JP2003027351A - インクジェット記録用高白度布帛 - Google Patents

インクジェット記録用高白度布帛

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JP2003027351A
JP2003027351A JP2001213759A JP2001213759A JP2003027351A JP 2003027351 A JP2003027351 A JP 2003027351A JP 2001213759 A JP2001213759 A JP 2001213759A JP 2001213759 A JP2001213759 A JP 2001213759A JP 2003027351 A JP2003027351 A JP 2003027351A
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Naoki Nishimori
直樹 西森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット方式で付与された画像・文字な
どが鮮明に記録・染色でき、白度の耐光性が優れたイン
クジェット記録用布帛を提供する。 【解決手段】蛍光増白剤の含有量が(1)式を満たし、
かつ溶融成形時に蛍光増白剤が存在する熱可塑性合成繊
維を用いた布帛であり、かつ該布帛のASTM E 313に規定
される白度が(2)式を満たすことを特徴とするインク
ジェット記録用高白度布帛である。 20ppm≦蛍光増白剤含有量≦5000ppm … (1) 白度≧130 … (2) さらに、前記布帛のJIS L 0842にもとづく耐光堅ろう度
がブラックパネル温度63℃、照射時間40時間の条件下で
4級以上である前記記載のインクジェット記録用高白度
布帛である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューター制
御された画像をインクジェット方式で記録・染色するの
に好適な布帛に係わり、特に、鮮明な画像が得られるイ
ンクジェット記録用布帛に関する。
【従来の技術】
【0002】従来、布帛に図柄を形成する方法として、
スクリーン捺染、ローラー捺染、転写捺染などが行われ
てきた。しかし、近年、多品種小量生産の要求が高まる
中、これらの方法では迅速な対応が非常に困難となって
きている。このような課題を解決するために、インクジ
ェット方式による色材付与法が注目されている。
【0003】また、印刷用メディアとしては、紙が主に
用いられている。しかし、布帛は、軽量で折れしわが発
生しにくいなどの屈曲性に富み、耐久性や引張強度・引
裂強度に優れるなどの点で注目されている。
【0004】インクジェット記録用布帛は、インクが付
与されることにより、画像・文字などが形成される。画
像・文字などの鮮明性は、インクと非インク付与部分の
布帛との明度・白度の差が大きいほど良好である。使用
されるインクはブラック・マゼンダ・シアン・イエロー
などさまざまな固有の明度を有しており、インクの明度
を下げることが非常に困難であるので、布帛の白度を上
げることにより、インクとの明度・白度の差を大きく
し、画像・文字などをより鮮明にすることができる。こ
のように画像・文字などの鮮明性向上のために、より白
度の高い布帛が求められている。
【0005】布帛の白度を上げる方法として、布帛に蛍
光増白剤を後加工によって付与することが行われる。し
かしながら、後加工では繊維表面に蛍光増白剤を付着ま
たは含浸させることは可能であるが、内部にまで多量に
蛍光増白剤を含浸させることは困難である。このため
に、摩擦などによる物理的脱落や、インクジェットによ
って布帛に付与されたインクの定着手段として、捺染法
が用いられる場合などのさらなる後加工での溶出などに
よる蛍光増白剤量の減少が起こる。また、屋外や日の当
たるところに布帛を暴露した場合に、後加工に適した薬
剤の性質や薬剤が表面付近に存在する状態に起因する耐
光性の悪さから、白度の低下が起こり、布帛上に形成さ
れた画像・文字などの鮮明性が徐々に失われてしまう。
【0006】また、蛍光増白剤付与のために、加工薬液
廃液などの廃棄物が発生し、これの処理のために薬剤や
エネルギーを用い、環境に負荷を与える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェット方
式で付与された画像・文字などが鮮明に記録・染色で
き、白度が高く、白度の耐光性が優れたインクジェット
記録用布帛の提供を可能とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために、次の構成を有する。すなわち、本発明の
布帛にかかる発明は、第一に蛍光増白剤の量が(1)式
を満たし、かつ溶融成形時に蛍光増白剤が存在する熱可
塑性合成繊維を用いた布帛であり、かつ該布帛のASTM E
313に規定される白度が(2)式を満たすことを特徴と
するインクジェット記録用高白度布帛であり、第二にJI
S L 0842にもとづく前記布帛のJIS L 0842にもとづく耐
光堅ろう度がブラックパネル温度63℃、照射時間40時間
の条件下で4級以上であることを特徴とする前記記載の
インクジェット記録用高白度布帛であり、第三に布帛が
織物であることを特徴とする前記記載のインクジェット
記録用高白度布帛であり、第四に熱可塑性合成繊維がポ
リエステルであることを特徴とする前記記載のインクジ
ェット記録用高白度布帛である。 20ppm≦蛍光増白剤含有量≦5000ppm … (1) 白度≧130 … (2)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における布帛とは、蛍光増
白剤の量が(1)式を満たし、かつ溶融成形時に蛍光増
白剤が存在する熱可塑性合成繊維を用いた布帛であり、
かつ該布帛のASTM E 313に規定される白度が(2)式を
満たす布帛であり、インクの付与方法としてインクジェ
ット方式が使用される際に、インクが付与される印刷基
材として使用される布帛である。 20ppm≦蛍光増白剤含有量≦5000ppm … (1) 白度≧130 … (2)
【0010】繊維の蛍光増白剤含有量が20ppm未満であ
ると、インクジェット方式で布帛にインクを付与した際
の鮮明さに問題がある。5000ppmを超えると、添加量の
増加に比べて布帛の白度の上昇が鈍化あるいは停滞し、
効果に問題がある。蛍光増白剤の含有量は好ましくは50
ppm以上1000ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以
上500ppm以下である。また、白度が130未満であると、
インクジェット方式で布帛にインクを付与した際の鮮明
さに問題がある。白度は好ましくは150以上、より好ま
しくは180以上である。
【0011】本発明における布帛に用いられる熱可塑性
合成繊維は、溶融成形時に蛍光増白剤が存在することが
必要である。このような繊維は、合成繊維の溶融紡糸を
行なう際に原料熱可塑性合成樹脂ペレットに粉体の蛍光
増白剤を混合させ溶融紡糸を行なったり、既に蛍光増白
剤と熱可塑性合成樹脂を混合しペレット化させたものを
全部または一部に用いて溶融紡糸を行なうことにより得
ることができる。また、たとえば、芯部に蛍光増白剤を
含まない熱可塑性合成樹脂、鞘部に蛍光増白剤を含む熱
可塑性合成樹脂を用いた芯鞘構造を有する成形体を溶融
成形時に形成するなど、内部構造を有することもでき
る。
【0012】本発明に使用される蛍光増白剤は、熱可塑
性合成繊維の溶融紡糸の際に蛍光増白作用を消失するよ
うなものでない限り、公知の蛍光増白剤を使用すること
ができる。このような蛍光増白剤として、たとえば、ベ
ンザオキサゾール系の蛍光増白剤が知られており、特
に、ホスタルックスKS(クラリアント社製)やOB−
1(イーストマンコダック社製)などのスチルベンビス
ベンゾオキサゾール誘導体がより好ましく、ホスタルッ
クスKSシリーズがさらに好ましい。
【0013】蛍光増白剤を含有させて溶融紡糸を行なっ
た熱可塑性合成繊維の単繊維には表面部分だけでなく、
内部にも蛍光増白剤が存在する。また、溶融紡糸段階で
付与する蛍光増白剤は、記録などの後加工で付与する蛍
光増白剤よりも白度の耐光性が優れている。これら二つ
の要因から、野外などの日光の当たる環境において、蛍
光増白剤含有溶融紡糸糸使用布帛は、後加工蛍光増白剤
付与布帛より白度の耐光性に優れており、インクジェッ
ト印刷が施された布帛が野外での使用の際、布帛の白度
の低下が小さく、画像・文字などの鮮明性を保持するこ
とができる。
【0014】本発明にかかる白度は、ASTM E 313に規定
されている白度であり、白度(WI)は下記の式を用いて求
められる数値である。 WI=4B-3G ここでいうBとは試料の青色反射率、Gとは試料のXYZ表
色系における三刺激値のYに同じである。
【0015】本発明にかかる布帛には、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリオレフィン系等、溶融紡糸が可
能である熱可塑性樹脂を紡糸して得られる繊維を採用す
ることができる。好ましくはポリエステル繊維である。
【0016】近年、資源の再利用や環境保護の観点か
ら、廃棄された熱可塑性合成樹脂製品の回収再利用する
ことが社会的要求として高まっている。再利用の方法の
一つとして、廃棄された熱可塑性合成樹脂製品を、粉砕
・再ペレット化し、溶融紡糸をすることにより、マテリ
アルリサイクルされた熱可塑性合成繊維を得る方法があ
る。たとえば、ポリエチレンテレフタレート使用食用液
体用ボトル(PETボトル)は、その使用量が増大して
いる。これの再利用方法として、再溶融し、繊維とする
方法があり、このポリエステル繊維を使用したインクジ
ェット用布帛が作成できる。しかし、このようにして得
られた繊維は、ポリエステルの性質上、黄色味を帯びて
しまい、これを用いたインクジェット用布帛の白度が低
下し、画像・文字などの鮮明性が悪くなってしまう。
【0017】本発明にかかる布帛に、リサイクルされた
熱可塑性樹脂を含有した繊維、特にポリエステル繊維を
使用した場合、蛍光増白剤の添加により、従来リサイク
ル繊維が熱劣化のために帯びる黄味を打ち消し、白度の
高い布帛を得ることができる。また、リサイクルされた
熱可塑性樹脂は、結晶性など物性にバラツキが発現しや
すいが、溶融紡糸段階で蛍光増白剤が樹脂に添加され、
ムラなく、均一化されているために、単糸内・ロット内
・ロット間のいずれにおいても白度のムラが非常に少な
いものを得ることができる。
【0018】本発明にかかる布帛は、インクジェット方
式のインク付与方法を採用可能な限り、織物、編物、不
織布、立毛品のいずれでもよいが、織物の方が好まし
い。また繊維形態はマルチフィラメント糸、紡績糸、モ
ノフィラメント糸を単独、あるいはそれぞれの複合糸の
いずれも採用できる。また、繊維の単糸断面形状は、丸
断面や三角、四角、扁平などの異型断面、中空断面など
のいずれでも採用でき、これらを組み合わせた断面を有
するものでも採用できる。さらに、タスラン加工、仮撚
加工などの加工糸を使用することができる。
【0019】本発明のインクジェット記録用布帛は、こ
のままインクジェットプリンターによる印字媒体として
使用することが可能であるが、印字媒体としてインクジ
ェットプリンター印刷に供する最終製品における布帛の
高白度性を著しく阻害しない限りにおいて、インクの付
与を容易にするために、公知の方法を用いて、種々の加
工剤を付与することができる。たとえば、トウモロコ
シ、小麦などのでんぷん類、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースなどセルロース系物質、ア
ルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、天然ゴ
ム、アラビヤゴム、ローカスイトビーンガム、トラガン
トガム、グァーガム、タンドリ種子などの多糖類、ゼラ
チン、カゼインなどのたんぱく質類、タンニン系物質、
リグニン系物質などの天然水溶性高分子、ポリビニルア
ルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、
アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高
分子などの水溶性合成高分子化合物、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属のバロゲン化物のような水溶性金属塩
類、尿素などの水溶性低分子化合物を捺染用糊剤・にじ
み防止剤として、また、親水性ポリエステル樹脂、ビニ
ル化合物ポリマー(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアクリ
レート樹脂、ポリビニルメチル樹脂など)などのエマル
ジョン樹脂などの布帛表面平坦剤・毛ぶせ剤として挙げ
ることができる。これらの加工剤は、たとえば、パディ
ング法、スプレー法、ディップ法、コート法などで布帛
に付与されればよく、必要に応じて他の加工剤と併用し
てもよい。
【0020】また、本発明における布帛には、各種工程
を経た最終製品における布帛の高白度性を著しく阻害し
ない限りにおいて、各種機能を付与するために、公知の
方法を用いて、種々の加工剤を付与することができる。
機能加工剤として、たとえば、抗菌剤、吸湿剤、紫外線
吸収剤、赤外線吸収剤、難燃剤、堅牢度改善剤、香料な
どを挙げることができる。また、必要に応じて他の加工
剤と併用してもよい。さらに、加工剤により低下した白
度を補うために蛍光増白剤を付与することができる。
【0021】本発明のインクジェット記録用布帛は、イ
ンク定着法に捺染法を採用した際、通常の処理工程を採
用しても、蛍光増白剤の熱分解、変性、溶出などで引き
起こされる白度の低下がほとんどなく、後処理後の布帛
にはインク以外の付着物がほとんどなく、布帛の高白度
をよりよく生かすことができる。
【0022】本発明のインクジェット記録用布帛は、イ
ンク付与性を高めるためにカレンダー加工や毛焼・剪毛
処理を行なうことができる。
【0023】以下、実施例により本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (白度)ASTM E 313に準拠して求める白度(WI)である。 WI=4B-3G (Bは試料の青色反射率、Gは試料のXYZ表色系における
三刺激値のYに同じである。)
【0024】(白度の耐光性評価)JIS L 0842(紫外線
カーボンアーク灯光に対する記録堅ろう度試験方法)に
基づき、ブラックパネル温度63℃、照射時間40時間の条
件で試験を行ない、変退色用グレースケールを用いて判
定した。
【0025】(実施例1)ホスタルックスKS(クラリ
アント社製、スチルベンビスベンゾオキサゾール系蛍光
増白剤)をポリエチレンテレフタレートの重量に対して
1%混入したチップとバージンポリエチレンテレフタレ
ートチップを3:97の割合でブレンダーにて乾燥混合
したものを用いて、溶融紡糸を行ない、84デシテック
ス24フィラメントの蛍光増白剤含有ポリエステルフィ
ラメント糸を得た。このフィラメント糸の蛍光増白剤含
有量は300ppmと算出される。このフィラメント糸
を4本合わせた糸を経糸・緯糸として、経糸密度46本
/2.54cm、緯糸密度40本/2.54cmの平織
物を作成した。これのWIは207.8であった。これ
の一方の表面に表面平坦剤、インク易着剤を付与し、イ
ンクジェットプリンターを用いて、プリントアウトし
た。得られた印刷物の画像・文字などの鮮明性は目視判
定で優れたものであった。また、インク付与面と反対面
を用いて行なった布帛の白度耐光性の評価は4級であっ
た。
【0026】(比較例1)原料レジンとして、バージン
ポリエチレンテレフタレートチップのみを用いた以外は
実施例1と同様に、溶融紡糸を行ない、84デシテック
ス24フィラメントの蛍光増白剤非含有ポリエステルフ
ィラメント糸を得た。このフィラメント糸の蛍光増白剤
含有量は0ppmと算出される。このフィラメント糸を
用いて実施例1と同様にして、平織物を作成した。これ
のWIは77.2であった。これの一方の表面に実施例
1と同様に表面平坦剤、インク易着剤を付与し、インク
ジェットプリンターを用いて、プリントアウトした。得
られた印刷物の画像・文字などの鮮明性は目視判定で劣
るものであった。
【0027】(比較例2)比較例1で作成した平織物を
ニッカブライトBN(日化株式会社製、ベンゾオキサゾ
ール系、記録用蛍光増白剤)を使用し、定法に従って記
録加工を行ない、織物に蛍光増白剤を220ppm含有
させた。これのWIは185.2であった。これの一方
の表面に実施例1と同様に表面平坦剤、インク易着剤を
付与し、インクジェットプリンターを用いて、プリント
アウトした。得られた印刷物の画像・文字などの鮮明性
は目視判定で優れたものであった。しかし、布帛の白度
耐光性の評価は3級であった。
【0028】(実施例2)ホスタルックスKS(クラリ
アント社製、スチルベンビスベンゾオキサゾール系蛍光
増白剤)をポリエチレンテレフタレートの重量に対して
1%混入したチップとバージンポリエチレンテレフタレ
ートチップを3:97の割合でブレンダーにて乾燥混合
したものを用いて、溶融紡糸、ステープル化、紡績を行
ない、20番手の蛍光増白剤含有ポリエステル紡績糸を
得た。この紡績糸の蛍光増白剤含有量は300ppmと
算出される。この紡績糸を用いて、経糸密度90本/
2.54cm、緯糸密度58本/2.54cmの平織物
を作成した。これのWIは205.8であった。この織
物にカレンダー加工を施したのち、織物の一方の表面に
毛ぶせ剤、表面平坦剤、インク易着剤を付与し、インク
ジェットプリンターを用いて、プリントアウトした。得
られた印刷物の画像・文字などの鮮明性は目視判定で優
れたものであった。また、インク付与面と反対面を用い
て行なった布帛の白度耐光性の評価は4級であった。
【0029】(比較例3)原料レジンとして、バージン
ポリエチレンテレフタレートチップのみを用いた以外は
実施例1と同様に、溶融紡糸、ステープル化、紡績を行
ない、20番手の蛍光増白剤非含有ポリエステル紡績糸
を得た。この紡績糸の蛍光増白剤含有量は0ppmであ
る。この紡績糸を用いて実施例2と同様にして、平織物
を作成した。これのWIは76.9であった。この織物
に実施例2と同様のカレンダー加工および毛ぶせ剤、表
面平坦剤、インク易着剤を付与し、インクジェットプリ
ンターを用いて、プリントアウトした。得られた印刷物
の画像・文字などの鮮明性は目視判定で劣るものであっ
た。
【0030】(実施例3)ホスタルックスKS(クラリ
アント社製、スチルベンビスベンゾオキサゾール系蛍光
増白剤)をポリエチレンテレフタレートの重量に対して
1%混入したチップとリサイクルポリエステルのペレタ
イズチップとバージンポリエチレンテレフタレートチッ
プを3:50:47の割合でブレンダーにて乾燥混合し
たものを用いて、溶融紡糸を行ない、84デシテックス
24フィラメントの蛍光増白剤含有リサイクル樹脂含有
ポリエステルフィラメント糸を得た。このフィラメント
糸の蛍光増白剤含有量は300ppmと算出される。こ
のフィラメント糸を4本合わせた糸を経糸・緯糸とし
て、経糸密度46本/2.54cm、緯糸密度40本/
2.54cmの平織物を作成した。これのWIは19
0.6であった。これの一方の表面に表面平坦剤、イン
ク易着剤を付与し、インクジェットプリンターを用い
て、プリントアウトした。得られた印刷物の画像・文字
などの鮮明性は目視判定で優れたものであった。また、
インク付与面と反対面を用いて行なった布帛の白度耐光
性の評価は4級であった。
【0031】(比較例4)原料レジンとして、リサイク
ルポリエステルのペレタイズチップとバージンポリエチ
レンテレフタレートチップを50:50の割合で混合し
たものを用いて以外は実施例1と同様に、溶融紡糸を行
ない、84デシテックス24フィラメントの蛍光増白剤
非含有リサイクル樹脂含有ポリエステルフィラメント糸
を得た。このフィラメント糸の蛍光増白剤含有量は0p
pmと算出される。このフィラメント糸を実施例1と同
様にして、平織物を作成した。これのWIは70.1で
あった。これの一方の表面に実施例1と同様に表面平坦
剤、インク易着剤を付与し、インクジェットプリンター
を用いて、プリントアウトした。得られた印刷物の画像
・文字などの鮮明性は目視判定で劣るものであった。
【0032】(実施例4)ホスタルックスKS(クラリ
アント社製、スチルベンビスベンゾオキサゾール系蛍光
増白剤)をポリエチレンテレフタレートの重量に対して
1%混入したチップとバージンポリエチレンテレフタレ
ートチップを3:97の割合でブレンダーにて乾燥混合
したものを用いて、溶融紡糸を行ない、84デシテック
ス24フィラメントの蛍光増白剤含有ポリエステルフィ
ラメント糸を得た。このフィラメント糸の蛍光増白剤含
有量は300ppmと算出される。このフィラメント糸
を用いて、経糸密度112本/2.54cm、緯糸密度
100本/2.54cmの平織物を作成した。これのW
Iは207.5であった。この織物にパッド法にて捺染
用糊剤を付与、120℃で10分間乾燥し、インクジェ
ットプリンターを用いて、プリントアウトした。印刷を
施された織物を190℃で5分間の熱処理を行ない、イ
ンクの固着、発色を行なった。さらに通常の還元洗浄を
行ない、印刷物を得た。得られた印刷物の画像・文字な
どの鮮明性は目視判定で優れたものであった。また、イ
ンク付与面と反対面を用いて行なった布帛の白度耐光性
の評価は4級であった。
【0033】(比較例5)原料レジンとして、バージン
ポリエチレンテレフタレートチップのみを用いた以外は
実施例4と同様にして、印刷物を得た。使用した蛍光増
白剤非含有ポリエステルフィラメント糸の蛍光増白剤含
有量は0ppmと算出される。また、蛍光増白剤非含有
ポリエステルフィラメント糸を使用した平織物のWIは
77.0であった。得られた印刷物の画像・文字などの
鮮明性は目視判定で劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、布帛を高白度にするた
めの加工を必要とせず、かつ野外等に暴露されても白度
の低下が小さく、インクジェット方式で付与された画像
・文字などが鮮明に記録・染色できる高白度布帛を提供
することが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光増白剤の含有量が(1)式を満た
    し、かつ溶融成形時に蛍光増白剤が存在する熱可塑性合
    成繊維を用いた布帛であり、かつ該布帛のASTME 313に
    規定される白度が(2)式を満たすことを特徴とするイ
    ンクジェット記録用高白度布帛。 20ppm≦蛍光増白剤含有量≦5000ppm … (1) 白度≧130 … (2)
  2. 【請求項2】 前記布帛のJIS L 0842にもとづく耐光堅
    ろう度がブラックパネル温度63℃、照射時間40時間の条
    件下で4級以上であることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット記録用高白度布帛。
  3. 【請求項3】 前記布帛が織物であることを特徴とする
    請求項1または2記載の高白度インクジェット記録用高
    白度布帛。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性合成繊維がポリエステルで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    インクジェット記録用高白度布帛。
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