JP2003036523A - 磁気転写用マスター担体 - Google Patents

磁気転写用マスター担体

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JP2003036523A
JP2003036523A JP2002140331A JP2002140331A JP2003036523A JP 2003036523 A JP2003036523 A JP 2003036523A JP 2002140331 A JP2002140331 A JP 2002140331A JP 2002140331 A JP2002140331 A JP 2002140331A JP 2003036523 A JP2003036523 A JP 2003036523A
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Shoichi Nishikawa
正一 西川
Michifumi Aoki
理史 青木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気転写用マスター担体を用いた磁気転写にお
いて、スレーブ媒体に転写される磁気情報の信号抜けの
発生を防止する。 【解決手段】 長さ50mm、任意の幅、厚みdの短冊形
状のものでの振動リード法により求められるヤング率E
を用い、幅b=1m・任意の長さの試料片についての
「曲げ堅さ=Ebd3/12」の式に代入して得られる値
が0.03N・m2以上、27N・m2以下の範囲内であるよう
な基体および厚みのマスター担体を用いて磁気転写を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に情
報を転写するためのパターン状の磁性層を備えた磁気転
写用マスター担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体においては一般に、情報量
の増加に伴い、多くの情報を記録する大容量で、安価
で、かつ、好ましくは短時間で必要な箇所が読み出せ
る、いわゆる高速アクセスが可能な媒体が望まれてい
る。それらの一例としてハードディスク装置やフレキシ
ブルディスク装置に用いられる高密度磁気記録媒体(磁
気ディスク媒体)が知られ、その大容量化を実現するた
めには、狭いトラック幅を正確に磁気ヘッドが走査し、
高いS/N比で信号を再生する、いわゆるトラッキング
サーボ技術が大きな役割を担っている。このトラッキン
グサーボを行うために、磁気ディスク中に、トラッキン
グ用のサーボ信号、アドレス情報信号、再生クロック信
号等が、いわゆるプリフォーマットとして記録されてい
る。
【0003】このプリフォーマットを正確にかつ効率よ
く行う方法として、マスター担体が担持するサーボ信号
等の情報を磁気記録媒体へ磁気的に転写する磁気転写方
法が特開昭63−183623号公報、特開平10−4
0544号公報、特開平10−269566号公報等に
開示されている。
【0004】この磁気転写は、磁気記録媒体(スレーブ
媒体)に転写すべき情報に対応する凹凸パターンを有す
るマスター担体を用意し、このマスター担体とスレーブ
媒体を密着させた状態で、転写用磁界を印加することに
より、マスター担体の凹凸パターンが担持する情報(例
えばサーボ信号)に対応する磁気パターンをスレーブ媒
体に転写するもので、マスター担体とスレーブ媒体との
相対的な位置を変化させることなく静的に記録を行うこ
とができ、正確なプリフォーマット記録が可能であり、
しかも記録に要する時間も極めて短時間であるという利
点を有している。
【0005】上記磁気転写における転写品質を高めるた
めには、マスター担体とスレーブ媒体の面間隔を一様な
ものとする必要があり、全面に亘って一様な距離を保つ
のが困難であるために両者を密着させるようにするのが
一般的である。なお、この密着時にも全面にわたってい
かに一様に密着させるかが重要である。つまり一部にで
も密着不良な部分があると、その部分が磁気転写が起こ
らない領域となり、磁気転写が起こらないとスレーブ媒
体に転写された磁気情報に信号抜けが発生して信号品位
が低下し、記録した信号がサーボ信号の場合にはトラッ
キング機能が十分に得られずに信頼性が低下するという
問題が生じる。
【0006】密着性向上の手段として、特開平7−78
337号公報には、マスター担体の背面全体を弾性体に
よる圧接手段で均等な圧力で押圧してスレーブ媒体とマ
スター担体との密着性を高めるようにした技術が開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常マ
スター担体はリソグラフィー法、スタンパー法等を用い
て作製され、これらの方法で作製されたマスター担体
は、数十ミクロンから数百ミクロン程度の反りを有して
いるために、全面に亘って均一な圧力を印加することが
困難であることがわかった。
【0008】そこで、マスター担体の反りを矯正し、平
坦なマスター担体面を実現して全面に対して均一な圧力
を印加するために、本出願人は、特願2001-144296にお
いて、マスター担体用ステージに真空吸引システムを導
入し、マスター担体の平坦化を行う磁気転写装置を提案
している。
【0009】しかしながら、同様の反りを有するマスタ
ー担体を用いた場合にも個々のマスター担体によって平
坦性に優劣が生じ、十分に平坦化ができないものがある
ことが明らかになった。
【0010】本発明は上記事情に鑑み、磁気転写におけ
る信号抜けを低減して信号品質を向上させることができ
る磁気転写用マスター担体および磁気転写方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気転写用マス
ター担体は、磁気記録媒体の磁性層に対して情報を転写
するためのパターン状の磁性層を有する磁気転写用マス
ター担体であって、該磁気転写用マスター担体のヤング
率E、厚みdにより規定され、試料片幅1mと定義した
場合の曲げ堅さ=Ed3/12が、0.03N・m2以上、27N
・m2以下の範囲であることを特徴とするものである。
【0012】なお、ここで、ヤング率は、振動リード法
により測定して得られる値を用いる。マスター担体から
長さL=50mm、厚みdの短冊状の試料を切り出し、一
端を固定する。この一端を固定した状態で短冊状試料に
対して振動を与え、共鳴周波数fを測定する。ヤング率
Eは共鳴周波数fと E=3ρf2(4πL2/αd)2 の関係にあることが知られており、この関係式からヤン
グ率Eを算出する。なおここで、ρは密度、αは定数
(1.875)である。このヤング率Eと、試料片幅b、試
料厚dを、 曲げ堅さ=Ebd3/12 の式に代入することにより、曲げ堅さの値が得られる。
本発明は、試料片幅を1mと定義した場合の曲げ堅さの
最適な範囲を規定したものである。
【0013】なお、本発明の磁気転写用マスター担体
は、前記情報に応じたパターン状の凹凸を表面に有する
基板と、該基板上の少なくとも凸部表面に配された磁性
層とを備えてなり、該凸部表面に配された磁性層により
前記パターン状の磁性層が構成されてなるものであるこ
とが望ましい。
【0014】また、前記磁性層としては、軟磁性層もし
く半硬質磁性層が望ましい。
【0015】あるいは、前記磁性層としては、前記磁気
記録媒体の磁性層の保磁力の1/3以下の保磁力を有す
るものであることが望ましい。
【0016】前記情報は、例えば、サーボ信号とするこ
とができる。
【0017】
【発明の効果】本発明の磁気転写用マスター担体は、1
m幅当たりの曲げ堅さ=Ed3/12が、0.03N・m2
上、27N・m2以下の範囲の基体により形成されてお
り、この曲げ堅さを27N・m2以下とすることにより、
磁気記録媒体と密着させる際に真空吸引システムを導入
した際のマスター担体の平坦化を促進することができ、
磁気記録媒体との密着性を向上することができ、また、
0.03N・m2以上とすることにより、真空吸引をした際
にマスター担体の吸引部分が変形するために磁気記録媒
体との密着性が低下するという問題を回避することがで
き、良好な密着性を維持することができる。
【0018】本発明の磁気転写用マスター担体を用いれ
ば、磁気記録媒体と良好な密着状態で磁気転写を行うこ
とができ、磁気記録媒体に転写される磁気情報における
信号抜けの発生を抑制し、信号品位を向上させることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を詳細に説明する。まず、マスター担体を用いて
スレーブ媒体(磁気記録媒体)へ情報を転写する磁気転
写の基本工程を図1および図2に基づき説明する。
【0020】図1は、スレーブ媒体2とマスター担体
3、4とを示す斜視図である。スレーブ媒体2は、例え
ば、高密度フレキシブルディスク、ハードディスク装置
において用いられるハードディスクなどの円盤状の磁気
記録媒体であり、非磁性体からなる円盤状のベース2c
の両面に磁性体層が形成された記録面2d、2eを有す
るものである。
【0021】また、マスター担体3、4は、円盤状の剛
体からなり、その片面に前記スレーブ媒体2の記録面2
d、2eに密着される微細凹凸パターンが形成されてな
る転写情報担持面を有するものである。マスター担体
3,4はそれぞれスレーブ媒体2の下側記録面2d、上
側記録面2e用の凹凸パターンが形成されている。凹凸
パターンは、マスター担体3を例に挙げると、図中点線
で囲まれたドーナツ型の領域に形成されている。なお、
図1に示すマスター担体3、4は、凹凸パターンが形成
された基板31、41とその凹凸パターン上に形成された軟
磁性層32、42とから構成されるが、基板31、41がNiな
どによる強磁性体である場合には基板のみで磁気転写可
能であり、必ずしも軟磁性層32、42を被覆しなくてもよ
い。但し、転写特性の良い磁性層を設けることでより良
好な磁気転写を行うことができる。なお、基板が非磁性
体の場合は磁性層を設ける必要がある。
【0022】さらに最上層にダイヤモンドライクカーボ
ン(DLC)等の保護膜を被覆すれば、この保護膜によ
り接触耐久性が向上し多数回の磁気転写が可能となる。
さらには、密着性を向上させるためにDLC保護膜の下
層にSi膜をスパッタリング等で形成するようにしても
よい。
【0023】図2は、この磁気転写の基本工程を説明す
るための図であり、図2(a)は磁場を一方向に印加し
てスレーブ媒体の磁性層を初期直流磁化する工程、
(b)はマスター担体とスレーブ媒体とを密着して転写
磁界を印加する工程、(c)は磁気転写後のスレーブ媒
体の磁性層の磁化状態をそれぞれ示す図である。なお、
図2においてスレーブ媒体2についてはその下面記録面
2dのみを示している。
【0024】図2(a)に示すように、予めスレーブ媒体
2に初期磁界Hinをトラック方向の一方向に印加してそ
の磁性層2dの磁化をトラック方向の一方向に初期磁化
させる。その後、図2(b)に示すように、このスレーブ
媒体2の記録面2dとマスター担体3の基板31の微細
凹凸パターンに磁性層32が被覆されてなる情報担持面
とを密着させ、スレーブ媒体2のトラック方向に前記初
期磁界Hinとは逆方向に転写用磁界Hduを印加して磁気
転写を行う。その結果、図2(c)に示すように、スレー
ブ媒体2の磁性層2dにはマスター担体3の情報担持面
の凹凸パターンに応じた情報(例えばサーボ信号)が磁
気的に転写記録される。ここでは、スレーブ媒体2の下
側記録面2dと下側マスター担体3とについて説明した
が、図1に示すように、スレーブ媒体2の上側記録面2
eについても上側マスター担体4と密着させて同様に磁
気転写を行う。スレーブ媒体2の上下記録面2d、2e
への磁気転写は同時になされてもよいし、片面ずつ順次
なされてもよい。
【0025】また、マスター担体3の凹凸パターンが図
2のポジパターンと逆の凹凸形状のネガパターンの場合
であっても、初期磁界Hinの方向および転写用磁界Hdu
の方向を上記と逆方向にすることによって同様の情報を
磁気的に転写記録することができる。なお、初期磁界お
よび転写用磁界は、スレーブ媒体の保磁力、マスター担
体およびスレーブ媒体の比透磁率を勘案して定められた
値を採用する必要がある。
【0026】以下に、本発明のマスター担体およびスレ
ーブ媒体についてより詳細に説明する。
【0027】上述の通り、マスター担体は、基本的に凹
凸パターンを有する基板と該基板上に形成された軟磁性
層とからなるものである。
【0028】マスター担体の基板としては、ニッケル、
シリコン、石英板、ガラス、アルミニウム、合金、セラ
ミックス、合成樹脂等を使用する。凹凸パターンの形成
は、光ディスク原盤の作製方法として用いられているス
タンパー法、半導体作製時に使用されるフォトリソグラ
フィ法等を用いて行われる。基板の凹凸パターンの深さ
(突起の高さ)は、80nm〜800nmの範囲が好まし
く、より好ましくは150nm〜600nmである。この凹凸
パターンはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成さ
れる。例えば、半径方向の長さは0.05〜20μm、円周方
向は0.05〜5μmが好ましく、この範囲で半径方向の方
が長いパターンを選ぶことがサーボ信号の情報を担持す
るパターンとして好ましい。
【0029】また、軟磁性層の磁性材料としては、C
o、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTa
Zr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、
FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTa
N)、Ni、Ni合金(NiFe)等が用いられる。特
に好ましいのはFeCo、FeCoNiである。この軟
磁性層は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法な
どにより成膜形成される。軟磁性層の厚みは、50nm〜
500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは150nm〜
400nmである。
【0030】なお、本発明のマスター担体は、長さ50m
m、任意の幅、厚みdの短冊形状のものでの振動リード
法により求められるヤング率Eを用い、幅b=1mで任
意の長さの試料片についての 曲げ堅さ=Ebd3/12 の式に代入して得られる値が0.03N・m2以上、27N・
2以下の範囲内であるような基体を用いて構成する。
ここで、基体とは基板とその上に設けられた軟磁性層と
からなるものであり、厚みdは基板底面から凹凸パター
ンの凹部底面(軟磁性層の凹部の底部表面)までの距離
である。
【0031】スレーブ媒体2は、前述のとおり、ハード
ディスク、高密度フレキシブルディスクなどの円盤状磁
気記録媒体であり、その磁気記録層としては、塗布型磁
気記録層あるいは金属薄膜型磁気記録層が形成されてい
る。なお、金属薄膜型磁気記録層の磁性材料としては、
Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtC
rTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi
等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCo
Ni)を用いることができる。なお、磁気記録層に必要
な磁気異方性を持たせるために、該磁気記録層の下に非
磁性の下地層を設けることが好ましい。この非磁性の下
地層は、結晶構造と格子定数を磁気記録層に合わせる必
要があり、そのような材料としては、Ti、Cr、Cr
Ti、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、R
u、Pd等が挙げられる。
【0032】以下、具体的な磁気転写方法について説明
する。図3は本発明の磁気転写方法を実施するための磁
気転写装置を示す要部斜視図である。図4は磁気転写装
置に挿入される密着体の分解斜視図である。
【0033】図3および図4に示す磁気転写装置1は両
面同時転写を行うものであり、スレーブ媒体2の上下に
マスター担体3,4を圧接密着させた密着体10を回転さ
せつつ、この密着体10の上下に配設した電磁石装置5
(磁界発生装置)によって転写用磁界を印加して、マス
ター担体3,4が担持する情報を磁気的にスレーブ媒体
2の両面に同時に転写記録するものである。
【0034】密着体10は、スレーブ媒体2の下側記録面
2dにサーボ信号等の情報を転写する下側マスター担体
3と、スレーブ媒体2の上側記録面2eにサーボ信号等
の情報を転写する上側マスター担体4と、前記下側マス
ター担体3を吸着保持して平坦性を矯正する下側矯正部
材6を備えた下側圧接部材8と、前記上側マスター担体
4を吸着保持して平坦性を矯正する上側矯正部材7(下
側矯正部材6と同構成)を備えた上側圧接部材9とを備
え、これらは中心位置を合わせた状態で圧接され、スレ
ーブ媒体2の両面に下側マスター担体3と上側マスター
担体4とを密着させる。
【0035】前記下側マスター担体3および上側マスタ
ー担体4は、微細凹凸パターンが形成された転写情報担
持面とは反対側の面が下側矯正部材6および上側矯正部
材7に真空吸着保持される。この下側マスター担体3お
よび上側マスター担体4は、必要に応じてスレーブ媒体
2との密着性を高めるために、微細凹凸パターンの形成
部以外の位置でかつ後述の矯正部材6,7の吸気孔に連
通しない位置に微細な孔が表裏を貫通して形成されて、
スレーブ媒体2との密着面間のエアを吸引排出するよう
に設けられる。この際、本発明のマスター担体の上述の
ような凹凸パターン形状によりスレーブ媒体2との間の
空気は完全に吸引排出されるため、密着性は非常に良好
となる。
【0036】下側矯正部材6(上側矯正部材7も同様)
は、マスター担体3の大きさに対応した円盤状に形成さ
れ、その表面が中心線平均表面粗さRaが0.01〜0.1μ
m程度の平面度に平坦に仕上げられた吸着面6aとされ
ている。この吸着面6aには、直径約2mm以下の吸気
孔6bが約25〜100個ほぼ均等に開口している。図示し
ていないが、この吸気孔6bには矯正部材6の内部を通
って下側圧接部材8の外部に連通された吸気通路を経て
真空ポンプに接続され、この真空ポンプによる吸引によ
り吸着面6aに密着されたマスター担体3の背面を真空
吸着し、該マスター担体3の平坦性を吸着面6aに沿わ
せて矯正する。
【0037】下側圧接部材8および上側圧接部材9は円
盤状で一方または両方が軸方向に移動可能に設けられて
図示しない開閉機構(押圧機構、締結機構等)によって
開閉作動するものであり、互いに所定の圧力で圧接され
る。外周には鍔部8a,9aを有し閉作動時には上下の
圧接部材8,9の鍔部8a、9aが当接して内部を密閉
状態に保持する。下側圧接部材8の中心部には、スレー
ブ媒体2の中心孔に係合して位置決めする凸部8bが形
成されている。また、下側圧接部材8および上側圧接部
材9は図示しない回転機構に連係されて一体に回転駆動
される。
【0038】1組の下側マスター担体3および上側マス
ター担体4を用いて、複数のスレーブ媒体に対する磁気
転写を行うために、密着体10においては、下側矯正部材
6および上側矯正部材7の吸着面6aにそれぞれ中心位
置を合わせて下側マスター担体3および上側マスター担
体4をそれぞれ真空吸着して保持させておき、上側圧接
部材9と下側圧接部材8とを離間した開状態で、スレー
ブ媒体2のセットおよび入れ替えを行う。予めトラック
方向の一方向に初期直流磁化されたスレーブ媒体2を中
心位置を合わせてセットした後、上側圧接部材9と下側
圧接部材8とを接近させて閉作動し、スレーブ媒体2の
両面にマスター担体3,4を密着させる。その後、上下
の電磁石装置5の移動または密着体10の移動によって、
密着体10の上下面に上下の電磁石装置5を接近させる。
密着体10を回転させつつ、スレーブ媒体2の初期磁化の
方向と反対の向きの転写用磁界Hduを印加する。この転
写用磁界Hduの印加により、下側マスター担体3および
上側マスター担体4の凹凸パターン面が担持した転写情
報がスレーブ媒体2の記録面に磁気的に転写記録され
る。
【0039】上述のように本発明で規定する曲げ堅さを
有するマスター担体を用い、真空吸入を利用してスレー
ブ媒体とマスター担体とを密着させるようにすると、良
好な密着性を得ることができ、磁気転写時の信号抜けの
発生を防止して転写品位を高めることができる。
【0040】なお、ここでは両面同時転写を行う場合の
実施形態について説明したが、片面づつ順次転写を行う
こともできる。なお、片面転写はスレーブ媒体とマスタ
ー担体との位置決めが容易であるという効果がある。
【0041】
【実施例】次に、本発明の磁気転写用マスター担体の具
体的な実施例を用いて行った磁気転写における転写精度
の評価を行った結果を説明する。
【0042】以下の実験に用いたスレーブ媒体として
は、真空成膜装置(芝浦メカトロニクス:S-50Sスパッ
タ装置)により、室温にて1.33×10-5Pa(10-7Torr)
まで減圧した後に、アルゴンを導入して0.4Pa(3×1
0-3Torr)とした条件下で、ガラス板を200℃に加熱し、
軟磁性層からなる裏打ち層としてNiFeを300nm、
非磁性下地層としてTiを30nm、磁気記録層としてC
oCrPtを30nm順次積層し、飽和磁化Ms:5.7T
(4700Gauss)、保磁力Hcs:199kA/m(2500Oe)
の3.5インチ型の円盤状磁気記録媒体を作製して使用し
た。
【0043】転写精度の評価は信号抜けの箇所の個数を
元に行った。磁気転写を行ったスレーブ媒体を磁気現像
液(シグマハイケミカル社製シグマーカーQ)を10倍に
希釈し、スレーブ媒体上に滴下、乾燥させ、現像された
磁気転写信号端の変動量を評価した。微分干渉型顕微鏡
で50倍の拡大率でスレーブ媒体上を無作為に100視野観
測し、この100視野中に信号抜けが5箇所未満であれば
良好(○)、5箇所以上であれば不良(×)と評価し
た。なお、信号抜けの数は1視野中に複数存在する場合
もある。
【0044】以下、実施例1〜4および比較例1,2と
して用いられる各マスター担体について説明する。それ
ぞれのマスター担体は、スタンパー法もしくはリソグラ
フィー技術により作製された、円盤中心から半径方向20
〜40mmの範囲に、放射状ラインで、ライン間隔が円盤
中心から半径方向20mmである最内周位置で0.5μm間
隔の凹凸パターンを有する円盤状の基板を備えてなるも
のである。
【0045】実施例1のマスター担体は、スタンパー法
により作製された円盤状のNi基板上にFeCo30at%
を材料としてスパッタ法により軟磁性層が形成されてな
るものである。なお、軟磁性層形成時のスパッタ条件
は、Arスパッタ圧を1.5×10- 1Pa(1.08mTorr)、投
入電力を2.80W/cm2とした。なお、本実施例のマスタ
ー担体は、マスター担体厚d=0.3mmとなるように作
製されたものである。なお、ここでマスター担体厚は基
板底面から軟磁性層の凹凸の凹部底面までの厚みである
(以下同様とする)。
【0046】実施例2のマスター担体は、上記実施例1
のマスター担体と同様にスタンパー法により作製された
円盤状のNi基板上にFeCo30at%を材料としてスパ
ッタ法により軟磁性層が形成されてなるものである。但
し、本実施例のマスター担体は、マスター担体厚d=0.
15mmとなるように作製されたものである。
【0047】実施例3のマスター担体は、上記実施例1
のマスター担体と同様にスタンパー法により作製された
円盤状のNi基板上にFeCo30at%を材料としてスパ
ッタ法により軟磁性層が形成されてなるものである。但
し、本実施例のマスター担体は、マスター担体厚d=0.
5mmとなるように作製されたものである。
【0048】実施例4のマスター担体は、リソグラフィ
ー技術を用いて凹凸形状が作製された円盤状の石英基板
上に実施例1と同様のスパッタ法により軟磁性が形成さ
れてなるものである。なお、本実施例のマスター担体
は、マスター担体厚d=0.9mmとなるように作製され
たものである。
【0049】比較例1のマスター担体は、上記実施例1
のマスター担体と同様にスタンパー法により作製された
円盤状のNi基板上にFeCo30at%を材料としてスパ
ッタ法により軟磁性層が形成されてなるものである。但
し、本比較例のマスター担体は、マスター担体厚d=0.
08mmとなるように作製されたものである。
【0050】比較例2のマスター担体は、上記実施例4
のマスター担体と同様にリソグラフィー技術を用いて凹
凸形状が作製された円盤状の石英基板上に実施例1と同
様のスパッタ法により軟磁性が形成されてなるものであ
る。但し、本比較例のマスター担体は、マスター担体厚
d=1.2mmとなるように作製されたものである。
【0051】各実施例および比較例のマスター担体を用
いて上述のスレーブ媒体に対する磁気転写を行い、それ
ぞれ信号抜け数に基づく評価を行った。その結果を表1
に示す。なお、表1には各マスター担体の素材につい
て、振動リード法により求めたヤング率Eおよび厚みd
を用い、1m幅で定義した場合の曲げ堅さを示す。実施
例1〜4は本発明に規定する曲げ堅さの範囲の値を有
し、比較例1および2は本発明に規定する曲げ堅さの範
囲外の値を有する。
【0052】
【表1】 表1に示す通り、実施例1〜4のマスター担体を用いた
場合、信号抜け数が1もしくは2と非常に少なく密着精
度が良好であった。一方、比較例1および2のマスター
担体を用いた場合には、信号抜けが非常に多く、つまり
密着精度が不良であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】スレーブ媒体とマスター担体とを示す斜視図
【図2】磁気転写方法の基本工程を示す図
【図3】本発明のマスター担体を用いて磁気転写を行う
磁気転写装置の要部斜視図
【図4】図3に示す密着体の分解斜視図
【符号の説明】
1 磁気転写装置 2 スレーブ媒体 3、4 マスター担体 5 電磁石装置 10 密着体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体の磁性層に対して情報を転
    写するためのパターン状の磁性層を有する磁気転写用マ
    スター担体であって、 該磁気転写用マスター担体のヤング率E、厚みdにより
    規定され、試料片幅1mと定義した場合の曲げ堅さ=E
    3/12が、0.03N・m2以上、27N・m2以下の範囲で
    あることを特徴とする磁気転写用マスター担体。
  2. 【請求項2】 前記ヤング率Eが、振動リード法により
    測定して得られる値であって、前記マスター担体から長
    さL=50mm、厚みdの短冊状の試料を切り出し、一端
    を固定し、この一端を固定した状態で短冊状試料に対し
    て振動を与え、共鳴周波数fを測定し、ヤング率Eと共
    鳴周波数fとの関係式 E=3ρf2(4πL2/αd)2 ρは密度、αは定数
    (α=1.875) を用いて算出されたものであることを特徴とする請求項
    1記載の磁気転写用マスター担体。
  3. 【請求項3】 前記情報に応じたパターン状の凹凸を表
    面に有する基板と、該基板上の少なくとも凸部表面に配
    された磁性層とを備えてなり、該凸部表面に配された磁
    性層により前記パターン状の磁性層が構成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の磁気転写用マス
    ター担体。
  4. 【請求項4】 前記情報が、サーボ信号であることを特
    徴とする請求項1から3いずれか1項記載の磁気転写用
    マスター担体。
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