JP2003037338A - 半導体発光素子、その製造方法及び光ディスク装置 - Google Patents

半導体発光素子、その製造方法及び光ディスク装置

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歩 辻村
Yoshiteru Hasegawa
義晃 長谷川
Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Masakatsu Suzuki
政勝 鈴木
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 III 族窒化物半導体発光素子の量子井戸活性
層に生じるピットの生成を抑制できるようにすると共
に、電子及びホールの量子井戸活性層への注入効率を向
上させられるようにする。 【解決手段】 多重量子井戸活性層15は、基板側か
ら、膜厚が3nmでInの混晶比が0.1のGaInN
からなる井戸層151が3層と、各井戸層151の間に
形成され、膜厚が5nmでAlの混晶比が0.02のA
lGaNからなる障壁層152と、3層目の井戸層15
1の上面に形成され、膜厚が5nmでAlの混晶比が
0.15のAlGaNからなる保護層153とから構成
されている。また、MOVPE法を用いて多重量子井戸
活性層15を成長する際には、ガリウム源としてトリエ
チルガリウムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
等の発光素子、特に、紫外領域から青色領域の光を放出
する半導体発光素子、その製造方法及びこれを用いた光
ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクの記録密度の向上やレ
ーザプリンタの解像度の向上を図ると共に、光計測機
器、医療機器、ディスプレイ装置又は照明装置等への応
用を図るため、紫外領域から青色領域までの短波長領域
において発光可能な半導体発光素子、特に半導体レーザ
素子の研究開発が盛んに行なわれている。
【0003】このような短波長領域において発光が可能
な半導体材料として、III 族窒化物半導体が挙げられ
る。例えば、Japanense Journal o
f Applied Phisics,第36巻(19
97)p.1568〜1571には、シリコン(Si)
がドープされたGaInN/GaInNの積層体よりな
る多重量子井戸活性層を備えた半導体レーザ素子が、波
長が約401nmで室温において連続発振し、例えば、
周囲温度が20℃で且つ出力が2mWの条件下で300
0時間程度の動作寿命を得られていることが記されてい
る。
【0004】また、III 族窒化物半導体の結晶成長法と
して、一般に有機金属気相成長法(以下、MOVPE法
と呼ぶ。)が用いられており、特開平6−196757
号公報には、キャリアガスに窒素を用いることにより、
GaNからなる半導体層上に結晶品質が優れたGaIn
Nからなる半導体層を成長させる方法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のIII 族窒化物半導体の製造方法は、例えば、App
lied Physics Letters,第72巻
(1998)p.710〜712に記されているよう
に、活性層となるGaInN/GaNからなる多重量子
井戸構造には、発生密度が108 cm-2〜109 cm-2
に及ぶ高密度のピットが生成するという問題がある。
【0006】このピットは、発光効率の低下を招くだけ
でなく、Inの組成の不均一を誘起して局在準位を形成
したり、結晶成長中のInの拡散源となったり、光導波
路における散乱損失又は吸収損失の原因となったりする
ため、レーザ発振時のしきい値の上昇や信頼性低下等、
発光素子の動作特性に悪影響を及ぼす。
【0007】III 族窒化物半導体を用いた発光素子、特
に半導体レーザ素子の素子特性を光ディスク装置等に搭
載できる実用レベルまで向上させるには、GaInNよ
りなる井戸層のInの組成の均一化、及び多重量子井戸
各層の均質化且つ平坦化が不可欠である。
【0008】また、素子の動作時にn型導電層から量子
井戸層に注入される電子が、p型伝導層にオーバーフロ
ーすることなく、効率良く且つ均一に活性層へ注入され
るような素子構造も必要である。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決し、III
族窒化物半導体発光素子におけるインジウム及び窒素を
含む量子井戸層に生ずるピットの生成を抑制できるよう
にすると共に、電子の量子井戸層への注入効率を向上で
きるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は以下の構成を持つ。 1)量子井戸層における障壁層にアルミニウムを含ませ
る。 2)障壁層に井戸層の歪みベクトルと逆符号の歪みベク
トルを持たせる。 3)多重量子井戸層における複数の障壁層のうちp型伝
導層と隣接する障壁層にのみアルミニウムを含ませる。 4)MOVPE法を用いて量子井戸層を成長させる際
に、ガリウム源としてトリエチルガリウムを用いる。
【0011】本願発明者らは、従来の製造方法により得
られる、GaInN/GaN又はGaInN/GaIn
Nからなる多重量子井戸構造において、面方位が{1−
101}面をファセットとする逆六角錐形状のピットが
高密度で形成されるメカニズムを検討した結果、以下の
ような検討結果を得ている。
【0012】すなわち、GaInN層に誘起される圧縮
歪み、又はInの局所的な偏析による歪みを緩和するた
めに、ある臨界膜厚を越えた時点でピットの核が形成さ
れる。さらに、GaInN層の成長温度、一般に800
℃程度の成長温度下においては、GaInN層は、面方
位が{1−101}面の成長速度が、面方位が(000
1)面の成長速度よりも小さいために、結晶が成長する
につれてピットのサイズが大きくなっていく。GaIn
N層に形成されたピットは、該GaInN層の上に光ガ
イド層及びクラッド層等を成長温度が1000℃程度で
順次成長させる際に、光ガイド層等における{1−10
1}面の成長速度が(0001)面の成長速度よりも速
いために次第に埋まっていき、結晶表面は平坦化してい
く。
【0013】なお、本明細書においては、晶帯軸の指数
又は面方位のミラー指数に付加された符号”−”は該符
号に続く一の指数の反転を表わしている。
【0014】これに対して、本願発明者らはピットの生
成を抑制する方法について種々の検討を重ねた結果、以
下の知見を得ている。
【0015】多重量子井戸構造にアルミニウム(Al)
を含む障壁層を用いると、障壁層に引張り歪みが誘起さ
れることにより、多重量子井戸構造における圧縮歪みの
歪み量が減るため、臨界膜厚値が大きくなること、結晶
中に電場強度が大きいAlが存在することにより、イン
ジウム(In)の拡散が抑制されるため、局所的に偏析
する傾向が強いInの偏析を抑制できること、Alを含
む半導体層、すなわちAlGaN層は面方位が{1−1
01}面の成長速度と(0001)面の成長速度との差
がGaInN層の場合よりも小さいため、ピットの拡大
を抑制できること、井戸層のInの混晶比を0.1以下
とすることにより、多重量子井戸構造の総膜厚が臨界膜
厚を越えなくすることができること、井戸層が有する歪
みベクトルと逆符号の歪みベクトルを障壁層に持たせる
ことにより、多重量子井戸構造における歪み量が小さく
なるため、臨界膜厚値が大きくなること、多重量子井戸
構造の形成時に、ガリウム源としてトリエチルガリウム
(TEG)を用いると、量子井戸構造における面方位が
(0001)面の成長速度と{1−101}面の成長速
度との差が小さくなること、のため、ピットの拡大を抑
制できる。
【0016】また、電子の注入効率を向上させる方法に
ついては以下の知見を得ている。
【0017】多重量子井戸構造に、各井戸層が有する歪
みベクトルと逆符号の歪みベクトルを有する障壁層を用
いると、多重量子井戸構造における歪み量が小さくなる
ため、多重量子井戸構造に誘起されるピエゾ電界が小さ
くなり、電子の各井戸層への注入が均一化する。
【0018】障壁層のうちp型伝導層と隣接する障壁層
にのみAlを含み、p型伝導層と隣接しない障壁層には
Alを含まない構造とすると、井戸層に注入される電子
のp型伝導層へのオーバーフローが防止されるため、電
子の井戸層への注入効率が向上する。
【0019】具体的に、本発明に係る第1の半導体発光
素子は、III −V族化合物半導体からなる半導体発光素
子を対象とし、基板上に、障壁層と該障壁層よりも狭い
禁制帯幅を持つ井戸層とが交互に積層されてなる量子井
戸層を備え、井戸層はIn及びNを含み、障壁層はAl
及びNを含む。
【0020】第1の半導体発光素子によると、障壁層が
Al及びNを含むため、該Alが障壁層に含まれると、
井戸層における圧縮歪みを緩和するために臨界膜厚を越
えた時点で発生するピットに対して、障壁層に引張り歪
みが誘起され、量子井戸層における圧縮歪みの歪み量を
低減できるので、臨界膜厚を大きくできる。また、Al
が障壁層に含まれると、井戸層におけるInの偏析を抑
制でき、さらに面方位が{1−101}面の成長速度と
面方位が(0001)面の成長速度との差がInを含む
井戸層の場合よりも小さいため、ピットの拡大を防ぐこ
とができる。
【0021】第1の半導体発光素子において、障壁層
が、p型伝導層とn型伝導層との間に複数層設けられて
おり、複数の障壁層のうちp型伝導層と隣接する一の障
壁層のアルミニウムの混晶比が、p型伝導層と隣接しな
い他の障壁層のアルミニウムの混晶比よりも大きいこと
が好ましい。このようにすると、p型伝導層と隣接する
一の障壁層は、Alが添加されることによりヘテロ障壁
が大きくなるため、外部から注入された電子が井戸層に
注入されることなくp型伝導層に流れてしまうオーバー
フローを抑制できるので、電子の井戸層への注入効率が
向上する。
【0022】この場合に、p型伝導層と隣接する一の障
壁層におけるアルミニウムの混晶比が、n型伝導層側で
小さく且つp型伝導層側で大きいことが好ましい。この
ようにすると、p型伝導層と隣接する障壁層におけるホ
ールの存在確率を小さくすることができるので、ホール
の井戸層への注入効率をも向上させることができる。
【0023】第1の半導体発光素子において、井戸層が
窒化ガリウムインジウム(GaInN)又は窒化アルミ
ニウムガリウムインジウム(AlGaInN)からな
り、障壁層が窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)
からなることが好ましい。
【0024】本発明に係る第2の半導体発光素子は、II
I −V族化合物半導体からなる半導体発光素子を対象と
し、基板上に、障壁層と該障壁層よりも狭い禁制帯幅を
持つ井戸層とが交互に積層されてなる量子井戸層を備
え、障壁層は井戸層の歪みベクトルと逆符号の歪みベク
トルを有している。
【0025】第2の半導体発光素子によると、障壁層と
井戸層との歪みベクトルが互いに逆符号であるため、量
子井戸構造における歪み量が打ち消されて小さくなる。
これにより、ピットが発生する臨界膜厚が大きくなるだ
けでなく、量子井戸構造に誘起されるピエゾ電界も小さ
くなるので、電子及びホールの各井戸層への注入が均一
化して発光効率が向上する。
【0026】第2の半導体発光素子において、井戸層が
Inを含み、障壁層がAlを含むことが好ましい。
【0027】第1又は第2の半導体発光素子は、量子井
戸層の基板側に設けられる第1の光ガイド層と、量子井
戸層の基板と反対側に設けられる第2の光ガイド層とを
さらに備え、障壁層の禁制帯幅が、第1の光ガイド層及
び第2の光ガイド層の禁制帯幅よりも小さいか又は同等
であることが好ましい。
【0028】また、井戸層のInの混晶比が0よりも大
きく且つ0.1以下であることが好ましい。このように
すると、量子井戸層の総膜厚が臨界膜厚を越えないよう
にできる。
【0029】また、障壁層又は井戸層が不純物としてシ
リコン(Si)を含むことが好ましい。このようにする
と、量子井戸層に生じるInの偏析を防ぐことができ、
発光効率も向上する。
【0030】本発明に係る第3の半導体発光素子は、II
I −V族化合物族窒化物半導体からなる半導体発光素子
を対象とし、基板上に、複数の障壁層と各障壁層よりも
狭い禁制帯幅を持つ井戸層とが交互に積層されてなる量
子井戸層と、基板上に量子井戸層を上下方向から挟むよ
うに形成されたp型伝導層及びn型伝導層とを備え、複
数の障壁層のうち、p型伝導層と隣接する一の障壁層は
アルミニウムを含み、p型伝導層と隣接しない他の障壁
層はアルミニウムを含まない。
【0031】第3の半導体発光素子によると、p型伝導
層と隣接する一の障壁層と、該一の障壁層とp型伝導層
の反対側で隣接する井戸層との間に、Alに起因する大
きなヘテロ障壁が存在するため、電子が井戸層を越えて
p型伝導層にオーバーフローすることを抑制できる。ま
た、電子が井戸層を越えるオーバーフローを抑制する方
向に、ピエゾ電界が誘起されるので、井戸層への電子の
注入効率が確実に向上する。
【0032】第3の半導体発光素子において、井戸層が
Inを含むことが好ましい。
【0033】第3の半導体発光素子において、井戸層が
GaInNからなり、p型伝導層と隣接する障壁層がA
lGaNからなり、他の障壁層がGaInN又はGaN
からなることが好ましい。
【0034】本発明に係る半導体発光素子の製造方法
は、有機金属気相成長法を用いて、基板上に、障壁層と
該障壁層よりも狭い禁制帯幅を持つ井戸層とを交互に積
層することにより、障壁層及び井戸層からなる量子井戸
層を形成するIII −V族化合物半導体からなる半導体発
光素子の製造方法を対象とし、基板上に、第1の原料と
して少なくともガリウム源と窒素源とを用いることによ
り、ガリウム(Ga)及び窒素(N)を含む障壁層を形
成する障壁層形成工程と、障壁層の上に、第2の原料と
して少なくともガリウム源とインジウム源と窒素源とを
用いることにより、Ga、In及びNを含む井戸層を形
成する井戸層形成工程とを備え、障壁層形成工程及び井
戸層形成工程におけるガリウム源はトリエチルガリウム
(TEG)からなる。
【0035】本発明の半導体発光素子の製造方法による
と、障壁層形成工程及び井戸層形成工程において、ガリ
ウム源にTEGを用いているため、量子井戸層における
面方位が(0001)面の成長速度と面方位が{1−1
01}面の成長速度との差が小さくなる。
【0036】本発明の半導体発光素子の製造方法におい
て、障壁層形成工程が、第1の原料がアルミニウム源を
さらに含むことにより、AlGaNからなる障壁層を形
成する工程を有し、井戸層形成工程は、該井戸層形成工
程における井戸層がGaInNからなるか、又は第2の
原料がアルミニウム源をさらに含むことにより、AlG
aInNからなる井戸層を形成する工程を有することが
好ましい。また、井戸層のInの混晶比が0よりも大き
く且つ0.1以下であることが好ましい。
【0037】本発明に係る光ディスク装置は、本発明の
第1〜第3の発明に係る半導体発光素子と、半導体発光
素子が発光する発光光をデータが記録された記録媒体上
に集光する集光光学系装置と、記録媒体からの反射光を
受光する光検出器とを備えている。
【0038】本発明の光ディスク装置において、光検出
器が、発光光の反射光により記録媒体に記録されている
データを読み取ることが好ましい。
【0039】この場合に、光検出器が半導体発光素子の
近傍に設けられていることが好ましい。
【0040】この場合に、光検出器がシリコンからなる
基体の主面上に設けられ、半導体発光素子は基体の主面
上に保持されていることが好ましい。
【0041】この場合に、基体の主面には、側壁にマイ
クロミラーを有する凹部が設けられており、半導体発光
素子が、半導体発光素子からの発光光がマイクロミラー
により反射されて基体の主面に対してほぼ垂直方向に進
むように、基体の凹部の底面上に固着されていることが
好ましい。
【0042】この場合に、マイクロミラーの表面上には
金属薄膜が形成されていることが好ましい。また、この
金属薄膜が金、銀又はアルミニウムからなることが好ま
しい。
【0043】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0044】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導
体発光素子の模式的な断面構成を示している。図1に示
すように、例えば、主面に(0001)面を持つGaN
からなる基板11上には、上面の一部が露出する露出部
を有するn型GaNからなるバッファ層12と、n型A
lGaNからなり、後述する多重量子井戸層にポテンシ
ャル障壁を形成しn型キャリアを閉じ込めるn型クラッ
ド層13と、n型AlGaNからなり、発生した光を閉
じ込めるn型光ガイド層14と、GaInNからなる井
戸層とAlGaNからなる障壁層とが交互に積層されて
なり、n型キャリアとp型キャリアとが再結合発光する
多重量子井戸活性層15と、p型AlGaNからなり、
発生した光を閉じ込めるp型光ガイド層16と、p型A
lGaNからなり、多重量子井戸活性層15にポテンシ
ャル障壁を形成しp型キャリアを閉じ込めるp型クラッ
ド層17と、n型GaNからなり、多重量子井戸活性層
15に効率良く電流を注入するための電流ブロック層1
8と、p型GaNからなり、p側電極との間のオーミッ
ク接触を図るコンタクト層19とが順次形成されてい
る。
【0045】コンタクト層19の上面にはNi/Auか
らなるp側電極20が形成され、バッファ層12の露出
部には、Ti/Alからなるn側電極21が形成されて
いる。
【0046】ここで、基板11の材料は窒化ガリウム
(GaN)に限らず、サファイア(Al23 )、炭化
ケイ素(SiC)、シリコン(Si)、スピネル、硫化
亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)又は砒化ガリウム
(GaAs)等を用いることができる。但し、GaN以
外の材料を基板11に用いる場合には、該基板11がG
aN系半導体結晶に対して異種の材料となるため、該基
板11との格子不整合を緩和することにより高品質なG
aN系半導体結晶を得られるように、GaN等からなる
低温堆積バッファ層を、基板11とバッファ層12との
間に設ける必要がある。
【0047】また、基板11の面方位は、低指数面に限
らず、所定方向に傾斜した基板であってもよく、例え
ば、基板にGaNを用いる場合には、GaNの(000
1)面から晶帯軸が[11−20]方向に2度傾斜した
基板を用いてもよい。また、基板11の導電型について
は、n型、p型又は絶縁性であってもよい。
【0048】本実施形態においては、GaNからなる基
板11上にGaNからなるバッファ層12を設けること
により、高品質なIII 族窒化物半導体レーザ構造となる
各半導体層を成長させることができる。バッファ層12
にGaNを選ぶ理由は、III族窒化物半導体のうちで最
も容易に高品質な結晶が得られるためである。バッファ
層12の膜厚は100nm程度以上であればよい。但
し、本実施形態のように基板11に低抵抗な材料を用い
ない場合には、p側電極20及びn側電極21を共に基
板11の素子形成面側に形成する必要があるため、10
00nm程度以上の膜厚とする。
【0049】AlGaNからなるn型クラッド層13及
びp型クラッド層17は、例えば、Alの混晶比(組成
比)が共に0.09であり、n型クラッド層13の膜厚
は約900nmであり、p型クラッド層17の膜厚は約
600nmである。但し、AlGaNには引張り歪みが
加わるため、クラッド層13、17におけるAlの混晶
比の増加及び膜厚の増加と共に成長中にクラックが発生
しやすいので、例えば、膜厚が約3nmのAl0.18Ga
0.82Nからなる第1層と膜厚が約3nmのGaNからな
る第2層とが対をなす歪み超格子構造を形成することに
より、クラックの発生を防止することが好ましい。さら
に、この場合に、第1層にはn型又はp型の不純物をド
ープし、第2層には不純物をドープしない、いわゆる変
調ドープを行なってもよい。また、AlGaInNから
なる四元混晶を用いることにより、GaNからなる基板
11に格子整合するレーザ構造を形成することができる
ため、クラックの発生はいうに及ばず転位の発生をも抑
制できる。
【0050】AlGaNからなるn型光ガイド層14及
びp型光ガイド層16は、例えば、Alの混晶比が0.
02であり、膜厚は共に100nm程度である。但し、
レーザ構造における光閉じ込め機能は、多重量子井戸活
性層15及びn型及びp型クラッド層13、17の膜厚
及び屈折率等の構成にも関わるため、構成によってはA
lを含まないGaNにより光ガイド層14、16を構成
してもよい。
【0051】以下、第1の実施形態の特徴を有する多重
量子井戸活性層を図面に基づいて説明する。図2は第1
の実施形態に係る多重量子井戸活性層15の詳細な断面
構成を示している。図2に示すように、本実施形態に係
る多重量子井戸活性層15は、基板側から、膜厚が約3
nmでInの混晶比が0.08のGaInNからなる井
戸層151が3層と、各井戸層151の間に形成され、
膜厚が約5nmでAlの混晶比が0.02のAlGaN
からなる障壁層152が2層と、3層目の井戸層151
の上面に形成され、膜厚が約5nmでAlの混晶比が
0.15のAlGaNからなる保護層153とから構成
されている。ここで、保護層153は井戸層151及び
障壁層152を成長した後、最上部の井戸層151のG
aInN結晶から気相中にInが再脱離することを防ぐ
ため、及び発光素子の動作時に電子を活性層に効率良く
注入させるために設けられている。保護層153にはp
型不純物がドープされていることが好ましい。
【0052】井戸層151におけるInの混晶比に応じ
てレーザ光の発振波長を短波長側又は長波長側に制御で
きるが、結晶品質を高品位に維持するという観点からI
nの混晶比は0よりも大きく且つ0.3以下とする。好
ましくは、多重量子井戸活性層15において、Inの組
成が不均一となることを抑制すると共に発振しきい値電
流を低減できるように、Inの混晶比は0よりも大きく
且つ0.2以下とする。さらに、好ましくは、結晶成長
時におけるピットの生成を抑制できるように、Inの混
晶比は0よりも大きく且つ0.1以下とする。また、井
戸層151及び障壁層152は、不純物としてSiがド
ープされていることが好ましい。
【0053】図3に、共振器長が約1mmでリッジ幅が
約5μmの半導体レーザにおける井戸層のIn混晶比と
発振しきい値との関係を示す。図3に示すように、井戸
層151におけるInの混晶比が0.05〜0.1の場
合には、発振しきい値電流が200mAよりも小さくな
っていることが分かる。
【0054】本実施形態に係る多重量子井戸活性層15
は、前述したように結晶成長時のピットの発生を抑制す
ることができると共に、各井戸層151への電子及びホ
ールの注入の均一化と電子の注入効率の向上とを実現さ
せることができる。
【0055】まず、多重量子井戸活性層15における障
壁層152に対してAlを含む構成とすることにより、
障壁層152には井戸層151の圧縮歪みを低減する方
向に引張り歪みが誘起する。このため、ピット発生の臨
界膜厚を大きくできる。従って、大きくなった臨界膜厚
値に、多重量子井戸活性層15の総膜厚値が収まるよう
にすれば、ピットの発生を効果的に抑えることができ
る。
【0056】また、結晶中に電場強度が大きいAlが含
まれるため、該AlがInの拡散を抑制するので、局所
的に偏析する傾向が強いInの偏析を抑制できる。さら
に、AlGaNからなる障壁層152は、面方位が{1
−101}面の成長速度と面方位が(0001)面の成
長速度との差が、GaInNからなる井戸層151の場
合よりも小さいため、ピットが拡大することを防止でき
る。
【0057】図4は本実施形態に係る半導体発光素子の
禁制帯幅のバンドダイアグラムをピエゾ電界を考慮して
示している。図5は障壁層にGaInNを用いる比較用
の半導体発光素子の禁制帯幅のバンドダイアグラムを示
している。図4及び図5において、図1及び図2に示す
各半導体層と対応するエネルギー領域には同一の符号を
付している。図5において多重量子井戸活性層15の全
体にわたって生じている、図面内で強い右下がりのピエ
ゾ電界が、図4においてはAlを含む障壁層152によ
る右上がりの電界が誘起されることによって弱まってい
ることが分かる。これにより、各井戸層151への電子
及びホールの注入が均一化されて発光効率が向上する。
【0058】障壁層152のAl混晶比は、ピットの抑
制効果と電子及びホールの井戸層への均一な注入とのト
レードオフから、0よりも大きくn型及びp型クラッド
層13、17のAlの混晶比以下とする。好ましくは、
0よりも大きくn型及びp型光ガイド層14、16のA
lの混晶比以下とする。すなわち、障壁層152の禁制
帯幅は、n型及びp型光ガイド層14、16の禁制帯幅
よりも狭いか又は同等とする。
【0059】次に、多重量子井戸活性層15における障
壁層152に対してInを含まない構成とすることによ
り、多重量子井戸活性層15に誘起される圧縮歪みの歪
み量をより小さくできる。その上、Inを井戸層151
のみに分離できるので、Inの拡散を抑制し、連続的な
Inの偏析領域の拡大を防止できる。
【0060】さらに、井戸層151におけるInの混晶
比を0.1以下とすることによって、多重量子井戸活性
層15の総膜厚が臨界膜厚を越えなくすることができ
る。
【0061】このとき、臨界膜厚以外の観点からも、以
下に挙げる構成が好ましい。すなわち、井戸層151の
膜厚は発光効率の観点から2nm〜4nm程度が好まし
く、井戸層151の層数はキャリアの均一な注入と利得
の確保との観点から2層から4層程度が好ましい。
【0062】また、多重量子井戸活性層15の結晶成長
時にSiを不純物としてドープすると、Inの偏析を防
ぐことができ、発光効率が向上する。メカニズムは明ら
かではないが、Siのサーファクタント効果によると考
えられる。
【0063】以上説明したように、本実施形態に係る半
導体発光素子によると、井戸層151と障壁層152と
からなる多重量子井戸活性層15において、障壁層15
2をAlGaN結晶で構成することにより、障壁層15
2に引張り歪みが誘起されるため、多重量子井戸活性層
15における圧縮歪みの歪み量を低減できるので、結晶
の臨界膜厚を大きくできる。
【0064】また、井戸層151を構成するGaInN
結晶のInの混晶比を0.1以下とすることにより、多
重量子井戸活性層15の総膜厚が、ピットの発生する臨
界膜厚を越えないようにすることができる。従って、大
きくなった臨界膜厚値に、多重量子井戸活性層15の総
膜厚値が収まるようにすれば、ピットの発生を極めて有
効に防止できる。
【0065】以下、前記のように構成された半導体発光
素子の製造方法について図1及び図2を参照しながら説
明する。ここでは、本実施形態に係る半導体発光素子を
MOVPE法を用いて製造する手順を説明する。
【0066】MOVPE法においては、III 族元素の原
料としてアルキル金属化合物を用いる。III 族元素の原
料のうち、ガリウム源としてトリメチルガリウム(以
下、TMGと略称する。)又はトリエチルガリウム(以
下、TEGと略称する。)を用い、アルミニウム源とし
てトリメチルアルミニウム(以下、TMAと略称す
る。)を用い、インジウム源としてトリメチルインジウ
ム(以下、TMIと略称する。)又はエチルジメチルイ
ンジウム等を用いる。
【0067】また、V族元素の原料となる窒素源として
はアンモニア(NH3 )、ヒドラジン(N24 )等を
用いる。n型不純物を供給するシリコン源としてはシラ
ン(SiH4 )ガス等を用い、p型不純物を供給するマ
グネシウム源としてはビスシクロペンタジエニルマグネ
シウム(以下、Cp2Mgと略称する。)等を用いる。
【0068】まず、主面が(0001)面のGaNから
なる基板11を洗浄し、その後、洗浄した基板11を反
応室内のサセプタ上に保持する。続いて、反応室内を真
空排気した後、圧力が約800×102 Pa(600T
orr)の水素及びアンモニア雰囲気において基板温度
が1030℃で処理時間が10分間の加熱を行なって基
板11の表面クリーニングを行なう。
【0069】次に、基板温度を1000℃に設定し、反
応室にTMGとアンモニアとを、TMGのアンモニアに
対するV族/III 族供給モル比(以下、V/III 比と呼
ぶ。)が5000となるように供給すると共に、Siの
ドーパントとして窒素で希釈したシランガスを供給する
ことにより、図1に示すように、基板11の主面上にキ
ャリア密度が8×1017cm-3で膜厚が約2500nm
のn型GaNからなるバッファ層12を成長させる。こ
のときの成長速度は25nm/分程度である。
【0070】次に、バッファ層12の上に、アルミニウ
ム源であるTMAを新たに供給することにより、膜厚が
約900nmのn型Al0.1 Ga0.9 Nからなるn型ク
ラッド層13を成長させ、続いて、膜厚が約100nm
のn型Al0.02Ga0.98Nからなるn型光ガイド層14
を成長させる。ここで、AlGaNにおけるAlの混晶
比は、Alの固相比がAlの気相比とほぼ一致するため
容易に制御できる。
【0071】次に、図2に示すように、基板温度を80
0℃程度にまで下げ、窒素をキャリアガスとして、III
族源のTEG、TMA及びTMIとV族源のアンモニア
とを反応室に供給することにより、n型光ガイド層14
の上に、膜厚が約3nmのGa0.92In0.08Nからなる
井戸層151と膜厚が約5nmのAl0.02Ga0.98Nか
らなる障壁層152と、膜厚が約5nmのAl0.15Ga
0.85Nからなる保護層153との積層構造からなる多重
量子井戸活性層15を成長させる。このときの各半導体
層の成長速度は1nm/分程度である。また、各半導体
層の原料の供給条件として、井戸層151は、TMIの
気相比が0.7でV/III 比が50000であり、障壁
層152はTMAの気相比が0.02でV/III 比が2
00000であり、保護層153はTMAの気相比が
0.15でV/III 比が190000である。なお、保
護層153は900℃程度の比較的高い温度で成長させ
ることが好ましい。
【0072】本実施の形態に係る製造方法は、ガリウム
源にTEGを用いていることを特徴とする。TEGはT
MGよりも分解温度が低いため、成長表面においてアル
キル基が結合していないGa原子が存在する割合が高く
なる。さらに、アルキル基が結合していないGa原子の
表面拡散長は、アルキル基と結合したGa分子の表面拡
散長よりも長い。また、アルキル基が結合していないG
a原子は結晶表面における選択成長性が低い。これらに
よって、ガリウム源にTEGを用いると、面方位が(0
001)面の成長速度と{1−101}面の成長速度と
の差が小さくなるので、ピットの拡大を抑制できる。
【0073】次に、図1に示すように、基板温度を再度
1000℃にまで昇温した後、水素をキャリアガスとし
て、III 族源のTMG及びTMAとV族源のアンモニア
とを反応室に供給すると共に、Mgのドーパントである
Cp2 Mgを供給することにより、多重量子井戸活性層
15の上に、膜厚が約100nmのp型AlGaNから
なるp型光ガイド層16を成長させる。続いて、p型光
ガイド層16の上に、膜厚が約600nmのp型AlG
aNからなるp型クラッド層17を成長させる。その
後、各原料ガスの供給を止めて、基板11の温度を室温
にまで下げる。
【0074】以上の結晶成長工程により得られた半導体
ウェハ(エピタキシャル基板)に対して所定の加工を行
なうことにより単一モードレーザ素子を形成する。すな
わち、エピタキシャル成長基板に対して、フォトリソグ
ラフィー工程、ドライエッチング工程、埋め込み再成長
工程、電極蒸着工程、劈開工程及び実装工程等のプロセ
スを順次行なう。
【0075】まず、フォトリソグラフィー工程及びドラ
イエッチング工程において、p型クラッド層17の上に
幅3μmのストライプ形状のSiO2 からなるマスクパ
ターンを形成する。形成されたマスクパターンを用い
て、p型クラッド層17がリッジ部を持つように該p型
クラッド層17に対して深さが500nm程度となるま
でドライエッチングを行なう。
【0076】次に、埋め込み再成長工程において、p型
クラッド層17にリッジ部が形成された基板11を再度
MOVPE装置の反応室に投入し、p型クラッド層17
におけるリッジ部の側方の領域が充填されるようにn型
GaNからなる電流ブロック層18を該リッジ部の側方
の領域に選択成長させる。
【0077】次に、基板11を反応室から取り出し、マ
スクパターンを除去した後、再度、反応室に戻して、p
型クラッド層17のリッジ部を含む電流ブロック層18
の上面に、膜厚が約300nmでキャリア密度が8×1
17cm-3のp型GaNからなるコンタクト層19を成
長させる。
【0078】各p型半導体層のp型不純物であるMgア
クセプタの活性化処理は、反応室内で行なってもよく、
反応室から基板11を取り出して別の熱処理炉で行なっ
てもよく、また、電極蒸着工程におけるシンタリング処
理と同時に行なってもよい。このときの熱処理条件は、
例えば、窒素雰囲気において加熱温度が約600℃で加
熱時間が20分間程度とする。
【0079】次に、電極蒸着工程において、コンタクト
層19の上面におけるp型クラッド層17のリッジ部の
上方に、例えば、膜厚が10nmのニッケル(Ni)か
らなる導体膜と、膜厚が約300nmの金(Au)から
なる導体膜とが順次積層されてなるp側電極20を蒸着
法を用いて選択的に形成する。
【0080】次に、p側電極形成領域にマスクパターン
を形成し、形成されたマスクパターンを用いてエピタキ
シャル層に対してドライエッチングを行なってバッファ
層12の一部の領域を露出させる。露出した領域に、例
えば、チタン(Ti)からなる導体膜と、Alからなる
導体膜とが順次積層されてなるn側電極21を蒸着法を
用いて選択的に形成する。
【0081】次に、劈開及び実装工程において、p側及
びn側電極20、21が形成された基板11に対して、
共振器長が例えば500μm程度となるように劈開を行
ない、その後、共振器における出射端面と反射端面とに
適当な端面コーティングを施す。さらに、素子ごとに分
割されたレーザ素子をヒートシンクに、該ヒートシンク
の実装面とレーザ素子の電極形成面とを対向させる、い
わゆるジャンクションダウン方式で実装する。
【0082】このようにして得られる半導体発光素子の
多重量子井戸活性層15において、多重量子井戸活性層
15を形成した直後の結晶表面について、走査電子顕微
鏡及び原子間力顕微鏡を用いて、その表面モフォロジー
を観察したところ、ピットの密度が従来のGaInN/
GaInNからなる多重量子井戸層において観察される
ピットの密度に比べて2〜3桁減少していることを確認
している。
【0083】以上説明したように、本実施形態に係る製
造方法によると、多重量子井戸活性層15を成長させる
際に、ガリウム源にTEGを用いるため、TMGを用い
る場合と比べて、面方位が(0001)面の成長速度と
{1−101}面の成長速度との差が小さくなるので、
成長中の結晶表面に発生するピットが拡大することを抑
制できる。
【0084】なお、本実施形態においては、多重量子井
戸活性層15における井戸層151にGaInNを用
い、障壁層152にAlGaNを用いたが、これに限ら
ず、井戸層151に例えばAlGaInN等の混晶を用
いてもよく、また障壁層152に例えばAlGaInN
等の混晶を用いても、ピットの形成を抑制する効果があ
る。
【0085】また、III 族元素としてホウ素(B)を含
んでもよく、V族元素として窒素(N)以外にヒ素(A
s)又はリン(P)等を含む窒化物系半導体であっても
同様の効果を得ることができる。
【0086】また、本実施形態においては、MOVPE
法を用いた結晶成長工程において、反応室内の圧力とし
て、1気圧(=1013×102 Pa)よりもわずかに
低圧の約800×102 Paとしたが、反応圧力は本発
明には影響を与えず、従って、他の圧力としても同様の
効果を得られる。
【0087】なお、多重量子井戸活性層15における井
戸層151と障壁層152との各組成及び膜厚を適当に
選ぶことにより、井戸層151に誘起される圧縮歪みを
障壁層152に誘起する引っ張り歪みで完全に打ち消
し、多重量子井戸活性層15全体で無歪みとすることも
できる。
【0088】また、本実施形態の第1の変形例として、
図6に示す多重量子井戸活性層15において、1、2層
目の障壁層152のAl混晶比を例えば0.02とし、
p型伝導層である保護層153と3層目の井戸層151
との間にAlの混晶比が例えば0.07の3層目の障壁
層152Aを設けてもよい。このようにすると、図7の
バンド図に示すように、3層目の障壁層152Aにおけ
る伝導帯の下端のエネルギー(Ec)が、2層目の障壁
層152よりも大きくなるため、この3層目の障壁層1
52Aのヘテロ障壁により、外部から注入される電子が
井戸層151を越えてp型伝導層へオーバーフローする
ことを抑制でき、井戸層151への電子の注入効率を向
上させることができる。
【0089】さらには、第2変形例として、例えば、図
6において、3層目の障壁層152のAlの混晶比を、
井戸層151側で0.02、p型の保護層153側で
0.07となるよう徐々に大きくしてもよい。このよう
にすると、図8のバンド図に示すように、井戸層151
への電子の注入効率を向上させられるだけでなく、3層
目の障壁層152Aにおける価電子帯の上端のエネルギ
ー(Ev)が保護層153側で小さく、井戸層151側
で大きくなるため、3層目の障壁層152におけるホー
ルの存在確率を低減できるので、井戸層151へのホー
ルの注入効率も向上させられるようになる。
【0090】以上説明したように、本実施形態による
と、多重量子井戸活性層15に生ずるピットの生成が抑
制されると共に、多重量子井戸活性層15への電子及び
ホールの注入効率が向上するため、レーザ発振時のしき
い値が低く、且つ、長寿命となる等の信頼性が高い半導
体レーザ素子を得ることができ、これを光ディスク装置
の発光素子として組み込むことができる。
【0091】また、本実施形態に係る発明は、半導体発
光素子だけでなく、本発明と同等の構成により得られる
ヘテロ接合を有するヘテロ接合電界効果トランジスタ等
の高移動度電子素子にも適用でき、その結果、ヘテロ接
合部に生じるピットを抑制できることにより、電子の移
動度を向上させることができる。
【0092】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0093】図9は本発明の第2の実施形態に係る半導
体発光素子の模式的な断面構成を示している。図9にお
いて、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の
符号を付すことにより説明を省略する。図9に示す、本
実施形態に係る半導体発光素子において、n型クラッド
層13上に形成されているn型光ガイド層24がn型G
aNからなり、n型光ガイド層24上の多重量子井戸活
性層25はGaInNからなる井戸層とGaN又はAl
GaNからなる障壁層とが交互に積層されてなり、多重
量子井戸活性層25上のp型光ガイド層26はp型Ga
Nにより構成されている。
【0094】図10は本実施形態に係る多重量子井戸活
性層25の詳細な断面構成を示している。図10に示す
ように、基板側から、膜厚が約3nmでInの混晶比が
0.08のGaInNからなる井戸層251が3層と、
膜厚が約5nmで各井戸層151と交互に形成される第
1及び第2の障壁層252、第3の障壁層252Aと、
第3の障壁層252Aの上面に形成され、膜厚が約5n
mでAlの混晶比が0.15のAlGaNからなる保護
層253とから構成されている。
【0095】ここで、第1及び第2の障壁層252の組
成は、例えばGaNであり、第3の障壁層252Aの組
成は、例えばAlの混晶比が0.04のAlGaNであ
る。
【0096】このようにすると、図11のバンド図に示
すように、保護層253と3層目の井戸層251との間
に、保護層253よりも組成が小さいAlを含む第3の
障壁層252Aが設けられていることにより、第3の障
壁層252Aに含まれるAlに起因する第1及び第2の
障壁層252よりも大きいヘテロ障壁が存在する。この
ため、外部から注入される電子が井戸層251を越える
オーバーフローを抑制できる。さらに、電子のオーバー
フローを抑制する方向にピエゾ電界も誘起されるため、
各井戸層251への電子の注入効率が向上する。
【0097】また、一変形例として、例えば、第3の障
壁層252AのAlの混晶比を、井戸層251側で0と
し、保護層253側で0.04となるよう徐々に大きく
してもよい。このようにすると、各井戸層251への電
子の注入効率が向上するだけでなく、第3の障壁層25
2Aにおけるホールの存在確率を下げることができるの
で、各井戸層251へのホールの注入効率も向上する。
【0098】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0099】図12は本発明の第3の実施形態に係る光
ディスク装置の構成を模式的に表わしている。本実施形
態に係る光ディスク装置は、本発明の半導体発光素子を
光ディスク装置の発光部に用いている。図12に示すよ
うに、光ディスク装置には、キャンにレーザチップが実
装されてなる半導体レーザ素子41のレーザ出射部と、
所望のデータが記録された記録媒体である光ディスク5
0のデータ保持面とが互いに対向するように設けられ、
半導体レーザ素子41と光ディスク50との間には集光
光学系装置としての集光光学部40Aが設けられてい
る。
【0100】集光光学部40Aは、半導体レーザ素子4
1側から順に設けられた、半導体レーザ素子41から出
射される出射光51を平行光とするコリメータレンズ4
2と、平行光を3本のビーム(図示せず)に分割する回
折格子43と、出射光51を透過し且つ光ディスク50
からの反射光52の光路を変更するハーフプリズム44
と、3本のビームを光ディスク50上に集光させる集光
レンズ45とを有している。ここでは、発光光51とし
て波長が約405nmのレーザ光を用いている。
【0101】光ディスク50上に集光された3本のビー
ムは直径がそれぞれ0.8μm程度のスポット形状とな
る。この3つのスポットの位置によって検出される光デ
ィスク50の半径方向の位置ずれを、集光レンズ45を
適当に移動させることにより修正する駆動系回路46が
設けられている。
【0102】ハーフプリズム44からの反射光52の光
路上には反射光52を絞る受光レンズ47と、焦点の位
置ずれを検出するシリンドリカルレンズ48と、集光さ
れた反射光52を電気信号に変換する光検出器としての
フォトダイオード素子49とが設けられている。
【0103】このように、半導体レーザ素子41からの
発光光51を光ディスク50に導く集光光学部40A、
及び光ディスク50により反射した反射光52を受光す
るフォトダイオード素子49とを備えた光ディスク装置
に、青色レーザ光を安定して確実に発光できる本発明の
半導体発光素子を適用すれば、記録密度が高い高密度光
ディスク50に記録されたデータの読み出し(再生)を
行なうことができる。
【0104】なお、レーザチップに自励発振特性を付与
しておくと、低出力時にレーザチップへの戻り光の影響
を受け難くなり、S/N比が向上するため、情報の読み
出し精度が向上するので好ましい。このように自励発振
特性を付加した場合には、半導体レーザ素子41に戻り
光の影響を低減するための高周波回路等を付加する必要
がなくなるため、装置の構成が簡単となって装置の小型
化を容易に図れるようになる。
【0105】さらに、本実施形態に係る光ディスク装置
は、レーザ光の出力が25mW程度の高出力動作も可能
となるため、光ディスク50へデータの書き込み動作、
すなわち記録動作をも行なえる。これにより、1つの半
導体レーザ素子41により再生動作と記録動作とを行な
えると共に、簡単な構成で優れた特性を持つ光ディスク
装置を実現できる。
【0106】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0107】図13は本発明の第4の実施形態に係る光
ディスク装置の構成を模式的に表わしている。本実施形
態に係る光ディスク装置は、本発明の半導体発光素子を
光ディスク装置の発光部に用いている。さらに、レーザ
チップ、光信号検出用フォトダイオード素子、及びレー
ザチップから出射されるレーザ光の光路を変更するマイ
クロミラーをシリコン(Si)からなる基体又は基板上
に設けることにより、小型化及び薄型化を図っている。
ここでは、レーザチップ、フォトダイオード及びマイク
ロミラーを併せてレーザユニットと呼ぶ。
【0108】図13に示すように、光ディスク装置に
は、レーザユニット61のレーザ出射部と、所望のデー
タが記録された記録媒体である光ディスク50のデータ
保持面とが互いに対向するように設けられ、レーザユニ
ット61と光ディスク50との間には集光光学系装置と
しての集光光学部40Bが設けられている。
【0109】集光光学部40Bは、レーザユニット61
側から順に、発光光51が入射する第1の入射面に形成
され、発光光51を3本のビームに分割するグレーティ
ング(格子)パターンと、光ディスク50からの反射光
52が入射する第2の入射面に形成され、ディスク面に
対して平行な方向に±1次光として集光及び発散作用を
付加して回折するホログラムパターンとを有するホログ
ラム素子62と、円偏光と直線偏光とを相互に変換する
1/4波長板63と、発光光51を光ディスク50の情
報トラック上に集光する対物レンズ64とを有してい
る。また、集光光学部40Bの側方には発光光51及び
反射光52の位置ずれを修正するアクチュエータ65が
設けられている。
【0110】図14は本実施形態に係るレーザユニット
61の構成を示している。図14に示すように、レーザ
ユニット61は、Siからなる1つの基板71上に形成
されている。基板71の主面上には凹部71aが設けら
れ、該凹部71aの底面上には本発明のレーザチップ7
2が半田材等により固着されている。凹部71aにおけ
るレーザチップ72の出射端面側の側壁には、基板71
の主面に対して45°の角度をなすマイクロミラー73
が設けられている。これにより、レーザチップ72から
出射される発光光51は、マイクロミラー73により反
射されて基板71の主面に対してほぼ垂直に進行する。
ここで、マイクロミラー73はSiの面方位の(11
1)面を用いることが好ましい。このSiの(111)
面は異方性エッチングにより容易に得られると共に化学
的に安定な面であるため、光学的に平坦な面が得られや
すい。また、この(111)面は(100)面と正確に
54°の角度をなすので、(100)面から[110]
方向へ9°だけ傾斜した基板71を用いることにより、
基板71の主面と45°をなす壁面を確実に得ることが
できる。
【0111】基板71の凹部71aの壁面のうち、マイ
クロミラー73と対向し且つ基板面との角度が63°を
なす壁面には、レーザチップ72の反射端面から若干出
射されるレーザ光からレーザチップの出力値をモニタす
る出力モニタ用フォトダイオード素子74が形成されて
いる。なお、マイクロミラー73の表面はシリコンのま
までもよく、さらには、レーザ光の利用効率を向上を図
るために、凹部71aの壁面にレーザ光の反射率が高く
且つ吸収率が低いAu、Ag又はAl等の金属薄膜を蒸
着してもよい。
【0112】基板71の上部におけるマイクロミラー7
3の反射面と平行な方向であって該マイクロミラー73
を互いに挟む領域には、反射光52を受光する光検出器
としての第1のフォトダイオード素子75A及び第2の
フォトダイオード素子75Bが、半導体バルクとしての
基板71に直接形成されている。また、各フォトダイオ
ード素子75A、75Bはマイクロミラー73の反射面
と平行な方向に延びるようにそれぞれ5分割されてい
る。
【0113】図15はホログラム素子62の断面構成と
素子の動作とを示している。図15に示すように、ホロ
グラム素子62は、前述したように、マイクロミラー上
の実質的な発光位置73aからの発光光51を受ける第
1の入射面62aにグレーティングパターン62gを有
し、第1の入射面62aと反対側の面であり反射光52
を受ける第2の入射面62bにホログラムパターン62
hを有している。ここでは、ホログラム素子62に入射
される反射光52のうち、第1のフォトダイオード素子
75A側に回折される第1の回折光52aが第1のフォ
トダイオード素子75Aの受光面の前方に焦点を結ぶビ
ームとなり、第2のフォトダイオード素子75B側に回
折される第2の回折光52bが第2のフォトダイオード
素子75Bの受光面の後方に焦点を結ぶビームとなるこ
とを表わしている。
【0114】図16(a)は本実施形態に係るレーザユ
ニットの平面構成を模式的に表わしている。図16
(a)において、図14に示す構成要素と同一の構成要
素には同一の符号を付している。図16(a)に示すよ
うに、各フォトダイオード素子75A、75Bは、5分
割された受光領域のうち、中央部分の3つの領域に、3
本のビーム状の反射光(回折光)52のうちの中央の1
本を受け、残りの両側部の領域に残りの2本のビーム状
の反射光(回折光)52をそれぞれ1本ずつ受ける。
【0115】以下、トラッキングエラー信号、フォーカ
スエラー信号、及び光ディスクに記録されている情報信
号の各検出方法の概略を説明する。
【0116】トラッキングエラー信号(TES)は、図
16(a)に示すように、第1のフォトダイオード素子
75Aの両側部の領域に受光する信号強度をT1及びT
2とし、第2のフォトダイオード素子75Bの両側部の
領域に受光する信号強度をT3及びT4とすると、次の
算出式(1)により求められる。
【0117】 TES=(T1−T2)+(T3−T4) …(1) フォーカスエラー信号(FES)は、図16(b)に示
すように、第1のフォトダイオード素子75Aの中央部
分の3本の領域に受光する信号強度を図面の上から順に
S1、S2及びS3とし、同様に、第2のフォトダイオ
ード素子75Bの中央部分の3本の領域に受光する信号
強度を順にS4、S5及びS6とすると、次の算出式
(2)により求められる。
【0118】 FES=(S1+S3+S5)−(S2+S4+S6) …(2) 算出式(2)の値が0となるように、図13に示すアク
チュエータ65を駆動させて対物レンズ64を光ディス
ク50の情報トラックに追従させる。
【0119】ここで、図16(b)は、FES=0の場
合を示し、フォーカスエラーが生じていない状態を表わ
している。図16(c)及び図16(d)はいずれもF
ESが0とならず、フォーカスエラーが生じている状態
を表わしている。
【0120】また、情報信号(RFS)も、以下の算出
式(3)により求められる。
【0121】 RFS=(S1+S3+S5)−(S2+S4+S6) …(3) 本実施形態によると、図14に示すレーザユニット61
を用いることにより、光ディスク装置の小型化及び薄型
化を実現できる。さらに、本実施形態に係る光ディスク
装置を製造する際にも、主面上に、各フォトダイオード
75A、75B、凹部71a及び該凹部71aの一側壁
にマイクロミラー73が形成されたSiからなる基板7
1をあらかじめ用意しておき、基板71の凹部71aの
底面上にレーザチップ72をボンディングするだけで組
み立てが完成するため、製造工程が簡略化でき、且つ、
歩留まりも高くできる。
【0122】
【発明の効果】本発明に係る半導体発光素子によると、
III −V族化合物半導体からなる量子井戸層に生じるピ
ットの発生密度を大幅に低減できると共に、量子井戸層
の障壁層に挟まれた井戸層への電子及びホールの注入が
均一化することにより、注入効率を高めることができ
る。これにより、素子の発光効率が向上し、しきい値電
流が低減するため、発光素子の信頼性が大きく向上す
る。
【0123】さらに、本発明の半導体発光素子を搭載し
た光ディスク装置によると、光出力部である発光素子に
高信頼性を得られるため、記録密度が高い高密度光ディ
スクを扱える装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子
を示す模式的な構成断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子
における多重量子井戸活性層の詳細構成を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子
における井戸層のInの混晶比に対する発振しきい値電
流の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子
における禁制帯幅を示すエネルギーバンド図である。
【図5】障壁層にアルミニウムを含まない比較用の半導
体発光素子における禁制帯幅を示すエネルギーバンド図
である。
【図6】本発明の第1の実施形態の第1及び第2変形例
に係る半導体発光素子における多重量子井戸活性層の詳
細構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半
導体発光素子における禁制帯幅を示すエネルギーバンド
図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半
導体発光素子における禁制帯幅を示すエネルギーバンド
図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子
を示す模式的な構成断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素
子における多重量子井戸活性層の詳細構成を示す断面図
である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素
子における禁制帯幅を示すエネルギーバンド図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装
置を示す模式的な構成図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る光ディスク装
置を示す模式的な構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る光ディスク装
置におけるレーザユニットを示す斜視図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る光ディスク装
置におけるホログラム素子を示す模式的な構成断面図で
ある。
【図16】(a)は本発明の第4の実施形態に係る光デ
ィスク装置におけるレーザユニットを示す模式的な平面
図である。(b)〜(d)は本発明の第4の実施形態に
係る光ディスク装置におけるレーザユニットのフォトダ
イオード素子が信号光を受光する様子を示す模式的な平
面図である。
【符号の説明】
11 基板 12 バッファ層 13 n型クラッド層 14 n型光ガイド層 15 多重量子井戸活性層 15A 多重量子井戸活性層 151 井戸層 152 障壁層 152A 障壁層 153 保護層 16 p型光ガイド層 17 p型クラッド層 18 電流ブロック層 19 コンタクト層 20 p側電極 21 n側電極 24 n型光ガイド層 25 多重量子井戸活性層 251 井戸層 252 第1の障壁層 252 第2の障壁層 252A 第3の障壁層 253 保護層 26 p型光ガイド層 40A 集光光学部(集光光学系装置) 40B 集光光学部(集光光学系装置) 41 半導体レーザ素子 42 コリメータレンズ 43 回折格子 44 ハーフプリズム 45 集光レンズ 46 駆動系回路 47 受光レンズ 48 シリンドリカルレンズ 49 フォトダイオード素子(光検出器) 50 光ディスク 51 発光光 52 反射光 52a 第1の回折光 52b 第2の回折光 61 レーザユニット 62 ホログラム素子 62a 第1の入射面 62b 第2の入射面 62g グレーティングパターン 62h ホログラムパターン 63 1/4波長板 64 対物レンズ 71 基板(基体) 71a 凹部 72 レーザチップ 73 マイクロミラー 73a 発光位置 74 出力モニタ用フォトダイオード 75A 第1のフォトダイオード素子(光検出器) 75B 第2のフォトダイオード素子(光検出器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 明彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木戸口 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 政勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伴 雄三郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D119 AA02 AA38 AA40 CA10 FA17 JA57 KA02 KA04 LB05 LB07 5F073 AA51 AA74 AA89 AB15 AB25 AB27 AB29 BA06 CA02 CA07 CA17 CB18 DA05 DA35 EA23 EA24 EA29 FA02 FA13 FA16

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III −V族化合物族窒化物半導体からな
    る半導体発光素子であって、 基板上に、複数の障壁層と各障壁層よりも狭い禁制帯幅
    を持つ井戸層とが交互に積層されてなる量子井戸層と、 前記基板上に前記量子井戸層を上下方向から挟むように
    形成されたp型伝導層及びn型伝導層とを備え、 前記複数の障壁層のうち、前記p型伝導層と隣接する一
    の障壁層はアルミニウムを含み、前記p型伝導層と隣接
    しない他の障壁層はアルミニウムを含まないことを特徴
    とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記量子井戸層の前記基板側に設けられ
    た第1の光ガイド層と、前記量子井戸層の前記基板と反
    対側に設けられた第2の光ガイド層とをさらに備え、 前記第1の光ガイド層又は第2の光ガイド層はアルミニ
    ウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体発
    光素子。
  3. 【請求項3】 前記井戸層はインジウムを含むことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記井戸層は窒化ガリウムインジウムか
    らなり、 前記一の障壁層は窒化アルミニウムガリウムからなり、
    前記他の障壁層は窒化ガリウムインジウム又は窒化ガリ
    ウムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記井戸層のインジウムの混晶比は、0
    よりも大きく且つ0.1以下であることを特徴とする請
    求項3又は4に記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記障壁層は不純物としてシリコンを含
    むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記井戸層は不純物としてシリコンを含
    むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 有機金属気相成長法を用いて、基板上
    に、障壁層と該障壁層よりも狭い禁制帯幅を持つ井戸層
    とを交互に積層することにより、前記障壁層及び井戸層
    からなる量子井戸層を形成するIII −V族化合物半導体
    からなる半導体発光素子の製造方法であって、 前記基板上に、第1の原料として少なくともガリウム源
    と窒素源とを用いることにより、ガリウム及び窒素を含
    む障壁層を形成する障壁層形成工程と、 前記障壁層の上に、第2の原料として少なくともガリウ
    ム源とインジウム源と窒素源とを用いることにより、ガ
    リウム、インジウム及び窒素を含む井戸層を形成する井
    戸層形成工程とを備え、 前記障壁層形成工程及び井戸層形成工程における前記ガ
    リウム源はトリエチルガリウムからなることを特徴とす
    る半導体発光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記障壁層形成工程は、前記第1の原料
    がアルミニウム源をさらに含むことにより、窒化アルミ
    ニウムガリウムからなる障壁層を形成する工程を有し、 前記井戸層形成工程は、該井戸層形成工程における前記
    井戸層が窒化ガリウムインジウムからなるか、又は前記
    第2の原料がアルミニウム源をさらに含むことにより、
    窒化アルミニウムガリウムインジウムからなる井戸層を
    形成する工程を有することを特徴とする請求項8に記載
    の半導体発光素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記井戸層のインジウムの混晶比は、
    0よりも大きく且つ0.1以下であることを特徴とする
    請求項8又は9に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 半導体発光素子と、 前記半導体発光素子が発光する発光光をデータが記録さ
    れた記録媒体上に集光する集光光学系装置と、 前記記録媒体からの反射光を受光する光検出器とを備
    え、 前記半導体発光素子は、基板上に、複数の障壁層と各障
    壁層よりも狭い禁制帯幅を持つ井戸層とが交互に積層さ
    れてなる量子井戸層と、前記基板上に前記量子井戸層を
    上下方向から挟むように形成されたp型伝導層及びn型
    伝導層とを有し、 前記複数の障壁層のうち、前記p型伝導層と隣接する一
    の障壁層はアルミニウムを含み、前記p型伝導層と隣接
    しない他の障壁層はアルミニウムを含まないことを特徴
    とする光ディスク装置。
  12. 【請求項12】 前記光検出器は、前記発光光の反射光
    により前記記録媒体に記録されているデータを読み取る
    ことを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
  13. 【請求項13】 前記光検出器は、前記半導体発光素子
    の近傍に設けられていることを特徴とする請求項11に
    記載の光ディスク装置。
  14. 【請求項14】 前記光検出器はシリコンからなる基体
    の主面上に設けられ、前記半導体発光素子は前記基体の
    主面上に保持されていることを特徴とする請求項13に
    記載の光ディスク装置。
  15. 【請求項15】 前記基体の主面には、側壁にマイクロ
    ミラーを有する凹部が設けられており、 前記半導体発光素子は、前記半導体発光素子からの発光
    光が前記マイクロミラーにより反射されて前記基体の主
    面に対してほぼ垂直方向に進むように、前記基体の凹部
    の底面上に固着されていることを特徴とする請求項14
    に記載の光ディスク装置。
  16. 【請求項16】 前記マイクロミラーの表面上には金属
    薄膜が形成されていることを特徴とする請求項15に記
    載の光ディスク装置。
  17. 【請求項17】 前記金属薄膜は金、銀又はアルミニウ
    ムからなることを特徴とする請求項16に記載の光ディ
    スク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007073630A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Matsushita Electric Works Ltd 半導体発光素子およびそれを用いた照明装置

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