JP2003025691A - 印刷システム、印刷装置、印刷制御装置および印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷システムにおいて、印刷する対象との関
係でユーザの望むタイミングでキャリブレーションを実
行することを可能とする。 【解決手段】 ユーザは、ホストコンピュータにおいて
その印刷の直前にキャリブレーションを行なうべきペー
ジを指定し(Ｓ５０１)、印刷装置は、この指定ページの
設定があると判断したときは(Ｓ５０３)、その指定ペー
ジの前までの印刷(Ｓ５０４)を行なったあと、キャリブ
レーションを実行する(Ｓ５０５)。その後、指定ページ
およびそれ以降のページの印刷を行なう(Ｓ５０６)。こ
れにより、ユーザが指定したページの印刷の直前には必
ずキャリブレーションが実行されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置とホスト
コンピュータ等からなる印刷システム、印刷システムを
構成する印刷装置、ホストコンピュータ等の印刷制御装
置および印刷方法に関し、詳しくは印刷装置の印刷特性
を一定のものとする処理であるキャリブレーションの実
行タイミングに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】印刷システムもしくはそれを構成するプ
リンタ、複写機等の印刷装置に関して、印刷装置の印刷
特性を一定のものとする処理が行なわれる。これは、環
境条件の変動や装置の経時変化によって印刷特性が変化
することがあるからであり、この変化に応じて、例えば
印刷データを生成する画像処理における濃度変換の内容
を変更する処理を行なうものである。特にカラー印刷を
行う印刷装置では、印刷物の色再現は重要であり、その
色再現にかかる印刷特性を一定に制御する処理が行なわ
れるのが一般的である。この処理は、一般にキャリブレ
ーションとして知られており、例えば、印刷に使用する
３色または４色の印刷インクや印刷トナーによって再現
される印刷画像等の階調特性を、一定の特性に制御する
ことを目的としている。

【０００３】電子写真プロセスを応用した、例えばレー
ザープリンタ(以下、ＬＢＰともいう)や複写機等の印刷
装置は、感光体上にレーザー光を照射して形成した静電
潜像に帯電させたトナー(紛体インク)を付着させること
により現像を行い、この像を用紙に転写して熱と圧力で
定着させるという手順によって印刷を行なう。そして、
カラー印刷を行なうカラーＬＢＰやカラー複写機では、
多くの場合、イエロー(Ｙ)、マゼンタ(Ｍ)、シアン(Ｃ)
の３色またはこれらにブラック(Ｋ)を加えた４色のトナ
ーを用い、これらのトナーで現像した画像を一旦中間転
写体の面に形成し、これを用紙に転写して定着させると
いう方式が採られる。

【０００４】このような電子写真プロセスにおいて階調
特性が変動する要因としては、経時変化は別として、例
えば、装置環境の温度や湿度を挙げることができる。環
境の温度や湿度の変動は、具体的には、以下のような影
響を電子写真プロセスに及ぼすことがある。

【０００５】装置環境の温度、湿度の変動により、感光
体上に形成される静電潜像の状態が変わり、次の現像工
程で形成される画像の濃度が変化する、上記の温度、湿
度の変動により、トナーの帯電状態が変わり、次の現像
工程で形成される画像の濃度が変化する、上記の環境温
度、湿度の変動により、感光ドラムから中間転写体への
転写率が変わり、中間転写体上に形成される画像の濃度
が変化する、上記の環境温度、湿度の変動により、中間
転写体から用紙への転写率が変わり、用紙上に形成され
る画像の濃度が変化する、上記の環境温度の変動により
定着温度が変わり、定着時のトナーの溶融度合いが変わ
るため、発色が変わる、などである。

【０００６】このように、装置環境の温度や湿度の変動
によって、電子写真プロセスの複数の工程において実現
される濃度特性などが変化することがある。

【０００７】これに対して行なわれるキャリブレーショ
ンの具体的処理は、例えば、中間転写体上に、電子写真
プロセスによって複数段階の階調値データに基いて複数
のパッチを形成するとともに、これらのパッチの濃度を
濃度センサで測定して上記階調値データの値とそれに対
応するパッチの測定濃度との関係である実際の印刷濃度
特性を求め、これに基いて、例えば濃度変換テーブルの
内容を、実現したい濃度特性を得るための変換関係に変
更する処理である。なお、キャリブレーションに際して
中間転写体上に形成した複数パッチのパターンは、その
後の印刷のため、濃度センサによる測定の後に消去され
ることはもちろんである。

【０００８】図１は中間転写体上に形成されるパッチパ
ターンの一例を模式的に示す図である。同図において、
１１はパッチパターン全体を示し、このパターンは、パ
ッチデータが、２０％濃度のパッチ１２、４０％濃度の
パッチ１３、６０％濃度のパッチ１４および８０％濃度
のパッチ１５からなり、それぞれ矩形をなすものであ
る。なお、ここでいう濃度とは、例えば、パッチデータ
がディザを用いた二値化によって最終的にプリンタのパ
ッチ印刷データとされたときの、トナーによりドットが
形成される画素の割合に対応するものである。

【０００９】図２は、中間転写体上に形成されたパッチ
の濃度を測定する構成を模式的に示す図である。同図に
示すように、中間転写体２１上に形成されたパッチパタ
ーン１１のそれぞれのパッチは、中間転写体２１の周囲
における所定箇所に設けられた濃度センサ２３によって
それぞれの濃度が測定され、その測定データはプリンタ
の制御部であるプリンタコントローラ２４へ送られる。
そして、プリンタコントローラ２４は、この測定データ
に基き、次に図３(ａ)〜(ｃ)にて説明されるような、濃
度変換特性データを作成する。

【００１０】図３(ａ)は上述したパッチのパッチデータ
が示す濃度と実際に測定された濃度との関係を示す図で
あり、上記のパッチの印刷とその測定によって得ること
ができるデータである。図３(ａ)において黒丸で示した
四つの点は、それぞれ濃度が２０％、４０％、６０％、
８０％のパッチデータに対し、それによって印刷される
パッチの測定濃度を示すものである。そして、これらの
四つの点から内挿などにより図３(ａ)において実線で示
される特性を算出する。この算出した印刷特性は、キャ
リブレーションの対象であるプリンタ、すなわち上記パ
ッチパターンを印刷したプリンタの実際の印刷特性を示
すものである。これに対し、同図中、破線で示される曲
線が印刷データの濃度補正によって実現しようとする特
性(以下、理想特性と称する)であるとする。この特性
は、印刷データが示す濃度とそれによって実際に印刷で
実現される濃度とが線形の関係を有したものであり、こ
れにより、印刷データが示す画像の階調性が印刷画像に
おいてそのまま維持されることになる。

【００１１】図３(ｂ)に示す曲線は、上記の理想特性を
実現する濃度補正の変換特性を示す図である。これは、
図３(ａ)の実線で示す印刷濃度特性の、破線で示す理想
特性の曲線に関する逆関数を求めることによって得るこ
とができる。このように求めた変換特性データは、印刷
データの画像処理における濃度変換テーブルの新たな内
容とされるべくテーブルデータの更新が行なわれ、これ
によってキャリブレーションが完了する。

【００１２】図３(ｃ)は、以上のようにキャリブレーシ
ョンがなされた印刷装置によって印刷する場合の、印刷
データが示す濃度レベルと実際の印刷濃度との関係を示
すものであり、これらの関係は理想特性となる。カラー
の印刷装置の場合、Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋそれぞれについて、
図３(ｂ)に示す変換特性を求め、その濃度変換特性に従
って印刷データを変換することにより、目的の色を表現
することができる。

【００１３】なお、以上では４段階の濃度のパッチを印
刷する例について説明したが、より多くの段階の濃度に
ついてパッチの印刷および測定などを行なってもよい。
ただ、濃度段階を多くするほど処理すべき情報量の増
加、パッチ読み取り回数の増加によってキャリブレーシ
ョン処理全体の所要時間は増加する場合がある。また、
パッチを印刷するのは中間転写体に限られず、通常の印
刷と同様、用紙にパッチを印刷してもよく、これを濃度
計やより簡易なスキャナなどによって読取り濃度測定を
行なうことも知られている。

【００１４】以上説明したキャリブレーションは、前述
したように、印刷装置の印刷特性が、その環境の温度や
湿度の変動に応じて変化する傾向があることから、一般
には、こられの温度、湿度の比較的大きな変動があると
想定されるときやそのような変動を検知したときなどに
行なわれる。例えば、印刷装置の電源立ち上げ時や連続
印刷によって機内温度が変動したとき、また、印刷枚数
をカウントしそれが一定量を超えたとき、さらには、電
源立ち上げから所定時間が経過したときに実行される。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
キャリブレーションを行なうタイミングに関して、これ
をユーザが任意に設定できない点で問題を生じることが
あった。すなわち、以上の説明のように、キャリブレー
ションは印刷画像の良好な階調性など印刷品位を適切な
ものとすることを目的としてなされるのが一般的であ
る。しかし、ユーザが印刷される画像のうちある画像に
ついて特別に適切な印刷品位を得たいと望んでも、従来
のキャリブレーション実行タイミングでは、必ずしもそ
の印刷の前にキャリブレーションが実行されるわけでは
ない。このため、印刷品位について一定以上のものが確
保されるものの、特に、キャリブレーション実行タイミ
ングについてユーザの自由な設定に対処できないという
問題があった。

【００１６】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、印刷す
る対象との関係でユーザの望むタイミングでキャリブレ
ーションを実行することが可能な印刷システム、印刷装
置、印刷制御装置および印刷方法を提供することにあ
る。

【００１７】

【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
印刷装置を有し該印刷装置によって印刷を行なうための
印刷システムであって、該印刷システムのキャリブレー
ションを実行可能な印刷システムにおいて、キャリブレ
ーションの実行タイミングを、印刷する対象に関連させ
たユーザの指定に応じて設定するための設定手段と、該
設定手段が設定したタイミングでキャリブレーションを
実行する実行手段と、を具えたことを特徴とする。

【００１８】また、印刷を行なうための印刷装置であっ
て、該装置のキャリブレーションを実行可能な印刷装置
において、印刷する対象に関連させたユーザの指定に応
じて設定されたキャリブレーションの実行タイミング情
報を入力する入力手段と、該入力手段が入力したタイミ
ング情報に従ったタイミングでキャリブレーションを実
行する実行手段と、を具えたことを特徴とする。

【００１９】さらに、印刷装置を有し該印刷装置によっ
て印刷を行なうための印刷制御装置であって、印刷装置
のキャリブレーションを実行可能な印刷制御装置におい
て、キャリブレーションの実行タイミングを、印刷する
対象に関連させたユーザの指定に応じて設定するための
設定手段と、該設定手段が設定したタイミングでキャリ
ブレーションを実行する実行手段と、を具えたことを特
徴とする。

【００２０】さらに、印刷を行なうための印刷装置の印
刷方法であって、該印刷装置のキャリブレーションを実
行可能な印刷方法において、キャリブレーションの実行
タイミングを、印刷する対象に関連させたユーザの指定
に応じて設定し、該設定したタイミングでキャリブレー
ションを実行する、ステップを有したことを特徴とす
る。

【００２１】以上の構成によれば、キャリブレーション
の実行タイミングが、印刷する対象に関連させたユーザ
の指定に応じて設定され、この設定したタイミングでキ
ャリブレーションが実行されるので、例えば、ユーザが
あるページの印刷は特別に色再現性や階調性が良好な品
位の高い印刷を望む場合に、それに応じてそのページの
印刷の前にキャリブレーションを実行して上記の色再現
性などを適切なものとすることができる。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。

【００２３】＜実施形態１＞図４は、本発明の一実施形
態にかかる印刷システムの構成を示すブロック図であ
る。

【００２４】図４に示すように、本実施形態の印刷シス
テムは、ネットワーク４９１を介してホストコンピュー
タ４８１と複数のプリンタ４１１、４２１、４３１とが
接続されることによって構成される。プリンタやホスト
コンピュータはさらに接続されてもよく、この場合、そ
れぞれのホストコンピュータは、ネットワークに接続さ
れる複数のプリンタのいずれかを選択して印刷を行なわ
せることができる。

【００２５】印刷装置としてのそれぞれのプリンタ４１
１(４２１、４３１)は、一例として、レーザビームによ
る電子写真プロセスを用いたプリンタ(ＬＢＰ)である。
それぞれのプリンタにおいて、プリンティングエンジン
４１２は、レーザユニット、感光ドラム、中間転写体、
定着器、用紙搬送機構などを有した電子写真プロセス部
４１３を備える印刷機構であり、プリンタコントローラ
からの印刷データに基いて印刷動作を行ない、用紙上に
画像(本明細書では、文字等、印刷される対象全てを含
む)を形成する。中間転写体の周囲の所定の箇所には濃
度センサ４１４が設けられ、これにより、キャリブレー
ションの際、中間転写体上に形成されたパッチの濃度を
測定することができる。また、プリンタの所定の箇所に
は、プリンタの環境の湿度を検知する湿度センサ４１
５、同様の温度を検知する温度センサ４１６が設けられ
る。以上の要素を有するプリンティングエンジン４１２
内には、プリンティングエンジンの動作を制御する制御
部(不図示)を有し、この制御部はまた、濃度センサ４１
４が検知する濃度情報、湿度センサ４１５が検知する湿
度情報、温度センサ４１６が検知する温度情報を、後述
する機内通信路４１８を介してプリンタコントローラ４
１７に送信する。

【００２６】プリンタコントローラ４１７は、プリンタ
における画像処理などのデータ処理やプリンティングエ
ンジンなど構成要素の動作を制御するものであり、ＲＯ
Ｍ、ＲＡＭを用いたマイクロプロセッサ形態のものであ
る。プリンタコントローラ４１７は、機内通信路４１８
を介してプリンティングエンジン４２２と信号の授受が
可能であり、例えば、印刷すべき画像の印刷データをプ
リンティングエンジン４１２に転送する。なお、プリン
タコントローラ４１７は、後述されるキャリブレーショ
ンの直接の更新対象である濃度変換テーブルなどを用い
た画像処理や二値化処理をも実行する。

【００２７】プリンタコントローラ４１７において構成
されるキャリブレーション処理部４１９は、印刷した枚
数、前回キのャリブレーションを行なってからの経過時
間、さらには、プリンティングエンジン４１２の温度セ
ンサ４１６、湿度センサ４１５からの温度情報、湿度情
報に基づいて、キャリブレーション実行のタイミングを
判断し、また、キャリブレーションを実行する。このキ
ャリブレーション実行等の他、キャリブレーション処理
部４１９は、図５、図６にて後述される、キャリブレー
ション実行タイミングの設定およびそれに応じたキャリ
ブレーション実行についても制御する。上記実行タイミ
ングの設定は、ユーザが、ホストコンピュータ４８１に
おいてキーボードやマウスなどの入力デバイスを用いた
操作により、図５、図６にて後述されるようなタイミン
グの設定を行ない、その設定情報がネットワーク４９１
を介してプリンタコントローラ４１７に送られることに
より設定されるものである。

【００２８】キャリブレーション処理部４１９は、その
キャリブレーションに関した基本的な制御として、機内
通信路４１８を介して、プリンティングエンジン４１２
に対して温度センサ４１６が検知する温度情報を取得す
るコマンドを発行して温度情報を取得する。同様に、プ
リンティングエンジン４１２に対して湿度センサ４１５
が検知する湿度情報を取得するコマンドを発行して湿度
情報を取得する。また、プリンティングエンジン４１２
に対して、電子写真プロセス部４１３内の中間転写体上
にパッチパターンを形成し、これを濃度センサ４１４に
よって測定して得た濃度情報を順次取得するコマンドを
発行することによりキャリブレーションに関する濃度情
報を取得する。

【００２９】本印刷システムにおける印刷制御装置とし
てのホストコンピュータ４８１は、所定のアプリケーシ
ョンを用いて、以上説明したプリンタで印刷する画像を
作成する処理を行なうとともに、インストールされたプ
リンタドライバを用いてプリンタの印刷実行を制御す
る。すなわち、プリンタに対して印刷コマンドおよびこ
の作成した印刷データを送るなどの処理を行なう。

【００３０】なお、本実施形態では、図５、図６を参照
して以下で説明されるように、キャリブレーションに関
する処理のほとんどをプリンタ側で行なうものとする
が、プリンタからパッチ測定データをホストコンピュー
タに送り、これに基く濃度変換テーブルデータの作成な
どの処理を、ホストコンピュータにおいて行なってもよ
い。この場合、キャリブレーションによる更新の対象で
ある濃度変換テーブルや二値化処理などの画像処理構成
についてもホストコンピュータが有し、最終的に二値化
した印刷データをプリンタに送る構成とすることもでき
る。

【００３１】図５は、以上説明した印刷システムによる
キャリブレーションの処理手順を示すフローチャートで
ある。図に示すステップのうち、ステップＳ５０１、Ｓ
５０２はホストコンピュータ４８１による処理を示し、
ステップＳ５０３〜Ｓ５０７はプリンタにより処理を示
す。

【００３２】ステップＳ５０１で、ホストコンピュータ
４８１は、印刷データにおいて、キャリブレーションを
実行するページに関する設定を行なう。これは、ユーザ
が、プリンタドライバによる走査画面上で、印刷ページ
のうちその直前にキャリブレーション実行を望むページ
を指定することによって行なう。

【００３３】これにより、例えば、文字原稿と写真原稿
が混在する印刷データの場合、写真原稿に関して、最適
な色再現性や階調性を実現したいと望む場合、写真画像
を含むページを指定し、その指定した写真画像の印刷の
直前に、キャリブレーション処理が実行されるように設
定を行なうことができる。ここでは、写真原稿が複数存
在する場合は、指定ページを複数設定することができ
る。

【００３４】以上の設定を終了すると、ステップＳ５０
２で、印刷を開始すべくプリンタ４１１に対して印刷ス
タートのコマンドを印刷データともに送付する。

【００３５】これに対し、プリンタ４１１はステップＳ
５０３において、ホストコンピュータ４８１からネット
ワーク４９１を介して送られてきた印刷データを受信
し、これをプリントコントローラ４１７で解析する過程
で、ユーザによるキャリブレーション実行タイミングの
設定があるか否かを判断する。

【００３６】キャリブレーション実行を指定するページ
がある場合、ステップＳ５０４へ進み、キャリブレーシ
ョン実行にかかる指定ページの前のページまでの印刷処
理を実行するが、指定ページが複数ある場合は、最初の
指定ページとその次の指定ページの前のページまでの印
刷ページ数を求めるとともに、そのページの印刷データ
を以下で説明する二番目の印刷処理(Ｓ５０６)で印刷を
行なうべくデータ設定をする。

【００３７】ステップＳ５０４で、指定ページの前まで
の印刷を実行し、これが終了すると、ステップＳ５０５
で、キャリブレーション処理部４１９はプリンティング
エンジン４１２へキャリブレーション実行の指示を行
い、図１〜図３にて説明したキャリブレーションが実行
される。そして、このキャリブレーションで得られる濃
度変換特性データは濃度変換テーブルのデータとして設
定され、次の指定ページおよび上記ステップＳ５０４で
設定したそれ以降の印刷ページの画像処理に用いられ
る。

【００３８】キャリブレーションおよびそれに基く画像
処理が終了すると、ステップＳ５０６で、上記画像処理
によって得られた印刷データに基いて、指定ページおよ
びそれ以降のページの印刷処理を実行する。これによ
り、少なくとも指定したページは、キャリブレーション
が行なわれた直後に印刷が行なわれるため、階調性や色
再現性が最も適切な状態で印刷を行なうことが可能とな
る。

【００３９】次のステップＳ５０７では、キャリブレー
ションを指定するページの設定が複数あるか否かについ
て判断し、複数ページの指定ではないときは、本処理を
終了する。一方、複数ページの指定があるときは、ステ
ップＳ５０３に戻り、次の指定ページとその次の指定ペ
ージ情報に基づき、上記と同様、その次の指定ページの
前のページまでの印刷ページ数を求めるとともに、その
ページの印刷データを二番目の印刷処理(Ｓ５０６)で印
刷を行なうべくデータ設定をし、それ以降の処理を上記
と同様に実行する。以上の処理を繰り返し、指定ページ
の設定がないと判断すると(Ｓ５０７)、本処理を終了す
る。

【００４０】ステップＳ５０３において、キャリブレー
ションに関する指定ページの設定がないと判断したとき
は、全てのページの印刷処理を行なうべくデータ設定を
行ない、ステップＳ５０６へ移行してその印刷を実行す
る。

【００４１】なお、上述した印刷処理の途中で、上述し
たユーザの設定によるものでない、例えば印刷枚数が所
定量に達したり、プリンティングエンジンの環境温度が
所定温度以上となったことによるキャリブレーション要
求があったときは、それに応じてキャリブレーションを
行なうようにしてもよい。

【００４２】図６は、キャリブレーションに関するユー
ザによる設定がページの指定でなく、印刷部数の設定で
ある場合の処理を示すフローチャートである。この設定
は、ユーザが図５に示したページ指定の設定との間で選
択できるものである。

【００４３】ホストコンピュータ４８１は、ステップＳ
６０１で、ページ指定の場合と同様、ユーザの操作に応
じて、１ページ分の印刷データにおいてその直前にキャ
リブレーションを実行することを望む場合の印刷の部数
を設定する。

【００４４】例えば、写真画像等を含んだ同じ資料に関
するページを、グループの全員に配布する分について最
適な色再現性および階調性で印刷したいと望む場合、そ
の設定部数を印刷する直前にキャリブレーションが実行
されるように設定を行なう。

【００４５】以上の設定を終了すると、ステップＳ６０
２で、印刷をスタートすべくプリンタにコマンドを送
る。

【００４６】これに対し、プリンタ４１１は、ステップ
Ｓ６０３において、ホストコンピュータ４８１から送ら
れてきた印刷データをプリントコントローラ４１７で解
析し、キャリブレーションに関する印刷部数の設定があ
るか否かについて判断する。ここで、印刷部数の設定が
あると判断したときは、ステップＳ６０４へ進みキャリ
ブレーションを実行する。ここで、部数は同じである
が、異なる印刷対象についてそれぞれ部数の設定がある
ときは、設定順にその部数の印刷を実行すべく処理を行
なう。

【００４７】次のステップＳ６０４では、このように判
断された部数を印刷する前にキャリブレーションを実行
すべく、キャリブレーション処理部４１９はプリンティ
ングエンジン４１２へキャリブレーション実行の指示を
行うことにより、キャリブレーションが実行される。そ
して、このキャリブレーションが終了すると、ステップ
Ｓ６０５で上記設定にかかる部数の印刷を行なう。

【００４８】印刷を終了すると、ステップＳ６０６で、
他の部数の設定があるか否かについて判断し、ある場合
はステップＳ６０３の処理ヘ戻り、ない場合は、本処理
を終了する。一方、ステップＳ６０３において、キャリ
ブレーションに関する部数の設定がないと判断したとき
は、ステップＳ６０７へ移行し、一部のみの印刷を実行
して、本処理を終了する。

【００４９】なお、以上の図５、図６に示したキャリブ
レーションに関する処理のうち印刷以外の処理は、前述
したように、ホストコンピュータで行なってもよく、こ
の場合、図５に示す二つの印刷処理の印刷データは、そ
の都度プリンタへ送るようにする。

【００５０】＜実施形態２＞図６に示した処理は、設定
する部数は固定されていたが、本実施形態は設定する部
数自体についても任意に設定できるものである。

【００５１】例えば、設定値を５、２０、１０部と設定
した場合、ステップＳ６０２で印刷をスタートすべくコ
マンド送付すると、プリンタ４１１は、図６にて上述し
たのと同様、キャリブレーションに関する印刷部数の設
定があるか否かについて判断する。

【００５２】ここで、最初に、５部印刷する旨の設定で
あると判断したときは(Ｓ６０３)、キャリブレーション
を実行し(Ｓ６０４)、次に、設定部数５部の印刷処理を
実行する(Ｓ６０５)。

【００５３】設定部数の印刷処理を終了すると、さらに
部数の設定があるか否かの判断を行う(Ｓ６０６)。この
場合、次の設定は２０部であることから、ステップＳ６
０３へ移行し、以降同様に、キャリブレーションおよび
２０部の印刷処理を実行する。同様に、キャリブレーシ
ョンおよび最後の設定となる１０部の印刷を終了する
と、本処理を終了する。

【００５４】この実施形態によれば、ユーザが自由な部
数でキャリブレーション処理を選択でき、例えば、複数
のグループそれぞれの人数が異なる場合などにその人数
に応じた資料等の印刷を常に適切な品位で行なうことが
可能となる。

【００５５】＜他の実施形態＞本発明は上述のように、
複数の機器（たとえばホストコンピュータ、インタフェ
ース機器、リーダ、プリンタ等）から構成されるシステ
ムに適用しても一つの機器（たとえば複写機、ファクシ
ミリ装置）からなる装置に適用してもよい。

【００５６】また、前述した実施形態の機能を実現する
ように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイ
スと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータ
に、前記実施形態機能を実現するための、図５、図６に
示したソフトウェアのプログラムコードを供給し、その
システムあるいは装置のコンピュータ（ＣＰＵあるいは
ＭＰＵ）を格納されたプログラムに従って前記各種デバ
イスを動作させることによって実施したものも本発明の
範疇に含まれる。

【００５７】またこの場合、前記ソフトウェアのプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコード自体、およびそのプロ
グラムコードをコンピュータに供給するための手段、例
えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発
明を構成する。

【００５８】かかるプログラムコードを格納する記憶媒
体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハー
ドディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ＣＤ−ＲＯ
Ｍ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ＲＯＭ等を
用いることができる。

【００５９】またコンピュータが供給されたプログラム
コードを実行することにより、前述の実施形態の機能が
実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコン
ピュータにおいて稼働しているＯＳ（オペレーティング
システム）、あるいは他のアプリケーションソフト等と
共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもか
かるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれるこ
とは言うまでもない。

【００６０】さらに供給されたプログラムコードが、コ
ンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続され
た機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後その
プログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボード
や機能格張ユニットに備わるＣＰＵ等が実際の処理の一
部または全部を行い、その処理によって前述した実施形
態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言
うまでもない。

【００６１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
キャリブレーションの実行タイミングが、印刷する対象
に関連させたユーザの指定に応じて設定され、この設定
したタイミングでキャリブレーションが実行されるの
で、例えば、ユーザがあるページの印刷は特別に色再現
性や階調性が良好な品位の高い印刷を望む場合に、それ
に応じてそのページの印刷の前にキャリブレーションを
実行して上記の色再現性などを適切なものとすることが
できる。

【００６２】この結果、キャリブレーションに関してユ
ーザに使い勝手のよい印刷システムを提供することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】印刷システムのキャリブレーションに用いるパ
ッチパターンの一例を模式的に示す図である。

【図２】上記パッチパターンにおけるパッチの濃度測定
を説明する模式図である。

【図３】(ａ)〜(ｃ)は、上記パッチ濃度の測定データに
基く濃度変換データの作成を説明する図である。

【図４】本発明の一実施形態にかかる印刷システムの構
成を示すブロック図である。

【図５】上記印刷システムにおいて実施されるキャリブ
レーション処理のうち、キャリブレーションを指定ペー
ジごとに実行する処理の手順を示すフローチャートであ
る。

【図６】同様のキャリブレーション処理のうち、キャリ
ブレーションを指定部数ごとに実行する処理の手順を示
すフローチャートである。

【符号の説明】

４１１、４２１、４３１ プリンタ ４１２ プリンティングエンジン ４１３ 電子写真プロセス部 ４１４ 濃度センサ ４１５ 湿度センサ ４１６ 温度センサ ４１７ プリンタコントローラ ４１８ 機内通信路（内部バス） ４１９ キャリブレーション処理部 ４８１ ホストコンピュータ ４９１ ネットワーク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０６Ｆ 3/12 Ｇ０６Ｆ 3/12 Ｌ Ｈ０４Ｎ 1/407 Ｈ０４Ｎ 1/40 １０１Ｅ Ｆターム(参考） 2C061 AP01 AP03 AP04 AQ06 AR01 HK10 HK14 HK15 HK19 HN06 HN15 HX10 2H027 DA09 DA11 DA14 DE02 EB03 EB04 EC03 EC06 EC07 EC18 FA30 FA35 FB15 ZA07 5B021 AA01 BB01 LG08 NN00 5C077 LL01 LL12 LL19 MP01 MP08 NN08 NP01 PP15 PP33 PP37 PP74 RR02 SS02 TT03

Claims (24)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷装置を有し該印刷装置によって印刷
   を行なうための印刷システムであって、該印刷システム
   のキャリブレーションを実行可能な印刷システムにおい
   て、 キャリブレーションの実行タイミングを、印刷する対象
   に関連させたユーザの指定に応じて設定するための設定
   手段と、 該設定手段が設定したタイミングでキャリブレーション
   を実行する実行手段と、を具えたことを特徴とする印刷
   システム。
2. 【請求項２】 前記設定手段は、複数ページの印刷を行
   なう印刷対象についてユーザが指定したページの印刷の
   前にキャリブレーションを実行するよう設定することを
   特徴とする請求項１に記載の印刷システム。
3. 【請求項３】 前記設定手段は、前記ページの指定を複
   数行なうことができることを特徴とする請求項２に記載
   の印刷システム。
4. 【請求項４】 前記設定手段は、複数部数の印刷を行な
   う印刷対象についてユーザが指定した部数を印刷する前
   にキャリブレーションを実行するよう設定することを特
   徴とする請求項１に記載の印刷システム。
5. 【請求項５】 前記設定手段は、前記部数の指定を複数
   行なうことができることを特徴とする請求項４に記載の
   印刷システム。
6. 【請求項６】 前記印刷システムは、印刷装置に対する
   ホスト装置をさらに具え、ユーザは、前記ホスト装置に
   おける操作を介して前記指定を行なうことを特徴とする
   請求項１ないし５のいずれかに記載の印刷システム。
7. 【請求項７】 印刷を行なうための印刷装置であって、
   該装置のキャリブレーションを実行可能な印刷装置にお
   いて、 印刷する対象に関連させたユーザの指定に応じて設定さ
   れたキャリブレーションの実行タイミング情報を入力す
   る入力手段と、 該入力手段が入力したタイミング情報に従ったタイミン
   グでキャリブレーションを実行する実行手段と、を具え
   たことを特徴とする印刷装置。
8. 【請求項８】 前記タイミング情報は、複数ページの印
   刷を行なう印刷対象についてユーザが指定したページの
   印刷の前にキャリブレーションを実行するものであるこ
   とを特徴とする請求項７に記載の印刷装置。
9. 【請求項９】 前記タイミング情報は、前記ページの指
   定について複数のタイミングでキャリブレーションを実
   行するものであることを特徴とする請求項８に記載の印
   刷装置。
10. 【請求項１０】 前記タイミング情報は、複数部数の印
    刷を行なう印刷対象についてユーザが指定した部数を印
    刷する前にキャリブレーション実行するものであること
    を特徴とする請求項７に記載の印刷装置。
11. 【請求項１１】 前記タイミング情報は、前記部数の指
    定について複数のタイミングでキャリブレーションを実
    行するものであることを特徴とする請求項７に記載の印
    刷装置。
12. 【請求項１２】 前記タイミング情報は、前記印刷装置
    に対するホスト装置において、ユーザの操作を介して設
    定されることを特徴とする請求項７ないし１１のいずれ
    かに記載の印刷装置。
13. 【請求項１３】 印刷装置を有し該印刷装置によって印
    刷を行なうための印刷制御装置であって、印刷装置のキ
    ャリブレーションを実行可能な印刷制御装置において、 キャリブレーションの実行タイミングを、印刷する対象
    に関連させたユーザの指定に応じて設定するための設定
    手段と、 該設定手段が設定したタイミングでキャリブレーション
    を実行する実行手段と、を具えたことを特徴とする印刷
    制御装置。
14. 【請求項１４】 前記設定手段は、複数ページの印刷を
    行なう印刷対象についてユーザが指定したページの印刷
    の前にキャリブレーションを実行するよう設定すること
    を特徴とする請求項１３に記載の印刷制御装置。
15. 【請求項１５】 前記設定手段は、前記ページの指定を
    複数行なうことができるすることを特徴とする請求項１
    ４に記載の印刷制御装置。
16. 【請求項１６】 前記設定手段は、複数部数の印刷を行
    なう印刷対象についてユーザが指定した部数を印刷する
    前にキャリブレーションを実行するよう設定することを
    特徴とする請求項１３に記載の印刷制御装置。
17. 【請求項１７】 前記設定手段は、前記部数の指定を複
    数行なうことができることを特徴とする請求項１６に記
    載の印刷制御装置。
18. 【請求項１８】 印刷を行なうための印刷装置の印刷方
    法であって、該印刷装置のキャリブレーションを実行可
    能な印刷方法において、 キャリブレーションの実行タイミングを、印刷する対象
    に関連させたユーザの指定に応じて設定し、 該設定したタイミングでキャリブレーションを実行す
    る、ステップを有したことを特徴とする印刷方法。
19. 【請求項１９】 前記設定ステップは、複数ページの印
    刷を行なう印刷対象についてユーザが指定したページの
    印刷の前にキャリブレーションを実行するよう設定する
    ことを特徴とする請求項１８に記載の印刷方法。
20. 【請求項２０】 前記設定ステップは、前記ページの指
    定を複数行なうことができることを特徴とする請求項１
    ９に記載の印刷方法。
21. 【請求項２１】 前記設定ステップは、複数部数の印刷
    を行なう印刷対象についてユーザが指定した部数を印刷
    する前にキャリブレーションを実行するよう設定するこ
    とを特徴とする請求項１８に記載の印刷方法。
22. 【請求項２２】 前記設定ステップは、前記部数の指定
    を複数行なうことができることを特徴とする請求項２１
    に記載の印刷方法。
23. 【請求項２３】 印刷を行なうための印刷装置の印刷処
    理であって、印刷装置のキャリブレーションを実行可能
    な印刷処理を実行するためのプログラムにおいて、 前記印刷処理は、 キャリブレーションの実行タイミングを、印刷する対象
    に関連させたユーザの指定に応じて設定し、 該設定したタイミングでキャリブレーションを実行す
    る、ステップを有することを特徴とするプログラム。
24. 【請求項２４】 印刷を行なうための印刷装置の印刷処
    理であって、印刷装置のキャリブレーションを実行可能
    な印刷処理を実行するためのプログラムを記憶した記憶
    媒体において、 前記印刷処理は、 キャリブレーションの実行タイミングを、印刷する対象
    に関連させたユーザの指定に応じて設定し、 該設定したタイミングでキャリブレーションを実行す
    る、ステップを有することを特徴とする記憶媒体。