JP2003028277A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JP2003028277A
JP2003028277A JP2001211273A JP2001211273A JP2003028277A JP 2003028277 A JP2003028277 A JP 2003028277A JP 2001211273 A JP2001211273 A JP 2001211273A JP 2001211273 A JP2001211273 A JP 2001211273A JP 2003028277 A JP2003028277 A JP 2003028277A
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gear
transmission device
driving force
displacement
tooth portion
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Yasunari Kawashima
康成 川島
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックはす歯ギヤにスラスト荷重が加
わる実稼動時の噛合い位置において、高精度な歯形や歯
スジを保つはす歯ギヤを有する駆動力伝達装置を提供す
る。 【解決手段】 駆動源に連結された駆動軸部と、作業を
行う従動軸部と、従動軸に駆動力を伝達するプラスチッ
クはす歯ギヤ伝達機構部を有した駆動力伝達装置におい
て、実稼動時のスラスト荷重によるギヤ歯部2の変位を
キャンセルするように、予めギヤ歯部2をギヤ軸心に対
して傾斜させた。その他9項ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動力伝達装置に
関する。さらに詳しくは、駆動力を伝達するプラスチッ
クはす歯ギヤの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従動軸を高精度に一定速度で回転させた
い場合、ギヤなどの伝達機構部を高精度化する必要があ
る。特にギヤの場合、噛合い時の剛性変化(噛合ってい
る歯対数で変化)が小さくなるように、はす歯ギヤにす
ることが高精度化には効果的である。位置誤差のない正
規の歯面同士が接触して動力伝達を行うのであれば問題
ないが、例えば、軸と軸受けの隙間分ギヤが傾いていた
場合、歯面同士の接触が正規の位置からずれて片当たり
になり、振動増加などにより伝達品質を低下させること
になる。
【0003】これに対応して特開平9−80840号公
報には、前記軸受け隙間分の傾きを予め補正するように
ギヤのねじれ角を設定することで、振動増加などの伝達
品質を低下させる原因を解消する技術の開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平9−808
40号公報により、軸の隙間に対する不具合は回避でき
る。しかしながら、例えば、低コスト軽量化に有利なプ
ラスチックはす歯ギヤのように金属ギヤに比べ柔らかい
材質を用いた場合、ギヤ歯部に加わるスラスト荷重によ
ってギヤ素材部が軸方向にたわみ変形して、歯面が正規
の位置からずれるような場合には対応できない。
【0005】たわみを小さくするためにギヤを厚肉にし
たり、リブなどで補強する手段もあるが、ギヤを厚肉に
すると、樹脂容積増加に伴う材料費UPや冷却時間増加
に伴い製造タクトが長くなる欠点がある。また、リブを
設けると成形用の金型が複雑になり金型代のコスト増加
や、成形時に流動ムラが発生し、リブの周期で歯形や歯
スジ、累積ピッチなどのギヤ形状精度が低下する場合が
ある。
【0006】本発明は、プラスチックはす歯ギヤにスラ
スト荷重が加わる実稼動時の噛合い位置において、高精
度な歯形や歯スジを保つはす歯ギヤを有する駆動力伝達
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、駆動源に連結された駆動軸
部と、作業を行う従動軸部と、従動軸に駆動力を伝達す
るプラスチックはす歯ギヤ伝達機構部を有した駆動力伝
達装置において、実稼動時のスラスト荷重によるギヤ歯
部の変位をキャンセルするように、予めギヤ歯部をギヤ
軸心に対して傾斜させたことを特徴とする駆動力伝達装
置に存する。
【0008】また、請求項2記載の発明は、駆動源に連
結された駆動軸部と、作業を行う従動軸部と、従動軸に
駆動力を伝達するプラスチックはす歯ギヤ伝達機構部を
有した駆動力伝達装置において、実稼動時のスラスト荷
重によるギヤ歯部の変位をキャンセルするように、予め
ギヤを変形させたことを特徴とする駆動力伝達装置に存
する。
【0009】また、請求項3記載の発明は、駆動源に連
結された駆動軸部と、作業を行う従動軸部と、従動軸に
駆動力を伝達するプラスチックはす歯ギヤ伝達機構部を
有した駆動力伝達装置において、実稼動時のスラスト荷
重によるギヤ歯部の変位をキャンセルするように、予め
一方のギヤ軸心を他方のギヤ軸心に対して傾斜させたこ
とを特徴とする駆動力伝達装置に存する。
【0010】また、請求項4記載の発明は、ギヤ歯部の
変位は、ギヤの曲げ変形によるものとし、スラスト荷重
とギヤピッチ円半径とギヤ肉厚とギヤ材質の材料定数よ
り、ギヤ歯部の変位量を算出することを特徴とする請求
項1、2、3のいずれか1項記載の駆動力伝達装置に存
する。
【0011】また、請求項5記載の発明は、ギヤ歯部の
変位は、ギヤの曲げ変形と、ギヤと軸との締結部におけ
る圧縮変形とによるものとし、スラスト荷重とギヤピッ
チ円半径とギヤのボス長とボス部の接触剛性より、ギヤ
歯部の変位量を算出することを特徴とする請求項1、
2、3のいずれか1項記載の駆動力伝達装置に存する。
【0012】また、請求項6記載の発明は、ギヤ歯部の
変位は、ギヤの曲げ変形と軸の曲げ変形とによるものと
し、スラスト荷重とピッチ円半径と軸径と軸受けギヤ間
距離と軸材質の材料定数より、ギヤ歯部の変位量を算出
することを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項
記載の駆動力伝達装置に存する。
【0013】また、請求項7記載の発明は、ギヤ歯部の
変位量を算出する値は、プラスチックギヤの実稼動時に
おける温度環境で設定していることを特徴とする請求項
1、2、3のいずれか1項記載の駆動力伝達装置に存す
る。
【0014】また、請求項8記載の発明は、実稼動時の
スラスト荷重は、駆動力伝達装置の定常状態の速度で設
定することを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1
項記載の駆動力伝達装置に存する。
【0015】また、請求項9記載の発明は、ギヤ歯部の
変位量は、従動ギヤのギヤ歯部の変位量と駆動ギヤのギ
ヤ歯部の変位量との差として算出することを特徴とする
請求項1、2、3のいずれか1項記載の駆動力伝達装置
に存する。
【0016】また、請求項10記載の発明は、予め変形
させたギヤにおいて、変形している側が識別できる識別
印をギヤ側面に設けたことを特徴とする請求項1又は2
記載の駆動力伝達装置に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき説明する。図1ははす歯ギヤの斜視図である。図
2は図1のA矢視図である。図3はプラスチックはす歯
ギヤの変形を説明するための断面図である。
【0018】図1、図2に示すようにはす歯ギヤではね
じれ角βを大きくすることで、重なり噛合い率が増加
し、噛合いが滑らかになる反面、軸方向のスラスト荷重
Fsが発生する。このスラスト荷重Fsは、ねじれ角β
と駆動力FrからFs=Fr・tanβで得られる。
【0019】金属ギヤのようにギヤ素材の剛性が大きい
場合はギヤ1が変形することはないが、プラスチックの
ように材質が柔らかくなった場合、図3に示すようにス
ラスト荷重Fsによってたわみ変形(曲げ変形)を生じ
る。特にギヤ1の肉厚が薄い場合や、ギヤ直径が大きい
場合や、駆動力が大きい場合に顕著に見られる。このギ
ヤ1のたわみによって、ギヤ歯部2は正規の位置に対し
てたわみ量δ、傾きΦの変位を生じる。特に傾きΦはは
す歯ギヤの軸3が傾いているのと同じであり、ギヤ歯面
全体が接触できなくなる片当たりを引き起こし、ギヤ伝
達特性に悪影響(回転ムラ、振動)を引き起こす。
【0020】図4は本発明の第1の実施の形態に係るは
す歯ギヤの断面図である。図4の(1)は停止時の形状
を示す断面図、(2)は実稼動時の形状を示す断面図で
ある。
【0021】図4の(1)に示すように停止時のギヤ歯
部2を軸心に対して傾きΦだけ傾斜させた形状にしてお
く。図4の(2)に示すように実稼動時のスラスト荷重
Fsによってギヤ1が変形し、ギヤ歯部2が正規のギヤ
歯位置にくることで、片当たりすることなく効率の良い
駆動力の伝達ができる。実稼動時にはギヤ歯部2が歯幅
方向にδ分平行移動した形になるが、歯幅長に対してこ
のたわみ量δは微小でありこの影響は小さい。
【0022】図5は本発明の第2の実施の形態に係るは
す歯ギヤの断面図である。図5の(1)は停止時の形状
を示す断面図、(2)は実稼動時の形状を示す断面図で
ある。
【0023】図5の(1)に示す停止時の状態のギヤ1
を駆動させると、噛合っているギヤ歯部2にスラスト荷
重Fsが加わり図5の(2)に示す実稼動時の状態とな
り、ギヤ1が変形し、ギヤ歯部2が正規のギヤ歯位置に
くることで、片当たりすることなく効率の良い駆動力の
伝達ができる。
【0024】図6は本発明の第3の実施の形態に係るは
す歯ギヤの断面図である。図6の(1)は停止時の形状
を示す断面図、(2)は実稼動時の形状を示す断面図で
ある。
【0025】図6の(1)に示す停止時では軸3の傾き
Φと同じだけギヤ歯部2が傾いているが、図6の(2)
に示す実稼動時のスラスト荷重Fsが加わると噛合って
いる部分のギヤ1が変形し、ギヤ歯部2が正規のギヤ歯
位置にくることで、片当たりすることなく効率の良い駆
動力の伝達ができる。
【0026】図7は本発明の実施の形態に係るスラスト
荷重によるギヤ歯部の変位をキャンセルさせるためのオ
フセット量を設定する説明図である。
【0027】実稼動時のギヤ歯部2の変位量を直接計測
するのは困難である。そこで、予めフラットな同形状の
計算用ギヤモデルを用意し、軸3を固定しギヤ歯部2に
スラスト荷重Fsを加えた場合のギヤ歯部2の変位量
(たわみ量、傾き)を算出し、この量に基づきオフセッ
ト量を設定する。計算の方法としては、有限要素法や材
料力学を用いても良い。例えば、材料力学によると、ギ
ヤピッチ円半径r、スラスト荷重Fs、ギヤ肉厚h、ギ
ヤ材質ヤング率Eとすると、たわみ量δa、傾きΦaは
次式より得られる。 δa=K1・(Fs・r2)/(E・h3) Φa=K2・(Fs・r)/(E・h3) ただし、K1、K2は比例定数よってオフセットさせて
おく傾きΦ=Φaとなる。
【0028】図8は本発明の実施の形態に係るギヤの曲
げ変形にギヤと軸との圧縮変形を加えてオフセット量を
設定する説明図である。
【0029】ボス部4の長さが短い場合には、ボス部4
の両端にスラスト荷重が集中する。金属のように剛性が
高い場合では変形が小さいが、プラスチックになるとこ
の部分の変形も大きくなる。そこで、ギヤ1の曲げ変形
に軸締結部の圧縮変形を加えてギヤ歯部2の変位量を算
出し、この量に基づきオフセット量を設定する。計算の
方法としては、有限要素法や材料力学を用いても良い。
例えば、材料力学によると、ギヤピッチ円半径r、スラ
スト荷重Fs、ギヤ4のボス長L、ボス部4の接触剛性
Kbとすると、圧縮変形によるたわみ量δb、傾きΦb
は次式より得られる。 δb=K3・(Fs・r2)/(Kb・L2) Φb=K4・(Fs・r)/(Kb・L2) ただし、K3、K4は比例定数よってオフセットさせて
おく傾きΦ=Φa+Φbとなる。
【0030】図9は本発明の実施の形態に係るギヤの曲
げ変形に軸の曲げ変形を加えてオフセット量を設定する
説明図である。
【0031】軸3が細い場合には、ギヤ1の変形に加え
て軸3も変形する。そこで、ギヤ1の曲げ変形に軸3の
曲げ変形を加えてギヤ歯部2の変位量を算出し、この量
に基づきオフセット量を設定する。計算の方法として
は、有限要素法や材料力学を用いても良い。例えば、材
料力学によると、ギヤピッチ円半径r、スラスト荷重F
s、軸受けギヤ間距離Lg、軸径d、軸材質ヤング率E
gとすると、軸3の曲げ変形によるたわみ量δc、傾き
Φcは次式より得られる。 δc=K5・(Fs・r・Lg2)/(Eg・d4) Φc=K6・(Fs・r・Lg)/(Eg・d4) ただし、K5、K6は比例定数よってオフセットさせて
おく傾きΦ=Φa+Φcとなる。
【0032】図10はプラスチックにおける温度とヤン
グ率の関係を表したグラフである。プラスチックは金属
に比べ温度によって特性が大きく変化する。特にギヤの
場合、停止時に比べ動力を伝達している実稼働時では、
歯面同士の摩擦熱に加え、モータ等の周辺からの発熱も
加わり常温に比べ高温になる。このため、ギヤ材質の剛
性が停止時に比べ低下する。そこで、図10に示すよう
にギヤの実稼動時での温度tに対応したヤング率Etを
用いてギヤ歯部2の変位量を算出する。
【0033】図11は回転速度及び駆動力と時間の関係
を表したグラフである。図11に示すように起動時から
定常状態まで回転速度Nが変化する場合、起動時の加速
状態では慣性力分の大きな駆動力(Frmax)を必要
とし、定常状態では慣性力分は必要なくなるので加速時
よりも低い駆動力(Fro)になる。高精度なギヤ回転
特性を要求されるのは定常状態であるので、定常状態の
駆動力Frからスラスト荷重Fsを算出し、このスラス
ト荷重Fsに基づきギヤ歯部2の変位量を算出し、ギヤ
形状や軸傾斜のオフセット量を設定する。
【0034】図12は本発明の第4の実施の形態に係る
1組のはす歯ギヤの断面図である。図12の(1)は停
止時の形状を示す断面図、(2)は実稼動時の形状を示
す断面図である。
【0035】従動ギヤ5、駆動ギヤ6ともプラスチック
はす歯ギヤにした場合、双方がスラスト荷重によって変
形する。その変形する方向がお互いにキャンセルする方
向になるので、従動ギヤ5のオフセット量や従動軸心の
傾斜量の設定を双方の変位量の差分とする。従動ギヤ5
の変位量がΦであり、この分をそのままオフセットさせ
るとスラスト荷重Fsで従動ギヤ5の歯面は水平になる
が、駆動ギヤ6の歯面がΦb傾いているので片当たりに
なる。そこで、図12の(1)に示すように駆動ギヤ6
の変位量Φb分少なくしたΦaのオフセットにしてお
く。この結果、図12の(2)に示すように実稼動時の
スラスト荷重Fsによって従動ギヤ5はΦbの傾きが残
り、駆動ギヤ6の傾きと一致することで噛合う歯面は誤
差のない良好な状態での噛合いが可能となる。
【0036】図13は本発明の第5の実施の形態に係る
はす歯ギヤの斜視図である。スラスト荷重によるギヤの
変形量が小さい場合、ギヤ1のどちらの面をオフセット
させたかがわかりにくい。そこで、このオフセットさせ
た面を簡単に識別できるようにギヤ1の側面に識別印1
aを設ける。この識別印1aは、成形用の金型の1部を
加工することで簡単に設けられ、これによりギヤの組付
けミスが防止できる。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、実稼動時
のスラスト荷重によるギヤ歯部の変位をキャンセルする
ように、予めギヤ歯部をギヤ軸心に対して傾斜させたこ
とにより、停止時では傾いたギヤ歯部が、実稼動時のス
ラスト荷重によってギヤが変形し、正規のギヤ歯位置に
くることで効率の良い駆動力の伝達ができる。
【0038】請求項2記載の発明によれば、実稼動時の
スラスト荷重によるギヤ歯部の変位をキャンセルするよ
うに、予めギヤを変形させたことにより、停止時では傾
いたギヤ歯部が、実稼動時のスラスト荷重によってギヤ
が変形し、正規のギヤ歯位置にくることで効率の良い駆
動力の伝達ができる。
【0039】請求項3記載の発明によれば、実稼動時の
スラスト荷重によるギヤ歯部の変位をキャンセルするよ
うに、予め一方のギヤ軸心を他方のギヤ軸心に対して傾
斜させたことにより、停止時では傾いたギヤ歯部が、実
稼動時のスラスト荷重によってギヤが変形し、正規のギ
ヤ歯位置にくることで効率の良い駆動力の伝達ができ
る。
【0040】請求項4記載の発明によれば、ギヤ歯部の
変位は、ギヤの曲げ変形によるものとし、スラスト荷重
とギヤピッチ円半径とギヤ肉厚とギヤ材質の材料定数よ
り、ギヤ歯部の変位量を算出することにより、直接計測
することなく簡単にギヤ歯部の変位量を算出することが
できる。
【0041】請求項5記載の発明によれば、ギヤ歯部の
変位は、ギヤの曲げ変形と、ギヤと軸との締結部におけ
る圧縮変形とによるものとし、スラスト荷重とギヤピッ
チ円半径とギヤのボス長とボス部の接触剛性より、ギヤ
歯部の変位量を算出することにより、ボス長が短くボス
両端にスラスト荷重が集中するときでも、精度良く簡単
にギヤ歯部の変位量を算出することができる。
【0042】請求項6記載の発明によれば、ギヤ歯部の
変位は、ギヤの曲げ変形と軸の曲げ変形とによるものと
し、スラスト荷重とピッチ円半径と軸径と軸受けギヤ間
距離と軸材質の材料定数より、ギヤ歯部の変位量を算出
することにより、ギヤを支持する軸が細い場合でのギヤ
歯部の変位量を、より精度良く簡単に算出することがで
きる。
【0043】請求項7記載の発明によれば、ギヤ歯部の
変位量を算出する値は、プラスチックギヤの実稼動時に
おける温度環境で設定していることにより、温度の影響
が大きく受けるプラスチックのギヤ歯部の変位量を精度
良く算出することができる。
【0044】請求項8記載の発明によれば、実稼動時の
スラスト荷重は、駆動力伝達装置の定常状態の速度で設
定することにより、実稼動時のギヤ歯部の変位量を精度
良く算出できる。
【0045】請求項9記載の発明によれば、ギヤ歯部の
変位量は、従動ギヤのギヤ歯部の変位量と駆動ギヤのギ
ヤ歯部の変位量との差として算出することにより、停止
時では傾いた両方のギヤ歯部が、実稼動時のスラスト荷
重によってギヤが変形し、正規のギヤ歯位置にくること
で効率の良い駆動力の伝達ができる。
【0046】請求項10記載の発明によれば、変形して
いる側が識別できる識別印をギヤ側面に設けたことによ
りギヤの組付けミスが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】はす歯ギヤの斜視図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】プラスチックはす歯ギヤの変形を説明するため
の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るはす歯ギヤの
断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るはす歯ギヤの
断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るはす歯ギヤの
断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るスラスト荷重による
ギヤ歯部の変位をキャンセルさせるためのオフセット量
を設定する説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るギヤの曲げ変形にギ
ヤ歯部と軸との圧縮変形を加えてオフセット量を設定す
る説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るギヤの曲げ変形に軸
の曲げ変形を加えてオフセット量を設定する説明図であ
る。
【図10】プラスチックにおける温度とヤング率の関係
を表したグラフである。
【図11】回転速度及び駆動力と時間の関係を表したグ
ラフである。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る1組のはす
歯ギヤの断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係るはす歯ギヤ
の斜視図である。
【符号の説明】
1 ギヤ 1a 識別印 2 ギヤ歯部 3 軸 4 ボス部 5 従動ギヤ 6 駆動ギヤ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源に連結された駆動軸部と、作業を
    行う従動軸部と、従動軸に駆動力を伝達するプラスチッ
    クはす歯ギヤ伝達機構部を有した駆動力伝達装置におい
    て、実稼動時のスラスト荷重によるギヤ歯部の変位をキ
    ャンセルするように、予めギヤ歯部をギヤ軸心に対して
    傾斜させたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 駆動源に連結された駆動軸部と、作業を
    行う従動軸部と、従動軸に駆動力を伝達するプラスチッ
    クはす歯ギヤ伝達機構部を有した駆動力伝達装置におい
    て、実稼動時のスラスト荷重によるギヤ歯部の変位をキ
    ャンセルするように、予めギヤを変形させたことを特徴
    とする駆動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 駆動源に連結された駆動軸部と、作業を
    行う従動軸部と、従動軸に駆動力を伝達するプラスチッ
    クはす歯ギヤ伝達機構部を有した駆動力伝達装置におい
    て、実稼動時のスラスト荷重によるギヤ歯部の変位をキ
    ャンセルするように、予め一方のギヤ軸心を他方のギヤ
    軸心に対して傾斜させたことを特徴とする駆動力伝達装
    置。
  4. 【請求項4】 ギヤ歯部の変位は、ギヤの曲げ変形によ
    るものとし、スラスト荷重とギヤピッチ円半径とギヤ肉
    厚とギヤ材質の材料定数より、ギヤ歯部の変位量を算出
    することを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項
    記載の駆動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 ギヤ歯部の変位は、ギヤの曲げ変形と、
    ギヤと軸との締結部における圧縮変形とによるものと
    し、スラスト荷重とギヤピッチ円半径とギヤのボス長と
    ボス部の接触剛性より、ギヤ歯部の変位量を算出するこ
    とを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項記載の
    駆動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 ギヤ歯部の変位は、ギヤの曲げ変形と軸
    の曲げ変形とによるものとし、スラスト荷重とピッチ円
    半径と軸径と軸受けギヤ間距離と軸材質の材料定数よ
    り、ギヤ歯部の変位量を算出することを特徴とする請求
    項1、2、3のいずれか1項記載の駆動力伝達装置。
  7. 【請求項7】 ギヤ歯部の変位量を算出する値は、プラ
    スチックギヤの実稼動時における温度環境で設定してい
    ることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項記
    載の駆動力伝達装置。
  8. 【請求項8】 実稼動時のスラスト荷重は、駆動力伝達
    装置の定常状態の速度で設定していることを特徴とする
    請求項1、2、3のいずれか1項記載の駆動力伝達装
    置。
  9. 【請求項9】 ギヤ歯部の変位量は、従動ギヤのギヤ歯
    部の変位量と駆動ギヤのギヤ歯部の変位量との差として
    算出することを特徴とする請求項1、2、3のいずれか
    1項記載の駆動力伝達装置。
  10. 【請求項10】 予め変形させたギヤにおいて、変形し
    ている側が識別できる識別印をギヤ側面に設けたことを
    特徴とする請求項1又は2記載の駆動力伝達装置。
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