JP2003022510A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP2003022510A
JP2003022510A JP2001207054A JP2001207054A JP2003022510A JP 2003022510 A JP2003022510 A JP 2003022510A JP 2001207054 A JP2001207054 A JP 2001207054A JP 2001207054 A JP2001207054 A JP 2001207054A JP 2003022510 A JP2003022510 A JP 2003022510A
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magnetic particles
particles
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medium
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JP2001207054A
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Takehito Yoshida
岳人 吉田
Nobuyasu Suzuki
信靖 鈴木
Toshiharu Makino
俊晴 牧野
Yuka Yamada
由佳 山田
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低レベルの媒体ノイズ特性を維持しつつ、強
い熱磁気緩和耐性を有し、超高密度磁気記録が可能な磁
性記録媒体を提供すること。 【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明の磁
気記録媒体は、物理的気相中での凝縮により生成した磁
性粒子に対し、荷電過程を施した上、静電界を印加する
ことで粒径選別を実施し、所望の10nm以下の粒径に
選別された磁性粒子のみを、非磁性基板上に凝集するこ
となく一層のみ等間隔配列し、次に、前記磁性粒子の埋
め込み媒質並びに上層保護膜として作用する非磁性薄膜
を堆積することで、前記磁性粒子同士の隙間と上層は非
磁性媒質により被覆された構造を形成している。これら
の手段により、媒体ノイズの低減と熱磁気緩和の抑制を
達成しながら、極めて高い記録密度を実現する、磁気記
録媒体を構成することができることとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び
その製造方法に関するものであり、特に高い記録密度で
ありながら、ノイズが低く熱磁気緩和による信号劣化に
強い、優れた特徴を有する磁気記録媒体及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第1の従来例として、現在主流になって
いるハードディスク(HD)型薄膜磁気記録媒体の構造に
ついて述べる。図6は現在主流のHD用薄膜磁気記録媒体
の基本構成図である。以下に述べる構成と動作は、現在
当該業界で広く一般に利用されていろものであるが、文
献としては例えば、応用物理第65巻、第12号(19
96)の1218頁から1228頁に記載されている。
【0003】図6において、3301はHDの基体をなす
基板であり、軽量・安価なアルミ(Al)もしくはガラス
で構成されている。3302は、基板3301に対する
NiPメッキ層であり、基板3301がガラスの場合に導
入される。3303は厚さ10〜50nmの下地非磁性
層で、材質はクローム(Cr )合金が主流である。上層
に形成される記録磁性層3304の結晶配向性および結
晶粒径制御の目的で用いられる。3304が磁気記録に
おいて主体となる記録磁性層であり、厚さ10〜30n
mのコバルト(Co)-クローム(Cr )合金が用いられ
る。この層において、情報が残留磁化として保存され
る。3305は厚さ10〜30nmの非晶質カーボン膜
で、記録磁性層3304を機械的損傷や腐食から護る保
護層である。記録磁性層3304の微視的構造を、図3
内の補足図に示す。記録磁性層3304は元来Co-Cr合
金膜として堆積されているが、その後熱処理を経て、磁
性Co結晶粒3306が、その周囲に偏析した非磁性Cr層
3307に覆われた構造を持つ。そして各々の磁性Co結
晶粒3306はc軸が薄膜面内方向を向いた六方最密(h
cp)構造をとっている。磁性Co結晶粒3306の平均粒
径は5〜15nm が普通であるが、積極的な粒径制御
でない薄膜中の熱処理粒成長に頼っているため粒径分布
幅が広く、4nm未満の結晶粒も多く存在している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例では、熱処理による記録磁性層の結晶粒成長と非
磁性層の偏析を活用している。よって、磁性結晶粒の粒
径分布幅が広く、偏析非磁性層の厚さも一定でない。磁
性結晶粒の粒径分布幅が広いことにより、10nmを越
える大粒径磁性結晶粒が混在することは、一般に媒体ノ
イズの増大に繋がる。逆に、4nm未満の小粒径磁性結
晶粒が混在すると、熱磁気緩和の影響を受けやすいこと
を意味し、高密度記録を長期(室温で3年間が実用上の
目安となる)に渡って保持する上で極めて不利である。
また、偏析非磁性層の厚さが一定でないと、磁性結晶粒
子間の静磁気的相互作用により、やはり媒体ノイズの増
大に繋がる。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であって、低レベルの媒体ノイズ特性を維持しつつ、強
い熱磁気緩和耐性を有することによって、超高密度磁気
記録を可能とする、磁性記録媒体及びその製造方法を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の磁気記録媒体は、物理的気相中での凝縮に
より生成した磁性粒子に対し、荷電過程を施した上、静
電界を印加することで粒径選別を実施し、所望の10n
m以下の粒径に選別され、かつ結晶磁気異方性エネルギ
ーの大きい結晶構造である磁性粒子のみを、非磁性基板
上に凝集することなく一層のみ等間隔配列し、次に、前
記磁性粒子の埋め込み媒質並びに上層保護膜として作用
する非磁性薄膜を堆積することで、前記磁性粒子同士の
隙間と上層は非磁性媒質により被覆された構造を形成す
る手段をとっている。
【0007】これらの手段により、媒体ノイズの低減と
熱磁気緩和の抑制を達成しながら、極めて高い記録密度
を実現する、磁気記録媒体を構成することができること
となる。
【0008】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上
に、粒径10nm以下の磁性粒子が凝集することなく一
層のみ配列され、前記磁性粒子同士の隙間と上層は非磁
性媒質により被覆された構造をもつ。これにより、低ノ
イズでしかも熱磁気緩和抑止に優れた、超高密度磁気記
録を実現することが可能となる。
【0009】本発明における磁気記録媒体の製造方法
は、粒径10nm以下の磁性粒子が凝集することなく一
層のみ配列され、前記磁性粒子同士の隙間と上層は非磁
性媒質により被覆された構造を持つ磁気記録媒体を形成
する方法であり、物理的気相中での凝縮により生成した
磁性粒子に対し、荷電過程を施した上、静電界を印加す
ることで粒径選別を実施し、所望の10nm以下の粒径
に選別された磁性粒子のみを前記非磁性基板上に付着さ
せる工程を有する。これにより、磁気記録媒体を、高純
度でかつ充分な組成比制御性のもとに作製することがで
きる。
【0010】また、前記磁気記録媒体の製造過程におい
て、10nm以下の粒径に選別された磁性粒子のみを前
記非磁性基板上に付着させた後に、前記非磁性基板を過
熱する工程を加えることもできる。これにより、前記磁
性粒子の結晶性ならびにその配向性を、より高度に制御
することが可能となる。
【0011】また、前記磁気記録媒体の製造過程におい
て、10nm以下の粒径に選別された磁性粒子のみを前
記非磁性基板上に付着させた後に、前記磁性粒子の埋め
込み媒質並びに上層保護膜として作用する非磁性薄膜を
堆積する工程を加えることもできる。これにより、前記
磁性粒子の損傷や腐食を抑制し、磁気記録媒体としての
機能を長期にわたって維持することができる。
【0012】また、前記磁気記録媒体の製造過程におい
て、10nm以下の粒径に選別された磁性粒子のみを前
記非磁性基板上に付着させた後に、前記磁性粒子の埋め
込み媒質並びに上層保護膜として作用する非磁性薄膜を
堆積し、その後熱処理を施す工程を加えることもでき
る。これにより、前記磁性粒子の結晶性ならびにその配
向性の制御と、損傷や腐食の抑制を、効果的に達成する
ことができる。
【0013】さらに、前記磁気記録媒体の製造過程にお
いて、物理的気相中での凝縮により磁性粒子を生成する
に際し、磁性合金の母材にパルスレーザーを照射するこ
とで、前記磁性合金母材を原子・イオン・クラスタ状態
で蒸発させ、雰囲気希ガスによる冷却過程を伴うこと
で、粒状に再凝縮させる工程を有することもできる。こ
れにより、物理的気相中での凝縮を達成することで、広
範な組成比の磁性合金粒子を低い結晶欠陥密度で構成す
ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)次に、本発明に
おける第1の実施の形態について説明をする。図1は、
本実施の形態における磁気記録媒体の構成を概略的に示
すもので、図1(a)は磁性粒子の配列を斜め上方から
見た拡大模式図であり、また図1(b)は磁気記録媒体
の断面図である。
【0015】図1において、符号1101は非磁性基板
であり、この非磁性基板1101の上に、粒径10nm
以下の磁性粒子1104が凝集することなく平面的に一
層のみ等間隔配列されている。本実施の形態の磁気記録
媒体において、非上記磁性粒子1104同士の間の部分
および磁性粒子1104の上方の層は非磁性媒質から成
る非磁性マトリックス1105により被覆された構造を
持ち、上記磁性粒子1104にデータ(或いは信号)の
磁気記録が行なわれる。非磁性基板1101は、HDの基
体をなす基板であり、軽量・安価なアルミニウム(Al)
もしくはガラスで構成されている。
【0016】1102は、非磁性基板1101に対する
NiPメッキ層であり、この非磁性基板1101がガラス
の場合に導入する。1103は磁性粒子1104の層の
下側に設けられた厚さ約20nmの下地非磁性層であ
り、材質はCr合金である。この下地非磁性層1103
は、当該下地非磁性層1103の上層に形成される磁性
粒子1104の結晶の配向性を制御する目的で用いられ
る。磁性粒子1104が磁気記録において主体となる記
録磁性粒子であり、平均粒径は4〜9nm、材質はCo-C
r合金或いは鉄(Fe)-プラチナ(Pt)合金である。この
磁性粒子1104において、情報が残留磁化として保存
される。非磁性マトリックス1105は、磁性粒子11
04間の静磁気的相互作用を遮断する機能を持つ。材質
は、厚さ15nmの非晶質カーボン膜である。また、非
磁性マトリックス1105は磁性粒子1104を損傷や
腐食から護る保護層としても作用する。
【0017】図1中には、磁性粒子1104の微視的構
造が、補足図として示してある。磁性粒子1104は、
平均粒径4〜9nmに設定されるが、粒径分布幅を示す
幾何標準偏差は1. 2、すなわち単分散と呼ばれる先鋭
な分布幅に制御されている。磁性粒子1104は、図1
中の補足図に示されているように、Co-Cr合金から成る
場合は六方最密構造(hcp)、Fe-Pt合金から成る場合は
面心正方晶(fct)の単結晶構造をとっている。すなわ
ち、結晶磁気異方性エネルギーが大きい構造を優先的に
とっている。
【0018】特に、磁化容易方向を基板面に対して垂直
の配列とすることで、垂直磁気記録方式がとれるため、
高密度の記録にさらに有利となる。hcp構造では、c軸方
向が磁化容易方向である。磁性粒子1104相互は完全
な規則配列ではないが、相互間隔はほぼ等しい距離をも
つよう配列している。勿論、磁性粒子1104相互間の
凝集はない。また、配列は1層のみであり、磁性粒子1
104が積層する構造ではない。上記の構造は、低ノイ
ズ性と熱磁気緩和の抑制を達成しながら、1 Tb/inch2
レベルの高密度記録を実現する上で、大変有効なもので
ある。すなわち、基板面内では磁性粒子1104が相互
に分離・独立し、これらの隙間は非磁性マトリックス1
105が埋め込まれており、しかも磁性粒子1104は
一層しかないため、粒子間および静磁気的相互作用が遮
断されることにより、媒体ノイズが抑制されている。さ
らに、磁性粒子1104の粒径は、室温で3年以上磁気
記録を保持するに十分な磁気エネルギーを有する大きさ
であるとともに、1 Tb/inch2 レベルの高密度記録を達
成し得る微細さである。また、先鋭な粒径分布を有する
ために、熱磁気緩和現象が顕著な4nm未満の磁性粒子
を含まないので、磁気記録保持性が高い。
【0019】なお、本実施の形態では、非磁性基板11
01にガラスあるいはAlを用いた例を記述したが、表面
に熱酸化膜を有するシリコン(Si)基板などの半導体基
板を用いることも、その平坦性や化学的安定性から有用
な手法であることは、言うまでもない。
【0020】上記の構成により、低ノイズでしかも熱磁
気緩和抑止に優れた、超高密度磁気記録を実現すること
が可能となる。
【0021】(実施の形態2)以下、本発明の磁性記録
媒体の製造方法を、第2の実施の形態として、図2から
図5を用いて詳細に説明する。
【0022】図2は本実施の形態における磁性記録媒体
作製装置の全体構成の一例を示す図である。この実施の
形態にかかる磁性記録媒体作製装置の基本的な構成は、
磁性粒子を生成する磁性粒子生成室2101と、磁性粒
子生成室2101に接続され、この磁性粒子生成室21
01において生成された磁性粒子を分級する磁性粒子分
級室2102と、磁性粒子分級室2102にさらに接続
され、この磁性粒子分級室2102において分級された
磁性粒子が堆積される堆積室2103と、非磁性媒質を
生成する非磁性マトリックス生成室2104とから構成
されている。
【0023】図3は磁性粒子生成室2101の構成を示
す断面図である。この図に示されているように、磁性粒
子生成室2101の構成は基本的に、磁性粒子生成室2
101内にマスフローコントローラ2201を介して一
定質量流量Qa(例えば1.0 [l/min:リットル/分] )で
キャリアガス2202(例えば純度99. 9999%の
He)をリング状に配されたガス噴き出し口を介して導入
するガス導入系2213と、自転機構2215とを有し
ている。自転機構2215には、磁性合金ターゲット2
207(例えばCo-Cr合金、純度99.999% 、直径
50mm、厚さ1.0mm)を固定保持するターゲットホル
ダー2206が取り付けられている。
【0024】また、磁性粒子生成室2101は、集光レ
ンズ2203と、レーザー光導入窓2204とを有する
レーザー光照射系2216とを備えている。集光レンズ
2203は、磁性粒子の搬送路に対して45度の位置に配
置されパルスレーザー光(例えばNd-YAGレーザーの第2
次高調波、波長532nm)2205を集光する。レー
ザー光導入窓2204は、集光レンズ2203により集
光されたパルスレーザー光2205を磁性粒子生成室2
101の内部へ導入し、ターゲットホルダー2206に
固定された磁性合金ターゲット2207へ向けて上記パ
ルスレーザー光2205を照射するようになっている。
【0025】磁性粒子生成室2101はまた、パルスレ
ーザー光2205によって励起された、アブレーション
プルーム2208の磁性粒子の成長方向と同一の搬送方
向に延びて配置された磁性粒子取り込みパイプ2209
と、アブレーションプルーム2208等のその場観察に
用いる一対の観察用窓2210、2211と、磁性粒子
および磁気記録媒体の作製プロセス前に磁性粒子生成室
2101を、1×10-9Torrより低い気圧の超高真空に排
気する、ターボ分子ポンプを主体とした超高真空排気系
2212とを備えている。パルスレーザー光2205の
励起によって生成された磁性粒子は磁性粒子取り込みパ
イプ2209を通って磁性粒子生成室2101から送り
出される。
【0026】図4は磁性粒子分級室2102の構成を示
す断面図である。この磁性粒子分級室2102の基本的
な構成は、図4に示すように、磁性粒子生成室2101
に接続され、且つ磁性粒子生成室2101で生成され
た磁性粒子を取り込んで荷電する荷電室2301と、磁
性粒子生成室2101からの磁性粒子を誘導する磁性粒
子流入管2302と、磁性粒子流入管2302から送ら
れた磁性粒子を分級する分級装置としての、微分型電気
移動度分級装置2303と、シースガス2304を微分
型電気移動度分級装置2303に導入するマスフローコ
ントローラ2305と、微分型電気移動度分級装置23
03の二重円筒間に静電界を形成する直流電源2306
と、シースガスを排気するシースガス排気系2308
と、キャリアガス2202の一部を微分型電気移動度分
級装置2303で分級された分級磁性粒子とともに排気
するキャリアガス排気系2309とを備えて成る。
【0027】荷電室2301は、磁性粒子生成室210
1で生成され質量流量Qaで搬送される磁性粒子を、例え
ばエキシマランプ(Ar2エキシマ、波長126nm)の
ような真空紫外光源を用いて荷電する。磁性粒子の荷電
は、アメリシウム241Amのような放射性同位体を用いて
も良いし、真空紫外光源と放射性同位体の双方を同時に
用いても一向に構わない。磁性粒子流入管2302は、
磁性粒子生成室2101から堆積室2103に向かって
ほぼ直線状に配列され、例えば途中で4等分に分岐配列
せしめられて構成される。
【0028】微分型電気移動度分級装置2303は、こ
の実施の形態においては、磁性粒子流入管2302から
荷電された磁性粒子が流入され、所望の粒径に磁性粒子
を分級するため、二重円筒構造を有するタイプの分級装
置である。マスフローコントローラ2305は、微分型
電気移動度分級装置2303内で一定質量流量Qc(例え
ば5[l/min])の流れを形成するためのシースガス230
4(例えば純度99.9999%のHe)を微分型電気移
動度分級装置2303に導入制御するためのコントロー
ラである。シースガス排気系2308は、高コンダクタ
ンスの排気管を介して、ポンプの前段に配されたマスフ
ローメータ2307によって制御され、シースガスをヘ
リカルポンプ等で一定質量流量Qcで排気する。キャリア
ガス排気系2309は、質量流量Qaで流れるキャリアガ
ス2202の一部のみを、微分型電気移動度分級装置2
303で分級された分級磁性粒子とともに、ターボ分子
ポンプを中心としたポンプを用いて排気する。また、キ
ャリアガス排気系2309は、後述する堆積室の圧力に
基づいて制御される。
【0029】図5は堆積室2103の構成を示す断面図
である。この堆積室2103の基本的な構成は、図5に
示すように、分級済みの磁性粒子を含むキャリアガスが
流入し噴出される磁性粒子堆積用ノズル2401と、堆
積基板ホルダー2404と、この堆積基板ホルダー24
04に固定された堆積基板2405(実施の形態1、図
1における下地非磁性層1103付き非磁性基板110
1)と、集光レンズ2406およびレーザー光導入窓2
407により構成されるレーザー照射系2430と、タ
ーゲットホルダー2409およびこれに配置された非磁
性マトリックスターゲット2411と、堆積室2103
を超高真空に排気する超高真空排気系2412と、堆積
室2103内におけるキャリアガスの差動排気を行う堆
積室ガス排気系2413と、堆積室2103において磁
性粒子と堆積基板2405との間の電子の授受を測定す
る微小電流計2414と、非磁性マトリックス生成室2
104から搬送される非磁性マトリックスが噴出される
非磁性マトリックス堆積用ノズル2415とを備えて成
る。
【0030】磁性粒子堆積用ノズル2401からは、磁
性粒子生成室2101で生成された磁性粒子が磁性粒子
分級室2102で均一な粒径に分級された後、分級済み
の磁性粒子を含むキャリアガスが流入し噴出される。磁
性粒子堆積用ノズル2401には、当該磁性粒子堆積用
ノズルを一定温度に保持する加熱ヒータ2402と、こ
の加熱ヒータ2402の動作を制御する加熱ヒータ制御
装置2403とが接続されている。レーザー照射系24
30では、エキシマレーザー光2408が集光レンズ2
406で集光され、レーザー光導入窓2407を介して
堆積室2103内に導入される。ターゲットホルダー2
409は、エキシマレーザー光2408によって励起さ
れる非磁性マトリックスターゲット2411が固定され
るとともに、この非磁性マトリックスターゲット241
1の定回転駆動(例えば8rpm)を行う。
【0031】この実施の形態において、非磁性マトリッ
クスターゲット2411は、例えば非磁性マトリックス
ターゲット2411(例えば高純度グラファイト、純度
99.999%、直径50mm、厚さ3mm)から成る。そ
して、非磁性マトリックスターゲット2411は、ター
ゲットホルダー2409上において、エキシマレーザー
光2408の照射を受けて励起されたアブレーションプ
ルーム2410の成長方向が堆積基板2405に向かう
ように、堆積基板2405と平行に配置される。堆積基
板2405には、非磁性マトリックスターゲット241
1がエキシマレーザー光2408の照射を受けて生成さ
れた磁性粒子および非磁性マトリックス生成室2104
から搬送された非磁性マトリックスが堆積される。超高
真空排気系2412は、堆積室2103を磁性記録媒体
作製前に1×10-9Torrよりも低い気圧の超高真空に排気
するターボ分子ポンプを中心に構成される。堆積室ガス
排気系2413は、磁性粒子生成室2101が一定圧力
(例えば5.0Torr)に保持されるようにキャリアガス
の差動排気を行うヘリカルポンプを中心に構成される。
微小電流計2414は、堆積室2103において分級さ
れた荷電状態の磁性粒子が堆積基板2405に堆積され
る際に行われる電子の授受を電流として測定する。
【0032】また、非磁性マトリックス生成室2104
の基本的な構成は、図5に示すように、非磁性マトリッ
クス生成室2104内に雰囲気希ガス2417を導入す
るガス導入系2431と、集光レンズ2418およびレ
ーザー光導入窓2419により構成されるレーザー照射
系2432と、ターゲットホルダー2421およびこれ
に配置された非磁性マトリックスターゲット2422
と、非磁性マトリックス取り込みパイプ2424と、エ
キシマレーザー光2420によって励起されたアブレー
ションプルーム2423等のその場観察に用いる一対の
観察用窓2425、2426とを備えて成る。
【0033】ガス導入系2431は、非磁性マトリック
ス生成室2104内にマスフローコントローラ2416
を介して一定質量流量Q T (0.5[l/min])で雰囲気希ガ
ス2417(例えば純度99.9999%のHe)を導入する。
ターゲットホルダー2421は、エキシマレーザー光2
420(例えばArFエキシマレーザー、波長193n
m)によって励起される非磁性マトリックスターゲット
2422が固定されるとともに、この非磁性マトリック
スターゲット2422の定回転駆動(例えば8rpm)を行
う。この実施の形態において、非磁性マトリックスター
ゲット2422は、例えば非磁性マトリックスターゲッ
ト(例えば高純度グラファイトターゲット、純度99.
999%、直径50mm、厚さ3mm)から成る。また、非
磁性マトリックス取り込みパイプ2424は、エキシマ
レーザー光2420によって励起されたアブレーション
プルーム2423が成長する方向に対応する位置に配置
される。そして、非磁性マトリックスターゲット242
2は、ターゲットホルダー2421上において、エキシ
マレーザー光2420の照射を所定の角度、斜め方向か
ら受け、且つ上記非磁性マトリックス取り込みパイプ2
424の開口に対向するように配置される。
【0034】ここで、図1に示すような、単一粒径・均
一構造の高純度磁性粒子1104が非磁性マトリックス
1105中に平面的に均質配列した構造を有する磁性記
録媒体の作製方法に関して図2から図5を用いて説明す
る。まず、磁性記録媒体の作製プロセス前に、ダメージ
・汚染等の影響を排除するために図4のバルブ2310
を閉じ、磁性粒子生成室2101を、ターボ分子ポンプ
を主体とした図3の超高真空排気系2212によって1
×10-9Torrよりも低い気圧の超高真空に排気後、超高真
空排気系2212を閉鎖する。
【0035】同時に、磁性粒子分級室2102、堆積室
2103、非磁性マトリックス生成室2104を、ター
ボ分子ポンプを主体とした図5の超高真空排気系241
2によって1×10-9Torrよりも低い気圧の超高真空に排
気後、超高真空排気系2412を閉鎖する。
【0036】次に、図3のマスフローコントローラ22
01を用いて磁性粒子生成室2101に質量流量Qa(こ
こでは0. 5l/min )でキャリアガス2202(高純度
希ガス、例えば純度99. 9999 %のHe)を導入す
る。
【0037】次に、図4のバルブ2310、バルブ23
11を開き、ヘリカルポンプを中心に構成された図5の
堆積室ガス排気系2413を磁性粒子生成室2101の
圧力を基準に制御し、差動排気を行うことで磁性粒子生
成室2101を一定圧力P1(例えば10Torr )に保持
する。
【0038】ここで、図3の集光されたパルスレーザー
光2205によって磁性合金ターゲット2207の表面
を励起し、アブレーション反応を生じさせ磁性合金ター
ゲット2207の表面に形成されている自然酸化膜、お
よび上記磁性合金ターゲット2207の表面に付着して
いる炭素化合物等の不純物を完全に除去し、その後、図
5の堆積室排気系2413を閉鎖する。この時点では、
パルスレーザー光2205の発振は停止している。
【0039】上記のように、磁性合金ターゲット220
7の表面に形成されている酸化物・不純物を除去するこ
とにより、生成磁性粒子に混入した場合、積層欠陥の誘
起ひいては結晶磁気異方性エネルギー(保持力)の低下
を招く不純物の影響を取り除くことができる。
【0040】次に、キャリアガス2202の流量を変化
させ、一定質量流量Qa(標準状態1.0l/min )で導入
する。
【0041】同時に、図4のマスフローコントローラ2
305を用いて微分型電気移動度分級装置2303に質
量流量Qc(標準状態5. 0l/min.)でシースガス230
4(高純度希ガス、例えば純度99. 9999%のHe)
を導入する。ここで、ヘリカルポンプを主体とした堆積
室ガス排気系2413を開き、磁性粒子生成室2101
内が一定圧力P1(例えば5. 0Torr)に保持されるよう
にキャリアガスを差動排気する。
【0042】同時に磁性粒子分級室2102に設けられ
た、ヘリカルポンプを主体としたシースガス排気系23
08を開き、マスフローメータ2307の指示値が5.
0l/min となるように、マスフローメータ2307の指
示値を基準にしてシースガス排気系2308を制御する
ことで、シースガスを一定質量流量Qcで排気する。さら
に、同時に、バルブ2312を開き、堆積室2103内
の圧力を基準に制御されるキャリアガス排気系2309
を用いて、堆積室2103内が一定圧力P2(例えば2.
0Torr)に保持されるようにキャリアガスの一部のみを
差動排気する。この時点で、堆積室ガス排気系2413
とキャリアガス排気系2309で排気されるガスの質量
流量の和は1. 0l/min であり、磁性粒子生成室は一定
圧力P1(5. 0Torr)に、堆積室は一定圧力P2(2. 0
Torr)に保持されている。上記のような手段でガス排気
を行うことにより、磁性粒子生成室2101の圧力P1、
堆積室の圧力P2、シースガスの排気質量流量Qcを正確な
値に制御することができる。
【0043】次に、パルスレーザー光2205を発振さ
せ、磁性粒子生成室2101に導入する。この時、磁性
粒子生成室2101では、パルスレーザー光2205に
よって励起され、アブレーション反応によって磁性合金
ターゲット2207から脱離・射出されたイオン、原
子、クラスタなどの物質種は、雰囲気希ガス原子とも衝
突しながら運動エネルギーを散逸し、気相での凝縮・成
長が促され、数nmから数十nmの磁性超微粒子に成長
する。
【0044】ここで、上記のような手段で磁性粒子生成
室を一定圧力P1に正確に制御・保持することにより、磁
性粒子が最適な条件下で凝集・成長することが可能とな
る。次に、磁性粒子生成室2101で生成された高純度
磁性粒子は磁性粒子取り込みパイプ2209を介して一
定質量流量Qaのキャリアガスとともに、荷電室2301
に搬送され、真空紫外光源発せられた真空紫外光によっ
て単極に荷電される。
【0045】荷電室2301で単極に荷電された高純度
磁性粒子は、90度ごとに4等配された磁性粒子流入管
2302を介して、微分型電気移動度分級装置2303
に流入する。二重円筒型の微分型電気移動度分級装置2
303に流入した高純度磁性粒子は直流電源2306
(例えば電圧2. 5V )によって形成された内外円筒間
の静電界によって、所望の単一粒径(例えば粒径4. 0
nm)に分級される。
【0046】ここで、上記のような手段で導入されるキ
ャリアガス・シースガスの質量流量と、排気されるキャ
リアガス・シースガスの質量流量がそれぞれ等しくなる
ように制御してやることにより、微分型電気移動度分級
装置2303における分級精度を理論上の値に近づける
ことができる。
【0047】次に、磁性粒子分級装置2303で分級さ
れた高純度磁性粒子は、堆積室2103内に、キャリア
ガスとともに、磁性粒子堆積用ノズル2401を介して
搬送され、堆積基板2405上に捕集・堆積される。さ
らに、磁性粒子堆積用ノズル2401を、加熱ヒータの
制御装置2403で、一定温度(例えば摂氏150度)
に成るように制御された加熱ヒータ2402を用いて温
度制御することにより、熱泳動効果を利用して、磁性粒
子のノズル管内への沈着を防止する事ができ、堆積効率
が向上する。
【0048】また、キャリアガス2202の一部のみを
ターボ分子ポンプが中心となるポンプを用いて排気す
る、キャリアガス排気系2309を用いることによって
P2の圧力を任意の値に保持することが可能となるため、
P1とP2の圧力差をキャリアガス排気系2309を用いな
い場合(P1:5. 0Torr、P2:4. 0Torr、圧力差1.
0Torr)よりも大きく(P1:5. 0Torr、P2:2. 0To
rr、圧力差3. 0Torr)する事ができ、圧力差による磁
性粒子の搬送を効率的に行うことができる。
【0049】さらに、磁性粒子堆積用ノズル2401の
ノズル径を2mm 程度まで縮小し、ヘリカルポンプを主
体とする堆積室ガス排気系2413を最大排気量(40
0l/s)にすると、堆積室2103の圧力P2を0. 05T
orrまで下げることが可能である。ここまでP2を低圧化
すると、キャリアガス2202とともに噴出した磁性粒
子が堆積基板2405に付着する過程で、インパクタ効
果による付着率の低下が生じにくいので、効率的な堆積
が可能となる。
【0050】上記の方法により、10〜30秒ほどの堆
積操作を行うことで、非磁性基板1101上の堆積箇所
には粒径4nmの単分散磁性粒子1104が、平面的に
配列する。ここで、磁性粒子分級室2104で分級され
た磁性粒子は、非磁性基板1101に付着する瞬間まで
1荷に荷電している。よって、微分型電気移動度分級装
置2303にて分級されて以降、磁性粒子堆積用ノズル
2401からの噴出を経て、非磁性基板1101に付着
する瞬間まで、磁性粒子間には互いに斥力が働いてい
る。このことは、非磁性基板1101上への堆積に当た
って、磁性粒子2401交互の配置間隔を均一にするこ
とを促す。さらに堆積後は、特に非磁性基板1101の
基体にガラス等の絶縁性物質を用いた場合、非磁性基板
1101が帯電することとなり、同極性の磁性粒子11
04がさらに積層堆積することを妨げる効果が発生す
る。よって、磁性粒子1104が平面的に等間隔で、一
層のみ均質配列した構造を形成することが容易である。
【0051】この後、磁性粒子1104に窒素あるいは
希ガス中で450〜600℃、30分の熱処理を施すこ
とにより、磁性粒子1104の粒径分布を維持したま
ま、結晶構造を結晶磁気異方性エネルギーが大きくなる
構造(Co-Cr合金ならhcp、Fe-Pt合金ならfct)に変態さ
せるとともに、さらに結晶磁気異方性エネルギーを低減
させる要因となる結晶欠陥の除去を成すことも可能であ
る。
【0052】非磁性マトリックスターゲット(グラファ
イト)2411はエキシマレーザー光2408によって
励起され、アブレーション過程によって射出される。こ
こで、前述のような手段で堆積室を、非磁性マトリック
スとしての非晶質カーボンの成膜に最適な一定圧力P2
(0. 05〜1. 00Torr)に制御・保持することによ
り、非磁性マトリックスを最適な条件下で堆積すること
が可能となる。非磁性マトリックス種は、すでに、単一
粒径の磁性粒子1104が平面的に均質配列した非磁性
基板1101上に、非晶質薄膜として堆積される。これ
により、磁性粒子1104は非磁性マトリックス110
5である非晶質カーボンにより覆われるとともに、相互
に磁気的に隔離されることとなる。
【0053】この時点で、磁性粒子1104に窒素ある
いは希ガス中で450〜600℃、30分の熱処理を施
すことにより、磁性粒子1104の粒径分布を維持した
まま、結晶構造を結晶磁気異方性エネルギーが大きくな
る構造に変態させるとともに、さらに結晶磁気異方性エ
ネルギーを低減させる要因となる結晶欠陥の除去を成す
ことも可能である。磁性粒子1104がすでに非磁性マ
トリックス1105で覆われているため、熱処理雰囲気
の残留酸素による酸化の影響が少ないという利点を持
つ。
【0054】上記のような分級された磁性粒子の捕集・
堆積と非磁性マトリックスの成膜を交互に行うことによ
り、図1に示すような、単一粒径・高結晶磁気異方性エ
ネルギー(保磁力)の磁性粒子1104が非磁性マトリ
ックス1105中に、平面的に一層のみ等間隔配列した
構造を有する磁性記録媒体を作製することができる。上
記の磁性記録媒体作製手法においては、堆積室2103
内の非磁性マトリックスターゲット2411をエキシマ
レーザー光2408でレーザーアブレーションすること
で、非磁性マトリックスの堆積を行っている。一方、非
磁性マトリックス生成室2104を用いて、磁性記録媒
体を作製することも有効である。すなわち、非磁性マト
リックス生成室2104内にマスフローコントローラ2
416を介して一定質量流量Q T ( 0. 5l/min )で雰
囲気希ガス2417(純度99.9999%のHe )を導
入し、集光レンズ2418で集光されレーザー光導入窓
2419を介して非磁性マトリックス生成室2104に
導入されるエキシマレーザー光2420(ArFエキシマ
レーザー、波長193nm)によって非磁性マトリック
スターゲット2422を励起する。また、エキシマレー
ザー光2420によって励起されたアブレーションプル
ーム2423の成長方向に配置された非磁性マトリック
ス取り込みパイプ2424から取り込んだ非磁性マトリ
ックスを、堆積室2103内の非磁性マトリックス堆積
用ノズル2415から噴出して、堆積基板2405上に
堆積することもできる。このように、堆積室2103内
で非磁性マトリックスのレーザーアブレーションを行わ
ないことにより、プロセス雰囲気中の活性種に敏感な磁
性超微粒子の堆積時の汚染を抑制することができる。
【0055】また、図5における堆積室2103に見ら
れるように、堆積基板2405を磁性粒子堆積用ノズル
2401、非磁性マトリックスターゲット2411、非
磁性マトリックス堆積用ノズル2415のそれぞれに対
して正対するように、堆積基板2405の中心を軸とし
て回転可能とすることは有効である。例えば交互堆積時
において、磁性粒子堆積中は磁性粒子堆積用ノズル24
01に正対するように堆積基板2405の角度を設定
し、非磁性マトリックス堆積時には非磁性マトリックス
ターゲット2411あるいは非磁性マトリックス堆積用
ノズル2415に正対するように、堆積基板2405の
角度を設定することで、磁性粒子および非磁性マトリッ
クスの堆積効率を向上し、堆積物の分布を均質化するこ
とができる。
【0056】さらに、図5の堆積室2103に見られる
ように、磁性粒子の捕集・堆積と同時に微小電流計24
14によって、分級された荷電状態の磁性粒子が基板上
に捕集・堆積される際に行われる電子の授受を電流とし
て測定し、粒子の堆積量の確認・制御を行うことができ
る構造を有している。
【0057】上記のように、磁性粒子を生成する磁性粒
子生成室と、微粒子生成室で生成された磁性粒子から所
望の粒径の粒子をガス中で分級する磁性粒子分級室と、
磁性粒子を搬送するガスを排気するガス排気手段と、非
磁性マトリックスを生成する非磁性マトリックス生成手
段と、磁性粒子分級室で分級された磁性粒子を基板上に
捕集するとともに、非磁性マトリックス生成手段で生成
された非磁性マトリックスを基板上に捕集し、分級され
た磁性粒子と非磁性マトリックスとを基板上に堆積する
堆積室と、を具備したことを特徴とする磁気記録媒体作
製装置を用いることにより、nmレベルの単一粒径で、
結晶磁気異方性エネルギーの高い結晶構造均を有する高
純度磁性粒子を、汚染・結晶欠陥を低減した状態で効率
的に作製し、堆積基板上に堆積するとともに、磁性粒子
を化学的に安定した非磁性マトリックス中に平面的に一
層のみ等間隔配列した構造を有する、高密度磁気記録媒
体を作製することができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、物理的
気相中での凝縮により生成した磁性粒子に対し、荷電過
程を施した上、静電界を印加することで粒径選別を実施
し、所望の10nm以下の粒径に選別された磁性粒子の
みを、非磁性基板上に凝集することなく一層のみ配列
し、次に、前記磁性粒子の埋め込み媒質並びに上層保護
膜として作用する非磁性薄膜を堆積することで、前記磁
性粒子同士の隙間と上層は非磁性媒質により被覆された
構造を形成する手段をとっている。
【0059】これらの手段により、媒体ノイズの低減と
熱磁気緩和の抑制を達成しながら、しかも極めて高い記
録密度を実現し、この機能を長期にわたって維持でき
る、磁気記録媒体を構成することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における磁気記録媒体の
構成図
【図2】本発明の第2の実施例における磁気記録媒体の
製造装置の全体構成図
【図3】本発明の第2の実施例における磁性粒子生成室
の断面構成図
【図4】本発明の第2の実施例における磁性粒子分級室
の断面構成図
【図5】本発明の第2の実施例における堆積室、および
非磁性マトリックス生成室の断面構成図
【図6】従来の実施例における磁気記録媒体を示す構造
【符号の説明】
1101 非磁性基板 1102 NiPメッキ層 1103 下地非磁性層 1104 磁性粒子 1105 非磁性マトリックス 2101 磁性粒子生成室 2102 磁性粒子分級室 2103 堆積室 2104 非磁性マトリックス生成室 2201 、2305 、2416 マスフローコン
トローラ 2202 キャリアガス 2203、2406 、2418 集光レンズ 2204、2407 、2419 レーザー光導入窓 2205 パルスレーザー光 2206、2409、2421 ターゲットホルダー 2207 磁性合金ターゲット 2208、2410、2423 アブレーションプル
ーム 2209 磁性粒子取り込みパイプ 2210、2212、2425、2426 観察用窓 2212、2412 超高真空排気系 2301 荷電室 2302 磁性粒子流入管 2303 微分型電気移動度分級装置 2304 シースガス 2306 直流電源 2307 マスフローメータ 2308 シースガス排気系 2309 キャリアガス排気系 2310、2311、2312 バルブ 2401 磁性粒子堆積用ノズル 2402 加熱ヒータ 2403 加熱ヒータ制御装置 2404 堆積基板フォルダー 2405 堆積基板 2408、2420 エキシマレーザー光 2411、2422 非磁性マトリックスターゲット 2413 堆積室ガス排気系 2414 微小電流計 2415 非磁性マトリックス堆積用ノズル 2424 非磁性マトリックス取り込みパイプ 3301 磁気記録媒体基板 3302 ニッケル・リン(NiP)メッキ層 3303 クローム(Cr)合金下地非磁性層 3304 コバルト(Co)-クローム(Cr)合金記録磁
性層 3305 非晶質カーボン保護層 3306 磁性コバルト(Co)結晶粒 3307 偏析非磁性クローム(Cr)層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/30 H01F 10/30 41/16 41/16 (72)発明者 牧野 俊晴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山田 由佳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB02 BB07 DA03 DA08 EA03 FA09 5D112 AA05 AA24 BB02 BB05 BB06 FA01 FB11 GB01 5E049 AA04 AA09 AC05 BA06 CB02 DB02 DB12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、粒径10nm以下の磁
    性粒子が凝集することなく一層のみ配列され、前記磁性
    粒子同士の隙間と上層は非磁性媒質により被覆された構
    造を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性基板上に、粒径10nm以下の磁
    性粒子が凝集することなく一層のみ配列され、前記磁性
    粒子同士の隙間と上層は非磁性媒質により被覆された構
    造を特徴とする磁気記録媒体を形成するに際し、物理的
    気相中での凝縮により生成した磁性粒子に対し、荷電過
    程を施した上、静電界を印加することで粒径選別を実施
    し、所望の10nm以下の粒径に選別された磁性粒子の
    みを前記非磁性基板上に付着させる工程を有することを
    特徴とする、磁性記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 非磁性基板上に、粒径10nm以下の磁
    性粒子が凝集することなく一層のみ配列され、前記磁性
    粒子同士の隙間と上層は非磁性媒質により被覆された構
    造を特徴とする磁気記録媒体を形成するに際し、物理的
    気相中での凝縮により生成した磁性粒子に対し、荷電過
    程を施した上、静電界を印加することで粒径選別を実施
    し、所望の10nm以下の粒径に選別された磁性粒子の
    みを前記非磁性基板上に付着させた後、前記非磁性基板
    を過熱する工程を有することを特徴とする、磁性記録媒
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性基板上に、粒径10nm以下の磁
    性粒子が凝集することなく一層のみ配列され、前記磁性
    粒子同士の隙間と上層は非磁性媒質により被覆された構
    造を特徴とする磁気記録媒体を形成するに際し、物理的
    気相中での凝縮により生成した磁性粒子に対し、荷電過
    程を施した上、静電界を印加することで粒径選別を実施
    し、所望の10nm以下の粒径に選別された磁性粒子の
    みを前記非磁性基板上に付着させた後、前記磁性粒子の
    埋め込み媒質並びに上層保護膜として作用する非磁性薄
    膜を堆積する工程を有することを特徴とする、磁性記録
    媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 非磁性基板上に、粒径10nm以下の磁
    性粒子が凝集することなく一層のみ配列され、前記磁性
    粒子同士の隙間と上層は非磁性媒質により被覆された構
    造を特徴とする磁気記録媒体を形成するに際し、物理的
    気相中での凝縮により生成した磁性粒子に対し、荷電過
    程を施した上、静電界を印加することで粒径選別を実施
    し、所望の10nm以下の粒径に選別された磁性粒子の
    みを前記非磁性基板上に付着させた後、前記磁性粒子の
    埋め込み媒質並びに上層保護膜として作用する非磁性薄
    膜を堆積し、その後熱処理を施す工程を有することを特
    徴とする、磁性記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 物理的気相中での凝縮により磁性粒子を
    生成するに際し、磁性合金の母材にパルスレーザーを照
    射することで、前記磁性合金母材を原子・イオン・クラ
    スタ状態で蒸発させ、雰囲気希ガスによる冷却過程を伴
    うことで、粒状に再凝縮させる工程を有することを特徴
    とする、請求項第2に記載の磁性記録媒体の製造方法。
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