JP2003028220A - 異方性frpコイルばね - Google Patents

異方性frpコイルばね

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JP2003028220A
JP2003028220A JP2001249645A JP2001249645A JP2003028220A JP 2003028220 A JP2003028220 A JP 2003028220A JP 2001249645 A JP2001249645 A JP 2001249645A JP 2001249645 A JP2001249645 A JP 2001249645A JP 2003028220 A JP2003028220 A JP 2003028220A
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coil spring
fiber
spring
frp
coil
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Minoru Nakazawa
稔 中澤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】FRPコイル「ばね」は実用化されていない。
金属ばねと比較するとFRPばねは大きな「ばね定数」
が得られないためである。 【解決手段】FRP圧縮コイル「ばね」の場合、ばね素
線を構成する強化繊維に「より」を加えて、これが左よ
りにならば右巻きのコイルとし、右よりならば左巻きと
する。すなわち、「より」の方向と、ねじりモーメント
7による強化繊維の伸びの方向を一致させ、強化繊維に
応力を負担させ大きな「ばね定数」を得るためである。
さらに、繊維体積含有率も上がり高密度化により剛性が
確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】FRPコイルばねに関する。 【0002】 【従来の技術】複合材料の特長を生かしたFRP板ばね
が実用化されている。しかし、FRPコイルばねは未完
成である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のFRPコイルば
ねは、一体材料である金属コイルばねと比較すると素線
の剛性が低いため、大きなばね定数が得られないという
課題が残されていた。ここで、コイルばねと板ばねとの
相違点は、コイルばねの素線には作用荷重とコイル半径
との積から求められる『ねじりモーメント』が発生する
ことである。また、一体材料ではないFRP(繊維強化
複合材料)の特徴は『主な作用荷重はマトリックス材と
接合された強化材の繊維が伸長して分担すること』であ
る。 【0004】 すなわち、従来のFRPコイルばね素線
は、ねじりモーメントを強化材である繊維の張力で負担
するような構造ではないために剛性が低下している。も
し、ばね素線の構成要素である繊維の適切な配向設定に
よって、ねじりモーメントを処理できれば剛性が向上す
る。さらに、従来のFRPコイルばね素線ではコイル状
のプレス成形工程が困難を伴う結果として繊維の含有率
が低く界面(繊維/マトリックス)の接合が弱いため、
ねじりモーメントによる素線の変形が界面に加わる際の
力の伝達が不完全で、繊維の強化機能が十分に発揮され
ず剛性が低下している。もし、プレス以外の手段でばね
素線の繊維体積含有率を高めることができるならば、接
着作業と同様に界面が接近して界面強度が上がる。した
がって、繊維が機能して力の伝達が確実になるため剛性
が向上する。 【0005】 【課題を解決するための手段】まず、本FRPコイルば
ね素線の構成は以下の通りである。強化材1は、前処理
が施され所定長(切断する必要はない)の細ガラス繊維
(Eガラス、エキゾチックファイバーなど)を束ねたス
トランドやロービングである。また、長繊維の他に連続
繊維、合撚糸、組紐などの利用も考えられる。さらに、
金属、炭素、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、芳
香族ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリベンズオキサゾール繊維などの利用も考
えられる。マトリックス材2は、強化材1のガラス繊維
の界面を接合(接着)するノボラック型などの硬化剤添
加のエポキシ樹脂などである。ほかの熱硬化性樹脂とし
ては、フェノール、不飽和ポリエステルなどの利用が考
えられる。また、硬化剤の不要な熱可塑性樹脂として
は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ABSなどの利用も条件によっては考えられる。 【0006】 【発明の実施の形態】第一に、図1および図2に基づき
『繊維のよりとコイルの巻き方向を逆に設定』するFR
P圧縮コイルばねの説明を行う。まず、製造工程は、以
下の通りである。初めに、強化材1のガラス繊維を繊維
方向に軽く延伸する。さらに、強化材1の両端を押さえ
て、繊維表面にマトリックス材2である硬化前の脱気さ
れたエポキシ樹脂を、従来のFRP製造と同様に含浸槽
を通過させるかローラーなどを用いて可能な限り均等に
塗布する。次に、この強化材1のガラス繊維を束ねて、
一端を固定し、他端に軸方向の偶力を適度に加え、バラ
ンスの良い角度の一例として45°の「より(縒)」を
繊維に加える。この際、より4は2方向の力に分けて考
えることができる。すなわち、1方向は繊維方向の引張
力となる分力5であり、1方向は繊維の側面の圧力とな
る分力6である。したがって、これら層間および繊維間
の上下左右に働く分力5および分力6によって、強化材
1のガラス繊維は接近して、含浸された硬化前のマトリ
ックス材2の樹脂が絞り出されるため、繊維体積含有率
は増大し、ばね素線は高密度となる。なお、この状態で
プリプレグにすることも考えられる。 【0007】 さらに、この強化材1の繊維束の両端を
固定して張力を保持した状態で「型」に入れてコイルの
巻き方向3を設定する。例えば、図1のように「右よ
り」つまり「Sより」された強化材1のガラス繊維は、
左巻き(下から左巻き、上から右巻き)のコイル溝を有
する型に収納される。また、図2のように「左より」つ
まり「Zより」された強化材1のガラス繊維は、右巻き
(下から右巻き、上から左巻き)のコイル溝を有する型
に収納される。最後に、コイル状に巻かれた強化材1の
ガラス繊維により4を残したまま加熱・加圧などの硬化
処理が行われる。この際、基本的に高圧プレスは不要で
ある。硬化後は「型」から取り出され、後処理が施され
FRP圧縮コイルばねとなる。こうして「右より/左巻
き」および「左より/右巻き」のFRP圧縮コイルばね
が完成する。 【0008】 なお、これらコイルばねの挙動は共通し
ている。まず、ばね素線は表面上は一体材料として変形
する。このため、コイルばねの径の中心部に作用する荷
重によってコイル高が減少すると、金属コイルばねと同
様にばね素線の「たわみ」によるねじりモーメント7が
発生する。このねじりモーメント7はばね素線のより4
と同方向である。しかし、FRPコイルばね素線は単一
構造ではない複合材料のため、強化材1の繊維部とマト
リックス材2の樹脂部は異なる変形をする。したがっ
て、ねじりモーメント7はマトリックス材2の樹脂部の
界面を介して強化材1の繊維部に伝達される。この際、
ねじりモーメント7の伝達は2方向の分力によって行わ
れる。これは、「より」の施された繊維がねじりモーメ
ント7の発生しているばね素線の横断面を角度をなして
貫通する際に分力が生じることである。すなわち、1方
向は繊維の延伸方向の張力8となり、1方向は繊維間方
向に働く界面の接合力9となる。 【0009】 これらの力の多くは繊維が伸長される際
のエネルギーとして処理される。まず、張力8は同方向
のよりの分力5に加算され繊維の層間の剪断力の反力と
なり負担される。さらに、界面の接合力9は同方向のよ
りの分力6に加算され繊維の側方の剪断力の反力となり
負担される。つまり、これら上下左右に働く力によっ
て、繊維は拘束され「より」は戻りにくくなり界面破壊
も阻止されるためコイルばね素線の形状が維持される。
このようにして、ねじりモーメント7が2分され機能的
に配向された繊維に負担されるため、ばね素線の剛性が
向上する。すなわち、『圧縮方向に強化された異方性F
RPコイルばね』が実現される。このFRPコイルばね
に荷重がさらに作用すると、以後はばね密着高さになる
まで圧縮を行うことができる。ここで、圧縮コイルばね
は密着高さ以下にはならないため、強化材1の繊維は降
伏点を越えないように設定すれば破断はしない。 【0010】 第二に、図3および図4に基づき『繊維
のよりとコイルの巻き方向を同一に設定』したFRP引
張コイルばねの説明を行う。ここでは、製造工程はFR
P圧縮コイルばねと同様で、設定のみが異なる。例え
ば、図3のように「右より」つまり「Sより」された強
化材1のガラス繊維は、右巻き(下から右巻き、上から
左巻き)にされてコイルばねに成形される。また、図4
のように「左より」つまり「Zより」された強化材1の
ガラス繊維は、左巻き(下から左巻き、上から右巻き)
にされてコイルばねに成形される。こうして「右より/
右巻き」および「左より/左巻き」のFRP引張コイル
ばねが完成する。 【0011】 なお、これらコイルばねの挙動は共通し
ている。ただし、FRP圧縮コイルばねとの相違は動作
時の作用荷重の方向と、ねじりモーメント7の方向が逆
になることである。また、この場合ねじりモーメント7
の方向とより4の方向の関係は、FRP圧縮コイルばね
の場合と同様になる。まず、図3および図4のようにば
ね素線にねじりモーメント7が発生し、これがマトリッ
クス材2の樹脂部を介して強化材1の繊維部に伝達され
る。この伝達は、繊維がねじりモーメント7の発生して
いるばね素線の横断面を角度をなして貫通する際に生じ
る2方向の分力によって行われる。すなわち、1方向は
繊維の延伸方向の張力8となり、1方向は繊維間方向の
界面の接合力9となる。 【0012】 これらは各々よりの分力5およびよりの
分力6と同方向である。まず、延伸方向の張力8は、よ
りの分力5に加算され繊維の層間の剪断力の反力となり
負担される。さらに、界面の接合力9は、よりの分力6
に加算され繊維の側方の剪断力の反力となり負担され
る。つまり、これら上下左右に働く力によって、繊維は
拘束され「より」は戻りにくくなり界面破壊も阻止され
るためコイルばね素線の形状が維持される。このように
して、ねじりモーメント7が2分され機能的に配向され
た繊維に負担されるため、ばね素線の剛性が向上する。
すなわち、『引張方向に強化された異方性FRPコイル
ばね』が実現される。 【0013】 なお、前記第一および第二の結果は繊維
に適切な「より」を加えることによって得られるもので
あり、もし繊維に「より」を加えない金太郎飴のような
構造ならば、半径方向に働くねじりモーメント7は繊維
の延伸方向と直角であるため負担して処理できない。加
えて、コイルの巻き方向が逆の場合には「より」が戻
る。したがって、本FRPコイルばねの実現は困難とな
る。 【0014】 【発明の効果】FRPコイルばね素線の変形の際に発生
するねじりモーメント7を機能的で適切な配向と設定が
なされた繊維によって、延伸方向の張力8と繊維を拘束
する界面の接合力9で負担して処理するため、動作時に
は異方性を発揮してばね素線の剛性が向上する。 【0015】 また、強化材1の繊維に適切な設定であ
る「より」を施し撚糸し張力を加えた状態を保つことに
よって、ばね素線を高密度化できるため、コイル状に
「型」で高圧プレスできない場合でも成形が可能であ
る。したがって、フィラメント・ワィンディング方式と
同様に繊維体積含有率の向上によってマトリックス材2
との界面間が接近し界面強度が高まり繊維が強化機能を
発揮する結果、ばね素線の剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】 【図1】 「右より/左巻き」のFRP圧縮コイルばね
の上面図である。 【図2】 「左より/右巻き」のFRP圧縮コイルばね
の上面図である。 【図3】 「右より/右巻き」のFRP引張コイルばね
の上面図である。 【図4】 「左より/左巻き」のFRP引張コイルばね
の上面図である。 【符号の説明】 1 強化材の繊維 2 マトリックス材 3 下端からのコイルの巻き方向 4 繊維のより 5 繊維方向のよりの分力 6 繊維間方向のよりの分力 7 ねじりモーメント 8 繊維の延伸方向の張力 9 界面の接合力

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】複数の細長繊維から構成される強化材
    (1)と、この強化材(1)の繊維を相互に接合するバ
    インダーであるマトリックス材(2)からなる複合材料
    のコイルばねに於いて、前記強化材(1)に施す「よ
    り」と前記コイルばねの巻き方向を逆に設定して圧縮方
    向に強化される圧縮ばねを得、前記強化材(1)に施す
    「より」と前記コイルばねの巻き方向を同一に設定して
    引張方向に強化される引張ばねを得ることを特徴とした
    異方性FRPコイルばね。
JP2001249645A 2001-07-16 2001-07-16 異方性frpコイルばね Pending JP2003028220A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014054805A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Unitika Ltd 合成樹脂製コイルの製造方法
WO2017034034A1 (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 日本発條株式会社 弾性部材用線材および弾性部材

Cited By (3)

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