JP2003032159A - 電源電力給電型通信線を有する通信装置 - Google Patents

電源電力給電型通信線を有する通信装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡素な構成で性能に優れた電源電力給電型通信
線を有する通信装置を提供すること。 【解決手段】マスターコントローラ1は通信線2、3を
通じてスレーブコントローラ4、5に第一電位で電源電
力を給電する。マスターコントローラ1とスレーブコン
トローラ4、5とは、通信線電位を第一電位、第二電位
として通常通信モードでのデジタル通信を行う。更に、
マスタコントローラ1は通信線2の電位を第一電位又は
第二電位から第三電位に強制的に遷移させることにより
スレーブコントローラ4又は5へ緊急の送信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源電力給電型通
信線を有する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】多数の
ローカル装置を個別に制御する多数のスレーブコントロ
ーラにマスタコントローラから給電し、かつ、各スレー
ブコントローラを統括するマスタコントローラと各スレ
ーブコントローラとをバス接続する従来のネットワーク
方式では、マスタコントローラは、基準電位(たとえば
接地電位)の基準線と電源線との間に電源電圧を印加し
て各スレーブコントローラに電源電圧を印加する。した
がって、バス(通信線)と基準線との間に多数のスレー
ブコントローラを接続しても、それらへの電源電力給電
量の増大により、通信線のハイレベル電位が低下するこ
とがなく、通信に障害が発生することがない。
【0003】このような三線方式は配線負担が増大する
ので、マスタコントローラと各スレーブコントローラと
を、各スレーブコントローラへの電源電力給電機能と、
両コントローラ間の通信機能との両方の機能をもつ二線
構造の採用が期待される。
【0004】しかし、このようなバス方式の通信線を通
じて各スレーブコントローラに電源電力を給電する場
合、バスすなわち通信線に接続するスレーブコントロー
ラ数が増大すると、通信線の電位が低下し、通信に支障
を与える可能性がある。
【0005】もちろん、マスタコントローラの出力イン
ピーダンスを小さく設定すれば、スレーブコントローラ
接続数を増大しても通信線電位の低下が無視できる。し
かし、この場合には、マスタコントローラ又はスレーブ
コントローラがパルス通信のために通信線電位をローレ
ベル電位に低下させるために、通線から大量の電流を吸
収する必要があり、電力消費、発熱が非常に増加し、か
つ、マスタコントローラやスレーブコントローラの上記
電位低下用の回路の大型化が必要となるという不具合が
あった。
【0006】また、上記したバス型の通信線を用いた双
方向パルス通信方式では、スレーブコントローラからマ
スタコントローラへの送信中に、マスタコントローラか
らスレーブコントローラへの緊急に送信したい場合があ
ったが、これら両方向の送信を同時に行うことは原理的
にできず、マスタコントローラはスレーブコントローラ
の送信終了を待つ必要があった。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、簡素な構成で性能に優れた電源電力給電型通信
線を有する通信装置を提供することをその目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電源電力
給電型通信線を有する通信装置は、バスをなす通信線
と、前記通信線に接続される通信インターフェイス回路
を有して前記通信線から給電される直流電源電力により
作動してローカル装置を駆動制御する複数のスレーブコ
ントローラと、前記通信線に接続される通信インターフ
ェイス回路を有して前記バスに前記直流電源電力を給電
するとともに前記通信線の第一電位と第二電位との間で
遷移するパルス電圧により所定の前記スレーブコントロ
ーラと交信を行うマスタコントローラとを備える電力給
電兼用通信線を有する通信装置であって、前記マスター
コントローラが、前記スレーブコントローラが前記通信
線に前記第一電位、第二電位を与えて前記マスタコント
ローラへのデータ送信を行っている、いないにかかわら
ず、前記通信線の電位を前記第一電位又は前記第二電位
から第三電位に強制的に遷移させることにより前記スレ
ーブコントローラへの緊急送信を行う緊急送信手段を有
することを特徴としている。
【0009】すなわち、本構成では、通信線すなわちバ
スは、第一電位と第二電位とにより0、1を送信する通
常通信モードの他に、第一電位又は第二電位と第三電位
とにより0、1を送信する緊急通信モードをもつ。当
然、緊急通信モードの0は、通常交信モードの0又は1
とオーバラップするが、実質上、緊急通信モードの有意
の情報は、その1すなわち第三電位で伝達されることが
できるので、緊急通信モードにおける交信上の問題は生
じない。ただし、緊急通信モードの1すなわち第三電位
が送信される間、通常通信モードは遮断されることにな
る。
【0010】なお、マスタコントローラは、緊急通信モ
ードへの移行を通信線の電位低下又は自己の内部信号な
どにより容易に認識することができるので、緊急通信モ
ード発生時点に通常通信モードが実行されている場合
に、マスタコントローラは、この時の通常通信モードを
緊急通信モードの終了時点まで一時中止し、マスタコン
トローラやスレーブコントローラは通常通信モードでそ
れまで送受信したデータを廃棄し、その後、マスタコン
トローラは、緊急通信モードの終了時点において、再
度、上記一時中断した通常通信モードを最初から実行す
ればよい。
【0011】上記の結果、本発明によれば、きわめて簡
素な通信ネットワーク構造をもつ分散処理型の制御系を
実現することができる。
【0012】請求項2記載の構成は請求項1記載の電源
電力給電型通信線を有する通信装置において更に、前記
第一電位は所定の第一しきい値以上の電位であり、第三
電位は、前記第一しきい値より小さい所定の第二しきい
値以下の電位であり、前記第二電位は前記両しきい値間
の電位であることを特徴としている。
【0013】本構成によれば、たとえば、マスタコント
ローラからその所定の出力インピーダンスを通じての直
流電源電力給電のみを行う場合の通信線の電位状態とし
て第一電位を設定し、通信線を低オン抵抗のスイッチで
基準電位に接続することにより第二電位を、通信線を更
に低オン抵抗のスイッチで基準電位に接続することによ
り第三電位を、容易に形成することができ、回路構成を
簡素化することができる。
【0014】請求項3記載の構成は請求項1又は2記載
の電源電力給電型通信線を有する通信装置において更
に、前記マスタコントローラが、所定の出力電流範囲内
で前記通信線に前記第一電位を与え、かつ、前記通信線
を通じて各スレーブコントローラに電源電力を給電する
通信線給電兼第一電位形成回路と、前記通信線給電兼第
一電位形成回路が前記通信線に給電する電流を吸収して
前記通信線に前記第二電位を与える第二電位形成回路
と、前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に
給電する電流を吸収して前記通信線に前記第三電位を与
える第三電位形成回路とを有し、前記スレーブコントロ
ーラが、前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信
線に給電する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位
を与える第二電位形成回路を有し、前記通信線給電兼第
一電位形成回路が、前記第二電位形成回路又は前記第三
電位形成回路が前記通信線に前記第二電位又は第三電位
を与えようとしているときに前記通信線給電兼第一電位
形成回路の出力インピーダンスを増大させる出力インピ
ーダンス切り替え回路を有することを特徴としている。
【0015】本構成の通信線給電兼第一電位形成回路
は、マスタコントローラがもはやスレーブコントローラ
に電源電力を供給する必要がない第二電位、第三電位で
ある場合に自己の出力インピーダンスを増大するので、
マスタコントローラやスレーブコントローラが第二電位
又は第三電位を形成するために必要な電流吸収量を減少
することができ、消費電力低減と電流吸収用スイッチの
小型化を実現することができる。また、本構成の通信線
給電兼第一電位形成回路は、マスタコントローラがスレ
ーブコントローラに電源電力を供給する第一電位である
場合に自己の出力インピーダンスを低減するので、多数
のスレーブコントローラに給電する場合でも、自己の出
力インピーダンスによる電力損失を低減し、通信線の電
位低下を抑止するので、少ない電力消費で通信線電位を
第一電位に保持しつつ多数のスレーブコントローラに電
源電力を給電することができる。
【0016】請求項4記載の構成は請求項3記載の電源
電力給電型通信線を有する通信装置において更に、前記
第二電位形成回路が、基準電位を有する基準線と前記通
信線との間を定電圧ダイオードを通じて短絡するスイッ
チを有し、前記第三電位形成回路が、基準電位を有する
基準線と前記通信線との間を直接短絡するスイッチを有
することを特徴としている。
【0017】本構成によれば、マスタコントローラから
その所定の出力インピーダンスを通じての直流電源電力
給電のみを行う場合の通信線の電位状態として第一電位
を設定し、通信線を低オン抵抗のスイッチと定電圧ダイ
オードを通じて基準電位に接続することにより第二電位
を、通信線を定電圧ダイオードを介することなく直接低
オン抵抗のスイッチで基準電位に接続することにより第
三電位を形成するので、中間電位である第二電位を高精
度に作成することができる。
【0018】請求項5記載の構成は請求項3記載の電源
電力給電型通信線を有する通信装置において更に、前記
出力インピーダンス切り替え回路が、前記通信線の電位
が前記第一電位から前記第二電位側又は第三電位側へ所
定量以上低下したことを検出した場合に前記通信線給電
回路の出力インピーダンスを増大させ、前記通信線の電
位が前記第二電位側又は第三電位から前記第一電位側へ
所定量以上増加したことを検出して前記通信線給電回路
の出力インピーダンスを低減することを特徴としてい
る。
【0019】本構成によれば、通信線電位の変化に基づ
いて通信線給電兼第一電位形成回路の出力インピーダン
スの上記切り替えを行うので、簡単確実に請求項3記載
の構成を実現することができる。
【0020】請求項6記載の構成は請求項4記載の電源
電力給電型通信線を有する通信装置において更に、前記
出力インピーダンス切り替え回路が、前記マスタコント
ローラの前記第二電位形成回路又は前記第三電位形成回
路の前記スイッチをオンさせる駆動信号により、前記通
信線給電兼第一電位形成回路の出力インピーダンスを増
大させることを特徴としている。
【0021】本構成によれば、簡素な回路構成で、請求
項3の構成を実現することができる。
【0022】請求項7記載の電源電力給電型通信線を有
する通信装置は,バスをなす通信線と、前記通信線に接
続される通信インターフェイス回路を有して前記通信線
から給電される直流電源電力により作動してローカル装
置を駆動制御する複数のスレーブコントローラと、前記
通信線に接続される通信インターフェイス回路を有して
前記バスに前記直流電源電力を給電するとともに前記通
信線の第一電位と第二電位との間で遷移するパルス電圧
により所定の前記スレーブコントローラと交信を行うマ
スタコントローラとを備える電力給電兼用通信線を有す
る通信装置であって、前記マスターコントローラが、所
定の出力電流範囲内で前記通信線に前記第一電位を与
え、かつ、前記通信線を通じて各スレーブコントローラ
に電源電力を給電する通信線給電兼第一電位形成回路
と、前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に
給電する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位を与
える第二電位形成回路とを有し、前記スレーブコントロ
ーラが、前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信
線に給電する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位
を与える第二電位形成回路を有することを特徴としてい
る。
【0023】すなわち、本構成では、マスタコントロー
ラの通信線給電兼第一電位形成回路は、所定の出力電流
範囲内で通信線に第一電位を与える定電圧出力機能を有
するので、上記出力電流範囲内で可能な任意のスレーブ
コントローラをバスすなわち通信線に接続することがで
きる。
【0024】また、マスタコントローラ又はスレーブコ
ントローラがの通信線から電流を吸収することにより、
上記通信線給電兼第一電位形成回路の出力インピーダン
ス(インピーダンス)に電圧降下を生じさせて、第二電
位を形成することができ、簡素な構成で双方向通信を実
現することができる。
【0025】請求項8記載の構成は請求項7記載の電源
電力給電型通信線を有する通信装置において更に、前記
通信線給電兼第一電位形成回路が、前記第二電位形成回
路が前記通信線に前記第二電位を与えようとしていると
きに前記通信線給電兼第一電位形成回路の出力インピー
ダンスを増大させる出力インピーダンス切り替え回路を
有することを特徴としている。
【0026】すなわち、本構成の通信線給電兼第一電位
形成回路は、マスタコントローラがもはやスレーブコン
トローラに電源電力を供給する必要がない第二電位であ
る場合に自己の出力インピーダンスを増大するので、マ
スタコントローラやスレーブコントローラが第二電位を
形成するために必要な電流吸収量を減少することがで
き、消費電力低減と電流吸収用スイッチの小型化を実現
することができる。また、本構成の通信線給電兼第一電
位形成回路は、マスタコントローラがスレーブコントロ
ーラに電源電力を供給する第一電位である場合に自己の
出力インピーダンスを低減するので、多数のスレーブコ
ントローラに給電する場合でも、自己の出力インピーダ
ンスによる電力損失を低減し、通信線の電位低下を抑止
するので、少ない電力消費で通信線電位を第一電位に保
持しつつ多数のスレーブコントローラに電源電力を給電
することができる。
【0027】請求項9記載の構成によれば請求項1乃至
8のいずれか記載の電源電力給電型通信線を有する通信
装置において更に、前記スレーブコントローラが、前記
通信線電位が前記第一電位である場合に前記マスタコン
トローラから充電され、前記通信線電位が前記第二電位
又は第三電位である場合に自己に電源電力を給電する蓄
電回路を有することを特徴としている。
【0028】すなわち、本構成によれば、たとえば、ス
レーブコントローラは、通信線が第一電位である場合に
通信線により充電されるコンデンサと、通信線からこの
コンデンサへの通電だけを許可するダイオードとからな
る蓄電回路をもつ。この蓄電回路は、通信線電位が上記
第二電位又は第三電位に低下した場合でも所定期間はス
レーブコントローラの回路動作を確保する。上記第二電
位又は第三電位が継続する時間は、比較的短く、その後
かならず、通信線は第一電位に復帰してスレーブコント
ローラへの作動電源電力給電とコンデンサの再チャージ
を行うので、コンデンサの容量は十分に小さくすること
ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の電源電力給電型通信線を
有する通信装置の好適な態様を以下の実施例により詳細
に説明する。
【0030】(構成)この実施例の通信装置をもつ制御
装置の回路構成を図1〜図3を参照して以下に説明す
る。
【0031】1はマスタコントローラ、2は一対の通信
線の一方である駆動線、3は一対の通信線の他方である
基準線、4、5はスレーブコントローラ、6はバッテ
リ、7、8はセンサやアクチエータからなるローカル装
置である。
【0032】マスタコントローラ1は、マイコン構成の
中央制御回路11、インターフェイス回路12を有して
いる。中央制御回路11は、インターフェイス回路12
を通じて通信線2、3にデータ通信可能に接続されてい
る。更に、インターフェイス回路12は、通信線2,3
間に電源電力を給電している。バッテリ6は、中央制御
回路11及びインターフェイス回路12に電源電力を給
電している。
【0033】スレーブコントローラ4は、インターフェ
イス回路41と、マイコン構成のセンサ制御回路42か
らなり、センサ制御回路42は、センサであるローカル
装置7の出力信号をマスタコントローラ1の指令に応じ
てインターフェイス回路41を通じて通信線2,3に送
信している。更にインターフェイス回路41は通信線
2,3から得た電源電力をセンサ制御回路42に給電し
ている。
【0034】スレーブコントローラ5は、インターフェ
イス回路51と、マイコン構成のアクチエータ制御回路
52からなり、アクチエータ制御回路52は、アクチエ
ータであるローカル装置8を駆動制御する制御信号をマ
スタコントローラ1の指令に応じてインターフェイス回
路51を通じて通信線2,3から受信している。
【0035】通信線2,3間には、その他、マスタコン
トローラ1の電源能力給電機能が許す範囲で多数のスレ
ーブコントローラが接続され、これら各スレーブコント
ローラはそれぞれのローカル装置に接続されている。通
信線の他方である基準線3はバッテリ6の負端に接続さ
れ、接地されている。
【0036】マスタコントローラ1のインターフェイス
回路12は、図2に示すように、定電圧給電部121、
第二電位設定用の短絡スイッチ122、定電圧ダイオー
ド123、第三電位設定用の短絡スイッチ124、通信
線の一方である駆動線2の電位を検出するコンパレータ
125を備えている。
【0037】定電圧給電部121は、バッテリ6の正端
から受電した電力を駆動線2に給電している。第二電位
設定用の短絡スイッチ122と定電圧ダイオード123
とは、直列接続されて通信線2,3間を接続し、第三電
位設定用の短絡スイッチ124は、通信線2,3間を接
続している。コンパレータ125は駆動線2の電位をし
きい値電圧7Vと比較して、比較結果を中央制御回路1
1に送信し、中央制御回路11は定電圧給電部121を
制御してその出力インピーダンスを切り替えている。定
電圧給電部121は、定電圧回路1210、互いに直列
接続されて定電圧回路1210の追加出力インピーダン
スをなす抵抗r1、抵抗r1を短絡するインピーダンス切り
替えスイッチ1213からなる。定電圧回路1210
は、車載バッテリ6の電圧を12Vの定電圧に変換する
通常の定電圧回路である。定電圧回路1210はその出
力電圧を常に12V(所定の電流範囲で)とするべく、
その出力電流に応じて内部の出力インピーダンスriを調
整する。それにより、駆動線2からみた電源インピーダ
ンスは、インピーダンス切り替えスイッチ1213がオ
ンしている時には定電圧回路1210の内部出力インピ
ーダンスriとなり、インピーダンス切り替えスイッチ1
213がオフしている時には定電圧回路1210の内部
出力インピーダンスriと抵抗r1との和となる。インター
フェイス回路12、41、51が通信を行わず、駆動線
2がインターフェイス回路41、51に電源電力だけを
給電している状態では、インピーダンス切り替えスイッ
チ1213はオンされ、インターフェイス回路41,4
2には12Vが給電される。スレーブコントローラを増
減しても、定電圧回路1210が出力可能な電流範囲で
は駆動線2の電圧は12Vに保たれている。
【0038】マスタコントローラ1の中央制御回路11
は、コンパレータ125の出力信号により、又は、内部
制御信号により、スイッチ123、124、1213を
開閉する。を備えている。
【0039】スレーブコントローラ4のインターフェイ
ス回路41は、図3に示すように、定電圧ダイオード4
01と、第二電位設定用の短絡スイッチ402と、コン
デンサ403と、ダイオード404と、コンパレータ4
05と、406と、抵抗分圧回路407とからなる。ス
レーブコントローラ5のインターフェイス回路51はイ
ンターフェイス回路41と同じであるので、説明を省略
する。
【0040】コンデンサ403とダイオード404と
は、ローカル蓄電回路を構成しており、コンデンサ40
3は駆動線2からダイオード404を通じて充電され
て、センサ制御回路42やコンパレータ405、406
に所定の直流電源電圧を印加している。
【0041】抵抗分圧回路407は、3つの抵抗素子を
直列接続してなり、コンデンサ403の電圧を抵抗分圧
して略7Vと略3Vという2つのしきい値電圧を形成
し、前者をコンパレータ405に、後者をコンパレータ
406に出力している。
【0042】スレーブコントローラ4のセンサ制御回路
42は、センサ7の検出信号、及び、コンパレータ40
5、406の出力信号に基づいて、短絡スイッチ402
を開閉制御する。
【0043】(通常通信動作)上記装置の通常通信動作
を図4〜図6を参照して以下に説明する。
【0044】図4はマスタコントローラ1とスレーブコ
ントローラ4又は5との間の通常モードでの通信順序を
示すプロトコルである。
【0045】マスタコントローラ1が、スレーブコント
ローラ特定情報と要求情報とを含む送信を行うと、上記
スレーブコントローラ特定情報に該当するスレーブコン
トローラ(ここではスレーブコントローラ4と仮定す
る)が上記要求情報を受信し、その後、スレーブコント
ローラ4が上記要求情報に適合する情報をマスタコント
ローラ1に送信し、マスタコントローラ1はそれを受信
する。
【0046】更に具体的に説明する。
【0047】(中央制御回路11からスレーブコントロ
ーラ4への通常モード送信動作)中央制御回路11は、
スイッチ122をオンして”1”を、スイッチ122を
オフして”0”を送信する。スイッチ122がオンされ
ると、駆動線2の電位は、定電圧ダイオード123のし
きい値が決定する第二電位Vm(ここでは6V)となる。
中央制御回路11はスイッチ122のオンと同時に、ス
イッチ1213を開き、その結果、駆動線2への給電電
流が低減される。なお、抵抗r1の値は、駆動線2に1
乃至M(Mは許容最大数)のスレーブコントローラを接
続した状態で、駆動線2の電位が第二電位近傍(少なく
とも3V以上、7V未満、好適には4〜6V)となる抵
抗値に設定されている。これにより、マスタコントロー
ラ1が第二電位Vmを出力する場合の定電圧給電部121
の電力損失を低減することができる。
【0048】(スレーブコントローラ4の通常モード受
信動作)駆動線2の電位が第二電位Vm、たとえば6Vと
なると、各コンデンサ403は略11Vに充電されてい
るため、駆動線2から各コンデンサ403への電源電力
給電が遮断される。また、駆動線2の電位はコンパレー
タ405、406でしきい値電圧3V、5Vと比較さ
れ、その結果、コンパレータ405はハイレベル、コン
パレータ406はローレベルとなって、センサ制御回路
42は、第二電位Vmを受信する。なお、駆動線2の電位
が第一電位Vh(ここでは定電圧回路1210の出力電圧
にほぼ等しい)であれば、コンパレータ405、406
はそれぞれローレベルを出力し、センサ制御回路42や
アクチエータ制御回路52はそれを認識することができ
る。
【0049】(スレーブコントローラ4の通常モード送
信動作)センサ制御回路42は、駆動線2の電位が第一
電位Vhであることを確認してスイッチ402をオンする
と、駆動線2の電位は定電圧ダイオード401のしきい
値が決定する第二電位Vm(ここでは6V)となり、スイ
ッチ401をオフすれば駆動線2の電位は12Vに復帰
する。
【0050】結局、第一電位Vh(12V)と第二電位Vm
(6V)との二値により、マスタコントローラ1とスレ
ーブコントローラ4又は5間で通常通信モードの交信が
なされる。
【0051】スレーブコントローラ4により駆動線2の
電位が第二電位Vmとなると、コンパレータ125がそれ
を検出し、マスタコントローラ1は、通常通信モードで
の受信に成功する。マスタコントローラ1は、コンパレ
ータ125により第二電位Vmを受信すると、スイッチ1
213を開き、これにより、定電圧回路1210の電力
消費を低減する。
【0052】(中央制御回路11からスレーブコントロ
ーラ4への緊急モード送信動作)中央制御回路11は、
スイッチ124をオンして緊急通信モードでの”1”
を、スイッチ124をオフして緊急通信モードでの”
0”を送信する。中央制御回路11はスイッチ124の
オンと同時に、スイッチ1213を開き、その結果、駆
動線2への給電電流が低減される。その結果、スイッチ
124がオンされると、駆動線2の電位は、主として抵
抗r1の電圧降下により少なくとも5V未満、好適には1
V未満である第三電位Vlに低下する。
【0053】(スレーブコントローラ4の緊急モード受
信動作)駆動線2の電位が第三電位Vlたとえば1Vに低
下すると、コンパレータ405、406はともにハイレ
ベルとなり、センサ制御回路42は、マスタコントロー
ラ1が第三電位Vlを出力したことを認識することができ
る。
【0054】通常モード通信時の駆動線2の電位変化を
図5に示し、緊急モード通信時の駆動線2の電位変化を
図6に示す。なお、図6では緊急モード通信時の電位変
化(パルスエッジ)が、通常通信モード通信時のそれと
一致しているが、もちろん一致していなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源電力給電型通信線を有する通信装
置の一実施例を用いた制御装置のブロック図である。
【図2】図1のマスタコントローラの一実施例回路図で
ある。
【図3】図1のスレーブコントローラの一実施例回路図
である。
【図4】図1のマスタコントローラとスレーブコントロ
ーラとの間の通信手順を示すタイミングチャートであ
る。
【図5】図1のマスタコントローラとスレーブコントロ
ーラとの間の通常通信モードでの通信時の駆動線電位変
化を示すタイミングチャートである。
【図6】図1のマスタコントローラとスレーブコントロ
ーラとの間の緊急通信モードでの通信時の駆動線電位変
化を示すタイミングチャートである。
【図7】図2の定電圧給電部の一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1 マスタコントローラ 2 駆動線(通信線) 3 基準線(通信線) 4 スレーブコントローラ 5 スレーブコントローラ 12 インターフェイス回路(通信インターフェイス回
路) 41 インターフェイス回路(通信インターフェイス回
路) 51 インターフェイス回路(通信インターフェイス回
路) 124 スイッチ(緊急送信手段) 121 定電圧給電部(通信線給電兼第一電位形成回
路) 122 スイッチ(第二電位形成回路) 123 定電圧ダイオード(第二電位形成回路) 124 スイッチ(第三電位形成回路) 401 定電圧ダイオード(第二電位形成回路) 402 スイッチ(第二電位形成回路) 1213 スイッチ(出力インピーダンス切り替え回
路)
フロントページの続き (72)発明者 三摩 紀雄 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 近藤 晶 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5K029 AA18 CC01 DD02 DD13 DD25 EE01 FF02 5K032 BA08 DA01 DA20 DB31 5K046 AA01 BA07 BB06 CC16 PP02 PP07 PS02 YY01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バスをなす通信線と、 前記通信線に接続される通信インターフェイス回路を有
    して前記通信線から給電される直流電源電力により作動
    してローカル装置を駆動制御する複数のスレーブコント
    ローラと、 前記通信線に接続される通信インターフェイス回路を有
    して前記バスに前記直流電源電力を給電するとともに前
    記通信線の第一電位と第二電位との間で遷移するパルス
    電圧により所定の前記スレーブコントローラと交信を行
    うマスタコントローラと、 を備える電力給電兼用通信線を有する通信装置であっ
    て、 前記マスターコントローラは、 前記スレーブコントローラが前記通信線に前記第一電
    位、第二電位を与えて前記マスタコントローラへのデー
    タ送信を行っている、いないにかかわらず、前記通信線
    の電位を前記第一電位又は前記第二電位から第三電位に
    強制的に遷移させることにより前記スレーブコントロー
    ラへの緊急送信を行う緊急送信手段を有することを特徴
    とする電源電力給電型通信バスを有する通信装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電源電力給電型通信線を有
    する通信装置において、 前記第一電位は所定の第一しきい値以上の電位であり、
    第三電位は、前記第一しきい値より小さい所定の第二し
    きい値以下の電位であり、前記第二電位は前記両しきい
    値間の電位であることを特徴とする電源電力給電型通信
    線を有する通信装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の電源電力給電型通信
    線を有する通信装置において、 前記マスタコントローラは、 所定の出力電流範囲内で前記通信線に前記第一電位を与
    え、かつ、前記通信線を通じて各スレーブコントローラ
    に電源電力を給電する通信線給電兼第一電位形成回路
    と、 前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に給電
    する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位を与える
    第二電位形成回路と、 前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に給電
    する電流を吸収して前記通信線に前記第三電位を与える
    第三電位形成回路と、 を有し、 前記スレーブコントローラは、 前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に給電
    する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位を与える
    第二電位形成回路を有し、 前記通信線給電兼第一電位形成回路は、 前記第二電位形成回路又は前記第三電位形成回路が前記
    通信線に前記第二電位又は第三電位を与えようとしてい
    るときに前記通信線給電兼第一電位形成回路の出力イン
    ピーダンスを増大させる出力インピーダンス切り替え回
    路を有することを特徴とする電源電力給電型通信線を有
    する通信装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の電源電力給電型通信線を有
    する通信装置において、 前記第二電位形成回路は、基準電位を有する基準線と前
    記通信線との間を定電圧ダイオードを通じて短絡するス
    イッチを有し、 前記第三電位形成回路は、基準電位を有する基準線と前
    記通信線との間を直接短絡するスイッチを有することを
    特徴とする電源電力給電型通信線を有する通信装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の電源電力給電型通信線を有
    する通信装置において、 前記出力インピーダンス切り替え回路は、 前記通信線の電位が前記第一電位から前記第二電位側又
    は第三電位側へ所定量以上低下したことを検出した場合
    に前記通信線給電回路の出力インピーダンスを増大さ
    せ、前記通信線の電位が前記第二電位側又は第三電位か
    ら前記第一電位側へ所定量以上増加したことを検出して
    前記通信線給電回路の出力インピーダンスを低減するこ
    とを特徴とする電源電力給電型通信線を有する通信装
    置。
  6. 【請求項6】請求項3記載の電源電力給電型通信線を有
    する通信装置において、 前記出力インピーダンス切り替え回路は、 前記マスタコントローラの前記第二電位形成回路又は前
    記第三電位形成回路の前記スイッチをオンさせる駆動信
    号により、前記通信線給電兼第一電位形成回路の出力イ
    ンピーダンスを増大させることを特徴とする電源電力給
    電型通信線を有する通信装置。
  7. 【請求項7】バスをなす通信線と、 前記通信線に接続される通信インターフェイス回路を有
    して前記通信線から給電される直流電源電力により作動
    してローカル装置を駆動制御する複数のスレーブコント
    ローラと、 前記通信線に接続される通信インターフェイス回路を有
    して前記バスに前記直流電源電力を給電するとともに前
    記通信線の第一電位と第二電位との間で遷移するパルス
    電圧により所定の前記スレーブコントローラと交信を行
    うマスタコントローラと、 を備える電力給電兼用通信線を有する通信装置であっ
    て、 前記マスターコントローラは、 所定の出力電流範囲内で前記通信線に前記第一電位を与
    え、かつ、前記通信線を通じて各スレーブコントローラ
    に電源電力を給電する通信線給電兼第一電位形成回路
    と、 前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に給電
    する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位を与える
    第二電位形成回路と、 を有し、 前記スレーブコントローラは、 前記通信線給電兼第一電位形成回路が前記通信線に給電
    する電流を吸収して前記通信線に前記第二電位を与える
    第二電位形成回路を有することを特徴とする電源電力給
    電型通信線を有する通信装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の電源電力給電型通信線を有
    する通信装置において、 前記通信線給電兼第一電位形成回路は、 前記第二電位形成回路が前記通信線に前記第二電位を与
    えようとしているときに前記通信線給電兼第一電位形成
    回路の出力インピーダンスを増大させる出力インピーダ
    ンス切り替え回路を有することを特徴とする電源電力給
    電型通信線を有する通信装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか記載の電源電力
    給電型通信線を有する通信装置において、 前記スレーブコントローラは、 前記通信線電位が前記第一電位である場合に前記マスタ
    コントローラから充電され、前記通信線電位が前記第二
    電位又は第三電位である場合に自己に電源電力を給電す
    る蓄電回路を有することを特徴とする電源電力給電型通
    信線を有する通信装置。
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