JP2003034500A - 車両用リフト装置の油圧検出器 - Google Patents

車両用リフト装置の油圧検出器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用リフト装置の油圧低下警報用として、
漏電の心配がなく、しかもアクセス性の良い機械式の油
圧検出器を提供する。 【解決手段】 円筒状体７ａ内を摺動して移動可能なピ
ン７ｂをスプリング７ｃの弾発力により前記円筒状体７
ａの底面部に向けて押圧して、該ピン７ｂの下端部に前
記円筒状体７ａの底部に当接する当接部７ｉと該底部に
当接しない隙間部７ｊとを形成すると共に該隙間部７ｊ
に作動油を導入する構造の油圧検出器７を形成し、該油
圧検出器７を車両用リフト装置１の複動形油圧シリンダ
ー２ａ及び２ｂの各シリンダーヘッド２ｃ及び２ｄの上
部に係着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として車両用リ
フト装置の油圧シリンダーにおいて、作動油の油圧が所
定値よりも低下した場合にこれを検出するのに最適な圧
力検出器に関する。
【０００２】
【従来の技術】車両、特に乗用車の点検整備には、同期
して昇降する一対の車両受板からなる車両用リフト装置
が使われている。
【０００３】前記車両用リフト装置は床面に設けたピッ
ト内に設置され、前記車両受板の昇降を行なう油圧シリ
ンダーには複動形油圧シリンダーと単動形油圧シリンダ
ーとからなる連動式の油圧シリンダーが使われており、
一方の複動形油圧シリンダーの２次側油圧によって他方
の単動形油圧シリンダーが作動するように形成されてい
る。
【０００４】しかし、これら油圧シリンダーの作動油の
油圧回路に割れ等が発生して油漏れを生ずると、作動油
の油圧が上昇しなくなり、特に２次側油圧回路の油漏れ
は昇降中の車両が転落する事故につながる恐れがある。
そこで２次側油圧回路の油圧が規定値にまで上昇しない
場合には、警報装置を鳴らせてリフト装置のオペレータ
に油圧低下を知らせるような油圧低下警報装置を具備し
た車両用リフト装置が知られている。（特願２０００−
３９６５９１号参照）
【０００５】従来、この種の圧力検出器として、抵抗線
式又は圧電式の圧力センサー等が用いられ、電気信号に
よって油圧回路の圧力を検出して、該油圧回路の油圧低
下警報装置を作動させるようにしていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車両用リフト
装置の如く、１次側及び２次側の作動油の油圧回路が地
中に埋設されている装置にあっては、前記電気式圧力セ
ンサーからの信号の取り出し部から漏電し易く、又、圧
力センサーのメンテナンスが不便であるという問題があ
った。
【０００７】本発明はこれらの問題点を解消し、メンテ
ナンスが容易で、しかも漏電の心配のない圧力検出器を
提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するべく、円筒状体内を摺動して移動可能に形成した
ピンをスプリングの弾発力を利用して前記円筒状体の底
面部に向けて押圧して、該ピンの下端部の一部が前記円
筒状体の底面部に当接して着座する構造に形成すると共
に、前記ピンの下端部と前記円筒状体の底面部とが当接
しない隙間部分に作動油を導入して、該作動油の圧力が
所定の圧力値以上にまで上昇した時に前記ピンが前記ス
プリングの弾発力に打ち勝って上昇し、前記円筒状体の
上方に前記ピンの頭部を突出させるように形成したこと
を特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明の油圧検出器の一実施の形
態を図１乃至図４により説明する。
【００１０】本実施の形態は、自動車整備工場におい
て、乗用車等の車両の点検整備に使用される車両用リフ
ト装置に本発明の油圧検出器を適用したものである。
【００１１】即ち、図１は本実施の形態の車両用リフト
装置１の側面図であり、図２はその平面図である。
【００１２】車両用リフト装置１は、床面に設けたピッ
トＰ内に２組の複動形油圧シリンダー２ａ、２ｂと２組
の単動形油圧シリンダー３ａ、３ｂとを立設しており、
又、前記ピットＰ上には一対の車両受板４ａ、４ｂがあ
って、前記２組の複動形油圧シリンダー２ａ、２ｂが一
方の車両受板４ａを支承し、前記２組の単動形油圧シリ
ンダー３ａ、３ｂが他方の車両受板４ｂを支承してい
る。
【００１３】これら車両受板４ａ、４ｂ上には、それぞ
れ一対のスイングアーム５ａ、５ｂ又は５ｃ、５ｄが伸
縮可能に且つ旋回可能に枢着されている。
【００１４】各スイングアーム５ａ乃至５ｄの各先端部
には、車両ボディを支承するための受け金具５ｅが上向
きに突設されている。
【００１５】２ｃ、２ｄはそれぞれ前記複動形油圧シリ
ンダー２ａ、２ｂのシリンダーヘッドである。
【００１６】６ａは前記複動形油圧シリンダー２ａ、２
ｂのそれぞれ１次側油圧管路への接続口であり、６ｂは
前記複動形油圧シリンダー２ａ、２ｂのそれぞれ２次側
油圧管路への接続口である。
【００１７】６ｃは２次側油圧管路で、該２次側油圧管
路６ｃは、前記複動形油圧シリンダー２ａ又は２ｂの接
続口６ｂと前記単動形油圧シリンダー３ａ又は３ｂの接
続口６ｄとをそれぞれ相互に接続している。
【００１８】図３は前記複動形油圧シリンダー２ａ又は
２ｂの詳細図で、一部を断面にして示している。
【００１９】即ち、２ｅはシリンダー、２ｆは該シリン
ダー２ｅ内を摺動して上下するピストン、２ｇは該ピス
トン２ｆ上に立設されたラムで、該ラム２ｇは前記ピス
トン２ｆと共にシリンダー２ｅを挿通しており、該ラム
２ｇが前記シリンダーヘッド２ｃ又は２ｄを挿通する部
分は油密に摺動するように形成されている。
【００２０】前記ピストン２ｆの下方には接続口６ａを
介して１次側油圧管路に接続する１次側油圧室６ｅがあ
り、又、前記ピストン２ｆの上方には接続口６ｂを介し
て２次側油圧管路６ｃに連通する２次側油圧室６ｆがあ
る。
【００２１】前記シリンダーヘッド２ｃ及び２ｄには各
々本発明の油圧検出器７が具備されていて、各油圧検出
器７の下側には前記２次側油圧室６ｆの油圧が導入され
ている。
【００２２】油圧検出器７及びその取付け部の詳細を図
４に示した。
【００２３】即ち、油圧検出器７は、シリンダーヘッド
２ｃ、２ｄの各上部に設けた縦穴２ｈ内に挿入して係止
されており、該油圧検出器７は円筒状体のスリーブ７ａ
と、該スリーブ７ａ内を摺動して上下に移動可能に挿通
するピン７ｂと、該ピン７ｂを前記縦穴２ｈの底面部に
向けて所定の力で押圧するスプリング７ｃとを有してい
る。
【００２４】前記ピン７ｂは中心部に空気抜き孔７ｄを
貫通させており、該空気抜き孔７ｄの上半部を大径のね
じ溝７ｅに形成すると共に該ねじ溝７ｅと前記空気抜き
孔７ｄの下半部との間を漏斗状の弁座７ｆにより連設し
ていて、該ねじ溝７ｅに捩じ込んだ押さえねじ７ｇが球
状の弁７ｈを前記弁座７ｆに押圧して作動油の流出を止
める構造となっている。
【００２５】又、前記ピン７ｂは下端部の一部に当接部
７ｉを有して前記縦穴２ｈの底面部に当接して着座する
と共に、該下端部の他の部分と前記縦穴２ｈの底面部と
の間には隙間部７ｊを有している。
【００２６】更に又、前記ピン７ｂの下端部には下方に
突出する円柱状の突出部７ｋを有して、該突出部７ｋが
前記縦穴２ｈの底面部に設けたガイド穴６ｈを遊嵌して
挿通している。
【００２７】該突出部７ｋの中心は、前記ピン７ｂの軸
中心に対して偏心した位置にあることから、前記押さえ
ねじ７ｇを締めたり緩めたりしても、前記ピン７ｂが共
回りすることはない。
【００２８】尚、該突出部７ｋは、前記ピン７ｂのスト
ロークよりも充分深く前記ガイド穴６ｈ内に挿通させて
いて、前記ピン７ｂが上死点まで上昇しても該突出部７
ｋが前記ガイド穴６ｈから抜け出すことはない。
【００２９】又、前記隙間部７ｊは、前記空気抜き孔７
ｄに連通していると共に前記ガイド穴６ｈ及び連絡路６
ｇを介して前記２次側油圧室６ｆに連通している。
【００３０】尚、７ｍはオイルシールである。
【００３１】次に本実施の形態の車両用リフト装置１の
作動について説明する。
【００３２】リフトアップを行なおうとする車両をピッ
トＰ上に停車させ、各スイングアーム５ａ乃至５ｄの各
先端部にある受け金具５ｅが該車両の支承点に当接する
ようにして、一対の車両受板４ａ、４ｂを上昇させる。
【００３３】即ち、車両受板４ａを支承する２組の複動
形油圧シリンダー２ａ、２ｂの各１次側の接続口６ａに
１次側油圧を供給すると、図３に示す１次側油圧室６ｅ
に１次側の作動油が送り込まれ、ピストン２ｆ及びラム
２ｇが上昇して前記車両受板４ａを上昇させる。
【００３４】同時に、ピストン２ｆの上側にある２次側
油圧室６ｆから２次側の作動油が押し出され、接続口６
ｂから２次側油圧管路６ｃを経て単動形油圧シリンダー
２ｃ、２ｄの各接続口６ｄに送られ、これら単動形油圧
シリンダー２ｃ、２ｄの各ピストン及びラム（図示せ
ず）を上昇させ、前記他方の車両受板４ｂを上昇させ
る。このとき発生する２次側油圧室６ｆの油圧は前記油
圧検出器７の間隙部７ｊに作用し、該油圧によって前記
ピン７ｂは前記スプリング７ｃの弾発力による所定の押
圧力に打ち勝って上昇し、該ピン７ｂの頭部を前記スリ
ーブ７ａの上方に突出させる。
【００３５】即ちこの作用は、前記間隙部７ｊへの油圧
によりピン７ｂが僅かでも上昇すると、前記当接部７ｉ
の部分にも油圧が作用するので、ピン７ｂが一気に上部
停止位置にまで上昇する。
【００３６】該ピン７ｂの上方にはノルマルクローズの
マイクロスイッチがあって、ピン７ｂの頭部が該マイク
ロスイッチを押している間は油圧低下警報が作動しない
ように作動する。
【００３７】万一、前記２本の２次側油圧管路６ｃの内
の一方に割れ等による油漏れを起こした場合は、故障を
生じた側の単動形油圧シリンダーは作動油の圧力が低下
して、他方の単動形油圧シリンダーと同期して昇降する
ことができなくなる。これは車両受板４ｂに傾斜を生ず
ることになり、危険なので、前記２次側油圧が設定値以
下となったときはスプリング７ｃの弾発力によりピン７
ｂが降下してその頭部によるマイクロスイッチへの押圧
を解除し、直ちに油圧低下警報を作動させて車両用リフ
ト装置のオペレータに故障の発生を知らせて、事故を未
然に防ぐことができる。
【００３８】又、前記油圧検出器７は、２次側油圧回路
の空気抜き部を有している。これは油圧検出器７が複動
形油圧シリンダー２ａ、２ｂのシリンダーヘッド２ｃ、
２ｄの上部にあって人が近付き易く、アクセス性に優れ
ている事、及び２次側油圧回路の最上点にあって空気が
抜け易い事、等の利点を利用したものである。
【００３９】尚、空気抜きの方法は、押さえねじ７ｇを
緩めて前記弁７ｈと前記弁座７ｆの間に隙間を設け、空
気抜き孔７ｄ内の空気がねじ溝７ｅを通って外部へ放出
されるようにする。
【００４０】
【発明の効果】このように本発明によれば、機械的に作
動する油圧検出器が提供できるので、漏電の心配がな
く、又、車両用リフト装置の油圧低下警報装置に本油圧
検出器を適用すれば、油圧検出器へのアクセス性が良い
と共に油圧回路の空気抜きも容易に行なえるので、リフ
ト装置のメンテナンスが容易になると共に安全性が向上
する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態の車両用リフト装置の側
面図である。
【図２】同上リフト装置の平面図である。
【図３】同上リフト装置の一部複動形油圧シリンダーの
詳細図である。
【図４】同上リフト装置の一部油圧検出器及びその取付
け部の詳細図である。
【符号の説明】
１ 車両用リフト装置 ２ａ、２ｂ 複動形油圧シリンダー ２ｃ、２ｄ シリンダーヘッド ３ａ、３ｂ 単動形油圧シリンダー ７ 油圧検出器 ７ａ 円筒状体（スリーブ） ７ｂ ピン ７ｃ スプリング ７ｄ 空気抜き孔 ７ｆ 漏斗状の弁座 ７ｇ 押さえねじ ７ｈ 球状の弁 ７ｉ 当接部 ７ｊ 隙間部 ７ｋ 突出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 円筒状体内を摺動して移動可能に形成し
    たピンをスプリングの弾発力を利用して前記円筒状体の
    底面部に向けて押圧して、該ピンの下端部の一部が前記
    円筒状体の底面部に当接して着座する構造に形成すると
    共に、前記ピンの下端部と前記円筒状体の底面部とが当
    接しない隙間部分に作動油を導入して、該作動油の圧力
    が所定の圧力値以上にまで上昇した時に前記ピンが前記
    スプリングの弾発力に打ち勝って上昇し、前記円筒状体
    の上方に前記ピンの頭部を突出させるように形成したこ
    とを特徴とする車両用リフト装置の油圧検出器。
  2. 【請求項２】 前記ピンの下端部に、下方に向かって突
    出する突出部を前記ピンの軸中心に対して偏心した位置
    に形成したことを特徴とする請求項１に記載の車両用リ
    フト装置の油圧検出器。
  3. 【請求項３】 前記ピンの中心部に、球状の弁と漏斗状
    の弁座と押さえねじとを有する空気抜き穴を設けて、該
    空気抜き穴を前記作動油の導入部分に接続したことを特
    徴とする請求項１又は請求項２に記載の車両用リフト装
    置の油圧検出器。
  4. 【請求項４】 一方の複動形油圧シリンダーの２次側油
    圧回路から送り出される作動油により他方の単動形油圧
    シリンダーを作動させる方式の連動式の油圧シリンダー
    を有する車両用リフト装置において、前記２次側油圧回
    路に前記請求項１又は請求項２又は請求項３に記載の油
    圧検出器を介在させて、前記２次側油圧が所定の圧力以
    下に低下した場合に前記油圧検出器がこれを検知して油
    圧低下の警報を発するように形成したことを特徴とする
    車両用リフト装置。
  5. 【請求項５】 前記車両用リフト装置は、前記油圧検出
    器を前記複動形油圧シリンダーのシリンダーヘッド部に
    設置したことを特徴とする請求項４に記載の車両用リフ
    ト装置。
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CN104006029A (zh) * 2014-05-12 2014-08-27 天津优瑞纳斯液压机械有限公司 具有漏油检测结构的液压缸
CN117288512A (zh) * 2023-11-27 2023-12-26 赛埃孚汽车保修设备（太仓）有限公司 一种汽车举升机承重测试装置

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