JP2003034025A - インクジェット記録ヘッドおよびその駆動方法 - Google Patents
インクジェット記録ヘッドおよびその駆動方法Info
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Abstract
生する騒音を低く抑えることができ、かつヘッドの信頼
性を向上させるインクジェット記録ヘッドおよびその駆
動方法を提供する。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッドのたわみ振動
共振周波数を20kHz以上に設定する。たわみ振動の
共振が発生したとしても、20kHz以上であれば人間
の可聴周波数領域を外れているので騒音の問題は発生し
ない。また、アクチュエータに対する駆動電圧の波形の
周波数成分を、インクジェット記録ヘッドのたわみ振動
の共振周波数と異なるように構成してもよい。このよう
にすれば、共振は発生しないので騒音は低減される。ま
た、各アクチュエータに対する駆動電圧の位相を互いに
加振力が相殺されるようにずらして、駆動電圧を印加す
るよう構成することも可能である。
Description
おける圧力変化によってインク滴を吐出させるインクジ
ェット記録ヘッドに係り、特に駆動時における騒音防止
のための技術に関する。
ンク流路とアクチュエータからなるインクジェット記録
ヘッドは、部品点数が少なく、製造が容易で低コストで
あるというメリットを有するため、広く普及している。
このような従来のインクジェット機録ヘッドの一例を図
8〜図11に示す。
分解斜視図、図9はその平面斜視図、図10は従来のイ
ンクジェット記録ヘッドの1つの圧力室に着目した平面
斜視図、および図11はその断面図である。この従来の
インクジェット記録ヘッドの構成は、インク滴が吐出さ
れるノズル1を複数有するノズルプレート2、各ノズル
に対応して配設された圧力室3と供給路4とインクプー
ル5を有する圧力室プレート6、圧力室の一面を形成す
る振動板7、および各圧力室3に対応して配された圧電
アクチュエータ8からなる。各プレートは、接着剤を用
いて積層接合されている。圧力室3は、例えば図9に示
されるように、縦方向に4つ並んだ列が4列存在する。
そのうち2列分が一組となって供給路4を介して1つの
インクプール5に連通し、1ユニットを形成している。
本ヘッドでは、1ヘッド内に2ユニットが存在する。
を有し、導電性接着剤を介して導電性の振動板7に接合
されている。圧電アクチュエータ8の自由表面側の電極
は個別電極として、また振動板7は共通電極として、そ
れぞれ機能する。フレーム9は、振動板7の外周部に接
合されている。各圧電アクチュエータ8の個別電極と振
動板7との間に駆動電圧を印加すると、圧電アクチュエ
ータ8と、それに対応する圧力室3の領域内の振動板7
がともにたわみ変形する。たわみ変形に伴って圧力室3
内のインクが圧縮され、ノズル1からインク滴が吐出さ
れる。吐出された後のインク滴の補充は、インクプール
5から供給路4を経由して圧力室3へ再充填することに
よって行われる。
ット記録ヘッドにおいては、まず、ヘッドが薄いプレー
トの積層体であったため、ヘッド全体のたわみ剛性が低
い。駆動電圧の印加により各アクチュエータとそれに対
応する領域の振動板がたわみ変形する際に、ヘッドのプ
レート全体をも一緒にたわませようとする力(ヘッドた
わみ加振力)が同時に発生する。このヘッドたわみ加振
力によって、ヘッド全体のたわみ振動が発生し、その振
動に起因する騒音が発生していた。駆動電圧波形が有す
る周波数成分の中に、ヘッドたわみ振動の共振周波数と
一致する成分が含まれている場合には、ヘッドたわみ共
振振動(振動振幅が極大となる現象)が励起され、騒音
が特に激しくなる。さらに、圧電アクチュエータの振動
を連続的に行うと、ヘッドたわみ振動が繰り返され、各
プレート間の接着がはがれてしまい、ヘッドが疲労破壊
するという問題も発生していた。
存在する。特開平9−80951号公報においては、イ
ンバータ回路の発振周波数を、鍋の固有振動周波数と共
振しない値としたことを特徴とする調理器が開示されて
いる。また、特開平9−80951号公報においては、
コイルのインダクタンスを下げ、共振コンデンサとコイ
ルによって発生する発振周波数を可聴周波数帯域外とす
る誘導加熱定着装置が開示されている。しかしながら、
インクジェット記録ヘッドにおいて、有効に騒音防止の
目的を達成する技術は開示されていない。
駆動を行っても、ヘッドが発生する騒音を低く抑え、か
つヘッドの信頼性を向上させるインクジェット記録ヘッ
ドを提供することである。
め、本発明によるインクジェット記録ヘッドは、アクチ
ュエータによって圧力室内に圧力変化を生じさせ、ノズ
ルからインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッド
であって、たわみ振動の共振周波数が20kHz以上で
あることを特徴とする。このようなインクジェット記録
ヘッドにおいては、たとえたわみ振動の共振が発生した
としても、20kHz以上であれば人間の可聴周波数領
域を外れているので騒音の問題は発生しないことにな
る。
ュエータに対する駆動電圧の波形が有する周波数成分
が、インクジェット記録ヘッドのたわみ振動の共振周波
数と異なるように構成することができる。このようにす
れば、共振は発生しないので騒音は低減される。たとえ
共振周波数が人間の可聴周波数領域である20kHz以
下であったとしても、共振は発生しないのでヘッドに対
する信頼性は向上する。
整数)個のグループに分けられ、前記N個のグループの
各々に属するアクチュエータに対してグループ毎に位相
が1/N周期づつずれた所定周期の駆動電圧パルスが印
加されることにより、圧力変化タイミングが異なる複数
の圧力室が混在するように構成することも可能である。
さらに、位相ごとにアクチュエータを概ね同一数とする
ことや、分散を同一とすることが望ましい。このような
構成とすれば、たわみ加振力が、位相のずれによって相
殺されるので騒音の問題は発生しない。また、ヘッドの
耐性も向上する。
流の各々に複数の圧力室が備えられたインクジェット記
録ヘッドとすることができる。このようにすれば、高速
印刷が可能となる。アクチュエータとして、圧電アクチ
ュエータ以外にたとえばヒータアクチュエータなどを用
いることも可能である。ヒータアクチュエータの場合に
は騒音の問題が発生しやすいので、本発明の手段は有効
である。
を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施
形態に係るインクジェット記録ヘッドの分解斜視図であ
る。基本的な構成は、図8〜11に示した従来技術にお
ける構成と同一であるが、本実施形態においては、圧力
室プレートがより厚い点が異なる。後述するように、圧
力室プレートをより厚くすることによって、共振周波数
が高い構造となる。
ノズルプレート2、圧力室プレート6、および振動板7
の平面寸法は10mm×12mmであり、その材質は全
てステンレス鋼(SUS)である。フレーム9の外周寸
法は上記プレートと同一であり、材質はプラスチックで
ある。ノズルプレート2の厚さは75μmであり、プレ
ス加工によって直径30μmのノズル1が貫通して開け
られている。ノズル1の配列は、図中縦方向ピッチが
2.032mmで4個配されている列が、平行に4列存
在する。
り、エッチング加工によって圧力室3が各ノズル1に対
応する位置に設けられている。さらに、2列分の圧力室
3に共通のインクプール5が2つ、そして各圧力室3と
インクプール5とを連結する供給路4とが、それぞれ圧
力室プレート6を貫通するように形成されている。な
お、各圧力室3の平面形状は1.5mm×1.5mm、
供給路4の幅は0.2mmである。振動板7の厚さは2
0μmである。以上3種類のプレートには、互いを位置
決め接合するためのアライメントマーカ(図示せず)が
付与されている。
ある。各圧電アクチュエータ8は、各圧力室3に対応し
て、個別に振動板7の表面へ配設されている。その平面
形状は、圧力室3の3辺においては圧力室3よりも20
μm内側に、残りの一辺においては圧力室3よりも外側
200μmに外形を有する。圧力室3からはみ出した部
分は、電気接続パッドとして用いられる。また、材質と
して、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミクス(PZT)が
用いられている。圧電アクチュエータ8の両面には電極
膜が形成されている。電気接続パッドには、電気配線パ
タンを有するフレキシブルケーブル(図示せず)がハン
ダを介して接合されている。
ッドの製造方法について、図2を用いて説明する。ま
ず、円筒状の圧電材料ブロック(図示せず)にラップ研
磨加工を施し、圧電材料プレート11を形成する。本実
施形態では、駆動電圧や駆動時のたわみ変形量に基づい
て、その厚さを30μmとした。この圧電材料プレート
に対し、その両面に電極膜12をスパッタリングする。
本実施形態では、電極材料として金を用いた。
った粘着発泡テープ13を介し、スパッタリング済みの
圧電材料プレートを固定板14に仮固定する。この固定
板には、SUSプレート(ノズルプレート、圧力室プレ
ート、振動板)との接合位置決めを行うためのアライメ
ントマーカ(図示せず)が付与されている。仮固定した
圧電材料プレートの上に、感光性を有するフィルムマス
ク15を貼り付ける。本実施形態では、厚さ10μmの
ウレタン系フィルムマスクを使用した。
部分だけ紫外線(UV)透過するパタンを有する露光マ
スク16を作成する。このマスクは、固定板のアライメ
ントマーカを基準にしてパタニングされている。これを
用いてフィルムマスクで被覆した圧電材料プレートへU
V露光を行い、その後フィルムマスクに対してエッチン
グを行う。エッチング液には、UV照射された部分を除
去せず、かつ、それ以外の部分を確実に除去できる特性
を有するものを選択する。本実施形態では炭酸ナトリウ
ム溶液を用いた。
ータとして残したい部分のみフィルムマスクが被覆さ
れ、それ以外の部分はフィルムマスクが除去される。次
に、この構造に対して、サンドブラスト加工を行う。こ
の加工では、フィルムマスクが除去されて露出した部分
の圧電材料は確実に研削除去され、かつ、フィルムマス
クが残った部分には研削が行われないような条件下で行
う。この加工後、圧電材料の表面に残ったフィルムマス
クを除去し、洗浄を施す。これによって、両面に電極膜
を有する、小片化された圧電アクチュエータが、固定板
の上に粘着発泡テープで貼り付けられた構造が得られ
る。
工程を行う。まず、サンドブラスト加工が終了した圧電
材料の表面に接着剤(図示せず)を塗布する。本実施形
態では、振動板を共通電極として兼用するため、塗布す
る接着剤には導電性を有する接着剤を用いた。これを塗
布後、振動板と固定板のアライメントマーカを位置決め
基準にして圧電材料と振動板とを重ね合わせる。それに
対し、1平方センチメートルあたり2kgの加圧を行っ
て200℃で接着剤を硬化させ接合した。なお、この加
熱時に圧電材料と固定板とを仮固定するために用いた粘
着発泡テープが熱によってその粘着力を失い、容易に剥
離される。
とし、その上に小片化された圧電アクチュエータが配さ
れ、各圧電アクチュエータの表面に個別電極が配された
ユニットが得られる。このユニットを、別途位置決め接
着接合しておいた振動板以外のプレートユニット(ノズ
ルプレートと圧力室プレートの接合品)と接着接合する
ことによって、インクジェット記録ヘッドを得る。
る。まず、インクプール5へ接続したインク供給ユニッ
ト(図示せず)を用い、インクプール5から供給路4を
経由して各圧力室3にインクを充填する。その後、各圧
電アクチュエータ8の個別電極と振動板(共通電極)7
との間に駆動電圧を印加する。この駆動電圧の印加によ
って、圧電アクチュエータ8と振動板7が対応する圧力
室3の領域でたわみ変形する。これにより、圧力室3内
のインクが圧縮され、対応するノズル1からインク滴が
吐出される。
し、ヘッドたわみ振動の周波数特性を測定した結果を図
3に示す。横軸には周波数を、縦軸にはたわみ振動振幅
をとっている。同グラフには、比較のため従来構造ヘッ
ドにおける周波数特性も合わせて掲載している。このグ
ラフより、たわみ振動振幅が極大となる共振周波数が、
従来構造ヘッドでは13kHz付近に存在することがわ
かる。それに対し、本実施形態のヘッドにおける共振周
波数は、22kHz付近であることがわかった。
ある加振周波数、振動系の固有特性である固有周波数
(共振周波数)、出力である振動周波数の3つを区別し
て扱う必要がある。また、これら3つの間には、次の2
つの重要な法則がある。一つは、振動周波数は加振周波
数に一致すること、もう一つは、加振周波数が固有周波
数に一致すると共振振動(振動振幅が極大になる現象)
が発生すること、である。
トヘッドの振動現象を考えると、次のような現象が発生
すると考えられる。すなわち、アクチュエータに駆動電
圧を印加した場合、駆動電圧波形が有する周波数成分に
起因したヘッドたわみ加振力が発生する。そして、駆動
電圧波形が有する周波数成分中にヘッドたわみ振動の共
振周波数と同じ周波数成分が存在する場合は、ヘッドた
わみ共振振動が励起される。共振振動の結果、その周波
数を音成分とする騒音が発生する。この事実を踏まえた
上で、従来構造のヘッドと本実施形態のヘッドのそれぞ
れに対し、騒音の実験調査を行った。
圧の波形として、時間幅が10μm、高さが30Vの三
角波パルスが、76.9μsの周期で繰り返されるもの
を用いた(図4)。三角波パルスの繰り返し周期より、
この波形は13kHzの周波数成分を有する。このよう
な波形を持った駆動電圧を、従来構造ヘッド内全16個
の圧電アクチュエータに同位相で印加した。その結果、
波形が有する周波数成分とたわみ振動の共振周波数が一
致するため、たわみ振動が励起され、13kHzの音成
分を有する激しい振動が発生した。
ッドに対して行った。ここでは、ヘッドたわみ振動の共
振周波数22kHzと同じ周波数成分を有する駆動電圧
波形として、前出の駆動電圧波形の繰り返し周期のみを
変更し、45.5μsで繰り返されるものを用いた。こ
の波形は22kHzの周波数成分を有する。この波形を
本実施形態のヘッド内全16個の圧電アクチュエータに
同位相で印加した結果、従来構造ヘッドと同様の理由で
たわみ共振振動が励起され、22kHzの音成分を有す
る音波が発生する。しかし、その音波の周波数成分は人
間の可聴周波数範囲(20kHz以下)から外れている
ので、騒音としては聞こえないことが確認された。
ト記録ヘッドによれば、人間の可聴周波数範囲(20k
Hz以下)においては、ヘッドたわみ共振振動は励起さ
れないのでその振動振幅は小さい。これによって、アク
チュエータ駆動時に発生する騒音を低く抑えることが可
能となる。また、20kHz以上において共振振動が励
起されても、人間の可聴周波数範囲から外れているの
で、騒音を抑制することが可能である。
明する。本実施形態は、駆動電圧波形が有する周波数成
分が、ヘッドたわみ振動の共振周波数と異なる構成とし
たものである。本実施形態で用いたヘッドは、基本的な
構成は第1の実施形態と同一であるが、異なる点は、圧
力室プレートの厚さが本実施形態の方が薄く、100μ
mである。なお、製造法は第1の実施形態と同一であ
る。
態の場合と同様に、ヘッドたわみ振動の周波数特性を測
定した。その結果、本実施形態のヘッドのたわみ振動の
共振周波数が15kHz付近であることがわかった。こ
の周波数は人間の可聴周波数範囲内にあるため、この共
振振動が励起されると、激しい騒音が発生することが予
想される。しかし、本実施形態では、駆動電圧波形が有
する周波数成分とたわみ振動共振周波数をずらすことに
よって、共振振動を励起させないようにし、騒音を低く
抑える。
形として、前出の三角波パルスが100μsの周期で繰
り返されるものを用いた。この波形は10kHzの周波
数成分を有する。この波形を全16個の圧電アクチュエ
ータに同位相で印加した結果、波形が有する周波数成分
とたわみ振動共振周波数(15kHz)とが異なってい
るため、たわみ共振振動が励起されず、騒音が発生しな
いことが確認された。
の三角波パルスが50μsの周期で繰り返されるものを
用いた。この波形は20kHzの周波数成分を有する。
そのため、やはりたわみ共振振動は励起されず、騒音が
発生しないことが確認された。また、たわみ振幅が小さ
いのでヘッドの疲労破壊を防止でき、100億回の繰り
返し駆動を行った後でもインク滴の吐出特性は全く変化
しないことが確認された。なお、この駆動電圧波形以外
にも、その波形が有する周波数成分がたわみ振動共振周
波数と異なる波形であれば、同様にして騒音が発生せ
ず、またヘッドの疲労破壊を防止できる。以上のよう
に、本実施形態によれば、アクチュエータ駆動時に発生
する騒音を低く抑えることが可能となる。また、ヘッド
の疲労破壊を防止し、信頼性を向上することが可能とな
る。
明する。本実施形態は、繰り返しの基準となるある位相
で駆動電圧が印加され駆動されるアクチュエータと、位
相がその基準に対して半周期ずれて駆動電圧が印加され
駆動されるアクチュエータとを混在させた構成とするも
のである。本実施形態で用いたヘッドは、構造と製造法
ともに、第2の実施形態と同一である。
を、図5のAとBに示す8個ずつの2グループに分類す
る。本実施形態の場合、グループAおよびBのアクチュ
エータの配置に関し、ヘッド内での分布状態(各々のグ
ループの数と分散)が概略同一になっている。グループ
Aのアクチュエータに共通して印加する駆動電圧波形を
図6(a)に、またグループBのアクチュエータに共通
して印加する駆動電圧波形を図6(b)に示す。これら
は、孤立パルスの形状とその繰り返し周期は全く同一で
あるが、繰り返しの位相が半周期ずれている関係にあ
る。なお、各々の繰り返し周期は66.7μs(すなわ
ち周波数成分は15kHz)としたが、その理由は、本
実施形態の効果をより明確にするため、あえてヘッドた
わみ共振周波数15kHzと一致させるためである。
チュエータに印加すると、グループAのアクチュエータ
に起因するヘッドたわみ加振力と、グループBのアクチ
ュエータに起因する同力が、それぞれ発生する。ここ
で、両グループのアクチュエータはその数と分布が概略
同一であることから、その力の大きさと分布は概略同一
である。ただし位相だけが互いに半周期ずれている。従
って、ヘッド全体として見た場合には、たわみ加振力は
打ち消し合うので、ヘッドたわみ振動は発生しない。そ
の結果、駆動電圧波形の周波数成分がヘッドたわみ共振
周波数と一致しているにもかかわらず、騒音は発生しな
いことが確認された。また、たわみ振動振幅が小さいの
でヘッドの疲労破壊を防止でき、100億回の繰り返し
駆動を行った後でもインク滴の吐出特性は全く変化しな
いことが確認された。
駆動電圧波形の位相が半周期ずれている2つの波形を用
いた場合について述べた。それ以外にも、例えばアクチ
ュエータを3つのグループに分類し、互いに1/3周期
ずれている3つの波形を用いた場合でも、同様の効果を
得ることができる。これを一般化して考えると、各波形
により発生するヘッドたわみ加振力を足し合わせると互
いにうち消し合うような複数の駆動電圧波形の組合せで
あれば、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド
によれば、アクチュエータ駆動時に発生する騒音を低く
抑えることが可能となる。また、ヘッドの疲労破壊を防
止し、信頼性を向上することが可能となる。
明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係るインク
ジェット記録ヘッドの平面図である。第1〜第3の実施
形態の構成と異なる点は、ヘッド内の1ユニットのノズ
ル列が4列存在することにある。従って、ヘッド内のノ
ズル数が2倍である。図中縦方向のノズルピッチは2.
032mm、横方向のピッチは1mmである。また、チ
ャンバの大きさも0.75mm×0.75mmに変更す
る。さらに、インクプールの形状も変更し、ノズル各行
に対応して配されたインクプール支流と、それに連結し
たインクプール本流から成るクシ歯形状インクプールを
用いる。各プレートの厚さは、第2の実施形態と同一で
ある。また、製造方法も第2の実施形態と同一である。
振動の周波数特性を測定した結果、たわみ振動の共振周
波数が13kHz付近であることがわかった。ここで、
本実施形態における共振周波数は、各プレートの厚さが
本実施形態と同一である第2の実施形態における共振周
波数(15kHz)よりも低くなっている。その理由と
して、チャンバプレート内の空洞(エッチングした部
分)が増加し、そのたわみ剛性が低下したことが考えら
れる。
形として、前出の三角波パルスが100μsの周期で繰
り返されるものを用いる。この波形は10kHzの周波
数成分を有する。この波形を全32個の圧電アクチュエ
ータに同位相で印加した。本実施形態では圧電アクチュ
エータの数が多いため、駆動によって発生するヘッドた
わみ加振力も大きい。従って、ヘッドたわみ振動による
騒音はより大きくなりやすい。しかし、駆動実験を行っ
た結果、波形が有する周波数成分とたわみ振動共振周波
数とが異なっているため騒音が発生しないことが確認さ
れた。そして、吐出するインク滴の数を増加させること
が可能となった。以上のように、本実施形態によれば、
ノズルを高密度に配列することができるため、単位時間
に吐出するインク滴の数を増加させることができ、高速
印字が可能となる。
薄い単板タイプの圧電アクチュエータ以外のアクチュエ
ータを用いることも可能である。例えば、ヒータを用い
た圧力室内のインクに気泡を発生させてその圧力によっ
てインク滴を吐出させるタイプのヒータアクチュエータ
に代表されるような、薄い構造のアクチュエータを用い
ることも可能である。このようなアクチュエータを用い
たヘッドでは、ヘッドたわみ剛性が低いため、騒音が顕
著である。従って、このような構造のヘッドでは、本発
明による騒音低減や信頼性向上の効果が特に大きい。
ェット記録ヘッドによれば、ヘッドたわみ加振力によっ
てヘッド全体がたわみ振動した場合であっても、それに
より発生する音波の周波数成分が人間の可聴周波数領域
から外れた構成とすることによって、騒音を低く抑える
ことが可能となる。また、駆動電圧波形が有する周波数
領域を共振周波数と異なった範囲にすることによって、
共振振動が励起されないため、振動振幅は小さく、騒音
を低く抑えることが可能となる。
の位相をずらすことによって、発生するヘッドたわみ加
振力が互いにうち消し合うため、ヘッドたわみ振動は発
生しないので、騒音を低く抑えることが可能となる。ま
た、ヘッドの信頼性を向上させることが可能となる。
の実施形態の分解斜視図を示す。
の実施形態の製造方法を示す図である。
の実施形態に対し、ヘッドたわみ振動の周波数特性を測
定した結果を示す図である。
の波形の一例を示す図である。
の実施形態におけるアクチュエータの動作を説明するた
めの平面図である。
の第3の実施形態のグループAのアクチュエータに対し
て、印加する駆動電圧の波形を示す図である。(b)本
発明によるインクジェット記録ヘッドの第3の実施形態
のグループBのアクチュエータに対して、印加する駆動
電圧の波形を示す図である。
の実施形態におけるアクチュエータ部の平面図を示す。
分解斜視図を示す。
アクチュエータ部の平面図を示す。
における1つの圧力室の平面図を示す。
Claims (13)
- 【請求項1】 インクが充填される圧力室と、前記圧力
室に対応して配設されたアクチュエータと、前記圧力室
にインクを供給するインクプールと、前記インクプール
と前記圧力室とを連通させるインク供給路と、前記圧力
室に連通されるノズルとを備え、前記アクチュエータに
よって前記圧力室内に圧力変化を生じさせ、前記ノズル
からインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドに
おいて、 前記インクジェット記録ヘッドのたわみ振動の共振周波
数が20kHz以上であることを特徴とするインクジェ
ット記録ヘッド。 - 【請求項2】 インクが充填される圧力室と、前記圧力
室に対応して配設されたアクチュエータと、前記圧力室
にインクを供給するインクプールと、前記インクプール
と前記圧力室とを連通させるインク供給路と、前記圧力
室に連通されるノズルとを備え、前記アクチュエータに
よって前記圧力室内に圧力変化を生じさせ、前記ノズル
からインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドに
おいて、 前記圧力変化を生じさせるための前記アクチュエータに
対する駆動電圧の波形が有する周波数成分が、前記イン
クジェット記録ヘッドのたわみ振動の共振周波数と異な
ることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項3】 インクが充填される複数の圧力室と、前
記圧力室の各々に対応して配設された複数のアクチュエ
ータと、前記各圧力室にインクを供給するインクプール
と、前記インクプールと前記各圧力室とを連通させるイ
ンク供給路と、前記各圧力室に連通されるノズルとを備
え、前記アクチュエータの各々によって前記対応する圧
力室内に圧力変化を生じさせ、当該圧力室に連通するノ
ズルからインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッ
ドにおいて、 前記複数のアクチュエータがN(Nは2以上の整数)個
のグループに分けられ、前記N個のグループの各々に属
するアクチュエータに対してグループ毎に位相が1/N
周期づつずれた所定周期の駆動電圧パルスが印加される
ことにより、圧力変化タイミングが異なる複数の圧力室
が混在することを特徴とするインクジェット記録ヘッ
ド。 - 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、各グループのアクチュエータによるヘッ
ドたわみ加振力が相殺されるように前記所定周期の駆動
電圧パルスの位相が設定されていることを特徴とするイ
ンクジェット記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項3に記載のインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、各グループのアクチュエータによるヘッ
ドたわみ加振力が相殺されるように前記複数のアクチュ
エータがグループ分けされていることを特徴とするイン
クジェット記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、前記複数のアクチュエータが第1グルー
プと第2グループに分割され、各グループのアクチュエ
ータが千鳥状に混在していることを特徴とするインクジ
ェット記録ヘッド。 - 【請求項7】 請求項3に記載のインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、前記N個のグループの各々に属するアク
チュエータの数は、概略同数であることを特徴とするイ
ンクジェット記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項3に記載のインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、前記N個のグループの各々に属するアク
チュエータの分散は、概略同一であることを特徴とする
インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項9】 請求項3から8のいずれか1つに記載の
インクジェット記録ヘッドにおいて、前記インクジェッ
ト記録ヘッドのたわみ振動の共振周波数が20kHz以
下であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項10】 請求項1ないし3のいずれか1つに記
載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記インクプ
ールは本流および支流を有し、前記支流の各々に複数の
圧力室が備えられていることを特徴とするインクジェッ
ト記録ヘッド。 - 【請求項11】 請求項1、2、3および10のいずれ
か1つに記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前
記複数の圧力室はマトリクス状に配列されていることを
特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項12】 請求項1ないし3のいずれか1つに記
載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記各アクチ
ュエータとして、圧電アクチュエータおよびヒータアク
チュエータのいずれか1つを用いることを特徴とするイ
ンクジェット記録ヘッド。 - 【請求項13】 インクが充填される複数の圧力室と、
前記圧力室の各々に対応して配設された複数のアクチュ
エータと、前記各圧力室にインクを供給するインクプー
ルと、前記インクプールと前記各圧力室とを連通させる
インク供給路と、前記各圧力室に連通されるノズルとを
備え、前記アクチュエータの各々によって前記対応する
圧力室内に圧力変化を生じさせ、当該圧力室に連通する
ノズルからインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘ
ッドの駆動方法において、 前記複数のアクチュエータをN(Nは2以上の整数)個
のグループに分割し、 前記N個のグループの各々に属するアクチュエータに対
して、グループ毎に位相が1/N周期づつずれた駆動電
圧パルスを所定周期で印加する、 ことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの駆動方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222428A JP2003034025A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | インクジェット記録ヘッドおよびその駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222428A JP2003034025A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | インクジェット記録ヘッドおよびその駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003034025A true JP2003034025A (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=19055906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001222428A Pending JP2003034025A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | インクジェット記録ヘッドおよびその駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003034025A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1620269A1 (en) * | 2003-05-02 | 2006-02-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image reproducing/forming apparatus with print head operated under improved driving waveform |
JP2015182237A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | セーレン株式会社 | インクジェット記録方法 |
JP7411160B2 (ja) | 2019-12-20 | 2024-01-11 | 株式会社リコー | 液体を吐出する装置、ヘッド駆動制御方法 |
-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001222428A patent/JP2003034025A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1620269A1 (en) * | 2003-05-02 | 2006-02-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image reproducing/forming apparatus with print head operated under improved driving waveform |
EP1620269A4 (en) * | 2003-05-02 | 2007-08-29 | Ricoh Kk | IMAGE FORMING / REPRODUCING APPARATUS WITH PRINTING HEAD OPERATING THROUGH ENHANCED ACTIVATION WAVEFORM |
JP2015182237A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | セーレン株式会社 | インクジェット記録方法 |
JP7411160B2 (ja) | 2019-12-20 | 2024-01-11 | 株式会社リコー | 液体を吐出する装置、ヘッド駆動制御方法 |
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