JP2003026859A - タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いるタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いるタイヤの製造方法

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JP2003026859A
JP2003026859A JP2001218629A JP2001218629A JP2003026859A JP 2003026859 A JP2003026859 A JP 2003026859A JP 2001218629 A JP2001218629 A JP 2001218629A JP 2001218629 A JP2001218629 A JP 2001218629A JP 2003026859 A JP2003026859 A JP 2003026859A
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Takeshi Hodaka
武 穂高
Makio Mori
麻樹夫 森
Takashi Shirokawa
隆 城川
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸成分による加工機械の腐食の問題を伴なう
ことなく、膨張黒鉛を配合して、耐摩耗性とのバランス
を保ちながら加硫ゴムの氷上摩擦性能を高めたタイヤ用
ゴム組成物の提供。 【解決手段】 ジエン系ゴム100重量部、膨張黒鉛1
〜30重量部及びアミン系老化防止剤1.0〜4.5重
量部を含んでなるタイヤ用ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ用ゴム組成物
に関し、更に詳しくはジエン系ゴムに膨張黒鉛を配合し
て、ゴム組成物の混合時及び加硫時に膨張黒鉛から発生
することがある酸成分による加工機械の腐食等の問題を
生ずることなく、耐摩耗性能を実用レベルに保ちながら
氷上摩擦性能を向上させたタイヤ用、特に氷雪路走行用
ラジアルタイヤのトレッド用として使用するのに好適な
タイヤ用ゴム組成物及びそれを例えばトレッド部に用い
る空気入りタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムに硬質異物、発泡剤、中空微粒子を
配合し、表面にミクロな凹凸をつくることによって、氷
の表面に発生する水膜を除去し、氷上摩擦力を向上させ
る手法が数多く検討されている。しかしながら、これら
の方法には添加剤の材質がもろいため、混合後に添加剤
の一部が微細化又は破壊されて所定の効果を発揮できな
い場合があるという問題がある。また、ゴム組成物にこ
れらの異物粉体を混入した場合には、ゴム加硫物の耐摩
耗性能が著しく低下するのが一般的である。
【0003】例えば、前記の硬質異物を配合する例とし
ては、特開昭60−258235号公報(セラミック微
粉末)、特開平2−274740号公報(植物の粉砕
物)および特開平2−281052号公報(金属)等が
あるが、これらの手法では、ゴムの硬度が上昇し、ゴム
のしなやかさが失われるため路面への追従性に劣るとい
う問題があった。また、前記の中空粒子を配合する事例
としては、特開平2−170840号公報、特開平2−
208336号公報および特開平4−5543号公報等
があるが、これらの手法では、同様にゴムの硬度が上昇
し、あるいはその混合中に中空粒子が破壊されるという
問題があった。これに対し、ゴムの硬度を上昇させるこ
となく、また混練時のせん断力によって破壊されること
なくゴムの氷上摩擦力を向上できる中空粒子として熱膨
張性マイクロカプセルの配合(特開平11−35736
号公報)が考案されているが、配合量の増加に伴うゴム
加硫物の耐摩耗性能の低下はまぬがれない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先きに
耐摩耗性とのバランスを保ちながら、加硫ゴムの氷上摩
擦性能を高めたタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いてタ
イヤを製造する方法を提案した。しかしながら、このゴ
ム組成物を加工すると混合時に部分破壊された膨張黒鉛
から発生する酸成分および加硫時に膨張作用によって発
生する酸成分が加工機械の腐食等の問題を惹き起こすお
それがあるという問題があった。
【0005】従って、本発明は、前記したような膨張黒
鉛に由来する酸成分に基づく加工機械の腐食などの問題
を生ずることなく、加硫ゴムの氷上性能を高めたタイヤ
用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤの製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、ジエン
系ゴム100重量部、膨張黒鉛1〜30重量部及びアミ
ン系老化防止剤1.0〜4.5重量部を含んでなるタイ
ヤ用ゴム組成物が提供される。
【0007】本発明に従えば、また、ジエン系ゴム10
0重量部、膨張黒鉛1〜30重量部並びに加硫剤及びア
ミン系老化防止剤を含んでなるゴム組成物を用いてタイ
ヤを製造するに当り、まず膨張黒鉛及び加硫系を除く他
の成分をジエン系ゴムと一緒に混練し、次にこれに膨張
黒鉛及び加硫系を加えて最高到達温度が膨張黒鉛の膨張
開始温度未満となるような条件で混合及び同様な温度条
件にてそれに続く押出し加工を行い、そしてゴム混合物
の押出物でグリーンタイヤを組み立て、次に膨張黒鉛の
膨張開始温度以上の温度でグリーンタイヤを加硫するこ
とを特徴とするタイヤの製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】膨張黒鉛(Expandable)は黒鉛粒
子の層間に熱により気化する物質を内包する粒子サイズ
30〜600μm、好ましくは100〜350μmの粉
体物質であり、加硫時の熱によって膨張して黒鉛膨張体
(Expanded Graphite)となることが好ましい。
【0009】膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシート
が層状に重なり、その層間に気化性層間物質を含む構造
をしており、例えば加熱によりその層間物質が気化膨張
し、黒鉛膨張体となる。膨張処理前は材質が硬いために
混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不
可逆的に膨張するため、タイヤの加硫によってゴムマト
リックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させること
ができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部
は摩耗時に表面凹凸が適度に形成され、氷とタイヤの接
触面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦
力の向上に働く。
【0010】一方、膨張黒鉛は炭素原子からなる骨格構
造をとっているためにゴムマトリックスやカーボンブラ
ックとの親和性が良好であり、ゴムに配合添加しても加
硫ゴムの耐摩耗性能の低下が少ないという利点がある。
【0011】膨張黒鉛は既に公知の材料であり、公知の
製法によって製造される。このような膨張黒鉛は一般に
層間化合物を含み、それが熱処理で揮発することによっ
て層間が開き、膨張する。従来は、通常300℃以上で
の熱処理によって膨張するが、層間物質の改質や他の低
沸点酸化合物の使用または併用によって、膨張開始温度
を300℃以下に下げた膨張黒鉛が製造、市販されてい
る。本発明で対象となるジエン系ゴムを主成分としたゴ
ム組成物の加工温度は200℃以下であり、本発明では
膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛を用いることに
よって所定の効果が発揮される。
【0012】このような膨張開始温度が190℃以下の
膨張黒鉛としては、例えば巴工業より米国のUCAR
Graphtech社製の「グラフガード160−5
0」または「グラフガード160−80」等が市販され
ており、入手可能である。
【0013】膨張黒鉛は用語的には酸処理を行った直後
の未膨張品を示すが、熱処理後の既膨張品のことを呼ぶ
場合もある。本発明にてゴム組成物として配合される膨
張黒鉛は熱処理前の未膨張品である。この未膨張黒鉛の
粒径には特に限定はないが、氷上での摩擦力向上効果や
加工性の観点から、好ましくは30〜600μm、更に
好ましくは100〜350μmである。
【0014】本発明においては、膨張黒鉛はゴム組成物
の混練工程、押出し成形工程で膨張せず、加硫工程にて
膨張させることが望ましく、膨張開始温度が好ましくは
120〜190℃、更に好ましくは140〜170℃の
ものが用いられる。膨張開始温度が120℃未満である
と、膨張黒鉛が混練り時、あるいは押出し加工時に膨張
し、ゴム比重が工程途中で変化することにより加工性が
損なわれるおそれがある。また、膨張開始温度が190
℃を超える場合には加硫工程での加工温度を190℃以
上に設定しなければならず、ゴム組成物の主成分である
ジエン系ゴム分子の熱劣化が著しくなる傾向にある。
【0015】前述の如く、膨張黒鉛をジエン系ゴムにブ
レンド配合することによってゴムの氷上摩擦力が改良さ
れるが、このゴム組成物を加工すると混合時に膨張黒鉛
が部分破壊されて酸成分を発生したり、そして加硫時に
も膨張作用によって酸成分が発生したりする。この酸成
分は加工機械などの腐食の問題等を惹き起すおそれがあ
るという問題があった。
【0016】本発明によれば、従来からゴム用老化防止
剤として知られている任意のアミン系老化防止剤をゴム
100重量部当り1.0〜4.5重量部、好ましくは
1.5〜2.5重量部配合することによってかかる問題
を解決することができる。即ち、膨張黒鉛より加工中に
発生する酸成分はアミン系老化防止剤の適量配合によっ
てゴム系内で速やかに中和され、酸のままでゴム内に残
留することがなくなる。老化防止剤の機能は中和反応に
よって低下するが、これに対しては老化防止剤の配合量
を増加することによって容易に対策することができる。
また、熱膨張性マイクロカプセルをさらに含むゴム組成
物においては、膨張黒鉛から混合中に発生する酸成分が
速やかに中和されるために酸によるマイクロカプセル殻
材の侵食が無く、マイクロカプセル成分は所定の氷上性
能改善効果を発揮することができる。
【0017】本発明において使用されるアミン系老化防
止剤としては特に限定はないが、例えば下記式(1)〜
(4)で表わされるアミン系老化防止剤を用いることが
できる。
【0018】
【化2】
【0019】更に具体的には、アミン系老化防止剤とし
て、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ンポリマー(TMDQ)、6−エトキシ−2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(ETMDQ)
などのアミン・ケトン系老化防止剤、P,P’−ジオク
チルジフェニルアミン(ODPA)、P,P’−ジクミ
ルジフェニルアミン(DCDP)などのジアリルアミン
系老化防止剤、N,N’−ジフェニル−P−フェニレン
ジアミン(DPPD)、N−フェニル−N’−イソプロ
ピル−P−フェニレンジアミン(IPPD)、N−フェ
ニル−N’−1,3−ジメチルブチル−P−フェニレン
ジアミン(6PPD)などのP−フェニレンジアミン系
老化防止剤が代表的である。
【0020】本発明において使用するジエン系ゴムは、
従来よりタイヤ用として使用されている任意のジエン系
ゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム
(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S
BR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴムなどをあげることがで
き、これらは単独又は任意のブレンドとして使用するこ
とができる。
【0021】本発明においては、ジエン系ゴム100重
量部に対し、前記膨張黒鉛1〜30重量部、好ましくは
5〜15重量部を配合する。この配合量が少な過ぎると
所望の効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎ
るとゴム表面と氷結路面間のミクロレベルにおける接触
面積が低下するために、氷上摩擦力が低下するので好ま
しくない。また配合量が多すぎる場合にはゴム加硫物の
耐摩耗性および機械強度が低下するので好ましくない。
【0022】本発明においては、好ましくは、前記ジエ
ン系ゴム100重量部に対し、熱により気化、分解また
は化学反応して気体を発生する液体または固体を封入し
た熱膨張性熱可塑性樹脂粒子(マイクロカプセル)1〜
20重量部、更に好ましくは5〜10重量部、を更に含
ませることができる。この配合量が少な過ぎると所望の
効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎると耐
摩耗性の低下が著しくなるので好ましくない。
【0023】前記熱膨張性熱可塑性樹脂粒子(マイクロ
カプセル)は熱により気化、分解又は化学反応して気体
を発生する液体又は固体を熱可塑性樹脂に内包した粉体
粒子であり、その膨張開始温度以上の温度、通常140
〜190℃の温度で加熱すると膨張し、その熱可塑性樹
脂からなる外殻中に気体が封じ込められるものであり、
この熱可塑性樹脂粒子の粒径は膨張前で5〜300μm
であるものが好ましく、更に好ましくは粒径10〜20
0μmのものである。
【0024】このような熱膨張性熱可塑性樹脂粒子とし
ては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL
社より商品名「エクスパンセル091DU−80」また
は「エクスパンセル092DU−120」等として、あ
るいは松本油脂社より商品名「マツモトマイクロスフェ
アーF−85」または「マツモトマイクロスフェアーF
−100」等として入手可能である。
【0025】前記の気体封入熱可塑性樹脂粒子の外殻成
分を構成する熱可塑性樹脂としては、その膨張開始温度
が100℃以上、好ましくは120℃以上で、最大膨張
温度が150℃以上、好ましくは160℃以上のものが
好ましく用いられる。そのような熱可塑性樹脂として
は、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また
(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適
に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コ
モノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビ
ニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート
系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジ
ン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上
記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレ
ート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形
態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂とし
ての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもかま
わない。
【0026】前記の熱により気化、分解又は化学反応し
て気体を発生する液体又は固体としては、例えば、n−
ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソ
ブタン、ヘキサン、石油エーテルのような炭化水素類、
塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリク
ロロエタン、トリクロルエチレンのような塩素化炭化水
素のような液体、または、アゾジカーボンアミド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロ
ニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド誘導体、芳香
族スクシニルヒドラジド誘導体のような固体が挙げられ
る。
【0027】本発明のゴム組成物には、ゴム補強剤とし
て、通常ゴム組成物に配合される任意のカーボンブラッ
クを配合することができる。また、シリカで表面処理を
施したカーボンブラックも使用可能である。またシリカ
も使用することができる。カーボンブラックの配合量と
しては、ゴム成分100重量部に対し、20〜80重量
部、好ましくは30〜60重量部で使用される。この配
合量が少な過ぎるとゴムを十分に補強できないため、例
えば耐摩擦性が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎ
ると硬度が高くなり過ぎたり、加工性が低下したりする
ので好ましくない。また沈降性又は乾式シリカはゴム成
分100重量部に対し好ましくは0〜50重量部、更に
好ましくは0〜20重量部配合する。シリカは使用され
なくてもよく、使用する場合はtanδなどの加硫ゴム
の粘弾性特性が改良される範囲の配合量で用いるのがよ
く、これが多過ぎると電気伝導度が低下し、また補強剤
の凝集力が強くなり、混練中の分散が不充分となるので
好ましくない。
【0028】本発明において使用するカーボンブラック
は、窒素吸着比表面積(N2 SA)が好ましくは70m
2 /g以上、更に好ましくは80〜200m2 /gであ
り、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が好ましくは
95ml/100g以上、更に好ましくは105〜140
ml/100gである。
【0029】本発明によれば、ジエン系ゴム100重量
部、粒子サイズ30〜600μm、好ましくは100〜
350μmの膨張黒鉛1〜30重量部、好ましくは5〜
15重量部及び加硫系(例えば硫黄などの加硫剤及び必
要に応じ加硫促進剤)を含んでなるタイヤ用ゴム組成物
を用いてタイヤを製造するに当り、膨張黒鉛及び加硫系
を除く他の成分をジエン系ゴムと一緒に、例えばバンバ
リーミキサーを用いて混練し、次にこれに膨張黒鉛及び
加硫系を加えて最高到達温度が膨張黒鉛の膨張開始温度
未満、好ましくは膨張開始温度よりも20℃又はそれ以
上低い温度で混合する。更に膨張黒鉛の混練時と同様な
温度条件にて押出し加工を行い、この押出物を用いて通
常の成型加工によりグリーンタイヤを組み立てた後、膨
張黒鉛の膨張開始温度以上の温度、好ましくは膨張開始
温度より10℃又はそれ以上高い温度でグリーンタイヤ
を加硫する。上記混練、混合又は押出し工程の温度が膨
張黒鉛の膨張開始温度以上の温度に達すると膨張黒鉛が
膨張し、加硫工程での膨張性が不十分になり、また混
合、押出し工程で膨張した膨張黒鉛が破壊したり、変形
したりするので好ましくない。また、混合又は押出し工
程の温度が膨張黒鉛の膨張開始温度以上の温度に達する
と、膨張黒鉛の膨張により加工途中でゴム組成物の比重
が変化し、加工性が損われるので好ましくない。
【0030】本発明に係るタイヤ用ゴム組成物には、更
に、通常の加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、
各種オイル、他の老化防止剤、充填剤、可塑化剤、その
他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配
合することができ、かかる配合物は、一般的な方法で混
練して組成物とし、加硫または架橋することができる。
これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限
り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定す
るものでないことは言うまでもない。
【0032】比較例1〜3及び実施例1〜3 サンプルの調製 表Iに示す配合(重量部)に従って、1.7リットルの
密閉式バンバリーミキサーを用いて、ゴム、カーボンブ
ラック、老化防止剤等の配合剤を5分間混合し、ゴムを
混合機外に放出させて室温冷却させた後、同バンバリー
ミキサーにて、加硫促進剤、硫黄及び膨張黒鉛を配合し
混合した。
【0033】サンプルの評価試験 水300g中にて未加硫ゴム又は加硫ゴム50gを1時
間煮沸し、水が冷却した後のpHを測定した。また各コン
パウンドを加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴ
ムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて
氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−3.0℃と−
1.5℃とし、荷重は5.5kg/cm3 、ドラム回転速度
は25km/hとした。結果は表IIに示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表Iの配合成分 RSS#3:天然ゴム NIPOL 1220:日本ゼオン(株)製BR、ガラ
ス転移温度=101℃ SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)
製、カーボンブラック(N2 SA:111m2 /g、D
BP吸油量:111ml/100g) DTBMP:大内新興化学工業(株)製 Nocrac
200 MBMBP:大内新興化学工業(株)製 Nocrac
NS−6 6PPD:大内新興化学工業(株)製 Nocrac
6C TMPQ:大内新興化学工業(株)製 Nocrac
224 酸化亜鉛3号:正同化学工業(株)製 ZnO ステアリン酸:日本油脂(株)製 アロマオイル:富士興産(株)製 TBBS:FLEXSIS製 スルフェンアミド系加硫
促進剤 Santocure TBBS 硫黄:(株)軽井沢精錬所製 膨張黒鉛160−50N:巴工業市販の膨張黒鉛(平均
粒径:300μm、膨張開始温度:160℃) マイクロカプセル:松本油脂製 マイクロスフェアー
F100
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明に従えば、ジエン系
ゴムに膨張黒鉛、及び場合によっては、熱膨張性気体封
入熱可塑性樹脂と共に、アミン系老化防止剤を配合する
ことによって、膨張黒鉛に基づく酸成分による加工機械
等の腐食の問題等を生ずることなく、耐摩耗性とのバラ
ンスを保ちながら加硫ゴムの氷上摩擦性能を高めること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/17 C08K 5/17 9/10 9/10 // B29K 9:00 B29K 9:00 B29L 30:00 B29L 30:00 (72)発明者 城川 隆 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 4F207 AA46 AB03 AB06 AB11 AB18 AH20 AR06 KA01 KA17 KF02 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 DA026 DA039 DJ019 EA018 EB028 EN067 EN077 EP018 EQ018 ER018 EU188 FA108 FD328 GN01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム100重量部、膨張黒鉛1
    〜30重量部及びアミン系老化防止剤1.0〜4.5重
    量部を含んでなるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ジエン系ゴム100重量部に対し、熱に
    よって膨張して気体封入熱可塑性樹脂となる熱膨張性マ
    イクロカプセル1〜20重量部を更に含む請求項1に記
    載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ジエン系ゴムのガラス転移温度が平
    均値で−55℃以下である請求項1又は2に記載のゴム
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記アミン系老化防止剤が式: 【化1】 (式中、Rは独立に水素又は炭素数1〜6のアルキル基
    又は炭素数1〜6のアルコキシ基である)で表わされる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表
    面積(N2 SA)が70m2 /g以上で、ジブチルフタ
    レート(DBP)吸油量が95ml/100g以上である
    カーボンブラック20〜80重量部並びに沈降又は乾式
    シリカ0〜50重量部を更に含む請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】 ジエン系ゴム100重量部、膨張黒鉛1
    〜30重量部並びに加硫剤及びアミン系老化防止剤を含
    んでなるゴム組成物を用いてタイヤを製造するに当り、
    まず膨張黒鉛及び加硫系を除く他の成分をジエン系ゴム
    と一緒に混練し、次にこれに膨張黒鉛及び加硫系を加え
    て最高到達温度が膨張黒鉛の膨張開始温度未満となるよ
    うな条件で混合及び同様な温度条件にてそれに続く押出
    し加工を行い、そしてゴム混合物の押出物でグリーンタ
    イヤを組み立て、次に膨張黒鉛の膨張開始温度以上の温
    度でグリーンタイヤを加硫することを特徴とするタイヤ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴ
    ム組成物を空気入りタイヤのトレッドに用いた氷雪路走
    行用ラジアルタイヤ。
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