JP2003028310A - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

Info

Publication number
JP2003028310A
JP2003028310A JP2001211089A JP2001211089A JP2003028310A JP 2003028310 A JP2003028310 A JP 2003028310A JP 2001211089 A JP2001211089 A JP 2001211089A JP 2001211089 A JP2001211089 A JP 2001211089A JP 2003028310 A JP2003028310 A JP 2003028310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
process chamber
opening
moving member
housing
outside
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001211089A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nakamura
中村  剛
Nobuhito Saji
伸仁 佐治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001211089A priority Critical patent/JP2003028310A/ja
Publication of JP2003028310A publication Critical patent/JP2003028310A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/06Bearings not otherwise provided for with moving member supported by a fluid cushion formed, at least to a large extent, otherwise than by movement of the shaft, e.g. hydrostatic air-cushion bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/74Sealings of sliding-contact bearings
    • F16C33/741Sealings of sliding-contact bearings by means of a fluid
    • F16C33/748Sealings of sliding-contact bearings by means of a fluid flowing to or from the sealing gap, e.g. vacuum seals with differential exhaust

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミック素材を用いても、気体分子の吸着を
抑制し、プロセス室内環境を保護することができる位置
決め装置を提供する。 【解決手段】位置決め装置10は、気体分子の吸蔵と脱
離とが行われやすい移動部材30の領域S1,S2に対
して、本実施の形態ではセラミック素材の緻密体と相ま
って、その表面にCVD膜をコーティングすることで、
気体分子Amの吸蔵を抑制しその結果として脱離を抑制
することで、プロセス室P内の雰囲気環境を顕著に保護
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば外部環境
から隔離された室内でワークを移動可能な位置決め装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置などにおいては、真空や
特殊ガス雰囲気に維持したプロセス室内で、ワークをス
テージに載置して移動させて加工処理することが行われ
ている。ここで、プロセス室内に駆動源を含む位置決め
装置を設けると、プロセス室外部との密閉性が維持され
るため、真空や特殊ガス雰囲気を比較的容易に維持する
ことが可能となる。
【0003】ところが、プロセス室内に駆動源を含む位
置決め装置を設けるとなると、プロセス室自体が大きく
なり、その内部を所定の気圧にするための時間が長くか
かったり、プロセス室内部を満たす特殊ガスを大量に必
要としたり、或いは位置決め装置のメンテナンスが困難
であったりするなどの問題がある。
【0004】これに対して、プロセス室の容積を最小限
にすると、上述した問題は解消されるものの、プロセス
室内部に設けられたワークを載置するテーブルを、プロ
セス室外部から駆動する構成が必要となる。かかる構成
の一つには、プロセス室と連通する筐体の壁に形成され
た開口を介して、プロセス室内部と外部との間を延在す
る移動軸を設け、かかる移動軸を筐体に対して相対移動
させることで、プロセス室内部のテーブルをプロセス室
外部より駆動するものがある。他の構成としては、筐体
の開口を表面で遮蔽した平板を設け、かかる平板を筐体
に対して相対移動させることで、プロセス室内部にあっ
て且つ平板上に設けられたテーブルをプロセス室外部よ
り駆動するものがある。いずれの構成においても、筐体
と移動軸又は平板との隙間は、差動排気シールによって
密閉し、プロセス室内部の環境を維持できるようになっ
ている(たとえば米国特許第4191385号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばプロ
セス室内が負圧である場合、移動軸や平板は、プロセス
室内外の気圧差により大きな力を受けるが、たわみなど
の変形が生じると、位置決め精度が低下する恐れがあ
る。そこで、移動軸や平板の素材として、軽量(低比
重)で剛性の高いセラミック素材を利用しようとする試
みがある。更に、セラミック素材は、非磁性の素材であ
るため、特に真空環境・低磁場変動を必要とするイオン
注入装置や電子ビーム装置を、プロセス室内のワークの
加工に用いる場合には、移動軸や平板に適した材料とい
える。
【0006】しかるに、通常のセラミック素材は、微小
粒子(粉末)の焼結体であるため、気体分子の吸蔵(毛
細管内での気体分子の吸着)により金属材料にくらべ、
放出ガスが多いという問題がある。さらに、金属に対し
て表面粗さを良くすることが難しく(通常のものでは、
Ra=100nm程度が限界)、同様の表面積を有する
金属に比べ実際の表面積(吸着面積)が大きいため、放
出ガスが多いという問題点がある。従って、空気の分子
を吸着した表面が、移動軸や平板の移動と共に、プロセ
ス室内部に侵入すると、蓄積した空気の分子が脱離し、
それによりプロセス室内部の気圧を上昇させたり、特殊
雰囲気ガスの濃度を変化させる恐れがある。また、セラ
ミックではなく、ステンレス等の金属を素材とした場合
でも、表面粗さはセラミックに比べ良好(表面積小)で
あるが、空気等の分子を吸着するということに関しては
金属原子にも見られる現象であり、同様の問題が起こり
うる。
【0007】そこで本発明は、かかる従来技術の問題点
に鑑み、移動部材の気体分子の吸着を抑制し、プロセス
室内環境を保護することができる位置決め装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、第1の本発明の位置決め装置は、減圧下に曝され
るプロセス室を内部に形成し、外部と連通する開口を備
えた筐体と、前記開口の少なくとも一部を遮蔽し、前記
筐体の開口に対して移動するセラミック素材からなる移
動部材と、前記筐体の開口と前記移動部材との間を密封
する差動排気シールとを有し、前記移動部材における、
少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を移動する
部分の表面には、緻密体が配置されていることを特徴と
する。
【0009】第2の本発明の位置決め装置は、減圧下に
曝されるプロセス室を内部に形成し、外部と連通する開
口を備えた筐体と、前記開口の少なくとも一部を遮蔽
し、前記筐体の開口に対して移動するセラミック素材か
らなる移動部材と、前記筐体の開口と前記移動部材との
間を密封する差動排気シールとを有し、前記移動部材に
おける、少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を
移動する部分の表面にはコーティングがなされているこ
とを特徴とする。
【0010】第3の本発明の位置決め装置は、減圧下に
曝されるプロセス室を内部に形成し、外部と連通する開
口を備えた筐体と、前記開口の少なくとも一部を遮蔽
し、前記筐体の開口に対して移動する金属素材からなる
移動部材と、前記筐体の開口と前記移動部材との間を密
封する差動排気シールとを有し、前記移動部材におけ
る、少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を移動
する部分の表面にはコーティングがなされていることを
特徴とする。
【0011】
【作用】第1の本発明の位置決め装置は、減圧下に曝さ
れるプロセス室を内部に形成し、外部と連通する開口を
備えた筐体と、前記開口の少なくとも一部を遮蔽し、前
記筐体の開口に対して移動するセラミック素材からなる
移動部材と、前記筐体の開口と前記移動部材との間を密
封する差動排気シールとを有し、前記移動部材におけ
る、少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を移動
する部分の表面には、緻密体が配置されているので、前
記移動部材の素材として、軽量(低比重)で剛性の高い
セラミック素材を利用することで、その変形量を抑える
ことによって位置決め精度を高め、更にセラミック素材
が非磁性の素材であることから、特に真空環境・低磁場
変動を必要とするイオン注入装置や電子ビーム装置を、
プロセス室内のワークの加工に用いる場合に、より好適
な位置決め装置を提供できる。加えて、前記移動部材に
おける、少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を
移動する部分の表面には、緻密体が配置されているの
で、気体分子の吸着を抑えて、前記プロセス室内の環境
を保護することができる。
【0012】本発明に適用可能なセラミック素材の緻密
体の例としては、細孔を少量に抑えた高密度セラミック
があげられる。高密度セラミックの中には、表面粗さR
aが100nm以下の良好な面が得られるものもある。
特に、セラテック社製「ポアフリー」(株式会社日本セ
ラテック社登録商標)は、99.5%アルミナに対し
て、水分脱離特性にも優れるというデータが示されてい
る。ボアフリー材は、表面粗さがRa=10nm以下の
高精度面を形成することができる。当然ではあるが、上
記のセラミック素材が加工された後には、十分に洗浄さ
れる必要がある。十分に洗浄されていない場合は、気孔
に研磨カスなどが残留しており、プロセス室を汚染する
原因となる。
【0013】第2の本発明の位置決め装置は、減圧下に
曝されるプロセス室を内部に形成し、外部と連通する開
口を備えた筐体と、前記開口の少なくとも一部を遮蔽
し、前記筐体の開口に対して移動するセラミック素材か
らなる移動部材と、前記筐体の開口と前記移動部材との
間を密封する差動排気シールとを有し、前記移動部材に
おける、少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を
移動する部分の表面においては、その表面に緻密なコー
ティングがなされているので、前記移動部材の素材とし
て、軽量(低比重)で剛性の高いセラミック素材を利用
することで、その変形量を抑えることによって位置決め
精度を高め、更にセラミック素材が非磁性の素材である
ことから、特に真空環境・低磁場変動を必要とするイオ
ン注入装置や電子ビーム装置を、プロセス室内のワーク
の加工に用いる場合に、より好適な位置決め装置を提供
できる。加えて、前記移動部材における、少なくとも前
記プロセス室の内部と外部の間を移動する部分の表面に
は、コーティングが施されているので、気体分子の吸着
を抑えて、前記プロセス室内の環境を保護することがで
きる。
【0014】現在の技術では緻密体において、特に大型
の部材では表面粗さRa=100nm以下の高精度面を
得ることが比較的困難を伴うという状況がある。その
点、第2の本発明においては、セラミックの必要箇所に
コーティングを施すことで、大型の部材の場合では比較
的低コストで、気体分子が吸着されやすい細孔を塞ぎ、
実質的な表面積を削減するのである。
【0015】コーティングとしては、セラミック素材の
表面にCVD膜、あるいはPVD膜を形成するものがあ
げられる。具体的には、SiC(多孔質体)を母材と
し、その表面にSiCをCVDコーティングすることが
一例としてあげられる。その他、母材としては、アルミ
ナ、窒化珪素、ジルコニア等の各種セラミックがあげら
れる。一方、コーティング材としては、その他TiNや
TiC等のPVD膜、あるいはサファイア膜のコーティ
ングなども有効であると判断される。さらにコーティン
グとしては、気体分子との吸着力が小さくなるように、
非金属系のコーティングも望ましいといえる。これらC
VD膜あるいはPVD膜は、緻密質であるため、多孔質
体のセラミックに対してもその効果を発揮し、実際の表
面積を縮小させ、吸蔵現象を抑制することが可能とな
る。DLC(硬質カーボン膜)なども、その1つとして
考えられる。DLC膜はCVD、PVDいずれでも得ら
れる。また、移動部材の母材として金属素材を用いる場
合にも、少なくともプロセス室の内部と外部の間を移動
する部分の表面に非金属系のコーティングを施すように
してもよい(第3の本発明)。金属素材としては例えば
ステンレス鋼やアルミ合金等を用いることができるの
で、安価な移動部材とすることができ、必要部分の表面
に上述のような各種非金属系のコーティングを施すこと
により、気体分子が移動部材表面からプロセス室内へ侵
入するのが防止される。
【0016】更に、大気圧下での気体分子の吸着を最小
限にとどめるように、そして脱離を促進させるために、
不活性ガスを大気圧の雰囲気ガスとして採用することが
望ましい。大気雰囲気でも水分が最も嫌われるため乾燥
した(除湿された)空気雰囲気にすることが望ましい。
又、シール領域のすぐそばのみにNあるいはアルゴン
などの不活性ガス領域を設ける(例えばエアーカーテン
のように不活性ガスを吹き付けることで効果あり)こと
で、真空領域から大気圧雰囲気へ移動する可動部の表面
にまず、不活性ガスを吸着させ、吸着分子の離脱性を促
進させることも考えられる。
【0017】ここで、差動排気シールとは、例えば対向
する2面間の微小な間隙にある気体を排気することによ
り、非接触の状態で、対向面を挟む両側の雰囲気(例え
ば大気圧と高真空)を一定の状態に保つように機能する
ものをいう。以下に述べる実施の形態においては、排気
面を有する部材を差動排気シールという。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について説明する。図1は、本発明の第
1の実施の形態にかかる位置決め装置の正面断面図であ
り、差動排気シールについては簡略化して示している。
図1に示すように、本実施の形態の位置決め装置10
は、プロセス室P並びにプロセス室Pとその外部とを連
通する開口20aを有する第1の筐体20と、第1の筐
体20の開口20aを遮蔽するように配置された移動ブ
ロック30と、移動ブロック30を挟んで第1の筐体2
0に対向して配置された第2の筐体40とから構成され
ている。プロセス室Pは、簡略化して示す配管を介して
ポンプP1により吸引され負圧となっており、第2の筐
体40内に形成された減圧室Rは、簡略化して示す配管
を介してポンプP3により吸引されており、同様に負圧
となっている。減圧室Rは、開口40aにより囲われて
いる。尚、開口20aと開口40aとは、同じ形状を有
し、対向する位置に形成されている。
【0019】移動ブロック30は、その両端を不図示の
軸受で支持され、大気圧下に設けられる不図示の駆動部
(例えばモータ+ボールねじ、又はリニアモータ等)に
より、図において左右方向に移動可能となっており、ま
た中央にワーク(不図示)を支持するテーブル31を載
置している。第1の筐体20の開口20aの周囲であっ
て、移動ブロック30に対向する面には、所定の隙間を
介して第1の差動排気シール50が設けられている。一
方、第2の筐体40の、移動ブロック30に対向する面
には、所定の隙間を介して第2の差動排気シール60が
設けられている。第1の差動排気シール50と、第2の
差動排気シール60は、それぞれ簡略化して示す配管を
介してポンプP2により吸引されており、プロセス室P
及び減圧室Rと外部とを密閉している。尚、本実施の形
態では、移動ブロック30の上面に対向する不図示の軸
受面が第1の案内面を構成し、移動ブロック30の下面
に対向する不図示の軸受面が第2の案内面を構成する。
【0020】図2は、差動排気シール50の周辺を拡大
して示す断面図であり、気体分子の吸蔵と脱離を模式的
に示した図である。作動排気シール50は、移動ブロッ
ク30の表面に対向した開口51,52と、開口51,
52から外部のポンプP2へと連通する通路53,54
とを有している。ここで、移動ブロック30全体を単な
る多孔質セラミック素材から形成した場合、以下のよう
な問題が生ずる恐れがある。
【0021】移動ブロック30が図で左方に移動した場
合、その上面が多孔質状となっているので、吸蔵された
気体分子Amは、移動ブロック30の移動により開口5
2に対向したときに、その多くがポンプP2に吸引さ
れ、更に開口51に対向したときに残りの殆どが吸引さ
れるが、吸引されなかった残りの気体分子Amがプロセ
ス室P内で脱離することにより、その負圧(或いは特殊
ガス)環境を損なう恐れがある。そこで、移動ブロック
30全体、あるいは領域S1に対応する部分を緻密体で
形成することにより、これらの部分の表面に吸着、吸蔵
される気体分子Amの絶対量を少なくできるので、この
ような問題を解決することができる。
【0022】次に、第2の実施の形態について述べる。
移動部材である本実施の形態の移動ブロック30の母材
が多孔質セラミック素材から形成されており、必要箇所
にコーティングが施されている点を除き、前記第1の実
施の形態と同様の構成である。この場合、移動部材30
が軽量で高剛性であるという以外に、以下の利点があ
る。図1において、移動ブロック30の上面において、
差動排気シール50を挟んだ領域S1は、移動ブロック
30の移動に応じて、プロセス室Pから出入り可能であ
るため、大気圧と負圧(又は特殊ガス雰囲気)の双方に
曝されることとなる。従って、気体分子Amの吸着と脱
離とが行われやすい移動部材30の領域S1に対して、
本実施の形態では、気体分子Amが吸着しやすい通常の
セラミック素材の表面にCVD膜をコーティングするこ
とで、気体分子Amの吸着を抑制しその結果としてプロ
セス室P内への気体分子Amの侵入を抑制することで、
プロセス室P内の雰囲気環境を顕著に保護している。か
かるコーティングは、特に10−3Paより高真空側に
おいて有効なものといえる。尚、移動ブロック30の表
面全体、上面全体、或いは上面の領域S1を含み、その
内側全体にコーティングしても良いのはもちろんであ
る。領域S1より内側の部分は、最初にプロセス室P内
に入れる前に十分洗浄を施せば、以後、常にプロセス室
P内にあるので、表面に多孔質の母材が露出していても
問題ないが、この部分にもコーティングを施してあれ
ば、前記のような前処理を短時間で行えるという利点も
ある。コーティングの厚さは、ガス(気体分子)の透過
が起きることがなく、かつ良好な表面粗さを得るのに必
要なだけの厚さとする。
【0023】更に移動ブロック30の変形を抑制する工
夫について説明する。まず、第2の筐体40が設けられ
ていない場合を想定する。かかる場合には、移動ブロッ
ク30の下面には大気圧(約10Pa)が常に作用し
ているので、プロセス室Pの真空度が高まるに連れ、移
動ブロック30は、その上面中央が図において上方に引
っ張られるように変形する。このような変形が微小であ
っても、テーブル31の高さ位置が変化することで、ワ
ークの高精度な加工が困難となる。
【0024】これに対し、上記第1及び第2の実施の形
態においては、第1の筐体20に対向して第2の筐体4
0を設け、しかもその内部の減圧室Rを負圧としている
ため、それにより移動ブロック30の下面が図において
下方に引っ張られ、プロセス室Pの負圧による変形を抑
制し、移動ブロック30を略無変形の状態に維持するこ
とができる。従って、テーブル31の高さ位置が変化し
ないため、高精度な位置決めが達成できる。又、開口2
0aと開口40aとを、同じ形状とし、対向する位置に
形成することで、移動ブロック30の変形モードを均衡
させ、より高精度な位置決めを達成できる。
【0025】尚、減圧室Rの真空度は、プロセス室Pの
真空度に一致させる必要はなく、たとえばプロセス室P
の気圧を10−5Paとしたときに、減圧室Rの気圧を
10 Pa程度(大気圧の1/10程度)としても、移
動ブロック30の変形を、減圧室Rを設けない場合に比
べて1/10程度に抑えることができる。それにより、
減圧室RのポンプP3を、より低容量で安価なポンプと
することができ、装置の低コスト化を図れる。但し、移
動ブロック30に減圧室Rとプロセス室Pとを連通する
通路を設ければ、減圧室用のポンプP3は不要となる。
なお、この場合は、最低限、領域S1に加え、領域S2
にもコーティングが必要となる。尚、上記第2の実施の
形態において、母材をセラミック素材に代え、ステンレ
ス或いはアルミ合金等の金属素材とした場合にも、気体
分子Amのプロセス室P内への侵入を抑制できる効果が
得られるので、そのようにしても良い。
【0026】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、移動ブロック30は、図1で
左右方向のみならず、紙面に垂直方向にも(すなわち2
次元的に)移動しても良く、又、移動ブロックを丸軸に
して、筐体に設けた開口から軸線方向に出し入れするよ
うな構成としても良い。但し、丸軸を軸線方向に移動さ
せず回転のみさせる構成には、適用してもあまり意味が
ない。
【0027】
【発明の効果】第1の本発明の位置決め装置は、減圧下
に曝されるプロセス室を内部に形成し、外部と連通する
開口を備えた筐体と、前記開口の少なくとも一部を遮蔽
し、前記筐体の開口に対して移動するセラミック素材か
らなる移動部材と、前記筐体の開口と前記移動部材との
間を密封する差動排気シールとを有し、前記移動部材に
おける、少なくとも前記プロセス室の内部と外部の間を
移動する部分の表面には、緻密体が配置されているの
で、前記移動部材の素材として、軽量(低比重)で剛性
の高いセラミック素材を利用することで、その変形量を
抑えることによって位置決め精度を高め、更にセラミッ
ク素材が非磁性の素材であることから、特に真空環境・
低磁場変動を必要とするイオン注入装置や電子ビーム装
置を、プロセス室内のワークの加工に用いる場合に、よ
り好適な位置決め装置を提供できる。加えて、前記移動
部材における、少なくとも前記プロセス室の内部と外部
の間を移動する部分の表面には、緻密体が配置されてい
るので、気体分子の吸着を抑えて、前記プロセス室内の
環境を保護することができる。
【0028】第2(又は第3)の本発明の位置決め装置
は、減圧下に曝されるプロセス室を内部に形成し、外部
と連通する開口を備えた筐体と、前記開口の少なくとも
一部を遮蔽し、前記筐体の開口に対して移動するセラミ
ック素材(又は金属素材)からなる移動部材と、前記筐
体の開口と前記移動部材との間を密封する差動排気シー
ルとを有し、前記移動部材における、少なくとも前記プ
ロセス室の内部と外部の間を移動する部分の表面におい
ては、その表面に緻密なコーティングがなされているの
で、前記移動部材の素材として、軽量(低比重)で剛性
の高いセラミック素材を利用することで、その変形量を
抑えることによって位置決め精度を高め、更にセラミッ
ク素材が非磁性の素材であることから、特に真空環境・
低磁場変動を必要とするイオン注入装置や電子ビーム装
置を、プロセス室内のワークの加工に用いる場合に、よ
り好適な位置決め装置を提供できる。加えて、前記移動
部材における、少なくとも前記プロセス室の内部と外部
の間を移動する部分の表面には、コーティングが施され
ているので、気体分子の吸着・脱離を抑えて、前記プロ
セス室内の環境を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる位置決め装置10の正面
断面図である。
【図2】差動排気シール50の周辺を拡大して示す断面
図であり、気体分子の吸蔵と脱離を模式的に示した図で
ある。
【符号の説明】
10 位置決め装置 20 第1の筐体 30 移動ブロック 40 第2の筐体 P プロセス室 R 減圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J042 AA06 BA03 CA15 3J102 AA02 CA40 EA24 FA06 FA12 GA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧下に曝されるプロセス室を内部に形
    成し、外部と連通する開口を備えた筐体と、 前記開口の少なくとも一部を遮蔽し、前記筐体の開口に
    対して移動するセラミック素材からなる移動部材と、 前記筐体の開口と前記移動部材との間を密封する差動排
    気シールとを有し、 前記移動部材における、少なくとも前記プロセス室の内
    部と外部の間を移動する部分の表面には、緻密体が配置
    されていることを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】 減圧下に曝されるプロセス室を内部に形
    成し、外部と連通する開口を備えた筐体と、 前記開口の少なくとも一部を遮蔽し、前記筐体の開口に
    対して移動するセラミック素材からなる移動部材と、 前記筐体の開口と前記移動部材との間を密封する差動排
    気シールとを有し、 前記移動部材における、少なくとも前記プロセス室の内
    部と外部の間を移動する部分の表面にはコーティングが
    なされていることを特徴とする位置決め装置。
  3. 【請求項3】 減圧下に曝されるプロセス室を内部に形
    成し、外部と連通する開口を備えた筐体と、 前記開口の少なくとも一部を遮蔽し、前記筐体の開口に
    対して移動する金属素材からなる移動部材と、 前記筐体の開口と前記移動部材との間を密封する差動排
    気シールとを有し、 前記移動部材における、少なくとも前記プロセス室の内
    部と外部の間を移動する部分の表面には非金属系のコー
    ティングがなされていることを特徴とする位置決め装
    置。
JP2001211089A 2001-07-11 2001-07-11 位置決め装置 Pending JP2003028310A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211089A JP2003028310A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 位置決め装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211089A JP2003028310A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 位置決め装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003028310A true JP2003028310A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19046463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001211089A Pending JP2003028310A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 位置決め装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003028310A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060060259A1 (en) Moving vacuum chamber stage with air bearing and differentially pumped grooves
JP2013224713A (ja) リニアアクチュエータ、真空制御装置およびコンピュータプログラム
JP2005076046A (ja) 薄膜作成装置
JP2005513469A (ja) 疎水性コーティングを施した圧力センサ
WO2001057409A1 (fr) Palier a gaz hydrostatique, dispositif de palier a gaz hydrostatique s'utilisant dans un environnement sous vide, et procede de recuperation de gaz pour le dispositif de palier a gaz hydrostatique
JP4028255B2 (ja) 電子ビーム照射装置及び電子ビーム照射方法
JP2004265992A (ja) 複合構造物作製装置
JPH06330944A (ja) 静圧移動案内装置
JP3077605B2 (ja) ホルダ駆動装置
JP2003028310A (ja) 位置決め装置
US6287004B1 (en) Fluid bearing operable in a vacuum region
JP4016418B2 (ja) 位置決め装置
JP3252074B2 (ja) 真空吸着装置、真空吸着装置用シール具および真空吸着方法
JP2002303323A (ja) 駆動装置
JP2008227125A (ja) 真空吸着装置及びそれを用いた吸着方法
JPH11108059A (ja) 気体軸受装置およびステージ装置
JP4033730B2 (ja) プラズマ処理装置用基板載置台及びプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置用の基台部
JP2004014603A (ja) 吸着用チャック
JP2001024045A (ja) 搬送装置およびそれを用いた露光装置
JP2002260566A (ja) 荷電ビーム装置
JP3842203B2 (ja) 基板処理装置
JPH10169654A (ja) 気体静圧軸受け装置
JP2003163256A (ja) 真空対応型ステージ装置
JPH07100788A (ja) ロボットと真空吸着ハンド
JP2005249079A (ja) シールユニット