JP2003036289A - 住宅避難安全性評価方法及び住宅避難安全性評価システム - Google Patents

住宅避難安全性評価方法及び住宅避難安全性評価システム

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JP2003036289A JP2001225489A JP2001225489A JP2003036289A JP 2003036289 A JP2003036289 A JP 2003036289A JP 2001225489 A JP2001225489 A JP 2001225489A JP 2001225489 A JP2001225489 A JP 2001225489A JP 2003036289 A JP2003036289 A JP 2003036289A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】火災感知関連機器の設置状況による避難安全性
の差を情報として提供するとともに、より安全な住宅の
提案を可能とする住宅避難安全性評価方法及び住宅避難
安全性評価システムを提供することにある。 【解決手段】火災性状計算部20は、住宅の3次元形状
データと、火源の位置及び規模のデータを基に住宅内の
温度、煙濃度、煙層の厚さを計算し、感知器動作計算部
21は、この第1の計算結果と、取り付ける火災感知器
の種別、感度及び上記住宅内の取付け位置の各データと
を基に火災感知器の動作時間を計算し、避難時間計算部
22は、避難経路特定部3で特定された複数の避難経路
に対して、上記住宅内における人の位置から避難に要す
る時間を計算する。そして避難安全度判断部40は、上
記避難経路が危険になる時間と、上記火災感知器の動作
時間と避難に要する時間とを足した時間とを比較して避
難の安全度を判断する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の避難安全性
を評価する住宅避難安全性評価システム及び住宅避難安
全性評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅の避難安全性を評価する方法
では、若干の火災覚知遅れ状態を想定し、この場合の避
難経路の安全性を評価していた。この従来の評価方法の
主旨は、住居内のどの空間で火災が発生しても避難経路
が確保されていることを確認し、必要であれば住宅の設
計を変更するためのものであった。
【0003】その具体的な評価方法は、居室及び出火室
を特定し、考え得る居室からの避難経路を想定し、個々
の避難経路毎に避難に支障を来す障害要因を抽出し、予
め定められた障害要因の障害度を用いて避難障害度を算
出するものであり、居室及び出火室は住宅内の全ての空
間に適用し、住居全体の評価をする。
【0004】(参照「建築物の総合防火設計法第1巻総
合防火設計法」監修:建設省大臣官房技術調査室、編
集:(財)国土開発技術研究センター、発行:(財)日
本建築センター 平成元年4月10日発行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
住宅避難安全性の評価方法は、住宅に設置された火災感
知器や火災感知システム設備等の有無による影響は考慮
されておらず、若干の火災覚知遅れ状態を想定して火災
がある程度進展している場合の評価を行っている。
【0006】従って、火災感知器等が設置されているこ
とによって火災を初期に感知し、早期に避難を開始する
ことが可能な避難安全性が向上した住宅についての評価
ができなった。また、最近、住宅の品質確保の促進等に
関する法律が施行され、住宅性能表示制度がスタート
し、その中には火災安全性のグレードを火災感知器及び
火災感知システム設備の設置状況により決定することと
なったため、今後戸建て住宅における火災感知器の普及
が期待できるが、火災感知器の設置状況によりどれだけ
避難安全性に効果が現れるかを評価するシステムが存在
しなかった。
【0007】本発明は、上記の点に鑑みて為されたもの
であって、その目的とするところは火災感知器や火災感
知システム設備等の火災感知関連機器の設置状況による
効果(避難安全性)の差を情報として提供するととも
に、より安全な住宅の提案を可能とする住宅避難安全性
評価方法及び住宅避難安全性評価システムを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の住宅避難安全性評価方法の発明では、
住宅の3次元形状データと、火源の位置及び規模のデー
タを基に住宅内の温度、煙濃度、煙層の厚さを計算し、
この第1の計算結果と、取り付ける火災感知器の種別、
感度及び上記住宅内の取付け位置の各データとを基に火
災感知器の動作時間を計算し、特定された複数の避難経
路に対して、上記住宅内における人の位置から避難に要
する時間を計算し、上記第1の計算結果より導かれる上
記避難経路が危険になる時間と、上記火災感知器の動作
時間と避難に要する時間とを足した時間とを比較して避
難の安全度を判断することを特徴とする。
【0009】請求項2の住宅避難安全性評価システムで
は、住宅の3次元形状データを入力する第1の入力部
と、火源の位置及び規模を入力する第2の入力部と、上
記第1、第2の入力部で入力されたデータを基に住宅内
の温度、煙濃度、煙層の厚さを計算する第1の計算部
と、火災感知器の種別、感度及び取付け位置を入力する
第3の入力部と、上記第1の計算部の結果と第3の入力
部で入力されたデータを基に火災感知器の動作時間を計
算する第2の計算部と、上記住宅での複数の避難経路を
特定する避難経路特定部と、該避難経路に対して上記住
宅内における人の位置から避難に要する時間を計算する
第2の計算部とを有し、上記第1の計算部の計算結果か
ら導かれる各避難経路が危険になる時間と、火災感知器
の動作時間と避難に要する時間とを足した時間とを比較
して避難の安全度を判断する第1の判断手段とを有する
ことを特徴とする。
【0010】請求項3の発明の住宅避難安全性評価シス
テムでは、請求項2の発明において、就寝状態や人の年
齢層を含む上記住宅内の人の状況データを入力する第4
の入力部と、該第4の入力部で入力された状況データ及
び上記住宅内の人の位置を基に住宅内の人が避難するの
に要する時間を計算する第3の計算部とを有し、上記第
1の判断手段は、上記避難経路が危険になる時間と、上
記火災感知器の動作時間と第3の計算部で計算された避
難に要する時間とを足した時間とを比較して、避難の安
全度を判断することを特徴とする。
【0011】請求項4の発明の住宅避難安全性評価シス
テムでは、請求項2又は3の発明において、避難経路の
障害要因を入力する第5の入力部と、該第5の入力部か
らの入力データと上記第1の判断手段から得られる避難
安全度を基に、再度安全度を判断する第2の判断手段と
を有することを特徴とする。
【0012】請求項5の発明の住宅避難安全性評価シス
テムでは、請求項2乃至4の何れかの発明において、上
記第1又は第2の判断手段から得られた安全度に応じ
て、安全度をより増すための改善項目を提示する改善項
目提示手段を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を実施形態に基づいて説明
する。 (実施形態1)図1は本発明方法を用いた住宅避難安全
性評価システムの一実施形態のシステム構成を示してお
り、第1の入力部たる住宅形状入力部10、第2の入力
部たる火源データ入力部11、第3の入力部たる感知器
データ入力部12、第1の計算部たる火災性状計算部2
0、第2の計算部たる感知器動作計算部21、避難経路
特定部3、第3の計算部たる避難時間計算部22、第1
の判断部たる避難安全度判断部40を備えている。ここ
で本発明の住宅避難安全性評価システムは実際には汎用
のコンピュータ等のコンピュータシステムを用い、各入
力部10〜12はキーボード、メディアからのデータ読
み込みを行う各種外部記憶装置などから構成され、各計
算部20〜22,避難経路特定部3,避難安全度判断部
40の各機能はコンピュータの中央演算処理装置が予め
各計算部20〜22の計算機能及び、避難経路特定部
3,避難安全度判断部40の演算処理機能に対応して予
めローディングされているプログラムを実行することで
実現される。またデータの入出力の確認や避難安全度判
断部40の判断結果の提示はコンピュータシステムに備
わっているモニタを用いるとともに、必要に応じてプリ
ンタ等によって印字できるようになっている。
【0014】さて上記住宅形状入力部10は、住宅の3
次元形状データを入力する部分で、CADで記述された
個々の住宅の設計データを入力可能とするほか、予めサ
イズが決められた住宅のパーツ(居室、廊下、階段、扉
等)をモニタ(図示せず))で表示される入力画面上
で、ポインティングデバイス等を組み合わせることによ
って形成された住宅の形状データを入力としてもよい。
【0015】火源データ入力部11は、火源の位置及び
規模を入力する部分で、住宅形状入力部10で入力され
た住宅内のどの位置で火災が発生したと想定するかを入
力するとともに、火災の規模を入力する。この場合モニ
タに表示される住宅の平面図上に火源の位置を入力して
もよい。
【0016】火災の規模は、発熱速度Q[kW]で入力
する他、予め決められた火災の種類(布団くん焼火災、
てんぷら火災など)と発熱速度の関係を用いて、火災の
種類を特定することにより入力してもよい。ここで、発
熱速度Qは時間によって変化する関数(例えば、Q=α
2)を用いてもよい。(α:火災成長率、t:時間) 感知器データ入力部12は、火災感知器の種別、感度、
及び取付け位置を入力する部分で、種別は、熱感知器、
煙感知器、無煙複合感知器等を入力し、感度は、それぞ
れの感知器に対して、火災と判断して警報を発するレベ
ル(温度、煙濃度、あるいは複合アルゴリズムなど)を
入力する。
【0017】火災性状計算部20は、住宅形状入力部1
0と火源データ入力部11で入力されたデータを基に住
宅内の温度、煙濃度、煙層の厚さを計算する部分で、具
体的な方法は、建築火災安全設計で利用されている公知
の二層ゾーンモデル(参照建築物の総合防火設計法第3
巻避難安全設計法 監修:建設省大臣官房技術調査室
編集:(財)国土開発技術研究センター 発行:(財)
日本建築センター平成元年4月10日発行 )を用いる
のが有効である。この二層ゾーンモデルは、火源の性状
と部屋のサイズ、開口などを入力とし、部屋の温度、煙
濃度、隣室への煙の流れを予測することができる。
【0018】但し、現状の二層ゾーンモデルは、空間を
火災によって温度が上昇した上部層と常温の下部層の二
層に分かれると仮定し、それぞれの層内の物理的性質
(温度、煙濃度など)は一様であると仮定しているた
め、火災感知器を取り付けた付近の温度、煙濃度を予測
する精度は十分とは言えない。
【0019】そこで、上部層内の温度や煙濃度の分布を
考慮することでより精度の高い予測が可能となる。
【0020】感知器動作計算部21は、火災性状計算部
20で計算された部屋の温度、煙濃度のデータと、感知
器データ入力部12で入力された感知器データを基に火
災感知器の動作時間T2を計算する部分で、火災感知器
が取り付けられた住宅内の位置における温度や煙濃度
が、火災感知器が火災と判断して警報を発するレベルに
達した時間を計算するものである。
【0021】避難経路特定部3は、住宅形状入力部10
で入力された住宅データに対応した住宅内の一つの人の
位置と少なくとも一つの避難口(玄関、裏口など)を特
定し、当該位置の人が当該避難口まで避難する経路を特
定するため演算処理を行う。。
【0022】避難時間計算部22は、避難経路特定部3
で特定された避難経路に対して、住宅内における人の位
置から避難に要する時間T3を計算するもので、避難経
路の距離と、人の歩行速度から避難に要する時間T3を
計算する。
【0023】避難安全度判断部40は、火災性状計算部
3から導かれる避難経路が危険になる時間T1と、感知
器動作時間T2と避難に要する時間T3とを足した時間
T4を比較して避難の安全度を判断し、その判断結果を
モニタ(図示せず)やプリントアウトする部分である。
【0024】而して本実施形態システムは、図2に示す
ようにステップS1で各入力部20〜23によるデータ
入力を行い、このデータ入力が終了すると火災性状計算
部20により火災性状計算部3による計算を行い(ステ
ップS2)、次のステップS3では、火災性状計算部2
0で計算された部屋の温度、煙濃度のデータと、感知器
データ入力部12で入力された感知器データを基に火災
感知器の動作時間T2が感知器動作計算部21により計
算される。
【0025】この火災感知器の動作時間T2の計算後、
ステップS4において、避難時間計算部22によって避
難時間T3が計算される。そしてステップS5では避難
安全度判断部40が、感知器動作計算部21で計算され
た火災感知器の動作時間T2と避難時間計算部22で計
算した避難時間T3とを加算して時間T4が求め、また
火災性状計算部20で導かれる避難経路が危険になる時
間T1を求め(ステップS6)、この時間T1と上記時
間T4とをステップS7で比較する。
【0026】ここで時間T1の計算に当たっては、例え
ば、避難経路において、火災性状計算部20で計算され
た煙層の厚さを用いて、煙層が人体に危険を及ぼす高さ
まで降下する時間とする。例えば、人体に危険を及ぼす
高さを床から1.8mの位置とすると、避難経路のある
位置の天井の高さが2.4mの場合、その位置の煙層の
厚さが0.6mになった時点を避難経路が危険になる時
間T1とする。また、煙層が人体に危険を及ぼす温度に
なる時間をT1に用いてもよい。
【0027】而してステップS7の比較結果が時間T1
>時間T4の場合には、避難経路が危険になる時間T1
の方が火災を感知して避難する時間T4よりも大きいの
で、避難安全度判断部40は、安全に避難できると判断
し、逆に時間T1<時間T4の場合には、避難経路が危
険になっている可能性があると判断する。これらの判断
結果をモニタに表示したり、プリントアウトすることで
提示する。
【0028】尚、時間T1<時間T4であっても、時間
T1になった時点で危険になった避難経路の空間を避難
者が通過していれば、避難可能であると判断することも
可能である。
【0029】また時間T1と時間T4との差を用いて、
時間T1−時間T4が大きければ安全度が高く、小さけ
れば安全度が低いと判断でき、時間T1−時間T4の値
によって安全度を評価することも可能である。安全度
は、例えば、表1のように考えることができる。
【0030】
【表1】
【0031】(実施形態2)本実施形態は、実施形態1
の構成に加えて、図3に示すように第4、第5の入力部
として居住者状況入力部13及び障害要因入力部14を
設け、また第4の計算部として居住者避難時間計算部2
3を設け、更に第2避難安全度判断部41、改善項目提
示部5を設けている。ここで入力部13,14は他の入
力部10〜12と同様にコンピュータシステムの入力手
段を用いる。また居住者避難時間計算部23,第2避難
安全度判断部41及び改善項目提示部5は共にコンピュ
ータシステムの中央演算処理装置が実行するプログラム
によりその機能が実現されている。
【0032】居住者状況入力部13は、居住者の状況を
入力する部分で、居住者の就寝の有無や、老人、子供等
の体力によって区分される人の年齢層を含む人の状況デ
ータを入力する。
【0033】居住者避難時間計算部23は、居住者状況
入力部13で入力されたデータを基に住宅内の人が避難
するのに要する時間を計算する部分で、予め定められた
居住者の状況に応じた避難に要する時間への影響度合い
を用いて計算する。例えば、就寝中の場合、火災警報器
の警報が鳴ってから避難を開始するまでに時間を要する
ため、その時間を避難に要する時間に足したり、老人、
子供の場合には、歩行速度が大人の健常者よりもゆっく
りであると想定して、歩行速度を遅くして避難時間を計
算する。
【0034】障害要因入力部14は、火源の位置が玄関
であったり、階段であったりした場合のように、通常の
住居内動線の経路(主要避難経路)が使用できないケー
スにおいて、窓から避難する、2階のバルコニーから飛
び降りるなど避難する上で障害となる要因を入力する手
段である。避難障害要因としては、例えば表2に示すよ
うな要因が挙げられる。
【0035】
【表2】
【0036】第2避難安全度判断部41は、障害要因入
力部14の入力データから、予め定められた障害要因と
その障害度の関係から、障害要因による避難障害度を求
め、その避難障害度と第1の避難安全度判断部40の結
果から得られる避難安全度とを基に再度安全度を判断す
る部分である。
【0037】障害要因と障害度の関係は表2のように考
えられ、障害度の絶対値が大きいほど障害が大きいとす
る。例えば、第1の避難安全度判断部40において、時
間T1<時間T4となり、避難経路が危険になっている
可能性があると判断された場合でも、危険な避難経路を
通らずに窓から避難する経路を選択し、その障害要因の
障害度が小さければ、危険度は小さいと判断できる。
【0038】例えば図4のフローチャートに示すように
ステップS7(図2のステップS7と同じ)で避難経路
が危険であると判断される(ステップS8)と、時間T
1と時間T4の差を見て(ステップS9)、例えば−2
0より小さい場合には避難安全度判断部40は表1を基
に安全度を−3と判断する(ステップS10)。この判
断結果に基づいて第2避難安全度判断部41では居住者
避難時間計算部23の計算結果及び障害要因(表2)か
ら例えば「2階のバルコニーから1階屋根を経由して避
難する経路(障害度:1)」を選択する判断を行い(ス
テップS11)、安全度を−3から安全度−1へと修正
し(ステップS12)、この判断結果をモニタに表示さ
せたり、プリントアウトさせることで提示する。
【0039】尚総合的に安全度を判断する場合、表2の
障害度はマイナスの値で示す。ここで、避難経路に複数
の障害要因がある場合には、それらの障害度を足してそ
の避難経路の障害度とする。
【0040】そして改善項目提示部42は、第1の避難
安全度判断部40又は第2避難安全度判断部41から得
られた安全度に応じて、安全度をより増すための改善項
目を提示する処理を行う。例えば、第1の避難安全度判
断部40で避難経路が危険になると判断された場合にお
いて、火災感知器の設置が不十分である場合、各室に火
災感知器を設置することを提示し、火災感知時間を早め
て避難時間に余裕を持たせることにより安全度を向上さ
せることや、各室から少なくとも2方向に避難可能な構
造とするなどの提示をモニタやプリントアウトにより行
う。尚改善項目などは予めコンピュータシステムに設け
たデータベースに格納しており、改善項目提示部42は
避難安全度判断部41の判断結果と、対象となる住宅の
状態等のデータを条件としては適切な改善項目を抽出す
るのである。
【0041】図5に示すような改善項目の提示例を示
す。このように改善を実施した場合の避難安全性を上記
避難安全判断部41の結果を用いて示すとよりわかりや
すい。住宅の総合的な避難安全性を評価するためには、
全ての空間で火災の可能性があると想定し、どこで火災
が起きた場合においても、どの居室にいても安全に避難
できるかどうかを評価する必要があるので、起こり得る
全てのパターンにおいて評価を実施する必要がある。
【0042】
【発明の効果】請求項1の住宅避難安全性評価方法の発
明は、住宅の3次元形状データと、火源の位置及び規模
のデータを基に住宅内の温度、煙濃度、煙層の厚さを計
算し、この第1の計算結果と、取り付ける火災感知器の
種別、感度及び上記住宅内の取付け位置の各データとを
基に火災感知器の動作時間を計算し、特定された複数の
避難経路に対して、上記住宅内における人の位置から避
難に要する時間を計算し、上記第1の計算結果より導か
れる上記避難経路が危険になる時間と、上記火災感知器
の動作時間と避難に要する時間とを足した時間とを比較
して避難の安全度を判断するので、火災感知器及び火災
感知システム等の火災感知関連機器の違いによる住宅の
避難安全性の差を確認・評価し、より安全な住宅の提案
を可能とするという効果がある。
【0043】請求項2の住宅避難安全性評価システム
は、住宅の3次元形状データを入力する第1の入力部
と、火源の位置及び規模を入力する第2の入力部と、上
記第1、第2の入力部で入力されたデータを基に住宅内
の温度、煙濃度、煙層の厚さを計算する第1の計算部
と、火災感知器の種別、感度及び取付け位置を入力する
第3の入力部と、上記第1の計算部の結果と第3の入力
部で入力されたデータを基に火災感知器の動作時間を計
算する第2の計算部と、上記住宅での複数の避難経路を
特定する避難経路特定部と、該避難経路に対して上記住
宅内における人の位置から避難に要する時間を計算する
第2の計算部とを有し、上記第1の計算部の計算結果か
ら導かれる各避難経路が危険になる時間と、火災感知器
の動作時間と避難に要する時間とを足した時間とを比較
して避難の安全度を判断する第1の判断手段とを有する
ので、火災感知器及び火災感知システム等の火災感知関
連機器の違いによる住宅の避難安全性の差を確認・評価
し、より安全な住宅の提案を可能とするシステムを実現
できるという効果がある。
【0044】請求項3の発明の住宅避難安全性評価シス
テムは、請求項2の発明において、就寝状態や人の年齢
層を含む上記住宅内の人の状況データを入力する第4の
入力部と、該第4の入力部で入力された状況データ及び
上記住宅内の人の位置を基に住宅内の人が避難するのに
要する時間を計算する第3の計算部とを有し、上記第1
の判断手段は、上記避難経路が危険になる時間と、上記
火災感知器の動作時間と第3の計算部で計算された避難
に要する時間とを足した時間とを比較して、居住者の状
態や家族構成の違いなどによる住宅の避難安全性の差を
確認できるという効果がある。
【0045】請求項4の発明の住宅避難安全性評価シス
テムは、請求項2又は3の発明において、避難経路の障
害要因を入力する第5の入力部と、該第5の入力部から
の入力データと上記第1の判断手段から得られる避難安
全度を基に、再度安全度を判断する第2の判断手段とを
有するので、通常の住居内動線の経路(主要避難経路)
が使用できないケースにおける住宅の避難安全性を確認
できるという効果がある。
【0046】請求項5の発明の住宅避難安全性評価シス
テムは、請求項2乃至4の何れかの発明において、上記
第1又は第2の判断手段から得られた安全度に応じて、
安全度をより増すための改善項目を提示する改善項目提
示手段を有するので、住宅の避難安全性を向上させる手
段を容易に確認できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のシステム構成図である。
【図2】同上の動作説明用フローチャートである。
【図3】本発明の実施形態2のシステム構成図である。
【図4】同上の主要部の動作説明用のフローチャートで
ある。
【図5】同上の改善項目提示手段の提示内容説明図であ
る。
【符号の説明】
10 住宅形状入力部 11 火源データ入力部 12 感知器データ入力部 13 避難経路特定部 20 火災性状計算部 21 感知器動作計算部 22 避難時間計算部 40 避難安全度判断部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】住宅の3次元形状データと、火源の位置及
    び規模のデータを基に住宅内の温度、煙濃度、煙層の厚
    さを計算し、この第1の計算結果と、取り付ける火災感
    知器の種別、感度及び上記住宅内の取付け位置の各デー
    タとを基に火災感知器の動作時間を計算し、特定された
    複数の避難経路に対して、上記住宅内における人の位置
    から避難に要する時間を計算し、上記第1の計算結果よ
    り導かれる上記避難経路が危険になる時間と、上記火災
    感知器の動作時間と避難に要する時間とを足した時間と
    を比較して避難の安全度を判断することを特徴とする住
    宅避難安全性評価方法。
  2. 【請求項2】住宅の3次元形状データを入力する第1の
    入力部と、火源の位置及び規模を入力する第2の入力部
    と、上記第1、第2の入力部で入力されたデータを基に
    住宅内の温度、煙濃度、煙層の厚さを計算する第1の計
    算部と、火災感知器の種別、感度及び取付け位置を入力
    する第3の入力部と、上記第1の計算部の結果と第3の
    入力部で入力されたデータを基に火災感知器の動作時間
    を計算する第2の計算部と、上記住宅での複数の避難経
    路を特定する避難経路特定部と、該避難経路に対して上
    記住宅内における人の位置から避難に要する時間を計算
    する第2の計算部とを有し、上記第1の計算部の計算結
    果から導かれる各避難経路が危険になる時間と、火災感
    知器の動作時間と避難に要する時間とを足した時間とを
    比較して避難の安全度を判断する第1の判断手段とを有
    することを特徴とする住宅避難安全性評価システム。
  3. 【請求項3】就寝状態や人の年齢層を含む上記住宅内の
    人の状況データを入力する第4の入力部と、該第4の入
    力部で入力された状況データ及び上記住宅内の人の位置
    を基に住宅内の人が避難するのに要する時間を計算する
    第3の計算部とを有し、上記第1の判断手段は、上記避
    難経路が危険になる時間と、上記火災感知器の動作時間
    と第3の計算部で計算された避難に要する時間とを足し
    た時間とを比較して、避難の安全度を判断することを特
    徴とする請求項2記載の住宅避難安全性評価システム。
  4. 【請求項4】避難経路の障害要因を入力する第5の入力
    部と、該第5の入力部からの入力データと上記第1の判
    断手段から得られる避難安全度を基に、再度安全度を判
    断する第2の判断手段とを有することを特徴とする請求
    項2又は3記載の住宅避難安全性評価システム。
  5. 【請求項5】上記第1又は第2の判断手段から得られた
    安全度に応じて、安全度をより増すための改善項目を提
    示する改善項目提示手段を有することを特徴とする請求
    項2乃至4記載のいずれか記載の住宅避難安全性評価シ
    ステム。
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