JP2003033851A - 連続鋳造鋳片の製造方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の製造方法

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JP2003033851A JP2001221440A JP2001221440A JP2003033851A JP 2003033851 A JP2003033851 A JP 2003033851A JP 2001221440 A JP2001221440 A JP 2001221440A JP 2001221440 A JP2001221440 A JP 2001221440A JP 2003033851 A JP2003033851 A JP 2003033851A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳片の幅方向に空間的且つ時間的に変動する
クレータエンドの形状を正確に捉え、そして、常に最適
な形状に制御しながら連続鋳造鋳片を製造する。 【解決手段】 凝固状態判定装置5により鋳片1のクレ
ータエンド位置を検出して鋳片幅方向のクレータエンド
形状を求め、求めた形状と予め設定されている基準形状
との差に応じて鋳型内溶鋼の流動を制御しながら鋳造す
るか、若しくは、鋳型に取り付けた測温素子により鋳型
温度の分布を測定し、この測温値に基づき鋳型内溶鋼の
流動状況を推定すると共に、凝固状態判定装置により鋳
片のクレータエンド位置を検出して鋳片幅方向のクレー
タエンド形状を求め、推定した鋳型内溶鋼流動状況と求
めたクレータエンド形状とを対比し、予め定めた両者の
相関からクレータエンド形状が予め設定されている基準
形状となるように鋳型内溶鋼の流動を制御しながら鋳造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造鋳片
の製造方法に関し、詳しくは連続鋳造鋳片の完全凝固位
置の形状を制御しつつ鋳造して、連続鋳造鋳片を製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においては、連続鋳造鋳片
の完全凝固位置(「クレータエンド位置」と云う)が鋳
片のどの位置にあるかを判定することが極めて重要であ
る。クレータエンド位置を検出することが、鋳片の生産
性や品質の向上に大きく貢献するためである。
【0003】例えば、生産性を向上させるために鋳造速
度を増やすと、クレータエンドは鋳片の引き抜き方向下
流側に移動する。クレータエンド位置が鋳片支持ロール
の範囲を超えてしまうと鋳片が静鉄圧により膨らみ
(「バルジング」と云う)、内質の悪化や巨大バルジン
グの場合には鋳造停止と云った問題が発生する。それ
故、クレータエンド位置が明確に分からない場合には、
鋳造速度を無闇に増速できない。又、鋳片の中心偏析を
低減して高品質化を図るための軽圧下操業では、クレー
タエンドを軽圧下帯に位置させるように鋳造速度や2次
冷却量を制御する必要がある。これらの要求に応えるた
めには、鋳片の凝固状態を連続的に計測する必要があ
る。
【0004】従って、鋳片内部の凝固状態を判定するた
めに、今までに種々の方法が提案されており、そのなか
でも、超音波の横波の透過強度を利用した方法が多数提
案されている。横波は固相のみ透過して液相が存在する
と透過しないと云う性質があり、横波を鋳片の厚み方向
に送信し、鋳片を透過した信号が検出されれば完全に凝
固していると判断でき、信号が得られなければ未凝固層
が残存していると判断できるからである。
【0005】例えば、特開昭62−148850号公報
では、縦波と横波を同時に発生できる電磁超音波センサ
を用い、横波の透過強度で凝固状態を判定している。同
時に、未凝固層があっても透過する縦波の信号を用いる
ことによりリフトオフ(鋳片とセンサとのギャップ)変
動やセンサ異常もチェックできるようにしている。又、
特開平10−197502号公報では、鋳片における横
波の共鳴周波数を測定し、この共鳴周波数から鋳片の中
心固相率(鋳片軸心部の固液共存相における固相の比
率)を求めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの測定装置を用
いることによりクレータエンド位置の測定が可能となる
が、スラブ鋳片においてはクレータエンド位置は鋳片の
幅方向で均一ではなく、且つ、時間により変動すること
が経験的に知られている。鋳片の中心偏析を低減するた
めにはクレータエンド位置を鋳片幅方向で均一にするこ
とが望ましいが、そのための有効な対策は従来提案され
ていない。
【0007】又、上記2つの公報に提案された装置を始
めとして従来の凝固状態判定装置では感度が低い上にS
/N(信号対雑音比)が低く、そのため、測定精度が悪
いのみならず、非接触計測を行うほどには電磁超音波セ
ンサのリフトオフを大きくすることができず、長時間の
連続計測が不可能であると云う問題点があった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、鋳片の幅方向に空間的且つ時
間的に変動するクレータエンドの形状を正確に捉え、そ
してクレータエンド形状を常に最適な形状に制御しなが
ら鋳造することのできる、連続鋳造鋳片の製造方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、鋭意検討を行った。以下に検討結果を
説明する。
【0010】先ず最初にクレータエンド形状の制御方法
について説明する。鋳片幅方向のクレータエンド形状は
鋳片幅方向各部位の凝固速度により決定され、不均一な
クレータエンド形状は鋳片幅方向の不均一凝固に起因し
て形成される。即ち、凝固の速い箇所ではクレータエン
ド位置は相対的に引き抜き方向上流側に上昇し、一方、
凝固の遅れた箇所ではクレータエンド位置は相対的に引
き抜き方向下流側に下降し、クレータエンドの形状は鋳
片幅方向で不均一となる。
【0011】鋳片は鋳型内では水冷鋳型と接触して冷却
され、鋳型から引き抜かれた後には二次冷却帯において
その表面に噴霧される冷却水により冷却される。鋳型内
での冷却及び二次冷却帯での冷却の何れもが鋳片幅方向
の不均一凝固の原因となりえるが、不均一凝固の他の原
因として、鋳型内に注入された高温溶鋼との接触による
凝固殻の再溶解若しくは凝固遅れも考慮しなければなら
ない。
【0012】これらの原因の中から鋳片幅方向の不均一
凝固の主たる原因を考察すると、(1)鋳型内では浸漬
ノズルから吐出される溶鋼により流動が生じており、通
常吐出流が衝突する鋳型短辺側の凝固殻厚みが薄くなる
こと、(2)鋳型による冷却は凝固殻と鋳型との接触状
態により決まり、凝固の不均一性即ち接触状態の不均一
性は周期が短く、鋳片幅方向のクレータエンドの形状を
左右するほどの影響は及ぼさないこと、(3)二次冷却
強度は鋳片の表面割れ対策から通常鋳片幅方向では均一
であり、二次冷却が均一であっても鋳片幅方向のクレー
タエンド形状は不均一となることから判断して、鋳片幅
方向の不均一凝固は主に鋳型内の溶鋼流動に起因してい
ると云う知見が得られた。鋳型内では凝固速度が速く、
凝固殻の再溶解や凝固遅れが発生した場合には凝固殻厚
みに大きな差が生じることも、この知見を裏付ける証拠
である。クレータエンド形状を制御しようとして、二次
冷却帯において鋳片幅方向の冷却強度に差を付けた場合
には熱応力によって鋳片に表面割れを生じる虞がある
が、鋳型内溶鋼の流動を制御する方法によれば鋳片の表
面割れを心配する必要は全く無い。
【0013】クレータエンド形状を検出し、検出したク
レータエンド形状が予め設定されている基準形状と異な
った場合に鋳型内溶鋼の流動を制御してクレータエンド
形状を制御することも可能ではあるが、この場合には、
鋳型とクレータエンド位置とは最近の大型連続鋳造機で
は数十mも離れており、この間の既に鋳造されてしまっ
た鋳片のクレータエンド形状を制御することができな
い。そこで、鋳型内溶鋼の流動状況を捉え、予め調査し
ておいたクレータエンド形状と鋳型内流動状況との相関
から鋳型内溶鋼の流動状況を常に予め設定した流動パタ
ーンとなるように制御することで、クレータエンド形状
をリアルタイムで制御することが可能となる。鋳型内溶
鋼の流動状況は、鋳型に設置した測温素子による鋳型温
度の測定値から推定することができ、又、鋳型内の溶鋼
流動は鋳型内に磁場を印加することにより容易に制御す
ることができる。
【0014】次に、凝固状態判定装置のS/N改善の検
討結果を説明する。本発明者等は、横波電磁超音波を連
続鋳造に適用した場合の感度について種々の実験と考察
を重ねた結果、以下の各S/N改善方法を適宜組み合わ
せること、場合によっては単独のままで、完全非接触で
計測できるセンサのリフトオフを実現できることを見出
した。
【0015】第1のS/N改善方法は、被測定材即ち鋳
片の表層部を冷却によって相変態させ、この冷却した部
位に近接して横波用の送信用電磁超音波センサと受信用
電磁超音波センサを配置するものである(以下「表層冷
却によるS/N改善」とも云う)。
【0016】この方法の特徴は、冷却によって被測定材
を相変態させていることと、横波用電磁超音波センサを
用いている点にある。冷却過程においては、冷却速度が
速く且つ冷却時間が短い場合、被測定材をキュリー点以
下に低下させたとしても、過冷却のため結晶はしばらく
γ相のままであり、磁性はすぐには回復しない。そこで
本発明においては確実に磁性が回復するように相変態す
るまで冷却する。このようにすると、横波電磁超音波を
磁性体に適用することとなるが、超音波の発生メカニズ
ムとしてローレンツ力でなく磁歪の効果が支配的になる
と云う新たな効果を得ることができる。
【0017】図1でこれを説明する。キュリー点より高
い温度では、横波電磁超音波はローレンツ力のみで発生
している。ここで冷却すると、過冷却のためキュリー点
より若干低い温度で磁性が回復する。これにつれて、ロ
ーレンツ力の効果は大きくなっていくが、ここで磁歪の
効果も出てくるようになる、磁歪の効果はローレンツ力
よりも更に大きくなるため、磁歪による電磁超音波は、
ローレンツ力による電磁超音波より高い感度が得られ
る。従って、被測定材の表層部を冷却によって相変態さ
せ、この冷却した部位に近接して横波用の送信用電磁超
音波センサと受信用電磁超音波センサを配置すれば、大
幅な感度向上を得ることができる。
【0018】ここで、冷却によって相変態させる必要の
ある被測定材の表層部としては、その幅が電磁超音波セ
ンサのコイル幅以上、長さが電磁超音波センサのコイル
長さ以上、深さが用いる超音波の周波数における浸透深
さ程度、例えば周波数が1MHzであれば0.1〜0.
2mm程度以上であることが望ましい。尚、相変態させ
る必要のある表層部は、全てα相となることが望ましい
が、表層部におけるγ相からα相への相変態の仕方は冷
却条件や表層部の組成状態等により複雑に変化するた
め、部分的にγ相が残っている状態であっても或る程度
以上α相に変態していれば本発明の効果は得られる。
【0019】第2のS/N改善方法は、送信信号のバー
スト波パルス幅がその伝播時間を超えない範囲で最大の
パルス幅となるようにするものである(以下「バースト
波によるS/N改善」とも云う)。具体的には、鋳片厚
み、鋳片温度、音速とから定まる最大数の近傍に設定し
た所定パルス幅内で、周波数、振幅若しくは位相の何れ
か、又はこれらの任意の組み合せにより変調したバース
ト状の送信信号を送信用電磁超音波センサに印加して鋳
片内に横波超音波を送信する。これを受信用電磁超音波
センサにより受信し、その受信信号に対し、送信信号と
同一又は類似の波形の参照信号を用いて相関演算を行う
ようにする。
【0020】ここでは、変調した送信信号を用い、受信
信号の相関演算を行うようにしているが、これによる効
果を最大限に得るために、送信信号のパルス幅を鋳片厚
み、鋳片温度、音速とから定まる最大数の近傍に設定す
る。
【0021】鋳片を透過した信号は、図2に示されるよ
うに、送信信号から伝播時間だけ遅れた位置に現れる。
伝播時間dtは、鋳片厚みd、鋳片温度T(x)、音速
C(T)とから、下記の(1)式により推定できる。
尚、ここでTaは鋳片の平均温度である。
【0022】
【数1】
【0023】鋳片の温度分布は、大まかには伝熱計算で
容易に求まるため、予め鋳片の厚み、操業条件に応じて
平均温度を求めておけば伝播時間が求められる。従っ
て、この伝播時間を超えない範囲で最大のパルス幅を設
定することで、最大のS/N改善が得られる。
【0024】第3のS/N改善方法は、平均回数を16
回以上且つ平均後の透過信号が小さくならない範囲に設
定した平均回数で、相関後の信号又は受信信号を送信信
号に同期して加算平均するものである(以下「加算平均
によるS/N改善」とも云う)。ここでは、同期加算平
均を行うようにしているが、鋳片温度は操業状態によっ
て様々に変化するため、図3に示すように透過信号の現
れる位置は刻一刻変化することになる。この結果、伝播
時間の変化率が大きい時、平均処理後に透過信号が小さ
くなってしまい、凝固状態の判定精度が低くなる。図3
は平均回数が2回の場合を示しているが、平均回数が更
に多いと、より伝播時間の変化割合は増えてしまうた
め、より透過信号が小さくなる。これを避けるため、平
均後の透過信号が小さくならない範囲に設定する。ここ
で、S/N比を最大にする平均回数は次のように定めら
れる。
【0025】透過信号を周波数fの正弦波とし、透過信
号の単位時間あたりの伝播時間変化率をτ(=(t2-t1)/
T)、パルス繰り返し周波数をPRF(=1/Tprf )、平
均回数をNとすると、加算平均後の透過信号の振幅Xs
は下記の(2)式で表される。
【0026】
【数2】
【0027】又、ノイズの振幅Xnは下記の(3)式で
表される。
【0028】
【数3】
【0029】よって、平均後のS/N比改善量αとして
下記の(4)式が得られる。
【0030】
【数4】
【0031】そこで、これらの式に基づいて最大の平均
回数を求めれば良い。従って、これを超えない範囲で平
均回数を設定することで、最大のS/N改善を得るよう
にする。
【0032】以上、個々のS/N改善方法について説明
したが、1番目の「表層冷却によるS/N改善」は電磁
超音波の発生原理を利用したもの、2番目の「バースト
波によるS/N改善」は送信信号とノイズとの相関を利
用したもの、3番目の「加算平均によるS/N改善」は
ノイズの時間ランダム性を利用したものであり、これら
のS/N改善効果は全て異なる原理で得ている。従っ
て、S/N改善量は加算されていくこととなり大きなS
/N改善量が得られることになる。
【0033】これらのS/N改善方法や送信信号の高出
力化方法を適宜組み合わせていくと、ある段階で電磁超
音波センサにタッチロールを付けて鋳片に接触させるよ
うなことをしなくても構わないほど、リフトオフを広く
取ることができるようになる。従来技術では、リフトオ
フはせいぜい2mmであり、本発明者等が知る限り、現
実に、完全非接触で且つ連続的に連続鋳造鋳片の凝固状
態を判定できるシステムは存在しない。しかし、上記し
たS/N改善方法同士、あるいはS/N改善方法と送信
信号の高出力化方法を組み合わせることで、従来は不可
能であった完全非接触且つ連続的な連続鋳造鋳片の凝固
状態判定を現実に可能なものとすることができる。
【0034】本発明は上記検討結果に基づきなされたも
ので、第1の発明による連続鋳造鋳片の製造方法は、凝
固状態判定装置により鋳片のクレータエンド位置を検出
して鋳片幅方向のクレータエンド形状を求め、求めた形
状と予め設定されている基準形状との差に応じて鋳型内
溶鋼の流動を制御しながら鋳造することを特徴とするも
のである。
【0035】第2の発明による連続鋳造鋳片の製造方法
は、鋳型に取り付けた測温素子により鋳型温度の分布を
測定し、この測温値に基づき鋳型内溶鋼の流動状況を推
定すると共に、凝固状態判定装置により鋳片のクレータ
エンド位置を検出して鋳片幅方向のクレータエンド形状
を求め、推定した鋳型内溶鋼流動状況と求めたクレータ
エンド形状とを対比し、予め定めた両者の相関からクレ
ータエンド形状が予め設定されている基準形状となるよ
うに鋳型内溶鋼の流動を制御しながら鋳造することを特
徴とするものである。
【0036】第3の発明による連続鋳造鋳片の製造方法
は、第1の発明又は第2の発明において、鋳型内溶鋼に
磁場を印加してその流動を制御することを特徴とするも
のである。
【0037】第4の発明による連続鋳造鋳片の製造方法
は、第1の発明ないし第3の発明の何れかにおいて、前
記凝固状態判定装置は、連続鋳造鋳片に対して電磁超音
波の横波を透過させることによりその凝固状態を判定す
る装置であって、鋳片の表層部が相変態するまで当該鋳
片を冷却する冷却手段と、冷却手段にて冷却された鋳片
に対し、鋳片と非接触状態にある横波用の送信用電磁超
音波センサによって送信信号としての横波超音波を送信
する送信手段と、送信信号が鋳片を透過した透過信号
を、鋳片と非接触状態にある横波用の受信用電磁超音波
センサによって受信する受信手段と、受信手段において
受信した受信信号に基づき鋳片の凝固状態を判定する判
定手段と、を有する凝固状態判定装置であることを特徴
とするものである。
【0038】第5の発明による連続鋳造鋳片の製造方法
は、第1の発明ないし第3の発明の何れかにおいて、前
記凝固状態判定装置は、連続鋳造鋳片に対して電磁超音
波の横波を透過させることによりその凝固状態を判定す
る装置であって、電磁超音波が鋳片を透過する伝播時間
を超えない時間の最大数に対し、その50%から150
%の範囲に設定されたパルス幅内で、周波数、振幅若し
くは位相の何れか、又はこれらの任意の組み合せにより
変調したバースト状の送信信号を、鋳片と非接触状態に
ある横波用の送信用電磁超音波センサによって送信する
送信手段と、送信信号が鋳片を透過した透過信号を、鋳
片と非接触状態にある横波用の受信用電磁超音波センサ
によって受信する受信手段と、受信手段において受信し
た受信信号に対し、送信信号と同一又は類似の波形の参
照信号を用いて相関演算を行い、鋳片の凝固状態を判定
する判定手段と、を有する凝固状態判定装置であること
を特徴とするものである。
【0039】第6の発明による連続鋳造鋳片の製造方法
は、第1の発明ないし第3の発明の何れかにおいて、前
記凝固状態判定装置は、連続鋳造鋳片に対して電磁超音
波の横波を透過させることによりその凝固状態を判定す
る装置であって、鋳片に対し、鋳片と非接触状態にある
横波用の送信用電磁超音波センサによって送信信号とし
ての横波超音波をパルス単位で繰り返し送信する送信手
段と、送信信号が鋳片を透過した透過信号を、鋳片と非
接触状態にある横波用の受信用電磁超音波センサによっ
て受信する受信手段と、受信手段で受信された受信信号
における各パルスを加算平均すると共に、その加算平均
回数を16回以上、且つ、信号伝播時間の変化がパルス
加算による信号強度の相殺低下を生じさせない程度の時
間幅に相当するパルス回数以下として信号処理し、この
信号処理結果に基づいて鋳片の凝固状態を判定する判定
手段と、を有する凝固状態判定装置であることを特徴と
するものである。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図4及び図5は本発明の実施
の形態を示す図であって、図4は本発明を実施したスラ
ブ連続鋳造機の鋳型部分を示す概略図、図5はスラブ連
続鋳造機の二次冷却帯に設置した凝固状態判定装置の1
例を示す構成図である。
【0041】図4に示すように、相対する鋳型長辺銅板
34と、鋳型長辺銅板34内に内装された相対する鋳型
短辺銅板35とを具備した鋳型33の上方に、タンディ
ッシュ40が配置されている。鋳型長辺銅板34及び鋳
型短辺銅板35は冷却水により水冷されている。タンデ
ィッシュ40の底部には上ノズル45が設けられ、この
上ノズル45の下方には、上ノズル45に接続して固定
板46、摺動板47及び整流ノズル48からなるスライ
ディングノズル41が配置され、更に、スライディング
ノズル41の下面側には浸漬ノズル42が配置され、タ
ンディッシュ40から鋳型33への溶鋼流出孔49が形
成されている。
【0042】図示せぬ取鍋からタンディッシュ40内に
注入された溶鋼31は、溶鋼流出孔49を経由して、浸
漬ノズル42の下部に設けられ、且つ鋳型33内の溶鋼
31に浸漬された吐出孔43より、吐出流44を鋳型短
辺銅板35に向けて鋳型33内に注入される。そして、
溶鋼31は鋳型33内で冷却されて凝固殻32を形成
し、鋳型33の下方に引き抜かれ鋳片となる。その際、
鋳型33内のメニスカス38上にはモールドパウダー3
9が添加され、モールドパウダー39は溶融して、凝固
殻32と鋳型33との間に流れ込み潤滑剤としての効果
を発揮している。
【0043】鋳型長辺銅板34には、メニスカス38の
近傍に鋳型長辺銅板34の幅方向に沿って複数の孔が設
けられ、鋳型長辺銅板34の銅板温度を測定する測定点
36となっている。各測定点36には測温素子37が、
その先端を鋳型長辺銅板34に接して配置されている。
測温素子37の測定データは零点補償器(図示せず)に
より温度補償された後、データ解析装置(図示せず)に
入力され、データ処理が施されている。測温接点となる
測温素子37の先端が冷却水により直接冷却されないよ
うに、測定点36はシール材(図示せず)により鋳型用
冷却水からシールされている。測温素子37としては熱
電対や抵抗測温体等を用いることができる。
【0044】測温素子37による測温値から鋳型内の溶
鋼流動を推定する方法は、鋳型幅方向の鋳型銅板温度分
布を求め、鋳型温度が相対的に高い部位では溶鋼31の
流動速度が速いことに基づき推定することができる。溶
鋼31の流動速度が速い部位では、流速の効果によって
溶鋼31から凝固殻32への熱伝達が大きくなること
と、吐出孔43から吐出される温度の高い溶鋼31で常
に更新されているからである。
【0045】鋳型長辺銅板34の背面には、浸漬ノズル
42を境として鋳型長辺銅板34の幅方向左右で2つに
分割されたリニア型交流移動磁場発生装置50が、その
鋳造方向の中心位置を吐出孔43の直下位置とし、鋳型
長辺銅板34を挟んで対向して配置されている。リニア
型交流移動磁場発生装置50は、磁場電源制御装置(図
示せず)に結線され、印加する磁場の強度及び磁場の移
動方向が制御される。このリニア型交流移動磁場発生装
置50により印加される磁場は移動磁場であり、具体的
には、鋳型長辺銅板34を挟んで対向するリニア型交流
移動磁場発生装置50の磁場移動方向を同一水平方向と
して、吐出流44の減速又は加速を行う。移動磁場の移
動方向を鋳型短辺銅板35側から浸漬ノズル42側とす
ることで吐出流44は減速され、又、逆方向とすること
で吐出流44は加速される。
【0046】図5に示すように、連続鋳造機の二次冷却
帯では鋳造中の鋳片1を鋳片支持ロール2が挟みこみ、
鋳片1を図中右側へ引き抜いている。鋳片1の内部には
未凝固層7が存在し、その先端がクレータエンドであ
る。又、鋳片支持ロール2間に設けられた水冷用ノズル
5は、鋳片1の表層部に対して水を放出して冷却し、そ
の所定領域6をγ相からα相へ変態させている。
【0047】凝固状態判定装置は、鋳片1をα相変態し
た位置で挟んで対向配置させた送信用横波電磁超音波セ
ンサ3及び受信用横波電磁超音波センサ4からなるセン
サ部と、送信用横波電磁超音波センサ3に送信信号を出
力する送信出力系8,9(14,15),16と、受信
用横波電磁超音波センサ4にて受信した受信信号を処理
する受信処理系10,11,12,13,17とからな
っている。送信用横波電磁超音波センサ3及び受信用横
波電磁超音波センサ4は鋳片幅方向に移動して、鋳片1
の幅全体で検出できる構成となっている。又、図5では
一対の送信用横波電磁超音波センサ3及び受信用横波電
磁超音波センサ4が設置されているが、クレータエンド
位置を正確に検出するためには、鋳片引き抜き方向の上
流側及び下流側に複数対の電磁超音波センサ3,4を設
置することが好ましい。
【0048】送信用横波電磁超音波センサ3は、送信信
号を横波の電磁超音波として発信し、鋳片1を透過した
電磁超音波の透過信号を受信用横波電磁超音波センサ4
が受信する。この受信信号を処理することによりクレー
タエンドの位置検出が行われる。尚、図5においては、
電磁超音波センサ3,4の位置では鋳片内部が完全に凝
固しており、クレータエンドはセンサ部の上流側にあ
る。
【0049】又、送信出力系は、送信信号のトリガー信
号発生部8と、送信信号発生部9と、バースト波のパル
ス幅を設定するパルス幅設定部16とから構成される。
送信信号発生部9は、更にトリガー信号に基づいて設定
されたパルス幅のバースト波を発生するバースト波発生
部14と、発生したバースト波を増幅して送信信号とし
てセンサ3に出力する電力増幅部15とからなってい
る。
【0050】一方、受信処理系は、受信信号の増幅部1
0、同期加算平均部12、平均回数設定部13、相関処
理部17、及び、受信信号から透過信号を抽出して凝固
状態を判定する評価部11とから構成されている。
【0051】次に、以上のように構成された凝固状態判
定装置の動作について説明する。
【0052】トリガー信号発生部8から送信のタイミン
グ信号が出ると、バースト波発生部14は、周波数、振
幅若しくは位相の何れか又はこれらの任意の組み合せに
より変調したバースト状の送信信号を発生する。ここ
で、パルス幅はパルス幅設定部16にて指定された値と
する。送信信号は電力増幅部15で増幅され、送信用横
波電磁超音波センサ3に印加される。
【0053】図6は電磁超音波センサ3,4の構造例を
示す図である。同図に示すように、送信用横波電磁超音
波センサ3はコイル19を備えており、鋳片1の表層部
でα相に変態している所定領域6に、送信信号による高
周波の振動磁場Bvを鋳片1の表面に平行な方向に加え
る。この結果、鋳片1の表面に平行な応力が磁歪によっ
てかかるため、せん断波即ち横波が発生することにな
る。尚、ここで送信用横波電磁超音波センサ3は垂直方
向に磁極を持つ磁石20も備えているが、これは静磁場
Bsにより磁歪の効果を増すために用いられる。この磁
石は永久磁石でも電磁石でも良い。
【0054】このようにして、発生した横波超音波は鋳
片1を透過し、送信とは反対側の表面に到達する。こち
ら側には、図6と同様に受信用横波電磁超音波センサ4
が対向しており、連続鋳造鋳片1の表層部でα相に変態
している所定領域6に、磁石20により静磁場Bsがか
けられている。ここに横波が到達すると、磁歪の逆効果
として、この部分の透磁率が変化する。この結果、受信
用横波電磁超音波センサ4のコイルを横切る磁束Bsが
高周波で振動的に変化するため、電磁誘導によってセン
サコイル19に電圧が発生し、受信信号が得られる。
【0055】この受信信号は増幅部10で増幅された
後、同期加算平均部12に入力され、平均回数設定部1
3により設定された回数だけ平均化される。同期加算平
均部12は種々の方法で実施可能だが、ここでは、A/
D変換を行って数値化し、トリガー発生部8の信号に同
期して計算機によって平均化するようにした。演算式と
して下記の(5)式等を適用することができる。但し
(5)式において、xi(j)は入力信号、yi(j)は出力信
号、Nは平均回数、iはパルス繰り返し、nは一探傷信
号のデータ点数であり、−∞≦i≦∞、0≦j≦n−1
である。
【0056】
【数5】
【0057】平均された受信信号は、相関処理部17に
入力される。ここでは、既に数値化されているので、更
に計算を行うことが相関処理部17の役割となる。相関
処理は下記の(6)式で実施することができる。但し
(6)式において、xi(j)は入力信号、yi(j)は出力信
号、C(j)は参照信号、Ncは参照信号の点数、iはパ
ルス繰り返し、nは一探傷信号のデータ点数であり、−
∞≦i≦∞、0≦j≦n−1である。尚、直接(6)式
を計算しないで、入力信号をFFTしたものと参照信号
をFFTしたものの共役とを乗算し、その結果を逆FF
Tして出力を得るのが最も高速に処理できるため有用で
ある。
【0058】
【数6】
【0059】バースト波発生部14は、周波数、振幅若
しくは位相の何れか、又はこれらの任意の組み合せによ
り変調したバースト状の送信信号を発生するが、変調方
式はどの方式でも良い。変調方式の一例として、周波数
変調であるチャープ波の例を下記の(7)式で示す。但
し(7)式において、fcはチャープ波の中心周波数、
Bwはチャープ波の周波数掃引幅、Twはチャープ波の
パルス幅であり、0≦t≦Twである。
【0060】
【数7】
【0061】チャープ波は自己相関関数が鋭い性質を持
つ波形である。鋳片1を透過してきた受信信号の波形
は、送信信号と相似であるから、相関処理部17を通過
した受信信号は、送信信号のパルス幅より短くなるパル
ス圧縮効果が得られ、パルス幅の短い鋭い波形となる。
これは、評価部11で凝固状態の判定を行う際に以下の
点で有用である。一つ目は、透過信号の強度を求める
際、透過信号の時間帯だけにゲートをかけて、その中の
最大値を求めれば良いが、パルス幅の短い鋭い波形だと
ゲートの幅を狭くできるので、余分なノイズを拾わなく
なる。二つ目は、透過信号の伝播時間を求める際、短い
パルスだと時間の精度が高くなり、より精度良い鋳片の
凝固状態判定ができるようになる。
【0062】以上のようにして、相関処理の出力を得
て、評価部11で凝固状態の判定を行う。これも計算で
実施できるので、同期加算平均部12、相関処理部1
7、評価部11は一つあるいは複数の計算機で実施でき
る。
【0063】尚、本実施の形態においては、「表層冷却
によるS/N改善」、「バースト波によるS/N改善」
及び「加算平均によるS/N改善」の全てを組み合わせ
た場合について説明したが、これら全てを組み合さなく
てもセンサの非接触化を実現できる場合がある。具体的
には、完全に非接触で計測可能なリフトオフ改善量とし
ては従来技術(1〜2mm)より望ましくは+7mm以
上あれば良いが、+4mm以上でも可能である。そこ
で、センサのリフトオフ特性がおよそ−4dB/mmで
あることを考慮すると、従来に比べて16dB以上のS
/N改善があればセンサ〜鋳片間を非接触とすることが
可能である。従って、従来に比べて16dB以上のS/
N改善が期待できるように、「表層冷却によるS/N改
善」、「バースト波によるS/N改善」及び「加算平均
によるS/N改善」を適宜組み合わせることが可能であ
る。
【0064】このような構成の連続鋳造設備において本
発明による連続鋳造鋳片の製造方法を以下のようにして
実施する。
【0065】鋳造中、凝固状態判定装置により鋳片幅方
向のクレータエンドの形状を求める。同時に、測温素子
37により鋳型長辺銅板34の鋳型幅方向の温度分布を
測定し、鋳型内溶鋼31の流動状況を推定する。そして
予め調査しておいた鋳型内溶鋼31の流動状況とクレー
タエンド形状との相関に基づき、基準形状のクレータエ
ンド形状に対応する流動状況となるようにリニア型交流
移動磁場発生装置50により磁場を印加して、吐出流4
4の減速又は加速を行う。鋳型内溶鋼31の流動は吐出
流44により左右されているので、吐出流44の流速を
制御することにより鋳型内溶鋼31の全体の流動を制御
することができる。
【0066】このようにしてクレータエンド形状を制御
することにより、リアルタイムでクレータエンド形状を
制御することが可能となる。鋳片1の中心偏析から判断
した場合、クレータエンド形状は鋳片幅方向に凹凸がな
く、平坦な形状が好ましい。従って、基準形状のクレー
タエンド形状とは、通常は平坦な形状を意味するものと
するが、何らかの理由により特殊な形状を目的とする場
合には、その形状が基準形状となる。リニア型交流移動
磁場発生装置50を用いて鋳型内溶鋼31の流動状況を
種々変化させ、その時のクレータエンド形状を調査して
おくことにより、種々のクレータエンド形状に制御する
ことができる。
【0067】尚、鋳型内溶鋼31の流動状況を推定せ
ず、凝固状態判定装置により検出したクレータエンド形
状に基づいて鋳型内溶鋼31の流動を制御しても良い。
但し、この場合には、凝固状態判定装置まで至る間に既
に鋳造されている鋳片1のクレータエンド形状は制御す
ることができないので、鋳型内溶鋼31の流動状況を推
定しながら制御する方法を採用することが好ましい。
【0068】
【実施例】図4及び図5に示すスラブ連続鋳造機を用
い、本発明を実施しながら、厚みが250mm、幅が1
600mmの低炭素Alキルド鋼鋳片を2.4m/mi
nの鋳造速度で鋳造した。鋳型長辺銅板にはメニスカス
から50mm下方の位置に20mm間隔でアルメル・ク
ロメル熱電対(JIS熱電対K)を設置した。又、凝固
状態判定装置は鋳片引き抜き方向の3箇所に設置した。
【0069】予めこの鋳造条件における鋳型内溶鋼の流
動状況とクレータエンド形状との相関を調査した。調査
結果の例を図7に示す。図7ではクレータ形状を大きく
3種類に分類しており、鋳片短辺側のクレータエンド位
置が引き抜き方向下流側に伸びた場合には、鋳型長辺銅
板温度の分布は短辺側の温度が高くなり(タイプ1)、
クレータエンド形状が平坦な場合には、鋳型長辺銅板温
度の分布は幅方向で均一になり(タイプ2)、鋳片幅方
向中央部のクレータエンド位置が鋳片引き抜き方向下流
側に伸びた場合には、鋳型長辺銅板温度の分布は幅方向
中央部の温度が高くなる(タイプ3)ことが分かった。
そしてこの相関は極めて強い相関であることも分かっ
た。この鋳造の場合にはタイプ2を基準形状と定め、リ
ニア型交流移動磁場発生装置により鋳型内の溶鋼流動を
制御した。尚、図7に示すクレータエンド形状の斜線部
は未凝固層を表している。
【0070】凝固状態判定装置の各部の設定値は以下の
ように実施した。
【0071】1.表層冷却によるS/N改善:連続鋳造
鋳片の表層部を相変態させる条件は次のようにした。こ
こでは、センサ手前の鋳片の表面温度は900℃で、水
冷用ノズルの水量は−20℃/sの冷速が得られる量と
した。被測定材の連続冷却変態線図(CCT)は図8の
ようであったため、冷却速度が−20℃/sの時の変態
開始温度(曲線a)は約620℃となる。図1で説明し
た磁歪の効果を得るためには、変態開始よりも温度を下
げて変態終了温度(曲線b)に近づければ良いので、表
層部が620℃以下となるようにした。この場合、下げ
れば下げるほど効果は大きくなるため、表面割れ等が発
生しないように、品質上の制約から温度を決めれば良
い。ここでは、表層の温度を600℃まで冷やすとする
と、300℃低下させれば良い。従って、α相への冷却
ゾーン長を300℃÷20℃/s×40mm/s=60
0mmとした。
【0072】以上の条件で、実際に透過信号のS/Nを
測定すると、冷却しないでローレンツ力で電磁超音波を
発生させた場合に比較して、冷却して相変態させ磁歪で
電磁超音波を発生させた場合は10dBのS/N改善効
果があった。尚、電磁超音波の周波数を考慮し、振動磁
場の浸透深さ程度までが相変態開始するように冷却する
とより感度を高くすることができる。
【0073】2.バースト波によるS/N改善:送信信
号は次のようにした。透過信号は、送信後、図2に示す
ように伝播時間分だけ遅れた位置に現れる。従って、送
信信号の漏れ込みが透過信号に重ならないように、この
伝播時間より送信信号のパルス幅を短くすれば良い。こ
こで伝播時間は、鋳片厚み、鋳片温度、音速とから決定
される。音速は鋳片温度(T)と鋼種に依存し、横波で
炭素鋼の場合、概略3000−0.65T(m/s)で
ある。即ち鋳片温度(T)が低いほど音速は速くなり、
伝播時間は短くなる。
【0074】従って、適用しようとする測定位置におい
て、鋳片の温度が最も低くなる場合が最も伝播時間が短
くなる場合であるから、この時の伝播時間が最大数であ
る。そこで、送信信号のパルス幅はこの値の近傍に設定
すれば良いことになる。本発明は鋳片の凝固状態を判定
するために使うので、鋳片の温度が最も低くなる場合と
は、軸心の温度で1100℃程度、平均温度で1000
℃程度と考えれば良い。
【0075】パルス幅の許容範囲は以下のように決めら
れる。S/Nはパルス幅の1/2乗にほぼ比例するた
め、パルス幅を1/2位に短くすると6dB近く低下し
て効果が少なくなってしまう。一方、長すぎると透過信
号に重なってしまうようになるが、波形の両端は、セン
サや増幅器の特性により多少振幅が小さくなるため、パ
ルス幅は上記最大値の1.5倍位まで許容できる。この
ため、S/N向上効果の出るパルス幅の範囲としては最
大数の50%以上、150%以下が望ましく、最適な範囲
としては80%以上、120%以下が望ましい。
【0076】表1に、厚みが200mm、250mm、
300mmの鋳片について定めた送信信号の最適なパル
ス幅を示す。ここでは最低の温度を平均温度で1000
℃とし、その時の音速は2350m/sとした。
【0077】
【表1】
【0078】尚、送信信号の漏洩信号が大きい場合、漏
洩信号により受信アンプが飽和し、いわゆる追い込み現
象によりしばらくの時間不感帯になる場合がある。従っ
て、追い込みがある場合は、上表の値からこの追い込み
時間を引いた値にパルス幅を設定すれば良い。
【0079】表1のうちで、鋳片厚み250mm、パル
ス幅100μs、周波数100kHzの場合について、実
際に透過信号のS/Nを測定すると、100kHzの1波
のsin波に比較して、12dBのS/N改善効果があっ
た。従って、上記のパルス幅の範囲に設定することで最
低6dBのS/N改善効果が得られた。
【0080】3.加算平均によるS/N改善:同期加算
平均の平均回数は次のようにした。鋳造中の温度変化に
よる伝播時間の変化率が大きい場合ほど、図3に示すよ
うに、平均化によって透過信号が小さくなってしまう可
能性がある。そこで、伝播時間の変化率について様々な
実験を繰り返した結果、同変化率がかなり大きくなる場
合においては0.03μs/s〜0.3μs/s程度で
あった。そこで、この値をパラメータとし、超音波の周
波数100kHz、パルス繰り返し周波数100Hzの場合
の場合について、(2)式に基づいて平均回数と透過信
号の振幅の関係を求めると図9のようになった。
【0081】同図によれば、単位時間あたりの伝播時間
の変化率τが最も早い0.3μs/sの時に平均回数2
56回程度までなら、振幅の低下はほとんどないことか
ら、この場合は、平均回数の最大数は256と定められ
る。この時のS/N改善効果は(4)式のように平均回
数の1/2乗に比例するので24dBが得られた。尚、
上記最大数の算出に当たっては、透過信号強度の低下が
1dB前後であれば振幅の低下がほとんどないことを基
準にしている。即ち「伝播時間の変化率τが0.3μs
/sの時に平均回数の最大数256回」と云う値は、透
過信号強度の低下1dBの場合である。伝播時間の変化
率τが他の値となる場合にも、同様な基準により平均回
数の最大数が算出される。
【0082】又、平均回数が少ないとS/N向上効果は
少なくなるので、効果の出る範囲としては16回以上が
望ましい。この場合、+12dBの効果がある。反対に
平均回数が多すぎると図3のように振幅が小さくなるた
め、上記最大数の2倍程度以内が望ましい。最適な範囲
としては上記最大数の50%以上、200%以下が適当で
ある。尚、(2)式から明らかなように、超音波の周波
数やパルス繰り返し周波数を変更する場合は、τを比例
させて変化させた点で図9を読むことで、図9から平均
回数と透過信号の振幅の関係を求めることができる。
【0083】以上に説明した3種類の効果は前述したよ
うに全て独立のため、これらを全て組み合わせることに
より、10+6+12=28dBのS/N改善効果が得
られた。電磁超音波センサのリフトオフ感度特性は−4
dB/mm程度であるため、28/4=+7mmリフト
オフを広くすることができるようになった。
【0084】このようにして連続鋳造鋳片を鋳造するこ
とにより、鋳造中のほとんどの期間クレータエンドを平
坦な形状に制御することが達成できた。その結果、鋳片
の中心偏析は低減され高品質の鋳片を製造することがで
きた。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造鋳片を製造す
る際に、鋳片の幅方向に空間的且つ時間的に変動するク
レータエンドの形状を常に最適な形状に制御しながら鋳
造することのでき、鋳片の中心偏析の低減、並びに、鋳
造速度上限値までの増速による生産性の向上等が可能と
なり、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横波電磁超音波の発生メカニズムを示す図であ
る。
【図2】送信信号と伝播時間の関係を示す図である。
【図3】伝播時間の変化と平均処理の関係を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態を示す図で、本発明を実施
したスラブ連続鋳造機の鋳型部分を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す図で、本発明に係る
凝固状態判定装置の1例を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態を示す図で、本発明に係る
電磁超音波センサの構造例を示す図である。
【図7】鋳型内溶鋼の流動状況とクレータエンド形状と
の相関を示す図である。
【図8】被測定材料の連続冷却変態線図である。
【図9】平均回数と透過信号の振幅との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 鋳片 2 鋳片支持ロール 3 送信用横波電磁超音波センサ 4 受信用横波電磁超音波センサ 5 水冷用ノズル 6 所定領域 7 未凝固層 8 トリガー信号発生部 9 送信信号発生部 10 増幅部 11 評価部 12 同期加算平均部 13 平均回数設定部 14 バースト波発生部 15 電力増幅部 16 パルス幅設定部 17 相関処理部 19 コイル 20 磁石 31 溶鋼 32 凝固殻 33 鋳型 34 鋳型長辺銅板 35 鋳型短辺銅板 37 測温素子 40 タンディッシュ 41 スライディングノズル 42 浸漬ノズル 50 リニア型交流移動磁場発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 真 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 幹雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 久保 典子 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 飯塚 幸理 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 AA05 AA07 BA01 BC02 BC14 BC19 CA02 4E004 AA08 AA09 MA05 MB11 MC17 MC18 PA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝固状態判定装置により鋳片のクレータ
    エンド位置を検出して鋳片幅方向のクレータエンド形状
    を求め、求めた形状と予め設定されている基準形状との
    差に応じて鋳型内溶鋼の流動を制御しながら鋳造するこ
    とを特徴とする連続鋳造鋳片の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋳型に取り付けた測温素子により鋳型温
    度の分布を測定し、この測温値に基づき鋳型内溶鋼の流
    動状況を推定すると共に、凝固状態判定装置により鋳片
    のクレータエンド位置を検出して鋳片幅方向のクレータ
    エンド形状を求め、推定した鋳型内溶鋼流動状況と求め
    たクレータエンド形状とを対比し、予め定めた両者の相
    関からクレータエンド形状が予め設定されている基準形
    状となるように鋳型内溶鋼の流動を制御しながら鋳造す
    ることを特徴とする連続鋳造鋳片の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋳型内溶鋼に磁場を印加してその流動を
    制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の連続鋳造鋳片の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記凝固状態判定装置は、連続鋳造鋳片
    に対して電磁超音波の横波を透過させることによりその
    凝固状態を判定する装置であって、鋳片の表層部が相変
    態するまで当該鋳片を冷却する冷却手段と、冷却手段に
    て冷却された鋳片に対し、鋳片と非接触状態にある横波
    用の送信用電磁超音波センサによって送信信号としての
    横波超音波を送信する送信手段と、送信信号が鋳片を透
    過した透過信号を、鋳片と非接触状態にある横波用の受
    信用電磁超音波センサによって受信する受信手段と、受
    信手段において受信した受信信号に基づき鋳片の凝固状
    態を判定する判定手段と、を有する凝固状態判定装置で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか
    1つに記載の連続鋳造鋳片の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凝固状態判定装置は、連続鋳造鋳片
    に対して電磁超音波の横波を透過させることによりその
    凝固状態を判定する装置であって、電磁超音波が鋳片を
    透過する伝播時間を超えない時間の最大数に対し、その
    50%から150%の範囲に設定されたパルス幅内で、
    周波数、振幅若しくは位相の何れか、又はこれらの任意
    の組み合せにより変調したバースト状の送信信号を、鋳
    片と非接触状態にある横波用の送信用電磁超音波センサ
    によって送信する送信手段と、送信信号が鋳片を透過し
    た透過信号を、鋳片と非接触状態にある横波用の受信用
    電磁超音波センサによって受信する受信手段と、受信手
    段において受信した受信信号に対し、送信信号と同一又
    は類似の波形の参照信号を用いて相関演算を行い、鋳片
    の凝固状態を判定する判定手段と、を有する凝固状態判
    定装置であることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    の何れか1つに記載の連続鋳造鋳片の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凝固状態判定装置は、連続鋳造鋳片
    に対して電磁超音波の横波を透過させることによりその
    凝固状態を判定する装置であって、鋳片に対し、鋳片と
    非接触状態にある横波用の送信用電磁超音波センサによ
    って送信信号としての横波超音波をパルス単位で繰り返
    し送信する送信手段と、送信信号が鋳片を透過した透過
    信号を、鋳片と非接触状態にある横波用の受信用電磁超
    音波センサによって受信する受信手段と、受信手段で受
    信された受信信号における各パルスを加算平均すると共
    に、その加算平均回数を16回以上、且つ、信号伝播時
    間の変化がパルス加算による信号強度の相殺低下を生じ
    させない程度の時間幅に相当するパルス回数以下として
    信号処理し、この信号処理結果に基づいて鋳片の凝固状
    態を判定する判定手段と、を有する凝固状態判定装置で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか
    1つに記載の連続鋳造鋳片の製造方法。
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