JP2003021446A - 冷凍機および冷凍方法 - Google Patents

冷凍機および冷凍方法

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JP2003021446A
JP2003021446A JP2001208621A JP2001208621A JP2003021446A JP 2003021446 A JP2003021446 A JP 2003021446A JP 2001208621 A JP2001208621 A JP 2001208621A JP 2001208621 A JP2001208621 A JP 2001208621A JP 2003021446 A JP2003021446 A JP 2003021446A
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Japan
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temperature
food
freezing
cooling
meat
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JP2001208621A
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English (en)
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Yoshiko Yasunobu
淑子 安信
Hajime Oyabu
一 大藪
Tomoko Tani
谷  知子
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2400/00General features of, or devices for refrigerators, cold rooms, ice-boxes, or for cooling or freezing apparatus not covered by any other subclass
    • F25D2400/30Quick freezing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2700/00Means for sensing or measuring; Sensors therefor
    • F25D2700/16Sensors measuring the temperature of products

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食材などの冷凍対象物を、組織および成分を
保持して冷凍できる冷凍機を提供する。 【解決手段】 冷凍室2の内部の温度を冷却装置3によ
り調節する温度制御装置5を、冷凍室内に設置した食材
1に対して、温度センサー4で検知される表面温度が最
大氷結晶生成帯の終了温度近傍まで低下するよう冷却す
る冷却工程と、最大氷結晶生成帯の開始温度近傍まで上
昇するよう加熱する加熱工程とを実施し、加熱工程の終
了後に所定の保存温度まで冷却するように構成する。こ
れにより、食材中心部の冷却を促進して、食材表面と中
心部の温度差を低減することができ、短時間で良好な冷
凍品質を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食材を冷凍するた
めの冷凍機および冷凍方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食材を冷凍操作すると、その組織の温度
が急速に下がり、やがて組織内部の水が凍結点に達し、
0℃〜−5℃の凍結期間(最大氷結晶生成帯、凍結する
食品の種類によって多少の温度差はある)に組織内部の
水の7〜8割が凍結する。凍結が食材中心部に達した後
は、組織の温度が再び下がり、冷凍室の雰囲気温度に到
達する。
【0003】冷凍の際には、食材全体をできるだけ速く
目標とする保存温度に到達させることが重要である。凍
結期間が長くなると、氷結晶が生成して組織自体が破壊
され、解凍時に水分や旨味などがドリップとして流出
し、食材の品質を著しく損なうからである。このため、
冷凍室内部の雰囲気温度を低くすることにより、食材を
速やかに冷却して、凍結期間を短くし、氷結晶の成長を
抑制するようにしている。
【0004】図6に、冷凍室内部の雰囲気温度−20℃
で畜肉を冷却した時の畜肉表面および畜肉中心部の温度
変化を示す。図中、は畜肉表面の組織の水が凍結して
氷結晶を形成する凍結期間、は畜肉中心部の組織の水
が凍結して氷結晶を形成する凍結期間である。
【0005】図7に、冷凍室内部の雰囲気温度−40℃
で畜肉を冷却した時の畜肉表面および畜肉中心部の温度
変化を示す。図中、は畜肉表面の組織の水が凍結して
氷結晶を形成する凍結期間、は畜肉中心部の組織の水
が凍結して氷結晶を形成する凍結期間である。
【0006】図6と図7とを比較すると明らかなよう
に、雰囲気温度−20℃での畜肉表面の凍結期間は1
00分、畜肉中心部の凍結期間は220分であるのに
対し、雰囲気温度−40℃での畜肉表面の凍結期間は
18分、畜肉中心部の凍結期間は64分であり、雰囲
気温度を低くしたことで凍結期間が短縮されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようにして雰囲気温度を低くすることにより凍結期間
を短くしても、食材の品質を保持するのに十分ではな
い。
【0008】表1に、上記した雰囲気温度で冷凍した時
の、冷凍解凍後の組織状態と成分濃度を示す。雰囲気温
度−20℃での冷凍は従来の冷凍方法1として記し、雰
囲気温度−40℃での冷凍は従来の冷凍方法2として記
した。組織状態の評価は、冷凍食材の組織がほとんど破
壊されていないときに○、組織の破壊が組織の面積の1
/2未満のときに×、破壊が1/2以上のときに××と
した。成分濃度の評価は、冷凍食材の成分がほとんど流
出されていないときに○、成分の流出が冷凍前の成分の
1/2未満のときに×、1/2以上のときに××とし
た。
【表1】
【0009】表1に記載された冷凍解凍後の組織状態を
見てみると、従来の冷凍方法1(雰囲気温度−20℃)
では組織状態は悪くなっている。これは、上述したよう
に畜肉表面の凍結期間が100分、中心部の凍結期間
が220分と長いため、氷結晶によって組織が破壊さ
れたものと推定される。
【0010】一方、従来の冷凍方法2(雰囲気温度−4
0℃)では、上述したように畜肉表面の凍結期間が1
8分、畜肉中心部の凍結期間が64分に短縮されるこ
とで氷結晶による組織破壊は抑制されていると推定され
るが、実際の組織状態は悪くなっている。ここで考察す
るに、従来の冷凍方法2における畜肉表面の凍結速度
0.28℃/min(凍結期間0〜−5℃通過速度=5/1
8)を、畜肉中心部の凍結速度0.078℃/min(凍結
期間通過速度=5/64)で割ると、凍結速度比約3.
6(凍結速度比=表面の凍結速度/中心部の凍結速度)
が算出される。これに関し、下記の表2に示したように
4種類の食材A〜Dについて同様に凍結速度比を求め、
亀裂の有無を調べると、凍結速度比が約3.3以上の食
材C・Dで亀裂が生じている。このことから、凍結速度
比が約3.6となった従来の冷凍方法2では、表面が早
く凍結されて圧力が増加することにより食材自体に亀裂
(破壊)が生じ、組織状態が悪くなったと推定される。
【表2】
【0011】また、冷凍解凍後の成分濃度を見てみる
と、従来の冷凍方法1では、成分濃度は低くなってい
る。これは、氷結晶にる組織破壊が原因で、解凍時に水
分とともに成分が食材外に流出したためと推定される。
【0012】従来の冷凍方法2では、従来の冷凍方法1
よりも成分濃度が低くなっている。これは、畜肉自体に
亀裂が生じるような大きな組織破壊が原因で、解凍時に
成分が食材外に流出したためと推定される。
【0013】このように、従来の冷凍方法では、畜肉な
どの食材を冷凍する時に組織が破壊され、食材中の成分
が流出してしまい、食材本来の食味を変化させずに冷凍
することは難しい。
【0014】本発明は上記問題を解決するもので、食材
などの冷凍対象物を、組織および成分を保持して冷凍で
きる冷凍機を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、食材を設置する冷凍室と、前
記冷凍室の内部を冷却する冷却手段と、食材の表面温度
を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の情報を
もとに前記冷却手段を制御して前記冷凍室内部の温度を
調節する温度制御手段とを備えた冷凍機において、前記
温度制御手段は、前記冷凍室内に設置した食材に対し
て、その表面温度が最大氷結晶生成帯の終了温度近傍ま
で低下するよう冷却する冷却工程と、最大氷結晶生成帯
の開始温度近傍まで上昇するよう加熱する加熱工程とを
実施し、加熱工程の終了後に所定の保存温度まで冷却す
るように構成されたもので、これにより、食材全体を均
一に速やかに冷却できるとともに、組織の破壊を低減で
きる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の冷
凍機において、温度制御手段は、食材の表面温度が最大
氷結晶生成帯の開始温度に到達するまでの所定の温度帯
を通過する際の所要時間を検知し、検知した値より冷却
速度を演算し、食材ごとに予め記憶した冷却速度と重量
との相関から食材重量を推定し、推定した食材重量と温
度検出手段で検出された表面温度とをもとに、食材ごと
に予め実験的に求められ記憶した表面温度と中心部温度
とのデータを用いて、食材中心部温度を最大氷結晶生成
帯の開始温度まで低下させるのに必要な加熱工程の回数
を決定するように構成されたもので、冷凍時に食材の種
類情報を与えるだけで、自動的に適切な加熱工程の回数
が決定され、実施される。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1記載の冷
凍機において、温度制御手段は、食材の表面温度と寸法
や熱伝導度である物理特性情報とから食材中心部の温度
を推定し、推定した食材中心部温度と温度検出手段で検
出された表面温度との差をもとに、食材中心部温度を最
大氷結晶生成帯の開始温度まで低下させるのに必要な加
熱工程の回数を決定するように構成されたもので、冷凍
時に食材の種類情報と物理特性情報とを与えるだけで、
自動的に適切な加熱工程の回数が決定され、実施され
る。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3記載の冷
凍機において、温度制御手段は、食材の表面温度が最大
氷結晶生成帯の開始温度に到達するまでに、食材の表面
温度と中心部温度とを所定の温度差に維持するように冷
却および加熱を実施するように構成されたもので、氷結
晶生成開始までに食材の表面温度と中心部温度とが近づ
けられるので、食材全体がより均一に冷凍される。
【0019】請求項5記載の発明は、食材を冷凍するに
際し、冷凍室内に設置した前記食材に対して、表面温度
を検出し、検出した表面温度が最大氷結晶生成帯の終了
温度近傍まで低下するよう冷却する冷却工程と、最大氷
結晶生成帯の開始温度近傍まで上昇するよう加熱する加
熱工程とを実施し、加熱工程の終了後に所定の保存温度
まで冷却することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。 (実施の形態1)図1および図2は、本発明の実施の形
態1における冷凍機の概略構成を示す。
【0021】図1に示した冷凍機本体は、食材1などの
冷凍対象物を収容する冷凍室2と、冷凍室2の内部を冷
却するための冷却装置3と、冷凍室2の内部の温度およ
び食材1の表面の温度を検知する温度センサー4と、こ
の温度センサー4の情報をもとに冷却装置3を制御して
冷凍室2の内部の温度を調節する温度制御装置5とを備
えている。
【0022】冷却装置3は、図示しない圧縮機と凝縮器
とキャピラリーチューブとを有した冷却器6と、冷却器
6で冷却された冷気を冷凍室2内に導くための吐出ダク
ト7と、冷凍室2内の冷気を冷却器6に戻すための吸い
込みダクト8と、冷却器6による冷気を吐出ダクト7を
通じて冷凍室2内に強制通風する送風機9と、冷凍室2
の入口近傍に配置され電気的入力に応じてモータ10の
駆動力により開閉し、冷気流入量を調整するダンパサー
モ11とを備えている。
【0023】図2は、冷凍機本体の外面に設けられたコ
ントロールパネル12を示す。このコントロールパネル
12には、食材の種類を選択するメニューキー13、食
材の保存温度を設定する温度設定キー14、温度設定キ
ー14で設定した保存温度を確定する温度決定ボタン1
5、設定温度および冷凍室内温度を表示する温度表示パ
ネル16、冷凍運転を開始及び中止させるスタートボタ
ン17を備えている。
【0024】上記した冷凍機における食材1の冷凍方法
を説明する。まず、コントロールパネル12において、
温度設定キー14で所望の保存温度を設定し、それによ
り温度表示パネル16に数秒間、表示される設定温度を
確認し、その後に温度決定ボタン15を押して保存温度
を確定する。次に、メニューキー13で「肉」などの食
材種類を選択し、冷凍対象の食材1を冷凍室2内の温度
センサー4上に設置するとともに、スタートボタン17
を押して冷却を開始する。
【0025】このことにより、温度センサー4が食材表
面の温度を検知して逐次、温度制御装置5に出力する。
それに対して温度制御装置5は、入力してくる表面温度
が0℃に下降するまでの間の予め決めた温度帯(たとえ
ば10℃から5℃までの温度帯)を通過する時間を検知
し、それより冷却速度を演算し、演算した冷却速度の値
を用いて、予め記憶していた食材種類ごとの冷却速度と
重量との相関から食材重量を推定する。
【0026】そして、推定した食材重量とその時点で温
度センサー4が検出した表面温度とをもとに、食材ごと
に予め実験的に求め記憶した表面温度と重量と中心部温
度とのデータを用いて、凍結期間(最大氷結晶生成帯0
〜−5℃)に食材表面を加熱する加熱工程を行なう回数
を決定する。この回数は、食材中心部温度を最大氷結晶
生成帯の開始温度0℃まで低下させるのに必要な回数で
ある。
【0027】そして、温度センサー4が−5℃を検知す
るまで冷却を継続し、−5℃が検知されたら、温度セン
サー4が0℃を検知するまで加熱する加熱工程を実施す
る。ここでは、冷却器6による冷気の温度を0℃以上、
たとえば0℃に上げることにより加熱する。
【0028】決定した回数だけの冷却・加熱工程を終了
したら、冷凍室2内部の温度を保存温度−20℃まで連
続して冷却する。なお、食材表面の加熱を制御する他の
方法には、ダンパーサーモ11によって冷凍室2内に入
る冷気の量を制御する方法や、送風機9の風量により制
御する方法がある。冷蔵室を併設した冷凍機では、冷蔵
室の0℃以上の空気を冷凍室2に吹き込むことによって
食材表面を加熱するようにしてもよい。
【0029】図3に、上記したようにして畜肉を冷凍し
たときの温度変化を示す。ここでは、畜肉中心部の温度
は直接に温度センサーを挿入することにより調べた。畜
肉の初期温度は20℃近辺である。冷却が開始された
後、上記したようにして、冷却速度が演算され、その演
算値を用いて畜肉重量が推定され、推定された畜肉重量
とその時点で検出された畜肉表面温度とをもとに加熱工
程の回数が決定される。
【0030】畜肉表面が最大氷結晶生成帯の終了温度−
5℃まで低下したら、畜肉表面が0℃に温度上昇するま
で加熱工程が行なわれる。このとき、畜肉表面が−5℃
まで低下した時点では、畜肉表面部は最大氷結晶生成帯
0〜−5℃を通過する間に氷結晶が生成されており、畜
肉中心部は12℃近辺までしか低下せず、氷結晶は生成
されていない。
【0031】加熱工程の間に、畜肉表面部の氷結晶の一
部が融解する一方で、冷凍室内の温度より高い約12℃
であった畜肉中心部は、熱伝導だけでなく畜肉表面部の
氷結晶の融解熱によって冷却され、冷却はそれまでより
促進される。よって、畜肉表面と畜肉中心部との温度差
は速やかに縮まる。
【0032】加熱工程の終了後、冷凍室内は連続して冷
却され、畜肉表面・畜肉中心部ともに保存温度−20℃
まで冷却される。なお、畜肉表面が0℃に上昇した時点
で再び冷却を開始するようにしたのは、氷結晶が完全に
融解すると熱伝導度が下がり、また再び凍結するときに
凝固熱が必要であり、さらに一度氷結晶のできた部分は
完全にはもとの組織に戻らないので、氷結晶の生成と融
解を繰り返さないのが望ましいことから、畜肉表面の氷
結晶が完全に溶けるのを防ぐためである。
【0033】このような冷凍方法により、下記の表3に
示すように、畜肉中心部の凍結期間は50分となり、従
来の冷凍方法2の64分と比較して約20%短縮され
た。畜肉表面の凍結期間は40分となり、従来の冷凍方
法2の18分と比較して長くなるものの、畜肉全体が均
一に冷却され、組織に氷結晶による破壊は少なかった。
【表3】
【0034】また、畜肉表面の凍結期間と畜肉中心部
の凍結期間との凍結速度比は約1.3になり、上述し
たように食材に亀裂が生じるのは凍結速度比3.3以上
であることの例にもれず、亀裂を生じなかった。
【0035】よって、解凍したときの成分流出が少な
く、従来の冷凍方法1・2(表1参照)と比較して、組
織の状態、成分濃度ともによくなった。 (実施の形態2)本発明の実施の形態2における冷凍機
の本体は図1に示した実施の形態1の冷凍機と同様の構
成を有しているので、図1を援用して説明を省略する。
【0036】この実施の形態2の冷凍機においては、図
4に示すように、コントロールパネル18に、食材の幅
や熱伝導度などの物理特性を選択する物理特性入力キー
19、食材の幅や熱伝導度、及び保存温度を設定する設
定キー20、設定キー20で設定した食材の幅や熱伝導
度、及び保存温度を確定する決定ボタン21、設定した
食材の幅や熱伝導度、保存温度、および冷凍室内温度を
表示する表示パネル22、冷凍運転を開始及び中止させ
るスタートボタン23、冷凍が終了し保存工程に入った
ことを知らせる保存ランプ24とが設けられている。
【0037】この冷凍機における食材1の冷凍方法を説
明する。まず、コントロールパネル18において、物理
特性入力キー19の食材の「幅」を選択し、設定キー2
0で数値入力し、決定ボタン21で入力値を確定し、次
に物理特性入力キー19の「熱伝導度」を選択し、設定
キー20で数値入力し、決定ボタン21で入力値を確定
し、次に設定キー20で所望の保存温度を入力し、決定
ボタン21で入力値を確定する。これらの操作は表示パ
ネル18で確認しながら行なう。次に、冷凍対象の食材
1を冷凍室内の温度センサー4上に設置し、スタートボ
タン23を押して冷凍を開始する。
【0038】このことにより、温度センサー4が食材表
面の温度を検知して逐次、温度制御装置5に出力する。
それに対して温度制御装置5は、入力してくる情報と、
先に入力された食材の幅および熱伝導度の情報とを用い
て、予め記憶していた演算式により食材中心部の温度を
演算する。
【0039】食材を低温静止空気内に静置した場合の熱
量の関係式はたとえば式のように表される。ここで、
静止空気内の熱伝達率はh=5W/m2・℃であり、熱
伝導率λはコントロールパネル18から入力された値で
あり、熱の移動距離Lはコントロールパネル18から入
力された食材の幅の値から推定され、冷凍室内の温度T
a,食材表面の温度Tbは温度センサー4により検出さ
れた値である。よって、食材中心部の温度Tcは式か
ら演算される。Qは熱量、Sは表面積である。
【0040】式 Q=h×(Tb−Ta)×S 式 Q=λ×((Tc−Tb)/L)×S 式=式より 式 h×(Tb−Ta)=λ×((Tc−Tb)/L) そして、算出された中心部温度と、温度センサー4で検
出された表面温度との差をもとに、中心部温度を最大氷
結晶生成帯の開始温度0℃まで低下させるのに必要な加
熱工程の回数を決定する。
【0041】そして、温度センサー4が食材表面温度0
℃を検出するまで、算出した食材中心部の温度データを
基に、食材表面と食材中心部の温度が予め決めた一定の
温度差以内に抑えられるように、食材表面を所定の時間
だけ加熱する加熱工程を行なう。
【0042】食材表面温度0℃の検出後は、上記した実
施の形態1と同様にして、食材1を冷却し、温度センサ
ー4が食材表面温度−5℃を検出したら、再び加熱工程
を行なう、という操作を繰り返す。
【0043】決定した回数だけの冷却・加熱工程を終了
したら、すなわち中心部温度が0℃近辺になったら、冷
凍室2内部の温度を保存温度−20℃まで連続して冷却
する。畜肉中心部が保存温度に到達した時点で、冷凍が
終了し保存工程に入ったことを知らせる保存ランプ24
を点灯させる。
【0044】なお、冷凍開始に際して入力すべき物理特
性は、上記した食材の幅や熱伝導度に限らず適宜に設定
すればよい。食材の面積、厚み、体積、比熱なども可能
である。
【0045】図5に、上記したようにして畜肉を冷凍し
たときの温度変化を示す。畜肉の初期温度は20℃近辺
である。冷却が開始された後、上記したようにして、畜
肉中心部の温度が推定され、推定された畜肉中心部温度
とその時点で検出された畜肉表面温度とをもとに加熱工
程の回数が決定される。
【0046】それと同時に、畜肉表面の温度が0℃にな
るまで、畜肉表面と畜肉中心部の温度差が予め決めた一
定の温度差、好ましくは従来よりも小さい温度差、たと
えば10℃前後以内となるように冷却、加熱が繰り返さ
れる。
【0047】畜肉表面の温度が0℃になった後は、実施
の形態1と同様にして、畜肉表面が凍結期間(最大氷結
晶生成帯)の終了温度である−5℃に低下するまで冷却
され、次いで畜肉表面が0℃になるまで加熱する加熱工
程が、決定した回数だけ行なわれる。
【0048】加熱工程の終了後、冷凍室内は連続して冷
却され、畜肉表面・畜肉中心部ともに保存温度−20℃
まで冷却される。この冷凍方法においても、畜肉表面は
最大氷結晶生成帯0〜−5℃を通過する間に氷結晶が生
成される一方で、畜肉中心部は、畜肉表面が最初に−5
℃に達した時点でも13℃近辺というように氷結晶の生
成が遅れ、加熱工程でかえって冷却が促進される。よっ
て、畜肉表面と畜肉中心部との温度差は速やかに縮ま
る。
【0049】このような冷凍方法により、上述した表3
に示すように、畜肉中心部の凍結期間は50分となり、
従来の冷凍方法2の64分と比較して約30%短縮され
た。畜肉表面の凍結期間は29分となり、従来の冷凍方
法2の18分と比較してやや長くなるものの、畜肉全体
が均一に冷却され、畜肉の組織全体としては氷結晶によ
る破壊は少なかった。これは、実施の形態2では畜肉表
面と畜肉中心部の温度差が常に所定の温度9℃以内に保
たれるのに対し、従来の冷凍方法1、2では約18℃で
あったことから明らかである。
【0050】また、畜肉表面の凍結期間と畜肉中心部
の凍結期間の凍結速度比は約1.7になり、上述した
ように食材に亀裂が生じるのは凍結速度比3.3以上で
あることの例にもれず、組織に亀裂を生じなかった。
【0051】よって、解凍したときの成分流出が少な
く、従来の冷凍方法1・2(表1参照)と比較して、組
織の状態、成分濃度ともによくなった。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、食材を冷
凍しながらその最大氷結晶生成帯で加熱工程を実施する
ようにしたことにより、冷凍前の食材の組織状態を保持
することが可能になり、成分の流出が少なく、良好な状
態での冷凍を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における冷凍機を示した
説明図である。
【図2】図1の冷凍機のコントロールパネルを示した説
明図である。
【図3】図1の冷凍機で食材を冷凍する際の温度変化を
示すグラフである。
【図4】図1の冷凍機と同様に構成された本発明の実施
の形態2における冷凍機のコントロールパネルを示した
説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2の冷凍機で食材を冷凍す
る際の温度変化を示すグラフである。
【図6】従来の冷凍方法1で食材を冷凍する際の温度変
化を示すグラフである。
【図7】従来の冷凍方法2で食材を冷凍する際の温度変
化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 食材 2 冷凍室 3 冷却装置 4 温度センサー 5 温度制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 知子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L045 AA02 AA03 AA08 BA04 BA06 CA03 DA02 EA01 LA12 MA01 MA02 MA12 MA16 4B022 LA06 LB01 LP02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食材を設置する冷凍室と、前記冷凍室の
    内部を冷却する冷却手段と、食材の表面温度を検出する
    温度検出手段と、前記温度検出手段の情報をもとに前記
    冷却手段により前記冷凍室内部の温度を調節する温度制
    御手段とを備えた冷凍機において、 前記温度制御手段は、前記冷凍室内に設置した食材に対
    して、その表面温度が最大氷結晶生成帯の終了温度近傍
    まで低下するよう冷却する冷却工程と、最大氷結晶生成
    帯の開始温度近傍まで上昇するよう加熱する加熱工程と
    を実施し、加熱工程の終了後に所定の保存温度まで冷却
    するように構成された冷凍機。
  2. 【請求項2】 温度制御手段は、 食材の表面温度が最大氷結晶生成帯の開始温度に到達す
    るまでの所定の温度帯を通過する際の所要時間を検知
    し、 検知した値より冷却速度を演算し、 食材ごとに予め記憶した冷却速度と重量との相関から食
    材重量を推定し、 推定した食材重量と温度検出手段で検出された表面温度
    とをもとに、食材ごとに予め実験的に求められ記憶した
    表面温度と中心部温度とのデータを用いて、食材中心部
    温度を最大氷結晶生成帯の開始温度まで低下させるのに
    必要な加熱工程の回数を決定するように構成された請求
    項1記載の冷凍機。
  3. 【請求項3】 温度制御手段は、 食材の表面温度と寸法や熱伝導度である物理特性情報と
    から食材中心部の温度を推定し、 推定した食材中心部温度と温度検出手段で検出された表
    面温度との差をもとに、食材中心部温度を最大氷結晶生
    成帯の開始温度まで低下させるのに必要な加熱工程の回
    数を決定するように構成された請求項1記載の冷凍機。
  4. 【請求項4】 温度制御手段は、食材の表面温度が最大
    氷結晶生成帯の開始温度に到達するまでに、食材の表面
    温度と中心部温度とを所定の温度差に維持するように冷
    却および加熱を実施するように構成された請求項3記載
    の冷凍機。
  5. 【請求項5】 食材を冷凍するに際し、冷凍室内に設置
    した前記食材に対して、表面温度を検出し、検出した表
    面温度が最大氷結晶生成帯の終了温度近傍まで低下する
    よう冷却する冷却工程と、最大氷結晶生成帯の開始温度
    近傍まで上昇するよう加熱する加熱工程とを実施し、加
    熱工程の終了後に所定の保存温度まで冷却する冷凍方
    法。
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