JPH09132887A - 繊維強化樹脂ストランド及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂ストランド及びその製造方法

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JPH09132887A
JPH09132887A JP28392695A JP28392695A JPH09132887A JP H09132887 A JPH09132887 A JP H09132887A JP 28392695 A JP28392695 A JP 28392695A JP 28392695 A JP28392695 A JP 28392695A JP H09132887 A JPH09132887 A JP H09132887A
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JP
Japan
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strand
fiber
twisting
strands
resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP28392695A
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English (en)
Inventor
Takeshi Goto
孟 後藤
Tadashi Yokochi
忠 横地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度利用率の高い高強力の繊維強化樹脂スト
ランド及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維強化樹脂ストランドを構成する素線
が0.5°〜10°の撚角度を有する繊維強化樹脂スト
ランドであり、樹脂を含浸した強化繊維糸条に仮撚を付
与しながら加撚側で樹脂の軟化と硬化を行って得た素線
を複数本引揃えて加撚することによりストランド状とな
す際、硬化後の素線に0.5°〜10°の撚角度を持た
せることによって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化樹脂ストラ
ンド(以下FRPストランドと略称する)及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPストランドの製造は従来引抜成型
法により先ず素線を製造し、次いで素線を加撚した後
(或いは加撚しながら)複数本集束し、前記素線に発生
した撚トルクが消去されるストランド撚(従って一般的
には撚方向は素線撚と逆方向となる)を与えて、FRP
ストランドを得ていた。
【0003】また、本発明者等が先に特願平6−182
632号にて提案した、実質的に無撚の強化繊維糸条に
樹脂を含浸した後、仮撚を付与しながら、加撚側で樹脂
の軟化と硬化を行って得た円型断面を有するFRP素線
を複数本加撚して引取ることにより、1工程でFRPス
トランドを得る方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で得られるFRPストランドに於ては、それを構
成する素線は何れも撚構造を持っておらず、引張応力を
与えた場合素線にタテ割れが発生しやすく、強度利用率
が低いという問題があった。本発明はかかる従来の問題
点を解消し、強度利用率の高い高強力のFRPストラン
ド及びその製造方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維強化樹脂
ストランドを構成する素線が0.5°〜10°の撚角度
を有することを特徴とする繊維強化樹脂ストランド、及
び樹脂を含浸した強化繊維糸条に仮撚を付与しながら加
撚側で樹脂の軟化と硬化を行って得た素線を、複数本引
揃えて加撚することによりストランド状となす際、硬化
後の素線に0.5°〜10°の撚角度を持たせることを
特徴とする繊維強化樹脂ストランドの製造方法により、
上記課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】従来、線状の繊維強化樹脂(線状
FRP)の製造に於て、強化繊維糸条は撚構造を持たな
いことが好ましいと言われてきた。これは撚構造によっ
て樹脂の含浸が疎外されること、及び強化繊維に歪(糸
条の内・外層差)が発生し、強度の利用率が低下するこ
と等がその理由であった。特に炭素繊維の如く高弾性率
の繊維の使用に当たっては出来る丈応力の発生する方向
に添って繊維が配向すること、即ち撚構造を持たないこ
とが最適とされてきた。
【0007】本発明者等は、上記従来の考え方はFRP
ストランドについては妥当でないことを見い出した。即
ち、FRPストランドに於ては、素線が好ましくは0.
5°〜10°の撚角度に相当する撚数を持つことによっ
て最大の引張強度を示すことを見い出したのである。こ
の様な現象は素線の引張強度でも認められるが、素線側
圧が発生するFRPストランドに於て特に顕著に認めら
れる。
【0008】具体的には、従来のFRPストランドの引
張試験に於て、素線に残留する撚トルク或いは素線間に
発生する側圧により先ず素線のタテ割れが発生し、次い
で全体の破断に至り、その強度利用率は約70〜80%
であるのに対して、素線が撚構造を有する場合の強度利
用率は、95%以上が期待できることが認められた。こ
の理由は、引張りによる素線中心に向う圧縮応力の発生
が素線の圧壊を防止し、かつ樹脂と強化繊維との界面の
接着力増大により単繊維間の応力伝達が促進されるため
と考えられる。
【0009】撚角度は、素線の中心軸と強化繊維の繊維
軸とのなす角度として定義されるが0.5°未満では素
線中心に向う圧縮応力の発生が十分でなく、10°を越
えると引張強度の低下が認められる。撚角度の最適値
は、素線を構成する強化繊維、樹脂、両者の界面の状
態、及びストランド撚数等様々な要因によって変化す
る。
【0010】撚構造を有する素線を複数本加撚集束して
FRPストランドを得るが、このストランド撚の方向
は、素線の撚方向と同一であることが好ましい。異方向
の撚である場合は、FRPストランドに引張応力を与え
たとき、素線の割裂応力が発生し、引張強度を低下せし
める原因となる。この様な現象は、FRPストランドに
特有の現象であることが判明した。
【0011】本発明のFRPストランドは、次の様な方
法によって得ることが出来る。すなわち、最も一般的方
法は、加撚した撚構造を有する強化繊維糸条に樹脂を含
浸するか、又は無撚の強化繊維糸条に樹脂を含浸した後
加撚し、次いで硬化して得た撚構造を有する素線を複数
本引き揃えて加撚集束することにより、FRPストラン
ドとする方法である。
【0012】また別の方法は、特願平6−182632
号明細書に示された方法よって、先ず1本の素線を形成
するに際し(同号明細書に示された方法では仮撚装置の
解撚側の撚数は0であるが、加撚側に加えられた撚数を
発生するトルクを有する)解撚側に発生する撚トルクを
解放することによって、撚構造を有する硬化した素線を
得、これを複数本引き揃えて加撚集束することによりF
RPストランドとする方法である。
【0013】さらに、特願平6−182632号明細書
に示された方法において、実質的に無撚の強化繊維糸条
に代えて、予め加撚集束した強化繊維糸条を用いること
により、一段階で本発明のFRPストランドを得ること
も可能である。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
【0015】[実施例1]0.82g/mの炭素繊維ト
ウ4本を1m当たり5回のZ撚(以下、撚回数/m・Z
と記載)を加えながら集束し、この加撚糸条にエポキシ
樹脂を含浸し、直径1.9mmの絞りダイスで剰余樹脂
を除去し、硬化炉を経て、直径約1.92mmの撚構造
を有するFRP素線を得た。この素線の撚角度は約1.
7°であった。この素線7本を3回/m・Zのストラン
ド撚を加えながら集束し、呼び径約5.8mmの炭素繊
維強化樹脂ストランドを得た。得られた炭素繊維強化樹
脂ストランドの引張破断試験を行った結果を表1に示し
た。
【0016】[比較例1]素線に撚構造を付与しない
(撚角度が0°である)以外は実施例1と同様に炭素繊
維強化樹脂ストランドを得た。得られた炭素繊維強化樹
脂ストランドの引張破断試験を行った結果を表1に示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】[実施例2]0.82g/mの炭素繊維ト
ウ4本を5回/m・Zの撚を加えながら集束し、エポキ
シ樹脂を含浸し、特願平6−182632号明細書に示
された方法により3回/m・Zの仮撚を与えた。これに
よって、仮撚装置の加撚側の炭素繊維トウは、集束時に
加えられた5回/m・Zの撚と仮撚装置により加えられ
た3回/m・Zの撚の合計8回/m・Zの撚が加えられ
た状態で硬化され、仮撚装置の解撚側では、素線は5回
/m・Zの撚と3回/m・Zの撚を発生するに相当する
トルクを有する素線となる。この様な製造単位を7単位
並列に並べ、得られた7本の上記残留トルクを有する素
線を引き揃えて1.2回/m・Zのストランド撚を加え
て集束し引取った。尚、残留トルクを消去するために、
7本の素線の集束ガイドと加撚引取機の間に、エポキシ
樹脂の2次転位点以上に加熱した加熱炉を設けて通過さ
せ、FRPストランド撚の安定化を計った。得られたF
RPストランドの引張強力は947gであり、破断モー
ドは実施例1のFRPストランドの場合と類似であっ
た。尚、この場合の素線の撚角度は実施例1の場合と同
様に約1.7°であった。
【0019】
【発明の効果】FRPストランドを構成する素線に撚構
造を付与することにより、従来のFRPストランドでは
実現出来ない高い強度利用率を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂ストランドを構成する素線
    が0.5°〜10°の撚角度を有することを特徴とする
    繊維強化樹脂ストランド。
  2. 【請求項2】 素線の撚方向とストランドの撚方向とが
    同一である請求項1記載の繊維強化樹脂ストランド。
  3. 【請求項3】 樹脂を含浸した強化繊維糸条に仮撚を付
    与しながら加撚側で樹脂の軟化と硬化を行って得た素線
    を複数本引揃えて加撚することによりストランド状とな
    す際、硬化後の素線に0.5°〜10°の撚角度を持た
    せることを特徴とする繊維強化樹脂ストランドの製造方
    法。
JP28392695A 1995-10-31 1995-10-31 繊維強化樹脂ストランド及びその製造方法 Pending JPH09132887A (ja)

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JP28392695A JPH09132887A (ja) 1995-10-31 1995-10-31 繊維強化樹脂ストランド及びその製造方法

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JPH09132887A true JPH09132887A (ja) 1997-05-20

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ID=17672007

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103422377A (zh) * 2013-07-31 2013-12-04 泰安鲁普耐特塑料有限公司 一种用于火场逃生安全绳的生产方法

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CN103422377A (zh) * 2013-07-31 2013-12-04 泰安鲁普耐特塑料有限公司 一种用于火场逃生安全绳的生产方法

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