるいは
機能を補完する物質等を、生体レベルで調べることが可
能となり、この様にして得た物質は、MP264が特異
的に機能する生体制御に働く薬物となることが期待され
る。特に本発明である遺伝子あるいは蛋白質は精巣に特
異的に発現が観察されることから、上述の形質転換細胞
あるいはトランスジェニック動物を用いた探索を通じて
得られる化合物等は、精巣の機能異常に起因する疾患に
対する有効な治療薬または予防薬となることが期待され
る。
【0023】また、生体内において核酸レベルでのMP
264生合成を抑制することのできる、いわゆるアンチ
センス核酸も、有用な物質である。かかるアンチセンス
核酸は、MP264をコードするmRNAを作り出すの
に必要なゲノム領域からpre−mRNAへの転写段
階、pre−mRNAから成熟mRNAへのプロセッシ
ング段階、核膜通過段階、蛋白への翻訳段階のいずれか
で、遺伝子情報を担うDNAもしくはRNAに結合し、
遺伝情報の伝達の正常な流れに影響を与えて蛋白質の発
現を調節するものを意味し、遺伝子mp264の核酸配
列の全体あるいはいずれかの部分に相補する配列からな
るものであってもよい。好ましくは、配列番号1または
配列番号3に記載の核酸配列に相当あるいは相補する配
列から成る核酸(DNA、RNAを含む)である。ま
た、ゲノム領域から転写されるmRNAがイントロン構
造あるいは5’末端や3’末端に被翻訳領域を含む形で
あるときは、かかる非翻訳部分の配列に相当あるいは相
補するアンチセンス核酸も本発明のアンチセンス核酸と
同等の機能を有するものとなろう。
【0024】アンチセンス核酸は、DNAやRNAの
他、その立体構造や機能がDNAあるいはRNAと類似
する各種誘導体のすべてを含むものである。例えば、
3’末端もしくは5’末端に他の物質が結合した核酸、
オリゴヌクレオチドの塩基、糖、リン酸の少なくともい
ずれか1つにおいて置換や修飾が生じた核酸、天然には
存在しないような塩基、糖あるいはリン酸を有する核
酸、糖−リン酸骨格以外の骨格(バックボーン)を有す
る核酸等が挙げられる。これらの核酸は、ヌクレアーゼ
耐性、組織選択性、細胞透過性、結合力の少なくとも1
つが高められた誘導体として好適である。すなわち、M
P264の活性発現を抑制し得る機能を有する限り、核
酸の形態に制限はない。
【0025】また、一般的には、ステム・ループを形成
しているmRNAのループ部分にハイブリダイズするよ
うな塩基配列、すなわちステム・ループを形成している
領域の塩基配列に相補的な塩基配列をもつアンチセンス
核酸が好適である。あるいは、翻訳開始コドン付近、リ
ボソーム結合部位、キャッピング部位、スプライス部位
に結合するようなアンチセンス核酸、すなわちこれらの
部位の配列に相補的な配列を有するアンチセンス核酸
も、一般に高い発現抑制効果が期待できる点で好まし
い。
【0026】この様なアンチセンス核酸を細胞内に取り
込ませ、効率的に作用させるためには、本発明のアンチ
センス核酸の鎖長は15塩基以上30塩基以下、好まし
くは15塩基以上25塩基以下、より好ましくは18塩
基以上22塩基以下の塩基数からなる塩基配列からなる
ものが好適である。
【0027】アンチセンス核酸の発現抑制効果は、公知
の手法、例えば本発明の遺伝子の発現制御領域、5’非
翻訳領域、翻訳開始部位近傍領域または5’翻訳領域等
を含むDNAとルシフェラーゼ等のレポーター遺伝子を
連結した発現プラスミドを作製し、in vitro
transcription反応(プロメガ社:rib
o max systemなど)とin vitro
translation反応(プロメガ社:rabbi
t Reticulocyte LysateSyst
emなど)を併用する系のような本発明の遺伝子が転写
または翻訳される環境下で候補物質を系に添加し、該レ
ポーター遺伝子の発現量を測定することにより評価する
ことができる。
【0028】アンチセンス核酸は、生体内におけるMP
264の発現を抑制することができるので、MP264
が関連する疾患の予防・治療剤として有用である。
【0029】(蛋白質MP264)mp264にコード
される蛋白質は、配列番号2に示すアミノ酸配列からな
るMP264である。MP264は、そのアミノ酸配列
に基づく解析結果から見て、キモトリプシン型セリンプ
ロテアーゼと共通する構造的特長を示すが、活性中心の
セリンがアラニンに置換されているため、プロテアーゼ
活性は示さないと考えられる。また、アミノ酸配列に基
づくモデリングで得られた立体構造からも、キモトリプ
シン様セリンプロテアーゼの活性ポケット構造を保持し
ていることが確認できる。
【0030】従来知られているタンパク性プロテアーゼ
阻害剤としては、クニッツ型プロテアーゼインヒビター
(例:アプロチニン、インターαトリプシンインヒビタ
ー等)、各種セルピン類(例:α1−トリプシンインヒ
ビター、アンチトロンビン等)が存在するが、これらは
何れもプロテアーゼに特異的に結合することにより、プ
ロテアーゼ活性を制御するものである。
【0031】一方、本発明のMP264は、その構造的
特長から見て、セリンプロテアーゼに特異的に結合する
のではなく、セリンプロテアーゼそのものに相同性を有
しながらそのプロテアーゼ活性を有しない蛋白質として
発現されることで、セリンプロテアーゼの基質あるいは
セリンプロテアーゼに特異的な阻害剤に結合すること
で、セリンプロテアーゼの活性発現をモジュレートする
タンパク質であると強く推察される。この様な作用によ
るプロテアーゼ活性調節を行い得る蛋白質の存在の可能
性は、天然ではまったく知られていない。
【0032】なお、公知の蛋白質との相同性検索の結
果、マウスから、MP264とアミノ酸配列全体で90
%の相同性を示し、かつ活性中心と想定されるSerが
Alaとなっているクローン(FANTOM Clon
eID:1700016G05、DDBJ acces
sion: AK006028)が存在していることが
明らかとなった(http://www.gsc.ri
ken.go.jp/e/FANTOM/viewer
/view/main.cgi?masterid=1
7254)。このことは、今回新規に見出されたMP2
64が、その活性中心残基が実験的に置き換わったいわ
ゆる人為的変異蛋白質ではなく、生体において天然に存
在し、上述の様な一定の生理的機能を果たしている生体
分子であるとの可能性を、強く示唆するものである。
【0033】しかしその一方、マウスクローン1700
016G05(DDBJ accession:AK0
06028)については、FANTOMデータベース
(http://www.gsc.riken.go.
jp/e/FANTOM/)上にトリプシンに相同性が
あるという記載はあるものの、セリンプロテアーゼのモ
ジュレーターとしての機能については何ら示唆されてい
ない。これに対し本発明は、MP264の立体構造と活
性の詳細な解析から、本発明の蛋白質が当業者にも存在
の予測が不可能な全く新しいタイプのセリンプロテアー
ゼモジュレーターであるという知見を導き出したもので
ある。
【0034】遺伝子mp264は、精巣において特異的
に発現していることが確認された(図2)。精巣では、
アクロシンと呼ばれるセリンプロテアーゼが発現してお
り、尖体反応に関与することが知られている。また、カ
リクレイン(トリプシン様のセリンプロテアーゼ)によ
って精子運動が活性化することが知られている。その他
のセリンプロテアーゼの発現も確認されており、それら
の明確な機能は不明なものの、精子の形成、受精など、
特に精子運動の活性化もしくは精子運動に関与している
可能性がある。
【0035】従って、MP264は、精子の活動にかか
わるプロテアーゼ制御に関わる研究に有用となるだけで
なく、新規のプロテアーゼモジュレート物質として応用
可能となるものと期待される。即ち、MP264それ自
体あるいはその機能を模倣した低分子化合物は、精巣ガ
ンなどの疾患や精子形成、受精に関わるプロテアーゼを
モジュレートする機能を通じて、ガン疾患、男性不妊も
しくは避妊をターゲットとした医薬品として利用するこ
とが可能となると期待される。また、MP264の基質
結合部位に結合し得る物質も医薬候補化合物として価値
あるものであり、このような物質を探索していく上で、
MP264は極めて重要な標的物質となり得る。
【0036】なお、セリンプロテアーゼモジュレーター
蛋白質である限り、配列番号2に示す蛋白質のアミノ酸
配列において、幾つかのアミノ酸が置換、欠失、および
/若しくは付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド
あるいは蛋白質も、本発明の範囲内である。
【0037】蛋白質の構成要素となるアミノ酸残基側鎖
は、疎水性、電荷、大きさなどにおいてそれぞれ異なる
が、実質的に蛋白質全体の3次元構造(立体構造とも言
う)に影響を与えないという意味で保存性の高い幾つか
の関係が知られている。例えば、アミノ酸残基の置換に
ついては、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、
Glyとアラニン(Ala)またはバリン(Val)、
ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタ
ミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギ
ン酸(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン
(Cys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン
(Ser)またはAla、リジン(Lys)とアルギニ
ン(Arg)、等が挙げられる。また、Ala、Va
l、Leu、Ile、Pro、メチオニン(Met)、
フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Tr
p)、Gly、Cysは、共に非極性アミノ酸に分類さ
れるため、互いに似た性質を有すると考えられる。非荷
電極性アミノ酸としては、Ser、Thr、チロシン
(Tyr)、Asn、Glnが挙げられる。酸性アミノ
酸としては、AspおよびGluが挙げられる。塩基性
アミノ酸としてはLys、Arg、ヒスチジン(Hi
s)が挙げられる。また、上述の意味の保存性を損なう
場合でも、なおその蛋白質の本質的な機能、本発明にお
いてはセリンプロテアーゼモジュレーター蛋白質として
の機能を失わない変異も当業者に多く知られている。さ
らに、異なる生物種間に保存される同種の蛋白質が、幾
つかのアミノ酸が集中あるいは分散して欠失あるいは挿
入されていてもなお本質的な機能を保持している例も多
く認められている。
【0038】従って、配列番号2に示したアミノ酸配列
上の幾つかのアミノ酸残基の置換、挿入、欠失等による
変異蛋白質であっても、その変異蛋白質がセリンプロテ
アーゼモジュレーター蛋白質であれば、これらは本発明
の範囲内にあるものと言うことができる。ここにいうセ
リンプロテアーゼモジュレーター蛋白質とは、セリンプ
ロテアーゼの基質あるいは阻害剤と結合することによっ
て該セリンプロテアーゼの活性発現を調節する蛋白質を
いい、幾つかのアミノ酸残基が異なっていても、配列番
号2に記載のアミノ酸配列からなるセリンプロテアーゼ
モジュレーター蛋白質であるMP264と実質的に同質
の機能を有するものは、本発明の範囲内であるといえ
る。従って、基質あるいは阻害剤への結合能またはセリ
ンプロテアーゼ阻害活性が性質的に同質であればよく、
該結合活性の強弱の変動、または糖鎖結合の相違などに
よる該蛋白質の分子量の量的変化などは許容されると解
されるべきである。
【0039】このようなアミノ酸の改変は、遺伝子多形
等によって生ずる変異の様に自然界において認められる
他、当業者に公知の方法、例えばNTGなどの変異誘発
剤を用いた突然変異誘発法や種々の組換遺伝子手法を用
いた部位特異的変異法を利用して、人為的に行うことが
できる。アミノ酸の変異部位および個数は、変異蛋白質
がセリンプロテアーゼモジュレーター蛋白質である限り
特に制限はないが、変異個数は通常十数アミノ酸以内、
好ましくは10アミノ酸以内、さらに好ましくは1また
は数個以下である。
【0040】また配列番号2のアミノ酸配列と90%以
上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%
以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるセリンプロ
テアーゼモジュレーター蛋白質も本発明の範囲内のもの
である。アミノ酸配列の相同性の判断には、BLAST
(J.Mol.Evol.,36;290−300(1
993)、J.Mol.Biol.,215;403−
10(1990))を用いることができる。
【0041】上記に述べた蛋白質は、いわゆる当業者に
おける通常の認識の範囲にある塩の形態であっても差し
支えないことは言うまでもなく、それ単独の形態のみな
らず、別種の蛋白質との融合蛋白質を含めた種々の形態
に変換された蛋白質も含まれる。例えば、蛋白質に対す
る種々の化学修飾、ポリエチレングリコール等の高分子
との結合、不溶性担体への結合など、当業者に知られて
いる多種の手法による変換が考えられる。また、シグナ
ル配列部分など活性に影響しない部分を欠失した部分蛋
白質も、本発明の範囲内のものである。天然には、用い
る宿主によっては糖鎖の付加の有無あるいはその程度の
違いが挙げられる。かかる場合にあっても、セリンプロ
テアーゼモジュレーター蛋白質として機能する限りにお
いて、なお、本発明であると理解されたい。
【0042】本発明の蛋白質またはその部分断片ペプチ
ドは、該蛋白質の活性を調節する物質の探索に使用する
ことが出来る。探索を通じて得られる化合物等は、本発
明の蛋白質が関連する疾患に対する有効な治療薬または
予防薬となることが期待される。
【0043】(抗体)本発明はさらにMP264に結合
する抗体を提供する。本発明の抗体は、上記蛋白質を抗
原として特異的に認識する抗体であり、モノクローナル
抗体及び/またはポリクローナル抗体が含まれる。ま
た、免疫グロブリンの構造、物理化学的性質や免疫学的
性質として分類される5つのクラス(IgG,IgA,
IgM,IgD,IgE)、あるいはH鎖のタイプによ
るサブクラスのいずれに属するものであってもよい。さ
らに、免疫グロブリンを例えばペプシンで分解したとき
のF(ab’)、パパインで分解したときのFabな
どのフラグメントであっても、またキメラ抗体であって
もよい。これらの抗体は、MP264の研究的あるいは
臨床的な検出、MP264によってもたらされ得る疾患
の臨床治療等に有用である。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に本発明における実施態様を
説明するが、遺伝子工学的手法、蛋白質や細胞あるいは
動物を用いた生化学的手法、クロマトグラフィーやペプ
チド合成機などの各種機器の原理や使用法について、特
に断らない限りその利用については制限がなく、いわゆ
る当業者が利用可能な状態にある技術やその原理、使用
方法はすべて本発明についても適用可能であって、以下
の記載に限定されないと理解されるべきである。
【0045】(核酸)本発明のDNAをDNAライブラ
リーから得る例としては、適当なゲノムDNAライブラ
リーやcDNAライブラリーを、ハイブリダイゼーショ
ンによるスクリーニング法や、抗体を用いたイムノスク
リーニング法等でスクリーニングし、目的のDNAを有
するクローンを増殖させ、そこから制限酵素等を用いて
切り出す方法がある。ハイブリダイゼーション法による
スクリーニングは、配列番号1または配列番号3に記載
の塩基配列もしくはその一部を有するDNAを32P等
でラベルしてプローブとし、任意のcDNAライブラリ
ーに対して、公知の方法で(例えば、Maniatis
T.等,Molecular Cloning,a
Laboratory Manual,Cold Sp
ring harbor Laboratory,Ne
w York,1982年)行うことができる。イムノ
スクリーニング法で用いる抗体は、後述する本発明の抗
体を使用することができる。本発明の新規DNAはま
た、ゲノムDNAライブラリーもしくはcDNAライブ
ラリーを鋳型とするPCR(Polymerase C
hain Reaction)によっても得る事ができ
る。PCRは、配列番号1または配列番号3に記載の塩
基配列をもとに、センスプライマー、アンチセンスプラ
イマーを作成し、任意のDNAライブラリーに対し、公
知の方法(例えばMichael A.I.等,PCR
Protocols,a Guide toMeth
ods and Applications,Acad
emic Press、1990年参照)等を行って、
本発明のDNAを得る事もできる。上記各種方法で使用
するDNAライブラリーは、本発明のDNAを有するD
NAライブラリーを選択して使用する。当該DNAライ
ブラリーは、本発明のDNAを有するライブラリーであ
れば、いかなるものも使用可能であり、市販のDNAラ
イブラリーを使用したり、本発明のDNAを有する細胞
からcDNAライブラリーを作成するのに適した細胞を
選び公知の方法(J.Sambrook 等、Mole
cular Cloning,a Laborator
y Manual2nd ed.,Cold Spri
ng Harbor Laboratory,New
York,1989年参照)に従って、cDNAライブ
ラリーを作製し、利用することができる。
【0046】また、本明細書に開示された配列を基にホ
スホアミダイト法などの化学合成的手法により調製する
ことも可能である。
【0047】本発明のDNAを有する組換えベクター
は、環状、直鎖状等いかなる形態のものであってもよ
い。かかる組換えベクターは、本発明のDNAに加え、
必要ならば他の塩基配列を有していてもよい。他の塩基
配列とは、エンハンサーの配列、プロモーターの配列、
リボゾーム結合配列、コピー数の増幅を目的として使用
される塩基配列、シグナルペプチドをコードする塩基配
列、他のポリペプチドをコードする塩基配列、ポリA付
加配列、スプライシング配列、複製開始点、選択マーカ
ーとなる遺伝子の塩基配列等のことである。
【0048】遺伝子組み換えに際しては、適当な合成D
NAアダプターを用いて翻訳開始コドンや翻訳終止コド
ンを本発明のDNAに付加し、あるいは塩基配列内に適
当な制限酵素切断配列を新たに発生させあるいは消失さ
せることも可能である。これらは当業者が通常行う作業
の範囲内であり、本発明のDNAを基に任意かつ容易に
加工することができる。
【0049】また本発明のDNAを保持するベクター
は、使用する宿主に応じた適当なベクターを選択して使
用すればよく、プラスミドの他にバクテリオファージ、
バキュロウイルス、レトロウィルス、ワクシニアウィル
ス等の種々のウイルスを用いることも可能であり、特に
制限はない。この様に、本発明の遺伝子に対しては、遺
伝子工学的手法において通常用いられる様々な要素を付
加したもの、あるいは改変したものが挙げられ、それら
はここに開示したものが全てではなく、いわゆる当業者
が利用可能な要素や手法であれば、特に制限はないと理
解されるべきである。
【0050】本発明の遺伝子の発現は、該遺伝子固有の
プロモーター配列の制御下に発現させることができる。
かかる発現系を用いれば、本発明の遺伝子の転写を促進
あるいは抑制する物質の探索がより有利に行える。ある
いは、本発明の遺伝子の上流に別の適当な発現プロモー
ターを該遺伝子固有のプロモーター配列に接続あるいは
置き換えて使用することもできる。この場合に使用する
プロモーターは、宿主及び発現の目的に応じて適宜選択
すればよく、例えば宿主が大腸菌である場合にはT7プ
ロモーター、lacプロモーター、trpプロモータ
ー、λPLプロモーターなどが、宿主が酵母である場合
にはPHO5プロモーター、GAPプロモーター、AD
Hプロモーター等が、宿主が動物細胞である場合にはS
V40由来プロモーター、レトロウィルスプロモーター
等を例示できるが、当然ながらこれらには限定されな
い。
【0051】DNAをベクターに導入する方法は公知で
ある(J.Sambrook等、Molecular
Cloning,a Laboratory Manu
al2nd ed.,Cold Spring Har
bor Laboratory,ニューヨーク(New
York),1989年、参照)。すなわち、DNA
とベクターをそれぞれ適当な制限酵素で消化し、得られ
たそれぞれの断片を、DNAリガーゼを用いてライゲー
ションさせればよい。
【0052】アンチセンス核酸は、公知方法で製造する
ことができる(例えば、Stanley T.Croo
KeおよびBeRNAld Lebleu編、in A
ntisense Research and App
lications,CRC出版、フロリダ、1993
年)。天然のDNAやRNAであれば、化学合成機を使
用して合成したり、mp264遺伝子を鋳型としてPC
R法により本発明のアンチセンス核酸を得ることができ
る。また、メチルフォスフォネート型やフォスフォロチ
オエート型等、誘導体の中には化学合成機(たとえばア
プライド バイオシステムズ社、394型)を使用して
合成できるものもある。この場合には、化学合成機に添
付されたマニュアルに従って操作を行い、得られた合成
産物を逆相クロマトグラフィー等を用いたHPLC法に
より精製することによっても、アンチセンス核酸を得る
ことができる。
【0053】アンチセンス核酸を診断用のプローブとし
て使用する場合には、それらを公知の方法に従い、ラジ
オアイソトープ、酵素、蛍光物質、あるいは発光物質等
で標識する。次に、検体からDNAもしくはmRNAを
公知方法で調製し、これを被検物質として、前記標識プ
ローブを加えて反応させた後、洗浄して未反応の前記標
識プローブを除去する。被検物質中に、遺伝子mp26
4もしくはRNAが含まれていれば、当該アンチセンス
核酸はそれらと結合する。結合形成の有無は、標識した
酵素、蛍光物質、発光物質、あるいは放射性同位元素等
による発光、蛍光、放射能等を指標として知ることがで
きる。
【0054】アンチセンス核酸を医薬用途に使用する場
合には、医薬品として使用するのに適した純度のもの
を、薬理学的に許容されうる使用方法で使用することが
好ましい。
【0055】アンチセンス核酸は、それらを直接適当な
溶媒に溶解もしくは懸濁して使用してもよいし、リポソ
ーム中に封入したり、適当なベクターに組み込んだ形に
して使用してもよい。また、必要に応じて、薬理学的に
許容され得る補助成分を添加し、注射剤、錠剤、カプセ
ル剤、点眼剤、クリーム剤、座剤、噴霧剤、パップ剤等
適当な剤型にして使用してもよい。薬理学的に許容され
得る補助成分とは、溶媒、基剤、安定化剤、防腐剤、溶
解剤、賦形剤、緩衝剤等のことである。
【0056】アンチセンス核酸は、上述のような剤型と
した場合、患者の年齢や、性別、疾患の種類、程度に応
じて、その投与方法、その投与量を設定して使用するこ
とができる。すなわち、病態を改善するのに適した量
を、経口投与、あるいは、吸入、経皮投与、点眼、膣内
投与、関節内投与、直腸投与、静脈内投与、局所投与、
筋肉内投与、皮下投与、腹腔内投与等から適当な方法を
選んで投与すればよい。
【0057】(組み換え動物)本発明のトランスジェニ
ック非ヒト哺乳動物は、トランスジェニック動物の製造
において通常使用されるような常法(例、最新動物細胞
実験マニュアル、エル・アイ・シー発行、第7章、第3
61〜第408頁、1990年)に従って作製すること
ができる。
【0058】例えば、トランスジェニックマウスの場合
には、正常マウス胚盤胞(blastcyst)から取
得した胚性幹細胞(Embryonic Stem C
ell,ES Cell)を、mp264及びマーカー
遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子)が発現可能
なように挿入された発現ベクターで形質転換する。mp
264が染色体上に取り込まれたES細胞を、マーカー
遺伝子の発現の有無に基づいて常法により選別し、別の
正常マウスから取得した受精卵(肺盤胞)にマイクロイ
ンジェクションする(Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,Vol.77,No.12,pp.7
380−7384,1980;米国特許第4,873,
191号公報)。該胚盤胞を仮親としての別の正常マウ
スの子宮に移植し、ファウンダーマウスを作成する。該
ファウンダーマウスを正常マウスと交配させることによ
りヘテロトランスジェニックマウスを得、さらに該ヘテ
ロ(heterogeneic)トランスジェニックマ
ウス同士を交配することにより、ホモ(homogen
eic)トランスジェニックマウスを調製できる。
【0059】また、mp264の塩基配列に基づいて、
いわゆる「ノックアウトマウス」を作製することができ
る。本発明における「ノックアウトマウス」とは、本発
明のマウス由来のタンパクをコードする内在性遺伝子が
ノックアウト(不活性化)されたマウスであり、例えば
相同組換えを応用したポジティブネガティブセレクショ
ン法(米国特許第5,464,764号公報、同5,4
87,992号公報、同5,627,059号公報、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,Vo
l.86,8932−8935,1989、Natur
e,Vol.342,435−438,1989など)
を用いて作製することができ、このようなノックアウト
マウスも本発明の一態様である。
【0060】(蛋白質)本発明の蛋白質は、天然に発現
している各種臓器から調製することができるが、ペプチ
ド合成機(例えば、ペプチドシンセサイザー430A
型、アプライドバイオシステムズ社)を使用した化学合
成法でも、また原核生物あるいは真核生物から選択され
る適当な宿主細胞を用いた組換え方法によっても調製す
ることができる。しかしながら、その純度の面から遺伝
子工学的な手法による生産ならびに組換え型蛋白質が好
ましい。
【0061】前項の組換えベクターを用いて形質転換さ
せる宿主細胞には特に制限はなく、E.coli、B.
subtilisあるいはS.cerevisiaeに
代表される遺伝子工学手法において利用可能な下等細
胞、昆虫細胞、COS7細胞、CHO細胞、HeLa細
胞に代表される動物細胞など多くの細胞が、本発明に対
しても利用可能である。
【0062】組換えベクターを宿主細胞に導入する方法
としては、エレクトロポレーション法、プロトプラスト
法、アルカリ金属法、リン酸カルシウム沈澱法、DEA
Eデキストラン法、マイクロインジェクション法、ウイ
ルス粒子を用いる方法等の公知方法(実験医学臨時増
刊、遺伝子工学ハンドブック1991年3月20日発
行、羊土社、参照)があるが、いずれの方法を用いても
構わない。
【0063】当該蛋白質を遺伝子工学的に生産するに
は、上述の形質転換体を培養して培養混合物を回収し、
当該蛋白質を精製する。形質転換体の培養は、一般的な
方法で行うことができる。形質転換体の培養については
各種の成書(たとえは、「微生物実験法」社団法人日本
生化学会編、株式会社東京化学同人、1992年、参
照)があるので、それらを参考にして行うことができ
る。
【0064】培養混合物から本発明の蛋白質を精製する
方法としては、蛋白質の精製に通常使用されている方法
の中から適切な方法を適宜選択して行うことができる。
すなわち、塩析法、限外濾過法、等電点沈澱法、ゲル濾
過法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、疎
水性クロマトグラフィーや抗体クロマトグラフィー等の
各種アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォ
ーカシング法、吸着クロマトグラフィーおよび逆相クロ
マトグラフィー等、通常使用され得る方法の中から適切
な方法を適宜選択し、必要によりHPLCシステム等を
使用して適当な順序で精製を行えば良い。
【0065】また、本発明の蛋白質を他の蛋白質やタグ
(例、グルタチオンSトランスフェラーゼ、プロテイン
A、ヘキサヒスチジンタグ、FLAGタグその他)との
融合蛋白質として発現させることも可能である。発現さ
せた融合型は、適当なプロテアーゼ(例、トロンビンそ
の他)を用いて切り出すことが可能であり、ときとして
蛋白質の調製をより有利に行うことが可能となる。本発
明の蛋白質の精製は当業者に一般的な手法を適宜組み合
わせて行えばよく、特に融合蛋白質の形態で発現させた
ときは、その形態に特徴的な精製法を採用することが好
ましい。
【0066】また、組換えDNA分子を利用して無細胞
系の合成方法(J.Sambrook,et al.:
Molecular Cloning 2nd ed.
(1989年))で得る方法も、遺伝子工学的に生産す
る方法の1つである。
【0067】この様に本発明の蛋白質は、それ単独の形
態でも別種の蛋白質との融合蛋白質の形態でも調製する
ことができるが、これらのみに制限されるものではな
く、本願発明の蛋白質を更に種々の形態へと変換させる
ことも可能である。例えば、蛋白質に対する種々の化学
修飾、ポリエチレングリコール等の高分子との結合、不
溶性担体への結合など、当業者に知られている多種の手
法による加工が考えられる。また、用いる宿主によって
は糖鎖の付加の有無あるいはその程度にも違いが認めら
れる。かかる場合にあっても、セリンプロテアーゼモジ
ュレーター蛋白質として機能する限りにおいて、なお、
本発明の思想下にあるというべきである。
【0068】本発明の蛋白質は、抗体を作製するための
抗原として使用したり、該蛋白質に結合する物質や該蛋
白の活性を調節する物質のスクリーニングに使用するこ
とができ、有用である。
【0069】発現されたMP264が形質転換体のペリ
プラズムまたは細胞質内に存在する場合は、適当な緩衝
液に懸濁した細胞に対して、例えば超音波処理、凍結融
解処理、あるいはリゾチーム処理などを行って細胞壁お
よび/または細胞膜を破壊した後、遠心分離やろ過など
の方法で本発明の蛋白質を含有する膜画分を得、さらに
該膜画分を適当な界面活性剤を用いて可溶化して粗溶液
を調製する。そして、当該粗溶液から常法により目的蛋
白質を単離、精製することができる。
【0070】(抗体)本発明の抗体は、ポリクローナル
抗体、モノクローナル抗体いずれも公知方法を参考にし
て得ることができる(例えば、免疫実験操作法、日本免
疫学会編、日本免疫学会発行、参照)。以下に簡単に説
明する。
【0071】当該新規抗体を得るには、まず動物に、免
疫抗原として本発明の蛋白質を必要に応じてフロイント
の完全アジュバント(FCA)や不完全アジュバント
(FIA)等の適切なアジュバントとともに接種し、必
要があれば2〜4週間の間隔で追加免疫する。追加免疫
後、採血を行い、抗血清を得る。抗原として用いる本発
明の蛋白質は、それが抗体の作製に使用しうる精製度の
ものであればいかなる方法で得られたものであってもよ
い。本発明の蛋白質の部分ポリペプチドも免疫抗原とし
て好適に使用しうる。免疫抗原として使用するポリペプ
チドが、低分子のポリペプチド、すなわち約10〜20
アミノ酸からなるポリペプチドである場合には、それを
キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)等のキャ
リアと結合させて抗原として使用すればよい。免疫する
動物はいかなるものであっても良いが、好ましくは通常
当業者で免疫学的な実験に使用されるラット、マウス、
ウサギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリ、ヤギ、ブタ、ウシ等
から、目的の抗体を産生しうる動物種を選択して使用す
ることが好ましい。
【0072】ポリクローナル抗体は、得られた抗血清を
精製することによって得る事が出来る。精製は、塩析、
イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー等の公知方法を適宜組み合わせて行えば良
い。
【0073】モノクローナル抗体を得るには以下のよう
に行う。すなわち、免疫した動物から脾細胞もしくはリ
ンパ球等の抗体産生細胞を採取し、ポリエチレングリコ
ール、センダイウイルス、電気パルス等を用いる公知方
法によって、ミエローマ細胞株等と融合し、ハイブリド
ーマを作製する。その後、本発明の蛋白質に結合する抗
体を産生しているクローンを選択して培養し、その選択
されたクローンの培養上清を精製することによって得れ
は良い。精製は、塩析、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー等の公知方法を
適宜組み合わせて用いれば良い。
【0074】また、遺伝子工学的な方法を用いても当該
新規抗体が得られる。例えば、本発明蛋白質またはその
部分ポリペプチドで免疫した動物の牌細胞、リンパ球あ
るいは、本発明蛋白質またはその部分ポリペプチドに対
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから
mRNAを採取し、これをもとにcDNAライブラリー
を作成する。該cDNAライブラリーを用いて細胞を形
質転換し、抗原と反応する抗体を産生しているクローン
をスクリーニングし、得られたクローンを培養し、培養
混合物から目的とする抗体を公知方法を組み合わせて精
製することができる。抗体を治療に使用する場合には、
免疫原性の点からヒト化抗体が好ましい。ヒト化抗体
は、免疫系をヒトのものと入れ替えたマウス(例 Na
t.Genet.,15;146−156(199
7))を免疫することにより調製することが出来る。ま
た、モノクローナル抗体の超可変領域を用いて遺伝子工
学的に調製することもできる(Method in E
nzymology,203;99−121(199
1))。
【0075】(スクリーニング方法)本発明は、本発明
の蛋白質、該蛋白質を発現している形質転換細胞、本発
明のDNA、該DNAを含む組換えベクター、または該
組換えベクターで形質転換された形質転換細胞を用いる
ことを特徴とし、本発明の蛋白質の機能または発現を調
節する物質をスクリーニングする方法に関する。より具
体的には、(1)候補物質のMP264への結合活性を
評価する方法、(2)候補物質の存在下/非存在下にお
ける本発明の蛋白質のモジュレーター活性を評価し、該
活性を調節する物質を同定する方法、(3)候補物質の
存在下/非存在下における本発明の蛋白質または遺伝子
の発現レベルを比較し、本発明の蛋白質の発現を調節す
る物質をスクリーニングする方法などが挙げられる。
(1)または(2)の例としては、MP264と候補物
質との間のバインディングアッセイや、セリンプロテア
ーゼとセリンプロテアーゼの基質およびMP264が共
存するアッセイ系に候補物質を加えて、プロテアーゼの
活性変動を確認する方法などが考えられる。セリンプロ
テアーゼとその基質のみが系に存在する場合は基質の分
解が観察されるが、ここにMP264を共存させるとM
P264はセリンプロテアーゼの基質と結合して、競合
的にセリンプロテアーゼ活性を阻害することが予想され
る。ここにさらに候補物質を共存させることによりセリ
ンプロテアーゼの活性が回復した場合、該候補物質はM
P264に特異的に結合し、MP264のセリンプロテ
アーゼ阻害活性を阻害したものと判断することができ
る。(3)の例としては、遺伝子mp264の発現制御
領域、5’非翻訳領域、翻訳開始部位近傍領域または
5’翻訳領域等を含むDNAとルシフェラーゼ等のレポ
ーター遺伝子を連結した発現プラスミドを作製し、本発
明の遺伝子が転写または翻訳される環境下で該レポータ
ー遺伝子の発現量を候補物質の存在下/非存在下で測定
し、候補物質の転写促進活性または転写抑制活性を確認
する方法が挙げられる。本発明の遺伝子の発現制御領域
や5’非翻訳領域は公知の方法で取得することが可能で
ある(新細胞工学実験プロトコール(秀潤社)、199
3年)。
【0076】上述のスクリーニング方法あるいはトラン
スジェニック動物を用いた探索を通じて得られる化合物
等は、かかるMP264の分泌亢進やアンバランスが引
き起こす種々の疾患の治療薬または予防薬となることが
期待される。候補物質としては、蛋白質、ペプチド、オ
リゴヌクレオチド、合成化合物、天然由来化合物、醗酵
生成物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液など
が挙げられるがこれに限定されず、新規物質でも公知物
質でもよい。
【0077】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳述する
が、本発明はこれら実施例に限定して理解されるべきも
のではない。
【0078】実施例1 遺伝子mp264のクローニン
グ (1)オリゴキャップ法による完全長cDNAライブラ
リーの作製 ヒト精巣よりSambrookらの方法(Molecu
lar Cloning.A Laboratory
Manual,2nd ed.,Cold Sprin
g Harbor Laboratory,Cold
SpringHarbor,NY.)に従い、オリゴd
Tセルロースを用いてポリ(A)RNAを調製した。
次に5−10μgのポリ(A)RNAを、100mM
のTris‐HCl(pH8.0)、5mMの2−メル
カプトエタノール及び100UのRNasin(Pro
mega)を含む緩衝液中で、1.2UのBacter
ial Alkaline Phosphatase
(以下BAPと略する)(TaKaRa)と37℃で4
0分間反応させ、キャップ構造を持たないポリ(A)
RNAの脱リン酸化を行った。その後、フェノール:ク
ロロホルム=1:1の混合液にて反応液を2回抽出し、
ポリ(A)RNAをエタノール沈殿として回収した。
回収したポリ(A)RNAは、50mMの酢酸ナトリ
ウム(pH5.5)、1mMのEDTA、5mMの2−
メルカプトエタノール及び100UのRNasinを含
む緩衝液中で20UのTobacco acid py
rophosphatase(以下TAPと略する)
(Maruyama and Sugano,Gen
e,vol.138,171−174)にて37℃で4
5分間処理し、キャップ構造の除去を行った。その後、
フェノール:クロロホルム=1:1の混合液にて反応液
を2回抽出して、エタノール沈殿を行い、BAP−TA
P処理済ポリ(A)RNAを回収した。
【0079】この回収したポリ(A)RNA2−4μ
gを0.4μg の5’オリゴマー(5’−AGC A
UC GAG UCG GCC UUG UUG GC
CUAC UGG−3’)とライゲーション反応を行っ
た。この反応は50mMのTris−HCl(pH7.
5)、5mMのMgCl、5mMの2−メルカプトエ
タノール、0.5mMのATP、25%のPEG800
0及び100UのRNasinを含む緩衝液中で、25
0UのRNAリガーゼ(TaKaRa)を用いて20℃
で3−16時間行った。その後、未反応のオリゴマーを
除去してcDNA合成を行った。すなわち、2−4μg
のオリゴキャップポリ(A)RNAを10pmolの
dTアダプタープライマー(5’−GCG GCT G
AAGAC GGC CTA TGT GGC CTT
TTT TTT TTTTTT TTT−3’)と混
合し、SuperScript II RNaseH
Reverse Transcriptase(In
vitrogen)を用い、添付の緩衝液中で42℃、
1時間反応させた。
【0080】鋳型のRNAを除去するために15mMの
NaOHを用いて65℃で1時間反応させた後に、cD
NAの増幅操作を行った。1μgのオリゴキャップポリ
(A)RNAより合成されたcDNAを16pmol
のセンスプライマー1(5’−AGC ATC GAG
TCG GCC TTG TTG−3’)及びアンチ
センスプライマー1(5’−GCG GCT GAA
GAC GGC CTA TGT−3’)と混合し、X
L PCR kit(Perkin−Elmer)を用
いて増幅した。この際のPCR反応の条件は、94℃で
1分間、58℃で1分間、72℃で10分間のサイクル
を5−10回行った。PCR産物をフェノール:クロロ
ホルム=1:1の混合液にて抽出し、エタノール沈殿と
して回収した。その後、回収物をSfiIで消化し、ア
ガロースゲル電気泳動にて1000bp以上のcDNA
を分離し、哺乳動物細胞発現ベクターであるpME18
S−FL3(GenBank accession N
o.AB009864)のDraIIIサイトに挿入し
た。尚、pME18S−FL3のDraIIIサイトは
非対称性となっており、cDNA断片の末端はこれと相
補的なSfiIサイトとなっているため、挿入したcD
NA断片は一方向性に挿入されている。
【0081】(2)cDNAクローン塩基配列及びその
推定蛋白質情報の解析 (1)の方法で作製したcDNAライブラリーより、P
I−100ロボット(KURABO)を用いてプラスミ
ドを調製し、各クローンの塩基配列を確認し、データベ
ース化した。塩基配列決定は、AutoCycle s
equencing kit(Amersham Ph
armacia)とR.O.B. DNA proce
ssor(Amersham Pharmacia)を
用い添付のプロトコールに従ってシークエンス反応を行
い、ALF DNA sequencer(Amers
ham Pharmacia)により行った。
【0082】(1)に記載の方法で取得したプラスミド
C−TST01896には、配列番号2で表される23
5個のアミノ酸からなる新規な蛋白質をコードする、配
列番号1で表される705塩基の塩基配列からなるオー
プンリーディングフレームを含む、全長1189塩基対
の塩基配列(配列番号3)からなるcDNAが含まれて
いた。配列番号1で表される705塩基の塩基配列から
なるオープンリーディングフレームを含むプラスミドM
T0019−1は、国際微生物寄託機関である経済産業
省技術総合研究所生命工学工業技術研究所に、寄託番号
FERM P−18424として寄託されている。
【0083】(3)cDNAクローン及びその推定蛋白
質の相同性解析 相同性の検索にはBLAST(J.Mol.Evo
l.,36;290−300(1993)、J.Mo
l.Biol.,215;403−10(1990))
を用いて、局部的な配列の一致を検索した。
【0084】cDNA配列から推定される蛋白質配列を
相同性検索をおこなうblastpプログラムを用いて
Genbank蛋白質データベース(http://w
ww.ncbi.nlm.nih.gov/)に対しB
LAST相同性検索を行った。その結果、208アミノ
酸残基にわたりチキンTRYPSIN I−P1(Ge
nBank Accession:Q90627)との
相同性が 55%、208アミノ酸残基にわたりチキン
TRYPSIN I−P38(GenBankAcce
ssion:Q90628)との相同性が55%、21
5アミノ酸残基にわたりマウスtrypsin2(Ge
nBank Accession:NP_03345
6)との相同性が52%、212アミノ酸残基にわたり
ヒトtrypsin1(GenBank Access
ion:NP_002760)との相同性が51%みら
れた。
【0085】さらに推定された蛋白質配列と相同性検索
から得られた蛋白質配列(をマルチプルアライメントプ
ログラムClustalW(Nucleic Acid
sRes.,22;4673−80(1994))を用
いて多重整列した結果を図1に示す。この結果から、M
P264はアミノ酸配列から確認できる構造的特長とし
て、キモトリプシン型セリンプロテアーゼとしての特徴
を備えていることが明らかとなった。しかし、セリンプ
ロテアーゼの活性中心残基を構成する3種のアミノ酸残
基の内、Serに相当する192番残基がAlaであっ
た。
【0086】(4)MP264の空間座標化とモデル構
造の解析 MP264の推定翻訳配列を使用し、全自動モデリング
システムFAMS(Ogata,K.et.al.,
J.Mol.Graph.Model.,Vol.1
8,pp.258−272(2000))を用いて、M
P264のモデル構造を空間座標として構築した。この
とき、FAMSが主鎖構造の構築に用いる立体構造デー
タベースとして、Brookhaven Protei
n Database (PDB)(H.M.Berm
an,et.al.,NucleicAcids Re
search,Vol.28,pp.235−242
(2000),http://www.rcsb.or
g/pdb/)の2001年1月16日リリースからW
ebでのCulled PDB Listsサービス
(Roland L.Dunbrack,Jr.et.
al.,http://www.fccc.edu/R
esearch/labs/dunbrack/cul
ledpdb.html)を利用して、1)30アミノ
酸残基以上、2)解像度8Å以下、3)NMR構造を含
む、4)Cαのみの構造を含まない、の条件で90%以
上の相同配列をクラスタリングし、配列冗長性を除いた
データセット(3703構造)を作成して使用した。ま
た、側鎖構造の構築に用いるデータベースは、FAMS
オリジナルのものを使用した。この結果、23〜231
番のアミノ酸残基部分の空間座標を得た。
【0087】モデル構造の空間座標を決定した後、さら
に分子設計支援ソフトウエアパッケージInsight
II(Molecular Simulations
Inc.,Sandiego,CA)のモジュールであ
るProfiles−3Dの蛋白質立体構造評価プログ
ラムVerifyを用いて、構築された座標に理論上の
問題がないことを検証した。このモデル構造を図3に示
す。
【0088】構築したモデル構造において、MP264
はキモトリプシン様セリンプロテアーゼ構造を保持して
おり、該セリンプロテアーゼにおける活性ポケット構造
もほぼ保持していた。しかし、配列の解析から予測され
た通り、該セリンプロテアーゼの活性中心であるSer
残基がMP264ではAlaに置換されていた。
【0089】実施例2 RT−PCRを用いた発現プロ
ファイルの解析 RT−PCRによるmp264の組織発現プロファイル
解析を行った。解析に用いたヒトRNAは以下の通りで
ある。ヒト冠動脈内皮細胞(HCAEC)から定法によ
り全RNAを調製した。また、ヒト末梢血由来白血球を
100μg/mlのPHA存在あるいは非存在下で24
時間培養した後に全RNAを定法により調製した。さら
にヒトの肺、腎臓、膵臓、肝臓、胸腺、脾臓、心臓、胎
盤、子宮、精巣、前立腺、骨格筋、脳の全RNAをクロ
ーンテック社より、大腸、小腸の全RNAについてはB
ioChain Instituteより購入した。次
に、これら各全RNA 6μgよりオリゴdTプライマ
ーを用いて1本鎖cDNAの合成を定法に従って行っ
た。逆転写酵素としてはSuperScriptIIR
Nase HReverse Transcript
ase(Invitrogen)を用いた。また、PC
Rに用いたmp264特異的なプライマーの配列はセン
スプライマー(5’− CCC TGC TCC CT
A TTT GGT G −3’)、アンチセンスプラ
イマー(5’− ATG AAG TGC CCC A
CC TCG A −3’)である。解析した結果、m
p264は精巣でのみ特異的に発現していた(図2)。
【0090】実施例3 組換えMP264の発現 (1)哺乳動物細胞発現プラスミドの構築 MP264を哺乳動物細胞で発現させるために、発現プ
ラスミドの構築を行う。また、その際には蛋白発現後、
MP264の精製がしやすいよう、MP264のC端側
にHisタグが続くコンストラクションとし、その目的
で利用される哺乳動物細胞発現ベクターを用いる。セン
スプライマーとしては、ベクターのクローニングサイト
とmp264の5’非翻訳領域の配列をもとに作製し、
アンチセンスプライマーはHisタグとフレームが続く
ように設計を行う。次に、実施例1で得られたC−TS
T01896を鋳型にPyrobest DNA Po
lymerase(TaKaRa)により98℃で10
秒、55℃で30秒、72℃で1分のサイクルを30回
繰り返し、PCR反応を行う。得られた約0.8kbの
PCR産物を発現ベクターのクローニングサイトに挿入
し、定法に従い大腸菌コンピテントセルをtransf
ormationしてMP264−His tag発現
プラスミドを構築する。 (2)COS−1細胞を用いたMP264の生産及び精
製 実施例3(1)にて作成したMP264−His ta
g発現プラスミドを下記の方法でCOS−1細胞に導入
する。即ち、プラスミドDNA12.5μgをFuGE
NE6(ロシュ・ダイアグノスティックス)50μlと
添付プロトコールに従い混合し、150cmフラスコ
にセミコンフルエントに増殖したCOS−1細胞に添加
する。5%CO、37℃の条件下で72時間培養した
後に、上清を回収する。その後His Trap Ki
t(アマシャムファルマシアバイオテク社)を用い、バ
イオ基礎実験攻略ガイド 2000−2001(アマシ
ャムファルマシアバイオテク社)に従い、CMP264
−His tagを精製する。 (3)In vitro translation に
よる蛋白質発現 MP264をRTS500 System(ロッシュ・
ダイアグノスティックス)を用いて、in vitro trans
lationにて発現を行う。MP264はシグナルペプチド
配列を有しているため、配列番号2で表されるアミノ酸
配列でN端より20番目のSer以降の発現を行う。ま
た、哺乳動物細胞の発現と同様に、精製を容易にするた
め、C末端にHisタグを融合するコンストラクション
とする。用いる発現ベクターはRTS500 Syst
em添付のベクターを利用し、添付のプロトコールに従
って、発現プラスミドの構築および蛋白合成を行う。得
られた合成物は実施例3(2)と同様にHis Tra
p Kitにて精製を行う。
【0091】実施例4 モジュレーター活性の評価系の
構築 10mM CaCl,130mM NaCl,0.1
% BSAを含む20mM Tris−HCl緩衝液p
H7.5に、最終基質濃度4mMとなるようにBz−L
−Arg−pNA・HCl(3057,蛋白質研究奨励
会)および適当な濃度のMP264を添加して、37
℃,10−60分反応を実施後、50% 酢酸で反応を
停止する。
【0092】添加したMP264の水解活性をOD40
5nmの吸収で解析することにより、同基質を水解する
能力がないことを確認できる。これにより、MP264
は、トリプシンとのアミノ酸配列上の相同性は極めてト
リプシンに近いものの、トリプシン活性を有さないこと
を確認できる。
【0093】次に、10mM CaCl,130mM
NaCl,0.1% BSAを含む20mM Tri
s−HCl緩衝液pH 7.5に、0〜1μg/mlの
濃度にヒトトリプシンを調製し、最終基質濃度4mMと
なるようにBz−L−Arg−pNA・HClと適当に
濃度を振ったMP264を添加し、37℃,10−60
分反応を実施後、50%酢酸で反応を停止し、添加した
ヒトトリプシンの水解活性をOD405nmの吸収で解
析する。
【0094】MP264を添加したサンプルにおいての
み、トリプシンの水解活性を拮抗的に阻害することを確
認できる。これにより、トリプシンが好んで切断する基
質にMP264が結合することによって、トリプシン活
性をモジュレートしていることを確認することができ
る。
【0095】次に、10mM CaCl, 130m
M NaCl, 0.1% BSAを含む20mM T
ris−HCl緩衝液pH 7.5を用いて、Biac
ore社 BIACORE3000を使用してMP26
4と各種基質との結合を解析することにより、セリンプ
ロテアーゼ型の基質が特異的にMP264に結合するこ
とを確認できる。特にBz−L−Arg−pNA・HC
lのような、トリプシン型の基質(P1部位にLys,
Argなどの塩基性のアミノ酸側鎖を有する)と結合す
ることが確認できる。
【0096】上記実験およびMP264は精巣特異的に
発現することから、MP264は特異的に発現する精巣
組織における各種セリンプロテアーゼの基質と結合する
ことによって、生体内の基質の役割や、これを切断する
セリンプロテアーゼの役割をモジュレートしているもの
と推認される。MP264を制御することによって、精
巣における疾患や、精子運動や精子形成の制御が可能と
なることが予想される。
【0097】MP264そのものの発現制御やMP26
4自体の投与も、疾患の改善や、QOL改善に貢献する
ことも予想されるが、MP264の制御物質を探索し、
これを投与することで、疾患の治療に利用することも可
能である。すなわち、MP264の効率的なスクリーニ
ング方法の発明は、MP264の制御によって治療され
るすべての疾患において大きく貢献するものであること
が考えられる。スクリーニングは以下のような方法で実
施できる。
【0098】各検体化合物10μMとなるように添加し
た10mM CaCl,130mM NaCl,0.
1% BSAを含む20mM Tris−HCl緩衝液
pH7.5に0〜1μg/mlの濃度にヒトトリプシン
を調製する。次に最終基質濃度4mMとなるようにBz
−L−Arg−pNA・HCl(3057,蛋白質研究
奨励会)を、及び組換え体として製造、精製したMP2
64をトリプシンと同濃度で添加し、37℃,10−6
0分反応を実施後、50%酢酸で反応を停止し、添加し
たヒトトリプシンの水解活性をOD405nmの吸収で
解析する。コントロールに比較してトリプシン活性を変
動させる化合物を一次スクリーニングのヒット化合物と
する。
【0099】この系は、ロボットを使用してHTS化す
ることも可能である。上記一次スクリーニングにおい
て、トリプシンの活性を回復させる化合物は、MP26
4に特異的に結合し、MP264のトリプシン基質への
結合を阻害している可能性が高い。候補化合物がMP2
64に特異的に結合するか否かは、二次スクリーニング
によって確認可能である。10mM CaCl,13
0mM NaCl,0.1% BSAを含む20mM
Tris−HCl 緩衝液pH 7.5を用いて、Bi
acore社BIACORE3000を使用して、候補
化合物のMP264に対する特異的結合を確認すればよ
い。Bz−L−Arg−pNA・HClとの拮抗を見る
ことで、活性部位に結合するかどうかの判断も可能とな
る。
【0100】
【発明の効果】本発明のMP264は、精巣におけるプ
ロテアーゼ活性発現のモジュレーター物質としてそれ自
体を医薬として利用することができるほか、これの模倣
低分子の設計あるいはこれに特異的に結合する物質の同
定に有用であり、新たな生体制御機構に作用し得る薬物
の開発に有用である。
【0101】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. <120> Serine Protease Modulator Protein <130> 45435 <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 705 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 atgaaatatg tcttctattt gggtgtcctc gctgggacat ttttctttgc tgactcatct 60 gttcagaaag aagaccctgc tccctatttg gtgtacctca agtctcactt caacccctgt 120 gtgggcgtcc tcatcaaacc cagctgggtg ctggccccag ctcactgcta tttaccaaat 180 ctgaaagtga tgctgggaaa tttcaagagc agagtcagag acggtactga acagacaatt 240 aaccccattc agatcgtccg ctactggaac tacagtcata gcgccccaca ggatgacctc 300 atgctcatca agctggctaa gcctgccatg ctcaatccca aagtccagcc ccttcccctc 360 gccaccacca atgtcaggcc aggcactgtc tgtctactct caggtttgga ctggagccaa 420 gaaaacagtg gccgacaccc tgacttgcgg cagaacctgg aggcccccgt gatgtctgat 480 cgagaatgcc aaaaaacaga acaaggaaaa agccacagga attccttatg tgtgaaattt 540 gtgaaagtat tcagccgaat ttttggggag gtggccgttg ctactgtcat ctgcaaagac 600 aagctccagg gaatcgaggt ggggcacttc atgggagggg acgtcggcat ctacaccaat 660 gtttacaaat atgtatcctg gattgagaac actgctaagg acaag 705 <210> 2 <211> 235 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Lys Tyr Val Phe Tyr Leu Gly Val Leu Ala Gly Thr Phe Phe Phe 1 5 10 15 Ala Asp Ser Ser Val Gln Lys Glu Asp Pro Ala Pro Tyr Leu Val Tyr 20 25 30 Leu Lys Ser His Phe Asn Pro Cys Val Gly Val Leu Ile Lys Pro Ser 35 40 45 Trp Val Leu Ala Pro Ala His Cys Tyr Leu Pro Asn Leu Lys Val Met 50 55 60 Leu Gly Asn Phe Lys Ser Arg Val Arg Asp Gly Thr Glu Gln Thr Ile 65 70 75 80 Asn Pro Ile Gln Ile Val Arg Tyr Trp Asn Tyr Ser His Ser Ala Pro 85 90 95 Gln Asp Asp Leu Met Leu Ile Lys Leu Ala Lys Pro Ala Met Leu Asn 100 105 110 Pro Lys Val Gln Pro Leu Pro Leu Ala Thr Thr Asn Val Arg Pro Gly 115 120 125 Thr Val Cys Leu Leu Ser Gly Leu Asp Trp Ser Gln Glu Asn Ser Gly 130 135 140 Arg His Pro Asp Leu Arg Gln Asn Leu Glu Ala Pro Val Met Ser Asp 145 150 155 160 Arg Glu Cys Gln Lys Thr Glu Gln Gly Lys Ser His Arg Asn Ser Leu 165 170 175 Cys Val Lys Phe Val Lys Val Phe Ser Arg Ile Phe Gly Glu Val Ala 180 185 190 Val Ala Thr Val Ile Cys Lys Asp Lys Leu Gln Gly Ile Glu Val Gly 195 200 205 His Phe Met Gly Gly Asp Val Gly Ile Tyr Thr Asn Val Tyr Lys Tyr 210 215 220 Val Ser Trp Ile Glu Asn Thr Ala Lys Asp Lys 225 230 235 <210> 3 <211> 1189 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 3 agaaactctg tggggaagat aagtcctgag cctagagctg ccatttccac agacaactga 60 actaccttca aacagatgtg tttttagggg cagcagatag aaggagctga atccaggagt 120 ttccttccct gaaatgcccc aacagaggca cagtcctcca ccttccctgg aacagagggc 180 tttcatctgt ctctctgaag ccatctccct cccctgttta tgcccagagc tgctttccaa 240 tcccatggag tgcctccgta tctaaccata gccactgagt ctaccaggtg ttcctgagaa 300 gacaactaag ccaaccgctc cacactctgc tgattttctt ctacatctca cagggggaag 360 agctggatca ccatgaaata tgtcttctat ttgggtgtcc tcgctgggac atttttcttt 420 gctgactcat ctgttcagaa agaagaccct gctccctatt tggtgtacct caagtctcac 480 ttcaacccct gtgtgggcgt cctcatcaaa cccagctggg tgctggcccc agctcactgc 540 tatttaccaa atctgaaagt gatgctggga aatttcaaga gcagagtcag agacggtact 600 gaacagacaa ttaaccccat tcagatcgtc cgctactgga actacagtca tagcgcccca 660 caggatgacc tcatgctcat caagctggct aagcctgcca tgctcaatcc caaagtccag 720 ccccttcccc tcgccaccac caatgtcagg ccaggcactg tctgtctact ctcaggtttg 780 gactggagcc aagaaaacag tggccgacac cctgacttgc ggcagaacct ggaggccccc 840 gtgatgtctg atcgagaatg ccaaaaaaca gaacaaggaa aaagccacag gaattcctta 900 tgtgtgaaat ttgtgaaagt attcagccga atttttgggg aggtggccgt tgctactgtc 960 atctgcaaag acaagctcca gggaatcgag gtggggcact tcatgggagg ggacgtcggc 1020 atctacacca atgtttacaa atatgtatcc tggattgaga acactgctaa ggacaagtga 1080 gaccctactt ctccctctgc attccactgg ctctgccatg gactatacaa gcagataatt 1140 ttccctctat tcaaaataaa atctccaaat gaaaatttgg gaatgtagc 1189
【図面の簡単な説明】
【図1】MP264と、チキンTRYPSIN I−P
1、チキンTRYPSIN I−P38、マウスtry
psin 2およびヒトtrypsin 1とのアミノ
酸配列アライメントを示す図である。
【図2】mp264遺伝子のヒト臓器および各種細胞で
の発現プロファイルを表す図である。
【図3】MP264の蛋白質立体モデル構造を表す図で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 4H045 1/21 C12Q 1/02 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 A61K 45/00 33/566 C12N 15/00 ZNAA // A61K 45/00 5/00 A (72)発明者 岡本 敦之 東京都新宿区四谷1丁目7番地 持田製薬 株式会社内 (72)発明者 大川 和史 東京都新宿区四谷1丁目7番地 持田製薬 株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA44 BA80 CA04 CA07 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 HA03 4B063 QA01 QA08 QA18 QQ01 QQ36 QQ79 QR33 QR59 QS05 QS26 QS36 QX02 4B065 AA01X AA57X AA90X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA17 NA14 ZC192 ZC202 ZC412 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 BA41 CA40 DA00 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)または(b)のDNA; (a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNA; (b)配列番号:1のDNAと90%以上の同一性を有
    し、かつセリンプロテアーゼモジュレーター蛋白質をコ
    ードするDNA。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のDNAにコードされる
    蛋白質。
  3. 【請求項3】 以下の(a)または(b)の蛋白質; (a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白
    質; (b)配列番号:2のアミノ酸配列において1または数
    個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸
    配列からなるセリンプロテアーゼモジュレーター蛋白
    質。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のDNAを含む組換えベ
    クター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の組換えベクターにより
    形質転換された形質転換細胞。
  6. 【請求項6】 請求項2または請求項3に記載の蛋白質
    の発現を抑制するアンチセンス核酸。
  7. 【請求項7】 核酸配列が、請求項1に記載のDNAま
    たは配列番号3に記載のDNAの全部または一部に相補
    する配列である、請求項6に記載のアンチセンス核酸。
  8. 【請求項8】 請求項2または3に記載の蛋白質に対す
    る抗体。
  9. 【請求項9】 請求項2または請求項3に記載の蛋白質
    あるいは該蛋白質を発現している形質転換細胞と候補物
    質とを接触させ、候補物質存在下と非存在下における該
    蛋白質の活性を検出し、該蛋白質の活性を増加または減
    少させる物質を選択することを特徴とする、該蛋白質の
    活性調節作用を示す物質の検索方法。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載の組換えベクターまた
    は請求項5に記載の形質転換細胞と候補物質とを接触さ
    せ、請求項1に記載のDNAの発現レベルの変化を検出
    することを特徴とする、請求項1に記載のDNAの発現
    調節作用を示す物質の検索方法。
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