JP2003035173A - 補機類の駆動制御装置 - Google Patents

補機類の駆動制御装置

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JP2003035173A
JP2003035173A JP2001219618A JP2001219618A JP2003035173A JP 2003035173 A JP2003035173 A JP 2003035173A JP 2001219618 A JP2001219618 A JP 2001219618A JP 2001219618 A JP2001219618 A JP 2001219618A JP 2003035173 A JP2003035173 A JP 2003035173A
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JP2001219618A
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English (en)
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Shuji Nagano
周二 永野
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成の複雑化を招くことなく、柔軟な駆動制御
を行うことのできる補機類の駆動制御装置を提供する。 【解決手段】ウォータポンプ15を含む補機類の駆動系
は、クラッチ13によってクランクシャフト11に断接
されるようになっており、それにより補機類の駆動源を
内燃機関10とM/G17とで択一的に切り替え可能と
なっている。電子制御装置22は、冷却水温度thwか
ら把握されるウォータポンプ15の駆動要求に応じ、機
関冷却水の早急な昇温又は冷却が必要とされるときに
は、クラッチ13の接続を解除し、M/G17によりウ
ォータポンプ15を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補機類の駆動制御
装置、特に補機類の駆動源を内燃機関と電動機との間で
切り替え可能な補機類の駆動制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両には、ウォータポンプやエアコンデ
ィショナ用のコンプレッサ(以下「A/Cコンプレッ
サ」という)等の各種補機類が設けられている。そうし
た車両の多くでは、ベルト・アンド・プーリ機構などを
通じてそれら補機類を機関出力軸(クランクシャフト)
に駆動連結し、内燃機関の発生動力の一部を用いて駆動
している。そのため補機類の多くは、その駆動要求に拘
わらず、機関回転速度の変化に応じた成り行き任せで駆
動されている。
【0003】なお、特に状況に応じた駆動要求の変化の
著しいA/Cコンプレッサについては、電磁クラッチや
可変容量式のコンプレッサを用いたりして、その出力調
整を許容しているが、すべての補機類にそうした機能を
付与するにはコスト的な負担が大き過ぎる。
【0004】そこで従来、特開平7−4240号公報に
みられるように、駆動系を機関出力軸から完全に切り離
して、補機類を電動機により駆動するように補機類の駆
動系を構成したものも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】補機類を完全に電動機
で駆動すれば、内燃機関の運転状況に左右されずに自在
に補機類の駆動制御を行えるため、補機類の効率運用が
可能となる。しかしながら、内燃機関の動力を利用して
発電した電力により補機類を駆動する以上、電力消費が
増大し、状況によっては却って補機類の駆動効率の悪化
を招くこともある。
【0006】一方、近年には、特開2000−1610
99公報にみられるように、内燃機関と電動機との2つ
の動力源を備え、それらの間で動力分担を調整して、各
動力源の特性に応じた効率的な車両走行を可能とするハ
イブリッド車両が提案され、実用されている。同公報に
記載の構成では、補機類の1つであるウォータポンプ
は、機関出力軸と一体回転されるようになっているた
め、機関出力軸の回転が停止されれば、ウォータポンプ
の駆動も停止されてしまう。
【0007】そこで上記公報では、動力源を内燃機関か
ら電動機へと完全に移行したときでも、機関温度が高く
ウォータポンプの駆動要求が高ければ、電動機と機関出
力軸との連結を維持して、機関出力軸を電動機により強
制回転させている。そのため、内燃機関への燃料供給が
停止されようとも、ウォータポンプの駆動を必要に応じ
て継続することはできる。しかしながら、これにより機
関の運転に依らない補機類の駆動制御がある程度に許容
されてはいるとは云え、機関の運転停止中にも必要なと
きには補機類を機関と共に半ば強引に駆動できるだけ
で、補機類が効率的に運用されているというには程遠
い。
【0008】以上のように、機関運転状況に依存せず、
柔軟に制御可能な補機類の駆動制御装置の実現が要望さ
れているものの、それを簡易な構成により実現可能なも
のは未だ提案されていないのが実情である。
【0009】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、構成の複雑化を招くことな
く、柔軟な駆動制御を行うことのできる補機類の駆動制
御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果を記載する。 (請求項1)請求項1に記載の発明は、補機類の駆動源
を、内燃機関と電動機とで択一的に切り替える補機類の
駆動制御装置において、前記補機類の駆動要求量に応じ
て前記補機類の駆動源を選択する選択手段を備えるもの
である。
【0011】内燃機関を駆動源として補機類を駆動すれ
ば、機関運転状態により補機類の駆動量が決められてし
まうため、駆動要求に応じた補機類の柔軟な駆動制御は
行えない。一方、電動機を駆動源として補機類を駆動す
れば、機関運転状態に左右されることなく、柔軟な駆動
制御を行うことは可能となるものの、その駆動には電力
消費を伴うこととなる。
【0012】その点、上記構成では、補機類の駆動要求
量に応じて、内燃機関運転中の補機類の駆動源を選択し
ているため、電力消費を抑制しつつ、必要に応じて駆動
要求に応じた柔軟な駆動制御を許容できる。例えば、特
に補機類の駆動量の制御が必要なときのみ、電動機を駆
動源として選択し、そうでないときには内燃機関を駆動
源として選択すれば、補機類の駆動要求を満たしつつも
電力消費の増大を抑えることができる。しかも、例えば
補機類の駆動系と内燃機関との動力伝達を断接する機
構、及び補機類の駆動系に連結された電動機を備える構
成であれば、上記補機類の駆動制御を実施することがで
き、その実現が比較的容易でもある。
【0013】(請求項2)請求項2に記載の発明は、請
求項1に記載の補機類の駆動制御装置において、更に機
関運転状態に応じて前記補機類の駆動源の選択を行うよ
うに前記選択手段を構成したものである。
【0014】上記構成では、更に内燃機関の運転状態に
応じて駆動源を選択しており、より好適な補機類の運用
が可能となる。例えば、機関運転状態と補機類の駆動要
求量とが旨く折り合えば、内燃機関により補機類を駆動
しても、その駆動要求を十分に満たせることがある。そ
こで、そうしたときには内燃機関を駆動源として選択
し、そうでないときには電動機を駆動源として選択すれ
ば、電動機の使用を抑えながらも、常に駆動要求に応じ
た補機類の駆動制御を行うことができるようになる。
【0015】(請求項3)請求項3に記載の発明は、内
燃機関と電動機とで補機類の駆動源を択一的に切り替え
る補機類の駆動制御装置において、前記内燃機関の運転
中、前記補機類の駆動要求量と前記内燃機関の運転状態
とに基づいて前記両駆動源での前記補機類の駆動効率を
それぞれ求め、それら駆動効率の対比に基づき駆動源を
選択して前記補機類を駆動する選択手段を備えるもので
ある。
【0016】上記構成では、補機類の駆動源として内燃
機関を選択したときと、電動機を選択したときとの駆動
効率をそれぞれ求め、それらの対比により駆動源が選択
されるため、効率的に補機類を運用することができるよ
うになる。しかも、例えば補機類の駆動系と内燃機関と
の動力伝達を断接する機構、及び補機類の駆動系に連結
された電動機を備える構成であれば、上記補機類の駆動
制御を実施することができ、その実現が比較的容易でも
ある。
【0017】(請求項4)請求項4に記載の発明は、請
求項1〜3のいずれかに記載の補機類の駆動制御装置に
おいて、更に前記電動機に電力を供給する電源の電力供
給余力に応じて前記補機類の駆動源を選択するように前
記選択手段を構成したものである。
【0018】上記構成では、電源の電力供給余力に応じ
た柔軟な駆動源の選択が可能となる。例えば電源の電力
供給余力が十分なときには、電動機による柔軟な補機類
の駆動制御をより積極的に実施し、電力供給余力が少な
いときには、駆動源としての電動機の選択を控えるよう
にすれば、電力供給余力の不足を回避し得る範囲で、柔
軟な補機類の駆動制御を実施できる。
【0019】(請求項5)請求項5に記載の発明は、請
求項1〜4のいずれかに記載の補機類の駆動制御装置に
おいて、前記補機類の駆動源として前記電動機が選択さ
れるときに、その電動機の駆動量を前記補機類の駆動要
求量に応じて制御する制御手段を更に備えるものであ
る。
【0020】上記構成では、補機類の駆動源として電動
機が選択されたとき、補機類の駆動要求量に応じて電動
機の駆動量が制御されるため、補機類の駆動要求をより
的確に満たすことができる。
【0021】(請求項6)請求項6に記載の発明は、請
求項1〜5のいずれかに記載の補機類の駆動制御装置に
おいて、前記補機類には少なくとも機関冷却水を循環さ
せるウォータポンプが含まれるとともに、そのウォータ
ポンプの駆動要求量を前記補機類の駆動要求量として前
記駆動源の選択を行うように前記選択手段を構成したも
のである。
【0022】上記構成では、ウォータポンプの効率運用
が可能となる。 (請求項7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の補機類の駆動制御装置において、前記機関冷却水の温
度から前記ウォータポンプの駆動要求量を求めて前記駆
動源の選択を行うように前記選択手段を構成したもので
ある。
【0023】上記構成では、機関冷却水の温度に応じた
ウォータポンプの効率運用が可能となる。例えば、機関
冷却水の早急な昇温や冷却が要望されるときに、電動機
を補機類の駆動源として選択すれば、機関運転状態に左
右されずにウォータポンプを柔軟に制御可能となる。そ
してそれにより、循環される機関冷却水の量を適宜に調
整し、上記要望に応じて機関冷却水の温度を効果的に調
整することができる。
【0024】(請求項8)請求項8に記載の発明は、請
求項6又は7に記載の補機類の駆動制御装置において、
前記選択手段によって前記補機類の駆動源として前記電
動機が選択されるときに、前記機関冷却水を冷却するラ
ジエタに冷却風を送風する電動ファンの駆動量を前記補
機類の駆動要求量に応じて制御する電動ファン制御手段
を更に備えるものである。
【0025】上記構成によれば、電動機による補機駆動
時に、補機類の駆動要求量に応じて電動ファンの駆動量
も制御されるため、機関冷却水の温度調整を更に効果的
に行うことができるようになる。
【0026】(請求項9)請求項9に記載の発明は、請
求項1〜5のいずれかに記載の補機類の駆動制御装置に
おいて、前記補機類には少なくとも、冷媒ガスを圧縮す
る空調用コンプレッサが含まれるとともに、そのコンプ
レッサの駆動要求量を前記補機類の駆動要求量として前
記駆動源の選択を行うよう前記選択手段を構成したもの
である。
【0027】上記構成では、空調用コンプレッサの効率
運用が可能となる。 (請求項10)請求項10に記載の発明は、請求項9に
記載の補機類の駆動制御装置において、冷房要求の度合
いから前記コンプレッサの駆動要求量を求めて前記駆動
源の選択を行うように前記選択手段を構成したものであ
る。
【0028】上記構成では、例えば、エアコン吹き出し
口の温度、車室内/車室外の温度、日射量、空調設定な
どによって求まる冷房要求の度合いに応じて、空調用コ
ンプレッサを駆動する駆動源が選択されるため、同コン
プレッサの効率運用が可能となる。
【0029】(請求項11)請求項11に記載の発明
は、請求項9又は10に記載の補機類の駆動制御装置に
おいて、前記選択手段によって前記補機類の駆動源とし
て前記電動機が選択されるときには、前記コンプレッサ
により圧縮された冷媒ガスを冷却するコンデンサに冷却
風を送風する電動ファンの駆動量を、前記コンプレッサ
の駆動要求量に応じて制御する電動ファン制御手段を更
に備えるものである。
【0030】上記構成によれば、電動機による補機駆動
時に、補機類の駆動要求量に応じて電動ファンの駆動量
も制御されるため、冷媒ガスの冷却効率を更に向上する
ことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態について、まずはその適用対象
となる車両の補機類駆動系について図1を参照して説明
する。
【0032】同図1に示すように、内燃機関10の出力
軸であるクランクシャフト11は、変速機12を通じて
駆動輪に接続される一方、電磁クラッチ13を介して、
例えばプーリ・アンド・ベルトなどの動力伝達機構14
にも連結されている。動力伝達機構14には、ウォータ
ポンプ(W/P)15やA/Cコンプレッサ16を始め
とする各種補機類に加え、電動機又は発電機として機能
するモータ・ジェネレータ(以下「M/G」という)1
7が接続されている。
【0033】ウォータポンプ15は、機関冷却水を内燃
機関10に送り出している。ポンプ15より送り出され
た機関冷却水は、内燃機関10を通って熱せられた後、
ラジエタ20に送られる。そこで機関冷却水は、ラジエ
タ20を通過する冷却風により冷却され、ウォータポン
プ15に還流される。こうして機関冷却水は、ウォータ
ポンプ15により循環されている。なお、車室内の暖房
時には、内燃機関10を通り高温となった機関冷却水の
熱を利用して、車室内の空気が暖められている。
【0034】一方、A/Cコンプレッサ16は、車内の
空調用の冷媒ガスを圧縮により高温・高圧化して、A/
Cコンデンサ21に送り出している。高温・高圧化され
た冷媒ガスは、A/Cコンデンサ21を通過する冷却風
にて冷却され、凝縮の潜熱を奪われて液化される。こう
して液化された冷媒の膨張時の気化熱を利用して、車室
内の空気の冷却が行われる。冷却により再び気化した冷
媒ガスは、A/Cコンプレッサ16に還流され、循環さ
れる。
【0035】なお、A/Cコンプレッサ16は、電磁ク
ラッチ18により、動力伝達機構14との連結を選択的
に断接できるようになっている。電磁クラッチ18の接
続を解除して、動力伝達機構14との連結を解除すれ
ば、補機類の駆動系からA/Cコンプレッサ16のみを
切り離すことができる。これにより、A/Cコンプレッ
サ16を必要に応じて選択的に駆動/停止できるように
なる。なお、以降の説明では、この電磁クラッチ18を
「A/Cクラッチ」といい、上記電磁クラッチ13を
「E/Gクラッチ」といって、両者を区別する。
【0036】ラジエタ20及びA/Cコンデンサ21に
は、車両走行中の走行風が吹き付けられるようになって
いるが、それに加えて更に、電動ファン19によってそ
れらを通過する冷却風の風量や風速を調整可能となって
いる。例えば、電動ファン19により、ラジエタ20及
びA/Cコンデンサ21を通過する冷却風の風量、風速
を増大すれば、機関冷却水や冷媒ガスの冷却能力を高め
られる。また電動ファン19を通常とは逆に回転させ、
走行風に対向する側に送風を行わせれば、ラジエタ20
及びA/Cコンデンサ21を通過する冷却風の風量や風
速を抑え、それらの冷却能力を制限することもできる。
【0037】さて本実施形態では、上記動力伝達機構1
4とクランクシャフト11との連結を、E/Gクラッチ
13により選択的に断接できるようになっている。そし
てこれにより、機関運転中の補機類(15,16等)の
駆動源を、内燃機関10とM/G17とで切り替え可能
となっている。
【0038】機関運転中にE/Gクラッチ13を接続状
態とすれば、クランクシャフト11の回転が動力伝達機
構14を通じて各補機類(15,16等)に伝達される
ようになる。これにより、内燃機関10により、各補機
類(15,16等)を駆動できる。このときM/G17
もクランクシャフト11の回転に従動して駆動され、回
生運転を行うことでM/G17を機関出力を利用して発
電を行う発電機として機能させられる。そしてここでM
/G17により発電された電力は、バッテリ23に蓄電
できるようになっている。
【0039】一方、内燃機関10の運転中に、E/Gク
ラッチ13の接続状態を解除すれば、動力伝達機構14
に接続された各補機類(15,16等)は、クランクシ
ャフト11から切り離される。このとき、バッテリ23
に蓄電された電力により力行運転を行ってM/G17を
電動機として機能させれば、それを駆動源として各補機
類(15,16等)を駆動できる。
【0040】このように補機類の駆動系と内燃機関10
とを断接可能とするとともに、その駆動系に接続された
電動機(M/G17)を備えれば、機関運転中の補機類
の駆動源を、内燃機関10と電動機(M/G17)とで
択一的に切り替えることができるようになる。
【0041】こうした車両の制御系は、電子制御装置2
2をその中核に据えて構成されている。電子制御装置2
2には、機関回転速度NEを検出するNEセンサや、機
関冷却水の温度(冷却水温度)thwを検出する水温セ
ンサ、車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ
等、内燃機関10や車両の運転状況を検出する各種セン
サ類の検出信号が入力されている。これに加えて電子制
御装置22には、車室内温度(室温)thinを検出す
る室温センサ、外気温thoutを検出する外気温セン
サなどの検出信号も入力されている。そして電子制御装
置22は、それらセンサ類の検出信号より把握される車
両や内燃機関等の運転状況に応じて、内燃機関10や変
速機12等の各種制御を実施する。
【0042】その一方で電子制御装置22は、E/Gク
ラッチ13やA/Cクラッチ18、及びM/G17の制
御を通じて、補機類の駆動制御も実施している。ここで
は、そうした補機類の駆動制御にあたり、状況に応じた
駆動源の選択を行うことで、補機類の駆動効率を高める
ようにしている。また更に電子制御装置22は、そうし
た補機類の駆動と、上記電動ファン19の駆動とを協調
制御することで、更に効果的な補機類の運用を可能とし
ている。
【0043】以下、そうした補機類の駆動制御の詳細
を、図2を併せ参照して説明する。ここでは、冷却水温
度thwの調整、すなわち機関温度調整の効率化をその
主たる目的として、上記補機類の駆動源の切り替え制
御、及び電動ファン19の駆動制御を行う場合を説明す
る。図2は、そうした制御のための補機駆動モード選択
ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。本ル
ーチンの処理は、機関運転中に、電子制御装置22によ
り周期的に実施される。
【0044】本ルーチンの処理において電子制御装置2
2は、冷却水温度thwにより把握されるウォータポン
プ15の駆動要求量と、バッテリ23の蓄電量socと
に基づいて、機関運転中の補機類の駆動モードを選択し
ている。ここで選択対象となる駆動モードは、次の通り
である。
【0045】<エンジン駆動モード(S130)>この
駆動モードの選択時には、内燃機関10を駆動源として
ウォータポンプ15を含む補機類を駆動する。すなわ
ち、電子制御装置22は、E/Gクラッチ13を接続
(ON)し、各補機類(15,16等)の接続された動
力伝達機構14に対してクランクシャフト11の回転を
伝達可能とする。このときM/G17を回生運転すれ
ば、発電を行わせることができる。よって、本駆動モー
ドの選択時には、補機類は内燃機関10の回転速度の変
化に応じた成り行きで駆動されることとなるため、その
駆動量の柔軟な制御は行えないものの、M/G17によ
る発電を行うことはできるようになる。
【0046】<M/G駆動急冷モード(S140)>こ
の駆動モードの選択時には、M/G17を駆動源として
補機類が駆動される。すなわち、E/Gクラッチ13の
接続を解除(OFF)し、補機類の駆動系をクランクシ
ャフト11から切り離すとともに、M/G17を力行運
転して電動機として機能させ、それにより補機類を駆動
する。それとともに電子制御装置22は、ラジエタ20
への送風量、又は風速を最大とするように電動ファン1
9を駆動する。
【0047】ここで電子制御装置22は、機関冷却水に
よる内燃機関10の冷却効率が最大(若しくは最高効
率)となるようにウォータポンプ(W/P)15を駆動
すべくM/G17の回転速度を制御している。ここで
は、そうした回転速度(W/P最大効率回転速度)を、
次のように求めている。まず電子制御装置22は、電動
ファン19の回転速度と車速からラジエタ20への送風
量(又は風速)を算出する。そして電子制御装置22
は、その送風量(風速)に応じて、最も効率的な冷却が
可能な量の機関冷却水が循環されるようにウォータポン
プ15を駆動可能なM/G17の回転速度を求め、それ
をW/P最大効率回転速度としている。
【0048】なお、ここで必要なM/G17の回転速度
が得られない場合には、A/Cクラッチ18の接続を解
除(OFF)した状態に保持し、A/Cコンプレッサ1
6を動力伝達機構14から切り離してM/G17の負荷
を軽減して必要な回転速度を確保する。これにより、本
駆動モードの選択時には、内燃機関10の冷却を最優先
とした補機類及び電動ファン19の駆動制御が実施され
る。
【0049】<M/G駆動昇温モード(S150)>こ
の駆動モードの選択時には、電子制御装置22は、E/
Gクラッチ13の接続を解除(OFF)するとともに、
M/G17を力行運転して電動機として機能させ、それ
を駆動源として補機類を駆動する。このときのM/G1
7の回転速度は、内燃機関10の局部過熱が生じないだ
けの、必要最小量の機関冷却水が循環されるようウォー
タポンプ15を駆動可能な回転速度(W/P最小駆動回
転速度)に制御される。ここで、ウォータポンプ15を
含む補機類の駆動を停止しても、上記局部過熱のような
不都合が生じないのであれば、M/G17を完全に停止
してしまっても良い。
【0050】その一方、電子制御装置22は、電動ファ
ン19を停止して、ラジエタ20を通過する冷却風の風
量、風速を低減させる。なお車両の走行中であれば、必
要に応じて、走行風に対向する側に送風すべく電動ファ
ン19を通常とは逆に回転させることで、更にラジエタ
20を通過する冷却風の風量、風速を低減させても良
い。このように本駆動モードの選択時には、機関冷却水
による内燃機関10の冷却を必要最小限に抑え、機関温
度の昇温促進を最優先とした補機類や電動ファン19の
駆動制御が実施される。ちなみに、これに併せて、変速
機12の変速段を低速段に保持して機関負荷を高めるな
ど、機関温度を昇温するための他の制御を実施すること
で、更なる昇温の促進が可能となる。
【0051】以上が、機関運転中に選択される補機類の
各駆動モードの内容である。そして本実施形態では、同
図2に示すように、電子制御装置22は、機関運転中の
補機類の駆動モードを、次のように選択している。
【0052】まず電子制御装置22は、バッテリ23の
蓄電量socが所定値SU未満で、M/G17への電力
供給余力が十分でないときには(S100:NO)、
「エンジン駆動モード」を選択する(S130)。これ
により、機関動力によりM/G17に発電を行わせて、
蓄電量socの増大を図るようにしている。
【0053】またバッテリ23の蓄電量socが所定値
SU以上で、M/G17への電力供給余力が十分にある
ときには(S100:YES)、電子制御装置22は、
ウォータポンプ15の駆動要求に応じて駆動モードを選
択するようにしている。
【0054】例えば冷却水温度thwがその通常使用範
囲の上限値THIGHを超えており、機関冷却水の速や
かな冷却が必要なときには(S110:NO、かつS1
20:YES)、「M/G駆動急冷モード」を選択する
(S140)。そしてこれにより、機関冷却水の冷却効
率が最大となるようにウォータポンプ15及び電動ファ
ン19を稼働している。
【0055】また冷却水温度thwがその通常使用範囲
の下限値TLOWを下回っており、早急の暖機が要望さ
れるときには(S110:YES)、「M/G駆動昇温
モード」が選択される(S150)。これにより、冷却
を必要最小限に抑えるようにウォータポンプ15及び電
動ファン19が稼働され、冷却水温度の昇温効率を高め
て、暖機を促進するようにしている。
【0056】これに対して、冷却水温度thwがその通
常使用範囲内に収まっており(TLOW≦thw≦TH
IGH)、特にウォータポンプ15の駆動を格別に制御
する必要のないときには(S110:NO、かつS12
0:NO)、「エンジン駆動モード」が選択される(S
130)。この場合には、機関回転速度の変化に任せて
成り行きでウォータポンプ15を駆動しても、格段の不
都合はないため、内燃機関10で補機類を直接駆動し
て、電力消費を抑えている。
【0057】以上説明した本実施形態によれば、次の効
果を奏することができる。 (1)本実施形態では、機関冷却水の速やかな昇温/冷
却が要望されるときには、ウォータポンプ15を含むM
/G17を補機類の駆動源として選択している。これに
より、機関冷却水の温度調節の要求度合いが高いときに
は、ウォータポンプ15の駆動量を機関運転状態に左右
されずに任意に調整可能となり、機関冷却水の昇温、冷
却の要求に応じて柔軟に駆動制御可能となる。またそう
した格別なウォータポンプ15の駆動量調整が特に必要
とされないときには、補機類の駆動源を内燃機関10と
しており、これにより電力消費が抑えられる。
【0058】(2)本実施形態では、M/G17に電力
を供給するバッテリ23の蓄電量socが十分でないと
きには、ウォータポンプ15の駆動要求に拘わらず、補
機類の駆動源を内燃機関10としており、バッテリ23
の蓄電量socの低下を抑制している。これにより、バ
ッテリ23の蓄電量socを管理しつつ、補機類の効率
的な運用を行うことができる。
【0059】(3)更に本実施形態では、冷却水の昇温
や冷却を促進すべく実施されるM/G17による補機類
の駆動に併せて、電動ファン19の駆動も制御するよう
にしている。こうした、機関冷却水の循環量とラジエタ
20を通過する冷却風の風量、風速との協調制御によ
り、更に効率的に冷却水を昇温、冷却できるようにな
る。
【0060】(4)本実施形態の補機類の駆動制御装置
は、補機類の駆動系(動力伝達機構14等)とクランク
シャフト11とを断接する機構(E/Gクラッチ1
3)、及び内燃機関10から切り離された状態で補機類
を駆動する電動機(M/G17)を備えていれば、実現
可能である。こうした本実施形態の補機類の駆動制御の
実現にかかる構成は、例えば車両停止中に内燃機関を自
動停止する機関自動停止装置付き車両(いわゆるエコラ
ン車)や、車両走行用として内燃機関と電動機との2つ
の駆動源を備えるハイブリッド車両などのように、元来
より具備している車両も多く、その具現が容易である。
【0061】(第2実施形態)続いて本発明を具体化し
た第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中
心に説明する。
【0062】第1実施形態では、冷却水温度の冷却/昇
温のためのウォータポンプ15の駆動要求に応じて、内
燃機関10からM/G17への補機類の駆動源の切り替
えを行う場合を説明したが、それ以外の補機類の駆動要
求に応じて同様の駆動源の切り替え制御を行うことも勿
論可能である。本実施形態では、車室内の冷暖房のため
のウォータポンプ15やA/Cコンプレッサ16の駆動
要求に応じて、補機類の駆動源の切り替え制御を行う場
合について説明する。
【0063】図3は、そうした本実施形態における補機
類の駆動モード選択ルーチンのフローチャートを示して
いる。本ルーチンの処理は、機関運転中に電子制御装置
22により周期的に実施される。本実施形態では、機関
運転中の補機類の駆動モードとして次の4つのモードが
選択可能となっている。
【0064】<M/G駆動暖房モード(S260)>こ
の駆動モードの選択時には、電子制御装置22は、E/
Gクラッチ13の接続を解除(OFF)して、M/G1
7により補機類を駆動する。そして、機関冷却水を必要
な温度に維持可能に冷却水の循環量を調整すべく、ウォ
ータポンプ15の駆動量を適宜に調整するようにM/G
17の回転速度を制御する。このときのM/G17の回
転速度の目標値(W/P暖房促進回転速度)は、車室内
温度、外気温度、冷却水温度、日射量等の検出結果や、
車室内目標温度の設定や送風量設定などに基づいて設定
される。
【0065】その一方、本駆動モードの選択時に電子制
御装置22は、電動ファン19を停止させる、あるいは
車両が所定車速以上で走行中などでは電動ファン19を
通常とは逆に回転させることで、ラジエタ20を通過す
る冷却風の風量、風速を抑え、機関冷却水の冷却を抑制
する。これにより、本駆動モードの選択時には、暖房性
能を好適に確保可能な温度に冷却水温度を維持すること
を主眼とした補機類及び電動ファン19の協調制御が実
施される。
【0066】<M/G駆動冷房モード(S270)>こ
の駆動モードの選択時にも、電子制御装置22は、E/
Gクラッチ13の接続を解除(OFF)して、M/G1
7により補機類を駆動する。そして、車室内温度、外気
温度、冷却水温度、日射量等の検出結果や、車室内目標
温度の設定や送風量設定などに応じたA/Cコンプレッ
サ16の駆動要求に応じて、M/G17の回転速度を制
御する。これにより、機関回転速度の変化に左右されず
に、A/Cコンプレッサ16の駆動量を調整可能とな
る。なお、必要な冷房能力が十分に確保されていてA/
Cコンプレッサ16の稼働を停止しているときには、M
/G17の駆動も停止して、電力消費を抑えるようにす
ることもできる。
【0067】その一方、本駆動モードの選択時に電子制
御装置22は、A/Cコンデンサ21を通過する冷却風
の風量、風速が十分に確保されるよう、車速等に応じて
電動ファン19の回転速度を制御する。以上により、本
駆動モードの選択時には、冷房能力の確保を主眼とした
補機類及び電動ファン19の協調制御が実施される。
【0068】<M/G駆動冷暖房モード(S280)>
本駆動モードの選択時には、電子制御装置22は、車室
内のコンソール(空調装置の操作板)における車室内目
標温度の設定や送風量設定と、車室内温度、外気温度、
冷却水温度、日射量等の検出結果との対比に応じて、必
要に応じて上記「M/G駆動暖房モード」及び「M/G
駆動冷房モード」のいずれかが選択される。
【0069】更に本実施形態では、「エンジン駆動モー
ド」(S250)を選択可能となっている。その内容は
第1実施形態のものと同様で、本駆動モードの選択時に
は、内燃機関10を駆動源として補機類の駆動が行われ
る。
【0070】以上が、本実施形態において機関運転中に
選択される補機類の各駆動モードの内容である。そして
本実施形態では、同図3に示すように、電子制御装置2
2は、機関運転中の補機類の駆動モードを、次のように
選択している。
【0071】まず電子制御装置22はバッテリ23の蓄
電量socが所定値SU未満であれば(S200:N
O)、第1実施形態と同様に、十分な蓄電量socの確
保を優先すべく「エンジン駆動モード」を選択する。
【0072】またバッテリ23の蓄電量socが所定値
SU以上であっても(S200:YES)、冷却水温度
thwがその通常使用範囲外である(thw<TLO
W、又はthw>THIGH)ときにも(S210:N
O)、電子制御装置22は「エンジン駆動モード」を選
択する(S250)。この場合、冷暖房性能の確保より
も、冷却水温度の通常使用範囲内への保持が優先される
こととなる。なおこのとき、第1実施形態の「M/G駆
動急冷モード」又は「M/G駆動昇温モード」を選択し
て、M/G17による補機類の駆動制御によって、冷却
水温度(機関温度)の昇温/冷却の促進するようにして
も良い。
【0073】これに対して、バッテリ23の蓄電量so
cが十分で(S200:YES)、冷却水温度thwが
その通常使用範囲内にあるときには(S210:YE
S)、外気温thout及び車室温thinに鑑みて、
冷房能力と暖房能力とのいずれの確保がより必要とされ
るかを判断して駆動モードの選択が行われる。
【0074】例えば、外気温thoutが所定温度TO
UTHよりも高くなく(S220:NO)、かつ車室温
thinが所定温度TNL以下であるとき(S230:
YES)、すなわち車室内の暖房が行われると推測され
る判断されるときには、「M/G駆動暖房モード」が選
択される(S260)。これにより暖房効率の向上を狙
った、M/G17による補機類の駆動制御、及び電動フ
ァン19の駆動制御が実施される。
【0075】また、車室温thinが所定温度TINH
以上のとき(S240:YES)、すなわち車室内の冷
房が行われると推測される判断されるときには、「M/
G駆動冷房モード」が選択される(S270)。これに
より冷房効率の向上を狙った、M/G17による補機類
の駆動制御、及び電動ファン19の駆動制御が実施され
る。
【0076】すなわち、これらの場合には、車室内外の
温度状態から暖房/冷房の使用を想定して、必要な冷/
暖房能力を確保している。そしてそれら以外に場合には
(S220:YES又はS230:NOで、かつS24
0:NO)、冷房、暖房のいずれについても使用される
ことが推測される。よってこの場合には電子制御装置2
2は、「M/G駆動冷暖房モード」を選択し(S28
0)、冷却水や車室内外等の温度状況、及びコンソール
上での設定などに基づいて、冷房/暖房のいずれが使用
されるかを判断し、必要とされる性能を確保するように
している。
【0077】以上説明した本実施形態によれば、上記
(2)〜(4)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏
することができる。 (5)本実施形態では、冷房性能又は暖房性能の確保が
要求されるときには、補機類の駆動源を内燃機関10か
らM/G17に切り替えるようにしている。これによ
り、機関回転速度の変化に左右されない補機類の駆動量
の調整を許容することで、要求される冷房性能又は暖房
性能を効率的に確保できる。
【0078】(第3実施形態)続いて本発明を具体化し
た第3実施形態について、上記各実施形態と異なる点を
中心に、図4を併せ参照して説明する。
【0079】第1実施形態では、早急な暖機又は機関冷
却が必要とされる場合に、補機類の駆動源を内燃機関1
0からM/G17に切り替え、機関回転速度に左右され
ない柔軟なウォータポンプ15の駆動制御を許容して、
必要とされる暖機や機関冷却を促進している。そうした
特別な状況に限らず、補機類の駆動源をM/G17とし
て、機関回転速度に依存しない柔軟なウォータポンプ1
5の駆動制御を行うことで、その運用効率を向上するこ
ともできる。
【0080】冷却水の冷却にかかるウォータポンプ15
の運転効率が最も高くなる同ポンプ(W/P)15の回
転速度は、図4(a)のW/P運転効率最大曲線L1で
示されるように、ラジエタ20を通過する冷却風の風速
(若しくは風量)の関数となる。
【0081】一方、機関駆動されているときのウォータ
ポンプ15の回転速度は、機関回転速度により決まる。
すなわち、クランクシャフト11に接続されたプーリに
対するウォータポンプ15に接続されたプーリのプーリ
比を機関回転速度に乗じたものが、ウォータポンプ15
の回転速度となる。そのため、ウォータポンプ15の回
転速度が上記曲線L1上からある程度以上に外れるよう
な機関回転速度で内燃機関10が運転されているときに
は、冷却水の冷却効率が悪化してしまう。
【0082】そこで本実施形態では、バッテリ23の蓄
電量socに十分な余裕があれば、E/Gクラッチ13
の接続を解除し、M/G17を電動機として駆動し、M
/G17を駆動源として、ウォータポンプ15を含む補
機類を駆動するようにしている。そして、ラジエタ20
を通過する冷却風の風速を求めるとともに、その風速に
応じた上記曲線L1上の回転速度でウォータポンプ15
が駆動されるようM/G17の回転速度を制御する。こ
れにより、機関回転速度に左右されず、最も効率良く冷
却水を冷却することができる。ちなみに、ラジエタ20
を通過する冷却風の風速は、車速と電動ファン19の回
転速度とから求めることができる。
【0083】一方、図4(b)の曲線L2は、機関回転
速度についての上記W/P運転効率最大曲線L1に対応
する曲線を示している。よって、そのときのラジエタ2
0への風速に応じた上記曲線L2上の回転速度付近の回
転速度で内燃機関10が運転されていれば、機関駆動で
も、機関冷却水の冷却を比較的効率良く行うことができ
る。
【0084】そこで本実施形態では、バッテリ23の蓄
電量socに十分な余裕の無いときには、機関回転速度
が、そのときの冷却風の風速に応じた曲線L2上の回転
速度付近の回転速度(図4(b)の曲線L2上下の破線
間の回転速度)にあるときには、内燃機関10を補機類
の駆動源として用いるようにしている。これにより、あ
る程度効率的にウォータポンプ15を運用しながらも、
M/G17を機関動力により発電機として駆動するよう
にしている。
【0085】これに対して、機関回転速度がそのときの
冷却風の風速に応じた上記曲線L2上の回転速度からあ
る程度以上に外れているときには、ウォータポンプ15
の回転速度が図4(a)の曲線L1上の回転速度となる
ように、M/G17により同ポンプ15を駆動する。
【0086】更にバッテリ23の蓄電量socが少ない
ときには、ウォータポンプ15を含む補機類を内燃機関
10で常時駆動することで、機関動力でM/G17を発
電機として駆動して、消費電力を抑えるとともに蓄電量
socの上昇を図るようにしている。
【0087】以上説明した本実施形態によれば、上記
(4)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏すること
ができる。 (6)本実施形態では、バッテリ23の蓄電量socが
所定範囲内にあるとき、ウォータポンプ15を内燃機関
10で駆動したときの駆動効率とM/G17で駆動した
ときとの駆動効率との対比に応じて補機類の駆動源を選
択している。これにより、消費電力を抑えながらも、ウ
ォータポンプ15の駆動効率を高く保持することができ
る。
【0088】(第4実施形態)続いて本発明を具体化し
た第4実施形態について、上記実施形態と異なる点を中
心に、図5を合わせ参照して説明する。
【0089】冬季などにおいて、機関温度が極端に低下
した状態から機関始動を行う場合、冷却水温度thwを
通常使用範囲内の温度に早急に引き上げる必要がある。
このとき、機関冷却水を循環するウォータポンプ15や
電動ファン19を適宜に駆動制御することで、冷却水を
より効果的に昇温できる。そこで、本実施形態では機関
始動時に、ウォータポンプ15を含む補機類及び電動フ
ァン19の駆動制御を次のように行うことで、冷却水温
度の昇温を促進している。
【0090】なお、本実施形態の適用される車両では、
サーモスタットにより、冷却水温度thwに応じて、ウ
ォータポンプ15により送り出される機関冷却水の循環
経路が切り替えられている。すなわち、冷却水温度th
wがその通常温度範囲以下の所定温度Tc未満では、冷
却水をラジエタ20を介さずに循環させることで、その
昇温を促進するようにしている。そして、冷却水温度t
hwが所定温度Tc以上に昇温されているときに、内燃
機関10を通過した冷却水をラジエタ20にも送るよう
にしている。
【0091】さて本実施形態では図5に示すように、機
関始動直後には、E/Gクラッチ13の接続は解除され
た状態となっており、M/G17が停止されているた
め、ウォータポンプ15を含む補機類の駆動も停止され
ている。また機関始動時には電動ファン19の駆動は開
始せず、停止させている。
【0092】その後、冷却水温度thwが所定温度Ta
を超えた時刻t1より、M/G17を電動機として駆動
して、それによりウォータポンプ15を含む補機類を駆
動する。この所定温度Taは、上記サーモスタットによ
る機関冷却水の循環経路の切り替えが行われる所定温度
Tcよりも低い温度に設定されており、このとき機関冷
却水はラジエタ20を通過せずに循環されている。
【0093】ここで電子制御装置22は、冷却水がゆっ
くりと循環されるよう、ウォータポンプ15を比較的低
い回転速度で駆動すべく、M/G17の回転速度を制御
している。これにより、機関回転速度とは関係なく、比
較的長時間をかけて冷却水が内燃機関10内を通過させ
るようにしている。こうしてM/G17を駆動源として
積極的なウォータポンプ15の駆動制御を行うことで、
機関冷却水の昇温を促進させている。
【0094】なお、機関始動の直後には、内燃機関10
自体の温度が低く、ウォータポンプ15を駆動しても機
関冷却水をほとんど昇温することはできない。そのため
本実施形態では、冷却水温度thwが所定温度Ta未満
のときには、ウォータポンプ15を駆動しないようにし
ている。
【0095】そして冷却水温度thwがその通常使用範
囲の下限値である温度Tbまで上昇した時刻t2以降
は、E/Gクラッチ13を接続して、ウォータポンプ1
5を含む補機類を内燃機関10で駆動する。そのため、
時刻t2以降は、ウォータポンプ15やM/G17は、
機関回転速度に応じた回転速度で駆動されることとな
る。よってその時刻t2以後、必要に応じてM/G17
を機関動力により発電機として駆動して発電を行うこと
ができるようになる。また時刻t2より、電動ファン1
9の駆動も開始される。
【0096】以上説明したように、本実施形態では、機
関始動後の暖機期間中に、M/G17を駆動源として補
機類を駆動することで、冷却水温度thwの昇温を促進
する柔軟なウォータポンプ15の駆動制御を許容してい
る。
【0097】以上説明した各実施形態は、次のように変
更して実施することもできる。 ・第2実施形態では、図3のステップ210〜ステップ
240の処理において冷暖房の要求度合いを推測し、そ
れに応じた冷暖房性能を確保すべく駆動モードを選択す
るようにしているが、上記推定にかかる処理の内容は適
宜変更しても良い。要は冷暖房の要求度合いを判断して
その要求に応じた駆動モードが選択されるのであれば、
同様の効果を得ることができる。
【0098】・また第2実施形態において、実際に暖房
が行われているか、冷房が行われているかによって、駆
動モードを選択するようにしても良い。その場合であ
れ、要求される冷暖房性能を確保するように柔軟な補機
類の駆動制御を行うことはできる。
【0099】・第3実施形態では、蓄電量socに十分
な余裕の無いときには、機関回転速度及び冷却風の風速
に応じて駆動源を選択しているが、そうした駆動源の選
択範囲を蓄電量socに応じて可変設定するようにして
も良い。例えば、蓄電量socが小さい程、補機類の駆
動源として内燃機関10の選択される領域を、図4
(b)の曲線L2から離れた機関回転速度の領域まで広
げるようにすれば、蓄電量socが減少するほどに内燃
機関10が駆動源として選択される機会が増加する。そ
してこれにより、ウォータポンプ15の駆動効率を維持
しつつ、蓄電量socの低下を好適に抑制できる。
【0100】・また第3実施形態と同様の駆動制御を、
ウォータポンプ15以外の補機類を対象として実施して
も良い。 ・第1実施形態では、蓄電量socにも応じて補機類の
駆動源選択を行っているが、冷却水温度thwから把握
されるウォータポンプ15の駆動要求量のみにより、駆
動源を選択するようにしてもよい。すなわち、図2のス
テップ100の判定処理を省略して、駆動モード選択処
理を行うようにしても良い。なお第2実施形態において
も同様で、図3のステップ200の判定処理を省略し
て、冷暖房の要求から把握されるウォータポンプ15や
A/Cコンプレッサ16の駆動要求の度合いのみに応じ
て駆動モード選択処理を行っても良い。この場合であ
れ、消費電力の抑制を図りつつ、補機類の効率運用を行
うことはできる。無論、第3実施形態においても、蓄電
量socは無視し、各駆動源での駆動効率の対比のみに
応じて補機類の駆動源を選択するようにすることもでき
る。
【0101】・また、上記実施形態の補機類の駆動制御
は、図1に例示した構成に限らず、例えば電動機と発電
機とを別個に備える構成などでも、補機類の駆動源を内
燃機関と電動機とから択一的に切り替え可能な構成であ
れば、同様又はそれに準じた態様で適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となる車両の動力伝達系の模
式図。
【図2】第1実施形態の補機駆動モード選択ルーチンの
フローチャート。
【図3】第2実施形態の補機駆動モード選択ルーチンの
フローチャート。
【図4】第3実施形態の補機駆動モードと車両の運転状
態との関係を示すグラフ。
【図5】第4実施形態の制御態様例を示すタイムチャー
ト。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…クランクシャフト、12…変速
機、13…E/Gクラッチ、14…動力伝達機構、15
…ウォータポンプ、16…A/Cコンプレッサ、17…
M/G(電動機)、18…A/Cクラッチ、19…電動
ファン、20…ラジエータ、21…A/Cコンデンサ、
22…電子制御装置(選択手段、制御手段、電動ファン
制御手段)、23…バッテリ(電源)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01P 5/12 F01P 5/12 Z 7/04 7/04 J R F02D 29/04 F02D 29/04 B 41/04 301 41/04 301G 45/00 314 45/00 314L Fターム(参考) 3G084 BA32 BA34 BA35 BA36 CA05 DA03 DA05 DA11 DA15 EB02 EB05 EB08 EB11 EC01 FA06 FA18 FA20 FA33 3G093 AA01 AA05 AA07 AA11 AA12 BA03 BA14 BA15 BA18 CA08 CB04 DA01 DA05 DA14 DB10 DB21 DB24 DB25 EA01 EB01 EB02 EB06 EB08 EB09 EC01 FA03 FA04 FA07 3G301 HA01 JA02 JA03 JA04 KA21 LC01 LC03 LC10 NA08 NB01 NB12 NB20 NC02 ND01 PA17Z PE01Z PE08Z PF07Z PF11Z PF13Z 5H115 PC06 PG04 PI16 PU01 PU22 PU25 QA10 QE19 SE04 SE05 SE06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補機類の駆動源を、内燃機関と電動機とで
    択一的に切り替える補機類の駆動制御装置において、 前記補機類の駆動要求量に応じて前記補機類の駆動源を
    選択する選択手段を備えることを特徴とする補機類の駆
    動制御装置。
  2. 【請求項2】前記選択手段は、更に機関運転状態に応じ
    て前記補機類の駆動源の選択を行う請求項1に記載の補
    機類の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】内燃機関と電動機とで補機類の駆動源を択
    一的に切り替える補機類の駆動制御装置において、 前記内燃機関の運転中、前記補機類の駆動要求量と前記
    内燃機関の運転状態とに基づいて前記両駆動源での前記
    補機類の駆動効率をそれぞれ求め、それら駆動効率の対
    比に基づき駆動源を選択して前記補機類を駆動する選択
    手段を備えることを特徴とする補機類の駆動制御装置。
  4. 【請求項4】前記選択手段は更に、前記電動機に電力を
    供給する電源の電力供給余力に応じて前記補機類の駆動
    源を選択する請求項1〜3のいずれかに記載の補機類の
    駆動制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の補機類の
    駆動制御装置において、 前記補機類の駆動源として前記電動機が選択されるとき
    に、その電動機の駆動量を前記補機類の駆動要求量に応
    じて制御する制御手段を更に備えることを特徴とする補
    機類の駆動制御装置。
  6. 【請求項6】前記補機類には少なくとも機関冷却水を循
    環させるウォータポンプが含まれるとともに、前記選択
    手段は、そのウォータポンプの駆動要求量を前記補機類
    の駆動要求量として前記駆動源の選択を行う請求項1〜
    5のいずれかに記載の補機類の駆動制御装置。
  7. 【請求項7】前記選択手段は、前記機関冷却水の温度か
    ら前記ウォータポンプの駆動要求量を求めて前記駆動源
    の選択を行う請求項6に記載の補機類の駆動制御装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は7に記載の補機類の駆動制御
    装置において、 前記選択手段によって前記補機類の駆動源として前記電
    動機が選択されるときに、前記機関冷却水を冷却するラ
    ジエタに冷却風を送風する電動ファンの駆動量を前記補
    機類の駆動要求量に応じて制御する電動ファン制御手段
    を更に備える補機類の駆動制御装置。
  9. 【請求項9】前記補機類には少なくとも、冷媒ガスを圧
    縮する空調用コンプレッサが含まれるとともに、前記選
    択手段は、そのコンプレッサの駆動要求量を前記補機類
    の駆動要求量として前記駆動源の選択を行う請求項1〜
    5のいずれかに記載の補機類の駆動制御装置。
  10. 【請求項10】前記選択手段は、冷房要求の度合いから
    前記コンプレッサの駆動要求量を求めて前記駆動源の選
    択を行う請求項9に記載の補機類の駆動制御装置。
  11. 【請求項11】請求項9又は10に記載の補機類の駆動
    制御装置において、 前記選択手段によって前記補機類の駆動源として前記電
    動機が選択されるときには、前記コンプレッサにより圧
    縮された冷媒ガスを冷却するコンデンサに冷却風を送風
    する電動ファンの駆動量を、前記コンプレッサの駆動要
    求量に応じて制御する電動ファン制御手段を更に備える
    補機類の駆動制御装置。
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