JP2005276265A - 磁気転写方法および磁気記録媒体 - Google Patents

磁気転写方法および磁気記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005276265A
JP2005276265A JP2004085023A JP2004085023A JP2005276265A JP 2005276265 A JP2005276265 A JP 2005276265A JP 2004085023 A JP2004085023 A JP 2004085023A JP 2004085023 A JP2004085023 A JP 2004085023A JP 2005276265 A JP2005276265 A JP 2005276265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
transfer
holder
recording medium
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004085023A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Nishikawa
正一 西川
Naoto Fujiwara
直人 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2004085023A priority Critical patent/JP2005276265A/ja
Publication of JP2005276265A publication Critical patent/JP2005276265A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】 磁気記録媒体との密着時のマスター担体の変形を分散させ、変形の局所集中による密着不良を解消し、信号欠落の発生を抑制する。
【解決手段】 転写情報に対応した微細凹凸36による所望の転写パターン33が形成されたディスク状のマスター担体3,4と、転写を受ける磁気記録媒体2とをホルダー10に収容し、該ホルダーによってマスター担体3,4と磁気記録媒体2とを押圧し密着させた状態で磁界を印加し、磁気記録媒体に情報記録を行う際に、ホルダー10の少なくともマスター担体3,4に対応するホルダー面11a,12aが全面に分布する凸凹形状18を有し、該ホルダー面でマスター担体3,4を押圧し、マスター担体3,4の変形を分散し、磁気記録媒体2との密着性を確保する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、情報が担持されたマスター担体を用いて磁気記録媒体へ磁化パターンを磁気転写する磁気転写方法および磁気転写された磁気記録媒体に関するものである。
本発明の対象とする磁気転写は、少なくとも表層に磁性層を有するサーボ信号等の転写パターンが凹凸形状あるいは埋め込み構造で形成されたマスター担体(パターンドマスター)を、磁性層を有する磁気記録媒体(スレーブ媒体)と密着させた状態で、転写用磁界を印加してマスター担体に担持した情報に対応する磁化パターンを磁気記録媒体に転写記録するものである。
また、磁気記録媒体がハードディスクまたは高密度フレキシブルディスクのような円盤状媒体の場合には、この磁気記録媒体の片面または両面に円盤状のマスター担体を密着させた状態で、その片側または両側に電磁石装置、永久磁石装置による磁界印加装置を配設して転写用磁界を印加する。
マスター担体をホルダーに保持して磁気記録媒体と押圧密着させる際に、マスター担体を平坦なホルダー面に吸着して平坦性を高めて、磁気記録媒体との密着性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ホルダー面とマスター担体との間に弾性材を介装して、マスター担体の微小弾性変形を許容して磁気記録媒体との密着性を高める方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、弾性体をマスター担体のサーボ信号用の転写パターンに対応して、そのパターン部位を凸形状に形成して、マスター担体を押圧する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−163823号公報 特開2003−173525号公報 特開2003−099921号公報
ところで、上記のような磁気転写において、特許文献1のようにホルダー面への吸着でマスター担体の平坦性を高めたり、特許文献2のように弾性体を介してマスター担体を押圧しても、磁気記録媒体のディスク全面に渡つてサーボ信号の磁気転写を行つた場合、ある特定の部分で信号欠落が発生する現象があった。
上記信号欠落の原因は、その局所部分におけるマスター担体と磁気記録媒体との密着不良であることが推定でき、マスター担体の形状などを詳細に解析した結果、マスター担体の製作工程などでこのマスター担体には変形が発生しており、マスター担体全面で保有している変形が磁気記録媒体との密着過程で局所集中し、この集中部位でマスター担体と磁気記録媒体間のスペーシングが増加し、信号欠落が発生している可能性が高いことがわかった。
そして、前述のような特許文献1および2では、そのホルダーにおけるマスター担体を押圧するホルダー面および弾性体面は、マスター担体の平坦性を確保する点より平坦であり、比較的薄く形成されているマスター担体を平坦ホルダー面で押圧すると、マスター担体における全体的に大きく波打つような変形などが平坦面間で分散できず、集中して局所的に凸凹が生じ磁気記録媒体との密着不良が生起することがある。
また、特許文献3のように弾性体をマスター担体の転写パターンに合わせて凸凹形状を形成することは、上記転写パターンが円周上に100本以上形成されることから、高い加工精度が必要となるとともに、マスター担体との高精度の位置合わせも必要となる。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、マスター担体の変形を分散させ局所集中による密着不良を解消し、信号欠落の発生を抑制した磁気転写方法およびそれにより磁気転写してなる磁気記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明の磁気転写方法は、転写情報に対応した微細凹凸による所望の転写パターンが形成されたディスク状のマスター担体と、転写を受ける磁気記録媒体とをホルダーに収容し、該ホルダーによって前記マスター担体と磁気記録媒体とを押圧し密着させた状態で磁界を印加し、磁気記録媒体に情報記録を行う磁気転写方法において、
前記ホルダーの少なくとも前記マスター担体に対応するホルダー面が全面に分布する凸凹形状を有し、該ホルダー面で前記マスター担体を押圧することを特徴とするものである。
また、前記マスター担体における円周状トラックに複数形成された各セクタは、サーボ信号等の情報を転写記録する微細凹凸による転写パターンを有する転写領域と、微細凹凸を有しない非転写領域とを備え、最内周部のセクタにおける前記非転写領域の長さをL1、転写領域の長さをL2、前記ホルダー面の凸凹形状の周方向の形成ピッチをλとした際に、3<(L1/L2)/λ<150の関係を満たすことが望ましい。
さらに、前記ホルダー面の凸凹形状は、少なくとも周方向の形成ピッチλが0.05〜2.0mm、凸部の高さが0.05〜0.5mmであることが好適である。
一方、前記ホルダー面と前記マスター担体間に、厚さが0.01〜1.0mmの弾性材を設置してもよい。
本発明の磁気記録媒体は、本発明の磁気転写方法によりサーボ信号が記録されたことを特徴とするものである。
前記「非転写領域の長さL1」はサーボ信号では円周方向のサーボセクタ間距離であり、「転写領域の長さL2」はサーボ信号ではサーボセクタ長である。
上記のような本発明によれば、ホルダーの少なくともマスター担体に対応するホルダー面が全面に分布する凸凹形状を有し、該ホルダー面でマスター担体を磁気記録媒体に押圧することにより、マスター担体の押圧を面から分散点とすることでマスター担体各部分での歪を分散して矯正しつつ磁気記録媒体に密着させることができ、変形が局所集中することなく局所的なスペーシング増加を防止でき、各転写部での良好な密着による信号欠落を招くことなく良好な磁気転写が行え、得率が向上した。
さらに、金属製のホルダー面への凸凹形状の形成はエッチング加工等により容易に行えるとともに、全面に凸凹形状が位置することでマスター担体との位置合わせが容易に行える。
また、マスター担体の最内周部のセクタにおける非転写領域の長さをL1、転写領域の長さをL2、ホルダー面の凸凹形状の周方向の形成ピッチをλとした際に、3<(L1/L2)/λ<150の関係を満たすと、安定したマスター担体と磁気記録媒体との密着状態を実現することができる。
さらに、ホルダー面の凸凹形状が、周方向の形成ピッチλが0.05〜2.0mm、凸部の高さが0.05〜0.5mmであると、変形分散が好適に行え、特定の部分での信号欠落を改善することができた。
また、ホルダー面とマスター担体間に、厚さが0.01〜1.0mmの弾性材を設置すると、ホルダー面の凸凹形状による変形分散作用を維持しつつホルダー面とマスター担体との直接的な接触を回避できる。
本発明の磁気記録媒体は、本発明の磁気転写方法によりサーボ信号が信号欠落なく高品位に転写記録できたもので信頼性が高い。
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明の磁気転写方法を実施する一実施形態にかかる磁気転写装置の概略構成を示す斜視図、図2は転写ホルダーの開状態を示す概略正面図、図3はマスター担体に形成された転写パターン例を示す図、図4はマスター担体の凹凸パターン例を示す図、図5はホルダーによりマスター担体を磁気記録媒体に押圧した状態の概略断面図、図6はホルダー面の凸凹形状例を示す部分斜視図、図7は磁気転写工程を順に示す説明図である。
本実施形態の磁気転写方法を行う際に使用する磁気転写装置1は、図1および図2に示すように、マスター担体3,4と磁気記録媒体2(スレーブ媒体)とを保持する転写ホルダー10と、該転写ホルダー10の内部空間のエアを真空吸引し内部を減圧状態として密着力を得る図示しない真空吸引手段からなる密着圧力印加手段と、マスター担体3,4と磁気記録媒体2とを密着保持した状態の転写ホルダー10を回転させつつ転写用磁界を印加する磁界印加手段55とを備えてなる。
前記転写ホルダー10は、相対的に接離移動する縦型の片側ホルダー11と他側ホルダー12とを備え、その内部に形成される内部空間に、磁気記録媒体2、マスター担体3,4を配置して中心位置を合わせた状態で磁気記録媒体2の両面にマスター担体3,4を重畳密着させる。この転写ホルダー10における片側ホルダー11および他側ホルダー12は円盤状で、マスター担体3,4の外径より大きい円形状の押圧面としてのホルダー面11a,12aを備え、このホルダー面11a,12aには後述の凸凹形状18(図6参照)が形成され、必要に応じて弾性材5,6を介してそれぞれマスター担体3,4を保持する。
両側ホルダー11,12の背面中心にはそれぞれ支持軸11b,12bを備え、この支持軸11b,12bが両側の受け部材13,14に回転可能に支承されている。両側の受け部材13,14は、それぞれ支持部材15,16の上端に固着され、さらに、両側の支持部材15,16が下部の基台17に取り付けられてなる。片側ホルダー11を保持する一方の支持部材15は、基台17に対して移動不能に取り付けられているが、他側ホルダー12を保持する他方の支持部材16は、基台17に対して軸方向と平行に往復移動可能に、すなわち他側ホルダー12が片側ホルダー11に対して接離移動可能に取り付けられている。
また、転写ホルダー10の内部空間は、密着時には所定の真空度に減圧されて、磁気記録媒体2とマスター担体3,4との密着力を得るととともに、密着面のエア抜きを行って密着性を高めるとともに、大気開放時および剥離時には圧縮空気の導入が行われる。また、密着力の印加のために、真空吸引に加えて、転写ホルダーを外部から機械的に加圧してもよい。
なお、図示していないが、磁気転写装置1は、両側ホルダー11,12を開閉作動する開閉駆動装置と、両側ホルダー11,12を回転駆動する回転駆動装置などを備える。
図1に示す磁界印加手段55は、転写ホルダー10の両側に配設された電磁石装置50,50を備えてなり、この電磁石装置50の転写ホルダー10の半径方向に延びるギャップ51を有するコア52にコイル53が巻き付けられてなる。両電磁石装置50,50はトラック方向と平行な同一の向きの磁界を発生させるものである。また、磁界印加手段55としては、電磁石装置に代えて永久磁石装置で構成してもよい。垂直記録の場合の磁界印加手段は、転写ホルダー10の両側に配設された、極性の異なる電磁石または永久磁石から構成することができる。すなわち、垂直記録の場合は、トラック面に垂直な方向に転写用磁界を発生させるものである。
磁気記録媒体2(スレーブ媒体)は、例えば、図7に示すように、ディスク状非磁性支持体21の両面または片面に磁気記録層22が形成されたハードディスク、フレキシブルディスク等の磁気ディスク媒体である。磁気記録層22は、塗布型磁気記録層あるいは金属薄膜型磁気記録層よりなる。金属薄膜型磁気記録層を備えた磁気記録媒体の場合、磁性材料として、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi、Co/Pd等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi)を用いることができる。磁性層としては、磁束密度が大きいこと、面内記録なら面内方向、垂直記録なら垂直方向の磁気異方性を有することが、明瞭な転写を行えるため好ましい。好ましい磁性層厚は10〜500nmであり、さらに好ましくは20〜200nmである。
また、マスター担体3(他方のマスター担体4も同様)は円盤状ディスクに形成され、その片面には、図3に示すように、磁気記録媒体2に情報を転写記録する転写領域33と、情報を転写しない非転写領域34とを有する。サーボ信号を記録する場合には、マスター担体3のディスク基板31の内周部3aと外周部3bの不使用領域を除く円環状部位に、セクタ数に対応した所定間隔で放射状に転写領域33が形成され、この転写領域は内周から外周側に若干湾曲形成されてなる。そして、同心円状トラックが内周および外周で同一セクタ数に分割された場合に、内周部のセクタ長は短く、外周部で長くなる。
前記転写領域33は、同心円状トラックに、トラック方向に配列された図4のような微細凹凸36による転写パターンを有し、この凹凸36の凸部は1つの信号要素に対応するもので、その集合によって転写すべき情報を構成し、例えばサーボ信号では凹凸36の配置パターンは、トラック幅一杯に配置された同期用信号、識別信号のための凸部の他に、トラック幅の半ピッチに配置されヘッド位置決め用のバースト信号のための凸部を有する。非転写領域34は微細凹凸を有さず平坦である。図4において、矢印Xは周方向(トラック方向)、矢印Yは半径方向を示す。
最内周部トラックにおける長さが最も短いセクタで、転写領域33の長さをL2(サーボセクタ長)、非転写領域34の長さをL1(サーボセクタ間距離)とし、この長さに対応して、後述のようにホルダー面11a,12aの凸凹形状18,19の形成ピッチλが設定される。
マスター担体3の転写領域33の断面構造は、図7に示すように、基板31上の片面に、例えばサーボ信号に対応して形成された微細凹凸パターンに軟磁性体32が被覆されてなる。
前記マスター担体3,4の基板31の材料としては、Ni、Si、石英板、ガラス、Al、セラミックス、合成樹脂等が用いられる。基板材料として特に好ましいのは、Ni、もしくはNiを主成分とする強磁性を有する合金である。表面に凹凸パターンを有する基板31の作製は、スタンパー法、リソグラフィー法等を用いて行うことができる。
基板31の作製方法の概略を説明する。まず、表面が平滑なガラス板(または石英板)の上にスピンコート等でレジストを形成し、このガラス板を回転させながらサーボ信号に対応して変調したレーザー光(または電子ビーム)を照射し、レジスト全面に所定のパターン、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各セクタに対応する部分に露光し、その後、レジストを現像処理し、露光部分を除去しレジストによる凸凹形状を有する原盤を得る。次に、原盤の表面の凹凸パターンをもとに、この表面に電鋳を施し、ポジ状凹凸パターンを有するNi基板を作製し、原盤から剥離する。
また、前記原盤に電鋳を施して第2の原盤を作製し、この第2の原盤を使用して電鋳を行い、ネガ状凹凸パターンを有する基板を作製してもよい。さらに、第2の原盤に電鋳を行うか樹脂液を押し付けて硬化を行って第3の原盤を作製し、第3の原盤に電鋳を行い、ポジ状凹凸パターンを有する基板を作製してもよい。
基板の凸部高さ(凹凸パターンの深さ)は、50〜800nmの範囲が好ましく、より好ましくは80〜600nmである。この凹凸パターンがサーボ信号である場合は、円周方向よりも半径方向に長い矩形状の凸部が形成される。具体的には、半径方向の長さは0.05〜20μm、円周方向は0.05〜5μmが好ましく、この範囲で半径方向の方が長い形状となる値を選ぶことがサーボ信号の情報を担持するパターンとして好ましい。
磁性層32の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金(NiFe)を用いることができ、特に好ましいのはFeCo、FeCoNiである。なお、磁性層32としては、軟磁性もしくは半硬質磁性等の保磁力の小さい磁性層を用いることにより、より良好な転写を行うことができる。さらに、磁性層32は、基板31の飽和磁化よりも高い飽和磁化値を有するものであることが好ましい。磁性層の厚みは、50〜500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは80〜300nmである。基板31上への磁性層32の形成は、前述したスパッタリング法の他、磁性材料を真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などを用いて行うことができる。
なお、磁性層32の上に5〜30nmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の保護膜を設けることが好ましく、さらに潤滑剤層を設けても良い。また、磁性層と保護膜の間に、Si等の密着強化層を設けてもよい。潤滑剤を設けることにより、磁気記録媒体との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などを抑制し、耐久性を向上させることができる。
次に、前記転写ホルダー10におけるホルダー面11a(他のホルダー面12aも同様)は、マスター担体3に対応して押圧する面の全面に、図6に示すような、凸凹形状18,19を備えている。図6(a)に示す凸凹形状18は、凸部18aと凹部18bが同形状でホルダー面11aの全面に格子状に配設され、全面で周期ピッチλすなわち1組の凸部18aと凹部18bの形成波長が一定であり、特に最内周の周方向のピッチλは、前記マスター担体3の最内周部のセクタ長つまり前記転写領域長さL2と非転写領域長さL1に対応して後述のように設定されてなる。図6(b)に示す凸凹形状19は、放射状に凸部19aと凹部19bが配置され、ホルダー面11aの内周部(図の左下方が中心位置)で周期ピッチλが小さく、外周側になるに従ってピッチが大きくなるように配置され、最内周の周方向の最小ピッチλはマスター担体3の最内周部のセクタ長(L1,L2)に対応して、同様に次のように設定されてなる。
なお、ホルダー面11a、12aの凸凹形状としては、その他、縦横に所定深さの溝を形成することで構成してもよい。
上記ホルダー面11a,12aの凸凹形状18,19の少なくとも最内周の周方向(トラック方向)の形成ピッチλは0.05〜2.0mm、凸部18a,19aの高さh(凹部の深さ)が0.05〜0.5mmに設定されている。
つまり、一般にサーボ信号は周方向に数mm間隔でサブmmの長さ形成されているので、上記形状寸法の凸凹形状18,19の形成により、周方向のセクタ・セクタ間長に複数の凸凹を形成することで均等な圧力分散、密着確保ができ、ほぼ全面に渡って信号欠落がない磁気転写を実現することができる。このピッチλが0.05mm未満では凸凹形状18,19を形成しない場合に近づき効果が少なく、2.0mmを越えると転写領域33に長い凹部18b,19bが位置した場合などに信号欠落が発生しやすくなる。
また凸部18a,19aの高さhは、密着時のマスター担体3,4の変形量を考慮すると数10μm〜数100μm程度のスペースを用意すれば、マスター担体3の変形を吸収できることが、シミュレーション、予備実験を通して判明し、0.05〜0.5mmに設定することで、全種マスター担体3,4に対応できた。この高さhが0.05mm未満では凸凹を形成しない平坦面に近付き効果が少なく、0.5mmを越えると凸凹形成の工程が煩雑となるとともに効果が飽和する。
さらに、前記マスター担体3,4の最内周部のセクタにおける非転写領域の長さL1、転写領域の長さL2との関係、すなわち、サーボパターンとの関係を解析した結果、これらと、ホルダー面11a,12aの凸凹形状18,19の形成ピッチλとは、
3<(L1/L2)/λ<150
の関係を満たすことにより、より安定したマスター担体3,4と磁気記録媒体2との密着状態を実現することができた。これらの数値範囲は、後述の実験結果により求めた。
そして、図5は前記片側ホルダー11のホルダー面11aでマスター担体3を磁気記録媒体2に押圧した状態を示し、ホルダー面11aの凸凹形状18における多数の凸部18aがマスター担体3の転写領域33の形成面と反対面を押圧し、マスター担体3の変形を分散し、転写領域33の転写パターンの凹凸36が磁気記録媒体2の表面に密着し、後述のように転写用磁界の印加により該パターンに対応して磁化パターンの転写が行える。
ホルダー面11a,12aとマスター担体3,4との間には、図1の弾性体5,6を介して押圧してもよく、この弾性体5,6の厚さは0.01〜1.0mmとすることで、ホルダー面11a,12aの凸凹形状18による変形分散作用を維持しつつホルダー面11a,12aとマスター担体3,4との直接的な接触を回避できる。
次に、上記のような転写ホルダー10を備えた磁気転写装置1による磁気転写方法について説明する。この転写ホルダー10は、一組のマスター担体3,4により複数の磁気記録媒体2に対する磁気転写を繰り返し行うものであり、まず片側ホルダー11および他側ホルダー12における、前述のように構成された凸凹形状18を有するホルダー面11a,12aに、必要により弾性体5,6を介してマスター担体3,4をそれぞれ位置を合わせて保持させておく。そして、片側ホルダー11と他側ホルダー12とを離間した開状態で、予め面内方向または垂直方向の一方に初期磁化した磁気記録媒体2を中心位置を合わせてセットした後、他側ホルダー12を片側ホルダー11に接近移動させ閉状態とする。磁気記録媒体2およびマスター担体3,4を収容した転写ホルダー10の内部空間を真空吸引することにより減圧し、磁気記録媒体2とマスター担体3,4とに均一に密着力を加え、その変形を分散させて全面で均等にスペーシングを発生させずに密着させる。密着力の印加のために、真空吸引に加えて、転写ホルダーを外部から機械的に加圧してもよい。
その後、転写ホルダー10の両側に電磁石装置50を接近させ、転写ホルダー10を回転させつつ電磁石装置50によって初期磁化とほぼ反対方向に転写用磁界を印加し、マスター担体3の転写パターンに応じた磁化パターンを磁気記録媒体2の磁気記録層に転写記録する。
図7は、面内磁気記録媒体への磁気転写の基本工程を説明するための図である。なお、磁気記録媒体2についてはその下面記録面2b側のみを示している。
図7(a)に示すように、予め磁気記録媒体2にトラック方向の一方向の初期直流磁界Hinを印加して磁気記録層22の磁化を初期直流磁化させておく。その後、図7(b)に示すように、この磁気記録媒体2の記録面2bとマスター担体3の転写パターン面とを密着させ、磁気記録媒体2のトラック方向に前記初期直流磁界Hinとは逆方向の転写用磁界Hduを印加する。磁気記録媒体2とマスター担体3の転写パターンの密着した箇所において、転写用磁界Hduは、マスター担体3の凸部に吸い込まれ、この部分に対応する磁気記録媒体2の磁化は反転せずその他の部分の初期磁化が反転する。その結果、図7(c)に示すように、磁気記録媒体2の下側記録面2bの磁気記録層22にはマスター担体3の凹凸パターンに応じた情報(例えばサーボ信号)が磁気的に転写記録される。ここでは、磁気記録媒体2の下側記録面2bへの下側マスター担体3による磁気転写について説明したが、磁気記録媒体2の上側記録面についても上側マスター担体4と密着させて同様に磁気転写を行う。なお、磁気記録媒体2の上下磁気記録層22への磁気転写は同時になされてもよいし、片面ずつ順次なされてもよい。また、初期直流磁界および転写用磁界は、磁気記録媒体の保磁力、マスター担体および磁気記録媒体の比透磁率等を勘案して定められた値を採用する必要がある。
図7に示して説明した磁気転写の基本工程は、磁気記録媒体が面内記録媒体である場合のものであるが、磁気記録媒体が垂直記録媒体である場合には、初期磁化方向および転写磁界の印加方向を面に垂直な方向とすればよい。なお、垂直記録の場合は、マスター担体の凸部と密着した部分の初期磁化が反転し、その他の部分の初期磁化は反転しない結果として凹凸パターンに応じた磁化パターンが転写される。
<実験結果>
次に、それぞれ異なる形状(寸法)の転写部(転写パターン)を有するマスター担体およびホルダー面の凸凹形状によって磁気転写を行って、その転写信号の品位を測定して信号欠落評価を行った実験結果について説明する。
本発明に係る実施例1〜6の磁気転写方法および比較例1の磁気転写方法は、以下の手順で行った。
[実施例1]
マスター担体の作製は次の通りである。8吋Siウエハー上に化学増感型レジス卜を100nm塗布し、電子線により回転中心から半径方向10mm〜40mmの位置の半径域にトラック幅1.0μm、トラックピッチ1.1μmで、転写パターンとして、高さが0.1μmであり、半径10mmでビット長(1単位の凸部のトラック方向長さ)が0.15μmである放射状ラインを転写領域幅L2が0.1mm、非転写領域幅L1が0.7mm毎に描画・現像してレジス卜パターンを形成する。このレジストパターン上にNi導電層を10nmの厚さに、基板温度40℃で作成した。Arスパッタ圧は0.15Pa(1.08mTorr)、投入電カは2.80W/cm2とした。Ni導電層の形成後にNi電鋳を基板厚みが0.3mmとなるまで実施した。電鋳後、レジストを基板より隔離し、クリーニングを施してなるマスター基板を得た。マスター基板の内径は12.5mmφ、外径は83mmφである。
上記方法で作製したNiパターン化基板上に、強磁性層:FeCo25at%を100nmの厚さに成膜した。初期真空度は1.33×10-5Pa(1.0×10-7Torr)基板温度25℃であり、Arスパッタ圧は0.15Pa(1.08mTorr)、投入電力は3.20W/cm2とした。
磁気記録媒体は、真空成膜装置(芝浦メカトロニクス:S−50Sスパッタ装置)において、室温にて1.33×10-5Pa(1.0×10-7Torr)まで減圧した後に、アルゴンを導入して0.4Pa(3.0mTorr)とした条件下で、ガラス板を200℃に加熱し、CrTiを30nm、CoCrPtを30nmの厚さに順に成膜し、Ms:2.8T(2250Gauss)、保磁力Hc:318kA/m(4000Oe)の3.5インチ型の円盤状磁気ディスクを作製し、面内磁気記録媒体として使用した。
マスター担体を押圧するホルダー面に溝を形成して、形成ピッチλが0.05mm、凸部高さhが0.5mmの凸凹形状を形成した。この場合の、(L1/L2)/λは140である。
[実施例2]
ホルダー面の凸凹形状を、ピッチλが2.0mm、高さhが0.5mmに変更した。この場合の、(L1/L2)/λは3.5である。その他は実施例1と同様の磁気転写方法である。
[実施例3]
マスター担体の放射状ライン(転写パターン)を、転写領域幅L2が0.1mm、非転写領域幅L1が0.665mmに変更した。この場合の、(L1/L2)/λは133である。その他は実施例1と同様の磁気転写方法である。
[実施例4]
ホルダー面の凸凹形状を、ピッチλが2.0mm、高さhが0.5mmに変更した。この場合の、(L1/L2)/λは3.3である。その他は実施例3と同様の磁気転写方法である。
[実施例5]
ホルダー面の凸凹形状を、ピッチλが0.03mm、高さhが0.5mmに変更した。この場合の、(L1/L2)/λは233である。その他は実施例1と同様の磁気転写方法である。
[実施例6]
ホルダー面の凸凹形状を、ピッチλが0.05mm、高さhが0.03mmに変更した。この場合の、(L1/L2)/λは140である。その他は実施例1と同様の磁気転写方法である。
[比較例1]
ホルダー面に凸凹形状を形成しない平坦面とした点を除き実施例1と同様の磁気転写方法である。
上記実施例1〜6および比較例1の各ホルダー面に各マスター担体を保持し、磁気記録媒体と押圧密着させて転写用磁界を印加して磁気転写を行い、転写後の磁気記録媒体に転写された磁化パターンの信号欠落を次のように測定し評価した結果を、表1に示す。
<信号欠落評価>
磁気転写後の各磁気記録媒体を、電磁変換特性測定装置(協同電子製SS−60)に設置し(ヘッド:再生ヘッドギャップ=O.11μm、再生トラック幅=O.25μm、記録ヘッドギャップ=0.15μm、記録トラック幅:O.51μmであるGMRヘッド)、半径40mmでの線速度が10m/secとなる回転速度に設定する。
その後、最内周部から最外周部にかけて0.5mm刻みで、ディスク1周にわたる再生出力を観測する。離散的に形成された部分の1周分平均出力を算出し、この平均出力の50%を下回る信号部を欠落部として定義する。
この信号欠落部数が、1周中に5個以上存在すれば信号欠落トラックと判断し、全体で信号欠落トラック数が0〜1個であれば良好(○)、2〜5個であれば可(△)、6個以上であれば不良(×)として評価した。
Figure 2005276265
表1に示すとおり、実施例1〜実施例4では信号欠落の発生したトラック数が1以下でホルダー面の凸凹形状によりマスター担体の変形が分散でき良好な密着状態で磁気転写が行えた。実施例5は凸凹形状ピッチλが0.03mmと小さい点で、また実施例6は凸部高さhが0.03mmと小さい点で、上記実施例1〜4より多い信号欠落が発生しているが、変形分散効果はある程度得られ実際の使用上では問題のない磁気転写が行えた。これに対して比較例1ではホルダー面が平坦でマスター担体変形の分散がないことで、密着時に変形が局所集中して多くのトラックで信号欠落が発生している。
本発明の磁気転写方法を実施する一実施形態の磁気転写装置を示す斜視図 転写ホルダーの開状態を示す概略正面図 マスター担体に形成された転写パターン例を示す図 マスター担体の凹凸パターン例を示す図 ホルダーによりマスター担体を磁気記録媒体に押圧した状態の概略断面図 ホルダー面の凸凹形状例を示す部分斜視図 面内磁気記録媒体への磁気転写方法の基本工程を示す図
符号の説明
1 磁気転写装置
2 磁気記録媒体
3,4 マスター担体
5,6 弾性体
10 転写ホルダー
11 片側ホルダー
12 他側ホルダー
11a,12a ホルダー面
18,19 凸凹形状
18a,19a 凸部
18b,19b 凹部
31 基板
32 磁性層
33 転写領域(転写パターン)
34 非転写領域
36 凹凸
50 電磁石装置
55 磁界印加手段
L1 非転写領域の長さ
L2 転写領域の長さ
λ 凸凹形状の形成ピッチ
h 凸部高さ

Claims (5)

  1. 転写情報に対応した微細凹凸による所望の転写パターンが形成されたディスク状のマスター担体と、転写を受ける磁気記録媒体とをホルダーに収容し、該ホルダーによって前記マスター担体と磁気記録媒体とを押圧し密着させた状態で磁界を印加し、磁気記録媒体に情報記録を行う磁気転写方法において、
    前記ホルダーの少なくとも前記マスター担体に対応するホルダー面が全面に分布する凸凹形状を有し、該ホルダー面で前記マスター担体を押圧することを特徴とする磁気転写方法。
  2. 前記マスター担体における円周状トラックに複数形成された各セクタは、サーボ信号等の情報を転写記録する微細凹凸による転写パターンを有する転写領域と、微細凹凸を有しない非転写領域とを備え、最内周部のセクタにおける前記非転写領域の長さをL1、転写領域の長さをL2、前記ホルダー面の凸凹形状の周方向の形成ピッチをλとした際に、3<(L1/L2)/λ<150の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の磁気転写方法。
  3. 前記ホルダー面の凸凹形状は、少なくとも周方向の形成ピッチλが0.05〜2.0mm、凸部の高さが0.05〜0.5mmであることを特徴とする請求項1または2記載の磁気転写方法。
  4. 前記ホルダー面と前記マスター担体間に、厚さが0.01〜1.0mmの弾性材が設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気転写方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の磁気転写方法によりサーボ信号が記録されたことを特徴とする磁気記録媒体。
JP2004085023A 2004-03-23 2004-03-23 磁気転写方法および磁気記録媒体 Withdrawn JP2005276265A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004085023A JP2005276265A (ja) 2004-03-23 2004-03-23 磁気転写方法および磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004085023A JP2005276265A (ja) 2004-03-23 2004-03-23 磁気転写方法および磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005276265A true JP2005276265A (ja) 2005-10-06

Family

ID=35175782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004085023A Withdrawn JP2005276265A (ja) 2004-03-23 2004-03-23 磁気転写方法および磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005276265A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009223998A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JP2010102820A (ja) * 2008-09-29 2010-05-06 Fujifilm Corp モールド構造体、並びにそれを用いたインプリント方法及び磁気転写方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009223998A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JP2010102820A (ja) * 2008-09-29 2010-05-06 Fujifilm Corp モールド構造体、並びにそれを用いたインプリント方法及び磁気転写方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050200991A1 (en) Magnetic transfer method and apparatus
JP2008210512A (ja) 磁気転写用マスター担体の製造方法
US6909634B2 (en) Magnetic transfer method and magnetic transfer device
JP4046480B2 (ja) 磁気転写方法および磁気転写装置
JP2005276265A (ja) 磁気転写方法および磁気記録媒体
JP3986951B2 (ja) 磁気転写用マスター担体および磁気転写方法
US7110196B2 (en) Magnetic transfer method and apparatus
US7532420B2 (en) Master disk for magnetic transfer, magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
US20070217047A1 (en) Master medium for perpendicular magnetic transfer, method of perpendicular magnetic transfer, perpendicular magnetic recording medium and perpendicular magnetic recording apparatus
US20050213372A1 (en) Method and apparatus for magnetic transfer, and magnetic recording medium
JP2003141715A (ja) 磁気転写用マスター担体
US7440207B2 (en) Magnetic-transfer method, magnetic recording medium, and magnetic recording device
JP2004348796A (ja) 磁気転写用マスター担体および磁気転写方法
US7663827B2 (en) Method of initializing perpendicular magnetic recording medium, perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
JP4044065B2 (ja) 磁気転写用マスター担体、磁気転写方法
JP3999709B2 (ja) 磁気転写用マスター担体および磁気転写方法
JP3964452B2 (ja) 磁気転写用マスター担体
JP4089904B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2005011384A (ja) 磁気転写用マスター担体および磁気転写方法
JP2006236466A (ja) 磁気転写用マスター担体
JP2005100605A (ja) 磁気転写用マスター担体の製造方法
JP2003173525A (ja) 磁気転写装置
JP2002251724A (ja) 磁気転写方法および磁気転写装置
JP2005276294A (ja) 磁気転写装置および磁気記録媒体
JP2006114104A (ja) 磁気転写方法、磁気記録媒体、及び磁気記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605