JP2003020952A - Ｖ型エンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、チェーンガイドの強度及び剛性を
確保するとともに、チェーンガイドとウォータポンプと
の干渉をなくすことを目的としている。 【構成】 このため、エンジンのシリンダブロックに第
１、第２シリンダヘッドを載置して略Ｖ字形状に第１、
第２シリンダバンクを配列し、第１、第２シリンダバン
クの間にウォータポンプを配設し、シリンダブロックに
軸支したクランク軸の回転を第１タイミングチェーンを
介して第１シリンダヘッドに軸支されるカム軸に伝達す
るとともに、クランク軸の回転を第２タイミングチェー
ンを介して第２シリンダヘッドに軸支されるカム軸に伝
達するＶ型エンジンにおいて、ウォータポンプをＶ型エ
ンジンの左右対称側から第２シリンダバンク側にオフセ
ットした位置に配設し、第２タイミングチェーンの張り
側を緩み側よりウォータポンプに近接させて設け、第２
タイミングチェーンの張り側にチェーンガイドを配設
し、チェーンガイドに穴部を設け、穴部にウォータポン
プのポンプ軸を支持させている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はＶ型エンジンに係
り、特にチェーンガイドの強度及び剛性を確保するとと
もに、チェーンガイドとウォータポンプとの干渉を回避
するＶ型エンジンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車両のエンジンにおいては、シリンダブ
ロックにクランク軸を軸支して設け、このクランク軸に
クランクタイミングスプロケットを設け、シリンダブロ
ックに載置したシリンダヘッドには吸排気弁を開閉動作
させるカムシャフトを軸支して設け、このカムシャフト
にカムスプロケットを設け、クランクタイミングスプロ
ケットとカムスプロケットとにタイミングチェーンを巻
き掛けて設け、このタイミングチェーンを覆ってチェー
ン室を形成するようにシリンダブロックとシリンダヘッ
ドとに跨がるタイミングチェーンカバーを設け、シリン
ダブロック側のクランク軸にオイルポンプを設けている
ものがある。

【０００３】また、前記エンジンには、シリンダブロッ
クに第１、第２シリンダヘッドを搭載して略Ｖ字形状に
第１、第２シリンダバンクを配列させたＶ型エンジンが
ある。

【０００４】そして、Ｖ型エンジンとしては、特開１９
９３−８６８９１号公報に開示されるものがある。この
公報に開示されるＶ型エンジンは、バンク間空間内に過
給機がオフセット配置される側とは反対側のバンクにオ
フセットした位置であって、且つバンクの谷部の近傍に
は、ウォータポンプへの冷却水配管が接続される冷却水
取り入れ部がシリンダブロックに一体に設けられ、冷却
水取り入れ部からの通路は一旦気筒配列方向に延び、そ
の後反転してウォータポンプの軸心に向けて冷却水を導
入するように連通され、冷却装置の冷却性能を低下させ
ることなく、コンパクトなＶ型エンジンを提供してい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のＶ型
エンジン１０２は、図５に示す如く、シリンダブロック
１０４に第１シリンダヘッド１０６−１（図５において
右側）と第２シリンダヘッド１０６−２（図５において
左側）とを搭載して略Ｖ字形状に第１、第２シリンダバ
ンク１０８−１、１０８−２を配列している。

【０００６】前記シリンダブロック１０４には、図示し
ないベアリングキャップによって長手方向に１本のクラ
ンク軸１１０を軸支して設け、下部にオイルパン（図示
せず）を取り付けている。前記シリンダブロック１０４
には、図示しない第１、第２シリンダが設けられ、第
１、第２ピストン（図示せず）が夫々装着されている。
第１、第２ピストンは、図示しない第１、第２コネクチ
ングにより前記クランク軸１１０に夫々連絡されてい
る。

【０００７】このクランク軸１１０の一端部には、例え
ばクランク軸１１０用のクランクタイミングスプロケッ
ト１１２が取り付けられている。

【０００８】また、前記第１シリンダヘッド１０６−１
の第１ヘッドカバー１１４−１内に２本の吸気弁用第１
カム軸１１６と排気弁用第１カム軸１１８とが夫々配設
されるとともに、第２シリンダヘッド１０６−２の第２
ヘッドカバー１１４−２内には２本の吸気弁用第２カム
軸１２０と排気弁用第２カム軸１２２とが夫々配設され
ている。

【０００９】そして、前記第１、第２シリンダヘッド１
０６−１、１０６−２により挟まれる空間部１２４側
に、吸気弁用第１、第２カム軸１１６、１２０を夫々位
置させている。

【００１０】更に、吸気弁用第１カム軸１１６及び排気
弁用第１カム軸１１８の一端に、小径スプロケット１２
６、１２８を夫々配設する。

【００１１】前記吸気弁用第２カム軸１２０の一端に大
径スプロケット１３０と小径スプロケット１２６、１２
８と同一形状の小径スプロケット１３２とを配設すると
ともに、排気弁用第２カム軸１２２の一端には、小径ス
プロケット１２６、１２８、１３０と同一形状の小径ス
プロケット１３４を配設する。

【００１２】そして、前記第１シリンダヘッド１０６−
１の２本の吸気弁用第１カム軸１１６及び排気弁用第１
カム軸１１８とクランク軸１１０間に中間軸１３６を配
設するとともに、中間軸１３６の一端に大径スプロケッ
ト１３８及び小径スプロケット１４０を夫々配設する。

【００１３】また、前記第２シリンダヘッド１０６−２
の例えば吸気弁用第２カム軸１２０の大径スプロケット
１３０と中間軸１３６の大径スプロケット１３８とクラ
ンク軸１１０のクランクタイミングスプロケット１１２
とを第１タイミングチェーン１４２により連絡して設け
る。

【００１４】そして、前記第１シリンダヘッド１０６−
１の２本の吸気弁用第１カム軸１１６及び排気弁用第１
カム軸１１８の小径スプロケット１２６、１２８と中間
軸１３６の小径スプロケット１４０とを第２タイミング
チェーン１４４により連絡して設ける。

【００１５】また、前記第２シリンダヘッド１０６−２
に配設される２本の吸気弁用第２カム軸１２０及び排気
弁用第２カム軸１２２の小径スプロケット１３２、１３
４を第３タイミングチェーン１４６により連絡して設け
る。

【００１６】更に、前記クランク軸１１０とオイルポン
プ１４８とを第４タイミングチェーン１５０により連絡
している。

【００１７】そして、前記第１〜第４タイミングチェー
ン１４２、１４４、１４６、１５０は、タイミングチェ
ーンカバー（「覆い部材」ともいう）１５２により覆設
される。

【００１８】また、前記Ｖ型エンジン１０２のシリンダ
ブロック１０４とタイミングチェーンカバー１５２間且
つ第２シリンダヘッド１０６−２側に少許偏倚させた位
置にウォータポンプ１５４を設け、前記クランク軸１１
０に図示しないクランクプーリを設けるとともに、ウォ
ータポンプ１５４には図示しないウォータポンププーリ
を設け、クランクプーリとウォータポンププーリと前記
Ｖ型エンジン１０２の側部に配設されるオルタネータ１
５６のオルタネータプーリ１５８を駆動ベルト（図示せ
ず）により捲回して設けている。

【００１９】つまり、前記Ｖ型エンジンの動弁駆動系
は、コンパクト化及び信頼性の向上を目的に、タイミン
グベルトからタイミングチェーンを使用することが主流
となっている。

【００２０】そして、チェーン駆動であっても、従来
は、上述したようにクランク軸からカム軸までの間を２
段階にタイミングチェーンを使いながら、カム回転の減
速を行うもの（「２ステージチェーン」ともいう）が多
い。

【００２１】最近のエンジンにおいては、さらなるコン
パクト化及び信頼性の向上を推進するために、クランク
軸からカム軸までの間を１本のタイミングチェーン（Ｖ
型エンジンにおいては、左右合計２本のタイミングチェ
ーン）で構成するもの（「１ステージチェーン」ともい
う）が増えてきた。

【００２２】このとき、１ステージチェーンとウォータ
ポンプとは非常に近い位置に配設されており、両者の性
能を犠牲にすることなく、レイアウトを行うことは困難
であるという不都合がある。

【００２３】例えば、左側シリンダバンクのタイミング
チェーンのテンショナ側チェーンガイドとウォータポン
プハウジングとが干渉し、前記テンショナ側チェーンガ
イドの強度及び剛性が十分でなく、チェーンシステムの
信頼性を低下させる要因となるものである。

【００２４】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、エンジンのシリンダブロッ
クに第１、第２シリンダヘッドを載置して略Ｖ字形状に
第１、第２シリンダバンクを配列し、この第１、第２シ
リンダバンクの間にウォータポンプを配設し、前記シリ
ンダブロックに軸支したクランク軸の回転を第１タイミ
ングチェーンを介して第１シリンダヘッドに軸支される
カム軸に伝達するとともに、前記クランク軸の回転を第
２タイミングチェーンを介して第２シリンダヘッドに軸
支されるカム軸に伝達するＶ型エンジンにおいて、前記
ウォータポンプをＶ型エンジンの左右対称側から第２シ
リンダバンク側にオフセットした位置に配設し、前記第
２タイミングチェーンの張り側を緩み側より前記ウォー
タポンプに近接させて設け、この第２タイミングチェー
ンの張り側にチェーンガイドを配設し、該チェーンガイ
ドに穴部を設け、該穴部に前記ウォータポンプのポンプ
軸を支持させたことを特徴とする。

【００２５】

【発明の実施の形態】上述の如く発明したことにより、
ウォータポンプのポンプ軸をチェーンガイドによって支
持し、チェーンガイドの強度及び剛性を確保するととも
に、チェーンガイドとウォータポンプとが干渉すること
なく、第１、第２シリンダヘッドにより挟まれる空間部
にウォータポンプを配設している。

【００２６】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００２７】図１及び図２はこの発明の第１実施例を示
すものである。

【００２８】Ｖ型エンジン２は、図２に示す如く、シリ
ンダブロック４に第１シリンダヘッド６−１（図２にお
いて右側）と第２シリンダヘッド６−２（図２において
左側）とを搭載して略Ｖ字形状に第１、第２シリンダバ
ンク８−１、８−２を配列している。

【００２９】前記シリンダブロック４には、図示しない
ベアリングキャップによって長手方向に１本のクランク
軸１０を軸支して設け、下部にオイルパン（図示せず）
を取り付ける。前記シリンダブロック４には、図示しな
い第１、第２シリンダが設けられ、第１、第２ピストン
（図示せず）が夫々装着される。第１、第２ピストン
は、図示しない第１、第２コネクチングにより前記クラ
ンク軸１０に夫々連絡される。

【００３０】このクランク軸１０の一端部には、例えば
クランク軸１０用のクランクタイミングスプロケット１
２が取り付けられる。

【００３１】また、前記第１シリンダヘッド６−１（図
２において右側）の第１ヘッドカバー１４−１内に２本
の吸気弁用第１カム軸１６と排気弁用第１カム軸１８と
が夫々配設されるとともに、第２シリンダヘッド６−２
（図２において左側）の第２ヘッドカバー１４−２内に
は２本の吸気弁用第２カム軸２０と排気弁用第２カム軸
２２とが夫々配設される。

【００３２】そして、前記第１、第２シリンダヘッド６
−１、６−２により挟まれる空間部２４側に、吸気弁用
第１、第２カム軸１６、２０を夫々位置させる。

【００３３】更に、吸気弁用第１カム軸１６及び排気弁
用第１カム軸１８の一端に、スプロケット２６、２８を
夫々配設する。

【００３４】前記吸気弁用第２カム軸２０の一端にスプ
ロケット２６、２８と同一形状のスプロケット３２を配
設するとともに、排気弁用第２カム軸２２の一端には、
スプロケット２６、２８、３２と同一形状のスプロケッ
ト３４を配設する。

【００３５】また、前記第１シリンダヘッド６−１に配
設される２本の吸気弁用第１カム軸１６及び排気弁用第
１カム軸１８のスプロケット２６、２８とクランク軸１
０のクランクタイミングスプロケット１２とを第１タイ
ミングチェーン４２により連絡して設ける。

【００３６】そして、前記第２シリンダヘッド６−２に
配設される２本の吸気弁用第２カム軸２０及び排気弁用
第２カム軸２２のスプロケット３２、３４を第２タイミ
ングチェーン４４により連絡して設ける。

【００３７】すなわち、Ｖ型エンジン２を、前記シリン
ダブロック４に軸支したクランク軸１０の回転を第１タ
イミングチェーン４２を介して第１シリンダヘッド６−
１に軸支されるカム軸である吸気弁用第１カム軸１６及
び排気弁用第１カム軸１８に伝達する構成とするととも
に、前記クランク軸１０の回転を第２タイミングチェー
ン４４を介して第２シリンダヘッド６−２に軸支される
カム軸である吸気弁用第２カム軸２０及び排気弁用第２
カム軸２２に伝達する構成とする。

【００３８】更に、前記クランク軸１０とオイルポンプ
４８とを第３タイミングチェーン５０により連絡する。

【００３９】そして、前記第１〜第３タイミングチェー
ン４２、４４、５０は、図示しないタイミングチェーン
カバー（「覆い部材」ともいう）により覆設される。

【００４０】更にまた、前記Ｖ型エンジン２の第１、第
２シリンダバンク８−１、８−２の間にウォータポンプ
５４を配設し、前記クランク軸１０に図示しないクラン
クプーリを設けるとともに、ウォータポンプ５４には図
示しないウォータポンププーリを設け、クランクプーリ
とウォータポンププーリと前記Ｖ型エンジン２の側部に
配設されるオルタネータ５６のオルタネータプーリ５８
を駆動ベルト（図示せず）により捲回して設ける。

【００４１】前記ウォータポンプ５４は、図１に示す如
く、ポンプ軸５４ａと、ハウジング部５４ｂと、カバー
部５４ｃと、インペラ５４ｄと、メカニカルシール５４
ｅと、ベアリング５４ｆと、プーリシート５４ｇとを有
する。

【００４２】また、前記ウォータポンプ５４をＶ型エン
ジン２の左右対称側から第２シリンダバンク８−２側に
オフセットした位置に配設し、前記第２タイミングチェ
ーン４４の張り側を緩み側より前記ウォータポンプ５４
に近接させて設ける。

【００４３】そして、第１タイミングチェーン４２の張
り側（図２において右側）に第１チェーンガイド６０を
配設するとともに、緩み側（図２において左側）に第１
テンショナ６２を配設し、この第１テンショナ６２の下
部を押圧して第１タイミングチェーン４２の緩み側の張
力を調整する第１チェーンアジャスタ６４を設ける。

【００４４】また、前記第２タイミングチェーン４４の
張り側（図２において右側）に第２チェーンガイド６６
を配設するとともに、緩み側（図２において左側）に第
２テンショナ６８を配設し、この第２テンショナ６８の
下部を押圧して第２タイミングチェーン４４の緩み側の
張力を調整する第２チェーンアジャスタ７０を設ける。

【００４５】前記第２チェーンガイド６６は、アルミダ
イキャスト製を本体とし、第２タイミングチェーン４４
の摺動部位は樹脂製で構成する。第２チェーンガイド６
６の本体の略中央部を摺動部位とは反対側に円状に突出
形成し、このガイド円状突出部がＶバンク直下のシリン
ダブロック４に位置するように、この第２チェーンガイ
ド６６がシリンダヘッドに位置する第１ガイドボスとシ
リンダブロック４に位置する第２ガイドボスにぼるとを
介してシリンダヘッドとシリンダブロック４に取り付け
られる。ガイド円状突出部は第１ガイドボスと第２ガイ
ドボスとの間に形成される。

【００４６】このとき、前記第２チェーンガイド６６に
穴部７２を設け、該穴部７２に前記ウォータポンプ５４
のポンプ軸５４ａを支持させる構成とする。

【００４７】詳述すれば、前記第２チェーンガイド６６
に、図１及び図２に示す如く、前記ウォータポンプ５４
のハウジング部５４ｂの筒状部５４ｂ−１よりも少し寸
法の大なる穴部７２を形成し、第２チェーンガイド６６
の取付時に、前記ウォータポンプ５４のハウジング部５
４ｂの筒状部５４ｂ−１外周と穴部７２間に間隙７４を
現出させるものである。

【００４８】また、前記第２チェーンガイド６６に、図
２に示す如く、前記第１タイミングチェーン４４の緩み
側の張力を調整する第１テンショナ６２の第１チェーン
アジャスタ６４を設ける。この第１テンショナ６２の第
１チェーンアジャスタ６４にはこの第１チェーンアジャ
スタ６４を取り囲むように３箇所の取付部を介してシリ
ンダブロック４に取り付けられる。第１取付部は前記第
２チェーンガイド６６の第２ガイドボスに第２チェーン
ガイド６６と共締めされ、第２取付部は第２タイミング
チェーン４４のチェーンライン内であって第１チェーン
アジャスタ６４本体の上方で、そして第３取付部は第２
タイミングチェーン４４のチェーンライン内であって第
１チェーンアジャスタ６４本体の下方でシリンダブロッ
ク４に取り付けられる。

【００４９】なお、符号７６は、前記ウォータポンプ５
４の組付ボルト、７８は前記第１、第２チェーンガイド
６０、６６をＶ型エンジン２に取り付ける際に使用する
取付ボルトである。

【００５０】次に作用を説明する。

【００５１】前記ウォータポンプ５４は、図１に示す如
く、Ｖ型エンジン２に取り付けられたカバー部５４ｃに
ハウジング部５４ｂを組付ボルト７６によって組み付
け、ウォータポンプ５４のポンプ軸５４ａをクランク軸
１０の軸方向に対して平行状態に取り付ける。

【００５２】そして、前記Ｖ型エンジン２に第１、第２
チェーンガイド６０、６６を取付ボルト７８によって夫
々取り付ける。

【００５３】このとき、Ｖ型エンジン２に第２チェーン
ガイド６６を取り付ける際には、この第２チェーンガイ
ド６６に形成した穴部７２を利用して、ウォータポンプ
５４のハウジング部５４ｂの筒状部５４ｂ−１を外嵌
し、ウォータポンプ５４のハウジング部５４ｂの筒状部
５４ｂ−１外周と穴部７２間に間隙７４を現出させる。

【００５４】また、前記取付ボルト７８によって第１、
第２チェーンガイド６０、６６をＶ型エンジン２に取り
付ける際に、下側に位置する取付ボルト７８を第１テン
ショナ６２の第１チェーンアジャスタ６４を取り付ける
取付ボルトとしても機能させている。

【００５５】これにより、前記第２チェーンガイド６６
に形成した穴部７２を利用して、ウォータポンプ５４の
ハウジング部５４ｂの筒状部５４ｂ−１を外嵌し、ウォ
ータポンプ５４のポンプ軸５４ａを支持することがで
き、第２チェーンガイド６６の強度及び剛性を確保する
ことができるとともに、第２チェーンガイド６６とウォ
ータポンプ５４とが干渉することなく、前記第１、第２
シリンダヘッド６−１、６−２により挟まれる空間部２
４にウォータポンプ５４を配設することができ、実用上
有利である。

【００５６】また、前記第２チェーンガイド６６に、前
記第１タイミングチェーン４４の緩み側の張力を調整す
る第１テンショナ６２の第１チェーンアジャスタ６４を
設けたことにより、第１テンショナ６２の第１チェーン
アジャスタ６４の取付スペースを確保することができる
とともに、第２チェーンガイド６６をＶ型エンジン２に
取り付けるための下側に位置する取付ボルト７８を第１
テンショナ６２の第１チェーンアジャスタ６４を取り付
ける取付ボルトとして機能させることができ、取付ボル
トの数量、つまり部品点数を減少でき、コストの低減に
寄与し得る。

【００５７】図３及び図４はこの発明の第２実施例を示
すものである。この第２実施例において上述第１実施例
のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して
説明する。

【００５８】第１実施例においてはチェーンガイドとウ
ォータポンプのハウジング部とを別体に設けたが、この
第２実施例の特徴とするところは、チェーンガイドと前
記ウォータポンプ８２のハウジング部８２ｂとを一体的
に設けた点にある。

【００５９】すなわち、ウォータポンプ８２のハウジン
グ部８２ｂを形成する際に、図４に示す如く、カバー部
８２ｃへの取付面に対して反対側の面を突出させ、カバ
ー部８２ｃへの取付面に対して反対側の面をポンプ軸８
２ａのハウジング部８２ｂ周囲に突出させてハウジング
円状突出部を形成するとともに、このハウジング円状突
出部と連続して第２タイミングチェーンの張り側に沿っ
て、上部はシリンダヘッドの略中央部から、下部はクラ
ンクスプロケット近傍までカバー取付面に対して反対側
の面を突出させてハウジングガイド部を形成し、このハ
ウジングガイド部にタイミングチェーンの摺動面を設け
て、突出部分をチェーンガイドとして機能させるもので
ある。

【００６０】さすれば、チェーンガイドと前記ウォータ
ポンプ８２のハウジング部８２ｂとを一体的に設けたこ
とによって、冷却ファンが取り付けられるポンプ軸８２
ａを支持するウォータポンプ８２のハウジング部８２ｂ
の強度及び剛性を向上させることができるとともに、部
品点数を減少させることができ、コストの低減に寄与し
得る。

【００６１】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの本発明によ
れば、エンジンのシリンダブロックに第１、第２シリン
ダヘッドを載置して略Ｖ字形状に第１、第２シリンダバ
ンクを配列し、第１、第２シリンダバンクの間にウォー
タポンプを配設し、シリンダブロックに軸支したクラン
ク軸の回転を第１タイミングチェーンを介して第１シリ
ンダヘッドに軸支されるカム軸に伝達するとともに、ク
ランク軸の回転を第２タイミングチェーンを介して第２
シリンダヘッドに軸支されるカム軸に伝達するＶ型エン
ジンにおいて、ウォータポンプをＶ型エンジンの左右対
称側から第２シリンダバンク側にオフセットした位置に
配設し、第２タイミングチェーンの張り側を緩み側より
ウォータポンプに近接させて設け、第２タイミングチェ
ーンの張り側にチェーンガイドを配設し、チェーンガイ
ドに穴部を設け、穴部にウォータポンプのポンプ軸を支
持させたので、チェーンガイドの強度及び剛性を確保す
ることができるとともに、チェーンガイドとウォータポ
ンプとが干渉することなく、第１、第２シリンダヘッド
により挟まれる空間部にウォータポンプを配設すること
ができ、実用上有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例を示すウォータポンプ部
分の拡大断面図である。

【図２】Ｖ型エンジンの概略構成図である。

【図３】この発明の第２実施例を示すＶ型エンジンの概
略構成図である。

【図４】ウォータポンプ部分の拡大断面図である。

【図５】この発明の従来技術を示すＶ型エンジンの概略
構成図である。

【符号の説明】

２ Ｖ型エンジン ４ シリンダブロック ６−１ 第１シリンダヘッド６−１（図２において右
側） ６−２ 第２シリンダヘッド６−２（図２において左
側） ８−１、８−２ 第１、第２シリンダバンク １０ クランク軸 １２ クランクタイミングスプロケット １４−１ 第１ヘッドカバー １４−２ 第２ヘッドカバー １６ 吸気弁用第１カム軸 １８ 排気弁用第１カム軸 ２０ 吸気弁用第２カム軸 ２２ 排気弁用第２カム軸 ２４ 空間部 ４２ 第１タイミングチェーン ４４ 第２タイミングチェーン ４８ オイルポンプ ５０ 第３タイミングチェーン ５４ ウォータポンプ ５６ オルタネータ ５８ オルタネータプーリ ５４ａ ポンプ軸 ５４ｂ ハウジング部 ５４ｂ−１ 筒状部 ５４ｃ カバー部 ５４ｄ インペラ ５４ｅ メカニカルシール ５４ｆ ベアリング ５４ｇ プーリシート ７２ 穴部 ７４ 間隙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ０２Ｂ 75/22 Ｆ０２Ｂ 75/22 Ｅ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのシリンダブロックに第１、第
   ２シリンダヘッドを載置して略Ｖ字形状に第１、第２シ
   リンダバンクを配列し、この第１、第２シリンダバンク
   の間にウォータポンプを配設し、前記シリンダブロック
   に軸支したクランク軸の回転を第１タイミングチェーン
   を介して第１シリンダヘッドに軸支されるカム軸に伝達
   するとともに、前記クランク軸の回転を第２タイミング
   チェーンを介して第２シリンダヘッドに軸支されるカム
   軸に伝達するＶ型エンジンにおいて、前記ウォータポン
   プをＶ型エンジンの左右対称側から第２シリンダバンク
   側にオフセットした位置に配設し、前記第２タイミング
   チェーンの張り側を緩み側より前記ウォータポンプに近
   接させて設け、この第２タイミングチェーンの張り側に
   チェーンガイドを配設し、該チェーンガイドに穴部を設
   け、該穴部に前記ウォータポンプのポンプ軸を支持させ
   たことを特徴とするＶ型エンジン。
2. 【請求項２】 前記チェーンガイドと前記ウォータポン
   プのハウジング部とを一体的に設けたことを特徴とする
   請求項１に記載のＶ型エンジン。
3. 【請求項３】 前記チェーンガイドに前記第１タイミン
   グチェーンの緩み側の張力を調整するテンショナのチェ
   ーンアジャスタを設けたことを特徴とする請求項１に記
   載のＶ型エンジン。