JP2003021838A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003021838A
JP2003021838A JP2001208107A JP2001208107A JP2003021838A JP 2003021838 A JP2003021838 A JP 2003021838A JP 2001208107 A JP2001208107 A JP 2001208107A JP 2001208107 A JP2001208107 A JP 2001208107A JP 2003021838 A JP2003021838 A JP 2003021838A
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angle compensation
crystal cell
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Inventor
Tsunehisa Yamada
倫久 山田
Tetsuo Muto
哲夫 武藤
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】視野角を特定の方向に広くした液晶表示装置を
提供する。 【解決手段】互いに直交する方向に配向処理が施された
一対の基板2,3間にネマティック液晶が封入された液
晶セル1を挟んで一対の偏光板4,5を配置し、液晶セ
ル1と一対の偏光板4,5との間にそれぞれ、高分子液
晶の分子が一方向に揃ってハイブリッド配向した状態を
固定化してなる一対の視野角補償フィルム6,7を配置
するとともに、一対の偏光板4,5の吸収軸4a,5a
をそれぞれ、液晶セル1の前記偏光板が配置された側の
基板2,3の配向処理方向2a,3aと直交または平行
にし、一対の視野角補償フィルム6,7をそれぞれ、そ
の光学軸方向(高分子液晶の分子長軸をフィルム面に投
影した方向に沿った方向で且つ高分子液晶の分子のフィ
ルム面に対するチルト角を形成する方向)6a,7aを
液晶セル1の前記視野角補償フィルムが配置された側と
は反対側の基板3,2の配向処理方向3a,2aと実質
的に直交させて配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ツイステッドネ
マティック型の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ツイステッドネマティック型の液晶表示
装置は、対向配置された一対の基板の内面にそれぞれ互
いに交差する方向に配向処理が施され、これらの基板間
にネマティック液晶が封入されてなる液晶セルと、前記
液晶セルを挟んで配置された一対の偏光板とからなって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ツイステッドネマ
ティック型の液晶表示装置は、その表示を良好なコント
ラストで観察できる視野角が狭い。すなわち、液晶表示
装置の左右方向の視野角は比較的広いが、上下方向の視
野角は狭い。
【0004】そのため、従来から、ツイステッドネマテ
ィック型液晶表示装置の視野角を広くするための試みが
なされているが、液晶表示装置の上下方向の視野角を十
分広くすることができなかった。
【0005】この発明は、視野角を特定の方向に広くす
ることができるツイステッドネマティック型の液晶表示
装置を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、対向配置された一対の基板の内面にそれぞれ互いに
交差する方向に配向処理が施され、これらの基板間にネ
マティック液晶が分子をツイスト配向させた状態で封入
されてなるツイステッドネマティック型液晶セルと、前
記液晶セルを挟んで配置された一対の偏光板と、前記液
晶セルと前記一対の偏光板との間にそれぞれ配置された
一対の視野角補償フィルムとを備え、前記一対の視野角
補償フィルムはそれぞれ、高分子液晶の分子がその長軸
のフィルム面に投影した方向を一方向に揃えて一方の面
から他方の面に向かってチルト角が大きくなるようにハ
イブリッド配向した状態を固定化した光学的に正の一軸
性を示す高分子液晶フィルムからなっており、前記視野
角補償フィルムの高分子液晶の分子長軸をフィルム面に
投影した方向に沿った方向で且つ前記高分子液晶の分子
のフィルム面に対するチルト角を形成する方向を前記視
野角補償フィルムの光学軸方向としたとき、前記一対の
視野角補償フィルムが、その一方の視野角補償フィルム
の光学軸方向を前記液晶セルの前記一方の視野角補償フ
ィルムが配置された側とは反対側の基板の配向処理方向
と実質的に直交させ、他方の視野角補償フィルムの光学
軸方向を前記液晶セルの前記他方の視野角補償フィルム
が配置された側とは反対側の基板の配向処理方向と実質
的に直交または平行にして配置されていることを特徴と
するものである。
【0007】この液晶表示装置によれば、その表示を良
好なコントラストで観察することができる視野角を、前
記視野角補償フィルムの視野角補償効果により特定の方
向に広くすることができる。
【0008】このように、この発明の液晶表示装置は、
一対の基板の内面にそれぞれ互いに交差する方向に配向
処理が施され、これらの基板間にネマティック液晶が封
入されてなるツイステッドネマティック型液晶セルを挟
んで一対の偏光板を配置し、前記液晶セルと前記一対の
偏光板との間にそれぞれ、高分子液晶の分子がその長軸
のフィルム面に投影した方向を一方向に揃えて一方の面
から他方の面に向かってチルト角が大きくなるようにハ
イブリッド配向した状態を固定化した光学的に正の一軸
性を示す高分子液晶フィルムからなる一対の視野角補償
フィルムを配置するとともに、前記一対の視野角補償フ
ィルムを、その一方の視野角補償フィルムの光学軸方向
(高分子液晶の分子長軸をフィルム面に投影した方向に
沿った方向で且つ前記高分子液晶の分子のフィルム面に
対するチルト角を形成する方向)を前記液晶セルの前記
一方の視野角補償フィルムが配置された側とは反対側の
基板の配向処理方向と実質的に直交させ、他方の視野角
補償フィルムの光学軸方向を前記液晶セルの前記他方の
視野角補償フィルムが配置された側とは反対側の基板の
配向処理方向と実質的に直交または平行にして配置する
ことにより、視野角を特定の方向に広くしたものであ
る。
【0009】この液晶表示装置としては、前記ツイステ
ッドネマティック型液晶セルの一対の基板の内面にそれ
ぞれ互いに実質的に直交する方向に配向処理が施されて
おり、前記一対の偏光板が、その一方の偏光板の吸収軸
を前記液晶セルの前記一方の偏光板が配置された側の基
板の配向処理方向と実質的に直交または平行にし、他方
の偏光板の吸収軸を前記液晶セルの前記他方の偏光板が
配置された側の基板の配向処理方向と実質的に直交また
は平行にして配置されている構成のものが好ましい。
【0010】また、上記液晶表示装置においては、前記
一方の視野角補償フィルムと他方の視野角補償フィルム
はそれぞれ、その光学軸方向を前記液晶セルの反対側の
基板の配向処理方向と実質的に直交させて配置するのが
好ましく、さらに、前記液晶セルの一対の基板の内面の
配向処理方向はそれぞれ、画面の横軸に対して実質的に
45°の角度で交差しているのが好ましい。
【0011】また、この発明の他の液晶表示装置は、対
向配置された一対の基板の内面にそれぞれ互いに実質的
に直交する方向に配向処理が施され、これらの基板間に
ネマティック液晶が封入されてなる液晶セルと、前記液
晶セルを挟んで配置された一対の偏光板と、前記液晶セ
ルと前記一対の偏光板との間にそれぞれ配置された一対
の視野角補償フィルムとを備え、前記一対の視野角補償
フィルムはそれぞれ、高分子液晶の分子がその長軸のフ
ィルム面に投影した方向を一方向に揃えて一方の面から
他方の面に向かってチルト角が大きくなるようにハイブ
リッド配向した状態を固定化した光学的に正の一軸性を
示す高分子液晶フィルムからなっており、前記一対の偏
光板が、その一方の偏光板の吸収軸を前記液晶セルの前
記一方の偏光板が配置された側の基板の配向処理方向と
実質的に直交または平行にし、他方の偏光板の吸収軸を
前記液晶セルの前記他方の偏光板が配置された側の基板
の配向処理方向と実質的に直交または平行にして配置さ
れるとともに、前記視野角補償フィルムの高分子液晶の
分子長軸をフィルム面に投影した方向に沿った方向で且
つ前記高分子液晶の分子のフィルム面に対するチルト角
を形成する方向を前記視野角補償フィルムの光学軸方向
としたとき、前記一対の視野角補償フィルムが、その一
方の視野角補償フィルムの光学軸方向を前記液晶セルの
前記一方の視野角補償フィルムが配置された側とは反対
側の基板の配向処理方向と実質的に平行にし、他方の視
野角補償フィルムの光学軸方向を前記液晶セルの前記他
方の視野角補償フィルムが配置された側とは反対側の基
板の配向処理方向と実質的に平行にするとともに、少な
くともいずれか一方の視野角補償フィルムの光学軸方向
を前記液晶セルの前記反対側の基板の配向処理方向とは
逆方向に向けて配置されていることを特徴とするもので
ある。
【0012】この液晶表示装置によれば、その表示を良
好なコントラストで観察することができる視野角を、前
記視野角補償フィルムの視野角補償効果により特定の方
向に広くすることができる。
【0013】このように、この発明の他の液晶表示装置
は、一対の基板の内面にそれぞれ互いに実質的に直交す
る方向に配向処理が施され、これらの基板間にネマティ
ック液晶が封入されてなる液晶セルを挟んで一対の偏光
板を配置し、前記液晶セルと前記一対の偏光板との間に
それぞれ、高分子液晶の分子がその長軸のフィルム面に
投影した方向を一方向に揃えて一方の面から他方の面に
向かってチルト角が大きくなるようにハイブリッド配向
した状態を固定化した光学的に正の一軸性を示す高分子
液晶フィルムからなる一対の視野角補償フィルムを配置
するとともに、前記一対の偏光板をそれぞれ、その吸収
軸を、前記液晶セルの前記偏光板が配置された側の基板
の配向処理方向と実質的に直交または平行にして配置
し、前記一対の視野角補償フィルムをそれぞれ、その光
学軸方向(高分子液晶の分子長軸をフィルム面に投影し
た方向に沿った方向で且つ前記高分子液晶の分子のフィ
ルム面に対するチルト角を形成する方向)を前記液晶セ
ルの前記視野角補償フィルムが配置された側とは反対側
の基板の配向処理方向と実質的に平行にするとともに、
少なくとも一方の視野角補償フィルムの光学軸方向を前
記液晶セルの前記反対側の基板の配向処理方向とは逆方
向に向けて配置することにより、視野角を特定の方向に
広くしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施例を
示す液晶表示装置の分解斜視図であり、この液晶表示装
置は、液晶セル1と、前記液晶セル1を挟んで配置され
た一対の偏光板4,5と、前記液晶セル1と前記一対の
偏光板4,5との間にそれぞれ配置された一対の視野角
補償フィルム6,7とを備えている。
【0015】前記液晶セル1は、対向配置された一対の
透明基板2,3の内面にそれぞれ互いに交差する方向に
配向処理が施され、これらの基板1,2間にネマティッ
ク液晶(図示せず)が封入されたツイステッドネマティ
ック型のものである。
【0016】この液晶セル1は、その詳細な構造は図示
しないが、例えばTFT(薄膜トランジスタ)をスイッ
チング素子とするアクティブマトリックス型のものであ
り、前記一対の基板2,3のうち、一方の基板、例えば
表示の観察側(図1において上側)とは反対側の基板
(以下、後側基板と言う)3の内面に、マトリックス状
に配列する複数の画素電極と、これらの画素電極にそれ
ぞれ接続されたTFTと、前記複数のTFTにゲート信
号を供給する複数のゲート配線と、前記複数のTFTに
データ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられ、
他方の基板、つまり表示の観察側である前側の基板(以
下、前側基板と言う)2の内面に、前記複数の画素電極
に対向する一枚膜状の対向電極が設けられるとともに、
いずれか一方の基板、例えば前側基板2の内面に、前記
複数の画素電極と対向電極とが互いに対向する複数の画
素部にそれぞれ対応させて、複数の色、例えば赤、緑、
青の3色のカラーフィルタが設けられている。
【0017】さらに、前記一対の基板2,3の内面には
それぞれ、前記電極を覆って配向膜が設けられており、
これらの配向膜に、その膜面を所定の方向にラビングす
ることによる配向処理が施されている。
【0018】そして、前記一対の基板2,3は、枠状の
シール材を介して接合されており、これらの基板2,3
間の前記シール材により囲まれた領域にネマティック液
晶が封入されている。
【0019】図1において、矢印2aは前記液晶セル1
の前側基板2の配向処理方向を示し、矢印3aは後側基
板3の配向処理方向を示しており、前記前側基板2の配
向処理方向2aと、後側基板3の配向処理方向3aと
は、互いに実質的に直交している。
【0020】この実施例では、前記前側基板2の配向処
理方向2aを、液晶表示装置の画面の横軸x上の前側
(観察者側)から見て右側を基準(0°)として、これに
対し(以下、画面の横軸xに対しと言う)、その配向処理
方向の先端側(矢印側)を前側から見て右回りに45°ず
れた方向とするとともに、前記後側基板3の配向処理方
向3aを、前記画面の横軸xに対し、その配向処理方向
の先端側(矢印側)を前側から見て右回りに135°ずれ
た方向にしており、したがって、これらの基板1,2間
に封入されたネマティック液晶(図示せず)の液晶分子
は、後側基板3から前側基板2に向かい、前側から見て
右回りに90°のツイスト角でツイスト配向した初期配
向状態にある。
【0021】なお、前記画面の横軸xに対する前側基板
2および後側基板3の配向処理方向2a,3aのずれ角
と、前記液晶分子のツイスト角は、実質的に上記の角度
であればよく、その範囲は±10°の範囲、好ましくは
±5°の範囲である。
【0022】また、前記液晶セル1の液晶の複屈折異方
性Δnと液晶層厚dの積Δndの値(550nmの波長
光に対するΔnd値)の好適範囲は、380nm〜46
0nmの範囲である。
【0023】また、前記一対の偏光板4,5のうち、前
記液晶セル1の前側に配置された一方の偏光板(以下、
前側偏光板と言う)4は、その吸収軸4aを前記液晶セ
ル1の前側基板2の配向処理方向2aと実質的に平行に
して配置され、前記液晶セル1の後側に配置された他方
の偏光板(以下、後側偏光板と言う)5は、その吸収軸
5aを前記液晶セル1の後側基板3の配向処理方向3a
と実質的に平行にして配置されている。
【0024】この実施例では、前記前側偏光板4を、そ
の吸収軸4aを画面の横軸xに対し、前側から見て右回
りに45°ずれた方向に向けて配置し、前記後側偏光板
5を、その吸収軸5aを前記横軸xに対し、前側から見
て右回りに135°ずれた方向に向けて配置している。
【0025】なお、前記横軸xに対する前側偏光板4お
よび後側偏光板5の吸収軸4a,5aのずれ角は、実質
的に上記の角度であればよく、その範囲は±10°の範
囲、好ましくは±5°の範囲である。
【0026】一方、前記一対の視野角補償フィルム6,
7は、高分子液晶の棒状分子がその長軸のフィルム面に
投影した方向を一方向に揃えて一方の面から他方の面に
向かってチルト角が大きくなるようにハイブリッド配向
した状態を固定化した高分子液晶フィルムからなってお
り、光学的に正の一軸性を示し、550nmの波長光に
対して90nm〜120nmのリタデーションを有して
いる。
【0027】図2は前記視野角補償フィルム6,7の模
式的構造を示しており、この実施例では、図2の(a)
および(b)に示したいずれかの視野角補償フィルム
6,7を用いている。
【0028】図2の(a)に示した視野角補償フィルム
6,7は、水平配向性を有する透明な支持フィルム8a
の上に、前記高分子液晶からなる高分子液晶層9を形成
し、その高分子液晶の分子9aがその長軸のフィルム面
に投影した方向を一方向に揃えて前記支持フィルム8a
側から高分子液晶層9の表面側に向かってチルト角が大
きくなるようにハイブリッド配向した状態を固定化して
なるものであり、前記分子9aの支持フィルム8aの近
傍におけるチルト角は0°〜30°、高分子液晶層9の
表面の近傍におけるチルト角は80°〜90°である。
【0029】図2の(b)に示した視野角補償フィルム
6,7は、垂直配向性を有する透明な支持フィルム8b
の上に、前記高分子液晶からなる高分子液晶層9を形成
し、その高分子液晶の分子9aがその長軸のフィルム面
に投影した方向を一方向に揃えて前記高分子液晶層9の
表面側から前記支持フィルム8b側に向かってチルト角
が大きくなるようにハイブリッド配向した状態を固定化
してなるものであり、前記分子9aの高分子液晶層9の
表面の近傍におけるチルト角は0°〜30°、支持フィ
ルム8bの近傍におけるチルト角は80°〜90°であ
る。
【0030】これらの視野角補償フィルム6,7は、上
述したように高分子液晶の分子9aがその長軸のフィル
ム面に投影した方向を一方向に揃えて一方の面から他方
の面に向かってチルト角が大きくなるようにハイブリッ
ド配向した状態で固定化されたものであり、その配向状
態は、前記液晶セル1の電極間に電圧を印加して液晶分
子を基板面2,3に対して立上がり配向させたオン時の
基板近傍の液晶分子の配向状態と類似しているから、前
記液晶セル1のオン時のリタデーション(残留リタデー
ション)の補償に特に有効である。
【0031】前記一対の視野角補償フィルム6,7は、
高分子液晶の分子9aを上記のようにハイブリッド配向
させた状態で固定化したものであるため、その光学軸に
は向きが存在する。
【0032】この発明では、前記視野角補償フィルム
6,7の高分子液晶の分子9aの長軸をフィルム面に投
影した方向に沿った方向で、且つ前記高分子液晶の分子
9aのフィルム面に対するチルト角を形成する方向(略
扇状をなすハイブリッド配向状態の扇の要から放射状に
広がる方向)を、前記視野角補償フィルムの光学軸方向
6a,7aと定義する。
【0033】前記一対の視野角補償フィルム6,7はそ
れぞれ、前記液晶セル1と前側偏光板4との間に配置さ
れた一方の視野角補償フィルム(以下、前側視野角補償
フィルムと言う)6の光学軸方向6aを前記液晶セル1
の前記前側視野角補償フィルム6が配置された側とは反
対側の基板である後側基板3の配向処理方向3aと実質
的に直交させ、前記液晶セル1と後側偏光板5との間に
配置された他方の視野角補償フィルム(以下、後側視野
角補償フィルムと言う)7の光学軸方向7aを前記液晶
セル1の前記後側視野角補償フィルム7が配置された側
とは反対側の基板である前側基板2の配向処理方向2a
と実質的に直交させて配置されている。
【0034】この実施例では、図1に示したように、前
記前側視野角補償フィルム6を、その光学軸方向6aを
画面の横軸xに対し、前側から見て右回りに45°ずれ
た方向に向けて配置し、前記後側視野角補償フィルム7
を、その光学軸方向7aを前記横軸xに対し、前側から
見て右回りに135°ずれた方向に向けて配置してい
る。
【0035】なお、前記横軸xに対する前側視野角補償
フィルム6および後側視野角補償フィルム7の光学軸方
向6a,7aのずれ角は、実質的に上記の角度であれば
よく、その範囲は±10°の範囲、好ましくは±5°の
範囲である。
【0036】また、前記視野角補償フィルム6,7は、
前記支持フィルム8bの外面と高分子液晶層9の表面の
いずれの面を液晶セル1に対向させて配置してもよい。
【0037】この液晶表示装置は、一対の基板2,3の
内面にそれぞれ互いに交差する方向2a,3aに配向処
理が施され、これらの基板2,3間にネマティック液晶
が封入されてなるツイステッドネマティック型液晶セル
1を挟んで一対の偏光板4,5を配置し、前記液晶セル
1と前記一対の偏光板4,5との間にそれぞれ、高分子
液晶がその分子長軸のフィルム面に投影した方向を一方
向に揃えて一方の面から他方の面に向かってチルト角が
大きくなるようにハイブリッド配向した状態を固定化し
た光学的に正の一軸性を示す高分子液晶フィルムからな
る一対の視野角補償フィルム6,7を配置するととも
に、前記一対の偏光板4,5をそれぞれ、その吸収軸4
a,5aを前記液晶セル1の前記偏光板4,5が配置さ
れた側の基板2,3の配向処理方向2a,3aと実質的
に平行にして配置し、前記一対の視野角補償フィルム
6,7をそれぞれ、その光学軸方向(高分子液晶の分子
長軸をフィルム面に投影した方向に沿った方向で且つ前
記高分子液晶の分子9aのフィルム面に対するチルト角
を形成する方向)6a,7aを、前記液晶セル1の前記
視野角補償フィルム6,7が配置された側とは反対側の
基板3,2の配向処理方向3a,2aと実質的に直交さ
せて配置したものであるため、その表示を良好なコント
ラストで観察することができる視野角を、前記視野角補
償フィルム6,7の視野角補償効果により特定の方向に
広くすることができる。
【0038】すなわち、この液晶表示装置によれば、前
記視角補償フィルム6,7の光学軸方向6a,7aと液
晶セル1の基板2,3の配向処理方向2a,3aとを整
合させることにより、前記視角補償フィルム6,7の上
述した液晶セル1の残留リタデーションに対する補償効
果が、その整合方向に対応する画面上の特定方向におい
て顕著に発揮され、視野角がその特定方向において広く
なる。
【0039】この実施例では、前記ツイステッドネマテ
ィック型液晶セル1の一対の基板2,3の内面にそれぞ
れ互いに実質的に直交する方向2a,3aに配向処理を
施し、前記一対の偏光板4,5をそれぞれ、その吸収軸
4a,5aを前記液晶セル1の前記偏光板4,5が配置
された側の基板2,3の配向処理方向2a,3aと実質
的に平行にして配置しているため、より顕著に、視野角
を特定の方向に広くすることができる。
【0040】この実施例の液晶表示装置は、前記一対の
視野角補償フィルム6,7をそれぞれ、その視野角補償
フィルム6,7の光学軸方向6a,7aを前記液晶セル
1の反対側の基板3,2の配向処理方向3a,2aと実
質的に直交させて配置しているため、前記液晶セル1の
一対の基板2,3の配向処理方向2a,3aに対して4
5°程度傾いた方向の視野角が広く、それと直交する方
向の視野角が狭い視野角特性を有している。
【0041】図3はこの実施例の液晶表示装置の視野角
特性図であり、図において、実線はコントラスト比が2
0の等コントラスト比曲線、破線はコントラスト比が1
0の等コントラスト比曲線である。
【0042】なお、図3において、x,yは画面の横軸
と縦軸であり、前記横軸xと縦軸yの交点と、その交点
を中心とする複数の同心円は、液晶表示装置の画面の法
線に対する0°,30°,60°,80°の各視角を示
している。
【0043】この実施例では、上述したように、前記液
晶セル1の前側基板2の配向処理方向2aを、画面の横
軸xに対し、前側から見て右回りに実質的に45°(4
5°±10°、好ましくは45°±5°)ずれた方向と
し、後側基板3の配向処理方向3aを、前記横軸xに対
し、前側から見て右回りに実質的に135°(135°
±10°、好ましくは135°±5°)ずれた方向とす
ることにより、前記液晶セル1の一対の基板2,3の内
面の配向処理方向2a,3aをそれぞれ前記横軸xに対
して実質的に45°の角度で交差させるとともに、前記
一対の視野角補償フィルム6,7のうち、前側視野角補
償フィルム6を、その光学軸方向6aを前記横軸xに対
し、前側から見て右回りに実質的に45°(45°±1
0°、好ましくは45°±5°)ずれた方向に向けて配
置し、後側視野角補償フィルム7を、その光学軸方向7
aを前記横軸xに対し、前側から見て右回りに実質的に
135°(135°±10°、好ましくは135°±5
°)ずれた方向に向けて配置しているため、この液晶表
示装置の視野角特性は、図3のように、コントラスト比
が10以上の良好な表示を観察できる視野角が、画面の
縦軸yに沿った方向に広く、前記画面の横軸xに沿った
方向に狭い特性である。
【0044】このように、この実施例の液晶表示装置
は、画面の縦軸yに沿った方向の視野角が広く、前記画
面の横軸xに沿った方向の視野角が狭い視野角特性を有
しているため、表示観察者以外の第三者に横方向から表
示を覗き見される心配が無く、したがって、携帯情報端
末や携帯電話等の所謂モバイル機器のディスプレイとし
て極めて好都合なセキュリティ表示性をもっている。
【0045】しかも、この実施例の液晶表示装置は、表
示の帯色がほとんど無く、したがって、色純度の良い良
好な表示品質を得ることができる。
【0046】なお、上記実施例では、前側視野角補償フ
ィルム6の光学軸方向6aを、画面の横軸xに対して前
側から見て右回りに実質的に45°ずらし、後側視野角
補償フィルム7の光学軸方向7aを前記横軸xに対して
前側から見て右回りに実質的に135°ずらしている
が、前記前側視野角補償フィルム6の光学軸方向6aと
後側視野角補償フィルム7の光学軸方向7aは、上記実
施例と逆に、前側視野角補償フィルム6の光学軸方向6
aを前記横軸xに対して前側から見て左回りに実質的に
135°ずらし、後側視野角補償フィルム7を、その光
学軸方向7aを前記横軸xに対し、前側から見て左回り
に実質的に45°ずれた方向に向けて配置してもよい。
【0047】すなわち、前記視野角補償フィルム6,7
は、その光学軸方向6a,7aを、それぞれの軸の延在
方向はそのままで向きを逆方向に変えた配置としてもよ
いく、その場合も、コントラスト比の分布形状に多少の
違いは生じるが、画面の縦軸yに沿った方向に広く、前
記画面の横軸xに沿った方向に狭い視野角特性を得るこ
とができるとともに、表示の帯色がほとんど無い良好な
表示品質を得ることができる。
【0048】また、前記前側視野角補償フィルム6の光
学軸方向6aと後側視野角補償フィルム7の光学軸方向
7aは、そのいずれか一方を上記実施例と同じ向きに
し、他方を上記実施例と逆向きにしてもよく、その場合
も、大略、画面の縦軸yに沿った方向に広く、前記画面
の横軸xに沿った方向に狭い視野角特性を得ることがで
きるとともに、表示の帯色がほとんど無い良好な表示品
質を得ることができる。
【0049】さらに、上記実施例では、前記一対の視野
角補償フィルム6,7をそれぞれ、その光学軸方向6
a,7aを、前記液晶セル1の反対側の基板3,2の配
向処理方向3a,2aと実質的に直交させて配置してい
るが、これらの視野角補償フィルム6,7は、例えば、
前側視野角補償フィルム6の光学軸方向6aを前記液晶
セル1の反対側の基板(後側基板)3の配向処理方向3
aと実質的に直交させ、後側視野角補償フィルム7の光
学軸方向7aを前記液晶セル1の反対側の基板(前側基
板)2の配向処理方向2aと実質的に平行にするか、あ
るいは、後側視野角補償フィルム7の光学軸方向7aを
前記液晶セル1の反対側の基板(前側基板)2の配向処
理方向2aと実質的に直交させ、前側視野角補償フィル
ム6の光学軸方向6aを前記液晶セル1の反対側の基板
(後側基板)3の配向処理方向3aと実質的に平行にし
て配置してもよい。
【0050】その場合、前記光学軸方向を前記液晶セル
1の反対側の基板の配向処理方向と実質的に平行に配置
する視野角補償フィルム6または7は、その光学軸方向
6aまたは7aを、前記液晶セル1の反対側の基板3ま
たは2の配向処理方向3aまたは2aと同じ方向に向け
て配置しても、前記液晶セル1の反対側の基板3または
2の配向処理方向3aまたは2aと逆方向に向けて配置
してもよい。
【0051】このように、一対の視野角補償フィルム
6,7のうち、一方の視野角補償フィルム6または7の
光学軸方向6aまたは7aを液晶セル1の反対側の基板
3または2の配向処理方向3aまたは2aと実質的に直
交させ、他方の視野角補償フィルム7または6の光学軸
方向7aまたは6aを液晶セル1の反対側の基板3また
は2の配向処理方向2aまたは3aと実質的に平行にし
た液晶表示装置においても、視野角を、前記視野角補償
フィルム6,7の視野角補償効果により特定の方向に広
くすることができる。
【0052】図4および図5はこの発明の第2の実施例
を示しており、図4は液晶表示装置の分解斜視図、図5
はその視野角特性図である。
【0053】この実施例の液晶表示装置は、一対の視野
角補償フィルム6,7を、前側視野角補償フィルム6の
光学軸方向6aを液晶セル1の前側視野角補償フィルム
6が配置された側とは反対側の基板である後側基板3の
配向処理方向3aと実質的に平行にし、後側視野角補償
フィルム7の光学軸方向7aを前記液晶セル1の前記後
側視野角補償フィルム7が配置された側とは反対側の基
板である前側基板2の配向処理方向2aと実質的に平行
にするとともに、少なくともいずれか一方の視野角補償
フィルム、例えば後側視野角補償フィルム7の光学軸方
向7aを、前記液晶セル1の前側基板2の配向処理方向
2aとは逆方向に向けて配置したものであり、他の構成
は上述した第1の実施例と同じである。
【0054】すなわち、この実施例では、図4に示した
ように、前側視野角補償フィルム6を、その光学軸方向
6aを画面の横軸xに対し、前側から見て右回りに実質
的に135°(135°±10°、好ましくは135°
±5°)ずれた方向、つまり液晶セル1の後側基板3の
配向処理方向3aと実質的に平行で且つ同じ方向に向け
て配置し、後側視野角補償フィルム7を、その光学軸方
向7aを前記横軸xに対し、前側から見て左回りに実質
的に135°(135°±10°、好ましくは135°
±5°)ずれた方向、つまり前記液晶セル1の前側基板
2の配向処理方向2aと実質的に平行で且つ逆方向に向
けて配置している。
【0055】この液晶表示装置は、前記一対の視野角補
償フィルム6,7をそれぞれその光学軸方向6a,7a
を上記のような方向に向けて配置しているため、図5に
示したように、前記液晶セル1の一対の基板2,3の配
向処理方向2a,3aのうち、後側基板3の配向処理方
向3aに沿った方向、つまり、画面の縦軸yに対して前
側から見て右方向に45°程度傾いた方向の視野角が広
く、それと直交する方向の視野角が狭い視野角特性を有
している。
【0056】したがって、この液晶表示装置は、画面の
縦軸yに対して右回りに45°程度ずれた方向から表示
を観察される条件で使用されるものに好適である。
【0057】図6および図7はこの発明の第3の実施例
を示しており、図6は液晶表示装置の分解斜視図、図7
はその視野角特性図である。
【0058】この実施例の液晶表示装置は、前側視野角
補償フィルム6と後側視野角補償フィルム7の光学軸方
向6a,7aの向きを上記第2の実施例と逆にしたもの
であり、他の構成は上述した第1の実施例と同じであ
る。
【0059】すなわち、この実施例では、図6に示した
ように、前側視野角補償フィルム6を、その光学軸方向
6aを画面の横軸xに対し、前側から見て左回りに実質
的に45°(45°±10°、好ましくは45°±5
°)ずれた方向、つまり液晶セル1の後側基板3の配向
処理方向3aと実質的に平行で且つ逆方向に向けて配置
し、後側視野角補償フィルム7を、その光学軸方向7a
を前記横軸xに対し、前側から見て右回りに実質的に4
5°(45°±10°、好ましくは45°±5°)ずれ
た方向、つまり前記液晶セル1の前側基板2の配向処理
方向2aと実質的に平行で且つ同じ方向に向けて配置し
ている。
【0060】この液晶表示装置は、前記一対の視野角補
償フィルム6,7をそれぞれその光学軸方向6a,7a
を上記のような方向に向けて配置しているため、図7に
示したように、前記液晶セル1の一対の基板2,3の配
向処理方向2a,3aのうち、前側基板2の配向処理方
向2aに沿った方向、つまり、画面の縦軸yに対して前
側から見て左方向に45°程度傾いた方向の視野角が広
く、それと直交する方向の視野角が狭い視野角特性を有
している。
【0061】したがって、この液晶表示装置は、画面の
縦軸yに対して左回りに45°程度ずれた方向から表示
を観察される条件で使用されるものに好適である。
【0062】なお、上記第2および第3の実施例では、
一方の視野角補償フィルム6または7の光学軸方向6a
または7aを液晶セル1の反対側の基板3または2の配
向処理方向3aまたは2aと同じ方向に向け、他方の視
野角補償フィルム7または6の光学軸方向7aまたは6
aを前記液晶セル1の反対側の基板2または3の配向処
理方向2aまたは3aと逆方向に向けているが、前記一
対の視野角補償フィルム6,7は、その光学軸方向6
a,7aをそれぞれ前記液晶セル1の反対側の基板3,
2の配向処理方向3a,2aと逆方向に向けて配置して
もよく、このようにしても、液晶表示装置の視野角特性
を特定の方向に広くすることができる。
【0063】ただし、前記一対の視野角補償フィルム
6,7の光学軸方向6a,7aをそれぞれ液晶セル1の
反対側の後側基板3,2の配向処理方向3a,2aと実
質的に平行にする場合、前記視野角補償フィルム6,7
の両方の光学軸方向6a,7aをそれぞれ液晶セル1の
反対側の基板3,2の配向処理方向3a,2aと同じ方
向に向けて配置することも考えられるが、このようにし
たのでは、表示の帯色が激しくなり、表示品質が低下す
る。
【0064】したがって、前記一対の視野角補償フィル
ム6,7の光学軸方向6a,7aをそれぞれ液晶セル1
の反対側の後側基板3,2の配向処理方向3a,2aと
実質的に平行にする場合は、前記視野角補償フィルム
6,7の少なくとも一方の視野角補償フィルム6または
7を、その光学軸方向6aまたは7aを液晶セル1の反
対側の基板3,2の配向処理方向3a,2aと逆方向に
向けて配置するのが好ましい。
【0065】なお、上述した第1〜第3の実施例では、
一対の偏光板4,5を、その吸収軸4a,5aを液晶セ
ル1の前記偏光板4,5が配置された側の基板2,3の
配向処理方向2a,3aと実質的に平行にして配置して
いるが、前記一対の偏光板4,5は、その吸収軸4a,
5aを前記液晶セル1の前記偏光板4,5が配置された
側の基板2,3の配向処理方向2a,3aと実質的に直
交(45°±10°、好ましくは45°±10°の角度
で交差)させて配置してもよく、その場合も、上記各実
施例と同等の効果が得られる。
【0066】また、上記各実施例では、液晶セル1の一
対の基板2,3の配向処理方向2a,3aを画面の横軸
xに対して実質的に45°ずれた方向にしているが、前
記横軸xに対する一対の基板2,3の配向処理方向2
a,3aは、液晶表示装置の使用条件に応じて設定し、
それに合わせて、一対の偏光板4,5の吸収軸4a,5
aの向きと、一対の視野角補償フィルム6,7の光学軸
方向6a,7aの向きとを、前記液晶セル1の一対の基
板2,3の配向処理方向2a,3aに対して上述した関
係になるように設定すればよい。
【0067】さらに、上記各実施例の液晶セル1はカラ
ーフィルタを備えたものであるが、液晶セルは、カラー
フィルタを備えないものでもよく、さらに、アクティブ
マトリックス型のものに限らず、単純マトリックス型の
ものでもよい。
【0068】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、一対の基板
の内面にそれぞれ互いに交差方向に配向処理が施され、
これらの基板間にネマティック液晶が封入されてなるツ
イステッドネマティック型液晶セルを挟んで一対の偏光
板を配置し、前記液晶セルと前記一対の偏光板との間に
それぞれ、高分子液晶の分子がその長軸のフィルム面に
投影した方向を一方向に揃えて一方の面から他方の面に
向かってチルト角が大きくなるようにハイブリッド配向
した状態を固定化した光学的に正の一軸性を示す高分子
液晶フィルムからなる一対の視野角補償フィルムを配置
するとともに、前記一対の視野角補償フィルムを、その
一方の視野角補償フィルムの光学軸方向(高分子液晶の
分子長軸をフィルム面に投影した方向に沿った方向で且
つ前記高分子液晶の分子のフィルム面に対するチルト角
を形成する方向)を前記液晶セルの前記一方の視野角補
償フィルムが配置された側とは反対側の基板の配向処理
方向と実質的に直交させ、他方の視野角補償フィルムの
光学軸方向を前記液晶セルの前記他方の視野角補償フィ
ルムが配置された側とは反対側の基板の配向処理方向と
実質的に直交または平行にして配置したものであるた
め、視野角を特定の方向に広くすることができる。
【0069】本発明の液晶表示装置は、前記ツイステッ
ドネマティック型液晶セルの一対の基板の内面にそれぞ
れ互いに実質的に直交する方向に配向処理が施されてお
り、前記一対の偏光板が、その一方の偏光板の吸収軸を
前記液晶セルの前記一方の偏光板が配置された側の基板
の配向処理方向と実質的に直交または平行にし、他方の
偏光板の吸収軸を前記液晶セルの前記他方の偏光板が配
置された側の基板の配向処理方向と実質的に直交または
平行にして配置されている構成のものが好ましく、この
ようにすることにより、より顕著に、視野角を特定の方
向に広くすることができる。
【0070】また、上記液晶表示装置において、前記一
方の視野角補償フィルムと他方の視野角補償フィルムは
それぞれ、その光学軸方向を前記液晶セルの反対側の基
板の配向処理方向と実質的に直交させて配置するのが好
ましく、このようにすることにより、前記液晶セルの一
対の基板の配向処理方向に対して45°程度傾いた方向
の視野角が広く、それと直交する方向の視野角が狭い視
野角特性を得ることができるとともに、表示の帯色がほ
とんど無い良好な表示品質を得ることができる。
【0071】さらに、前記一方の視野角補償フィルムと
他方の視野角補償フィルムをそれぞれ、その光学軸方向
を前記液晶セルの反対側の基板の配向処理方向と実質的
に直交させて配置する場合、前記液晶セルの一対の基板
の内面の配向処理方向はそれぞれ、画面の横軸に対して
実質的に45°の角度で交差させるのが好ましく、この
ようにすることにより、画面の縦軸に沿った方向の視野
角が広く、前記画面の横軸に沿った方向の視野角が狭い
視野角特性を得ることができる。
【0072】また、この発明の他の液晶表示装置は、一
対の基板の内面にそれぞれ互いに実質的に直交する方向
に配向処理が施され、これらの基板間にネマティック液
晶が封入されてなる液晶セルを挟んで一対の偏光板を配
置し、前記液晶セルと前記一対の偏光板との間にそれぞ
れ、高分子液晶の分子がその長軸のフィルム面に投影し
た方向を一方向に揃えて一方の面から他方の面に向かっ
てチルト角が大きくなるようにハイブリッド配向した状
態を固定化した光学的に正の一軸性を示す高分子液晶フ
ィルムからなる一対の視野角補償フィルムを配置すると
ともに、前記一対の偏光板をそれぞれ、その吸収軸を、
前記液晶セルの前記偏光板が配置された側の基板の配向
処理方向と実質的に直交または平行にして配置し、前記
一対の視野角補償フィルムをそれぞれ、その光学軸方向
(高分子液晶の分子長軸をフィルム面に投影した方向に
沿った方向で且つ前記高分子液晶分子のフィルム面に対
するチルト角を形成する方向)を前記液晶セルの前記視
野角補償フィルムが配置された側とは反対側の基板の配
向処理方向と実質的に平行にするとともに、少なくとも
一方の視野角補償フィルムの光学軸方向を前記液晶セル
の前記反対側の基板の配向処理方向とは逆方向に向けて
配置したものであるため、視野角を特定の方向に広くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の
分解斜視図。
【図2】視野角補償フィルムの模式的構造図。
【図3】第1の実施例の液晶表示装置の視野角特性図。
【図4】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の
分解斜視図。
【図5】第2の実施例の液晶表示装置の視野角特性図。
【図6】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の
分解斜視図。
【図7】第3の実施例の液晶表示装置の視野角特性図。
【符号の説明】
1…液晶セル 2,3…基板 2a,3a…配向処理方向 4,5…偏光板 4a,5a…吸収軸 6,7…視野角補償フィルム 6a,7a…光学軸方向 8a,8b…支持フィルム 9…高分子液晶層 9a…高分子液晶の分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB03 BC22 2H090 LA06 LA09 MA06 MA10 2H091 FA08X FA08Z FA11X FC08 FD09 FD10 KA03 KA10 LA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された一対の基板の内面にそれぞ
    れ互いに交差する方向に配向処理が施され、これらの基
    板間にネマティック液晶が分子をツイスト配向させた状
    態で封入されてなるツイステッドネマティック型液晶セ
    ルと、前記液晶セルを挟んで配置された一対の偏光板
    と、前記液晶セルと前記一対の偏光板との間にそれぞれ
    配置された一対の視野角補償フィルムとを備え、 前記一対の視野角補償フィルムはそれぞれ、高分子液晶
    の分子がその長軸のフィルム面に投影した方向を一方向
    に揃えて一方の面から他方の面に向かってチルト角が大
    きくなるようにハイブリッド配向した状態を固定化した
    光学的に正の一軸性を示す高分子液晶フィルムからなっ
    ており、 前記視野角補償フィルムの高分子液晶の分子長軸をフィ
    ルム面に投影した方向に沿った方向で且つ前記高分子液
    晶の分子のフィルム面に対するチルト角を形成する方向
    を前記視野角補償フィルムの光学軸方向としたとき、 前記一対の視野角補償フィルムが、その一方の視野角補
    償フィルムの光学軸方向を前記液晶セルの前記一方の視
    野角補償フィルムが配置された側とは反対側の基板の配
    向処理方向と実質的に直交させ、他方の視野角補償フィ
    ルムの光学軸方向を前記液晶セルの前記他方の視野角補
    償フィルムが配置された側とは反対側の基板の配向処理
    方向と実質的に直交または平行にして配置されているこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】ツイステッドネマティック液晶セルの一対
    の基板の内面にそれぞれ互いに実質的に直交する方向に
    配向処理が施されており、 一対の偏光板が、その一方の偏光板の吸収軸を前記液晶
    セルの前記一方の偏光板が配置された側の基板の配向処
    理方向と実質的に直交または平行にし、他方の偏光板の
    吸収軸を前記液晶セルの前記他方の偏光板が配置された
    側の基板の配向処理方向と実質的に直交または平行にし
    て配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】一方の視野角補償フィルムと他方の視野角
    補償フィルムはそれぞれ、その光学軸方向を液晶セルの
    反対側の基板の配向処理方向と実質的に直交させて配置
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    液晶表示装置。
  4. 【請求項4】液晶セルの一対の基板の内面の配向処理方
    向はそれぞれ、画面の横軸に対して実質的に45°の角
    度で交差していることを特徴とする請求項3に記載の液
    晶表示装置。
  5. 【請求項5】対向配置された一対の基板の内面にそれぞ
    れ互いに実質的に直交する方向に配向処理が施され、こ
    れらの基板間にネマティック液晶が封入されてなる液晶
    セルと、前記液晶セルを挟んで配置された一対の偏光板
    と、前記液晶セルと前記一対の偏光板との間にそれぞれ
    配置された一対の視野角補償フィルムとを備え、 前記一対の視野角補償フィルムはそれぞれ、高分子液晶
    の分子がその長軸のフィルム面に投影した方向を一方向
    に揃えて一方の面から他方の面に向かってチルト角が大
    きくなるようにハイブリッド配向した状態を固定化した
    光学的に正の一軸性を示す高分子液晶フィルムからなっ
    ており、 前記一対の偏光板が、その一方の偏光板の吸収軸を前記
    液晶セルの前記一方の偏光板が配置された側の基板の配
    向処理方向と実質的に直交または平行にし、他方の偏光
    板の吸収軸を前記液晶セルの前記他方の偏光板が配置さ
    れた側の基板の配向処理方向と実質的に直交または平行
    にして配置されるとともに、 前記視野角補償フィルムの高分子液晶の分子長軸をフィ
    ルム面に投影した方向に沿った方向で且つ前記高分子液
    晶の分子のフィルム面に対するチルト角を形成する方向
    を前記視野角補償フィルムの光学軸方向としたとき、 前記一対の視野角補償フィルムが、その一方の視野角補
    償フィルムの光学軸方向を前記液晶セルの前記一方の視
    野角補償フィルムが配置された側とは反対側の基板の配
    向処理方向と実質的に平行にし、他方の視野角補償フィ
    ルムの光学軸方向を前記液晶セルの前記他方の視野角補
    償フィルムが配置された側とは反対側の基板の配向処理
    方向と実質的に平行にするとともに、少なくともいずれ
    か一方の視野角補償フィルムの光学軸方向を前記液晶セ
    ルの前記反対側の基板の配向処理方向とは逆方向に向け
    て配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
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