JP2003027997A - ディーゼル機関の制御システム - Google Patents

ディーゼル機関の制御システム

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JP2003027997A JP2001214224A JP2001214224A JP2003027997A JP 2003027997 A JP2003027997 A JP 2003027997A JP 2001214224 A JP2001214224 A JP 2001214224A JP 2001214224 A JP2001214224 A JP 2001214224A JP 2003027997 A JP2003027997 A JP 2003027997A
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眞澄 衣川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン1(ディーゼル機関)を失火させる
ことなく、NOxと黒煙の同時低減を実現できる制御シ
ステムを提供すること。 【解決手段】 ECU9は、エンジン1の運転情報から
現在の筒内酸素濃度を算出し、その筒内酸素濃度と、エ
ンジン回転数、及びエンジン冷却水温から燃料噴射時期
を算出する。例えば、加速時にアクセルを踏み込んだ直
後は、空燃比が小さく酸素が少ない状態の筒内6に燃料
を多量に噴射することになる。このため、加速直後は、
筒内酸素濃度が不足し、燃料が不完全燃焼して必要なエ
ンジン出力が得られなくなる。その結果、運転者が更に
アクセルを踏み込むと、更に不完全燃焼が助長されて燃
焼が安定せず、最終的には失火に至ることになる。従っ
て、加速時には、エンジン冷却水温、エンジン回転数、
筒内酸素濃度から燃料噴射時期を決定することにより、
失火することなく、滑らかな加速が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼル機関の
制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の排ガスには、CO、H
C、NOx、黒煙等が含まれている。NOxは、ディー
ゼル機関の筒内温度が高い程生成され易く、黒煙は燃料
が低酸素濃度域で高温下に晒されることで生成される。
そのため、筒内の空気密度の高いところでは、急激な燃
焼が生じるために高温となってNOxが生成され、空気
密度の低いところでは、燃料の脱水素反応が生じて黒煙
が生成される。
【0003】NOxの低減には、EGRを行うことが主
流であるが、EGRを実施すると酸素濃度が減少するた
め、EGR等でNOxを低減させると黒煙が多量に排出
される。つまり、NOxと黒煙はトレードオフ関係にあ
った。これに対し、特開平8−86251号公報に記載
された従来技術では、大量にEGRを行うことでNOx
の排出を低減させ、且つ燃料噴射時期を遅角させて筒内
の燃焼ピーク温度を下げることにより、NOxと黒煙の
同時低減を可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
技術では、燃料噴射時期を遅角させることで筒内の燃焼
が緩慢になるため、筒内の燃焼ピーク温度を下げるため
に遅角量を闇雲に大きくすると、ディーゼル機関の失火
限界を超える(つまり失火する)虞があった。その結
果、例えば低温始動時の燃焼安定性が悪くなるといった
問題が発生する。また、加速時には、燃焼速度の遅さか
ら加速が緩慢になるため、所望の加速を得ようとして運
転者がアクセルを踏み過ぎると、エミッション及び燃費
が悪化するといった問題も生じる。
【0005】なお、通常は、加速時に燃料噴射時期を遅
角させることはなく、加速感を得るために進角させるこ
とが一般的である。しかし、燃料噴射時期を進角させる
と、NOxと黒煙の増加を招くため、所望の加速感を得
ながらNOxと黒煙の同時低減を実現することは困難で
あった。本発明は、上記事情に基づいて成されたもの
で、その目的は、ディーゼル機関を失火させることな
く、NOxと黒煙の同時低減を実現できる制御システム
を提供することにある。また、ディーゼル機関を加速運
転する際に、所望の加速感を得ながらNOxと黒煙の同
時低減を実現できる制御システムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】(請求項1の発明)本発
明は、ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時期を算
出する噴射時期算出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素
濃度を推定する筒内酸素濃度推定手段と、この筒内酸素
濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、噴
射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角させる
噴射時期制御手段とを備えている。
【0007】燃料噴射時期の遅角量を大きくしていく
と、筒内の燃焼速度が緩慢になり、何れは失火限界に達
する。この失火限界に達する遅角量は、筒内酸素濃度
(筒内の空燃比)に応じて異なる。つまり、筒内酸素濃
度が大きい程、失火限界に達するまでの遅角量を大きく
設定できる。従って、筒内酸素濃度に基づいて燃料噴射
時期の遅角量を制御することにより、ディーゼル機関が
失火に至ることなく、NOxと黒煙の同時低減を実現で
きる。
【0008】(請求項2の発明)請求項1に記載したデ
ィーゼル機関の制御システムにおいて、噴射時期制御手
段は、ディーゼル機関を加速運転する時に、燃料噴射量
に応じて燃料噴射時期の遅角量を制御する。加速運転す
る時は、燃料噴射量が変化(増加)するため、それに伴
って筒内酸素濃度も変化する(小さくなる)。従って、
燃料噴射量に応じて燃料噴射時期の遅角量を制御するこ
とにより、ディーゼル機関が失火に至ることなく、NO
xと黒煙の同時低減を実現できる。
【0009】(請求項3の発明)本発明は、ディーゼル
機関の運転状態から燃料噴射時期を算出する噴射時期算
出手段と、ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒
内酸素濃度推定手段と、ディーゼル機関を加速運転する
時に、筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度
に基づいて、噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時
期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えている。
【0010】加速時は、燃料が増量噴射されるため、筒
内のピーク温度は上昇する。この加速時に燃料噴射時期
を遅角させると、上死点を過ぎた後、筒内圧力が低下
し、温度が低下した筒内に燃料噴射するため、燃焼によ
る筒内温度の上昇が比較的小さく、NOx及び黒煙の排
出を抑制できる。
【0011】(請求項4の発明)請求項1〜3に記載し
た何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、噴
射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された
筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、燃料噴射時
期の遅角量を制限する。ディーゼル機関の失火限界に達
する遅角量は、筒内酸素濃度に応じて異なり、筒内酸素
濃度が小さくなる程、少しの遅角量でも失火限界に達す
る。そこで、筒内酸素濃度が所定値以下の場合は、燃料
噴射時期の遅角量を制限することにより、ディーゼル機
関の失火を防止でき、NOxと黒煙の同時低減を実現で
きる。
【0012】(請求項5の発明)請求項1〜3に記載し
た何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、噴
射時期制御手段は、筒内酸素濃度推定手段で推定された
筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、所定値から
の偏差分だけ燃料噴射時期を進角させる。請求項4の発
明に記載した様に、筒内酸素濃度が小さくなると、少し
の遅角量でも失火限界に達するため、筒内酸素濃度が所
定値以下の場合は、燃料噴射時期を進角させる(筒内酸
素濃度が所定値の時の燃料噴射時期より進角させる)こ
とでディーゼル機関の失火を防止でき、NOxと黒煙の
同時低減を実現できる。
【0013】(請求項6の発明)請求項1〜5に記載し
た何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、筒
内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が所定値
以下となった場合に、メイン噴射に先立ってパイロット
噴射を行う。メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実
行すると、筒内の圧縮端温度が上昇して着火遅れを短く
できる。その結果、ディーゼル機関の失火を防止でき、
NOxと黒煙の同時低減を実現できる。
【0014】(請求項7の発明)請求項4〜6に記載し
た何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、所
定値は、ディーゼル機関の冷却水温及び機関回転数等の
機関運転状態に関する情報によって決定される。これに
より、ディーゼル機関の運転状態に最も適した所定値を
選択することができる。
【0015】(請求項8の発明)請求項1〜7に記載し
た何れかのディーゼル機関の制御システムにおいて、デ
ィーゼル機関から排出される排気の一部を吸気中に戻す
EGR手段を具備し、ディーゼル機関の運転状態に応じ
てEGR量を制御する。EGRはNOxを低減させるた
めに有効であるが、同時に黒煙を生成する要因でもあ
る。これに対し、燃料噴射時期を遅角させると、燃料と
空気との混合が促進されるため黒煙の生成を抑制でき
る。従って、EGRと燃料噴射時期の遅角とを併用する
ことにより、効果的にNOxと黒煙の同時低減を実現で
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (第1実施例)図1はディーゼル機関の制御システムを
示す全体構成図である。本制御システムは、コモンレー
ル式燃料噴射装置(下述する)を搭載するディーゼル機
関(以下エンジン1と呼ぶ)に適用される。
【0017】コモンレール式燃料噴射装置は、高圧ポン
プ2より圧送された燃料を蓄えるコモンレール3と、こ
のコモンレール3に高圧配管4を介して接続されたイン
ジェクタ5(エンジン1の各気筒毎に設置される)とを
備え、コモンレール3に蓄圧された高圧燃料がインジェ
クタ5からエンジン1のシリンダ内(筒内6)に噴射さ
れる。なお、高圧ポンプ2は、燃料タンク7から燃料を
汲み上げるためのフィードポンプを内蔵している。
【0018】コモンレール3には、コモンレール3内の
燃料圧力を検出する圧力センサ8が取り付けられ、その
圧力センサ8で検出された燃料圧力(センサ値)がEC
U9に出力される。ECU9は、エンジン1のクランク
シャフト10に取り付けられたクランク角センサ11か
らの信号とカム軸12に取り付けられたカム角センサ1
3からの信号とに基づいて高圧ポンプ2の燃料圧送期間
を算出し、且つ圧力センサ8で検出された燃料圧力に基
づいて目標コモンレール圧が得られる様に高圧ポンプ2
の燃料吐出量を制御している。
【0019】また、ECU9は、アクセルセンサ14に
よって検出されるアクセル開度、クランク角センサ11
によって検出されるエンジン回転数、及び水温センサ1
5によって検出されるエンジン冷却水温等の情報から目
標とする燃料噴射量を算出し、その燃料噴射量を達成す
るために、エンジン1の運転状態毎にコモンレール3内
の燃料圧力から算出された開閉指令でインジェクタ5を
駆動する。
【0020】エンジン1の運転中に筒内6で燃焼した排
ガスは、排気管16を通り、その排気管16に設置され
た排気浄化装置17により浄化されて排出される。な
お、排気管16には、過給機18(バリアブルノズルタ
ーボ)を構成する排気タービン18Aが設けられ、吸気
管19にはコンプレッサ18Bが設けられている。この
過給機18の制御は、エンジン1の吸気圧を検出する吸
気圧センサ20の信号と、過給機18のVNT駆動量を
検出するVNT駆動量センサ21の信号とに基づいて行
われる。
【0021】一方、図示しないエアクリーナを通って吸
気管19に吸入された吸入空気は、下述のEGR手段に
よって排気管16から吸気管19へ還流するEGRガス
と混合してエンジン1の筒内6へ導かれる。EGR手段
は、吸気管19と排気管16とを連通するEGR通路2
2、このEGR通路22を還流するEGRガスの流量
(EGR量)を調節するEGRバルブ23、EGR通路
22に設けられるEGR冷却装置24等より構成され
る。
【0022】EGRバルブ23は、エンジン1の運転状
態に応じてECU9により制御される。具体的には、吸
入空気量を検出するエアフロメータ25、EGRバルブ
23の開度を検出するEGRバルブ開度センサ26、及
び吸入空気の温度を検出する吸入空気温度センサ27か
らの信号を基に、最適なEGR量が得られる様にフィー
ドバック制御される。EGR冷却装置24は、例えば冷
却水によってEGRガスを冷却することにより、筒内6
へ導入されるEGRガスの充填効率を高めることができ
る。なお、吸気管19には、大量のEGRを行う時に、
吸入空気量を絞ることによって吸気負圧を増大させる吸
気スロットル28が設置されている。
【0023】次に、本発明に係わる燃料噴射時期の制御
について説明する。ECU9は、図2に示す様に、エン
ジン1の運転情報から現在の筒内酸素濃度を算出し、そ
の筒内酸素濃度と、エンジン回転数、及びエンジン冷却
水温から燃料噴射時期を算出している。この燃料噴射時
期は、図3に示す様に、従来システムにて算出される燃
料噴射時期(破線で示す位置:筒内酸素濃度を用いてい
ない)より遅角させている。
【0024】なお、エンジン1の運転情報には、例えば
エンジン回転数、エンジン冷却水温、排気酸素濃度、吸
気温度、吸気圧力、大気圧力等が含まれる。ここで、筒
内酸素濃度は、排気酸素濃度から求めることができる。
以下、筒内酸素濃度を排気酸素濃度とする。その排気酸
素濃度は、排気管16に設置されたO2 センサ29にて
検出される。このO2 センサ29は、公知の限界電流方
式のもので、排気中の酸素濃度に応じた限界電流を発生
する。
【0025】a)始動時 エンジン始動時は、O2 センサ29が活性化していない
ため、予めECU9内で設定している燃料噴射時期にて
始動する。O2 センサ29が活性化した後は、エンジン
冷却水温、エンジン回転数、及び排気酸素濃度(O2
ンサ29の出力)から求められる燃料噴射時期に制御さ
れる。なお、この排気酸素濃度等から求められる始動時
の燃料噴射時期は、ディーゼル機関の運転状態から算出
される燃料噴射時期より遅角したものである。
【0026】この始動時は、エンジン1が十分に暖機さ
れていないので、エンジン冷却水温が低く、筒内6の圧
縮端温度が低い結果、燃料噴射から燃料の自己着火まで
の時間が長くなり、失火が生じ易い。且つEGRのため
に筒内酸素濃度が低くなっていると、更に失火し易くな
る。そのため、エンジン冷却水温、エンジン回転数、筒
内酸素濃度から最適な燃料噴射時期を設定することがで
きる。この場合、図4に示す様に、エンジン冷却水温が
低いために着火遅れが大きくなるため、失火防止と燃焼
安定性を確保するために、燃料噴射時期は、エンジン暖
機後に比べて同一運転条件にて進角することになる。
【0027】b)定常運転時 エンジン始動後、エンジン冷却水温が所定温度を超えた
場合も同様に、エンジン冷却水温、エンジン回転数、排
気酸素濃度(O2 センサ29の出力)から最適な燃料噴
射時期を設定する。
【0028】c)加速時 加速時は、運転者が必要なエンジン出力を得るためにア
クセルを踏み込む。この時、燃料噴射量は高応答で変化
できるが、吸入空気はEGRバルブ23の応答性や過給
機18の過給遅れ、及び吸入空気の慣性遅れ等の影響に
より、約300 〜2000msec遅れる。このため、アクセルを
踏み込んだ直後は、空燃比が小さく酸素が少ない状態の
筒内6に燃料を多量に噴射することになる。特に、大量
のEGRで噴射時期を遅角させて燃焼温度を低下させる
制御においては、通常でも空燃比が小さい(酸素濃度が
小さい)状態で運転している。
【0029】そのため、加速直後は、筒内酸素濃度が不
足し、燃料が不完全燃焼して必要なエンジン出力が得ら
れなくなる。その結果、運転者が更にアクセルを踏み込
むと、更に不完全燃焼が助長されて燃焼が安定せず、最
終的には失火に至ることになる(図5参照)。従って、
加速時には、エンジン冷却水温、エンジン回転数、排気
酸素濃度(O 2 センサ29の出力)から燃料噴射時期を
決定することにより、失火することなく、滑らかな加速
が可能となる(図6参照)。すなわち、加速時の燃料噴
射時期の遅角量を制限することで、従来と比べて濃い空
燃比においてもエンジンの失火を回避できる。
【0030】本実施例に記載した制御システムによれ
ば、筒内酸素濃度(筒内空燃比)を用いて燃料噴射時期
を設定しているので、常に燃焼によって生じる筒内ピー
ク温度を或る所定温度以下に制御できる(図3参照)。
その結果、NOxと黒煙の同時低減が可能であり、且つ
始動時等の燃焼安定性の確保、及び加速時でのドライバ
ビリティとエミッション低減の両立を精度良く達成する
ことができる。
【0031】(第2実施例)第1実施例と異なるところ
は加速時にある。定常時は、第1実施例と同様に、エン
ジン回転数、エンジン冷却水温、及び排気酸素濃度(O
2 センサ29の出力)から燃料噴射時期を決めている。
加速時は、第1実施例で説明した様に、不完全燃焼が助
長されて失火に至る可能性がある。そこで、エンジン回
転数毎に限界排気酸素濃度を設定しておき、排気酸素濃
度(O2 センサ29の出力)が限界排気酸素濃度以下に
なった場合には、燃料噴射時期を限界排気酸素濃度以下
になる寸前の値に固定する。これにより、失火に至るこ
となく、滑らかな加速が可能となる。
【0032】(第3実施例)第2実施例と異なる点につ
いて説明する。加速時には、エンジン回転数毎に限界排
気酸素濃度を設定しておき、排気酸素濃度(O2 センサ
29の出力)が限界排気酸素濃度以下になった場合に
は、その限界排気酸素濃度からの偏差とエンジン回転数
とから燃料噴射時期を決定する。これにより、排気酸素
濃度が不足した領域のみ燃料噴射時期を進角できる結
果、滑らかな加速が可能となる。
【0033】(第4実施例)第2実施例と異なる点につ
いて説明する。加速時には、エンジン回転数毎に限界排
気酸素濃度を設定しておき、排気酸素濃度(O2 センサ
29の出力)が限界排気酸素濃度以下になった場合に
は、その限界排気酸素濃度以下になった領域のみ、メイ
ン噴射に先立ってパイロット噴射を行う。これにより、
図7に示す様に、筒内6の圧縮端温度を上昇できるの
で、同じ燃料噴射時期においても着火時期を早くできる
結果、滑らかな加速が可能となる。
【0034】(第5実施例)他の実施例と異なる点につ
いて説明する。筒内酸素濃度(筒内6の空燃比)を求め
る場合に、O2 センサ29の出力を用いないで、吸入空
気量、吸気圧、燃料噴射量指令値等のエンジン運転状態
に係わる各種情報から演算により求める。この場合、従
来のシステムにO2 センサ29を付加することなく、本
発明を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本制御システムの全体構成図である。
【図2】燃料噴射時期を算出する手順を図式化したブロ
ック図である。
【図3】燃料噴射時期と筒内温度との相関を示す特性図
である。
【図4】エンジン冷却水温と着火遅れとの関係を示す特
性図である。
【図5】筒内空燃比と着火遅れとの関係を示す特性図で
ある。
【図6】本制御システムのタイムチャートである。
【図7】パイロット噴射を実施した時の筒内温度の変化
を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン(ディーゼル機関) 6 筒内 9 ECU 22 EGR通路(EGR手段) 23 EGRバルブ(EGR手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 45/02 F02M 45/02 47/02 47/02 51/00 51/00 A (72)発明者 関口 清則 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 窪島 司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AA13 AC09 BA08 BA16 BA23 CE29 DA04 DA09 DC24 3G092 AA02 AA17 BB06 BB13 DC09 EA04 FA01 FA03 FA15 HB02X HD05Z HD07X HE01Z HE08Z HF08Z 3G301 HA02 HA13 JA01 JA03 JA21 LB11 MA18 MA23 ND03 NE12 PD02Z PD15A PE01Z PE08Z PF03Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時
    期を算出する噴射時期算出手段と、 前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素
    濃度推定手段と、 この筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に
    基づいて、前記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射
    時期を遅角させる噴射時期制御手段とを備えるディーゼ
    ル機関の制御システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載したディーゼル機関の制御
    システムにおいて、 前記噴射時期制御手段は、前記ディーゼル機関を加速運
    転する時に、燃料噴射量に応じて前記燃料噴射時期の遅
    角量を制御することを特徴とするディーゼル機関の制御
    システム。
  3. 【請求項3】ディーゼル機関の運転状態から燃料噴射時
    期を算出する噴射時期算出手段と、 前記ディーゼル機関の筒内酸素濃度を推定する筒内酸素
    濃度推定手段と、 前記ディーゼル機関を加速運転する時に、前記筒内酸素
    濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度に基づいて、前
    記噴射時期算出手段で算出された燃料噴射時期を遅角さ
    せる噴射時期制御手段とを備えるディーゼル機関の制御
    システム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載した何れかのディーゼ
    ル機関の制御システムにおいて、 前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で
    推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、
    前記燃料噴射時期の遅角量を制限することを特徴とする
    ディーゼル機関の制御システム。
  5. 【請求項5】請求項1〜3に記載した何れかのディーゼ
    ル機関の制御システムにおいて、 前記噴射時期制御手段は、前記筒内酸素濃度推定手段で
    推定された筒内酸素濃度が所定値以下となった場合に、
    前記所定値からの偏差分だけ前記燃料噴射時期を進角さ
    せることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5に記載した何れかのディーゼ
    ル機関の制御システムにおいて、 前記筒内酸素濃度推定手段で推定された筒内酸素濃度が
    所定値以下となった場合に、メイン噴射に先立ってパイ
    ロット噴射を行うことを特徴とするディーゼル機関の制
    御システム。
  7. 【請求項7】請求項4〜6に記載した何れかのディーゼ
    ル機関の制御システムにおいて、 前記所定値は、前記ディーゼル機関の冷却水温及び機関
    回転数等の機関運転状態に関する情報によって決定され
    ることを特徴とするディーゼル機関の制御システム。
  8. 【請求項8】請求項1〜7に記載した何れかのディーゼ
    ル機関の制御システムにおいて、 前記ディーゼル機関から排出される排気の一部を吸気中
    に戻すEGR手段を具備し、前記ディーゼル機関の運転
    状態に応じてEGR量を制御することを特徴とするディ
    ーゼル機関の制御システム。
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