JP2003027106A - 焼結体の製造方法および焼結体 - Google Patents
焼結体の製造方法および焼結体Info
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Abstract
る。 【解決手段】本発明の焼結体の製造方法は、金属粉末
と、有機バインダーとを含む組成物を用いて、目的の焼
結体となるべき部分を複数個有する一体成形体を成形す
る工程と、前記有機バインダーを除去し、一体脱脂体を
得る脱脂工程と、前記一体脱脂体を分離して、目的とす
る焼結体に対応する形状を有する複数個の個別脱脂体を
得る工程と、前記個別脱脂体を焼結して、目的とする複
数個の焼結体を得る工程とを有する。前記一体成形体
は、複数の前記焼結体となるべき部分を略円周上に有す
るものである。前記個別脱脂体を焼結する際の焼結温度
は、1300〜1500℃であるのが好ましい。また、
前記焼結体は、その投影形状が略扇形であるのが好まし
い。
Description
および焼結体に関するものである。
品を製造するに際し、成形体の製造方法として、金属粉
末と有機バインダーとを混合、混練し、この混練物を用
いて射出成形する金属粉末射出成形(MIM:Metal In
jection Molding)法が知られている。
脱脂処理(脱バインダー処理)が施されて有機バインダ
ーが除去された後、焼結に供され、その結果、目的とす
る金属製品が得られる。
融点の金属材料、後処理の困難な硬質材料、合金化の難
しい材料等を用いた場合であっても、前記金属製品を比
較的容易に製造することが可能であるという点で、従来
の鋳造法等に比べて優れている。
成形体は、脱脂、焼結の工程で収縮する。このため、成
形体の寸法は、脱脂、焼結の工程における収縮分を見込
んで決定されるが、製造する金属製品が微小なものであ
ったり、微細な構造(形状)を有するものである場合、
各個体間での収縮のバラツキや、同一個体内の各部位で
の収縮のバラツキが大きくなり易く、得られる金属製品
は、寸法精度の低いものとなり易かった。
精度の高い焼結体を得ることができる焼結体の製造方法
および焼結体を提供することにある。
(1)〜(24)の本発明により達成される。
含む組成物を用いて、目的の焼結体となるべき部分を複
数個有する一体成形体を成形する工程と、前記有機バイ
ンダーを除去し、一体脱脂体を得る脱脂工程と、前記一
体脱脂体を分離して、目的とする焼結体に対応する形状
を有する複数個の個別脱脂体を得る工程と、前記個別脱
脂体を焼結して、目的とする複数個の焼結体を得る工程
とを有することを特徴とする焼結体の製造方法。
体脱脂体の不要部を除去することにより行うものである
上記(1)に記載の焼結体の製造方法。
士の連結部である上記(2)に記載の焼結体の製造方
法。
厚肉部より厚さの薄い薄肉部とを有し、前記連結部が前
記薄肉部に位置するものである上記(3)に記載の焼結
体の製造方法。
工、放電加工、レーザー加工、エッチングのうち少なく
とも一つの方法により行うものである上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
結温度は、1300〜1500℃である上記(1)ない
し(5)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
含む組成物を用いて、目的の焼結体となるべき部分を複
数個有する一体成形体を成形する工程と、前記有機バイ
ンダーを除去し、一体脱脂体を得る脱脂工程と、前記一
体脱脂体を仮焼結して、一体仮焼結体を得る工程と、前
記一体仮焼結体を分離して、目的とする焼結体に対応す
る形状を有する複数個の個別仮焼結体を得る工程と、前
記個別仮焼結体を本焼結して、目的とする複数個の焼結
体を得る工程とを有することを特徴とする焼結体の製造
方法。
一体仮焼結体の不要部を除去することにより行うもので
ある上記(7)に記載の焼結体の製造方法。
同士の連結部である上記(8)に記載の焼結体の製造方
法。
と、該厚肉部より厚さの薄い薄肉部とを有し、前記連結
部が前記薄肉部に位置するものである上記(9)に記載
の焼結体の製造方法。
械加工、放電加工、レーザー加工、エッチングのうち少
なくとも一つの方法により行うものである上記(7)な
いし(10)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
の仮焼結温度は、650〜1150℃である上記(7)
ないし(11)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
際の本焼結温度は、1320〜1520℃である上記
(7)ないし(12)のいずれかに記載の焼結体の製造
方法。
焼結体となるべき部分が略円周上に配列されたものであ
る上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の焼結体
の製造方法。
略扇形である上記(1)ないし(14)のいずれかに記
載の焼結体の製造方法。
る上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の焼結体
の製造方法。
出成形法により成形されたものである上記(1)ないし
(16)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
粉末の含有量は、85〜98wt%である上記(1)ない
し(17)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
粉末の平均粒径は、1〜100μmである上記(1)な
いし(18)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
/cm3以上である上記(1)ないし(19)のいずれ
かに記載の焼結体の製造方法。
とするものである上記(1)ないし(20)のいずれか
に記載の焼結体の製造方法。
ある上記(1)ないし(21)のいずれかに記載の焼結
体の製造方法。
ずれかに記載の焼結体の製造方法により製造されたこと
を特徴とする焼結体。
%以下である上記(23)に記載の焼結体。
および焼結体について、詳細に説明する。
実施形態を示す工程図、図2は、本発明の焼結体の製造
方法の第1実施形態で作製される一体成形体の形状を示
す図、図3は、図2に示す一体成形体を用いて製造され
る焼結体の形状を示す図である。
面側から見た正面図、(b)は、(a)のX−X線断面
図、(c)は、一体成形体を下面側から見た正面図であ
る。また、図3中の(a)は、焼結体を上面側から見た
正面図、(b)は、(a)のY−Y線断面図、(c)
は、焼結体を下面側から見た正面図である。
適な実施形態について、各図を参照しつつ説明する。
示すように、一体成形体の製造の工程と、脱脂処理の工
程と、一体脱脂体の分離の工程と、焼結の工程とを有す
る。以下、これらの工程の順にしたがって説明する。
形体1を製造する。
ず、例えば、圧縮成形(圧粉成形)等であってもよい
が、金属射出成形(MIM:Metal Injection Moldin
g)法が好ましい。
雑で微細な形状の焼結体を製造することができ、用いる
金属粉末の特性を十分に生かすことができるという利点
を有するので、本発明を適用する上でその効果が有効に
発揮され、好ましい。
一体成形体1の製造について説明する。
意し、これらを混練機により混練し、混練物(コンパウ
ンド)を得る。
している。金属粉末と有機バインダーとは、互いに化学
反応しないものであるのが好ましい。
「金属材料」と言う)としては、特に限定されず、例え
ば、Fe、Ni、Co、Cr、Mn、Zn、Pt、A
u、Ag、Cu、Pd、Al、W、Ti、V、Mo、N
b、Zr、Pr、Nd、Sm等のうちの少なくとも1
種、あるいはこれらのうちの少なくとも1種を含む(主
とする)合金が挙げられる。
ことから、最終的に得られる焼結体2の金属材料が比較
的高硬度あるいは難加工性のものとなるようなものが好
ましい。その具体例としては、ステンレス鋼(例えば、
SUS304、SUS316、SUS317、SUS3
29J1、SUS410、SUS430、SUS44
0、SUS630)、ダイス鋼、高速度工具鋼等に代表
されるFe系合金、TiまたはTi系合金、WまたはW
系合金、Co系超硬合金、Ni系サーメット等が挙げら
れる。
するような錘または分銅として用いる場合、金属材料
は、高比重のものであるのが好ましい。その具体例とし
ては、例えば、WまたはWを主とするもの(例えば、W
−Ni−Cu合金、W−Ni−Co合金、W−Ni−F
e合金等のW系合金)等が挙げられる。
を混合して用いてもよい。これにより、従来、鋳造で
は、製造できなかった合金組成のものも得ることが可能
となる。また、新規的な機能や多機能を有する焼結体2
が容易に製造でき、焼結体2の機能・用途の拡大を図る
ことができる。
れないが、1〜100μmであるのが好ましく、3〜7
5μmであるのがより好ましく、3〜50μmであるの
がさらに好ましい。平均粒径が上限値を超えると、混練
時、射出成形時における混練物の流動性が低くなり、操
作性が低下する場合がある。一方、平均粒径が下限値未
満であると、混練物の流動性を確保するのに必要な有機
バインダーの量が増え、脱脂、焼結時に変形し易く寸法
安定性が低下する可能性がある。また、粉末の活性が高
くなるため、発火等の危険性が高くなる場合もある。
85〜98wt%であるのが好ましく、88〜97wt%で
あるのがより好ましい。含有量が上限値を超えると、有
機バインダーの種類等によっては、混練物の流動性が低
下し、一体成形体1の成形性が低下する場合がある。一
方、含有量が下限値未満であると、得られる焼結体2の
空孔率が大きくなり、機械的強度、寸法安定性が低下す
る可能性がある。
れず、例えば、水またはガスアトマイズ法、還元法、カ
ルボニル法、粉砕法により製造されたものを用いること
ができる。
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエ
ーテル、ポリビニルアルコール、またはこれらの共重合
体等の各種樹脂や、各種ワックス、パラフィン、高級脂
肪酸(例:ステアリン酸)、高級アルコール、高級脂肪
酸エステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられ、これらの
うち1種または2種以上を混合して用いることができ
る。
全体の2〜15wt%であるのが好ましく、3〜12wt%
であるのがより好ましい。含有量が下限値未満である
と、混練時、射出成形時における混練物の流動性が低く
なり、操作性が低下する場合がある。一方、含有量が上
限値を超えると、得られる焼結体2の機械的強度、寸法
安定性が低下する可能性がある。
い。この可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル
(例:DOP、DEP、DBP)、アジピン酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、セバシン酸エステル等が
挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合し
て用いることができる。
バインダー、可塑剤の他に、例えば、酸化防止剤、脱脂
促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加す
ることができる。
粒径、有機バインダーの組成、およびこれらの配合量等
の諸条件により異なるが、その一例を挙げれば、混練温
度:50〜200℃程度、混練時間:15〜210分程
度とすることができる。混練物は、必要に応じ、ペレッ
ト(小塊)化される。ペレットの粒径は、例えば、1〜
15mm程度とされる。
物より造粒されたペレットを用いて、射出成形機により
射出成形し、所望の形状、寸法の一体成形体1を製造す
る。この場合、成形金型の選択により、複雑で微細な形
状の一体成形体1をも容易に製造することができる。
は、以後の脱脂および焼結による一体成形体1の収縮分
を見込んで決定される。
粉末の金属組成や粒径、有機バインダーの組成およびこ
れらの配合量等の諸条件により異なるが、その一例を挙
げれば、材料温度は、好ましくは80〜200℃程度、
射出圧力は、好ましくは20〜150kgf/cm2程
度とされる。
前述したように、目的の焼結体となるべき部分11を複
数個有するものである。
に供する成形体として、目的とする焼結体となるべき部
分11を複数個有する一体成形体1を製造する点に特徴
を有する。後に詳述するように、脱脂の工程等におい
て、成形体は収縮するが、成形体として一体成形体1を
用いることにより、得られる脱脂体(個別脱脂体)は、
各個体間での収縮のバラツキ、同一個体内の各部位での
収縮のバラツキが小さいものとなる。その結果、前記脱
脂体を用いて製造される焼結体2は、優れた寸法精度を
有するものとなる。
個の焼結体となるべき部分11が略円周上に配列されて
いる。
11が略円周上に配列されたものであると、脱脂の工程
等における各個体間での収縮のバラツキ、同一個体内の
各部位での収縮のバラツキが、さらに小さくなる。その
結果、最終的に得られる焼結体2は、より優れた寸法精
度を有するものとなる。また、一体成形体1がこのよう
な形状であると、例えば、後述する脱脂の工程におい
て、一体成形体1を脱脂装置内に効率良く配置すること
ができ、脱脂装置内のデッドスペースを小さくすること
ができる。このため、焼結体2の生産性も向上する。
部分11は、いずれも、その投影形状が略扇形である。
このように、焼結体となるべき部分11の投影形状が略
扇形であると、脱脂の工程等における各個体間での収縮
のバラツキ、同一個体内の各部位での収縮のバラツキ
が、さらに小さくなる。その結果、最終的に得られる焼
結体2は、より優れた寸法精度を有するものとなる。
は、互いに、連結部12で連結されている。この連結部
12は、後述する一体脱脂体の分離の工程において、不
要部として除去される。
部に位置している。これにより、後述する一体脱脂体の
分離の工程において、この連結部12を、容易に除去す
ることができ、結果として、目的とする焼結体2を容易
に得ることができる。また、図示の構成では、一体成形
体1は、焼結体となるべき部分11を2個有するもので
あるが、焼結体となるべき部分を3個以上有するもので
あっても、1個の連結部で、これらの焼結体となるべき
部分を連結することができ、一体脱脂体の分離作業を容
易に行うことができる。また、不要部として除去される
連結部12の面積を小さくすることができる。
板状である。これにより、後述する一体脱脂体の分離の
工程において、連結部12を、容易に除去することがで
き、結果として、目的とする焼結体2を容易に得ること
ができる。
は、その外周側に厚さの大きい厚肉部13を有し、その
内周側に厚さの小さい薄肉部14を有している。これに
より、後述する一体脱脂体の分離の工程において、連結
部12を、さらに容易に除去することができ、結果とし
て、目的とする焼結体2を容易に得ることができる。
部分11の形状、寸法は、互いに、ほぼ同一であるが、
異なるものであってもよい。
有機バインダー中に、金属粉末がほぼ均一に分散した状
態となっている。
処理(脱バインダー処理)を施し、一体脱脂体を得る。
が、非酸化性雰囲気、例えば真空または減圧状態下(例
えば1×10−1〜1×10−6Torr )、あるいは窒
素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で、熱処理を行
うことによりなされる。
ーの分解開始温度等によって若干異なるが、好ましくは
温度100〜750℃程度で0.5〜40時間程度、よ
り好ましくは温度150〜600℃程度で1〜24時間
程度とされる。
々の目的(例えば、脱脂時間の短縮等の目的)で、複数
の工程(段階)に分けて行ってもよい。この場合、例え
ば、前半を低温で、後半を高温で脱脂するような方法
や、低温と高温を繰り返し行う方法等が挙げられる。
剤中の特定成分を所定の溶媒(液体、気体等の流体)を
用いて溶出させることにより行ってもよい。
て完全に除去されなくてもよく、例えば、脱脂処理の完
了時点で、その一部が残存していてもよい。
製造) 以上のようにして得られた一体脱脂体を分離することに
より、目的とする焼結体2に対応する形状を有する、複
数個の個別脱脂体が得られる。
後に、一体成形体(一体脱脂体)を分離する。
の拡散、粒成長がほとんど進行していないため、その硬
度が比較的低く、加工性に優れる。したがって、比較的
容易に、目的とする焼結体2に対応する形状を有する、
個別脱脂体を得ることができる。
てもよいが、一体脱脂体の不要部を除去することにより
行うものであるのが好ましい。
結体となるべき部分を連結する連結部であり、該連結部
は、円の中心部に位置している。
り、精度良く行うことが可能であるが、特に、打ち抜き
加工(プレス加工)、切断加工、切削加工、研削加工等
の機械加工、放電加工、レーザー加工、エッチングのう
ち少なくとも一つの方法を用いて行われるのが好まし
い。これにより、目的の形状を有する個別脱脂体を容易
に得ることができるとともに、最終的に得られる焼結体
2を、特に寸法精度に優れたものとすることができる。
して焼結し、目的とする焼結体2を得る。
長し、結晶粒となり、全体として緻密な、すなわち高密
度、低空孔率の焼結体2が得られる。
成等により若干異なるが、例えば、1300〜1500
℃であるのが好ましく、1330〜1450℃であるの
がより好ましい。焼結温度が前記下限値未満であると、
金属粉末の拡散、粒成長が十分に進行せず、最終的に得
られる焼結体2の空孔率が大きくなり、十分な機械的強
度が得られない可能性がある。一方、焼結温度が前記上
限値を超えると、熱変形を生じ易くなり、最終的に得ら
れる焼結体2の寸法精度が低下する傾向を示す。
が好ましく、1〜5時間程度であるのがより好ましい。
減圧(真空)下または非酸化性雰囲気とされるのが好ま
しい。これにより、金属の酸化による特性劣化を防ぐこ
とができる。
(より好ましくは1×10−2〜1×10−6Torr)の
減圧(真空)下、または1〜760Torrの窒素ガス、ア
ルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、または1〜760To
rrの水素ガス雰囲気であるのが好ましい。
てもよい。例えば、最初に1×10 −2〜1×10−6
Torrの減圧(真空)下とし、途中で前記のような不活性
ガスに切り替えることができる。
ってもよい。例えば、焼結条件の異なる1次焼結と2次
焼結を行うことができる。この場合、2次焼結の焼結温
度を、1次焼結の焼結温度より高い温度とすることがで
きる。
なる目的で用いられるものであってもよいが、本発明で
は、高密度の焼結体2を得ることができるので、錘また
は分銅として用いた場合、その有用性がより顕著に発揮
される。
優れた焼結体2を得ることができるので、例えば、振動
モータの分銅として用いた場合、振動モータの小型化、
高性能化を図ることができる。
は、その用途等により異なるが、例えば、7.5g/c
m3以上であるのが好ましく、10g/cm3以上であ
るのがより好ましい。
あると、例えば、焼結体2を振動モータの分銅として用
いた場合、振動モータのさらなる小型化を図ることがで
きる。
ないが、7vol%以下であるのが好ましく、5vol%以下
であるのがより好ましい。空孔率が7vol%を超える
と、機械的強度が低下する場合がある。
工程[1A]の前工程、工程[1A]〜[4A]の間に
存在する中間工程、または工程[4A]の後工程が存在
していてもよい。
間に、脱脂工程が存在してもよい。すなわち、工程[2
A]で脱脂処理(第1の脱脂処理)を施し、工程[3
A]で一体脱脂体の分離を行った後、さらに、脱脂処理
(第2の脱脂処理)を施してもよい。これにより、得ら
れる焼結体2の寸法精度を保持しつつ、一体脱脂体の加
工性をより優れたものとすることができ、工程[3A]
において、個別脱脂体をさらに容易に得ることができ
る。
洗浄等を行ってもよい。また、得られた焼結体2の表面
全体に金メッキ、クロムメッキ、パラジウムメッキのよ
うな金属メッキ等の湿式メッキや、イオンプレーティン
グ、スパッタリング、真空蒸着等の乾式メッキや、窒化
処理のような表面硬化処理等の表面処理を加えてもよ
い。これにより、耐食性の向上等を図ることができる。
実施形態を示す工程図である。以下、第2実施形態の焼
結体の製造方法および焼結体について、前記第1実施形
態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明は省略
する。
示すように、一体成形体の製造の工程と、脱脂処理の工
程と、仮焼結の工程と、一体仮焼結体の分離の工程と、
本焼結の工程とを有する。このように、本実施形態は、
焼結の工程として、仮焼結の工程と本焼結の工程とを有
している。以下、これらの工程の順にしたがって説明す
る。
成して仮焼結する。
(一体仮焼結体)を分離する工程の前に、仮焼結の工程
を有する。これにより、焼結(仮焼結)による成形体の
収縮は、一体成形体の状態で起こることとなり、各個体
間での収縮のバラツキ、同一個体内の各部位での収縮の
バラツキは、さらに小さいものとなる。したがって、最
終的に得られる焼結体2は、特に優れた寸法精度を有す
るものとなる。
が拡散結合した状態となるまで行われるのが好ましい。
このような仮焼結を行うことにより、形状安定性が増
し、以後の工程、特に一体仮焼結体の分離の工程におい
て、ひび割れ等の欠陥の発生をより確実に防止すること
ができ、ハンドリング性が向上する。
は、金属粉末の組成等により若干異なるが、例えば、6
50〜1150℃であるのが好ましく、700〜110
0℃であるのがより好ましい。
範囲外で、経時的に変動(上昇または下降)してもよ
い。
間程度であるのが好ましく、1〜4時間程度であるのが
より好ましい。
に限定されないが減圧(真空)下または非酸化性雰囲気
とされるのが好ましい。これにより、金属の酸化による
特性劣化を防ぐことができる。
(より好ましくは1×10−2〜1×10−6Torr)の
減圧(真空)下、または1〜760Torrの窒素ガス、ア
ルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、または1〜760To
rrの水素ガス雰囲気であるのが好ましい。
てもよい。例えば、最初に1×10 −2〜1×10−6
Torrの減圧(真空)下とし、途中で前記のような不活性
ガスに切り替えることができる。
体の製造) 以上のようにして得られた一体仮焼結体を分離すること
により、目的とする焼結体2に対応する形状を有する、
複数個の個別仮焼結体が得られる。
に一体成形体(一体仮焼結体)を分離する。
末の拡散、粒成長が十分に進行していないため、その硬
度が比較的低く、加工性に優れる。したがって、比較的
容易に、目的とする焼結体2に対応する形状を有する、
個別仮焼結体を得ることができる。
ってもよいが、一体仮焼結体の不要部を除去することに
より行うものであるのが好ましい。
結体となるべき部分を連結する連結部であり、該連結部
は、円の中心部に位置している。
されないが、例えば、打ち抜き加工(プレス加工)、切
断加工、切削加工、研削加工等の機械加工、放電加工、
レーザー加工、エッチングのうち少なくとも一つの方法
を用いて行われるのが好ましい。これにより、目的の形
状を有する個別仮焼結体を容易に得ることができるとと
もに、最終的に得られる焼結体2を、特に寸法精度に優
れたものとすることができる。
成して本焼結し、焼結体2を製造する。
成長し、結晶粒となり、全体として緻密な、すなわち高
密度、低空孔率の焼結体2が得られる。
は、金属粉末の組成等により若干異なるが、例えば、1
320〜1520℃であるのが好ましく、1340〜1
500℃であるのがより好ましい。焼結温度が前記下限
値未満であると、金属粉末の拡散、粒成長が十分に進行
せず、最終的に得られる焼結体2の空孔率が大きくな
り、十分な機械的強度が得られない可能性がある。一
方、焼結温度が前記上限値を超えると、熱変形を生じ易
くなり、最終的に得られる焼結体2の寸法精度が低下す
る傾向を示す。この場合、前記仮焼結に比べ、焼結温度
が高いのが好ましい。
した範囲内または範囲外で、経時的に変動(上昇または
下降)してもよい。
間程度であるのが好ましく、1〜4時間程度であるのが
より好ましい。
に限定されないが減圧(真空)下または非酸化性雰囲気
とされるのが好ましい。これにより、金属の酸化による
特性劣化を防ぐことができる。
(より好ましくは1×10−2〜1×10−6Torr)の
減圧(真空)下、または1〜760Torrの窒素ガス、ア
ルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、または1〜760To
rrの水素ガス雰囲気であるのが好ましい。
てもよい。例えば、最初に1×10 −2〜1×10−6
Torrの減圧(真空)下とし、途中で前記のような不活性
ガスに切り替えることができる。
結におけるそれと同一でも異なっていてもよい。
分けて行ってもよい。これにより、焼結の効率が向上
し、より短い焼結時間で焼結を行うことができ、焼結作
業の安全性も高く、生産性も向上する。
工程[1B]の前工程、工程[1B]〜[5B]の間に
存在する中間工程、または工程[5B]の後工程が存在
していてもよい。
明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
体1は、焼結体となるべき部分11を2個有するもので
あったが、3個以上有するものであってもよい。
部分11が円周上に配列されたものに限定されず、例え
ば、直線上に配列されたものであってもよい。
すように、連結部12の下面側に、リブ15を有するも
のであってもよい。これにより、脱脂工程、焼結工程等
における変形をより効果的に防止することができる。そ
の結果、得られる焼結体2の寸法精度がさらに優れたも
のとなる。なお、図5中の(a)は、一体成形体を上面
側から見た正面図、(b)は、(a)のX−X線断面
図、(c)は、一体成形体を下面側から見た正面図であ
る。
施例について説明する。
り製造された平均粒径3μmのタングステン(W)粉末
(96wt%)と、カルボニル法により製造された平均粒
径4μmのニッケル(Ni)粉末(2.5wt%)と、ア
トマイズ法により製造された平均粒径8μmの銅(C
u)粉末(1.5wt%)との混合粉末を用いた。
レン(PS):1.45wt%、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(EVA):1.45wt%およびパラフィンワッ
クス:1.2wt%から構成される有機バインダーと、ジ
ブチルフタレート(可塑剤):0.7wt%とを混合し、
これらを混練機にて100℃×1時間の条件で混練し
た。
径3mmのペレットとし、該ペレットを用い、射出形成
機にて金属粉末射出成形(MIM)し、図2に示すよう
な形状の一体成形体(100個)を製造した。
理、焼結時での収縮を見込んで決定した。すなわち、目
的とする焼結体の寸法が、外半径5mm、内半径1.5
mm、薄肉部厚さ0.3mm、厚肉部厚さ0.9mm、
開き角度120°となるように、一体成形体を成形し
た。
30℃、射出圧力110kgf/cm2であった。
いて脱脂処理を行った。この脱脂処理は、一体成形体
を、760Torr(常圧)の窒素雰囲気下で、450℃×
1時間保持することにより行った。
一体脱脂体の中心部に位置する連結部(不要部)を打ち
抜き加工により除去し、個別脱脂体(計200個)を得
た。このとき、一体脱脂体は、特に優れた加工性を有し
ており、打ち抜き加工を極めて容易に行うことができ
た。
に示すような目的とする焼結体(計200個)を得た。
この焼結の条件は、760Torr(常圧)のアルゴンガス
雰囲気中で1400℃×3時間とした。このようにして
得られた焼結体の密度は、18.2g/cm3であっ
た。
して、一体成形体を成形した。すなわち、脱脂処理、焼
結時での収縮を見込んで、目的とする焼結体の寸法が、
外半径5mm、内半径1.5mm、薄肉部厚さ0.3m
m、厚肉部厚さ0.9mm、開き角度120°となるよ
うに、一体成形体を成形した。
いて脱脂処理を行った。この脱脂処理は、一体成形体
を、760Torr(常圧)の窒素雰囲気下で、450℃×
1時間保持することにより行った。
一体脱脂体に対して、仮焼結の処理を施した。この仮焼
結の条件は、760Torr(常圧)のアルゴンガス雰囲気
中で1000℃×2時間とした。
の中心部に位置する連結部(不要部)を打ち抜き加工に
より除去し、個別仮焼結体(計200個)を得た。この
とき、一体仮焼結体は、優れた加工性を有しており、打
ち抜き加工を容易に行うことができた。
図3に示すような目的とする焼結体(計200個)を得
た。この焼結の条件は、760Torr(常圧)のアルゴン
ガス雰囲気中で1420℃×2.5時間とした。このよ
うにして得られた焼結体の密度は、18.2g/cm3
であった。
径3mmのペレットを用いて、目的とする焼結体に相当
する形状の成形体を作製した。すなわち、板状で、投影
形状が略扇形の成形体(200個)を作製した。
結工程での収縮を考慮して決定した。すなわち、得られ
る焼結体の寸法が、外半径5mm、内半径1.5mm、
薄肉部厚さ0.3mm、厚肉部厚さ0.9mm、開き角
度120°となるように、成形体を成形した。
記実施例1と同様にして、脱脂処理、焼結処理を施し目
的とする焼結体を得た。
て、空孔率、外半径の寸法精度および平面部の平坦度の
測定を行った。
準じて焼結密度を測定し、理論密度との比から空孔率を
計算した。
焼結体の外半径の寸法を測定し、設計値からの誤差を求
めた。
ついて測定した。これらの結果を表1に示した。
実施例2の焼結体の製造方法を用いて得られた焼結体
は、優れた寸法精度を有している。中でも、実施例2の
製造方法を用いて得られた焼結体は、特に優れた寸法精
度を有していた。これに対し、比較例で得られた焼結体
は、寸法精度に劣っていた。
法精度の高い焼結体を製造することができる。
ることにより、従来加工が困難とされた硬質材料や比較
的高融点の材料に対しても、焼結体の用途、機能の拡大
が図れる。
脱脂体や仮焼結体に対して分離の処理を施すため、優れ
た加工性で、精度良く分離することが可能である。
す工程図である。
製される一体成形体の形状を示す図である。
体の形状を示す図である。
す工程図である。
作製される一体成形体の形状を示す図である。
Claims (24)
- 【請求項1】 金属粉末と、有機バインダーとを含む組
成物を用いて、目的の焼結体となるべき部分を複数個有
する一体成形体を成形する工程と、 前記有機バインダーを除去し、一体脱脂体を得る脱脂工
程と、 前記一体脱脂体を分離して、目的とする焼結体に対応す
る形状を有する複数個の個別脱脂体を得る工程と、 前記個別脱脂体を焼結して、目的とする複数個の焼結体
を得る工程とを有することを特徴とする焼結体の製造方
法。 - 【請求項2】 前記一体脱脂体の分離は、前記一体脱脂
体の不要部を除去することにより行うものである請求項
1に記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 前記不要部は、前記個別脱脂体同士の連
結部である請求項2に記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項4】 前記一体脱脂体は、厚肉部と、該厚肉部
より厚さの薄い薄肉部とを有し、前記連結部が前記薄肉
部に位置するものである請求項3に記載の焼結体の製造
方法。 - 【請求項5】 前記一体脱脂体の分離は、機械加工、放
電加工、レーザー加工、エッチングのうち少なくとも一
つの方法により行うものである請求項1ないし4のいず
れかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項6】 前記個別脱脂体を焼結する際の焼結温度
は、1300〜1500℃である請求項1ないし5のい
ずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項7】 金属粉末と、有機バインダーとを含む組
成物を用いて、目的の焼結体となるべき部分を複数個有
する一体成形体を成形する工程と、 前記有機バインダーを除去し、一体脱脂体を得る脱脂工
程と、 前記一体脱脂体を仮焼結して、一体仮焼結体を得る工程
と、 前記一体仮焼結体を分離して、目的とする焼結体に対応
する形状を有する複数個の個別仮焼結体を得る工程と、 前記個別仮焼結体を本焼結して、目的とする複数個の焼
結体を得る工程とを有することを特徴とする焼結体の製
造方法。 - 【請求項8】 前記一体仮焼結体の分離は、前記一体仮
焼結体の不要部を除去することにより行うものである請
求項7に記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項9】 前記不要部は、前記個別仮焼結体同士の
連結部である請求項8に記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項10】 前記一体仮焼結体は、厚肉部と、該厚
肉部より厚さの薄い薄肉部とを有し、前記連結部が前記
薄肉部に位置するものである請求項9に記載の焼結体の
製造方法。 - 【請求項11】 前記一体仮焼結体の分離は、機械加
工、放電加工、レーザー加工、エッチングのうち少なく
とも一つの方法により行うものである請求項7ないし1
0のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項12】 前記一体脱脂体を仮焼結する際の仮焼
結温度は、650〜1150℃である請求項7ないし1
1のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項13】 前記個別仮焼結体を本焼結する際の本
焼結温度は、1320〜1520℃である請求項7ない
し12のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項14】 前記一体成形体は、複数の前記焼結体
となるべき部分が略円周上に配列されたものである請求
項1ないし13のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項15】 前記焼結体は、その投影形状が略扇形
である請求項1ないし14のいずれかに記載の焼結体の
製造方法。 - 【請求項16】 前記焼結体は、板状のものである請求
項1ないし15のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項17】 前記一体成形体は、金属粉末射出成形
法により成形されたものである請求項1ないし16のい
ずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項18】 前記組成物中における前記金属粉末の
含有量は、85〜98wt%である請求項1ないし17の
いずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項19】 前記組成物中における前記金属粉末の
平均粒径は、1〜100μmである請求項1ないし18
のいずれかに記載の焼結体の製造方法。 - 【請求項20】 前記焼結体の密度は、7.5g/cm
3以上である請求項1ないし19のいずれかに記載の焼
結体の製造方法。 - 【請求項21】 前記焼結体は、WまたはWを主とする
ものである請求項1ないし20のいずれかに記載の焼結
体の製造方法。 - 【請求項22】 前記焼結体は、錘または分銅である請
求項1ないし21のいずれかに記載の焼結体の製造方
法。 - 【請求項23】 請求項1ないし22のいずれかに記載
の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする
焼結体。 - 【請求項24】 前記焼結体の空孔率は、7vol%以下
である請求項23に記載の焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001216836A JP2003027106A (ja) | 2001-07-17 | 2001-07-17 | 焼結体の製造方法および焼結体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2001-07-17 JP JP2001216836A patent/JP2003027106A/ja not_active Withdrawn
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