JP2003034698A - 所定の形態を有するウイルスタンパク質粒子の形成方法 - Google Patents

所定の形態を有するウイルスタンパク質粒子の形成方法

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JP2003034698A JP2002141803A JP2002141803A JP2003034698A JP 2003034698 A JP2003034698 A JP 2003034698A JP 2002141803 A JP2002141803 A JP 2002141803A JP 2002141803 A JP2002141803 A JP 2002141803A JP 2003034698 A JP2003034698 A JP 2003034698A
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Kenichiro Ishizu
健一郎 石津
Hajime Watanabe
肇 渡辺
Matsuyoshi Kan
松伊 韓
Shinnosuke Kanesashi
進之介 金刺
Masaaki Kawano
雅章 川野
Satoru Tomita
悟 富田
Kosuke Kataoka
浩介 片岡
Hiroshi Handa
宏 半田
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Rikogaku Shinkokai
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Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的とする任意の形状のウイルスタンパク質
粒子を形成するための新規な方法の提供。 【解決手段】 ウイルスタンパク質、好ましくは表面タ
ンパク質を、例えば5量体に解離させた後、所定の緩衝
液条件下に置くこと、好ましくは所定の緩衝液中で透析
することにより、目的とする所定の形状を有するウイル
スタンパク質粒子が得られる。このウイルスタンパク質
粒子は、例えば遺伝子治療における遺伝子のキャリヤー
などとして有望である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の形態のウイ
ルスタンパク質粒子を人為的に形成する方法に関する。
本発明の方法により形成されたウイルスタンパク質粒子
は、例えば、遺伝子治療における導入されるべき遺伝子
のキャリヤー、化学療法における薬物のキャリヤーなど
として有用である。
【0002】
【従来の技術】ウイルスのキャプシドタンパク質の組換
え体から、ウイルス様の粒子を形成する方法は知られて
いるが、目的とする任意の形状のウイルスタンパク質粒
子を人為的に形成する方法は知られてない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、組
換えウイルスタンパク質粒子を、目的とする任意の形状
に形成することができる方法を提供しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく種々検討した結果、ウイルスの表面タン
パク質(キャプシドタンパク質)を調製した後、これを
インキュベート又は透析することにより、特定の形状を
有するウイルスタンパク質粒子を形成することができる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0005】従って本発明は、粒径が約35nm〜50nmの大
形ウイルスタンパク質粒子、粒径が約25nm〜35nmの小形
ウイルスタンパク質粒子、粒径が約20nm〜25nmの微小形
ウイルスタンパク質粒子および長形ウイルスタンパク質
粒子の有意量を含んで成るウイルスタンパク質粒子集団
の製造方法において、中性pH、塩化ナトリウムおよび
0.1mM〜2mMの2価陽イオンの存在下、および低温に
おいて粒子形成を行なうことを特徴とする方法を提供す
る。
【0006】本発明はまた、粒径が約35nm〜50nmの大形
ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイルスタンパ
ク質粒子集団の製造方法において、中性pH、硫酸アン
モニウムの存在下、低温において;あるいは酸性または
塩基性pH、塩化ナトリウムおよび2価陽イオンの存在
下、室温において、粒子形成を行なうことを特徴とする
方法を提供する。本発明はまた、粒径が約25nm〜35nmの
小形ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイルスタ
ンパク質粒子集団の製造方法において、中性pH、塩化
ナトリウム、2価陽イオンおよび界面活性剤の存在下、
低温において粒子形成を行なうことを特徴とする方法を
提供する。
【0007】本発明は更に、粒径が20nm〜25nmの微小形
ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイルスタンパ
ク質粒子集団の製造方法において、中性pH、塩化ナト
リウムの存在下、0.1mM未満の2価陽イオンの存在下も
しくは非存在下、および低温において;中性pH、塩化
ナトリウム、2価陽イオンおよびグリセロールの存在
下、および低温において;あるいは中性pH、塩化ナト
リウムおよび2価陽イオンの存在下、および室温におい
て、粒子形成を行なうことを特徴とする方法を提供す
る。
【0008】本発明は更に、長形ウイルスタンパク質粒
子を主として含むウイルスタンパク質粒子集団の製造方
法において、中性pH、塩化ナトリウムおよび2mM以上
の2価陽イオンの存在下、および低温において、粒子形
成を行なうことを特徴とする方法を提供する。本発明は
更に、ウイルスタンパク質棒状体からなるウイルスタン
パク質形状集団の製造方法において、pH約5、150mMの
塩化ナトリウムの存在下で粒子形成を行なうことを特徴
とする方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においてウイルスタンパク
質粒子を形成するためのタンパク質源として使用しうる
ウイルスとしては、その表面タンパク質(キャプシドタ
ンパク質)から粒子を形成し得るものであれば特に限定
されないが、シミアンウイルス40(Simian Virus)(S
V40)、マウスポリオーマウイルス、ヒトのポリオーマ
ウイルスであるJCウイルスおよびBKウイルス、アデノ随
伴ウイルス、パピローマウイルスなどが挙げられる。タ
ンパク質としては、例えば、キャプシドタンパク質VP1
(SV40、マウスポリオーマウイルス、JCおよびBKウイル
ス)、VP1、VP2、VP3(アデノ随伴ウイルス)、L1、L2
(パピローマウイルス)などが挙げられる。
【0010】本発明者らは、キャプシドタンパク質を単
離した後、それを種々の条件下に置くことにより、粒径
が約35nm〜50nmの大形ウイルスタンパク質粒子、粒径が
約25nm〜35nmの小形ウイルスタンパク質粒子、粒径が20
nm〜25nmの微小形ウイルスタンパク質粒子および長形の
ウイルスタンパク質粒子が形成されることを見出した。
そして、これらの粒子形は、粒子形成時のpH、塩化ナ
トリウムの存否、2価陽イオンの存否および濃度、温度
などの組合せを選択することにより、作り分けることが
できることを見出した。
【0011】本発明において、pHについて、「酸性p
H」とは、6.0未満のpH、例えば5.5〜4のpH、例えば約
pH5.5である。「中性pH」とは、6〜9のpH、好ましく
は6.5〜8.0のpHを意味する。また、「塩基性pH」と
は、9より高いpH、好ましくは9.5〜10.5のpH、例えば
およそpH10である。本発明において使用する塩化ナト
リウムの濃度は、好ましくは0.5M〜3Mであり、更に好ま
しくは0.5〜1.5Mであり、例えばおよそ1Mである。
【0012】本発明において使用する2価陽イオンは、
好ましくは、カルシウムイオン、カドミウムイオン、マ
ンガンイオン等であり、カルシウムイオンが特に好まし
い。2価陽イオンの濃度は、目的、すなわち形成しよう
とする粒形などに依存して、0.01〜5mM、好ましくは0.1
mM〜2mM、例えば0.1mM〜1mMの範囲で選択される。本発
明において、「低温」とは、0℃〜10℃、好ましくは3℃
〜6℃、例えば、約4℃を意味する。また、「室温」と
は、15℃〜30℃、例えば20℃〜25℃を意味する。
【0013】本発明において、前記4種類の粒形の各々
の比率は、電子顕微鏡観察により各粒子の形状を判別し
た後、4種類の形状の粒子数の合計に対する各形状粒子
の数の比率として表すことができる。4種類の形状の粒
子を含んで成るウイルスタンパク質粒子集団において、
「有意量」とは、4種類のすべての形状の粒子のそれぞ
れが、15%以上の比率で含まれることを意味する。ま
た、4種類の形状の内、特定の形状の粒子を主として含
むウイルスタンパク質粒子集団において、「主として含
む」とは、その特定の形状の粒子の比率が、全粒子に対
して、40%以上であることを意味する。
【0014】4種類の形状の粒子のすべてを有意量含ん
で成るウイルスたんぱく質粒子集団の製造のための好ま
しい条件は、およそpH7.2、およそ1M塩化ナトリウム、
およそ0.1mM〜1mMカルシウムイオン、透析(「インキュ
ベーション」もしくは「反応」)温度はおよそ4℃であ
る。大形ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイル
スタンパク質粒子集団の製造のための好ましい条件は、
pHおよそ5.5または10、およそ1M塩化ナトリウム、およ
そ2mMカルシウムイオン、室温;あるいはおよそpH7.2、
およそ1M〜3M硫酸アンモニウム、0M〜およそ3mMカルシ
ウムイオン、およそ4℃である。
【0015】また、小形ウイルスタンパク質粒子を主と
して含むウイルスタンパク質粒子集団の製造のための好
ましい条件は、およそpH7.2、およそ1M塩化ナトリウ
ム、およそ0.5mM〜2mMカルシウムイオン、およそ0.1%
界面活性剤NP-40、およそ4℃である。また、微小形ウイ
ルスタンパク質を主としてふくむウイルスタンパク質粒
子集団の製造のための好ましい条件は、およそpH7.2、
およそ1M塩化ナトリウム、0M〜およそ0.01Mカルシウム
イオン、4℃;あるいは、およそpH7.2、およそ1M塩化ナ
トリウム、およそ10%〜20%グリセロール、およそ4
℃;あるいは、およそpH6〜9、およそ1M塩化ナトリウ
ム、およそ2mMカルシウムイオン、室温;あるいは、お
よそpH10(CAPS緩衝液)、およそ2mMカルシウムイオ
ン、室温、である。
【0016】更に、長形ウイルスタンパク質粒子を主と
して含むウイルスタンパク質粒子集団の製造のために好
ましい条件は、およそpH7.2、およそ1M塩化ナトリウ
ム、およそ2mMカルシウムイオン、およそ4℃;あるいは
およそ7.2pH、およそ1M塩化ナトリウムおよそ2mMカドミ
ウムイオン、およそ4℃、である。更に、ウイルスタン
パク質棒状体からなるウイルスタンパク質形状集団の製
造のための好ましい条件は、pH約5、150mMの塩化ナト
リウムの存在である。この場合、温度は温度又はそれよ
り低温が好ましい。こうして得られるウイルスタンパク
質棒状体の直径はおよそ35nm〜50nmであり、長さは1000
nm以上に達する事もできる。
【0017】なお、pH値について「およそ」とは、記載
されているpH値を中心に±0.5のpH範囲を意味し、塩化
ナトリウム濃度について「およそ」とは、記載されてい
る濃度を中心に±0.5Mの範囲を意味し、カルシウムイオ
ンなどの2価陽イオン濃度について「およそ」とは、記
載されている濃度に対して±50%の濃度範囲を意味し、
NP-40などの界面活性剤濃度について「およそ」とは、
記載されている濃度を中心に±0.05%の範囲を意味し、
そしてグリセロール濃度について「およそ」とは、記載
されている濃度を中心に±2%の範囲を意味する。
【0018】本発明のシート状ウイルスタンパク質は、
長形ウイルスタンパク質粒子が形成される中間体として
生成すると考えられる。すなわち、ウイルスタンパク質
1(VP1)の5量体が配向してシート状になり、このシ
ートが巻いて長形ウイルスタンパク質粒子が形成され
る。従って、シート状ウイルスタンパク質も長形ウイル
スタンパク質が生成するのと同様の条件下で生じ、例え
ば金属薄膜、合成樹脂等の表面上に形成することもでき
る。
【0019】本発明の方法を実施するためのウイルスタ
ンパク質の発現は、当業界においてよく知られている常
法に従って行なえばよい。また、細胞溶解液からのウイ
ルスタンパク質の分離、およびキャプシッドタンパク質
の単離も常法に従って行なえばよい。具体的な方法の例
は、下記の実施例において記載する。また、本発明のウ
イルスタンパク質粒子を形成するには、例えば、ウイル
スタンパク質を例えば5量体などに解離させた後、所定
の緩衝液条件下で、例えば所定の組成及びpHを有する緩
衝液中で透析することにより緩衝液交換を行えばよい。
この際の透析膜としては例えば三光純薬株式会社製のUC
8-32-25を使用することができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。実施例1.ウイルスタンパク質1(VP1)5量体の調製 10cm径の組織培養用デイッシュ50枚にSf9細胞を1×107
個づつ蒔き、1時間以上静置して細胞を付着させた後、S
V40のウイルスタンパク質1(VP1)を発現する組換えバ
キュロウイルスを、m.o.i.(Multiplicity of Infect
ion;重複感染度)5〜10で感染させた。
【0021】感染72時間後に、細胞を、スクレイパーを
用いて培地ごと回収した後、冷却したリン酸緩衝液(PB
S)により2回洗浄した。回収した細胞に、氷冷したソニ
ケーション用緩衝液(20mM Tris-HCl (pH7.9),1%
(w/v)デオキシコール酸ナトリウム (DOC),2mM PMS
F)を10mL加え、TAITEC社のVP-15S(ソニケーター)を
用いて、DUTY CYCLE 50%、出力5の条件で、氷冷しな
がら10分間超音波破砕した。次に、細胞破砕液を14,00
0g、4℃にて20分間遠心し、その上清を回収した。
【0022】SW41Ti用Open Top Ultraclear Tube (Bec
kman)に4種類の密度の異なる塩化セシウム溶液(50%、
40%、30%、20% (w/v))を密度の高い方から順番に
1.5mLづつ静かに重層し、その上に、上記の細胞破砕液5
mLを重層し、SW41Tiローター(BECKMAN)で30,000 rp
m、4℃にて2.5時間遠心した。遠心後、密度勾配の中程
に白く形成されるSV40ウイルスのウイルス様粒子(Viru
s-like particle;VLP)の層を回収した。回収した溶液
を、SW55Ti用Open Top Ultraclear Tube (Beckman)に
移し、37%(w/v)塩化セシウム溶液を、容量がチュー
ブの先端から約5mmに達するまで添加し、これをSW55Ti
ローター(BECKMAN)で50,000 rpm、4℃にて20時間遠
心し、再度形成されたVLP層を回収した。
【0023】得られた精製ウイルス様タンパク質の溶液
に、1/100量の10%(v/v)界面活性剤NP-40を添加し
(最終濃度0.1%)、20mM Tris-HCl(pH7.9),0.1%N
P-40の透析溶液中で4℃にて24時間透析を行い、塩化セ
シウムを除去した。透析後、15,000g、4℃にて10分間遠
心し、その上清を回収した。
【0024】次に、0.25Mエチレングリコールビス(β
−アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)
と1Mジチオスレイトール(DTT)とを、各々の終濃度が2
5mM EGTAおよび30mM DTTとなるようにウイルス様粒子
溶液に添加し、37℃にて1時間インキュベートすること
により、ウイルス様粒子をウイルスタンパク質1(VP1)
の5量体へと解離させた。インキュベートの後、15,000
g、4℃にて10分間遠心し、得られた上清をゲル濾過クロ
マトグラフィーにかけて、ウイルスタンパク質1の5量
体の精製を行なった。このクロマトグラフィーは、HiLo
ad 16/60 Superdex 200 pgカラム(Pharmacia)を用
い、20mM Tris-HCl(pH7.9),150mM NaCl,5mM EGTA,
5mM DTT、4℃の条件下で行なった。
【0025】得られたフラクションのそれぞれの1部分
を取ってSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、
分子量約200 kDaに検出されたウイルスタンパク質1を
その5量体とし、このタンパク質を含むフラクション
を、ウイルスタンパク質1の5量体含有フラクションと
して、液体窒素により凍結した後−80℃で保存した。
【0026】実施例2.各種形体のウイルス粒子の調製 実施例1において調製した組換えウイルスタンパク質を
用いて、次のようにして、表1および表2に示す条件下
で、ウイルス粒子の形成を行なった。即ち、表1よび表2
において、pHが7.2〜7.9の場合は20mM Tris-HClを基本
にし、これに表に示す成分を加えた緩衝液を用意し、そ
してpHが10.0の場合にはシクロヘキシルアミノプロパン
スルホン酸(CAPS)緩衝液またはグリシン緩衝液を基本
にし、これに表に示す成分を加えた緩衝液を用意した。
また、pH5.0〜5.5の場合には酢酸ナトリウム−酢酸緩衝
液を、pH6.0〜6.5の場合にはMES緩衝液(2-(N-モルフォ
リノ)エタンスルホン酸)を、pH9.0の場合にはCHES緩
衝液(2-(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸)
を用いた。
【0027】次に、実施例1において調製したウイルス
タンパク質1の5量体フラクションを解凍し、これを透
析膜(三光純薬株式会社)に入れて上記の緩衝液中で透
析することにより緩衝液の交換を行ない、この間にウイ
ルスタンパク質粒子の形成を行なわせた。この結果、表
1および表2に示す通り、透析外液の組成、pH、透析
(インキュベーション)温度などを選択することによ
り、目的とする特定の粒子形状を有するウイルスタンパ
ク質粒子を得ることができる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例3.ウイルスタンパク質棒状体の形
実施例1において調製したウイルスタンパク質1の5量
体フラクションを解凍し、これを透析膜(三光純薬株式
会社)に入れて、終濃度20mM酢酸ナトリウム−酢酸緩
衝液、150mM塩化ナトリウム溶液中で透析することによ
り緩衝液の交換を行い、この間にウイルスタンパク質棒
状体の形成を行わせた。得られたウイルスタンパク質棒
状体の直径はおよそ45nmであり、長さは500nm〜2000nm
であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ウイルスタンパ
ク質の粒子形成条件を適切に選択することにより、目的
とする任意の形状のウイルスタンパク質粒子を調製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、組換えバキュロウイルスを感染させた
Sf9細胞の培養物から回収したSV40様粒子を示す電子顕
微鏡写真であり、生物の形態を示す図面代用写真であ
る。
【図2】図2は、図1に示すウイルス様粒子(SV40)か
ら調製したウイルスタンパク質1の5量体の電子顕微鏡
写真であり、生物の形態を示す図面代用写真である。
【図3】図3は、表1のNo.17の条件下で形成した、本
発明の4種類の形状のウイルス粒子を含むウイルスタン
パク質粒子集団の電子顕微鏡写真であり、生物の形態を
示す図面代用写真である。
【図4】図4は、表2のNo.29の条件下で形成した、大形
ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイルスタンパ
ク質粒子集団の電子顕微鏡写真であり、生物の形態を示
す図面代用写真である。
【図5】図5は、表1のNo.21の条件下で形成した、大形
ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイルスタンパ
ク質粒子集団の電子顕微鏡写真であり、生物の形態を示
す図面代用写真である。
【図6】図6は、表1のNo.6の条件下で形成した、微小
形ウイルスタンパク質粒子を主として含むウイルスタン
パク質粒子集団の電子顕微鏡写真であり、生物の形態を
示す図面代用写真である。
【図7】図7は、実施例3において形成したウイルスタ
ンパク質棒状体の電子顕微鏡写真であり、生物の形態を
示す図面代用写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金刺 進之介 神奈川県大和市南林間6−11−19 コーポ 南林間103 (72)発明者 川野 雅章 神奈川県大和市中央林間6−3−13 アズ ヴェール林間103号 (72)発明者 富田 悟 神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷1−5−5− 508 (72)発明者 片岡 浩介 東京都練馬区練馬1−26−9−401 (72)発明者 半田 宏 東京都世田谷区桜上水1−17−16 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 BA80 CA02 DA02 EA02 GA11 HA17 4B064 AG01 AG32 CA10 CA19 CC24 CE06 CE10 DA01 4H045 AA20 CA01 EA20 FA72 FA74 GA10 GA22 GA31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が約35nm〜50nmの大形ウイルスタン
    パク質粒子、粒径が約25nm〜35nmの小形ウイルスタンパ
    ク質粒子、粒径が約20nm〜25nmの微小形ウイルスタンパ
    ク質粒子および長形ウイルスタンパク質粒子の有意量を
    含んで成るウイルスタンパク質粒子集団の製造方法にお
    いて、中性pH、塩化ナトリウムおよび0.1mM〜1mMの
    2価陽イオンの存在下、および低温において粒子形成を
    行なうことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 粒径が約35nm〜50nmの大形ウイルスタン
    パク質粒子を主として含むウイルスタンパク質粒子集団
    の製造方法において、中性pH、硫酸アンモニウムの存
    在下、低温において;あるいは酸性または塩基性pH、
    塩化ナトリウムおよび2価陽イオンの存在下、室温にお
    いて、粒子形成を行なうことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 粒径が約25nm〜35nmの小形ウイルスタン
    パク質粒子を主として含むウイルスタンパク質粒子集団
    の製造方法において、中性pH、塩化ナトリウム、2価
    陽イオンおよび界面活性剤の存在下、低温において粒子
    形成を行なうことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 粒径が20nm〜25nmの微小形ウイルスタン
    パク質粒子を主として含むウイルスタンパク質粒子集団
    の製造方法において、中性pH、塩化ナトリウムの存在
    下、0.1mM未満の2価陽イオンの存在下もしくは非存在
    下、および低温において;中性pH、塩化ナトリウム、
    2価陽イオンおよびグリセロールの存在下、および低温
    において;あるいは中性pH、塩化ナトリウムおよび2
    価陽イオンの存在下、および室温において、粒子形成を
    行なうことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 長形ウイルスタンパク質粒子を主として
    含むウイルスタンパク質粒子集団の製造方法において、
    中性pH、塩化ナトリウムおよび2mM以上の2価陽イオ
    ンの存在下、および低温において、粒子形成を行なうこ
    とを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 ウイルスタンパク質棒状体からなるウイ
    ルスタンパク質形状集団の製造方法において、pH約5、
    150mMの塩化ナトリウムの存在下で粒子形成を行なうこ
    とを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 前記ウイルスタンパク質が、SV40ウイル
    スのVP1キャプシドタンパク質である、請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記2価陽イオンがカルシウムイオンで
    ある、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 人工的に、大形ウイルスタンパク質粒
    子、小型ウイルスタンパク質粒子、微小形ウイルスタン
    パク質粒子、長形ウイルスタンパク質粒子、ウイルスタ
    ンパク質を配向させたシートを作出し、またはその量比
    を制御する方法。
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