JP2003023310A - 電力分配回路及び電力合成回路 - Google Patents

電力分配回路及び電力合成回路

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JP2003023310A
JP2003023310A JP2001205832A JP2001205832A JP2003023310A JP 2003023310 A JP2003023310 A JP 2003023310A JP 2001205832 A JP2001205832 A JP 2001205832A JP 2001205832 A JP2001205832 A JP 2001205832A JP 2003023310 A JP2003023310 A JP 2003023310A
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impedance
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Naoki Akiba
直樹 秋庭
Hidekazu Hase
英一 長谷
Ryoichi Ito
良一 伊藤
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力分配回路または電力合成回路の周波数特性
を維持しつつ、十分な機械的強度を持つ基板厚で実現で
きる電力分配回路および電力合成回路を提供する。 【解決手段】電力分配回路または電力合成回路と、入力
端子、または出力端子、あるいは入力端子および出力端
子、との間にインピーダンス整合回路を接続し、電力分
配回路または電力合成回路を特性インピーダンスが高い
値のまま、あるいは低い値のまま構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信装置等に
用いられる高周波回路に用いられる電力分配回路および
電力合成回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無線通信装置等に用いられる高周波回路
では、出力増大の目的で増幅器を並列接続するために、
電力分配回路や電力合成回路が用いられる。図2〜図7
によって、従来の電力分配回路(または電力合成回路)
を説明する。図2は、一般的なマイクロストリップライ
ンの伝送線路の断面の概略を示す図である。図2は、厚
み H[単位:mm ]で比誘電率εr の誘電体基板につい
て、誘電体基板の下面全面に導体を貼り付けて接地面と
し、上面には幅 W[単位:mm]の導体を貼り付けて伝送
線路を構成したものである。このとき、形成された伝送
線路の特性インピーダンスは、基板厚 H 、比誘電率εr
、線路幅 W によって定まることが一般的に知られてい
る。マイクロストリップラインによる伝送線路の特性イ
ンピーダンスの算出式は、例えば、「マイクロ波回路の
基礎とその応用」1992年、小西良弘著、総合電子出
版社刊、p55 〜 p57 に記載されている。
【0003】図3は、無線通信装置等に用いられる、ハ
イブリッド回路と呼ばれる伝送線路による分布定数素子
を用いた従来の電力分配回路のパターン図の一例を示す
図である。11 は入力端子、12 と 13 は出力端子、15
〜 18 はマイクロストリップラインの伝送線路、14
は、一端が伝送線路 15 と 16 に接続し、他端が接地側
と接続している抵抗値 R14 の抵抗である。また、入力
端子 11 は、伝送線路 15と 18 とに接続し、出力端子
12 は、伝送線路 18 と 17 とに接続し、出力端子 13
は、伝送線路 17 と 16 とに接続している。尚、電力合
成回路の場合には、図3のハイブリッド回路のパターン
図の構成でで、12 と 13 を入力端子、11 を出力端子と
すればよい。
【0004】基板厚 H 、比誘電率εr 、線路幅 W を適
切な値にすることによって、図3のハイブリッド回路は
適切な特性を有することになる。即ち、図3において、
入力端子 11 から見たこのハイブリッド回路の特性イン
ピーダンスと、出力端子 12 から見たこのハイブリッド
回路の特性インピーダンスと、出力端子 13 から見たこ
のハイブリッド回路の特性インピーダンスは、全て、等
しい値 ZL を持つ。また、伝送線路 15 と伝送線路 17
は、線路幅 W3 で、線路長 λ/4(λは管内波長)であ
り、それぞれの特性インピーダンスは等しく( = Z
W3 )、入力端子 11 、出力端子 12 、13 から見たこの
ハイブリッド回路の特性インピーダンス ZL と同じ値と
なる( ZW3 = ZL )。更に、伝送線路 16 と伝送線路 1
8 は、線路幅 W4 で、線路長 λ/4 であり、それぞれの
特性インピーダンスは等しく(= ZW4 )、入力端子 11
、出力端子 12 、13 から見たこのハイブリッド回路の
特性インピーダンス ZL の 1 / √2 倍の値( ZW4 = ZL
/ √2 )となることが知られている。このことは、例
えば、「マイクロ波平面回路の CAD 設計I- 受動回
路」1996年、川崎繁男・中谷彰文著、REALIZE INC
刊、p118 〜 p120 に記載されている。
【0005】図3に示したハイブリッド回路の物理寸法
としては、例えば、使用する誘電体基板の比誘電率εr
= 5 、基板厚 H = 0.8 mm 、使用する信号の中心周波数
を 0.5 GHz としたとき、λ/4 = 77.325 mm (λは管
内波長)で、幅 W3 = 1.362 mm 、幅 W4 = 2.346 mm と
なる。
【0006】図4と図5に、図3に示したハイブリッド
回路の伝送特性の計算値を示す。図4は、図3のハイブ
リッド回路の挿入損失の計算値の周波数特性を示す図で
ある(横軸:周波数[単位:GHz ]、縦軸:挿入損失
[単位:dB ])。また図5は、図3のハイブリッド回
路の反射損失の計算値の周波数特性を示す図である(横
軸:周波数[単位:GHz ]、縦軸:反射損失[単位:dB
])。図4の曲線(破線)19 は、図3に示した入力端
子 11 から信号電力を入力したときに出力端子 12 で得
られる挿入損失の周波数特性であり、曲線(実線)20
は、図3に示した入力端子 11 から信号電力を入力した
ときに出力端子 13 で得られる挿入損失の周波数特性で
ある。入力端子 11 から入射された電力は、0.5 GHz 付
近で、出力端子 12 と出力端子 13 にほぼ均等に分配さ
れている。図5の曲線 21 は、図3に示した入力端子 1
1 から信号電力を入力したときに、入力端子 11 で得ら
れる反射損失の周波数特性で、0.5 GHz 近辺で -20 dB
以上の十分な減衰量を確保している。尚、上記図4、図
5の他、本明細書の計算は、シミュレータを使用して行
っている。シミュレータとしては、例えば、ヒューレッ
ト・パッカード社のワークステーション HP 9000 MODE
L:C110(シミュレータ:HP Eesof Series IV )があ
る。
【0007】上述のハイブリッド回路の構造では、使用
する信号の周波数が高くなるに従い、線路長λ/4 の値
が小さくなるため、線路長λ/4 と線路幅 W3 の比{λ/
( 4× W3 )}と線路長λ/4 と線路幅 W4 の比{λ/
( 4 × W4 )}は、周波数が高いほど小さくなり、1
未満となる場合が生ずる。ただし、線路幅 W3 と線路幅
W4 の値が周波数に依存しないと仮定する。図3から
も、伝送線路 15 、伝送線路 16 、伝送線路 17 、及
び、伝送線路 18 のそれぞれの線路幅 W3 、W4 の値
が、線路長λ/4 を上回った場合に、ハイブリッド回路
の構成が不可能であることが分かる。このため、比{λ
/( 4 × W3 )}と比{λ/( 4 × W4 )}が、1 未満
のときには、ハイブリッド回路の構成は不可能となる。
【0008】図6は、基板の比誘電率εr が 5 のとき
の、図3のハイブリッド回路における線路長λ/4 と線
路幅 W4 の比{λ/( 4 × W4 )}の周波数特性を示す
図であり、特性インピーダンス ZL が 50 Ωのときに、
基板厚 H を 0.05 mm から 0.2 mm 、0.5 mm 、1 mm 、
2 mm と広げて計算したものである(横軸:周波数[単
位:GHz ]、縦軸:線路長λ/4 と線路幅 W4 の比)。
尚、図3のハイブリッド回路において線路長をλ/4 と
したが、現実には、線路幅と基板厚の比が大きいと、線
路長はλ/4 からずれる、また、線路幅は、線路を形成
する膜の厚みによっても変化する。このため、結果とし
て線路長はλ/4とはならない。しかし、ここでは、線路
幅が基板厚より十分小さく、線路を形成する膜の厚みを
無いものと理想化し、線路長をλ/4 としている。
【0009】尚、図3のハイブリッド回路における比
{λ/( 4 × W3 )}と比{λ/( 4× W4 )}を比較
すると、線路幅 W4 の特性インピーダンスは、線路幅 W
3 の特性インピーダンスの 1/√2 倍で、線路幅 W4 の
特性インピーダンスの値の方が小さく、線路幅 W3 より
線路幅 W4 の値の方が大きい。このため、比{λ/( 4
× W4 )}は、比{λ/( 4 × W3 )}より常に小さい
値となるので、図6には計算値として比{λ/( 4 × W
4 )}を用いた。更に、図6では、線路幅と基板厚の比
が大きいことによって変化する線路長λ/4 の値の影響
も考慮に入れて計算を行っている。
【0010】図6から、周波数が高くなるに従い、線路
長λ/4 と線路幅 W4 の比{λ/( 4× W4 )}が小さい
値となることが分かる。{λ/( 4 × W4 )}が 1 未
満となる周波数は、基板厚 H が 2 mm のとき約 6 GHz
、基板厚 H が 1 mm のとき約 12 GHz 、基板厚 H が
0.5 mm のとき約 25[GHz ]、基板厚Hが 0.2 mm のと
き約 64 GHz 、基板厚 H が 0.05 mm のとき 75 GHz と
なり、この各々の周波数以上ではハイブリッド回路の構
成が不可能となる。
【0011】このため、周波数の上限を高くするには、
基板厚 H を小さくすれば良いが、周波数により実用上
のハイブリッド回路の基板厚 H を小さくするには限界
がある。図7は、図3のハイブリッド回路の回路構成が
可能な最小基板厚と比誘電率との関係を示す図である
(横軸:比誘電率(対数)、縦軸:構成可能限界の基板
厚[単位:mm(対数)])。この図は、特性インピーダ
ンス ZL が 50 Ωのとき、及び、周波数が 3 GHz と 75
GHz のときに、線路長λ/4 と線路幅 W4 の比{λ/(
4 × W4 )}が 1 以下となる基板厚限界の基板厚 H と
基板の比誘電率εrの関係を計算した結果である。図7
に示したように、基板の比誘電率εr が大きいほど基板
厚を薄くすることができない制約がある。尚、周波数が
3 GHz のときの比誘電率εr と基板厚 Hの関係を表す
近似式(最小2乗法)としては、次の式(1) を用いた。
【数5】 上記の制約および問題点は、電力合成回路として用いる
ハイブリッド回路においても同様であることは言うまで
もない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術には、
ハイブリッド回路の各々の線路幅が周波数に依存しない
と仮定すると、周波数が高くなるに従い線路長が各々の
線路幅の値より小さくなり、電力分配回路や電力合成回
路等のハイブリッド回路が構成不可能となる欠点があっ
たまた、伝送線路の基板厚と線路幅の比の値は一定とい
う関係があり、基板厚の値が小さいほど、各々の線路幅
の値も小さくなる。このため基板を薄くすることで線路
長と各々の線路幅の比を大きくすることは可能だが、機
械的強度の面から実現は難しくなる欠点があった。本発
明の目的は、上記のような欠点を除去し、電力分配回路
および電力合成回路の周波数特性を維持しつつ、十分な
機械的強度を持つ基板厚で実現できる電力分配回路およ
び電力合成回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電力分配回路は、入力端子と出力端子の
少なくとも1つと、電力分配回路の間にインピーダンス
整合回路を接続し、電力分配回路の特性インピーダンス
が高い値のまま、あるいは低い値のまま構成するもので
ある。また、本発明の電力合成回路は、入力端子と出力
端子の少なくとも1つと、電力合成回路の間にインピー
ダンス整合回路を接続し、電力合成回路の特性インピー
ダンスが高い値のまま、あるいは低い値のまま構成する
ものである。
【0014】即ち、本発明の電力分配器は、入力端子と
出力端子及び伝送線路部とによって構成したハイブリッ
ド回路の電力分配回路において、入力端子及び出力端子
の少なくともいずれか1つと、伝送線路部との間にイン
ピーダンス整合回路を接続したものである。そして、伝
送線路部を外部インピーダンスより低いインピーダン
ス、あるいは高いインピーダンスで構成し、インピーダ
ンス整合回路によって、インピーダンス整合させたもの
である。
【0015】また、本発明の電力合成器は、入力端子と
出力端子及び伝送線路部とによって構成したハイブリッ
ド回路の電力合成回路において、入力端子及び出力端子
の少なくともいずれか1つと、伝送線路部との間にイン
ピーダンス整合回路を接続したものである。そして、伝
送線路部を外部インピーダンスより低いインピーダン
ス、あるいは高いインピーダンスで構成し、インピーダ
ンス整合回路によって、インピーダンス整合させたもの
である。
【0016】また、本発明の電力分配器は、比誘電率ε
r で厚さ H [単位:mm ]の誘電体基板と、誘電体基板
にマイクロストリップラインによって、入力端子と出力
端子及び伝送線路部とによって構成したハイブリッド回
路の電力分配回路において、
【数6】 を満たす範囲で、入力端子と出力端子の少なくともいず
れか1つと、ハイブリッド回路との間に、外部インピー
ダンスとインピーダンス整合させるためのインピーダン
ス整合回路を設け、ハイブリッド回路を外部のインピー
ダンスより高いインピーダンスまたは低いインピーダン
スで構成したものである。
【0017】また、本発明の電力合成器は、比誘電率ε
r で厚さ H [単位:mm ]の誘電体基板と、誘電体基板
にマイクロストリップラインによって、入力端子と出力
端子及び伝送線路部とによって構成したハイブリッド回
路の電力合成回路において、
【数7】 を満たす範囲で、入力端子と出力端子の少なくともいず
れか1つと、ハイブリッド回路との間に、外部インピー
ダンスとインピーダンス整合させるためのインピーダン
ス整合回路を設け、ハイブリッド回路を外部のインピー
ダンスより高いインピーダンスまたは低いインピーダン
スで構成したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施例につ
いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例の電力
分配回路のパターン図の一例を示す図である。1 は入力
端子、2 と 3は出力端子、5 〜 8 はマイクロストリッ
プラインの伝送線路、9-1 ,9-2 ,9-3 ,9-4 はインピ
ーダンス整合回路、4 は、一端がインピーダンス整合回
路 9-4に接続し、他端が接地側と接続している、抵抗値
R4 の抵抗である。そして、インピーダンス整合回路 9
-4 の他端は、伝送線路 5 と 6 とに接続している。ま
た、入力端子 1 は、インピーダンス整合回路 9-1 を介
して、伝送線路 5 と8 とに接続し、出力端子 2 は、イ
ンピーダンス整合回路 9-2 を介して、伝送線路 8 と 7
とに接続し、出力端子 3 は、インピーダンス整合回路
9-3 を介して、伝送線路 7 と 6 とに接続している。
【0019】図1において、入力端子 1 、出力端子 2
、及び、出力端子 3 の特性インピーダンスより低い値
で構成された電力分配回路本体 10 と、入力端子 1 、
出力端子 2 、及び、出力端子 3 の間に、それぞれイン
ピーダンス整合回路 9-1 〜9-4 を接続している。抵抗
4 は、インピーダンス整合回路 9-4 にインピーダンス
整合する任意の値である。また、伝送線路 6 と伝送線
路 8 の線路幅 W2 の特性インピーダンス Z6 と Z8 は
等しく、伝送線路 5 と伝送線路 7 の線路幅 W1 の特性
インピーダンス Z5 とZ7 の 1/√2 倍の値を持つ。
尚、このときの伝送線路 5 、伝送線路 6、伝送線路 7
、及び、伝送線路 8 の線路長は、λ/4(λは管内波
長)とする。尚、電力合成回路の場合には、図1のハイ
ブリッド回路のパターン図の構成で、2 と 3 を入力端
子、1 を出力端子とすればよい。
【0020】図8は、本発明の電力分配回路の一実施例
の平面回路パターン図である。使用した誘電体基板は、
比誘電率εr が 9.8 、厚み H が 0.381 mm のアルミナ
基板である。中心周波数は 44 GHz とした。22 は入力
端子、23 と 24 は出力端子、30 〜 33 はマイクロスト
リップラインの伝送線路、26 〜 29 はインピーダンス
整合回路、25 は、一端がインピーダンス整合回路 29
に接続し、他端が接地側と接続している、抵抗値 R25
の抵抗である。そして、インピーダンス整合回路29 の
他端は、伝送線路 30 と 31 とに接続している。また、
入力端子 22 は、インピーダンス整合回路 26 を介し
て、伝送線路 33 と 30 とに接続し、出力端子 23 は、
インピーダンス整合回路 27 を介して、伝送線路 33 と
32 とに接続し、出力端子 24 は、インピーダンス整合
回路 28 を介して、伝送線路 32 と 31 とに接続してい
る。
【0021】図8において、インピーダンス整合回路 2
6 、インピーダンス整合回路 27 〜29 には、それぞ
れ、線路長λ/4 のインピーダンス変換回路を用い、入
力端子22 、出力端子 23 と 24 より高い特性インピー
ダンスの値を持つ電力分配回路本体 34 とインピーダン
ス整合している。尚、電力合成回路の場合には、図8の
平面回路パターン図において、2 と 3を入力端子、1 を
出力端子とすればよい。
【0022】比較のために、従来技術による電力分配回
路の平面回路パターン図を図9に示す。使用した誘電体
基板は、比誘電率εr が 9.8 、厚み H が 0.254 mm の
アルミナ基板である。中心周波数は、図8と同じく、44
GHz である。35 は入力端子、36 と37 は出力端子、39
〜 42 はマイクロストリップラインの伝送線路、38
は、一端が伝送線路 39 と 40 に接続し、他端が接地側
と接続している、抵抗値R38 の抵抗である。また、入力
端子 35 は、伝送線路 39 と 42 とに接続し、出力端子
36 は、伝送線路 42 と 41 とに接続し、出力端子 36
は、伝送線路 41 と 40 とに接続している。
【0023】図9は、図8の基板厚より薄くすることに
よって、図3の線路長λ/4 の比{λ/( 4 × W3 )}
と線路幅 W3 W4 比{λ/( 4 × W4 )}を大きくして
ハイブリッド回路を構成している。しかし、図9に示し
た従来技術の電力分配回路では、対面に位置する伝送線
路39 と伝送線路 41 の距離、および伝送線路 40 と伝
送線路 42 の距離は、それぞれの線路幅および線路長と
比較して接近しているため、伝送線路間の電磁界結合の
恐れが生じている。また、伝送線路 39 、伝送線路 40
、伝送線路 41 および伝送線路 42 は、線路幅および
線路長と比較して接近しているため、ハイブリッド回路
を構成するそれぞれの接続点が曖昧になってしまってい
る。
【0024】図10と図11は、図8に示した平面回路
パターンの伝送特性の計算値を示す。横軸は、周波数
[単位:GHz ]、縦軸は、図10が挿入損失[単位:dB
]、図11が反射損失[単位:dB ]である。図10に
おいて、曲線 43 は、図8の入力端子 22 から信号電力
を入力したときに出力端子 23 で得られる電力の挿入損
失の周波数特性である。曲線 44 は、図8の入力端子 2
2 から信号電力を入力したときに出力端子 24 で得られ
る電力の挿入損失の周波数特性である。それぞれの挿入
損失は、44 GHz 近辺で、ほぼ均等に分配されている。
図11において、曲線 45 は、入力端子 23 から信号電
力を入力したときの反射損失の周波数特性であり、44 G
Hz 近辺で、-20 dB 以上の減衰量が得られている。
【0025】図12は、従来技術で説明した図3のハイ
ブリッド回路で、基板の比誘電率εr が 9.8 、基板厚
H を 0.381 mm としたときの、線路長λ/4 と線路幅 W4
の比{λ/( 4 × W4 )}の周波数特性を計算した結
果である。図から明らかなように、40 GHz 以上で比
{λ/( 4 × W4 )}が 1 を下回っており、ハイブリ
ッド回路を構成する伝送線路 15 〜 18 のパターン同士
が接触してしまうことがわかる。
【0026】以上のように、図8に示す電力分配回路ま
たは電力合成回路は、本発明抜きには構成不可能であ
る。また、本発明は、特性インピーダンス ZL が 50 Ω
以外、例えば、300 Ω、75Ω等の場合にも適用できるこ
とは自明である。
【0027】
【発明の効果】本発明により、特性インピーダンスが高
い値のまま、あるいは低い値のまま電力分配回路および
電力合成回路を構成することが可能となり、電力分配回
路および電力合成回路の伝送線路の線路幅の値を自由に
設定することができ、たとえば従来は電力分配回路およ
び電力合成回路の伝送線路の線路長と線路幅の比が 1未
満で回路の構成が不可能な状態においても、本発明を用
いれば回路の構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の電力分配回路のパターン
図の一例を示す図。
【図2】 マイクロストリップラインの伝送線路の断面
の概略を示す図。
【図3】 従来の電力分配回路のパターン図の一例を示
す図。
【図4】 従来のハイブリッド回路の伝送特性の計算値
を示す図。
【図5】 従来のハイブリッド回路の伝送特性の計算値
を示す図。
【図6】 従来のハイブリッド回路の線路長と線路幅の
比の周波数特性を示す図。
【図7】 従来のハイブリッド回路の回路構成が可能な
最小基板厚と比誘電率の関係を示す図。
【図8】 本発明の電力分配回路の一実施例の平面回路
パターン図。
【図9】 従来技術による電力分配回路の平面回路パタ
ーン図。
【図10】 電力分配回路の挿入損失の計算値の周波数
特性を示す図。
【図11】 電力分配回路の反射損失の計算値の周波数
特性を示す図。
【図12】 従来のハイブリッド回路の線路長と線路幅
の比の周波数特性を示す図。
【符号の説明】
1:入力端子、 2,3:出力端子、 4:抵抗、 5〜8:
伝送線路、 9-1,9-2,9-3,9-4:インピーダンス整合
回路、 10:電力分配回路本体、 11:入力端子、 1
2,13:出力端子、 14:抵抗、 15〜18:伝送線路、
19,20:挿入損失の周波数特性、 21:反射損失の周
波数特性、 22:入力端子、 23,24:出力端子、 2
5:抵抗、 26〜29:インピーダンス整合回路、 30〜3
3:伝送線路、 34:電力分配回路本体、 35:入力端
子、 36,37:出力端子、 38:抵抗、 39〜42:伝送
線路、 43,44:挿入損失の周波数特性、 45:反射損
失の周波数特性。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力端子と出力端子及び伝送線路部とに
    よって構成したハイブリッド回路の電力分配回路におい
    て、 前記入力端子及び前記出力端子の少なくともいずれか1
    つと、前記伝送線路部との間にインピーダンス整合回路
    を接続したことを特徴とする電力分配回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電力分配回路において、 前記伝送線路部を外部インピーダンスより低いインピー
    ダンスで構成することを特徴とする電力分配回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電力分配回路において、 前記伝送線路部を外部インピーダンスより高いインピー
    ダンスで構成することを特徴とする電力分配回路。
  4. 【請求項4】 比誘電率εr で厚さ H [単位:mm ]の
    誘電体基板と、 該誘電体基板にマイクロストリップラインによって、入
    力端子と出力端子及び伝送線路部とによって構成したハ
    イブリッド回路の電力分配回路において、 【数1】 を満たす範囲で、前記入力端子と出力端子の少なくとも
    いずれか1つと、前記ハイブリッド回路との間に、外部
    インピーダンスとインピーダンス整合させるためのイン
    ピーダンス整合回路を設け、 前記ハイブリッド回路を外部のインピーダンスより高い
    インピーダンスで構成したことを特徴とする電力分配回
    路。
  5. 【請求項5】 比誘電率εr で厚さ H [単位:mm ]の
    誘電体基板と、 該誘電体基板にマイクロストリップラインによって、入
    力端子と出力端子及び伝送線路部とによって構成したハ
    イブリッド回路の電力分配回路において、 【数2】 を満たす範囲で、前記入力端子と出力端子の少なくとも
    いずれか1つと、前記ハイブリッド回路との間に、外部
    インピーダンスとインピーダンス整合させるためのイン
    ピーダンス整合回路を設け、 前記ハイブリッド回路を外部のインピーダンスより低い
    インピーダンスで構成したことを特徴とする電力分配回
    路。
  6. 【請求項6】 入力端子と出力端子及び伝送線路部とに
    よって構成したハイブリッド回路の電力合成回路におい
    て、 前記入力端子及び前記出力端子の少なくともいずれか1
    つと、前記伝送線路部との間にインピーダンス整合回路
    を接続したことを特徴とする電力合成回路。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電力合成回路において、 前記伝送線路部を外部インピーダンスより低いインピー
    ダンスで構成することを特徴とする電力合成回路。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の電力合成回路において、 前記伝送線路部を外部インピーダンスより高いインピー
    ダンスで構成することを特徴とする電力合成回路。
  9. 【請求項9】 比誘電率εr で厚さ H [単位:mm ]の
    誘電体基板と、 該誘電体基板にマイクロストリップラインによって、入
    力端子と出力端子及び伝送線路部とによって構成したハ
    イブリッド回路の電力合成回路において、 【数3】 を満たす範囲で、前記入力端子と出力端子の少なくとも
    いずれか1つと、前記ハイブリッド回路との間に、外部
    インピーダンスとインピーダンス整合させるためのイン
    ピーダンス整合回路を設け、 前記ハイブリッド回路を外部のインピーダンスより高い
    インピーダンスで構成したことを特徴とする電力合成回
    路。
  10. 【請求項10】 比誘電率εr で厚さ H [単位:mm ]
    の誘電体基板と、 該誘電体基板にマイクロストリップラインによって、入
    力端子と出力端子及び伝送線路部とによって構成したハ
    イブリッド回路の電力合成回路において、 【数4】 を満たす範囲で、前記入力端子と出力端子の少なくとも
    いずれか1つと、前記ハイブリッド回路との間に、外部
    インピーダンスとインピーダンス整合させるためのイン
    ピーダンス整合回路を設け、 前記ハイブリッド回路を外部のインピーダンスより低い
    インピーダンスで構成したことを特徴とする電力合成回
    路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006229101A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Hitachi Kokusai Electric Inc プリント基板
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RU2693877C1 (ru) * 2018-11-27 2019-07-05 Акционерное общество "Российская корпорация ракетно-космического приборостроения и информационных систем" (АО "Российские космические системы") Делитель мощности 3х3 для бортовой аппаратуры космических аппаратов

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