JP2003026873A - ポリプロピレン系シート・フィルム、及び、ポリプロピレン系シート・フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系シート・フィルム、及び、ポリプロピレン系シート・フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP2003026873A
JP2003026873A JP2001218329A JP2001218329A JP2003026873A JP 2003026873 A JP2003026873 A JP 2003026873A JP 2001218329 A JP2001218329 A JP 2001218329A JP 2001218329 A JP2001218329 A JP 2001218329A JP 2003026873 A JP2003026873 A JP 2003026873A
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JP
Japan
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polypropylene
film
sheet
wood powder
resin composition
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JP2001218329A
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Chiaki Tashiro
千秋 田代
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Japan Wavelock Co Ltd
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Japan Wavelock Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木粉を高配合比で配合するポリプロピレン系
シート・フィルム及びそのようなポリプロピレン系シー
ト・フィルムを安定的に生産することができる原料樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 木粉を含むポリプロピレン系シート・フ
ィルムであって、ベース樹脂として高溶融張力ポリプロ
ピレンを有し、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレ
ンが0.5重量%配合されているポリプロピレン系シー
ト・フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端材、鋸くず、あ
るいは廃材として発生する木材由来の木粉を有効利用す
る木粉入りシート及び木粉入りフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】木粉を有効利用するために、一種の充填
材として合成樹脂に練り込む技術は従来からあった。し
かし、シートまたはフィルム(本発明ではフィルム及び
シートを併せて「シート・フィルム」と云う)への加工
には困難があった。
【0003】すなわち、樹脂と木粉とは互いにぬれ性が
悪く、木粉を高濃度に添加して成形すると成形機内で原
料詰まりが生じて生産できなかったり、あるいは、ぼそ
ぼそになってシート・フィルムへの成形ができないなど
の問題があり、木粉配合量は30重量%までが一般的で
あった。
【0004】しかしながら、木粉配合量が30%程度で
は木粉の有効利用の点で不満足であり、また、木粉配合
量を充分高めたときに得られるはずの生分解性や感触・
質感の点からも不充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を改善する、すなわち、各種家具、建材、構
造材をはじめさまざまな用途で用いることができる、木
粉を高配合比で配合するポリプロピレン系シート・フィ
ルム及びそのようなポリプロピレン系シート・フィルム
を安定的に生産することができる原料樹脂組成物を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のポリプロピレン
系シート・フィルムは上記課題を解決するため、請求項
1に記載の通り、木粉を含むポリプロピレン系シート・
フィルムであって、ベース樹脂として高溶融張力ポリプ
ロピレンを有し、アクリル変性ポリテトラフルオロエチ
レンが0.5重量%配合されているポリプロピレン系シ
ート・フィルムである。
【0007】このような構成により本発明のポリプロピ
レン系シート・フィルムは木粉を充分に高配合量で添加
しても、安定生産が可能となるために、高い生分解性を
付与することが可能となり、また、このような高配合量
で添加したシート・フィルムはその自然原料を強く印象
づけることが可能となる。さらに木粉配合量を55%以
上とすることにより、不要となった際には木材に準じた
取り扱いで処分することが可能となるために、最終処分
が容易となる。
【0008】このようなポリプロピレン系シート・フィ
ルムは請求項3に記載のような、木粉を以上含むポリプ
ロピレン系シート・フィルム用ポリプロピレン系樹脂組
成物であって、ベース樹脂として高溶融張力ポリプロピ
レンを有し、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン
が0.5重量%配合されているシート・フィルム用ポリ
プロピレン系樹脂組成物により安定して生産することが
可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系シート
・フィルムにおいて、原料となる木粉は、木材の切断な
どで生じたものを用いても良く、また、端材・廃材を粉
砕して作製したものであっても良く、混練やシート化、
フィルム化などの障害とならない程度の大きさとなって
いれば使用することができる。このような大きさとして
は通常50メッシュ〜100メッシュパスのものが挙げ
られる。
【0010】本発明のシート・フィルム用ポリプロピレ
ン系樹脂組成物では従来のシート・フィルム用ポリプロ
ピレン系樹脂組成物での木粉の配合量(30重量%程
度)を越えて添加しても、シート化、フィルム化が安定
して行うことができる。このため、木粉の高度な利用が
可能となり、生分解性に優れ、あたかも木材のような感
触・印象を与える材料とすることができる。
【0011】本発明のシート・フィルム用ポリプロピレ
ン系樹脂組成物において、ベース樹脂のポリプロピレン
としては高溶融張力ポリプロピレンを用いる必要があ
り、汎用のポリプロピレンでは本発明の効果が得られな
い。本発明のポリプロピレン系シート・フィルムはこの
ようにポリプロピレンをベースとするものであるので、
燃焼処分などが可能であり、その際に有害なガスを出さ
ない。
【0012】ここで高溶融張力ポリプロピレンとは溶融
時の張力が高いポリプロピレンであって、同レベルのM
FR(MI)の通常のポリプロピレンと比較すると2倍
ないし10倍の溶融張力を有する。このような高溶融張
力ポリプロピレンは、チッソ社からでFH−2900、
FH−2400、FH−3400、FB−6000、F
H−6000などの型番で、またモンテル・サンアロマ
ー社からPF−814、SD−632、PF−715、
SD−613あるいはPF−611などの型番で、入手
可能である。
【0013】本発明のシート・フィルム用ポリプロピレ
ン系樹脂組成物では上記2成分の他にさらにアクリル変
性ポリテトラフルオロエチレンを添加することが必要で
ある。アクリル変成されたポリテトラフルオロエチレン
としては、三菱レイヨン等から入手できる。
【0014】アクリル変成されたポリテトラフルオロエ
チレンの配合量としてはベース樹脂である高溶融張力ポ
リプロピレンと木粉及びアクリル変成されたポリテトラ
フルオロエチレンとの和の重量を100重量%としたと
き、0.5重量%以上配合されていることが必要であ
り、この程度の低配合量で充分な成シート性、成フィル
ム性が得られ、安定性酸が可能となる。なお、アクリル
変成されたポリテトラフルオロエチレンの配合量は通常
20重量%以下とすることが望ましい。20重量%を越
えて添加しても添加量の増加による効果の増大が見られ
ない上にコストアップを来す。このようなアクリル変成
されたポリテトラフルオロエチレンとしては、三菱レイ
ヨン等から入手できる。
【0015】これらベース樹脂である高溶融張力ポリプ
ロピレン、木粉及びアクリル変成されたポリテトラフル
オロエチレンは、ニーダー、バンバリーミキサー等によ
り均一になるよう混練、混合され、本発明のシート・フ
ィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができ
るが、この樹脂組成物は必要に応じてペレットとするこ
とができる。
【0016】本発明のシート・フィルム用ポリプロピレ
ン系樹脂組成物において、上記高溶融張力ポリプロピレ
ン、木粉及びアクリル変成されたポリテトラフルオロエ
チレンとからなる組成物に、その混練時、あるいはフィ
ルム化加工、シート化加工などの際に、上記高溶融張力
ポリプロピレン、木粉及びアクリル変成されたポリテト
ラフルオロエチレン以外に、本発明の効果を損なわない
限りにおいて、安定剤、酸化防止剤、滑剤等を適宜添加
することができる。
【0017】このようにして得られたシート・フィルム
用ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、Tダイ押出成
形、カレンダー加工などにより、フィルム化、シート化
して本発明のポリプロピレン系シート・フィルムを得る
ことができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の木粉入りポリプロピレン系シ
ート・フィルムの実施例について説明する。
【0019】表1に示す原料を用い、表2に示す配合
(重量比、木粉は乾燥重量)で8インチテストロールを
用いて、180℃、10rpmの条件で5分間混練し、
4種類の木粉入りシート・フィルム用ポリプロピレン系
樹脂組成物を得た。
【0020】これらシート・フィルム用ポリプロピレン
系樹脂組成物を用いて200℃、20rpmの条件で厚
さ0.2mmのフィルムの作製(カレンダー法での試
作)を試みた。
【0021】また、同様にこれらシート・フィルム用ポ
リプロピレン系樹脂組成物を用いて表3に示す条件で
1.5mmのシートを押出法で試作した。このとき、切
れなどが発生せずにフィルム及びシートが安定生産でき
るかどうかを調べた。結果を表2に併せて記載した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表2により、本発明に係る木粉入りシート
・フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物を用いてなる
ポリプロピレン系シート・フィルムは、木粉配合量が極
めて多いにもかかわらず、安定的に生産が可能であるこ
とが判る。
【0026】このようにして安定的に得られた本発明に
係るフィルム、及び、シートは、木質的な感触を有しな
がら取り扱いに充分な可撓性を有する印象的な素材であ
り、また別途、生分解性のテストを市販の家庭用コンポ
スト装置を用いて検討したが、高い生分解性を有するこ
とが判った。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系シート・フィ
ルムは、木粉の高度な有効利用が可能で、木質の感触を
有し、充分な取扱性(可撓性)を有し、かつ、生分解処
理が可能で、また、燃焼の際にも有毒ガスを発生しない
優れた木粉入りシート・フィルム用ポリプロピレン系樹
脂組成物である。
【0028】本発明の木粉入りシート・フィルム用ポリ
プロピレン系樹脂組成物は、このような優れたポリプロ
ピレン系シート・フィルムを安定生産可能とする優れた
木粉入りシート・フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成
物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27:18)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木粉を含むポリプロピレン系シート・フ
    ィルムであって、ベース樹脂として高溶融張力ポリプロ
    ピレンを有し、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレ
    ンが0.5重量%配合されていることを特徴とするポリ
    プロピレン系シート・フィルム。
  2. 【請求項2】 上記木粉の配合比が55重量%以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系
    シート・フィルム。
  3. 【請求項3】木粉を以上含むポリプロピレン系シート・
    フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物であって、ベー
    ス樹脂として高溶融張力ポリプロピレンを有し、アクリ
    ル変性ポリテトラフルオロエチレンが0.5重量%配合
    されていることを特徴とするシート・フィルム用ポリプ
    ロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記木粉の配合比が55重量%以上であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のシート・フィルム
    用ポリプロピレン系樹脂組成物。
JP2001218329A 2001-07-18 2001-07-18 ポリプロピレン系シート・フィルム、及び、ポリプロピレン系シート・フィルム用ポリプロピレン系樹脂組成物 Withdrawn JP2003026873A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20070111293A (ko) * 2006-05-17 2007-11-21 주식회사 엘지생활건강 나무 질감을 갖는 포장용 트레이
JP2021059678A (ja) * 2019-10-08 2021-04-15 日本ポリプロ株式会社 ポリプロピレン樹脂組成物
JP7529116B2 (ja) 2019-10-08 2024-08-06 日本ポリプロ株式会社 ポリプロピレン樹脂組成物

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