JP2003028841A - 超音波探傷方法及びその装置 - Google Patents

超音波探傷方法及びその装置

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JP2003028841A JP2001210103A JP2001210103A JP2003028841A JP 2003028841 A JP2003028841 A JP 2003028841A JP 2001210103 A JP2001210103 A JP 2001210103A JP 2001210103 A JP2001210103 A JP 2001210103A JP 2003028841 A JP2003028841 A JP 2003028841A
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Hiroyuki Okubo
寛之 大久保
Tsuyoshi Sasaki
強 佐々木
Masao Kyoya
昌男 京屋
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KJTD Co Ltd
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Sumitomo Metal Industries Ltd
KJTD Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面波を利用するロール等の被検材の探傷に
おいて、その探傷精度を向上する。 【解決手段】 本願発明に係る超音波探傷方法は、表面
波を利用し、探傷する被検材に対し、下式(1) を満足す
る角度θiにて超音波を入射させることを特徴とする。 θi=sin-1(C1/C2)…式(1) C1:探触子中の超音波の音速 C2:探傷する被検材の表面波の音速 θi:被検材表面に対する超音波の入射角 これにて、被検材毎に、最も送信効率の良い入射角θi
で超音波を入射させることとし、探傷精度を著しく向上
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、超音波探傷方法
及びその装置に関し、詳しくは表面波を利用した超音波
探傷方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間・冷間に使用するロールの表面直下
に存在する割れなどの欠陥の検出には、例えば、特開平
4−276547号で開示されているような表面波を用
いた超音波探傷法が用いられている。これは、被検材で
あるロール表面に接触媒質を介して表面波探触子を接触
させ、表面波探触子ロール回転方向の逆方向に向かって
表面波を伝播させると共に、ロール表面の表面波が伝播
する部分の接触媒質を除去するようにしておいて、ロー
ル表面または表面直下に存在する欠陥を検出する方法で
ある。上記の表面波は、媒質と被検材(ロール)との界
面に沿って即ち被検材表面に沿って伝播するものであ
り、被検材内部においては表面から離れるに従って急速
に減衰するが、僅かに、被検材内にも伝播するため、表
面欠陥のみならず、表面直下の(被検材内部であるが表
面付近にある)欠陥の検出にも有効である。
【0003】ここで、表面波を発生させるための表面波
探触子は、これまで一般的な鋼の表面波音速である29
80m/sec(メートル毎秒)に基づいて入射角θi
を決めて表面波探触子が作製されてきた。表面波探触子
による表面波のロール表面への送受信は、下記数1に示
す式で表される屈折現象を利用し、入射角θiに対して
屈折角90度として行うものである。
【0004】
【数1】θi=sin-1(C/Cavg)
【0005】この数1において、Cは入射する超音波の
音速を示し、Cavgはロールを伝播する表面波の平均
音速を示す。θiはロール表面に直交する鉛直面との角
度を示している。
【0006】一方、被検材であるロールの材質によって
表面波の音速が異なる場合には、入射角度をそれぞれの
表面波の速度に応じて変更する必要がある。ところが、
上記の通り、現状では、一般的な鋼の表面波音速である
2980m/secに基づいて入射角θiを決め、表面
波探触子が作製されているため、上記の場合、表面波の
送信効率が低下することになるのであった。また、ロー
ルの探傷は、便宜上、ロール研削の設備の上において、
或いはロールの研削設備の近くで、実施されるのが一般
的である。このような機械設備は、モータ或いはインバ
ータなどから大きな電気ノイズを発生する場合が多く、
表面波を用いた探傷信号に大きな電気信号が重畳する場
合が多い。このため、ロール探傷には、前述の、表面波
の送信効率の低下から欠陥による超音波の反射信号が低
下することになり、欠陥検出能が低下してしまう問題が
ある。
【0007】このような問題に対し、特開平11−13
3005号では、表1に示すようにロール表面を伝播す
る表面波の速度が一般的な鋼の表面波速度の2980m
/secとは大きく異なり、更に各ロールの製造方法の
違いでも表面波速度が異なることを見出している。
【0008】
【表1】 ロール番号 メーカ 製造法 表面波速度(m/sec) #1 A社 連続鋳掛け肉盛法 3158 #2 A社 遠心鋳造法 3110 #3 B社 遠心鋳造法 3168 #4 C社 遠心鋳造法 3090 #5 D社 鋳造法 3180
【0009】そこで、この特開平11−133005号
では、ロール探傷の対象とする表1のロール表面波速度
を平均し、その平均値と入射する超音波の速度から、θ
iを48.1度とする表面波探触子を提案している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この提案で
は、各ロールの平均の表面波速度で、入射角θiを決定
しているため、以下の問題がある。先ず、第一に、平均
値から入射角θiを決めているということは、全てに満
遍なく表面波を発生させているに過ぎず、各ロールで最
も送信効率の良い入射角θiで超音波を入射させている
訳ではない。従って探傷精度は良いものとは言えなかっ
た。第二に、異なるロールに使用する場合は、そのロー
ルの音速を計測する必要がある。即ち、新たなロールを
探傷する場合は、このロールの音速を計測しなければな
らない。更に、その音速を計測した結果、表1に示すロ
ールの表面波速度と異なる場合は、新たに表面波探触子
を作製する必要がある。第三に、使用するロールの種類
が増え、これに対応して作製した表面波探触子の個数が
増えると、使用するロール毎に探触子を交換する必要が
あり、探傷を行う上で作業能率が非常に悪い。
【0011】そこで、本願発明は、上記特開平11−1
33005号において固定されていた入射角度を特定条
件に合わせて変えるものとして、上記第一乃至第三の課
題の解決を図る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係る超
音波探傷方法は、超音波を伝播する媒質を介し探触子か
らロール等の被検材表面に向けて超音波を入射すること
により被検材表面にて超音波表面波を発生させ、被検材
表面或いは表面付近に存在する欠陥で反射した当該超音
波表面波を検出することにより、被検材表面或いは表面
付近の欠陥を検出するものであり、次の構成を採る。即
ち、探傷する被検材の種類毎に、下式(1) を満足する角
度θiを決定し、当該入射角θiにて超音波を入射させ
ることを特徴とする。 θi=sin-1(C1/C2)…式(1) C1:探触子中の超音波の音速 C2:探傷する被検材の表面波の音速 θi:被検材表面に対する超音波の入射角 なお、「表面付近に存在する欠陥」に存在する欠陥と
は、被検材の内部欠陥であるが、被検材表面から表面波
の届く範囲にある欠陥をいう。
【0013】このような構成を採ることによって、本願
第1の発明に係る超音波探傷方法は、被検材毎に、最も
送信効率の良い入射角θiで超音波を入射させることと
し、探傷精度を著しく向上した。即ち、探触子中の超音
波の音速C1と平均値ではなく実際に探傷する被検材の
表面波の音速C2との比に、正弦の値が合致する角度
を、入射角度θiとすることによって、被検材に対し最
も超音波を強く入射できる方向に向けて超音波を発する
ものであるため、超音波の減衰を最大限抑えることが可
能となった。
【0014】本願第2の発明に係る超音波探傷方法は、
超音波を伝播する媒質を介し探触子からロール等の被検
材表面に向けて超音波を入射することにより被検材表面
にて超音波表面波を発生させ、被検材表面或いは表面付
近に存在する欠陥で反射した当該超音波表面波を検出す
ることにより、被検材表面或いは表面付近の欠陥を検出
するものであり、次の構成を採る。即ち、探傷前、被検
材に対する超音波の入射角θiを変化させながら欠陥以
外の表面波超音波のエコー強度を観測して、このエコー
強度に基づき入射角θiを決定し、探傷時、決定した超
入射角θiに探触子を設定して探傷を行う。
【0015】本願第2の発明に係る超音波探傷方法は、
実際に、反射する超音波の強さを検出し、検出した強さ
に基づき探傷時の入射角θiを決定し、当該入射角θi
にて探傷を行うものであるため、探傷時に、実際の被検
材の超音波の音速は未知まままであっても、その音速を
検出して最適な入射角で探傷するのと、同様の作用を得
ることが可能となった。
【0016】本願の第3の発明に係る超音波探傷装置
は、ロール等の円柱状体或いは円筒状体を被検材とし、
超音波を伝播する媒質を介し探触子から被検材表面に向
けて超音波を入射することにより被検材表面にて超音波
表面波を発生させ、被検材表面或いは表面付近に存在す
る欠陥で反射した当該超音波表面波を検出することによ
り、被検材表面或いは表面付近の欠陥を検出するものに
ついて、次の構成を採る。即ち、探触子は、探傷する被
検材に対し、下式(1) を満足する角度θiにて超音波を
入射させることが可能な入射角調整手段を備えたことを
特徴とする。 θi=sin-1(C1/C2)…式(1) C1:探触子中の超音波の音速 C2:探傷する被検材の表面波の音速 θi:被検材表面に対する超音波の入射角
【0017】このような構成を採ることによって、ロー
ル等の円柱状体或いは円筒状体を被検材とする欠陥の探
傷において、本願第1の発明に係る超音波探傷方法が奏
する作用を得ること可能な、具体的な超音波探傷装置を
提供し得た。
【0018】本願第4の発明に係る超音波探傷装置は、
ロール等の円柱状体或いは円筒状体を被検材とし、超音
波を伝播する媒質を介し上記被検材表面に向けて超音波
を入射することにより被検材表面にて表面波を発生さ
せ、被検材表面或いは表面付近に存在する欠陥で反射し
た当該表面波を検出することにより、被検材表面或いは
表面付近の欠陥を検出する探触子を備えたものであり、
次の構成を採る。即ち、探触子内部にて、複数の超音波
振動子を配列することにて1つの超音波発信部が構成さ
れ、個々の振動子の超音波の発信時期を順次ずらすこと
によって、超音波の上記の入射角度の変更を可能であ
り、被検材に対する超音波の入射角θiを変化させなが
ら欠陥以外の表面波超音波のエコー強度を観測し反射す
る超音波の強さが最大となる入射角θiを検出すること
が可能な入射角決定手段と、検出した超音波が最大強度
となる入射角θiに探触子を設定して探傷を行うことが
可能な入射角調整手段とを備える。
【0019】このような構成を採ることによって、ロー
ル等の円柱状体或いは円筒状体を被検材とする欠陥の探
傷において、一つの探触子で、超音波の上記の入射角度
が可変となり、複数の探触子を用意することなく、上記
本願第1乃至第3の発明が奏する作用を得ることを可能
とした。即ち、従来、上記の探傷に用いられる探触子
(表面波用斜角探触子)では、超音波の発信部は、1つ
の振動子によって構成されていたが、これを、本願第4
の発明において、複数の超音波振動子を配列することに
て1つの発信部を構成し、探触子及び探触子の構成部材
を物理的に動かすことなく、各振動子の超音波の発信を
順次遅延することにより、一つの探触子で、超音波の上
記の入射角度が可変とした。そして、このような探触子
を利用して、入射角決定手段が、実際に、反射する超音
波の強さが最大となる入射角θiを検出し、入射角調整
手段が、検出した当該入射角θiにて探傷を行うもので
あるため、探傷時に、実際の被検材の超音波の音速C2
は未知のままであっても、その音速C2を検出してその
音速C2に規定される最適な入射角で探傷するのと、同
様の作用を得ることが可能となった。即ち、反射する超
音波の強さが最大となる入射角θiを検出することによ
って、伝播する音速C2が分からない被検材について
も、上記本願第2の発明に係る超音波探傷方法の式(1)
を満たす最適な入射角度θiにて、探傷を行うことを可
能とした。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図6へ、本願発明の一実
施の形態を示す。図1(A)は本願発明の一実施の形態
に係る超音波探傷装置1の探傷部1aの使用状態を示す
略側面図であり、図1(B)はその要部を示す説明図で
ある。図2は、この超音波探傷装置1が備える超音波探
触子2の略側面図である。図3は、上記の超音波探傷装
置1の探傷制御部1bの説明図である。図4は、上記超
音波探触子2から発信した超音波による表面波の伝播方
向を示す説明図である。図5の(A)〜(C)の夫々
は、超音波探傷装置1が備える超音波探触子2の入射角
度の調整についての説明図である。図6は、この超音波
探傷装置1の操作工程についての説明図(ブロック図)
である。
【0021】この超音波探傷装置1は、表面波用斜角探
触子2(以下探触子2という。)と、入射角決定手段
と、入射角調整手段と、超音波表面波の反射源となるタ
ーゲット3と、水などの超音波を伝播する媒質Nを供給
する供給装置4と、探触子2と被検材との間隔を一定に
保つ間隔維持手段5とを備える。上記の入射角決定手段
は、最適な入射角θiを検出する手段であり、上記の入
射角調整手段は、入射角決定手段にて得た最適な入射角
θiにて、超音波Sを発するように探触子2を調整する
手段である。超音波探傷装置1の使用時、ロール等の被
検材Mの表面に探触子2が配設される。このとき、ター
ゲット3は、ロール等の被検材Mの表面にて、探触子2
が超音波Sを発する方向について探触子2から間隔を開
けて配置される。この間隔は、被検材Mの表面につい
て、一回の超音波Sの発信で探傷を行おうとする範囲に
従って設定されている。供給装置4は、被検材Mの表面
と探触子2との間に媒質Nを満たし、媒質Nの膜を形成
する。図4のN1は、スクレーパ30にて除去された残
留媒質を示している。
【0022】上記探触子2は、励振電圧(スパイク電
圧)を受けて超音波Sを発する発信部20と、通常くさ
びと呼ばれる伝達部22とを備える。伝達部22は、発
信部20から探触子2外部へ超音波を送出するまでの超
音波Sの通路を提供するものである。上記発信部20
は、複数の超音波振動子21…21(以下振動子21…
21という。)を配列することにて構成され、個々の振
動子に対し励振電圧を時間を順次ずらして与えることに
よって、超音波Sの発信方向を所望の方向にすることが
可能なものである。この探触子2は、それ1つで送信と
受信とを行うものである。即ち、発信部20は、受信部
も兼ねるものであり、上記の伝達部22は、外部から入
ってきた超音波を受信部(発信部20)へ伝える超音波
の通路も提供するものである。探触子2は、被検材Mに
向けて超音波Sを送信して、表面波を発生されると共に
ターゲット3にて反射した反射波を受信する。即ち、上
記のターゲット3は、欠陥以外の表面波超音波のエコー
強度を観測するための指標となる反射源を提供する。上
記の入射角決定手段は、種々の角度で超音波Sを発して
得た、ターゲット3からの種々の反射波のうち、強さが
最も大きなものを検出することが可能な検出手段であ
る。また、上記の入射角調整手段は、各振動子間の電圧
供給の時間差を変更することが可能であり、これにて、
入射角を入射角決定手段で得た最適な角度に調整するこ
とが可能な角度変更手段である。上記の探触子2の発信
部20は、入射角決定手段と入射角調整手段の双方の制
御を受け、探傷する被検材Mに対し、ターゲット3から
の反射波の強さが最大となる角度で超音波Sを発するこ
とで、次の数2に示す式を満足する角度θiにて超音波
Sを入射させることが可能なものである(この数2に示
す式は、特許請求の範囲及び課題を解決するための手段
に示す式(1) と対応するものである)。
【0023】
【数2】θi=sin-1(C1/C2)
【0024】ここで、C1は探触子中の即ち伝達部22
の超音波Sの音速を示し、C2は探傷する被検材Mの表
面波の音速を示し、θiは被検材M表面に対する超音波
の入射角を示す。
【0025】即ち、上記の入射角決定手段は、種々の超
音波の反射波のうち、反射波の強さが最も大きなものを
検出することが可能な検出手段であり、また、入射角調
整手段は、各振動子間の電圧供給の時間差を変更するこ
とが可能であり、これにて入射角を入射角決定手段で得
た最適な角度に調整することが可能な角度変更手段であ
る。このような手段により、この超音波探傷装置1は、
被検材M毎に、最も送信効率の良い表面波を発生させる
ことが可能な入射角で、被検材Mに対し超音波Sを入射
することによって探傷精度の向上を図るものである。
【0026】ロールなどの円筒或いは円柱状体を被検材
Mとして、その周面を探傷する上記の超音波探傷装置1
について、具体的に説明する。超音波探傷装置1は、被
検材Mを回転させる回転手段(図示しない。)と、探傷
部1a(図1(A))と、探傷制御部1b(図3)とを
備える。図1へ示すように、上記の探傷部1aは、上記
の探触子2と、上記の供給部4と、探触子2及び供給部
4を収容する探触子ホルダ6と、探触子ホルダ6を保持
するホルダ保持機構60と、ホルダ保持機構60に設け
られた間隔維持手段5と、ホルダ保持機構60に設けら
れたアーム30と、アーム30に設けられたスクレーパ
3と、支持部61とを有する。ロールなどの円筒或いは
円柱状体である被検材Mは、その軸が水平に配され、
る。上記の回転手段は、被検材Mを上記軸を中心に回転
させる。回転手段及びその制御手段には、周知の装置を
用いる。図1(A)(B)中のCは、被検材Mであるロ
ールの回転方向を示している。走査部1aは、このよう
な被検材Mの上方に位置し、被検材Mの周面Fについて
探傷を行う。
【0027】上記のホルダ保持機構60は、支持部61
にて支持される。支持部61は、ベース62と、ベース
62に設けられ且つ鉛直方向に伸びるガイド63と、モ
ータ64とを備える。ガイド63は鉛直方向に伸びるバ
ーであり、その先端(下端)にホルダ保持機構60が固
定されている。ガイド63は、ギア等の周知の動力伝達
手段(図示しない。)にてモータ64からの動力の供給
を受け、ベース62に対し、上下に移動することが可能
であり、これにて、ホルダ保持機構60を上下に移動す
ることが可能である。探傷に際し、ガイド63が下方に
移動することによって、ホルダ保持機構60は、上方よ
り被検材Mの周面Fに近づく。ホルダー保持機構60の
下部には、アーム30と探触子ホルダ6とが設けられ、
更に、ホルダー保持機構60の下部には、横方向(図1
(A)において左右方向)に伸び且つ上記アーム30と
探触子ホルダ6とを結合する、結合部65が設けられて
いる。この結合部65には、間隔維持手段5が軸止され
ている。
【0028】間隔維持手段5は、上記の結合部65に軸
される基体51と、下部に軸止され、被検材Mの周面F
と接触してこれを倣う、前倣いローラ50a及び後倣い
ローラ50bとを備える。基体51には、その上下に貫
通する貫通孔52が設けられている。上記の探触子ホル
ダ6には、上方に突出する棒状体66が設けられてお
り、この棒状部66は、上記間隔維持手段5の基体51
の貫通孔52へ嵌合する。棒状体66の上端側は、間隔
維持手段5の基体51より上方へ突出し、この突出部分
には鍔状体67が設けられ、基体51から棒状体66が
脱落するのを防ぐ。この鍔状体67と基体51との間に
は、バネなどの弾性体が介されている(図示しない)。
また探触子ホルダ6には、前後の倣いローラ50a,5
0bとの間に位置し、前後の倣いローラ50a,50b
と共に被検材Mの周面Fと接触してこれを倣う、主倣い
ローラ50cが設けられている。上記のガイド63の移
動で、ホルダ保持機構60の下方へ移動することによっ
て、倣いローラ50a,50b,50cと、スクレーパ
3とが、被検材Mの周面Fと接触する。上記の弾性体に
て、探触子ホルダ6(の主倣いローラ50c)は、被検
材Mの周面Fに押しつけられた状態になり、ガイド63
が上方に移動しない限り、探触子ホルダ6(の主倣いロ
ーラ50c)は被検材Mの周面Fから離れない。回転手
段にて回転する被検材Mに追従し、上記の各倣いローラ
50a,50b,50cも回転する。倣いローラの数
は、必要に応じて変更可能である。上記の通り、倣いロ
ーラ50a,50b,50cが被検材Mの周面Fと接触
することによって、探触子ホルダ6内の探触子2は、被
検材Mの周面Fとの間に、必要なギャップ(間隔)を保
つことができる。ホルダ保持機構60及び支持部61
は、探触子2を、被検材Mの回転方向Cに対向して超音
波Sを発射することができるように配置する。また、ホ
ルダ保持機構60及び支持部61は、上記の動作にて、
被検材Mの周面Fの頂部P(図4)に向けて、超音波を
発することが可能なよう、探触子2を配位させるもので
もある(斜角探傷となるので、探触子2自身は、被検材
Mの周面Fの頂部の真上に位置する必要はない)。スク
レーパ3は、被検材M周面F上、探触子2に先行する。
即ち、スクレーパ3は、被検材Mの回転に従い、被検材
M周面Fに対し、探触子2(の倣いローラ)に先行して
接触して行く。
【0029】上記の供給部4は、超音波の媒質Nとなる
水などの液体を一時的に収容することが可能な収容部4
0と、この収容部40内に、他から媒質Nを導く導入部
41と、収容部40内に収容され媒質Nを被検材M周面
Fに向けて放出する放出孔42とを備える。被検材Mに
超音波Sを発する際、供給部4は、放出孔4から、上記
の探触子2と被検材Mの周面Fとの間に、媒質Nを供給
するものである。これにて、超音波の発信と、反射エコ
ーの観測とが可能となる。上記の通り、倣いローラ50
a,50b,50cで被検材M周面Fを倣い、被検材M
周面Fと探触子との間に適性な一定のギャップを保つよ
うにして、超音波Sによる表面波の発生を、安定して行
うことができる。スクレーパ3は、被検材Mの回転に伴
い、表面波による探傷での阻害要因となる、既述の不要
な残留媒質N1や、ゴミなどを事前に除去する(図1
(A)に示す被検材Mの周面F上部において、スクレー
パ3より左側は、上記の除去処理前の領域となり、スク
レーパ3より右側は、上記の除去処理が済んだ探傷領域
となる。但し、図1(A)(B)において、図面の煩雑
を避けるため、媒質Nは省略している)。被検材Mの回
転により、探触子2の超音波を発する方向と逆の方向に
流れた媒質Nは、再度周面F上方に戻ってくる際に、ス
クレーパ3にて、払拭されるのである。この実施の形態
では、スクレーパ3がターゲットとなるものであった
(以下スクレーパ3という)。この他、スクレーパ3と
は別にターゲットを設けても、実施可能である(図示し
ない)。
【0030】図2へ示すように、伝達部22は、直方体
であり、その上部一辺を斜面22aとし、この斜面22
aに、1つの発信部20を構成する振動子群、即ち、複
数の振動子21…21が貼り付けられている。振動子2
1…21の夫々は、斜面22aに沿って(斜面22aの
上方側Xから下方側Yにかけて)直線的に並ぶように、
配列されている。斜面22aの傾斜角度φは、既述の数
1に示すθi(入射する超音波の音速Cと、ロールを伝
播する表面波の平均音速Cavgとの比に、正弦が合致
する角度)を採るように形成しておく。なお、ここで、
斜面22aの傾斜角度φは、被検材M表面に立てた法線
Zと直交する横線Wに対して、斜面22aがなす角度で
ある(法線Z及び横線Wはいずれも仮想線である)。こ
の法線Zは、図4へ示すように、被検材Mの中心を通
る。そして、ここで法線Zは、鉛直線と一致し、法線Z
と周面Fとの(上方側の)交点は、既述の通り配置され
た被検材Mの(上下方向について)最も高い位置(頂部
P)となる。従って、ここで、傾斜角度φは、被検材M
であるロール表面に直交する鉛直線(を含む鉛直面)に
対して、斜面22aの向きを示す方向線Kがなす角度と
等しい。ここでは、被検材Mの頂部Pの真上に探触子2
を配置するものとした。即ち、伝達部22の超音波の出
口となる面(伝達部22の底面23)と、ロールの中心
を通る鉛直線(法線Z)との交点Qを、斜面22aの向
きを示す方向線Kが通るように設定した。しかし、例え
ば媒質Nを、探触子2を挟んでスクレーパ3と反対の方
向に流れ(逃げ)にくくするため、被検材Mの頂部Pよ
りもスクレーパ3寄りに探触子2を配位する場合など、
必ずしも、法線Zを、鉛直線と一致させる必要はない。
探触子2の伝達部22は、樹脂で形成されたものであ
り、特に、アクリル樹脂、ポリスチロール樹脂、ポリミ
ノイド樹脂などの合成樹脂にて形成されたものが適当で
ある。
【0031】振動子21には、ニオブ酸鉛系磁器、チタ
ン酸鉛系磁器、ニオブ酸リチウム系磁器、チタン酸バリ
ウム系磁器、ジルコン酸チタン酸鉛系磁器等の圧電振動
子が用いられる。発信部20は、1mm以下の幅の振動
子21が数10個配列されることにて、構成される。発
信部20の個数や寸法は、上記や図示したものに限定す
るものではなく、必要に応じて、変更可能である。
【0032】図3へ示すように、探傷制御部1bは、入
射角決定手段及び入射角調整手段を構成するものであ
り、探触子2の送信部20を構成する各振動子21…2
1と電気的に接続された制御回路部7と、増幅部70
と、処理装置71(CPU)と、探傷結果を表示するこ
とが可能な表示部72とを有する。制御回路部7は、遅
延回路及びパルサーレシーバを備える。増幅部70とし
ては、周知のアンプを採用して実施すればよい。制御回
路部7が備える遅延回路及びパルサーレシーバは、探触
子2の発信部20の振動子21…21の夫々に接続され
ている。
【0033】ここで各振動子21…21の励振タイミン
グ(励振電圧を受けて振動する時期)を同一とすると、
超音波は、図5(A)へ示すように、斜面22aと直交
する方向(90°−φ)に向けて直進する。従って、こ
の場合、発信部20が向く方向へ、即ち、斜面22aの
方向線K(図2)に沿って、超音波Sを発することとな
る。一方、図5(B)へ示すように、斜面22aの上方
側Xに位置する振動子21を、斜面22aの下方側Yに
位置する振動子21よりも、励振タイミングを遅延させ
るものとすると、上記(図2)の方向線Kよりも、超音
波Sの入射角度θiは、小さくなる。図5(C)のS1
はその超音波を示している(図5(C)のSは、図2)
の方向線Kに沿って進む超音波を示している)。逆に、
斜面22aの下方側Yに位置する振動子21を、斜面2
2aの上方側Xに位置する振動子21よりも、励振タイ
ミングを遅延させるものとすると、上記の方向線Kより
も、入射角度θiは、大きくなる。図5(C)のS2が
その超音波を示している。このように、各振動子21…
21の励振タイミングを制御することで、機械的に振動
子角度を変更させずとも入射角度を変えることができ
る。
【0034】上記の探触子2において、処理装置71に
て、制御回路部7及び増幅部70を制御し、振動子21
…21の励振タイミングを変えることで入射角を変化さ
せ、異なる入射角毎にスクレーパ3からの反射エコーを
観測する。これにて得た反射エコーのうち最も大きなも
のを検出する。このスクレーパ3からの反射エコーが最
大となるときは、つまり数2に示す式が成立していると
きである。超音波探傷装置1を操作して、検出したスク
レーパ3からの反射エコーを最大とする入射角度に設定
後、被検材Mの探傷を開始し、欠陥エコーの有無を調べ
る。探傷時、振動子21…21の励振をずらすことによ
って、送信された超音波の、反射波を受信するに際して
は、送信部20が受信部として働くのであるが、個々の
振動子21…21は、遅延回路にて、個々の振動子21
…21の受信時期を同期とすることができる。即ち、受
信時において、送信時の振動子21…21の発信の時期
のずれを遅延回路にて補正し、各振動子21…21の受
信にて生じる電圧の同期をとることができる。上記の反
射エコーのうち最も大きなものを検出し、その入射角度
に設定し、被検材Mの探傷を開始する一連の工程を全
て、処理装置71の制御下におくことによって、これら
一連の工程を完全に自動化することが可能である。
【0035】以下に、入射角決定手段における探触子2
の入射角度θiの選定方法、及び、入射角調整手段の動
作を、図6を用いて、より具体的に、説明する。
【0036】先ず、処理装置71の制御下、第1工程1
01にて、超音波探傷装置1の操作が開始される。即
ち、処理装置71よる超音波探傷装置1の制御により、
探傷部1aにおいて、探触子ホルダ6の着材(被検材M
周面Fへの配置)と被検材M周面Fへの媒質Nの供給が
行われる。次に、第2工程102において、処理装置7
1よる制御回路部7の制御により、超音波Sの入射角θ
iを48.1−2.0+0.1×nに設定する(nは入
射角設定回数を示す)。第3工程103において、探触
子2から超音波を発し、スクレーパ3からの反射エコー
を検出する。一つの入射角度について、反射エコーの強
度を所定回数(10回)測定する。第4工程104にお
いて、処理装置71にて、スクレーパ3からの反射エコ
ーの強度の平均(10回の平均)を算出する。このよう
な平均値の算出によって、個々のデータの信頼性を確保
することができる。第5工程105において、上記の入
射角θi毎に、反射エコーの強度の平均を処理装置71
に保存する。第6工程106において、処理装置71
に、上記の入射角設定回数nが設定回数(20回)を越
えたか否かの判定をさせる。判定の結果越えていない場
合は、第2工程102に戻って、上記の各工程を繰り返
す。判定の結果越えている場合は、第7工程107に進
む。
【0037】第7工程107において、入射角θiを4
8.1+0.1×(n−20)に設定する。そして、第
8工程108において、探触子2から超音波を発し、ス
クレーパ3からの反射エコーを検出する。一つの入射角
度について、反射エコーの強度を所定回数(10回)測
定する。第9工程109において、処理装置71にて、
スクレーパ3からの反射エコーの強度の平均(10回の
平均)を算出する。第10工程110において、上記の
入射角θi毎に、反射エコーの強度の平均を処理装置7
1に保存する。第11工程111において、処理装置7
1に、上記の入射角設定回数nが設定回数(40回)を
越えたか否かの判定をさせる。判定の結果越えていない
場合は、第7工程107に戻って、上記の各工程を繰り
返す。判定の結果越えている場合は、第12工程112
に進む。第12工程112において、処理装置71は保
存したデータの中から、反射エコーが最大の時の入射角
度θiを検出する。そして、第13工程113におい
て、第12工程112で検出した反射エコーが最大の時
の入射角度θiに、処理装置71は探触子2の制御を設
定する。即ち、制御回路部7が行う振動子21…21に
電圧を与えるタイミングの制御を、制御回路部7の制御
を行う処理装置71に設定する。タイミング制御の設定
の内容は、処理装置71が保持するものであっても、制
御回路部7などの探傷装置の他の部位が保持するもので
あってもよい(いずれにセットするものとしてもよ
い)。設定後、第14工程114によって、実際に、欠
陥エコーを検出するための、探傷を開始する。
【0038】上記の第1〜第12工程101〜112に
て、入射角決定手段による入射角度の決定が行われる。
第13工程113にて、入射角調整手段による調整が行
われる。特に、第11工程111までの一連の工程によ
って、検出した個々のデータの信頼性を高めることがで
きる。第12工程112から第13工程113への移行
を、処理装置71に行わせることにて、探傷工程の完全
自動化が行える。但し、第11工程111或いは第12
工程112までで得たデータから、作業者の操作にて第
13工程113への移行を行うものとしても実施可能で
ある。
【0039】上記の通り、ここでは、当初の入射角θi
を48.1度とし、くさびにはポリスチロール樹脂を用
いた。そして、この48.1度を起点に±2度の範囲を
電子走査により0.1度ピッチに入射角θiを変化させ
た。また、スクレーパ3からの反射するエコーの観測
は、設定した入射角毎に10回観測しその平均値をその
入射角θiに設定したときのスクレーパ3からの反射エ
コー強度を観測した。一方、連続鋳掛け肉盛法、遠心鋳
造法、鋳造法の、夫々の方法にて製造したロールを用
い、各ロールで入射角θiを変化させたときのスクレー
パからの反射エコーを観測した状況を図7へ示す。図7
(A)は連続鋳掛け肉盛法のロールの観測結果を、図7
(B)は遠心鋳造法のロールの観測結果を、図7(C)
は鍛造法のロールの観測結果を、示している。図7
(A)〜(C)から、製造法の異なるロール毎に、スク
レーパ3からの反射エコー強度が最大となる入射角θi
が異なることが分かる。
【0040】最後に、本願発明に係る超音波探傷装置の
送信効率の向上による、従来装置に対する感度の向上倍
率を次の表2へ示す。
【0041】
【表2】 ロール製造法 従来装置に対する本願発明に係る装置の感度倍率 連続鋳掛け肉盛り法 1.2倍 遠心鋳造法 1.3倍 鍛造法 1.5倍
【0042】このように、従来装置に対し本願発明に係
る装置は、被検材であるロールの製造法ごとに、最低で
も1.2倍の感度の向上が見られ、鍛造法で製造したロ
ールに至っては、1.5倍もの感度の向上が見られる。
【0043】上記の実施の形態において、超音波の強さ
が最大となる入射角θiを検出した後、当該入射角θi
に設定して探傷を行うものとした。この他、超音波を伝
播する媒質を介し探触子からロール等の被検材表面に向
けて超音波を入射することにより被検材表面にて超音波
表面波を発生させ、被検材表面或いは表面付近に存在す
る欠陥で反射した当該超音波表面波を検出することによ
り、被検材表面或いは表面付近の欠陥を検出する超音波
探傷方法において、被検材に対する超音波の入射角θi
を変化させながら欠陥以外の表面波超音波のエコー強度
を観測して、このエコー強度に基づき探傷時の入射角θ
iを決定し、決定された入射角θiに探触子を設定して
探傷を行うものとしてもよく、このようにして、超音波
の強さが最大となる入射角θiを検出する工程で欠陥検
出まで済ませることも可能である。即ち、角度決定と実
際の探傷とを別々に行うのではなく、超音波の強さが最
大となる入射角θiを検出したとき、得たデータをその
まま探傷結果とすることも可能である。具体的には、入
射角決定手段が、入射角調整手段を兼ね、超音波の強さ
が最大となる入射角θiを検出し、そのとき得た得たデ
ータをそのまま探傷結果とするものであっても実施可能
なのである。但し、実際の探傷では、毎秒250回程度
のサイクルで超音波を発生させ探傷を行うものであり、
1サイクルの探傷では、ロールのごく一部しか探傷を行
うことができない。
【0044】
【発明の効果】本願第1の発明の実施によって、探傷す
る被検材の変更毎に、最も送信効率の良い入射角θiで
超音波を入射させることとし、探傷精度を著しく向上し
た。即ち、探触子中の超音波の音速C1と平均値ではな
く実際に探傷する被検材の表面波の音速C2との比に、
正弦の値が合致する角度を、入射角度θiとすることに
よって、最も超音波を強く入射できる方向に向けて超音
波を発するものであるため、超音波の減衰を最大限抑え
ることが可能となり、探傷精度が著しく向上したのであ
る。
【0045】本願第2の発明の実施によって、被検材に
対する超音波の反射入射角を変化させながら欠陥以外の
表面波超音波のエコー強度を観測し、この結果に基づき
探傷時の入射角を決定するものであるため、音速が分か
らない被検材についても、よりよい入射角にて、探傷を
行うことができる。従って、この場合に観測したエコー
強度から、最も超音波を強く入射できる方向に向けて超
音波を発することによって、上記本願第1の発明と同様
の効果を得ることができる。また、上記の効果を得るこ
とによって、探傷作業の自動化も、より行いやすいもの
とした。
【0046】本願第3の発明の実施によって、ロール等
の円柱状体或いは円筒状体を被検材とする欠陥の探傷に
おいて、本願第1の発明に係る超音波探傷方法が奏する
効果を得ること可能な、具体的な超音波探傷装置を提供
し得た。
【0047】本願第4の発明の実施によって、ロール等
の円柱状体或いは円筒状体を被検材とする欠陥の探傷に
おいて、複数の探触子を用意することなく、一つの探触
子で、上記本願第1乃至第3の発明が奏する作用を得る
ことを可能とした。従って、探傷の作業効率が著しく向
上し、また、探傷の自動化を極めて行い易いものとし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本願発明の一実施の形態に係る超音波
探傷装置1の探傷部1aの使用状態を示す略側面図であ
り、(B)はその要部を示す説明図である。
【図2】上記超音波探傷装置1が備える超音波探触子2
の略側面図である。
【図3】上記の超音波探傷装置1の探傷制御部1bの説
明図である。
【図4】上記超音波探触子2から発信した超音波による
表面波の伝播方向を示す説明図である。
【図5】(A)は各振動子21…21を同時に振動させ
た際の超音波の伝播方向を示す説明図であり、(B)は
各振動子21…21の振動時期をずらした際の超音波の
伝播方向を示す説明図であり、(C)は上記の振動子2
1…21の振動時期と超音波の伝播方向との関係を纏め
て示す説明図である。
【図6】上記超音波探傷装置1の動作工程、特に、入射
各決定手段の一連の動作を中心とする動作工程について
の説明図である。
【図7】図7(A)は連続鋳掛け肉盛法にて得たロール
において、入射角θiを変化させたときのスクレーパか
らの反射エコーの観測結果を示す説明図であり、図7
(B)は遠心鋳造法にて得たロールにおいて、入射角θ
iを変化させたときのスクレーパからの反射エコーの観
測結果を示す説明図であり、図7(C)は鍛造法にて得
たロールにおいて、入射角θiを変化させたときのスク
レーパからの反射エコーの観測結果を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 超音波探傷装置 2 超音波探触子 3 ターゲット 4 供給部 5 間隔維持手段 7 制御回路 20 発信部 21 超音波振動子 22 伝達部
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 強 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 京屋 昌男 大阪府東大阪市角田1丁目9番29号 日本 クラウトクレーマー株式会社大阪事業所内 Fターム(参考) 2G047 AA07 AB01 AC05 BA03 BB02 BC03 BC07 CB03 EA10 EA13 GG24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を伝播する媒質を介し探触子から
    ロール等の被検材表面に向けて超音波を入射することに
    より被検材表面にて超音波表面波を発生させ、被検材表
    面或いは表面付近に存在する欠陥で反射した当該超音波
    表面波を検出することにより、被検材表面或いは表面付
    近の欠陥を検出する超音波探傷方法において、 探傷する被検材の種類毎に、下式(1) を満足する角度θ
    iを決定し、当該入射角θiにて超音波を入射させるこ
    とを特徴とする超音波探傷方法。 θi=sin-1(C1/C2)…式(1) C1:探触子中の超音波の音速 C2:探傷する被検材の表面波の音速 θi:被検材表面に対する超音波の入射角
  2. 【請求項2】 超音波を伝播する媒質を介し探触子から
    ロール等の被検材表面に向けて超音波を入射することに
    より被検材表面にて超音波表面波を発生させ、被検材表
    面或いは表面付近に存在する欠陥で反射した当該超音波
    表面波を検出することにより、被検材表面或いは表面付
    近の欠陥を検出する超音波探傷方法において、 探傷前、被検材に対する超音波の入射角θiを変化させ
    ながら欠陥以外の表面波超音波のエコー強度を観測し
    て、このエコー強度に基づき探傷時の入射角θiを決定
    し、探傷時、決定された入射角θiに探触子を設定して
    探傷を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
  3. 【請求項3】 ロール等の円柱状体或いは円筒状体を被
    検材とし、超音波を伝播する媒質を介し探触子から被検
    材表面に向けて超音波を入射することにより被検材表面
    にて超音波表面波を発生させ、被検材表面或いは表面付
    近に存在する欠陥で反射した当該超音波表面波を検出す
    ることにより、被検材表面或いは表面付近の欠陥を検出
    する超音波探傷装置において、 探傷する被検材に対し、下式(1) を満足する角度θiに
    て超音波を入射させることが可能な入射角調整手段を備
    えたことを特徴とする超音波探傷装置。 θi=sin-1(C1/C2)…式(1) C1:探触子内の超音波の音速 C2:探傷する被検材の表面波の音速 θi:被検材表面に対する超音波の入射角
  4. 【請求項4】 ロール等の円柱状体或いは円筒状体を被
    検材とし、超音波を伝播する媒質を介し被検材表面に向
    けて超音波を入射することにより被検材表面にて超音波
    表面波を発生させ、被検材表面或いは表面付近に存在す
    る欠陥で反射した当該超音波表面波を検出することによ
    り、被検材表面或いは表面付近の欠陥を検出する探触子
    を有する超音波探傷装置において、 探触子内部にて、複数の超音波振動子を配列することに
    て1つの超音波発信部が構成され、個々の振動子の超音
    波の発信時期を順次ずらすことによって、超音波の上記
    の入射角度の変更を可能とし、 被検材に対する超音波の入射角θiを変化させながら欠
    陥以外の表面波超音波のエコー強度を観測し反射する超
    音波の強さが最大となる入射角θiを検出することが可
    能な入射角決定手段と、検出した超音波が最大強度とな
    る入射角θiに探触子を設定して探傷を行うことが可能
    な入射角調整手段とを備えたことを特徴とする超音波探
    傷装置。
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