JP2003035837A - 光ファイバカプラとその製法、及びこれを用いた光ファイバ増幅器 - Google Patents

光ファイバカプラとその製法、及びこれを用いた光ファイバ増幅器

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JP2003035837A
JP2003035837A JP2001221273A JP2001221273A JP2003035837A JP 2003035837 A JP2003035837 A JP 2003035837A JP 2001221273 A JP2001221273 A JP 2001221273A JP 2001221273 A JP2001221273 A JP 2001221273A JP 2003035837 A JP2003035837 A JP 2003035837A
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rare earth
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optical
coupler
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Kazuyuki Miyake
和幸 三宅
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】希土類添加光ファイバと他の光ファイバとを用
いて光ファイバカプラを作成した場合、上記それぞれの
ファイバの伝搬定数が異なる為に任意の特定波長におい
て完全結合させることが出来なかった。そこで、両方の
伝搬定数を一致させる為に、他の光ファイバとして、前
記希土類添加ファイバと同じ伝搬定数でありかつ希土類
が添加されていない疑似希土類添加光ファイバを作成
し、これを用いて光ファイバカプラを作成した。しかし
本手段では、該光ファイバカプラ専用に別途疑似希土類
添加光ファイバを作成しなければならず、余計な時間や
コストが掛かるという問題があった。 【解決手段】前記その他の光ファイバとして汎用のシン
グルモードファイバ3を用い、その中途部を予備加工
(加熱延伸)して予備加工部3Eを希土類添加光ファイ
バ1と略等しく調整し、予備加工部3Eと希土類添加光
ファイバ1とから光結合部4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光通信分野に用い
られる光ファイバカプラとその製造方法、及びこれを用
いた光ファイバ増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信分野において、光ファイバ内を透
過される光信号の分岐や結合等を行う手段として光ファ
イバカプラが広く用いられている。特に、光ファイバ内
を伝送される信号光の増幅を行う光ファイバ増幅器にお
いて多用されており、別々の光ファイバ内を伝送される
前記光信号と励起光とを、信号光を増幅する為の一本の
希土類添加光ファイバへと導く手段として用いられてい
る。
【0003】前記光ファイバカプラは、例えば、並列に
配置された複数の光ファイバの一部分が加熱融着及び延
伸されることにより、光ファイバ同士が光学的にカップ
リングされた光結合部が形成され、次に、該光結合部を
含む部分が補強部材に固定収納されてることにより補強
が施されて作成される。図8はこのような光ファイバカ
プラ100の構造を示している。101、102はシン
グルモードファイバであり、101’、102’はシン
グルモードファイバ101、102の保護被覆が除去さ
れた部分である。103は光結合部であり、被覆除去部
101’と102’とが並列されて加熱融着及び延伸さ
れることによって形成されている。104は固定基板で
あり、光結合部103及びその両端のシングルモードフ
ァイバ101、102が接着剤105によって固定基板
104に固定されている。106は保護ケースであり、
固定基板104がこの内部に収納されている。
【0004】図9は、光ファイバカプラ100が組込ま
れた光ファイバ増幅器の基本構成の簡略図を示してい
る。101a、101b、102a、102bは、光フ
ァイバカプラ100内の光結合部103に繋がっている
シングルモードファイバである。108は希土類添加光
ファイバであり、シングルモードファイバ101bと希
土類添加光ファイバ108の一端とが融着接続され、該
接続部109には補強部材107が設けられて補強され
ている。また、希土類添加光ファイバ108の他端には
例えば光アイソレータ110が設けられ、これを介して
シングルモードファイバ111が接続されている。シン
グルモードファイバ101aの他端からは信号光が入力
され、シングルモードファイバ102aの他端からは励
起光が入力されるように構成されている。シングルモー
ドファイバ101aの他端から入力された信号光と、シ
ングルモードファイバ102aの他端から入力された励
起光は、光ファイバカプラ100の光結合部103で結
合されてシングルモードファイバ101bへ伝送された
後、希土類添加光ファイバ108に入力されて信号光が
増幅され、希土類添加光ファイバ108の他端から増幅
された信号光が、光アイソレータ110を介してシング
ルモードファイバ111へ出射される。
【0005】しかしながら、上記増幅器の構成では、光
ファイバカプラ100と希土類添加光ファイバ108と
を融着接続する必要がある為、接続部109において接
続損失が生じたり、手間の掛かる融着接続作業を行う必
要があるといった問題があった。また、接続部109に
は補強部材107を設けている為、光ファイバ増幅器内
部に、補強部材107を収納するスペースを設ける必要
もあった。
【0006】更に、図9で示した構成によれば、信号光
と励起光とが光ファイバカプラ100の光結合部103
にて結合された後に希土類添加光ファイバ108へ入射
されるが、前記信号光成分と前記励起光成分はそれぞれ
異なるモードフィールド径を有する為、接続部109に
おいて信号光成分と励起光成分とを最適な状態に調整
し、接続することは困難であるといった問題もあった。
【0007】そこで、上記問題点を解決する為の手段
が、特開2000−338358公報に開示されてお
り、該解決手段について図を用いて説明する。図10に
示した光ファイバカプラ200は、希土類添加光ファイ
バ204と、疑似希土類添加光ファイバ202とを融着
延伸してなり、該融着延伸部(光結合部)203の一方
側の近傍における上記希土類添加光ファイバ204には
シングルモードファイバ201を融着接続部205にて
接続して構成したものである。疑似希土類添加光ファイ
バ202とは、モードフィールド径を小さくして希土類
添加光ファイバ204と伝搬定数をほぼ等しくし、か
つ、希土類が添加されていないような光ファイバであ
る。
【0008】前記融着接続は、シングルモードファイバ
201と希土類添加光ファイバ204とは、互いの軸心
を合わせた後、複数回加熱し融着されている。よって、
前記加熱部分のコア内の屈折率を増大させているGe等
の添加物が拡散され、伝搬時の接続損失が低減される。
また、融着延伸部203は、希土類添加光ファイバ20
4と、希土類添加光ファイバ204と伝搬定数がほぼ等
しい疑似希土類添加光ファイバ202とを融着延伸して
形成している為、ある特定波長での完全結合が出来る。
即ち、励起光源の波長領域が結合するような加熱延伸を
行えば、励起光を合波する合波器として機能する。
【0009】よって、上記光ファイバカプラ200の構
成によれば、図9に示した、光ファイバカプラ100と
希土類添加光ファイバ108との接続部109、及び、
補強部材107を省略することが出来る。更に、シング
ルモードファイバ201の他端201aから信号光を入
力した場合、信号光を低減された損失で融着接続部20
5を経て希土類添加光ファイバ204に透過させること
ができ、また、融着延伸部203の長手方向に対してシ
ングルモードファイバ201と同じ側に位置する疑似希
土類添加光ファイバ202の端部202aから励起光を
入力した場合、励起光は融着延伸部(光結合部)203
において希土類添加光ファイバ204へ完全結合させる
ことが出来る。即ち、図9で示した光ファイバカプラの
問題点が解消されるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した光
ファイバカプラ200を形成する為には、希土類添加光
ファイバ204の伝搬定数に合わせた疑似希土類添加光
ファイバ202を別途作成する必要があり、余計なコス
トが掛かるという問題があった。
【0011】また、光ファイバカプラ200の疑似希土
類添加光ファイバ202に励起光供給用の図示していな
い励起光源を接続するには、通常、該励起光源に取り付
けられた励起光伝送用の図示していないシングルモード
ファイバと、疑似希土類添加光ファイバ202の端部2
02aとが接続される。しかし、例えば励起波長が1.
48μm帯の場合、前記励起光伝送用シングルモードフ
ァイバの励起波長におけるモードフィールド径が概ね9
〜10μmであるのに対し、疑似希土類添加ファイバ2
02のモードフィールド径は概ね4〜5μmである為、
この様に異なったモードフィールド径の光ファイバ同士
を接続すると、大きな接続損失が生じるという問題があ
った。この問題は、励起波長が0.98μm帯の場合で
も同様である。また、疑似希土類添加光ファイバ202
の端部202aを直接、前記励起光源に接続する場合も
考えられるが、上述したように疑似希土類添加光ファイ
バのモードフィールド径は非常に小径である為に、接続
時の調芯作業が非常に困難であり作業性が悪いという問
題もあった。
【0012】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、疑似希土類添加光ファイバに代えて一般的な光ファ
イバを用い、低コストな光ファイバカプラとこれを用い
た光ファイバ増幅器を提供すること目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)第一の光ファイバ
と第二の光ファイバとの一部が加熱融着されて光結合部
が形成された光ファイバカプラにおいて、前記光結合部
の形成前に、第一の光ファイバと第二の光ファイバのう
ち一方の光ファイバの前記光結合部が形成される箇所
に、他方の光ファイバの伝搬定数と略等しくする予備加
工が行われていることを特徴としている。
【0014】(2)前記予備加工が、加熱延伸処理であ
ることを特徴としている。
【0015】(3)前記第一の光ファイバが希土類添加
光ファイバであり、前記第二の光ファイバが前記希土類
添加光ファイバの励起を行う励起光を伝送する励起光伝
送用光ファイバであることを特徴としている。
【0016】(4)前記第一の光ファイバが希土類添加
光ファイバであり、前記第二の光ファイバが信号光を伝
送する希土類が添加されていない光ファイバであること
を特徴としている。
【0017】(5)希土類添加光ファイバと、中途部が
加熱延伸されて該延伸部の伝搬定数が前記希土類添加光
ファイバの伝搬定数と略等しく調整された希土類元素が
添加されていない光ファイバとを並列に保持した後、前
記延伸部において、前記希土類添加光ファイバと前記希
土類が添加されていない光ファイバとを加熱融着延伸し
て光結合部を形成する工程を含んだ、光ファイバカプラ
の製造方法である。
【0018】前記(3)または(4)いずれかの光ファ
イバカプラを備え、第一の光ファイバの一端から信号光
または励起光が入力可能とされ、第二の光ファイバの一
端から励起光または信号光が入力可能とされ、前記光結
合部において信号光と励起光が結合されて、前記光ファ
イバカプラの第一の光ファイバである希土類添加光ファ
イバの他端から増幅された信号光が出力されることを特
徴とする、光ファイバ増幅器である。
【0019】
【作用】希土類添加光ファイバの伝搬定数に合わせた疑
似希土類添加光ファイバを用いることなく、希土類添加
光ファイバと汎用のシングルモードファイバとを用い
て、信号光と励起光とが高効率で結合される光ファイバ
カプラを作成することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に関して図を用いて説明す
る。なお、ここで示す光ファイバカプラは、主に光ファ
イバ増幅器に用いられるものである。
【0021】図1(B)は本発明の光ファイバカプラ6
の構成を示している。1は希土類添加光ファイバであ
り、Er、Nd、Yb等の希土類元素が添加された、信
号光を増幅する為に用いられる光ファイバである。2は
信号光を伝送する為に用いられるシングルモードファイ
バであり、3は励起光を伝送する為に用いられるシング
ルモードファイバである。希土類添加光ファイバ1とシ
ングルモードファイバ3とは、それぞれの被覆除去部
1’と3’の一部において融着延伸され、光学的にカッ
プリングされる光結合部4が形成されている。光結合部
4近傍の光結合部4近傍の被覆除去部1’には、シング
ルモードファイバ2の被覆除去部2’が融着接続されて
おり、5がその融着接続部である。なお、本実施例で
は、シングルモードファイバ2、3及び希土類添加光フ
ァイバ1は、クラッド径:φ125μm、被覆外径:φ
250μmの光ファイバであり、希土類添加光ファイバ
1としてはEr添加ファイバを用いている。また、シン
グルモードファイバ3は、希土類添加光ファイバ1より
もモードフィールド径が大きく伝搬定数が異なってい
る。
【0022】図1(A)は上記光ファイバカプラ6の作
成手順を説明するための図である。まず、シングルモー
ドファイバ3を用意し、シングルモードファイバ3の中
途部の被覆を任意の長さだけ除去して被覆除去部3’を
形成する。続いて、被覆除去部3’を加熱延伸し、希土
類添加光ファイバ1と略等しい伝搬定数となる予備加工
部3Eを形成する。具体的には、シングルモードファイ
バ3(クラッド径:125μm)の被覆除去部3’の中
途部を加熱延伸し、クラッド径:約110μm、長さ:
20〜30mmの予備加工部3Eを形成する。なお、予
備加工部3E形成前の被覆除去部3’は概ね45mmで
あり、予備加工部3E形成後の被覆除去部3’は概ね5
0mmである。次に、希土類添加光ファイバ1とシング
ルモードファイバ2を用意し、それぞれの一端の被覆を
任意の長さだけ除去して被覆除去部1’と2’を形成
後、両者の被覆除去部の端面同士を融着接続し、光ファ
イバ21を形成する。なお、被覆除去部1’と2’とを
融着後の被覆除去部の長さは、予備加工部3E形成後の
被覆除去部3’と同じ長さであることが好ましく、被覆
除去部1’の長さは概ね40mmであり、被覆除去部
2’の長さは概ね10mmである。即ち、上述した、希
土類添加光ファイバ1と予備加工部3Eとから光結合部
4を形成すれば、ある特定波長において実質的な完全結
合が可能な光ファイバカプラ6が形成出来る。
【0023】次に、上記で準備した光ファイバ21と、
予備加工部3Eが形成されたシングルモードファイバ3
とを、両者の被覆除去部1’と予備加工部3Eとが並ぶ
ように並列に配置し、被覆除去部1’と予備加工部3E
を加熱し融着延伸して光結合部4を形成する。この時、
光結合部4は例えば次のような方法で、光結合部4の光
分岐比を観察しながら作成する。即ち、希土類添加光フ
ァイバ1の端部1bから信号光(例えば波長1.55μ
m)を連続的に入力し、該信号光入力端部側に対して光
結合部4を挟んで反対側に位置するシングルモードファ
イバ2の端部2aとシングルモードファイバ3(30)
の端部3aとから出力される両方の信号光パワーを観察
しながら上記融着延伸作業を行い、光結合部4が任意の
光分岐比になるように形成する。
【0024】なお、融着接続部5は、上記融着延伸を行
う際に光結合部2の延伸部から干渉や、あるいは、融着
延伸時の熱の影響によって、接続損失や接続強度に対し
て悪影響を及ぼされず、かつ、光結合部4に出来るだけ
近い位置に設けられることが好ましい。なぜなら、融着
接続部5と光結合部4との間の、シングルモードファイ
バ3の被覆除去部3’とは融着延伸一体化されていない
希土類添加光ファイバ1’の先端部1Aに、シングルモ
ードファイバ2の端部2aから信号光が入力すると、先
端部1Aに添加された希土類元素によって信号光エネル
ギーが吸収されてしまうので、この吸収を出来るだけ小
さく抑える為に先端部1Aを出来るだけ短くする必要が
ある為である。以上により、図1(B)に示した光ファ
イバカプラ6が完成する。
【0025】次に、図2は、上述した光ファイバカプラ
6に補強が施された、光ファイバカプラ構造体10の構
造を示している。8は固定基板であって、固定基板8上
に光ファイバカプラ6が、シングルモードファイバ2の
被覆除去部2’との境界部、シングルモードファイバ3
の被覆除去部3’との境界部、及び、希土類添加光ファ
イバ1の被覆除去部1’との境界部とを含む部分におい
て、接着剤7を用いて固定されている。接着剤7には、
例えば紫外線硬化性樹脂やエポキシ系接着剤等が用いら
れる。なお、固定基板8と光ファイバカプラ6との接着
形態は上記に限らず、適宜設定される。また、接着剤7
が融着接続部5の接続損失や接続強度等に悪影響を及ぼ
さない限りは、接着剤7が融着接続部5の外周に塗付さ
れても良い。
【0026】9は保護ケースであって、本実施例の場
合、例えば、外径:φ3mm、長さ:60mm程度の金
属製パイプが用いられる。保護ケース9の内部に光ファ
イバカプラ6が固定された固定基板8が収納され、保護
ケース9の両端開口部から該開口部近傍に図示されてい
ない接着剤が適量充填されて、固定基板8が固定される
と共に両端開口部が封止される。以上により、光結合部
4と融着接続部5とが同一の補強部材(保護ケース9、
固定基板8)に収納された、光ファイバカプラ構造体1
0が完成する。
【0027】上記で作成された光ファイバカプラ構造体
10が光ファイバ増幅器に備えられた場合、シングルモ
ードファイバ2の端部2aから信号光が入力され、ま
た、シングルモードファイバ3の端部3aから希土類添
加光ファイバ1に添加された希土類元素を励起する為の
励起光が入力される。前記信号光と前記励起光とは光結
合部4で結合された後、希土類添加ファイバ1へ入力さ
れ、前記信号光が希土類添加光ファイバ1内で増幅され
る。そして、希土類添加光ファイバ1の端部1bから増
幅された信号光が出力される。また、光結合部4に対し
て希土類添加光ファイバ1と同じ側に位置するシングル
モードファイバ3(31)へ、前記励起光や前記信号光
の一部が入力されるように光結合部4を設定しておけ
ば、前記信号光や前記励起光のモニタリングやこれに基
づく励起光の制御等に利用することが出来る。
【0028】次に、端部2aから入力された信号光と端
部3aから入力された励起光とが、全て希土類添加光フ
ァイバ1に入力されるように光結合部4が設計されてい
る場合は、前記信号光と前記励起光はシングルモードフ
ァイバ31へは実質的に結合されない。よって、シング
ルモードファイバ31は不要となるので、シングルモー
ドファイバ31を短く切断して、その端部3bが保護ケ
ース9内部に納めた形態としても良い。なおこの場合、
光結合部4が、端部2aから入力された信号光と端部3
aから入力された励起光とが、全て希土類添加光ファイ
バ1に入力されるように設計されていても、実質的には
前記信号光と前記励起光とが僅かにシングルモードハァ
イバ31へ結合されるので、端部3bは無反射終端処理
されていることが好ましい。
【0029】図3は、上述した光ファイバカプラ構造体
10を組込んだ光ファイバ増幅器の基本構成の簡略図を
示している。光ファイバカプラ構造体10の内部から連
続的に設けられているシングルモードファイバ3の他端
には、励起光を発振する励起光源12に設けられたシン
グルモードファイバ13が、接続部11において融着接
続されている。また、光ファイバカプラ構造体10の内
部から連続的に設けられている希土類添加光ファイバ1
の他端には、例えば、光アイソレータが設けられ、これ
を介してシングルモードファイバ15が接続されてい
る。シングルモードファイバ2から入力された信号光
と、励起光源12から発振されシングルモードファイバ
13を介してシングルモードファイバ3(30)に入力
された励起光とが光ファイバカプラ構造体10にて結合
され、希土類添加光ファイバ1において信号光が増幅さ
れる。続いて、該増幅された信号光は光アイソレータ1
4を通過して、シングルモードファイバ15へ出力され
る。具体的には、例えば、前記信号光の波長は1.55
μm帯であり、前記励起光の波長は1.48μmであ
る。なお、1.55μm帯の信号光の励起光として0.
98μmの励起光を用いる場合は、シングルモードファ
イバ3(30)には、波長0.98μmでシングルモー
ドとなる光ファイバが選択される。
【0030】上記光ファイバ増幅器の構成によれば、シ
ングルモードファイバ3とシングルモードファイバ13
とは同一シングルモードファイバで構成することが出来
るので、この場合、接続部11における融着接続損失が
約0.02dBの低損失とすることが出来る。一方、図
9に示した従来例の場合、光ファイバカプラ106内部
から連続的に設けられている疑似希土類添加光ファイバ
102aと、図示していない励起光源に設けられたシン
グルモードファイバ12を融着接続を行うが、お互いの
伝搬定数やモードフィールド径が異なる為に接続損失は
約0.2dBとなり、同じファイバ同士を接続する場合
よりも高損失となる。図5には本発明の光ファイバ増幅
器と従来の光ファイバ増幅器の特性を示したグラフであ
る。実線は本発明、点線は従来例を表しており、それぞ
れについて利得と雑音指数(NF)を示している。これ
によれば、本発明の方が利得が大きく、また、雑音指数
が小さいという結果が得られており、つまり、本発明の
光ファイバカプラを備えた光ファイバ増幅器の方が特性
が優れていることが分かる。
【0031】図4は、図3に示した本発明の光ファイバ
増幅器において、励起光源12に設けられたシングルモ
ードファイバ13を無くし、光ファイバカプラ構造体1
0の内部から連続的に設けられたシングルモードファイ
バ3(30)の他端を、直接励起光源12に接続した例
である。本構成によれば、図3における接続部11が省
略されるので、ここで生じていた融着接続損失0.02
dBを無くすことが出来る。つまり、図3の光ファイバ
増幅器よりも更に特性が優れた光ファイバ増幅器が得ら
れる。
【0032】図6は、上述した光ファイバカプラ6とは
別の、本発明の光ファイバカプラの実施形態を示してい
る。61は光ファイバカプラであって、光ファイバカプ
ラ6における、信号光伝送用のシングルモードファイバ
2と、励起光伝送用のシングルモードファイバ3とを置
き換えて作成したものである。即ち、励起光は、希土類
添加光ファイバ1の一端に融着接続されたシングルモー
ドファイバ3の端部3aから入力され、一方、信号光
は、希土類添加光ファイバ1と共に光結合部41を形成
しているシングルモードファイバ2(20)の端部2a
から入力される構成である。つまり、希土類添加光ファ
イバ1に対する信号光と励起光の入力位置が、光ファイ
バカプラ6とは逆の構成となっている。
【0033】光ファイバカプラ61は、上述した光ファ
イバカプラ6と同様の手順により作成される。光結合部
41を形成する際は、希土類添加光ファイバ1の端部1
bから信号光(例えば波長1.55μm)を連続的に入
力し、該信号光入力端部側に対して光結合部41を挟ん
で反対側に位置するシングルモードファイバ3の端部3
aとシングルモードファイバ2(20)の端部2aとか
ら出力される両方の信号光パワーを観察しながら融着延
伸作業を行い、光結合部41が任意の光分岐比になるよ
うに形成される。なお、51は、希土類添加光ファイバ
1とシングルモードファイバ3の被覆除去部同士を融着
接続した融着接続部である。その他の上述しない構成に
ついては図1(B)に示す光ファイバカプラ6と同様の
構成であり、共通の構成部材には同一符号を付与しその
説明は省略する。
【0034】光ファイバカプラ61の構成によれば、信
号光はシングルモードファイバ2の端部2aから入力さ
れ、励起光はシングルモードファイバ3の端部3aから
入力され、光結合部41において信号光と励起光とが結
合されて、希土類添加光ファイバ1の端部1bから増幅
された信号光が出力される。なお、信号光や励起光の一
部がシングルモードファイバ2(21)へ結合されるよ
うに光結合部41を設定しておけば、前記信号光や前記
励起光もモニタリングやこれに基づく励起光の制御等に
利用することが出来る。また、信号光と励起光が全て希
土類添加光ファイバ1に結合されるように光結合部41
が設計されている場合は、前記信号光と前記励起光はシ
ングルモードファイバ21へは実質的に結合されない。
よって、シングルモードファイバ21は短く切断され、
その端部2bは無反射終端処理されることが好ましい。
【0035】図7は、光ファイバカプラ61を固定基板
8上に固定し、保護ケース9に収納した光ファイバカプ
ラ構造体10’の構造を示している。光ファイバ構造体
10’を用いれば、光ファイバ構造体10の場合と同様
に図3、図4に示した光ファイバ増幅器を構成すること
が出来る。上述しない他の構成については図2に示す光
ファイバカプラ構造体10と同様の構成であり、共通の
構成部材には同一符号を付与しその説明は省略する。
【0036】なお、上記実施例で説明した光ファイバカ
プラは、希土類添加光ファイバとシングルモードファイ
バとの2本の光ファイバを並行に保持して融着延伸して
光結合部を形成したがその限りではなく、例えば、2本
の光ファイバを交差させてこの交差部を融着延伸するな
どして光結合部を形成しても良い。また、上記光ファイ
バ増幅器は本発明の実施例にすぎず、例えば後方励起型
や双方向励起型等、その他の異なった形態の光ファイバ
増幅器であっても、本発明の光ファイバカプラを備えて
いれば、同様の効果が得られる。また、上述した実施例
では、光ファイバ増幅器用途の光ファイバカプラ及びこ
れを用いた光ファイバ増幅器について説明を行ったが、
その限りではなく、光結合部を構成する光ファイバ、及
び、それに融着接続される光ファイバを別途設定すれ
ば、例えば、ASE(Amplified Spont
aneous Emission)光源等、その他の用
途に用いられる光ファイバカプラ及びこれを備えた装置
が形成される。
【0037】
【発明の効果】本発明の光ファイバカプラによれば、従
来では必要とされていた疑似希土類添加光ファイバを別
途作成する必要がなく、汎用のシングルモードファイバ
を用いて作成することが出来るので、疑似希土類添加光
ファイバを作成していた時間やコストを削減することが
出来る。
【0038】また、本発明の光ファイバカプラに励起光
源を接続する場合、光ファイバカプラの内部から連続的
に設けられている励起光伝送用光ファイバ(シングルモ
ードファイバ30)と、励起光源の出力部に備えられた
光ファイバ(シングルモードファイバ13)とを、同じ
特性を有する汎用のシングルモードファイバで構成する
ことが出来るので、これらの融着接続をシンプル、か
つ、低損失にて行うことが出来る。つまり、本発明の光
ファイバ増幅器の作成が簡単になると共に、増幅器の性
能(利得、雑音指数等)を向上させることが出来る。
【0039】更に、前記励起光伝送用光ファイバ(シン
グルモードファイバ30)の端部に直接励起光源を接続
する場合、前記励起光伝送用光ファイバのモードフィー
ルド径は、従来の光ファイバカプラに用いられていた疑
似希土類添加光ファイバのモードフィールド径よりも大
きい為、励起光を入射させる為の調芯作業が簡単になり
作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバカプラの構造と作成方法を
説明する為の図である。
【図2】図1の光ファイバカプラに補強を施した構造を
示している。
【図3】本発明の光ファイバカプラを備えた光ファイバ
増幅器の基本構成を示した図である。
【図4】図3とは異なる、光ファイバ増幅器の基本構造
を示した図である。
【図5】図3に示した光ファイバ増幅器と、従来の光フ
ァイバカプラを備えた光ファイバ増幅器の特性(利得、
雑音係数)を比較したグラフである。
【図6】図1とは異なる光ファイバカプラの構造を示し
ている。
【図7】図6の光ファイバカプラに補強を施した構造を
示している。
【図8】従来の光ファイバカプラの構造を示している。
【図9】図8の光ファイバカプラが組込まれた従来の光
ファイバ増幅器の基本構成を示している。
【図10】図8とは異なる従来の光ファイバカプラを示
している。
【符号の説明】
1 希土類添加光ファイバ 1’ 希土類添加光ファイバの被覆除去部(希土類添加
光ファイバ) 2、3 シングルモードファイバ(希土類が添加され
ていない光ファイバ) 2’、3’ シングルモードファイバの保護被覆除去部
(希土類が添加されていない光ファイバ) 3E 予備加工部、延伸部 4、41 光結合部 6、61 光ファイバカプラ 10、10’ 光ファイバカプラ構造体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の光ファイバと第二の光ファイバと
    の一部が加熱融着されて光結合部が形成された光ファイ
    バカプラにおいて、前記光結合部の形成前に、第一の光
    ファイバと第二の光ファイバのうち一方の光ファイバの
    前記光結合部が形成される箇所に、他方の光ファイバの
    伝搬定数と略等しくする予備加工が行われていることを
    特徴とする光ファイバカプラ。
  2. 【請求項2】 前記予備加工が、加熱延伸処理であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバカプラ。
  3. 【請求項3】 前記第一の光ファイバが希土類添加光フ
    ァイバであり、前記第二の光ファイバが前記希土類添加
    光ファイバの励起を行う励起光を伝送する励起光伝送用
    光ファイバであることを特徴とする、請求項1に記載の
    光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】 前記第一の光ファイバが希土類添加光フ
    ァイバであり、前記第二の光ファイバが信号光を伝送す
    る希土類が添加されていない光ファイバであることを特
    徴とする、請求項1に記載の光ファイバカプラ。
  5. 【請求項5】 希土類添加光ファイバと、中途部が加熱
    延伸されて該延伸部の伝搬定数が前記希土類添加光ファ
    イバの伝搬定数と略等しく調整された希土類元素が添加
    されていない光ファイバとを並列に保持した後、前記延
    伸部において、前記希土類添加光ファイバと前記希土類
    が添加されていない光ファイバとを加熱融着延伸して光
    結合部を形成する工程を含んだ、光ファイバカプラの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または4いずれかに記載の光フ
    ァイバカプラを備え、第一の光ファイバの一端から信号
    光または励起光が入力可能とされ、第二の光ファイバの
    一端から励起光または信号光が入力可能とされ、前記光
    結合部において信号光と励起光が結合されて、前記光フ
    ァイバカプラの第一の光ファイバである希土類添加光フ
    ァイバの他端から増幅された信号光が出力されることを
    特徴とする、光ファイバ増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008087953A1 (ja) * 2007-01-19 2008-07-24 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 増幅用光ファイバおよび光ファイバ増幅器
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