JP2003031995A - 部品実装装置のキャリブレーション方法およびキヤリブレーション治具 - Google Patents

部品実装装置のキャリブレーション方法およびキヤリブレーション治具

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JP2003031995A JP2001218782A JP2001218782A JP2003031995A JP 2003031995 A JP2003031995 A JP 2003031995A JP 2001218782 A JP2001218782 A JP 2001218782A JP 2001218782 A JP2001218782 A JP 2001218782A JP 2003031995 A JP2003031995 A JP 2003031995A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キャリブレーション用ワークを用いることなく
しかも高精度なキャリブレーションが可能な方法を提供
する。 【解決手段】QFP形状のパターン71を有するキャリ
ブレーション治具65を回路基板15上に置き、このキ
ャリブレーション治具65の回路基板15の位置をマウ
ントヘッド19に取付けられているワーク認識カメラ4
2によって検出した後に、上記キャリブレーション治具
65を吸着ノズル20によって吸着し、吸着位置検出用
の別の部品認識カメラ62によって吸着位置の検出を行
なうようにしたキャリブレーション方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部品実装装置のキャ
リブレーション方法およびキャリブレーション治具に係
り、とくに電子部品を回路基板上に実装する電子部品実
装装置に適用して好適なキャリブレーション方法および
キャリブレーション治具に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路は絶縁材料から成る回路基板上
に形成される。すなわち回路基板上に接合された銅箔を
エッチングして所定の配線パターンを形成するととも
に、その上に部品を実装し、部品の電極を配線パターン
の接続ランドに半田付けし、これによって電子部品が互
いに接続されて所定の電子回路が形成される。
【0003】このような回路基板上における部品の実装
のために、電子部品実装装置が用いられる。実装装置は
マウントヘッドを備え、このマウントヘッドの先端部に
取付けられている吸着ノズルによって部品をパーツカセ
ットから取出し、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向
の運動の組合わせによって回路基板上の所定の位置にマ
ウントするものである。
【0004】上記マウントヘッドの吸着ノズルによって
部品が吸着保持されるときに、吸着ノズルの中心に対し
て部品の中心が常に一致するように吸着されるとは限ら
ず、このために部品認識カメラによって部品の認識を行
ない、吸着ノズルによる部品の吸着位置のずれを検出
し、この検出に応じてX軸方向、Y軸方向、およびθ軸
方向にそれぞれ補正を加えて回路基板上にマウントして
いる。従って上記のような補正のために、部品認識カメ
ラを予め正しくキャリブレーションしておく必要があ
る。部品認識カメラのキャリブレーションが正しく行な
われない場合には、部品認識カメラによる画像認識それ
自体が狂った状態で行なわれるために、回路基板上に実
装する部品の実装位置に誤差を生ずる。
【0005】特開平5−10746号公報には、回路基
板上に装着すべき部品を所定の取出し位置に送込む部品
供給装置と、取出し位置にある部品を吸着する部品吸着
装置と、該部品吸着装置に吸着された部品を計測する計
測装置と、部品吸着位置を回路基板上に移動させ、吸着
部品を回路基板上の搭載位置に搭載する部品位置決め装
置とを備えた表面実装機において、基準となる基板およ
び部品を用いてキャリブレーションを行なう。ここで基
板座標のキャリブレーションでは、部品吸着位置を基準
基板上で位置のわかっている基準部品の上に移動させて
基準部品を吸着し、その位置を計測する。この結果から
部品位置決め装置の座標系における基準部品の位置を計
算する。これを適宜の個数の基準部品について行なうこ
とにより、部品位置決め装置の座標系と基板の座標系と
の関係を求める。
【0006】また特開平11−274794号公報に
は、部品搭載位置表示用の模様が付されたダミー基板
と、ガラス板等で部品の形状に対応する形状に形成され
たダミー基板とを用いる。そしてダミー基板を実装機本
体の基板設置位置に配置した状態で、ヘッドユニットに
より吸着したダミー部品をダミー基板に搭載し、この搭
載状態でダミー基板の模様に対するダミー部品の位置ず
れを調べることにより、部品搭載状態を検査する。上記
ダミー基板の模様の周辺部とダミー部品の周辺とには目
盛を付しておき、上記の検査のときにダミー部品の位置
ずれ量を計測する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−10746
号公報に開示されているキャリブレーション方法は、特
定の治具基板を製作し、既知の位置に堀込みを入れて治
具チップを置き、そこからノズルで吸上げることにより
キャリブレーションを行なうものである。この場合に堀
込みと治具チップのクリアランス以上にはキャリブレー
ション精度が望めないという欠点がある。また特定の治
具基板を製作する必要があり、煩雑である。
【0008】特開平11−274794号公報に開示さ
れている治具部品は、ガラス板等の透明な板に印刷によ
って画像認識用のパターンを作ったものである。この場
合にガラス等の材料で鏡面反射が画像認識の妨げにな
り、キャリブレーション精度の低下を招いたり、専用の
治具基板が必要になる問題があった。
【0009】また従来の部品実装装置のキャリブレーシ
ョンによれば、治具部品をそのままノズルで吸着してキ
ャリブレーションを行なうだけであって、この場合には
上記の配置誤差のみでなく、治具部品の精度誤差がその
ままキャリブレーションに反映されて精度低下を招く問
題があった。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、キャリブレーション用のワークが不要
であるとともに、高精度のキャリブレーション精度を確
保することが可能な部品実装装置のキャリブレーション
方法およびキャリブレーション治具を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】キャリブレーション方法
に関する主要な発明は、保持手段によって部品を保持す
るとともに、保持された部品の保持位置を部品認識カメ
ラによって認識し、基準位置に対する部品の保持位置の
ずれ量を計算し、計算によって求められたずれ量だけ部
品を保持する前記保持手段の移動目標位置に補正を加え
ることによって部品をワーク上の所定の位置に実装する
ようにした部品実装装置において、ワーク上の任意の位
置に置かれたキャリブレーション治具の位置を前記保持
手段と一緒に移動するワーク認識カメラによって認識
し、次いで前記保持手段を前記キャリブレーション治具
上に移動して該キャリブレーション治具を保持し、前記
キャリブレーション治具の保持位置を前記部品認識カメ
ラによって認識し、前記部品認識カメラによる画像の基
準位置と前記ワーク上の位置との合わせ込みを行なうこ
とを特徴とする部品実装装置のキャリブレーション方法
に関するものである。
【0012】ここで部品が電子部品であるとともに、ワ
ークが回路基板であって、電子部品を回路基板上の所定
の位置に実装するものであってよい。また保持手段が吸
着ノズルであって、部品が吸着によって保持されること
が好ましい。またキャリブレーションの動作を複数回行
なうとともに、平均化することが好適である。また保持
手段に対するキャリブレーション治具の向きを変えなが
ら複数回行なって平均化することがより好ましい。
【0013】キャリブレーション治具に関する主要な発
明は、板状体から成り、開口によって所定のパターンが
形成され、該パターンが部品認識カメラによって画像認
識されることを特徴とするキャリブレーション治具に関
するものである。
【0014】ここでパターンが半導体素子のリードの形
状とほぼ同一であってよい。また中心に対してほぼ対称
に一対の基準マークが形成され、該基準マークがワーク
認識カメラによって認識されることが好ましい。また表
面が少なくとも一部の光を反射する第1の板状体と、黒
色に表面処理された第2の板状体とを具備し、前記第1
の板状体と前記第2の板状体とにそれぞれ開口が形成さ
れ、前記第1の板状体と前記第2の板状体とを重合わせ
たときに開口の重合う部分によって所定のパターンが形
成され、前記第1の板状体側がワーク認識カメラで認識
されるとともに、前記第2の板状体側が部品認識カメラ
で認識されるようにすることが好ましい。また第1の板
状体に貫通孔から成る一対の基準マークが形成されると
ともに、該基準マークを構成する貫通孔が第2の板状体
によって閉塞されて部品認識カメラで認識されないよう
にすることが好ましい。
【0015】本願に含まれる発明の好ましい態様は、電
子回路を形成するための電子部品をマウントヘッドのノ
ズルで吸着し、吸着された電子部品を部品認識カメラで
撮像し、画像処理よりその部品の吸着位置を認識し、画
像上の基準位置に対する吸着ずれ量を計算し、そのずれ
量分だけノズルの移動目標位置に補正を加えることによ
り電子部品をプリント基板の所定の位置に装着する電子
部品装着装置において、プリント基板上の任意の位置に
置かれた治具部品の位置をノズルと一緒に移動するヘッ
ド部に取付けられたカメラを用いて位置検出し、その後
ノズルを治具部品の上に移動して吸着し、治具部品の吸
着位置を吸着位置検出用カメラを用いて検出することに
より、部品カメラ上の基準位置とプリント基板上の位置
との合わせ込みを行なうようにしたキャリブレーション
方法に関するものである。ここで上記のキャリブレーシ
ョンを治具部品の向きを変えながら複数回行ない、平均
化することにより部品治具の加工精度の誤差をキャンセ
ルすることができる。従ってこのようなキャリブレーシ
ョン方法がより好適である。
【0016】上記キャリブレーションで用いられる治具
部品は、薄板にエッチングもしくはレーザ加工で、カメ
ラに映ったときに電子部品の電極と同じ形状になるパタ
ーンが加工され、またプリント基板上に置かれたときに
基板カメラでその位置が検出できるような特徴を持つ治
具部品である。
【0017】上記の態様によれば、キャリブレーション
専用の治具基板が不要になる。またプリント基板上に置
かれた治具チップの位置をカメラを用いて認識しながら
ノズルで吸上げることにより、メカ的な吸上げ位置の誤
差が排除され、キャリブレーション精度が向上する。ま
たキャリブレーション用治具部品を回転させながらキャ
リブレーション動作を行なうことによって、治具部品の
加工精度誤差を排除できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の形態によって
説明する。まずキャリブレーション方法が実施される部
品実装装置の全体の構成を図1〜図3によって説明す
る。
【0019】図1に示すように部品実装装置はベース1
0を備えるとともに、このベース10上にはフレーム1
1が架装されている。そしてその一方の側面にはパーツ
カセット装着台12が設けられており、この装着台12
上にパーツカセット13を配列して搭載するようにして
いる。図1においては単一のパーツカセット13のみし
か図示されていないが、実際にはそれぞれ異なる種類の
部品を保持したテープをリールによって保持した多数の
パーツカセット13が一列に配されるようになる。そし
て上記パーツカセット13の配置位置の前方には横方向
に延びる搬送コンベア14が設けられており、この搬送
コンベア14によって回路基板15が供給される。
【0020】これに対してフレーム11の下部にはX軸
ユニット17が取付けられるとともに、このX軸ユニッ
ト17によってX軸方向に移動可能なY軸ユニット18
が設けられており、Y軸ユニット18によってY軸方向
に移動自在にマウントヘッド19が取付けられている。
マウントヘッド19はその先端側に図2に示すように吸
着ノズル20を備えており、この吸着ノズル20によっ
て部品を吸着保持し、上記回路基板15上の所定の位置
にマウントする。
【0021】次にマウントヘッド19の構成について図
2および図3により説明する。マウントヘッド19はフ
レーム23を備えるとともに、このフレーム23にボー
ルナット24が回転自在に支持されている。そしてボー
ルナット24は垂直に配されるボールねじ25と螺合さ
れている。しかもボールナット24にはプーリ26が取
付けられている。そしてフレーム23上のモータ28の
出力軸29にプーリ30が取付けられている。ボールナ
ット24のプーリ26とモータ28の出力軸29のプー
リ30との間にはタイミングベルト31が掛渡されてい
る。
【0022】先端部に吸着ノズル20を備えるボールね
じ25はさらにスプラインナット34と係合されてい
る。スプラインナット34は上記ボールナット24の下
側に位置し、しかもその外周部にプーリ35を備えてい
る。これに対して図3に示すモータ36にはその出力軸
にプーリ37が固着されている。そしてスプラインナッ
ト34のプーリ35とモータ36のプーリ37との間に
タイミングベルト38が掛渡されている。
【0023】またフレーム23にはブラケット41を介
してワーク認識カメラ42が支持されている。ワーク認
識カメラ42は搬送コンベア14によって送られてきた
回路基板15(図1参照)を上方から認識するためのも
のである。
【0024】また上記フレーム23にはブラケット45
が固着されるとともに、このブラケット45の先端側に
横方向に延びるようにリニアガイド46が取付けられて
いる。そしてリニアガイド46と平行にボールねじ47
もブラケットに支持されている。そしてアーム48が上
記ボールねじ47と螺合するボールナット49に固着さ
れている。そしてアーム48の先端側の部分にはミラー
50が取付けられている。またボールねじ47にはプー
リ52が固着されている。また水平方向に配されたモー
タ54の出力軸55にはプーリ56が固着されている。
そしてボールナット49のプーリ52とモータ54のプ
ーリ56との間にタイミングベルト57が掛渡されてい
る。またブラケット45の側部にはさらに別のブラケッ
ト60を介してミラー61が支持されるとともに、この
ミラー61の上部に部品認識カメラ62が取付けられて
いる。部品認識カメラ62は吸着ノズル20によって吸
着された部品の下面の画像をミラー50、61によって
反射させて取込み、画像認識を行なうためのものであ
る。
【0025】上記ワーク認識カメラ42および部品認識
カメラ62は図8に示すようにコントローラ63に接続
されている。コントローラ63は上記のカメラ42、6
2によって取込まれた画像処理を行なうとともに、演算
をするためのコンピュータを備えている。またコントロ
ーラ63はX軸ユニット17、Y軸ユニット18、モー
タ28、36、54、および搬送コンベア14をそれぞ
れ制御する。
【0026】このように本実施の形態の電子部品実装装
置は、図1に示すように電子部品をテープによって巻装
した状態で供給するパーツカセット13と、回路基板1
5を搬送する搬送コンベア14と、電子部品をパーツカ
セット13から取出して回路基板15上の所定の位置に
実装するためのマウントヘッド19と、マウントヘッド
19を回路基板15の所定の位置へ移動するためのX軸
ユニット17およびY軸ユニット18とから構成されて
いる。
【0027】そして上記マウントヘッド19は図2およ
び図3に示すように、電子部品を吸着するための吸着ノ
ズル20と、この吸着ノズル20を上下方向に移動およ
び回転させるためのスプライン付きボールねじ25と、
スプライン付きボールねじ25のボールナット24をタ
イミングベルト31を介して回転させるためのモータ2
8と、スプライン付きボールねじ25のスプラインナッ
ト34をタイミングベルト38を介して回転させるため
のモータ36と、吸着ノズル20に吸着された電子部品
の位置を検出する第1のミラー50、第2のミラー6
1、および部品認識カメラ62と、吸着ノズル20が上
下動するときにミラー50を退避させるためのリニアガ
イド46、ボールねじ47、タイミングベルト57を介
してボールねじ47を回転させるためのモータ54、お
よび電子部品を装着する回路基板15の位置を検出する
基板認識カメラ42から構成される。
【0028】ここでモータ36を駆動することなくスプ
ラインナット34を停止させた状態でモータ28によっ
てボールナット24を回転させると、ボールねじ25は
回転することなく上下動する。従って吸着ノズル20の
Z軸方向の運動が可能になる。これに対してモータ36
によってスプラインナット34を回転させるとともに、
モータ28によって同じ角度でボールナット24を回転
させると、ボールねじ25は上下動することなく回転運
動のみを行なう。従ってこれにより吸着ノズル20のθ
軸の動作が行なわれる。
【0029】次にこのような実装装置による電子部品の
実装動作の概要を説明する。回路基板15は搬送コンベ
ア14によって搬送され、所定の位置で位置決めされ
る。するとこの実装装置はマウントヘッド19をX軸ユ
ニット17およびY軸ユニット18によってX軸方向お
よびY軸方向に移動させ、回路基板15上のフィデュー
シャルマークをマウントヘッド19に設けられているワ
ーク認識カメラ42によって撮像してその位置を検出
し、これによって回路基板15の正確な位置を促らえ
る。このような動作によってワーク認識カメラ42を何
処に移動させれば電子部品を実装すべき位置の上に来る
かが分る。ここでその座標を(Xp、Yp)とする。
【0030】その後にマウントヘッド19は電子部品を
供給するパーツカセット13の部品取出し位置まで移動
し、吸着ノズル20を下降させて電子部品を真空吸着す
る。このときにミラー50の位置は図4および図5に示
すように吸着ノズル20の上下動作エリアから退避した
位置にある。そして吸着ノズル20が電子部品を吸着し
た後にボールナット24の回転によって所定の高さまで
上昇し、その後にミラー50が図3に示すように吸着ノ
ズル20の下まで移動する。すると吸着ノズル20に吸
着された電子部品の下面の映像がミラー50、61によ
って反射され、部品認識カメラ62によって撮像され
る。
【0031】部品認識カメラ62によって撮像された電
子部品の位置に関する情報を用いて吸着時の電子部品の
カメラ画像基準位置(通常は吸着ノズル20の回転中心
位置)からの位置ずれ量を検出する。この位置ずれ量を
(△X、△Y)とする。部品認識カメラ62の画像
基準位置に写った部品を装着したときの回路基板15の
位置とワーク認識カメラ42の回路基板15上の位置の
オフセット分を(△X 、△Y)とすると、マウント
ヘッド19は予めプログラムされた回路基板15上の所
定の位置に吸着時の位置ずれ量を補正した位置、すなわ
ち(X+△X −△X、Y+△Y−△Y)に
移動する。
【0032】この後にミラー50を図4に示すように退
避させて図5に示すように吸着ノズル20を下降させ、
電子部品を回路基板15上の所定の位置に装着する。従
って部品認識カメラ62の基準位置に対するワーク認識
カメラ42のオフセット分(△X、△Y)をキャリ
ブレーション作業によって取得しておく必要がある。
【0033】以下に実装装置の組立て誤差をも含めた方
法であって、現実のオフセット量(△X、△Y)を
求めるキャリブレーションの治具および方法について説
明する。図6Aに示すような開口パターン67をエッチ
ングもしくはレーザ加工等によって形成した薄いステン
レス板を用意する。ここでステレンス板66のパターン
67の中心に対して対称に一対の基準孔68を形成す
る。対角上に位置する丸穴から成る基準孔68は回路基
板15上にこのキャリブレーション治具65を置いたと
きに、ワーク認識カメラ42によってキャリブレーショ
ン治具65の位置を検出するための穴である。
【0034】キャリブレーション治具65の位置のみを
検出するのであれば、原理的にはこの基準孔68はキャ
リブレーション治具65のパターン67の中心に1個所
設ければよい。しかしながら基準孔68を2個以上設
け、複数の基準孔68の位置から演算によってキャリブ
レーション治具65の位置を求めることによって、1つ
ずつの基準孔68の加工誤差に影響されない高い精度の
位置を検出することが可能になる。さらに基準孔68を
2個以上設けることによって、これら複数の基準孔68
の位置からキャリブレーション治具65の面上の所定の
位置を算出することが可能になり、例えばパターン67
の中心に対して対称に配置された一対の2個の基準孔6
8を用いると、パターン67の中心の位置をこれら2個
の基準孔68の中点として算出できる。従って吸着ノズ
ル20の吸着位置として、基準孔68が加工されていな
い位置を指定することも可能になる。
【0035】図6Aでは対角位置に加工したが、必ずし
も基準孔68の位置はこの場所に限定されない。またス
テンレス板65に形成された角穴から成る開口67の集
まりは、吸着ノズル20によって吸着した後に部品認識
カメラ62によって認識するための穴である。
【0036】図6Aに示すステンレス板66に図6Bに
示すように黒く表面処理されしかも4つの矩形の開口パ
ターン70が四角形の4辺をなすように形成された黒色
板69を貼合わせることによって、図6Cおよび図6D
に示すようなキャリブレーション治具65が得られる。
ここでステンレス板66側からキャリブレーション治具
65を見ると図6Cに示すようになり、これに対して黒
色板69側から部品照明用の照明装置によって光を当て
て部品認識カメラ62によって画像を取込むと、黒く表
面処理された部分と穴が開口した部分とが黒くなり、こ
れによって図6Eに示すようなICのリードと同様な画
像の合成パターン71が得られる。この画像はQFP
(Quard Flat Package)の形状と同
一の画像である。
【0037】このようにして得られたキャリブレーショ
ン治具65を、電子部品を装着する位置に予め位置決め
された回路基板15上に図6Cに示すようにステンレス
板66の面が上になるように置く。このときにキャリブ
レーション治具65を置く位置は、回路基板15上の任
意の位置であってよい。
【0038】次にワーク認識カメラ42をキャリブレー
ション治具65の一方の基準孔68上に移動し、画像認
識によって基準孔68の検出を行なう。このときに基準
孔68の開いているステンレス板66は光を良く反射す
るために、明るく映り、基準孔68は背景の黒色板69
のために黒く映る。このように基準孔68の背景に黒色
板69を配置したことによって、回路基板15上のどこ
にキャリブレーション治具65を置いても、回路基板の
パターンが基準孔68を通して映り込むことがなく、安
定して基準孔68の画像認識が可能になる。
【0039】以上の動作を他方の基準孔68についても
繰返し、2個所の基準孔68の位置を順次検出する。ワ
ーク認識カメラ42はその視野が狭いために、キャリブ
レーション治具65の一対の基準孔68を同時に認識す
ることができない。よって一方の基準孔68を認識した
後にマウントヘッド19を移動させてもう一方の基準孔
68の認識を行なう。そして合成パターン71の中心7
11の位置に対応する2個の基準孔68の中点681を
演算によって算出する。図7に、ワーク認識カメラ42
側から見たキャリブレーション治具65および演算によ
って算出された中点681を模式的に示す。
【0040】この後にマウントヘッド19の吸着ノズル
20をX軸ユニット17およびY軸ユニット18によっ
て算出した中点681の位置に移動し、これによってキ
ャリブレーション治具65を吸着ノズル20で吸着す
る。このときに吸着ノズル20を移動する量は、設計上
のオフセット量(△X,△Y)を用いる。何故なら
ばまだキャリブレーションが終了していないために、現
実のオフセット量(△X ,△Y)の正確な値が分ら
ないからである。すなわちここでは、図8の左図に示し
たワーク認識カメラ42側から見たキャリブレーション
治具65の模式図に示されるように、中点681の実際
の位置からずれた便宜上のノズル吸着位置685へ吸着
ノズル20を移動し、キャリブレーション治具65を吸
着する。
【0041】吸着ノズル20によって吸着されたキャリ
ブレーション治具65は図示されていない照明によって
下側、すなわちキャリブレーション治具65の黒色板6
9の方から光が照射され、ミラー50、61を介して部
品認識カメラ62によって撮像される。そして撮像され
た画像が図6Eに示すようにICのQFP形状のように
見え、通常のICの位置認識と同じアルゴリズムを利用
してその吸着位置685を認識する。
【0042】またこのときに中点681に対応する合成
パターン71の中心711が認識される。従ってこれら
2つの位置により、図8の右図に示した部品認識カメラ
62によるキャリブレーション治具65の模式的な画像
に示されるように、合成パターンの中心711、すなわ
ち中点681と吸着位置685との間の位置ずれ量(△
,△Y)675が求まる。現実のオフセット量
(△X,△Y)は、位置ずれ量(△X,△Y
から次式によって算出される。
【0043】(△X,△Y)=(△X−△X
△Y−△Y) 以上に示したキャリブレーションの方法においては、ワ
ーク認識カメラ42によって検出した2個の基準孔68
の中点681の位置と、部品認識カメラ62によって検
出した合成パターン71の中心711の位置とが一致し
ていると仮定した。しかしながら現実には基準孔68の
加工誤差等のために、中点681と合成パターンの中心
711の位置とは完全に一致せず、図9に示すように通
常誤差(△Xerr,△Yerr)677を持つ。以下
にこの誤差を持つ場合のキャリブレーションの方法につ
いて説明する。
【0044】2個の基準孔68の中点681と合成パタ
ーン71の中心711との間に誤差(△Xerr,△Y
err)677がある場合のキャリブレーションでは、
図10A〜Dに示すように、キャリブレーション治具6
5を回転させながら、それぞれの回転角において上述の
誤差(△Xerr,△Yerr)677がない場合と同
じ動作によって、合成パターン71の中心711と吸着
位置685との間の位置ずれ量(△Xci,△Yci
678を求める。
【0045】すなわちまずキャリブレーション治具65
の回転角度が0度であるときにおいて、ワーク認識カメ
ラ42によりキャリブレーション治具65の一対の基準
孔68を認識し、その中点681を算出する。次いでマ
ウントヘッド19の吸着ノズル20を、設計上のオフセ
ット量(△X,△Y)を用いて便宜上の位置685
へ吸着ノズル20を移動し、キャリブレーション治具6
5を吸着ノズル20によって吸着する。そして吸着した
後に部品認識カメラ62によって上記キャリブレーショ
ン治具65を画像認識し、図10Aに示すように0度に
おける位置ずれ量(△Xco,△Yco)678を求め
る。
【0046】以下同様にキャリブレーション治具65の
回転角度を90度、180度、および270度に変更し
ながら、それぞれの位置ずれ量(△Xc90,△Y
c90)、(△Xc180 ,△Yc180 )および
(△Xc270 ,△Yc270 )を求める(図10B
〜D参照)。
【0047】図10に示すようにキャリブレーション治
具65の合成パターン71の中点711(位置ずれ量)
は、このような動作によって、部品認識カメラ62によ
る画像上においては部品認識カメラ62からは見えない
基準孔68の中点681に対応する位置を中心として9
0度ずつ円弧を描きながら移動する。従ってこの円弧を
合成して成る円形の軌跡の中心681と部品認識カメラ
62の基準位置(吸着ノズル20の吸着位置685)と
の間のずれ量(X,Y)から、現実のオフセット量
(△X,△Y)は次式によって求められる。
【0048】(△X,△Y)=(△X−X,△
−Y) ここで、 X=(△Xc0 +△Xc90+△Xc180 +△
c270 )/4 Y=(△Yc0 +△Yc90+△Yc180 +△
c270 )/4 である。
【0049】以上の例においては、キャリブレーション
治具65の回転角を0度、90度、180度、および2
70度としたが、回転角度の組合わせはこれに限られる
ものではない。3個以上の回転角度で円形の軌跡の中心
(X,Y)を求める回転角度の組合わせであれば、
その内から好適な組合わせを選択すればよい。
【0050】なおキャリブレーション治具65の一対の
基準孔68の中点は何処であってもよい。回転させたと
きにQFP形状、すなわち合成パターン71は必ず上記
中点を中心とする円軌跡を描く。よって円軌跡の中心を
求め、この中心上に上記2点の中点を一致させる。従っ
てキャリブレーション治具65の2つの基準孔68の位
置が何処であってもよい。
【0051】ステンレス板66にIC形状に映る合成パ
ターン71を作るには、黒く表面処理された黒色板69
によって余分な部分を隠す以外に、直接必要な部分にマ
スキングして表面処理によって余分な部分を黒くする方
法がある。ところがマスキング精度を良くすることは非
常に困難であって、図6に示すようにステンレス板66
と黒色板69とを組合わせる方が優れている。
【0052】またガラス板にエッチング等によってIC
のQFP形状のパターンを作り込むむことも可能だが、
ガラス板の特性上、表面が鏡面反射を起して照明の映り
込みが発生し、好ましくない。またワーク認識カメラ4
2によって一対の基準孔68を見るときには背景が透け
て見えるために、専用の治具基板を使用する必要が生ず
る。本実施の形態のような薄板を用いたキャリブレーシ
ョン治具65は、基準孔68の後側の部分を黒く表面処
理されたもう一方の黒色板69が塞いでいるために、こ
のキャリブレーション治具65を置く場所を選ばず、専
用の治具基板を必要としなくなる。
【0053】従って本実施の形態のキャリブレーション
方法によれば、キャリブレーションに専用のワーク基板
が不要になる。また回路基板15上に置かれたキャリブ
レーション治具65をワーク認識カメラ42によって認
識してから吸着ノズル20で吸上げることによって、メ
カ的な吸上げ位置の誤差が排除され、キャリブレーショ
ン精度が向上する。またキャリブレーション治具65を
回転させながら複数回キャリブレーション動作を行なう
ことによって、キャリブレーション治具65の加工精度
誤差を排除できる。
【0054】
【発明の効果】キャリブレーション方法に関する主要な
発明は、保持手段によって部品を保持するとともに、保
持された部品の保持位置を部品認識カメラによって認識
し、基準位置に対する部品の保持位置のずれ量を計算
し、計算によって求められたずれ量だけ部品を保持する
保持手段の移動目標位置に補正を加えることによって部
品をワーク上の所定の位置に実装するようにした部品実
装装置において、ワーク上の任意の位置に置かれたキャ
リブレーション治具の位置を保持手段と一緒に移動する
ワーク認識カメラによって認識し、次いで保持手段をキ
ャリブレーション治具上に移動して該キャリブレーショ
ン治具を保持し、キャリブレーション治具の保持位置を
部品認識カメラによって認識し、部品認識カメラによる
画像の基準位置とワーク上の位置との合わせ込みを行な
うようにしたものである。
【0055】従ってこのようなキャリブレーション方法
によれば、キャリブレーション用ワークを用いることな
く保持手段によって保持されるキャリブレーション治具
のみによってキャリブレーションが行なわれる。これに
よって高精度のキャリブレーションが可能になる。
【0056】キャリブレーション治具に関する主要な発
明は、板状体から成り、開口によって所定のパターンが
形成され、該パターンが部品認識カメラによって画像認
識されるようにしたものである。
【0057】従ってこのようなキャリブレーション治具
を用いることによって、キャリブレーション用ワークを
用いることなくしかも高精度のキャリブレーションを行
なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】部品実装装置の全体の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】マウントヘッドを示す一部を破断した正面図で
ある。
【図3】同マウントヘッドの側面図である。
【図4】ミラーを退避したときのマウントヘッドの側面
図である。
【図5】吸着ノズルを下降させたときのマウントヘッド
の側面図である。
【図6】キャリブレーション治具を示す平面図である。
【図7】キャリブレーション治具の中点を示す平面図で
ある。
【図8】キャリブレーション治具によるキャリブレーシ
ョンの動作を示す平面図である。
【図9】キャリブレーション治具の中点のずれを示す平
面図である。
【図10】キャリブレーション治具を回転させてキャリ
ブレーションを行なう動作を示す平面図である。
【図11】制御部のシステム構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
10‥‥ベース、11‥‥フレーム、12‥‥パーツカ
セット装着台、13‥‥パーツカセット、14‥‥搬送
コンベア、15‥‥回路基板、17‥‥X軸ユニット、
18‥‥Y軸ユニット、19‥‥マウントヘッド、20
‥‥吸着ノズル、23‥‥フレーム、24‥‥ボールナ
ット、25‥‥ボールねじ、26‥‥プーリ、28‥‥
モータ、29‥‥出力軸、30‥‥プーリ、31‥‥タ
イミングベルト、34‥‥スプラインナット、35‥‥
プーリ、36‥‥モータ、37‥‥プーリ、38‥‥タ
イミングベルト、41‥‥ブラケット、42‥‥ワーク
認識カメラ、45‥‥ブラケット、46‥‥リニアガイ
ド、47‥‥ボールねじ、48‥‥アーム、49‥‥ボ
ールナット、50‥‥ミラー、52‥‥プーリ、54‥
‥モータ、55‥‥出力軸、56‥‥プーリ、57‥‥
タイミングベルト、60‥‥ブラケット、61‥‥ミラ
ー、62‥‥部品認識カメラ、63‥‥コントローラ、
65‥‥キャリブレーション治具、66‥‥ステンレス
板、67‥‥開口(パターン)、68‥‥基準孔、69
‥‥黒色板、70‥‥開口(パターン)、71‥‥合成
パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA03 AA07 AA14 AA17 BB01 BB18 BB27 CC01 CC27 CC28 DD00 FF04 FF61 LL12 MM03 MM04 PP11 PP24 QQ24 QQ38 RR07 UU04 UU05 5E313 AA01 AA11 CC04 EE03 EE24 FF33 FF40 FG10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保持手段によって部品を保持するととも
    に、保持された部品の保持位置を部品認識カメラによっ
    て認識し、基準位置に対する部品の保持位置のずれ量を
    計算し、計算によって求められたずれ量だけ部品を保持
    する前記保持手段の移動目標位置に補正を加えることに
    よって部品をワーク上の所定の位置に実装するようにし
    た部品実装装置において、 ワーク上の任意の位置に置かれたキャリブレーション治
    具の位置を前記保持手段と一緒に移動するワーク認識カ
    メラによって認識し、 次いで前記保持手段を前記キャリブレーション治具上に
    移動して該キャリブレーション治具を保持し、前記キャ
    リブレーション治具の保持位置を前記部品認識カメラに
    よって認識し、 前記部品認識カメラによる画像の基準位置と前記ワーク
    上の位置との合わせ込みを行なうことを特徴とする部品
    実装装置のキャリブレーション方法。
  2. 【請求項2】部品が電子部品であるとともに、ワークが
    回路基板であって、電子部品を回路基板上の所定の位置
    に実装することを特徴とする請求項1に記載の部品実装
    装置のキャリブレーション方法。
  3. 【請求項3】保持手段が吸着ノズルであって、部品が吸
    着によって保持されることを特徴とする請求項1に記載
    の部品実装装置のキャリブレーション方法。
  4. 【請求項4】キャリブレーションの動作を複数回行なう
    とともに、平均化することを特徴とする請求項1に記載
    の部品実装装置のキャリブレーション方法。
  5. 【請求項5】保持手段に対するキャリブレーション治具
    の向きを変えながら複数回行なうことを特徴とする請求
    項4に記載の部品実装装置のキャリブレーション方法。
  6. 【請求項6】板状体から成り、開口によって所定のパタ
    ーンが形成され、該パターンが部品認識カメラによって
    画像認識されることを特徴とするキャリブレーション治
    具。
  7. 【請求項7】パターンが半導体素子のリードの形状とほ
    ぼ同一であることを特徴とする請求項7に記載のキャリ
    ブレーション治具。
  8. 【請求項8】中心に対してほぼ対称に一対の基準マーク
    が形成され、該基準マークがワーク認識カメラによって
    認識されることを特徴とする請求項6に記載のキャリブ
    レーション治具。
  9. 【請求項9】表面が少なくとも一部の光を反射する第1
    の板状体と、黒色に表面処理された第2の板状体とを具
    備し、前記第1の板状体と前記第2の板状体とにそれぞ
    れ開口が形成され、前記第1の板状体と前記第2の板状
    体とを重合わせたときに開口の重合う部分によって所定
    のパターンが形成され、前記第1の板状体側がワーク認
    識カメラで認識されるとともに、前記第2の板状体側が
    部品認識カメラで認識されることを特徴とする請求項6
    に記載のキャリブレーション治具。
  10. 【請求項10】第1の板状体に貫通孔から成る一対の基
    準マークが形成されるとともに、該基準マークを構成す
    る貫通孔が第2の板状体によって閉塞されて部品認識カ
    メラで認識されないようにしたことを特徴とする請求項
    9に記載のキャリブレーション治具。
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